JPH0756048B2 - 被膜特性と磁気特性に優れた薄型方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

被膜特性と磁気特性に優れた薄型方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH0756048B2
JPH0756048B2 JP2336438A JP33643890A JPH0756048B2 JP H0756048 B2 JPH0756048 B2 JP H0756048B2 JP 2336438 A JP2336438 A JP 2336438A JP 33643890 A JP33643890 A JP 33643890A JP H0756048 B2 JPH0756048 B2 JP H0756048B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、フォルステライト被膜の厚みが薄く、かつ
均一で密着性に優れ、しかも磁気特性の良好な薄型方向
性けい素鋼板の製造方法に関する。
(従来の技術) 方向性けい素鋼板には、磁気特性として磁束密度が高い
ことと、鉄損が低いことが要求される。
とくに近年エネルギー危機を境として、変圧器、発電機
等についてはそのエネルギー損失を低減することに努力
が払われ、それに伴って方向性けい素鋼板についても鉄
損の低い材料がますます要求されるようになってきた。
鉄損の低減に関し、最も有力な手法は鋼板の板厚を薄く
して電気抵抗を高めることで、このため当初0.30mmの最
低板厚のものが、0.28mm、0.23mm、0.20mm、0.18mmとい
った薄肉の鋼板が製造されるようになった。
ところが鋼板の板厚が薄くなるに伴い、方向性けい素鋼
板の鉄損は改善されてはきたものの、実際に変圧器を製
造した場合には、期待に反してさほど大きなエネルギー
損の低減効果が得られないという問題が新たに発生し
た。
この理由は、変圧器を組立てる場合、鋼板を積層して用
いるが、鋼板の板厚が低減するに従い、鉄心全体の体積
に占める鉄部分の割合(これを占積率と呼ぶ)が低下す
るためである。占積率の低下は、鉄板表層に存在する非
磁性体すなわち、張力コーティング層とその下層のフォ
ルステライト被膜の占める比率が増加することに主に起
因している。従って鋼板板厚の減少に伴い、これらの厚
みを薄くしてやれば、総体としての占積率に問題はない
わけであるが、実際に板厚に応じて被膜厚を減少させる
ことは必ずしも容易ではなかった。というのは張力コー
ティングに関しては鋼板厚の減少に応じて付与すべき張
力も減少するので、比較的容易に低減可能ではあるが、
フォルステライト被膜の厚みを減少させると、絶縁性、
耐錆性、均一性および密着性など種々の表面被膜特性が
劣化するからである。
フォルステライト被膜は、脱炭・1次再結晶焼鈍時に鋼
板表層に形成されるサブスケール中のシリカ(SiO2)が
鋼板表面に塗布された焼鈍分離剤中のマグネシア(Mg
O)と、最終仕上げ焼鈍中に主として下式のような固相
反応により形成される。
2MgO+SiO2→Mg2SiO4 従って、フォルステライト被膜の厚みを低減するために
は、脱炭・1次再結晶焼鈍によって形成されるサブスケ
ール中のシリカを低減することが必要となる。しかしな
がらサブスケール中のシリカを低減した場合、均一なフ
ォルステライト被膜の形成が損なわれ、特に被膜の密着
性と均一性が劣化することが知られている。従って従来
から、脱炭・1次再結晶焼鈍時に生成するサブスケール
中の酸化物量は、特開昭56-72178号公報や特公昭62-535
77号公報に示されているように製品板厚に関係なく、ほ
ぼ一定値をとるように管理されていた。例えば特公昭62
-53577号公報では、単位面積当たりの酸素量(これを酸
素目付量と呼称し、フォルステライト被膜の膜厚にほぼ
比例するものである)を計算すると、板厚に関係なく、
0.7〜1.4g/m2の範囲となり、ほぼ一定値に制御される。
このように良好な被膜を形成させるには、製品の板厚に
関係なく、脱炭・1次再結晶焼鈍における一定の酸素目
付量が必要とされ、ひいては一定の厚みのフォルステラ
イト被膜が形成されていた。
このように、板厚の小さい鋼板において、それに応じた
薄めのフォルステライト被膜を形成させることは甚だ困
難だったのである。
また鋼板の板厚を薄くすると、磁気特性が劣化するとい
う別の問題も発生する。
すなわち一般に方向性けい素鋼の良好な磁気特性は、最
終仕上げ焼鈍過程で、(110)[001]方位のゴス方位と
呼ばれる方位を有する2次再結晶粒を充分に発達させる
ことが必要である。このゴス方位を有する2次再結晶粒
は鋼板の表層近傍において核発生し成長するもので、良
好な2次再結晶のためには、他の方位の1次粒の正常粒
成長を抑制するインヒビターと呼ばれる析出物による抑
制効果が協力であることが必要である。しかし、鋼板表
層部のインヒビターは仕上げ焼鈍中の弱酸化性雰囲気に
よって酸化され易く、従って鋼板表層部の抑制力は仕上
げ焼鈍中に必然的に失われていく。単位表面積あたりの
2次再結晶粒のもととなる核生成頻度は板厚の減少に応
じて低下すると共に、その発生位置が板厚の減少に伴っ
てより鋼板表面に接近することになる。従ってインヒビ
ターの抑制力が消失する表層近くに核生成領域が接近す
る結果、2次再結晶が困難となり、臨界板厚が存在する
ことになる。
さらに、鋼板表面に形成させたサブスケールは、仕上げ
焼鈍中の弱酸化性雰囲気による鋼板表層部の中を抑制す
る作用、すなわち弱酸化性雰囲気に対する保護作用を一
般に有するので表層抑制力の減少を防止することに役立
つ。しかし、薄目の被膜とすると、サブスケールの酸素
目付量、すなわちサブスケールの厚みを低減する結果、
かかるサブスケールの保護作用が弱まり、ますます2次
再結晶が困難となる不都合が生じる。
かかる不都合を解決するためには、鋼中にSbを添加する
ことが有効であることが知られている。
これは、Sbの鋼板表面への偏析効果を利用して、雰囲気
の酸化作用に対する抑制を図ったもので、それなりの効
果は見られたものの、Sbは一方でサブスケールの性状を
劣化させるため、サブスケールの有する最終仕上げ焼鈍
中における雰囲気に対するインヒビター保護作用を劣化
させる不都合も同時に存在したため、完全なものではな
かった。
このような重要な意味をもつ脱炭・1次再結晶焼鈍であ
るので、従来から、雰囲気や温度のパターンについては
種々検討されている。しかしこれらはいずれも、良好な
被膜特性や磁気特性の実現を狙ったものであるため、必
然的に一定の酸素目付量の確保を意図しており、厚い被
膜を形成するものであった。
例えば特公昭57-1575号公報においては、脱炭・1次再
結晶焼鈍工程を前半部と後半部に分け、後半部の酸素ポ
テンシャルP(H2O)/P(H2)を前半部のそれよりも低
減する方法が開示され、また特公昭54-24686号公報にお
いては、脱炭・1次再結晶焼鈍を750〜870℃の温度で行
った後、最終仕上げ焼鈍前に890〜1050℃の高温で非酸
化性雰囲気中で焼鈍する方法が開示されている。
しかしこれらは、一定の酸素目付量を確保し、十分な脱
炭を狙ったもので,厚いサブスケールを形成させること
によって磁気特性と被膜特性を向上させるものであり、
薄型被膜を形成するものではない。
さらにフォルステライト被膜の低減を意図した特公昭58
-55211号公報や、特公昭62-53577号公報の技術において
も、薄膜でかつ良好な被膜特性を実現するための脱炭・
1次再結晶焼鈍に関する技術的な検討はなされておら
ず、工業的に生産するには不十分のものであった。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、板厚減少に対応した薄目の被膜を有し、し
かも良好な磁気特性と被膜特性を有する薄型方向性けい
素鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
(課題を解決するための手段) さて発明者らは、かかる問題を解決し、均一で密着性に
優れた薄目のフォルステライト被膜を形成するためのサ
ブスケールの性状および脱炭・1次再結晶焼鈍条件につ
き鋭意研究した結果、フォルステライト被膜の性状およ
び磁気特性は、脱炭・1次再結晶焼鈍後の鋼板表面に形
成された酸化物の組成にとりわけ強く依存することを新
規に知見し、かかる知見に基づいてこの発明を完成させ
たものである。
すなわちこの発明の要旨構成は次のとおりである。
1.含けい素鋼素材を、熱間圧延後、1回または中間焼鈍
を挟む2回の冷間圧延を施して、板厚:0.28mm以下の最
終板厚にしたのち、脱炭・1次再結晶焼鈍を施し、つい
で焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上げ焼鈍を施す一
連の工程によって方向性けい素鋼板を製造するに当た
り、 脱炭・1次再結晶焼鈍工程において、鋼板表面に、ファ
イヤライトとシリカの組成比が赤外反射の吸光度比Ar/A
sで0.5〜5.5で、かつ酸素目付量が0.4〜1.6g/m2のサブ
スケールを形成することからなる被膜特性と磁気特性に
優れた薄型方向性けい素鋼板の製造方法(第1発明)。
2.第1発明において、含けい素鋼素材中にSbを0.005〜
0.040%含有させた製造方法(第2発明)。
3.第1または第2発明において、脱炭・1次再結晶焼鈍
の均熱領域の後段に、雰囲気の酸素ポテンシャルP(H2
O)/P(H2)が0.40〜0.50で処理時間が20〜30秒間の表
面酸化物組成調整域を設けてなる製造方法(第3発
明)。
4.第3発明において、脱炭・1次再結晶焼鈍の均熱領域
の酸素ポテンシャルP(H2O)/P(H2)を0.15〜0.35に
すると共に、該均熱領域の後段に表面酸化物組成調整域
として酸素ポテンシャルP(H2O)/P(H2)が0.40〜0.5
0で処理時間が20〜30秒間の処理領域を設けてなる製造
方法(第4発明)。
5.第3および第4発明において、昇温過程における雰囲
気の酸素ポテンシャルP(H2O)/P(H2)を0.35〜0.60
としてなる製造方法(第5発明)。
6.第3および第4発明において、昇温過程における昇温
速度を10〜25℃/sとしてなる製造方法(第6発明)。
この発明において対象とする薄型方向性けい素鋼板と
は、厚みが0.28mm以下の鋼板を指すものとする。
以下、この発明を具体的に説明する。
まずこの発明の基礎となった実験結果について説明す
る。
C:0.035%、Si:3.2%、Mn:0.075%、Se:0.020%を含有
する方向性けい素鋼素材を、常法に従って熱間圧延した
後、1000℃での均一化焼鈍と75%の第1回目の冷延圧延
に引き続き、970℃での中間焼鈍と63%の第2回目の冷
間圧延により、最終板厚0.225mmの冷延板とした。つい
でこれを(a),(b),(c)に3分割し、いずれも
840℃で、2分間の脱炭・1次再結晶焼鈍を施した。こ
のとき雰囲気の酸素ポテンシャルにつき、(a)ではP
(H2O)/P(H2)=0.25で120秒間処理し、(b)ではP
(H2O)/P(H2)=0.25で100秒間、引き続き0.45で20秒
間処理し、(c)ではP(H2O)/P(H2)=0.25で100秒
間、引き続き0.55で20秒間処理した。これらの脱炭・1
次再結晶焼鈍板の酸素目付量(両面)はそれぞれ、
(a)1.0g/m2,(b)1.0g/m2,(c)1.1g/m2であ
り、いずれも従来適正とされていた1.5〜2.0g/m2に比較
して低い値であった。
第1図に、これらの脱炭・1次再結晶焼鈍後の鋼板(以
下、脱炭・1次再結晶板と称する)の表面酸化物を同定
するために行った、赤外反射スペクトル分析結果を示
す。
同図に示したとおり、鋼板表面生成酸化物として、条件
(a)ではシリカが、条件(b)ではシリカとファイヤ
ライトの両方が、条件(c)ではファイヤライトのみ
が、それぞれ形成されていることが判明した。
さらに鋼板断面についてサブスケールを調査したとこ
ろ、試料(a)では全酸化物がシリカからなり、試料
(b)では表面の酸化物はファイヤライトとシリカから
なるが、地鉄内部になるとシリカのみとなり、試料
(c)では表面酸化物はファイヤライトのみからなる
が、地鉄内部になるにしたがいファイヤライトの割合が
減少してシリカのみに変化していた。この結果を第2図
に模式的に示すが、これは赤外反射スペクトルの測定結
果と一致している。
次に、これらの脱炭・1次再結晶焼鈍板の表面にMgOを
主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、850℃,50時間の
2次再結晶焼鈍および1200℃,10時間の純化焼鈍からな
る最終仕上げ焼鈍を施した。
その結果、試料(a)では白色のフォルステライト被膜
が形成されたが、密着性が極めて悪く、未反応のMgOを
除去する際にはく落してしまった。しかも2次再結晶が
不良で、極めて細かい1次粒からなっていたため、磁束
密度はB8=1.703Tと劣悪であった。試料(b)では灰白
色で均一のフォルステライト被膜が形成され、密着性も
曲げはく離径で評価して30mmφと良好であり、フォルス
テライトの被膜の厚さは片面0.75μm(片面の目付量に
して2.4g/m2)と、薄膜で良好な被膜が形成された。ま
た磁気特性も磁束密度がB8=1.1912T、鉄損W17/50=0.8
8W/kgと極めて良好であった。試料(c)では灰色のフ
ォルステライト被膜が形成されたが、局所的にベアース
ポットと呼ばれる約1mmφ径の被膜の欠損が見られ、曲
げはく離径は50mmφと劣化であった。また磁気特性は磁
束密度がB8=1.878T、鉄損がW17/50=0.98W/kgと従来レ
ベルよりも劣った。さらに部分的に2次再結晶の不完全
なところも存在した。
上記の実験結果から明らかなように、薄目の被膜におい
て良好な被膜特性と磁気特性を得るためには、鋼板表面
の酸化物の組成が重要であることが判る。
なお従来より、サブスケール中の酸化物の組成の制御、
特にファイヤライトとシリカの組成の制御は重要である
とされていて、例えばファイヤライトとシリカの組成比
を0.1〜0.3程度に制御することがなされていたが、これ
はサブスケール中の酸化物全体の組成比についてであ
り、また酸素目付量から独立して制御することは困難で
あった。すなわち、シリカよりも高酸化性側で生成する
ファイヤライトの割合を増加させるべく、雰囲気の酸素
ポテンシャルを高酸化性側にした場合、必然的にシリカ
の生成反応も促進され、必要量のファイヤライトを確保
する条件下では、酸素目付量も増大する結果となってい
たのである。
これに対して、この発明では、鋼板表面の酸化物組成を
制御することがポイントであるので、前述の実験のよう
に、酸素目付量に影響を及ぼさない程度の短時間の雰囲
気焼鈍によって、鋼板表面の酸化物組成を制御すること
が可能となる。
次に鋼板表面の適正なファイヤライトとシリカの比率と
その定量的評価法について述べる。
一般に、けい素鋼板において、鋼中のSiはFeよりも酸素
との親和力が強いため Si+20→SiO2 の反応によって、鋼表面や鋼表層部にシリカの酸化物が
形成される。
この際、雰囲気の酸素ポテンシャルを増すと、 Fe+SiO2+20→Fe2SiO4 の反応によって、生成したシリカがファイヤライトに変
換される。さらに、酸素ポテンシャルが高まると、Fe自
身が酸化され Fe+O→FeO の反応によってFeOが生成されるが、FeOはフォルステラ
イト被膜形成反応にとって有害であるので、通常このよ
うな高酸化性雰囲気で脱炭・1次再結晶焼鈍することは
極めて稀である。
さて、この時生成したシリカはアモルファスであり、一
方ファイヤライトは結晶質であるので、X線のような手
法で定量化することは困難である。また鉄の表面に、シ
リカおよび、シリカとFeOとの複合酸化物であるファイ
ヤライトが共存しているので、通常の化学分析や元素分
析では定量分析することは不可能である。従って発明者
らは、赤外反射スペクトルを用いる方法を採用した。
第3図は、鋼板表面にシリカとファイヤライトが共存し
ている場合の赤外反射スペクトルであるが、1240cm-1
シリカと980cm-1のファイヤライトの吸収ピークを用
い、それぞれの吸光度AsとAfを測定する。
第4図は、吸光度Akと定義式Ak=ln(I°k/Ik)を説
明する図であるが、ピーク位置におけるベースラインの
光強度をI°kとした時の反射光の光強度Ikを測定し、l
n(I°k/Ik)の計算式から求めたものであり、これは
ピーク位置に吸収光を有する物質の量に比例するもので
ある。
従ってファイヤライトの吸光度Afとシリカの吸光度As
の比Af/Asは、鋼板表面におけるファイヤライトとシリ
カの定量的な比を代表していることになる。
ここで、適正な鋼板表面のファイヤライトとシリカとの
比を見出すために、0.195mmの板厚の鋼板について、先
程と同様な実験を繰返して磁気特性と被膜特性を調査し
た。素材としては前述のC:0.035%,Si:3.2%,Mn:0.075
%,Se:0.020%の素材と、これにSbを0.020%含有させた
ものを用い、常法により熱延鋼板とし、1000℃,1分間の
均一化焼鈍後、75%の第1回目の冷間圧延に続き、970
℃の中間焼鈍と63%の第2回目の冷間圧延で0.195mmの
最終板厚とした。ついで脱炭焼鈍において、温度および
雰囲気を種々に変化させて多数の脱炭焼鈍コイルを作製
し、いずれもMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布して
から、1200℃の最終仕上げ焼鈍を施すことによって、方
向性けい素鋼板を製造した。
この結果、第5図に示すように、Af/Asが0.5〜5,5にお
いて、磁気特性および被膜特性ともに良好なものが得ら
れた。とくにSbを含有させた鋼板については磁気特性、
被膜特性とも優れていることがわかる。
次にこの発明の脱炭・1次再結晶焼鈍を適用して薄目の
被膜を形成させる場合における、好適酸素目付量範囲に
ついて調査した。
素材としては前述のC:0.035%,Si:3.2%,Mn:0.075%,S
e:0.020%の素材を用い、常法により冷延2回法で0.195
mmの板厚の鋼板に圧延した後、脱炭・1次再結晶焼鈍の
均熱時の雰囲気や時間を種々に変化させて酸素目付量を
変更した(従来法)。また、一部の鋼板については均熱
焼鈍後、P(H2O)/P(H2)が0.44の雰囲気で、25秒間
の表面酸化物組成調整処理を施した(表面酸化物組成調
整法)。
従来の方法で酸素目付け量を変化させた場合は、Af/As
は0.0〜0.4の範囲で変わったが、表面酸化物組成調整処
理を施したものは酸素目付け量にかかわらずAf/Asは0.8
〜3.5の範囲に収まった。
ついで得られた脱炭・1次再結晶焼鈍板の表面に、MgO
を主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、850℃,50時間
の2次再結晶焼鈍および1200℃,10時間の純化焼鈍から
なる最終仕上げ焼鈍を施した。
第6図に、脱炭・1次再結晶板の酸素目付量と磁気特性
および被膜密着性との関係を示す。
同図より、酸素目付量が0.4g/m2未満ではこの発明の技
術をもってしても、未だ不十分であるが、0.4〜1.6g/m2
の範囲では磁気特性および被膜密着性とも従来法に比し
極めて優れた改善効果が得られている。
脱炭・1次再結晶焼鈍における良好なAf/As値は、上述
したとおり、脱炭・1次再結晶焼鈍の最終段階の20〜30
秒間で焼鈍雰囲気を制御する表面酸化物組成調整処理に
よって得られる。これは、表面酸化物組成調整処理を施
す時期として、脱炭反応や酸化反応に影響を及ぼさない
ためには、これらの終了した焼鈍における最終段階が好
ましいことを示している。また酸素目付量に大きな影響
を及ぼさないためには、20〜30秒間といった短時間が好
ましく、鋼板表面の酸化物組成を変化させるにはこのよ
うな短時間で十分である。さらに鋼板表面の酸化物の組
成変化の反応を促進させるため、処理温度を高めること
も有効である。
次に、かかる鋼板表面の酸化物の組成制御が被膜特性、
磁気特性向上に有益な作用をもたす機構についての発明
者らの考察について述べる。
さて発明者らの研究によると、鋼板表面にシリカのみが
存在する場合、 2MgO+SiO2→Mg2SiO4 の反応によってフォルステライトが生成するが、この反
応は約1050℃以上の高温での固相反応であるため、かか
る反応が開始するまでの間、仕上げ焼鈍中は鋼板表面の
地鉄面が裸出した場所において高温酸化が進行する。こ
のように脱炭・1次再結晶焼鈍よりも、高温でかつ長時
間、弱酸化性雰囲気下に曝されるため、MnSe、MnS、AlN
等のインヒビターが鋼板表層部において酸化・分解さ
れ、表層の抑制力が失われ、2次再結晶不良となり、磁
気特性が劣化する。また高温酸化が進行するため、被膜
特性も劣化する。
これに対し、鋼板表面にシリカとファイヤライトが適性
比率で存在する場合、次式 Fe2SiO4+2MgO→Mg2SiO4+2FeO で表わされるように、鉄とMgとの置換反応によって仕上
げ焼鈍中850〜950℃の低温度域で一部フォルステライト
被膜が形成されるため、高温酸化に対して保護作用が働
き、表層のインヒビターの抑制力が維持される。また、
少量のファイヤライトが触媒となって、 2MgO+SiO4→Mg2SiO4 の固溶反応で形成されるフォルステライト被膜形成反応
の開始温度も低下する。
このようにして被膜特性および磁気特性とも大いに改善
されるわけである。
しかしながら、表面に過剰のファイヤライトが生成して
いる場合には、例えば、 Fe2SiO4+2MnS→Mn2SiO4+2Fe+2S という反応によって、表層部に存在するMnS,MnSe,AlNと
いったインヒビターが分解し、やはり表層の抑制力を喪
失する結果となり磁気特性が劣化する。またファイヤラ
イトが凝集する結果、局部的に肥大したフォルステライ
ト被膜が形成され、その場所のフォルステライト被膜が
はく落し、ベアースポットと呼ばれる被膜欠陥が発生す
る。
次に酸素目付量の低減方法について述べると、これは前
半均熱部の雰囲気の酸素ポテンシャルを低下させること
によって達成される。
すなわち、目標とする酸素目付量に応じて酸素ポテンシ
ャルP(H2O)/P(H2)を選択するが、0.4〜1.6g/m2
いった薄目被膜のための低酸素目付量を狙うためには、
P(H2O)/P(H2)として0.15〜0.35が適する。このよ
うな低酸化性雰囲気で脱炭・1次再結晶焼鈍された鋼板
の磁気特性と被膜特性は従来、ともに劣化するのが常で
あったが、この発明では、脱炭・1次再結晶焼鈍の後半
部で表面酸化物の組成を制御することにより、極めて良
好な磁気特性と被膜特性とが実現されるのである。
脱炭・1次再結晶焼鈍の前半部の雰囲気の酸素ポテンシ
ャルを低下させた場合、脱炭不良が最も懸念される点で
あるが、この点に関しての発明者らの実験と研究によれ
ば、昇温時における雰囲気酸素ポテンシャルを高く保つ
か、または昇温速度を高めることにより、昇温過程にお
いて、大部分の鋼中炭素を除去することが可能である。
第7図に、C:0.045%,Si:3.25%を含有する最終冷延後
の鋼板(厚み0.23mm)を用いて、昇温時の昇温速度(40
0〜800℃間をd,fは20℃/s、eは6.7℃/s)と、雰囲気中
の酸素ポテンシャル(P(H2O)/P(H2)としてdは0.5
0、eとfは0.20)を変えて、脱炭挙動について調べた
結果を示すが、昇温時の酸素ポテンシャルが低い場合
(条件f)や昇温速度が小さい場合(条件e)は、脱炭
が不十分となる。
この理由は、昇温直後の各試料の断面組織を示すSEM写
真である第8図に示されるように、昇温過程で生成する
サブスケールの構造が各条件によって変化するためであ
り、条件fでは、表面に緻密な酸化物(分析によりシリ
カ)が生成しているのに対し、条件dでは冷間圧延で生
じたすべりに沿って櫛状に酸化物(分析により、同じく
シリカ)が生成している。このような初期酸化生成物の
形態の差が、昇温途中または、その後の均熱段階におけ
るCの拡散挙動に影響を及ぼし、前掲第7図に示したよ
うな脱炭挙動の差となって現われたものと考えられる。
こうした現象は第7図のように均熱前半の焼鈍雰囲気が
低酸化性になった場合、特に現われ易い。
発明者らの研究によると、脱炭を促進するための昇温過
程における雰囲気の好適酸素ポテンシャルはP(H2O)/
P(H2)で0.35〜0.60であることが判明した。ここに温
度範囲は特に限定されないが、400℃以下は脱炭や酸化
が進行しないので、特に規制する必要はない。また脱炭
を促進するための昇温速度については急熱であることが
望ましく、例えば400℃から800℃までの平均昇温速度と
しては10〜25℃/sの範囲が特に好適である。というのは
10℃/s未満では、鋼板表面に緻密なシリカの酸化膜が生
成して脱炭が阻害され、一方25℃/sを超えると昇温時に
おける脱炭時間として不十分となり易いからである。
(作用) まず、この発明における方向性けい素鋼板素材の好適成
分組成について説明する。
Cは、熱延組織の改善に必要であるが、多過ぎると脱炭
が困難となるので、0.035〜0.090%程度が好ましい。
Siは、あまり少ないと電気抵抗が小さくなって良好な鉄
損特性が得られず、一方多過ぎると冷間圧延が困難にな
るので、2.5〜4.5%程度の範囲が好適である。
Mnは、インヒビター成分として必要であるが、過剰すぎ
るとインヒビターサイズが粗大化し好ましくないので、
0.040〜0.10%の範囲が好適である。
インヒビターとしては、MnS,MnSe,AlN等の析出物の他
に、Cu,Cr,Bi,Sn,B,Ge等のインヒビター補強元素も適宜
添加することができ、それらの元素の含有範囲も公知の
範囲でよい。また熱間脆化に起因した表面欠陥防止のた
めに、Moを添加することも可能である。
かかる鋼素材の製造工程に関しては、公知の製法を適用
し、製造されたインゴット又はスラブを必要に応じて再
生し、サイズを合わせた後、加熱し、熱延する。熱延後
の鋼帯は、1回の冷間圧延あるいは中間焼鈍を挟む2回
以上の冷間圧延によって最終板厚とする。
最終冷延後の鋼板は、電解脱脂などの脱脂によって表面
を清浄化した後、この発明の主眼である脱炭・1次再結
晶焼鈍に供される。この時、脱炭・1次再結晶板のサブ
スケールを酸素目付量で0.4〜1.6g/m2(両面合計)とす
ると共に、鋼板表面の酸化物組成をファイヤライトとシ
リカの組成比が赤外反射の吸光度比Af/Asで0.5〜5.5の
範囲となるように制御することが肝要である。
というのは酸素目付量が0.4g/m2未満の場合、この発明
の技術でもってしても、高温酸化に対する保護作用が得
られず、被膜特性および磁気特性の甚しい劣化を招き、
一方1.6g/m2超の酸素目付量では形成されるフォルステ
ライト被膜の厚みが大きくなり、鋼板を製造した場合に
占積率の低下を招くからである。
また鋼板表面のAf/Asが0.5に満たない場合、仕上げ焼鈍
中の弱酸化性雰囲気によってインヒビターの高温酸化、
分解反応が進行し、板厚の薄い鋼板の場合に磁性が劣化
し、一方5.5超では、磁性および密着性とも劣化するか
らである。なお単に薄目被膜を狙って酸素目付量を低減
した場合は、被膜特性とくに密着性の甚しい劣化を招
く。従って酸素目付量としては0.4〜1.6g/m2、表面酸化
物のファイヤライトとシリカの組成比はAf/Asで0.5〜5.
5とすることが、この発明における最も重要な点であ
る。
また鋼板の仕上げ焼鈍において、インヒビターの高温酸
化を抑制するには、上述のサブスケールの改質に加え
て、Sbの鋼板表面への偏析効果を利用することがより有
利な効果が得られる。この時、Sbの効果を顕著に得るた
めには、少なくとも0.005%の添加が必要であり、一方
0.040%を超えると圧延性を損うので0.005〜0.040%の
添加が好ましい。
かかるサブスケールの表面酸化物の組成を実現する最も
簡単な手法は、脱炭・1次再結晶焼鈍の均熱処理の後
に、表面酸化物組成調整域として、P(H2O)/P(H2
が0.40〜0.50の雰囲気の処理を20〜30秒間設けることが
適切である。ここに雰囲気の酸素ポテンシャルP(H
2O)/P(H2)が上記の範囲を外れると、表面酸化物の大
部分がシリカになったり、ファイヤライトになり、両者
のバランスがくずれて、被膜特性、磁気特性ともに劣化
する。なお処理時間が20秒未満だと効果が弱く、一方30
秒間を超えるとファイヤライト組成の増加が著しく、適
正なAf/Asを得ることが困難になる。また反応を促進さ
せるため、均熱温度より若干高温で処理をすることも可
能である。
なお鋼板の板厚が薄くなるに従い、脱炭・1次再結晶焼
鈍のサブスケールの酸素目付量を低減することが必要と
なるが、これは均熱領域の雰囲気の酸素ポテンシャルP
(H2O)/P(H2)を0.15〜0.35に調整すること、又は酸
素ポテンシャルが高くても、焼鈍温度を下げることや焼
鈍時間を短縮すること等によって、酸素目付量を0.4〜
1.6g/m2に制御可能となる。
この際、C含有量の高い鋼板では脱炭不良の可能性が懸
念されるが、昇温過程における酸素ポテンシャルP(H2
O)/P(H2)を0.35〜0.60に高めることにより有利に解
決される。
さらに、昇温速度を10〜25℃/sの範囲で急熱とすること
が脱炭に関しては極めて有利となる。10℃/s未満の昇温
速度では脱炭に不利な緻密なシリカの酸化膜が鋼板表面
に形成され、逆に25℃/sを超えると脱炭するに十分な時
間が昇温時に得られない。
ついで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してか
ら、コイル状に巻いて最終仕上げ焼鈍に供され、その後
必要に応じて絶縁コーティングを施されて製品となる。
実施例1 C:0.038%,Si:3.25%,Mn:0.067%,S:0.016%を含む、2.
2mm厚さの熱延板を酸洗して0.58mmまで冷間圧延した。
その後950℃で2分間の中間焼鈍を施し、最終板厚であ
る0.22mmまで冷間圧延した。
ついで得られた冷延板を、第9図A,B,C,D,E,Fで示され
る雰囲気パターンで、脱炭・1次再結晶焼鈍した。第9
図A,B,Cは従来法によるものであり、D,E,Fはこの発明法
に従うものである。昇温速度はいずれも15℃/s(400〜8
00℃の間)、均熱温度は840℃とし、均熱時間は100秒間
とした。またD,E,Fの均熱後に付加した表面酸化物組成
調整域での処理時間はいずれも25秒間とし、Fはその際
の温度を880℃とした。またEは昇温時の雰囲気の酸化
性をP(H2O)/P(H2)=0.50に高めた。なおA〜Fと
も冷却時の雰囲気はN2ガスで行った。
この結果、各鋼板の酸素目付量と、表面酸化物の組成比
Af/Asは第1表に示されるような値となった。
かかる鋼板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布した
後、乾燥H2気流中で1200℃,10時間の最終仕上げ焼鈍を
施した。
かくして得られた各製品板のフォルステライト被膜の膜
厚、被膜特性および磁気特性について調べた結果を第1
表に併記したが、被膜特性および磁気特性ともにこの発
明法に従い得られたものの方が優れていることがわか
る。
実施例2 第2表に示す種々の組成になる鋼塊を、常法に従って2.
0mm厚の熱延板とし、1000℃の熱延板焼鈍後、酸洗した
のち、0.44mm厚まで冷間圧延した。その後950℃で中間
焼鈍を施し、さらに0.17mm厚まで冷間圧延したのち、2
分割し、第9図A(比較例)とF(発明例)の雰囲気パ
ターンで脱炭・1次再結晶焼鈍を施した。この時、昇温
速度は13℃/s(400〜800℃間)、均熱温度は820℃で120
秒間とし、パターンFにおける表面酸化物組成調整処理
は850℃,30秒間とした。この時の各鋼板の酸素目付量と
表面酸化物の組成比Af/Asおよび残留Cの値を第2表に
示す。
ついでかかる鋼板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布した後、N2中で850℃、50時間の2次再結晶焼鈍を含
むH2中、1200℃,5時間の最終仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた各製品板のフォルステライト被膜の膜
厚、被膜特性および磁気特性について調べた結果を第2
表に併記する。
同表よりも明らかなように、被膜特性および磁気特性と
もにこの発明法に従い得られたものの方が優れていた。
実施例3 第3表に示す種々の組成になる鋼塊を、常法に従って2.
2mm厚の熱延板とし、1000℃で熱延板焼鈍後、酸洗した
のち、1.50mm厚まで冷間圧延した。その後急冷処理を含
む1100℃での中間焼鈍を施した後、0.22mm厚まで冷間圧
延してから、2分割し、第9図A(比較例)とE(発明
例)の雰囲気パターンで脱炭・1次再結晶焼鈍を施し
た。この時、昇温速度は15℃/s(400〜800℃間)、均熱
温度は850℃で120秒間とし、パターンEにおける表面酸
化物組成調整処理は850℃,25秒間とした。この時の各鋼
板の酸素目付量と表面酸化物の組成比Af/Asおよび残留
Cの値を第4表に示す。このとき従来法の残留Cは昇温
時の低酸化性のためかなり高い。
ついでかかる鋼板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布した後、1200℃で10時間の最終仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた各製品板のフォルステライト被膜の膜
厚、被膜特性および磁気特性について調べた結果を第4
表に併記したが、同表より明らかなように、被膜特性お
よい磁気特性ともにこの発明法に従う方が優れていた。
実施例4 第2表におけるIIの鋼塊を、常法に従って2.0mmの熱延
板とし、1000℃の熱延板焼鈍後、酸洗したのち、0.44mm
厚まで冷間圧延した。その後950℃で中間焼鈍を施し、
さらに0.17mm厚まで冷間圧延した後、5分割し、各種条
件で脱炭・1次再結晶焼鈍を施した。この時、昇温過程
における昇温速度をいずれも8℃/s、均熱温度を830℃
とした。雰囲気パターンとして条件(イ)は第9図のパ
ターン(A)を採用し比較例とし、条件(ロ)は第9図
のパターン(C)のうち前段をP(H2O)/P(H2)=0.3
0後段をP(H2O)/P(H2)=0.44とし発明例とした。条
件(ハ)は条件(ロ)と同一であるが、昇温時のP(H2
O)/P(H2)を0.45とし発明例とした。条件(ニ)は第
9図のパターン(D)を用い、このうち、均熱後の後段
における酸素ポテンシァルP(H2O)/P(H2)=0.44の
酸化物調整領域の温度を890℃で25秒間に設定し、発明
例とした。条件(ホ)は第9図のパターンCで、均熱前
段をP(H2O)/P(H2)=0.30の、均熱後段をP(H2O)
/P(H2)=0.44とし、さらに昇温時の昇温速度を15℃/s
と増加させ、発明例とした。
この時の、各鋼板の酸素目付量と表面酸化物の組成比Af
/Asおよび残留Cの値について調べた結果を第5表に示
す。
またかかる鋼板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
した後、N2中で850℃、60時間の2次再結晶焼鈍を含むH
2中、1200℃,5時間の最終仕上げ焼鈍を施して得られた
各製品板のフォルステライト被膜の膜厚、被膜特性およ
び磁気特性について調べた結果も第5表に併記する。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、製品の板厚を減少させるた
場合であっても、良好な磁気特性と被膜特性を有する方
向性けい素鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、表面酸化物組成調整処理後の酸素目付量の違
いに伴う鋼板表面の赤外反射スペクトル強度変化を示し
た図、 第2図a〜cはそれぞれ、第1図の試料の断面方向の酸
化物の組成変化を示す模式図、 第3図および第4図は、表面酸化物組成比を赤外反射ス
ペクトルで求める手順の説明図、 第5図は、表面酸化物組成比Af/Asと磁気特性および被
膜特性との関係を示したグラフ、 第6図は、脱炭・一次再結晶板の酸素目付量と磁気特性
および被膜特性との関係を示したグラフ、 第7図は、雰囲気パターンとヒートパターンの変化に伴
う鋼中C量の推移を示したグラフ、 第8図a〜cはそれぞれ、昇温直後のサブスケールの状
態を示す鋼板断面の金属組織写真、 第9図A〜Fはそれぞれ、実施例で用いたヒートパター
ンおよび雰囲気パターンを示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 誠 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含けい素鋼素材を、熱間圧延後、1回また
    は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して、板厚:0.28m
    m以下の最終板厚にしたのち、脱炭・1次再結晶焼鈍を
    施し、ついで焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上げ焼
    鈍を施す一連の工程によって方向性けい素鋼板を製造す
    るに当たり、 脱炭・1次再結晶焼鈍工程において、鋼板表面に、ファ
    イヤライトとシリカの組成比が赤外反射の吸光度比Af/A
    sで0.5〜5.5で、かつ酸素目付量が0.4〜1.6g/m2のサブ
    スケールを形成することを特徴とする被膜特性と磁気特
    性に優れた薄型方向性けい素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】含けい素鋼素材中にSbを0.005〜0.040%含
    有させた特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】脱炭・1次再結晶焼鈍の均熱領域の後段
    に、雰囲気の酸素ポテンシャルP(H2O)/P(H2)が0.4
    0〜0.50で処理時間が20〜30秒間の表面酸化物組成調整
    域を設けてなる特許請求の範囲第1または2項記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】脱炭・1次再結晶焼鈍の均熱領域の酸素ポ
    テンシャルP(H2O)/P(H2)を0.15〜0.35にすると共
    に、該均熱領域の後段に表面酸化物組成調整域として酸
    素ポテンシャルP(H2O)/P(H2)が0.40〜0.50で処理
    時間が20〜30秒間の処理領域を設けてなる特許請求の範
    囲第3項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】昇温過程における雰囲気の酸素ポテンシャ
    ルP(H2O)/P(H2)を0.35〜0.60としてなる特許請求
    の範囲第3または4項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】昇温過程における昇温速度を10〜25℃/sと
    してなる特許請求の範囲第3または第4項記載の製造方
    法。
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