JPH0754714B2 - 薄形鉛蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

薄形鉛蓄電池およびその製造方法

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JPH0754714B2
JPH0754714B2 JP2314126A JP31412690A JPH0754714B2 JP H0754714 B2 JPH0754714 B2 JP H0754714B2 JP 2314126 A JP2314126 A JP 2314126A JP 31412690 A JP31412690 A JP 31412690A JP H0754714 B2 JPH0754714 B2 JP H0754714B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鉛蓄電池およびその製造方法に係り、特に高容
量で長寿命の薄形鉛蓄電池およびその製造方法に関す
る。
[従来の技術] 従来の鉛蓄電池は、一般に格子体に活物質のペーストを
充填したものを正極板および負極板として用いている。
格子体は活物質の保持体として機能し、かつ集電体の役
目をも果たすものである。このような格子体は、通常鋳
造により製造され、その形成材料には機械的強度を向上
させる目的で、純粋な鉛の代わりに鉛を主成分とする合
金が用いられている。
このような鉛蓄電池には、近年のポータブル機器などの
小型機器の普及に伴い、薄形化が要請されている。
従来の薄形鉛蓄電池としては、一般に、電池ケース内に
上述のような正極板および負極板をこれらの主面がセパ
レータを介して相対向するように配置し、かつ電池ケー
ス内に電解質を充填したものが知られている。このよう
な電極積層タイプの薄形鉛蓄電池では、正極板,セパレ
ータおよび負極板等の各部材が蓄電池の厚さ方向に積層
されているので、電池全体の厚さが各部材の厚さの総和
に匹敵してしまい、たとえ各部材の厚さを薄くし、電池
全体の薄形化を図ったとしても限界があった。
特開平1-132064号公報には、本出願人による改良型の薄
形鉛蓄電池が開示されている。この薄形鉛蓄電池は櫛形
状の正極板と負極板を同一平面上に配置する電極並列タ
イプのものであり、例えば第1図に示す様に、一方のフ
ィルム状のケース基板1の表面に略櫛形状の正極用集電
体2および正極活物質3からなる正極板と、正極用集電
体2と略同形状の負極用集電耐4および負極活物質5か
らなる負極板とが設けられており、正極板と負極板の各
端面間の空間には硫酸を含有してなる電解質6が充填さ
れている。他方のフィルム状のケース基板7によって電
池全体を密閉して薄形鉛蓄電池が構成される。
このような構成の薄形鉛蓄電池においては、正極板と負
極板とこれらの両極板間の電解質とがケース基板1の同
一平面上に配置されているので、電極や電解質などを電
池の厚さ方向に積層した電極積層タイプの鉛蓄電池に比
べて、寿命を損なうことなく、より薄形化が可能であ
る。
次に、第2図(a),(b)および(c)を参照して第
1図に示した従来の電極並列タイプの薄形鉛蓄電池の製
造方法を説明する。
まず、第2図(a)に示すように、ケース基板1の主表
面上に櫛形状の正極用集電体2および負極用集電体4を
両集電体間に所定の間隔が形成されるように組み合わせ
て接着剤などにより固定する。次に、ケース基板1の主
表面の上に負極用集電体4の平面形状と同一形状の櫛形
状の開口部10を有する負極マスク11を覆せる。次いで、
負極活物質ペースト12を負極マスク11上に載せたのち、
板13を例えば矢印A方向に沿って移動させて負極活物質
ペースト12を負極マスク11の開口部10を通して負極用集
電体4上に塗り込み、印刷する。
次に、負極マスク11を取り外してのち、第2図(b)に
示すようにケース基板1の主表面の上に正極用集電体5
の平面形状と同一形状の櫛形状開口部14を有する正極マ
スク15を覆せる。次いで、上述の負極活物質ペースト12
の塗り込みと同様に、正極活物質ペースト16を正極マス
ク15上に載せたのち、板17を例えば矢印A方向に沿って
移動させて正極活物質ペースト16を正極マスク15の開口
部14を通して正極用集電体5上に塗り込み、印刷する。
次に、正極マスク15を取り外したのち、印刷された正負
極活物質に対して熟成処理および化成処理を施し、水洗
・乾燥を行ってそれぞれ正極板および負極板を形成す
る。次いで、第2図(c)に示すように正負極板間の空
間にスポイト18などを用いて電解質6を注入する。その
後、ケース基板1の上にケース基板7を覆せ、両ケース
基板1および7の周縁部を封止して薄形鉛蓄電池を得
る。
しかしながら、このようにして得られた電極並列タイプ
の薄形鉛蓄電池においては従来の鉛蓄電池ほど容量が大
きくないため、正負極活物質をさらに厚く形成するなど
して、薄形化・長寿命化を損うことなく電池容量を高め
る努力がなされている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、このように電池容量を高めるため、櫛形状の正
負極用集電体にこれまでよりも厚い活物質を塗布した場
合には、集電体の幅に比べて活物質量が多くなるため、
集電体と活物質との密着力が不足し、これにより活物質
の局部的あるいは全面的な脱落不良が発生する。特に、
このような活物質の脱落不良が化成処理時に多発し、製
造歩留りを著しく低下させる欠点があった。
また、このような薄形鉛蓄電池を完成品として実際に動
作させた場合には、活物質が集電体から局部的に剥離し
て寿命特性が悪化したり、あるいは活物質が局部的に脱
落して電極間が短絡したりする故障がしばしば発生し、
信頼性を大きく損なう不具合があった。
そこで、以上述べた活物質の剥離・脱落故障を防止する
目的で、集電体の表面を予めブラスト処理し、活物質と
の密着力を増大させる処理法が用いられた。ところが、
この対策も従来よりも厚く形成した活物質に対しては、
剥離・脱落故障の発生に関して十分な効果を得るまでに
は至らなかった。一方、この活物質の剥離・脱落を防止
する方法として、集電体の幅を従来の幅よりも広くし、
活物質量を多くして容量の増大化を図るという方法はあ
るが、薄形鉛蓄電池としての平面積が大きくなり、機器
のコンパクト化の要請に反するという難点があった。
本発明の目的は、活物質を厚く塗布した場合であっても
活物質の集電体からの剥離・脱落を防止し得る高容量で
長寿命の薄形鉛蓄電池およびその製造方法を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するために、本発明の薄形蓄電池
は鉛または鉛合金製の集電体と該集電体面上に密着され
た活物質から構成された電極板を有する薄形鉛蓄電池に
おいて、前記集電体面は複数の突起を有することを特徴
とする。
また、本発明の薄形鉛蓄電池はフィルム状の第一のケー
ス基板と、該第一のケース基板の面上に固定された鉛ま
たは鉛合金製の正極用集電体と、該正極用集電体の面上
に密着された正極活物質から構成された正極板と、フィ
ルム状の第二のケース基板の面上に前記正極板と対向す
るようにして固定された鉛または鉛合金製の負極用集電
体と該負極用集電体の面上に密着された負極活物質から
構成された負極板と、前記正極板と負極板との間の空間
に充填された電解質とを有し、前記両ケース基板のそれ
ぞれの周縁部が互いに接合されてなる薄形鉛蓄電池にお
いて、前記各集電体のケース基板側の面にはそれぞれエ
ポキシ系樹脂層が形成され、該エポキシ系樹脂層上に無
水マレイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層ま
たは無水マレイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレ
ンとジグリシジルエーテルとの混合組成物層の少なくと
もいずれか一層が形成され、かつ前記各集電体の活物質
側の面には複数の突起が設けられていることを特徴とす
る。
さらに、本発明の薄形鉛蓄電池は、フィルム状の第一の
ケース基板と、該第一のケース基板の面上に、互いに組
み合わされて固定された櫛形状の鉛または鉛合金製の正
極用集電体および負極用集電体と該正極用集電体および
負極用集電体の面上に密着された正極活物質および負極
活物質から構成された正極板および負極板と、前記正極
板および負極板の面上に固定されたフィルム状の第二の
ケース基板と、前記正極板と前記負極板との間の空間に
充填された電解質とを有し、前記両ケース基板のそれぞ
れの周縁部が互いに接合されてなる薄形鉛蓄電池におい
て、前記各集電体のケース基板側の面にはそれぞれエポ
キシ系樹脂層が形成され、該エポキシ系樹脂層上に無水
マレイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層また
は無水マレイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン
とジグリシジルエーテルとの混合組成物層の少なくとも
いずれか一層が形成され、かつ前記各集電体の活物質側
の面には複数の突起が設けられていることを特徴とす
る。
またさらに、本発明の薄形鉛蓄電池の製造方法は鉛また
は鉛合金製の板材の一面に複数の突起を形成して正極用
集電体および負極用集電体をそれぞれ製造する工程と、
前記各集電体の突起の形成された面に活物質を密着して
それぞれ活物質層を形成する工程と、前記各集電体の突
起形成面と反対面にエポキシ系樹脂層を形成したのち、
該エポキシ系樹脂層上に無水マレイン酸骨格を含有する
塩素化ポリプロピレン層または無水マレイン酸骨格を含
有する塩素化ポリプロピレンとジグリシジルエーテルと
の混合組成物層の少なくともいずれか一層を形成する工
程と、前記各集電体を前記エポキシ系樹脂層と、前記無
水マレイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層ま
たは前記混合組成物層の少なくともいずれか一層とを介
してそれぞれ異なるケース基板に固着する工程と、前記
両集電体の前記各活物質層を電解質を介して対向させた
のち、前記両ケース基板の周縁部を互いに接合する工程
とを含むことを特徴とする。
さらに、本発明の薄形鉛蓄電池の製造方法は鉛または鉛
合金製の板材の一面に複数の突起を形成して正極用集電
体および負極用集電体をそれぞれ製造する工程と、前記
各集電体の突起の形成された面に活物質を密着してそれ
ぞれ活物質層を形成する工程と、前記各集電体の突起形
成面と反対面にエポキシ系樹脂層を形成したのち、該エ
ポキシ系樹脂層上に無水マレイン酸骨格を含有する塩素
化ポリプロピレン層または無水マレイン酸骨格を含有す
る塩素化ポリプロピレンとジグリシジルエーテルとの混
合組成物層の少なくともいずれか一層を形成する工程
と、前記両集電体を前記エポキシ系樹脂層と、前記無水
マレイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層また
は前記混合組成物層の少なくともいずれか一層を介して
前記両集電体が互いに離間するように第1のケース基板
に固着する工程と、前記両集電体間の空間に電解質を充
填する工程と、前記第1のケース基板を前記両集電体お
よび前記電解質を介して第2のケース基板に対向させた
のち、前記両ケース基板の周縁部を互いに接合する工程
とを含むことを特徴とする。
[作用] 本発明においては、集電体面上に設けた複数の突起によ
り集電体と活物質との結合力を向上させることができる
ので、集電体面からの活物質の剥離・脱落を確実に防止
することができる。従来の薄形鉛蓄電池の製造時、特に
化成処理時に多発していた活物質の脱落不良を防止して
製造歩留りを改善することも可能である。また、薄形鉛
蓄電池の動作時においても活物質の局部的剥離・脱落を
防止して寿命特性を改善し、かつ電極間の短絡を防止す
ることもできる。さらに、集電体と活物質との結合力が
向上するので、活物質の量を増やすことができ、高容量
化を図ることができる。
また、本発明においては、集電体のケース基板側の面に
接着強度の高いエポキシ系樹脂層と、このエポキシ系樹
脂層と化学結合する無水マレイン酸骨格を含有する塩素
化ポリプロピレン層または無水マレイン酸骨格を含有す
る塩素化ポリプロピレンとジグリシジルエーテルとの混
合組成物(以下、MA含有塩素化ポリプロピレンと略す)
層の少なくとも一層とからなる接着層を設けたので、集
電体とケース基板との接着強度を高めることができる。
ケース基板をポリプロピレン樹脂より形成した場合に
は、ポリプロピレンの融点以下の温度で十分な接着強度
を得ることができるので、電極の位置ずれを防止し、か
つケース基板の熱変形を防止することが可能である。
さらに、エポキシ系樹脂が耐硫酸性に優れているので、
集電体のケース基板側への電解質の侵入を防止し、集電
体の酸化腐食を抑制でき、電極の厚さが薄くなっても電
池寿命が短かくなることがなく長寿命化を図ることがで
きる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の詳細について実施例によ
り説明する。
(実施例1) 第3図(a)〜(d)を参照して本発明の電極積層タイ
プの薄形鉛蓄電池の製造方法の一実施例を説明する。
まず、厚さ0.2mmの鉛または鉛合金製の板材20を第3図
(a)に示すように複数の円筒状の凹型孔を有するステ
ンレス製の孔形成板21と押さえ板22との間に挾んだう
え、加圧延伸手段により板材20を孔形成板21の孔に加圧
・延伸し、板材20の表面に第3図(b)に示すように複
数の円柱状の突起23を形成した。ここで円柱状の突起23
は円筒状凹型孔形成板21の表面に形成された円筒状の削
り込み部に板材20が加圧・延伸されることによって形成
される。
次に、板材20の突起23の形成面と反対の面にエポキシ系
接着剤層24を塗布・硬化させ、さらにエポキシ系接着剤
層24の上に塩素化ポリプロピレン樹脂層25を重ねて塗布
し室温乾燥を行った後、打ち抜き等の方法により平板状
の正極用集電体26および負極用集電体27を形成した。引
続き、第3図(c)に示すように作製した正極用集電体
26をシート状ケース基板28に、負極用集電体27をケース
基板28と同形状のケース基板29に熱圧着により固定し
た。
次に、第3図(d)に示すように正極用集電体26および
負極用集電体27の各突起形成面に各々正極活物質30およ
び負極活物質31を最高1mm厚で印刷した。次いで、これ
ら両活物質30および31に対して通常の熟成および化成処
理を施したのち、水洗・乾燥を行った。さらに、両活物
質30および31の間隙に電解質32を配置し、最後に、第3
図(d)に示すようにケース基板28と蓋の機能を有する
もう一方のケース基板29とを重ね合わせ、両ケース基板
28および29の周辺部を熱圧着法により封止して、厚さ3m
m以下の薄形鉛蓄電池を完成させた。
(実施例2) 第2図(a)〜(c)および第4図を参照して本発明の
電極並列タイプの薄形鉛蓄電池の製造方法の一実施例を
説明する。
実施例1と同様に、円筒状凹型孔形成板21を用いて、鉛
または鉛合金製の板材20の表面に複数の円柱状の突起23
を形成し、その裏面にエポキシ系接着剤の塗布・硬化処
理および塩素化ポリプロピレンの塗布・乾燥処理を行っ
た後、打ち抜き等の方法により突起23を有する鉛または
鉛合金製の板材から第4図に示すような櫛形状の正極用
集電体40および負極用集電体41を形成した。
次に、第4図に示すようにシート状ケース基板1の同一
平面上に正極用集電体40および負極用集電体41を互いに
離間させて熱圧着により固定させた。その後、第2図に
示した特開平1-132064号公報で開示されている薄形鉛蓄
電池の製造方法と同様な方法で、第2図(a)および
(b)に示すように正極用集電体40および負極用集電体
41上に正極活物質12および負極活物質16を最高2mm厚さ
で印刷した。さらに、正負極活物質に対して通常の熟成
処理および化成処理を施し、水洗・乾燥を行ってそれぞ
れ正極板および負極板を形成した。次いで、第2図
(c)に示すように正極負極板間の空間に電解質6を注
入し、最後に、蓋の機能を有するもう一方の同形状・材
質のケース基板7を重ね合わせ、両ケース基板1および
7の周辺部を熱圧着法により封止して、厚さ3mm以下の
薄形鉛蓄電池を完成させた。
(実施例3) 実施例1とほぼ同様な方法で、厚さ0.2mmの平板状の鉛
または鉛合金製の板材20を第5図(a)に示すように複
数の縞状の凹形溝を有するステンレス製の溝形成板43と
押さえ板22との間に挾み、加圧延伸手段により加圧・延
伸し、鉛または鉛合金製の板材20の表面に第5図(b)
および(c)に示すような縞状の突起44を形成する。こ
こで、縞状の突起44は縞状凹型溝形成板43の表面に形成
された縞状の削り込み部に板材20が加圧・延伸されるこ
とによって形成される。その後、実施例1および2と同
様に、突起形成面と反対側の面にエポキシ系接着剤の塗
布・硬化処理および塩素化ポリプロピレンの塗布・乾燥
処理を行った後、打ち抜き等の方法により平板状および
櫛形状の正極用集電体と負極用集電体を形成し、後は第
1および第2の実施例と同様な方法で電極積層タイプお
よび電極並列タイプの薄形鉛蓄電池を作製した。上述の
各実施例において用いられる加圧・延伸手段としては、
例えばプレス成形機,卓上プレス機,延伸機などが好適
である。
(実施例4) 平板状または櫛形状の正負極用集電体の面上の任意の個
所に、あらかじめ作製しておいた複数の鉛または鉛合金
製の突起を接着剤で固定させた以外は、実施例1および
2と同様にして、電極積層タイプおよび電極並列タイプ
の薄形鉛蓄電池を組み上げた。
突起形状は、電池容量と活物質との密着性を考慮して、
第6図に示すような尖頭状または断面矩形の杭状とし、
突起高さは印刷すべき活物質層の厚さの半分程度とし
た。実施例1および2では、活物質層の厚さは2mm程度
であるため、突起の厚さは1mm程度とした。接着剤とし
ては、耐硫酸性に優れたエポキシ系接着剤、または鉛あ
るいは鉛合金製の粒子を含有する導電性のエポキシ系接
着剤が望ましい。
また、この場合の突起は、各集電体の面上に鉛または鉛
合金をハンダごて等で溶融して形成してもよい。
突起形状は、第6図以外に、球状,針状,格子状,多角
形の柱状,円錐状であってもよく、突起の材質は、電池
反応に悪影響を及ぼさない集電体と同じ材質の鉛または
鉛合金であることが好ましい。
また、突起の製造方法は突起の形状で基本的になんら変
わるものではない。
上述の各実施例において、塩素化ポリプロピレン樹脂層
25に代えて上述したMA含有塩素化ポリプロピレン樹脂層
を用いることができる。
さらに、ケース基板としては、ケース基板の裏面が熱圧
着性を満足するポリプロピレン層であれば良く、強度、
水蒸気の遮断性等を考慮してポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、Alなどを使
用した厚さ0.1mm程度の多層ラミネートフィルム構造で
あることが好ましい。
また、上述の各実施例は本発明の技術的思想を例示的に
示したものであり、本発明の主旨および適用範囲を限定
するものではない。さらに、上述の各実施例では集電体
に平板状の板材を用いたが、箔状のものでもよい。
(比較例1) 従来の薄形鉛蓄電池の製造法に基づき、厚さ0.2mmの平
板状の鉛または鉛合金製の板材から、板材表面に突起を
形成することなく平板形状または櫛形状の正極用集電体
と負極用集電体を打抜き、後は実施例1および実施例2
と同様にして電極積層タイプおよび電極並列タイプの薄
形鉛蓄電池を組み上げた。
(特性確認試験) 上述の実施例1〜4および比較例1による薄形鉛蓄電池
に対してその特性を調べた。
(1)実施例1〜4による薄形鉛蓄電池では、その製造
工程の熟成・化成工程において集電体からの活物質の脱
落不良は零であったが、比較例1の場合では局所的な脱
落が観察された。
(2)実施例1〜4および比較例1に対して充放電試験
を行ったところ、実施例1〜4の場合ではいずれも100
サイクル経過後でも初期容量の50%以上を保っていた
が、これらに対して比較例1の場合では30サイクル経過
後には初期容量の50%以下に低下していた。
なお、充放電条件は2.45V定電圧充電、電流制限100mA、
8時間充電、充電後休1時間、放電電流200mA、放電終
止電圧75Vであった。
(3)実施例1〜4における集電体とケース基板との間
の接着強度は実用上十分であり、集電体のケース基板か
らの脱落は発生しなかった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の薄形鉛蓄電池によれば、
集電体面上に形成した複数の突起により集電体と活物質
との結合力を向上させることができるので、集電体面か
らの活物質の剥離・脱落を確実に防止することができ
る。従来の薄形鉛蓄電池の製造時、特に化成処理時に多
発していた活物質の脱落不良を防止して製造歩留りを改
善することも可能である。また、薄形鉛蓄電池の動作時
においても活物質の局部的剥離・脱落を防止して寿命特
性を改善し、かつ電極間の短絡を防止することもでき
る。さらに、集電体と活物質との結合力が向上するの
で、活物質の量を増やすことができ、高容量化を図るこ
とができる。
また、本発明によれば、エポキシ系樹脂層と、MA含有塩
素化ポリプロピレン層とからなる接着層により集電体と
ケース基板との接着強度を高めることができる。ケース
基板をポリプロピレン樹脂より形成した場合には、ポリ
プロピレンの融点以下の温度で十分な接着強度を得るこ
とができるので、電極の位置ずれを防止し、かつケース
基板の熱変形を防止することが可能である。
さらに、エポキシ系樹脂が耐硫酸性に優れているので、
集電体のケース基板側への電解質の侵入を防止し、集電
体の酸化腐食を抑制でき、電極の厚さが薄くなっても電
池寿命が短かくなることがなく長寿命化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】 第1図は薄形鉛蓄電池の構造を示す分解斜視図、 第2図(a)〜(c)は従来の薄形鉛蓄電池の製造工程
を示す分解斜視図、 第3図(a)〜(d)は本発明の電極積層タイプの薄形
鉛蓄電池の製造方法の一例を説明するための概略構成
図、 第4図は本発明の電極並列タイプの薄形鉛蓄電池に用い
られる集電体の構造の一例を示す斜視図、 第5図(a)〜(c)は本発明の薄形鉛蓄電池の製造方
法の他の例を説明するための概略構成図、 第6図は本発明の薄形鉛蓄電池に用いられる集電体の構
造の他の例を示す断面図である。 1……ケース基板、2……正極用集電体、3……正極活
物質、4……負極用集電体、5……負極活物質、6……
電解質、7……ケース基板、10……開口部、11……負極
マスク、12……負極活物質ペースト、13……板、14……
開口部、15……正極マスク、16……正極活物質ペース
ト、17……板、18……スポイト、20……板材、21……孔
形成板、22……押さえ板、23……突起、24……エポキシ
系接着剤層、25……塩素化ポリプロピレン樹脂層、26…
…正極板、27……負極板、28……シート状ケース基板、
29……シート状ケース基板、30……正極活物質、31……
負極活物質、32……電解質、40……正極用集電体、41…
…負極用集電体、43……溝形成板、44……突起、45……
突起。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 稔 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 平山 泰充 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−103989(JP,A) 特開 平1−132064(JP,A) 実開 平2−84265(JP,U)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム状の第一のケース基板と、 該第一のケース基板の面上に固定された鉛または鉛合金
    製の正極用集電体と、該正極用集電体の面上に密着され
    た正極活物質から構成された正極板と、 フィルム状の第二のケース基板の面上に前記正極板と対
    向するようにして固定された鉛または鉛合金製の負極用
    集電体と該負極用集電体の面上に密着された負極活物質
    から構成された負極板と、 前記正極板と負極板との間の空間に充填された電解質と
    を有し、 前記両ケース基板のそれぞれの周縁部が互いに接合され
    てなる薄形鉛蓄電池において、 前記各集電体のケース基板側の面にはそれぞれエポキシ
    系樹脂層が形成され、該エポキシ系樹脂層上に無水マレ
    イン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層または無
    水マレイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレンとジ
    グリシジルエーテルとの混合組成物層の少なくともいず
    れか一層が形成され、かつ前記各集電体の活物質側の面
    には複数の突起が設けられていることを特徴とする薄形
    鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】フィルム状の第一のケース基板と、 該第一のケース基板の面上に、互いに組み合わされて固
    定された櫛形状の鉛または鉛合金製の正極用集電体およ
    び負極用集電体と該正極用集電体および負極用集電体の
    面上に密着された正極活物質および負極活物質から構成
    された正極板および負極板と、 前記正極板および負極板の面上に固定されたフィルム状
    の第二のケース基板と、 前記正極板と前記負極板との間の空間に充填された電解
    質とを有し、 前記両ケース基板のそれぞれの周縁部が互いに接合され
    てなる薄形鉛蓄電池において、 前記各集電体のケース基板側の面にはそれぞれエポキシ
    系樹脂層が形成され、該エポキシ系樹脂層上に無水マレ
    イン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層または無
    水マレイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレンとジ
    グリシジルエーテルとの混合組成物層の少なくともいず
    れか一層が形成され、かつ前記各集電体の活物質側の面
    には複数の突起が設けられていることを特徴とする薄形
    鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】鉛または鉛合金製の板材の一面に複数の突
    起を形成して正極用集電体および負極用集電体をそれぞ
    れ製造する工程と、 前記各集電体の突起の形成された面に活物質を密着して
    それぞれ活物質層を形成する工程と、 前記各集電体の突起形成面と反対面にエポキシ系樹脂層
    を形成したのち、該エポキシ系樹脂層上に無水マレイン
    酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層または無水マ
    レイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレンとジグリ
    シジルエーテルとの混合組成物層の少なくともいずれか
    一層を形成する工程と、 前記各集電体を前記エポキシ系樹脂層と、前記無水マレ
    イン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層または前
    記混合組成物層の少なくともいずれか一層とを介してそ
    れぞれ異なるケース基板に固着する工程と、 前記両集電体の前記各活物質層を電解質を介して対向さ
    せたのち、前記両ケース基板の周縁部を互いに接合する
    工程とを含むことを特徴とする薄形鉛蓄電池の製造方
    法。
  4. 【請求項4】鉛または鉛合金製の板材の一面に複数の突
    起を形成して正極用集電体および負極用集電体をそれぞ
    れ製造する工程と、 前記各集電体の突起の形成された面に活物質を密着して
    それぞれ活物質層を形成する工程と、 前記各集電体の突起形成面と反対面にエポキシ系樹脂層
    を形成したのち、該エポキシ系樹脂層上に無水マレイン
    酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層または無水マ
    レイン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレンとジグリ
    シジルエーテルとの混合組成物層の少なくともいずれか
    一層を形成する工程と、 前記両集電体を前記エポキシ系樹脂層と、前記無水マレ
    イン酸骨格を含有する塩素化ポリプロピレン層または前
    記混合組成物層の少なくともいずれか一層を介して前記
    両集電体が互いに離間するように第1のケース基板に固
    着する工程と、 前記両集電体間の空間に電解質を充填する工程と、 前記第1のケース基板を前記両集電体および前記電解質
    を介して第2のケース基板に対向させたのち、前記両ケ
    ース基板の周縁部を互いに接合する工程とを含むことを
    特徴とする薄形鉛蓄電池の製造方法。
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