JPH0756063B2 - 高強度非磁性快削ステンレス鋼 - Google Patents
高強度非磁性快削ステンレス鋼Info
- Publication number
- JPH0756063B2 JPH0756063B2 JP3239687A JP3239687A JPH0756063B2 JP H0756063 B2 JPH0756063 B2 JP H0756063B2 JP 3239687 A JP3239687 A JP 3239687A JP 3239687 A JP3239687 A JP 3239687A JP H0756063 B2 JPH0756063 B2 JP H0756063B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- stainless steel
- weight
- strength
- cutting stainless
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特にビデオテープレコーダを始めとする各種
OA機器のシャフト類等非磁性が要求される部品の素材と
して使用される高強度非磁性快削ステンレス鋼に関す
る。
OA機器のシャフト類等非磁性が要求される部品の素材と
して使用される高強度非磁性快削ステンレス鋼に関す
る。
(従来の技術) 従来、ビデオテープレコーダを始めとする各種OA機器の
マイクロシャフト、ボルト、ベルト、ピンなどの部品に
は非磁性並びに高強度が要求されており、その素材とし
ては、SUS403、SUS420J2、SUS440Cなどのマルテンサイ
ト系ステンレス鋼又はSUS304、SUS316などのオーステナ
イト系ステンレス鋼が用いられていた。
マイクロシャフト、ボルト、ベルト、ピンなどの部品に
は非磁性並びに高強度が要求されており、その素材とし
ては、SUS403、SUS420J2、SUS440Cなどのマルテンサイ
ト系ステンレス鋼又はSUS304、SUS316などのオーステナ
イト系ステンレス鋼が用いられていた。
ところが、上記のマルテンサイト系ステンレス鋼は、高
強度であるものの強磁性であるため、このように非磁性
が要求される部品には使用することが困難である。一
方、オーステナイト系ステンレス鋼は、非磁性であるが
強度が小さく、高強度が要求される部品の素材としては
十分満足しうるとは言い難い。更に、このオーステナイ
ト系ステンレス鋼を冷間加工して強化すると、加工誘起
マルテンサイトを生成して透磁率が上昇し、非磁性でな
くなってしまう。そのため、これらのステンレス鋼にお
いては冷間加工による強化には限界がある。
強度であるものの強磁性であるため、このように非磁性
が要求される部品には使用することが困難である。一
方、オーステナイト系ステンレス鋼は、非磁性であるが
強度が小さく、高強度が要求される部品の素材としては
十分満足しうるとは言い難い。更に、このオーステナイ
ト系ステンレス鋼を冷間加工して強化すると、加工誘起
マルテンサイトを生成して透磁率が上昇し、非磁性でな
くなってしまう。そのため、これらのステンレス鋼にお
いては冷間加工による強化には限界がある。
そこで、かかる欠点を解消したステンレス鋼として、冷
間加工を施しても加工誘起マルテンサイドが生成せず、
高強度で且つ透磁率が低いオーステナイト系の高強度非
磁性ステンレス鋼が提案されている(特願昭60-159537
号)。
間加工を施しても加工誘起マルテンサイドが生成せず、
高強度で且つ透磁率が低いオーステナイト系の高強度非
磁性ステンレス鋼が提案されている(特願昭60-159537
号)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記のステンレス鋼は高強度と、非磁性
即ち低い透磁率とを兼ね備えているものの、被削性など
の加工性が低いという問題がある。つまり、最近では、
複雑形状の部品が増加しているため、例えば切削加工時
に使用される工具寿命が短いことや部品の表面仕上げ精
度が低いことなどの不具合がある。
即ち低い透磁率とを兼ね備えているものの、被削性など
の加工性が低いという問題がある。つまり、最近では、
複雑形状の部品が増加しているため、例えば切削加工時
に使用される工具寿命が短いことや部品の表面仕上げ精
度が低いことなどの不具合がある。
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたもので、低透
磁率及び高強度を有すると共に、被削性に優れた高強度
非磁性快削ステンレス鋼を提供することを目的とする。
磁率及び高強度を有すると共に、被削性に優れた高強度
非磁性快削ステンレス鋼を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明は従来の高強度非磁性快削ステンレス鋼におい
て、被削性を向上させるために硫黄(S)を所定量添加
し、更に、Sを最大限添加することが可能となるように
するとともに、伸線後に充分な硬度例えば、ビッカース
硬度(Hv)が400以上となるように所定量の窒素(N)
を添加したものである。
て、被削性を向上させるために硫黄(S)を所定量添加
し、更に、Sを最大限添加することが可能となるように
するとともに、伸線後に充分な硬度例えば、ビッカース
硬度(Hv)が400以上となるように所定量の窒素(N)
を添加したものである。
本発明者らはN含有量とS含有量を様々に変化させて、
引割れを起こすことなくHv400が得られる領域を調べた
結果、第1図に示したようにN、Sの最適添加範囲を確
認した。即ち、図において、1群の曲線は夫々引割れの
発生しない限界伸線加工率(%)を示し、II群の直線は
夫々Hv400を得るために必要な伸線加工率等高線を示
し、又、直線IIIは被削性を向上させるのに必要なS含
有量の下限を示す。従って、引割れを起こすことなくHv
400が得られ、しかも被削性が良好となる範囲は図に斜
線で示した領域となり、このときの減面率は25%以上で
ある。なお、時効処理を施すこととすれば、上記範囲は
更に図に破線で示した領域まで拡大する。
引割れを起こすことなくHv400が得られる領域を調べた
結果、第1図に示したようにN、Sの最適添加範囲を確
認した。即ち、図において、1群の曲線は夫々引割れの
発生しない限界伸線加工率(%)を示し、II群の直線は
夫々Hv400を得るために必要な伸線加工率等高線を示
し、又、直線IIIは被削性を向上させるのに必要なS含
有量の下限を示す。従って、引割れを起こすことなくHv
400が得られ、しかも被削性が良好となる範囲は図に斜
線で示した領域となり、このときの減面率は25%以上で
ある。なお、時効処理を施すこととすれば、上記範囲は
更に図に破線で示した領域まで拡大する。
即ち、上記目的を達成するために第1の本発明に係る高
強度非磁性快削ステンレス鋼によれば、重量%で、C:0.
15%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以
下、S:0.10〜0.25%、Cu:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.0
0%、Cr:17.00〜19.00%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜
0.30%、Al:0.05%以下を含有し、残部実質的にFeより
なることとしたものであり、第2の本発明に係る高強度
非磁性快削ステンレス鋼によれば、重量%で、C:0.15%
以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、
S:0.10〜0.25%、Cu:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00
%、Cr:17.00〜19.00%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.
30%、Al:0.05%以下を含有するとともに、Nb:0.05〜0.
20%及び/又はTi:0.02〜0.20%を含有し、残部実質的
にFeよりなることとしたものである。
強度非磁性快削ステンレス鋼によれば、重量%で、C:0.
15%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以
下、S:0.10〜0.25%、Cu:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.0
0%、Cr:17.00〜19.00%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜
0.30%、Al:0.05%以下を含有し、残部実質的にFeより
なることとしたものであり、第2の本発明に係る高強度
非磁性快削ステンレス鋼によれば、重量%で、C:0.15%
以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、
S:0.10〜0.25%、Cu:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00
%、Cr:17.00〜19.00%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.
30%、Al:0.05%以下を含有するとともに、Nb:0.05〜0.
20%及び/又はTi:0.02〜0.20%を含有し、残部実質的
にFeよりなることとしたものである。
更に、第3の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス
鋼によれば、重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以
下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10〜0.25%、C
u:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:17.00〜19.00
%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、Al:0.05%以下
を含有するとともに、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜
0.10%、Mg:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及
び、希土類元素:0.01〜0.10%のうち少なくとも一種を
含有し、残部実質的にFeよりなることとしたものであ
り、第4の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼
によれば、重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以下、M
n:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10〜0.25%、Cu:0.0
2〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:17.00〜19.00%、M
o:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、Al:0.05%以下を含
有するとともに、Nb:0.05〜0.20%及び/又はTi:0.02〜
0.20%、並びに、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜0.10
%、Mg:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及び、希
土類元素:0.01〜0.10%のうち少なくとも1種を含有
し、残部実質的にFeよりなることとしたものである。
鋼によれば、重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以
下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10〜0.25%、C
u:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:17.00〜19.00
%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、Al:0.05%以下
を含有するとともに、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜
0.10%、Mg:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及
び、希土類元素:0.01〜0.10%のうち少なくとも一種を
含有し、残部実質的にFeよりなることとしたものであ
り、第4の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼
によれば、重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以下、M
n:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10〜0.25%、Cu:0.0
2〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:17.00〜19.00%、M
o:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、Al:0.05%以下を含
有するとともに、Nb:0.05〜0.20%及び/又はTi:0.02〜
0.20%、並びに、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜0.10
%、Mg:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及び、希
土類元素:0.01〜0.10%のうち少なくとも1種を含有
し、残部実質的にFeよりなることとしたものである。
次いで、第1乃至第4の本発明の高強度非磁性快削ステ
ンレス鋼の化学組性の主要部をなす各成分元素の含有量
の限定理由を述べる。
ンレス鋼の化学組性の主要部をなす各成分元素の含有量
の限定理由を述べる。
C:0.15重量%以下 Cは母相に固溶して基地を強化する一方、炭窒化物の形
成元素としても強力に作用する。しかも、オーステナイ
ト相を安定化し、加工誘起マルテンサイトを抑制する効
果が大である。しかし、0.15重量%を超えると固溶が困
難となる上、冷間加工性、耐食性が著しく劣化するの
で、上限を0.15重量%とした。
成元素としても強力に作用する。しかも、オーステナイ
ト相を安定化し、加工誘起マルテンサイトを抑制する効
果が大である。しかし、0.15重量%を超えると固溶が困
難となる上、冷間加工性、耐食性が著しく劣化するの
で、上限を0.15重量%とした。
Si:1.00重量%以下 Siは製鋼時と脱酸剤として有効な成分元素であるが、1.
00重量%を超えるとフェライトが生成し易くなるので上
限を1.00重量%とした。
00重量%を超えるとフェライトが生成し易くなるので上
限を1.00重量%とした。
Mn:2.00重量%以下 Mnは製鋼時の脱酸及び脱硫剤として有効であるととも
に、Nの溶解度を大きくする効果及び加工誘起マルテン
サイトを抑制する効果がある。しかし、2.00重量%を超
えると加工性が低下し、しかも、耐食性が劣化するので
上限を2.00重量%とした。
に、Nの溶解度を大きくする効果及び加工誘起マルテン
サイトを抑制する効果がある。しかし、2.00重量%を超
えると加工性が低下し、しかも、耐食性が劣化するので
上限を2.00重量%とした。
P:0.20重量%以下 Pは耐食性を劣化させるので、極力少量であることが好
ましく、その上限を0.20重量%以下とした。
ましく、その上限を0.20重量%以下とした。
S:0.10〜0.25重量% Sは被削性の向上に極めて有効な成分元素であり、充分
な被削性を発現させるためには、少なくとも0.10重量%
必要である。しかし、0.25重量%を超えて添加すると、
伸線時に引き割れ等が発生するので、上限を0.25重量%
とした。
な被削性を発現させるためには、少なくとも0.10重量%
必要である。しかし、0.25重量%を超えて添加すると、
伸線時に引き割れ等が発生するので、上限を0.25重量%
とした。
Cu:0.02〜3.00重量% Cuは耐食性を向上させ、加工硬化率を低下すると共に、
冷間加工性を向上させるために有効な成分元素であり、
充分な効果を得るためには少なくとも0.02重量%添加す
ることが必要である。しかし、あまり多量に添加すると
熱間加工性を低下させるため上限を3.00重量%とした。
冷間加工性を向上させるために有効な成分元素であり、
充分な効果を得るためには少なくとも0.02重量%添加す
ることが必要である。しかし、あまり多量に添加すると
熱間加工性を低下させるため上限を3.00重量%とした。
Ni:8.00〜11.00重量% Niはオーステナイト安定化元素であり、ステンレス鋼を
オーステナイト相とするための主要な元素であると同時
に加工誘起マルテンサイトの抑制にも必要な元素であ
る。そして、8.00重量%以上含有させればオーステナイ
ト単相が得られ、含有量が多いほどオーステナイトは安
定となるが、Niは高価な元素であるため経済性を勘案し
て上限を11.00重量%とした。
オーステナイト相とするための主要な元素であると同時
に加工誘起マルテンサイトの抑制にも必要な元素であ
る。そして、8.00重量%以上含有させればオーステナイ
ト単相が得られ、含有量が多いほどオーステナイトは安
定となるが、Niは高価な元素であるため経済性を勘案し
て上限を11.00重量%とした。
Cr:17.00〜19.00重量% Crは耐食性の向上に資する元素であり、充分な効果を得
るためには少なくとも17.00重量%添加することが必要
である。しかし、多量に添加するとフェライトを生成す
るので、上限を19.00重量%とした。
るためには少なくとも17.00重量%添加することが必要
である。しかし、多量に添加するとフェライトを生成す
るので、上限を19.00重量%とした。
Mo:0.05〜2.00重量% Moは耐食性及び耐孔食性を向上させるのに有効である。
かかる効果を得るためには少なくとも0.05重量%添加す
ることが必要である。しかし、多量に添加するとフェラ
イトが生成しやすくなるとともに、高価になるので上限
を2.00重量%とした。
かかる効果を得るためには少なくとも0.05重量%添加す
ることが必要である。しかし、多量に添加するとフェラ
イトが生成しやすくなるとともに、高価になるので上限
を2.00重量%とした。
N:0.10〜0.30重量% Nは基地の強化と加工誘起マルテンサイトの抑制に効果
的であるとともに、特に、本発明においては、被削性向
上元素であるSの添加量を増大させるために添加する。
これらの効果を充分に発揮させるためには少なくとも0.
10重量%添加することが必要である。しかし、多量に添
加すると鋼塊溶製時の気泡の生成が多くなるとともに、
分塊時の加工性が低下するため、上限を0.30重量%とし
た。
的であるとともに、特に、本発明においては、被削性向
上元素であるSの添加量を増大させるために添加する。
これらの効果を充分に発揮させるためには少なくとも0.
10重量%添加することが必要である。しかし、多量に添
加すると鋼塊溶製時の気泡の生成が多くなるとともに、
分塊時の加工性が低下するため、上限を0.30重量%とし
た。
Al:0.05重量%以下 Alは脱酸剤として有効であるが、多量に使用するとAlN
が生成し、有効なN量を減少させるとともに、酸化物系
介在物として残留して熱間加工性を阻害するので上限を
0.05重量%とした。
が生成し、有効なN量を減少させるとともに、酸化物系
介在物として残留して熱間加工性を阻害するので上限を
0.05重量%とした。
第2の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は、
これらの各成分元素に加えて、強度を更に改善する成分
元素としてNb及び/又はTiを添加してなるものである。
以下に、その限定理由を述べる。
これらの各成分元素に加えて、強度を更に改善する成分
元素としてNb及び/又はTiを添加してなるものである。
以下に、その限定理由を述べる。
Nb:0.05〜0.20重量% Nbは結晶粒を微細化すること及びNbCを析出することに
より硬度の改善に資する元素であり、充分な効果を得る
ためには、少なくとも0.05重量%必要である。しかし、
多量に添加すると、有害な非金属介在物を多量に生じ、
伸線時の断線の原因となるので、上限を0.20重量%とし
た。
より硬度の改善に資する元素であり、充分な効果を得る
ためには、少なくとも0.05重量%必要である。しかし、
多量に添加すると、有害な非金属介在物を多量に生じ、
伸線時の断線の原因となるので、上限を0.20重量%とし
た。
Ti:0.02〜0.20重量% TiもNbと同様、結晶粒の微細化及びTiCの析出による硬
化に有効であるが、0.20%以上の添加は溶解時に粗大な
TiNを生成し、伸線時の断線の原因となる。
化に有効であるが、0.20%以上の添加は溶解時に粗大な
TiNを生成し、伸線時の断線の原因となる。
なお、これらの強度向上元素を添加し、伸線加工後に時
効処理を行うと、Nb(C,N)、Ti(C,N)が析出して線材
の硬度を更に増加させることができる。
効処理を行うと、Nb(C,N)、Ti(C,N)が析出して線材
の硬度を更に増加させることができる。
更に、第3の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス
鋼は、上記した第1の本発明の高強度非磁性快削ステン
レス鋼の成分元素に加えて、熱間加工性を更に向上させ
る成分元素として、B、Zr、Mg、Ca及び希土類元素のう
ちの少なくとも1種を添加したものである。以下に、各
元素の含有量の限定理由を述べる。
鋼は、上記した第1の本発明の高強度非磁性快削ステン
レス鋼の成分元素に加えて、熱間加工性を更に向上させ
る成分元素として、B、Zr、Mg、Ca及び希土類元素のう
ちの少なくとも1種を添加したものである。以下に、各
元素の含有量の限定理由を述べる。
B:0.0020〜0.0100重量% Bは結晶粒界に偏析して結晶粒界への炭窒化物の析出を
抑制し、熱間加工性を改善する元素であり、0.0020重量
%以下では効果がなく、0.0100重量%以上の添加はBNの
過剰な析出の原因となるので好ましくない。
抑制し、熱間加工性を改善する元素であり、0.0020重量
%以下では効果がなく、0.0100重量%以上の添加はBNの
過剰な析出の原因となるので好ましくない。
Zr:0.01〜0.10重量% ZrはBと共存することによって熱間加工性を改善する元
素である。つまり、Bを添加する前にZrを溶湯中に添加
して、溶湯中にN量を低減しBが窒化物となって熱間加
工性改善効果が失われてしまうのを防止する。Zrの添加
量はBの添加量とのバランスから0.01〜0.10重量%とし
た。
素である。つまり、Bを添加する前にZrを溶湯中に添加
して、溶湯中にN量を低減しBが窒化物となって熱間加
工性改善効果が失われてしまうのを防止する。Zrの添加
量はBの添加量とのバランスから0.01〜0.10重量%とし
た。
Mg:0.001〜0.050重量%、Ca:0.001〜0.050重量% オーステナイト系ステンレス鋼において、鋼中に固溶し
たOは熱間加工性を低下させるが、Mg、Caは酸化物を形
成して固溶酸素量を減少させる効果がある。これらの各
元素の添加量は鋼中のO量とのバランスから共に0.001
〜0.050重量%とした。なお、Caは熱間加工性の改善に
資するとともに、被削性の改善にも有効な元素である。
たOは熱間加工性を低下させるが、Mg、Caは酸化物を形
成して固溶酸素量を減少させる効果がある。これらの各
元素の添加量は鋼中のO量とのバランスから共に0.001
〜0.050重量%とした。なお、Caは熱間加工性の改善に
資するとともに、被削性の改善にも有効な元素である。
希土類元素:0.01〜0.10重量% 希土類元素は粒界に偏析して熱間加工性を低下させるS
を排除することにより、熱間加工性の改善に資する成分
であり、具体的には、La、Ce又はその合金などを使用す
る。これらの元素は充分な効果を得るためには少なくと
も0.01重量%必要であるが、多量に添加すると巨大な非
金属介在物を生ずるので上限を0.10重量%とした。
を排除することにより、熱間加工性の改善に資する成分
であり、具体的には、La、Ce又はその合金などを使用す
る。これらの元素は充分な効果を得るためには少なくと
も0.01重量%必要であるが、多量に添加すると巨大な非
金属介在物を生ずるので上限を0.10重量%とした。
そして、第4の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレ
ス鋼は、第1の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレ
ス鋼に上記の強度向上元素と熱間加工性向上元素との双
方を同時に添加してなるものである。これらの元素の含
有量の限定理由は上述した通りであるため、ここでは省
略する。
ス鋼は、第1の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレ
ス鋼に上記の強度向上元素と熱間加工性向上元素との双
方を同時に添加してなるものである。これらの元素の含
有量の限定理由は上述した通りであるため、ここでは省
略する。
(実施例) 実施例1〜9、比較例1〜3 第1表に示した成分組成を有するステンレス鋼を伸線加
工することにより、直径10mmの供試材を作製した。な
お、この供試材の硬度は伸線加工時の減面率を調整して
全てHv400となるようにした。しかるのち、各供試材に
下記の条件で切削加工を施して種々の切削速度(m/分)
に対する切削工具の寿命を調べることにより、被削性を
評価し、結果を第2図に示した。なお、図中、実施例1
〜9の鋼種は実線A〜Iに夫々対応し、比較例1〜3の
鋼種は実線J〜Lに夫々対応する。
工することにより、直径10mmの供試材を作製した。な
お、この供試材の硬度は伸線加工時の減面率を調整して
全てHv400となるようにした。しかるのち、各供試材に
下記の条件で切削加工を施して種々の切削速度(m/分)
に対する切削工具の寿命を調べることにより、被削性を
評価し、結果を第2図に示した。なお、図中、実施例1
〜9の鋼種は実線A〜Iに夫々対応し、比較例1〜3の
鋼種は実線J〜Lに夫々対応する。
切削工具:SKH9、φ10テーパシャンクドリル 加工方法:深さ15mmのめくら穴加工 送り :0.15mm/rev 潤滑油 :なし 評価方法:工具が溶損したときの延べ累積穴深さ(mm) 実施例10、11、比較例4 第2表に示した成分組成を有するステンレス鋼を真空誘
導炉で溶解後、熱間鍛造、線材圧延を経て、常温にて伸
線することにより外径9mmの線材を製造し、得られた線
材の時効処理前及び時効処理後の硬度(Hv)、並びに、
減面率を表中に示した。
導炉で溶解後、熱間鍛造、線材圧延を経て、常温にて伸
線することにより外径9mmの線材を製造し、得られた線
材の時効処理前及び時効処理後の硬度(Hv)、並びに、
減面率を表中に示した。
実施例12〜20 第3表に示した成分組成を有するステンレス鋼の2.5ト
ン塊を大気溶融したのち、1300℃における熱間ロール分
塊を行うことにより外径145mmの供試材を製造して、得
られた供試材のコーナー割れを検査し、割れ深さ(mm)
を表中に示した。
ン塊を大気溶融したのち、1300℃における熱間ロール分
塊を行うことにより外径145mmの供試材を製造して、得
られた供試材のコーナー割れを検査し、割れ深さ(mm)
を表中に示した。
上記第1表乃至第3表からも明らかなように、第1乃至
第4の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は、
何れも良好な被削性を有するとともに、特に第2の本発
明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は強度、具体的
には伸線時の硬度が更に改善されており、第3の本発明
に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は熱間ロール圧延
などの熱間加工性が更に改善されている。また、第4の
本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は、硬度及
び熱間加工性が共に改善されていることが確認された。
第4の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は、
何れも良好な被削性を有するとともに、特に第2の本発
明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は強度、具体的
には伸線時の硬度が更に改善されており、第3の本発明
に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は熱間ロール圧延
などの熱間加工性が更に改善されている。また、第4の
本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼は、硬度及
び熱間加工性が共に改善されていることが確認された。
(発明の効果) 以上説明したように第1の本発明に係る高強度非磁性快
削ステンレス鋼によれば、重量%で、C:0.15%以下、S
i:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10
〜0.25%、Cu:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:1
7.00〜19.00%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、A
l:0.05%以下を含有し、残部実質的にFeよりなることと
したので、従来の高強度非磁性ステンレス鋼に比べて被
削性がはるかに良好となる。
削ステンレス鋼によれば、重量%で、C:0.15%以下、S
i:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10
〜0.25%、Cu:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:1
7.00〜19.00%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、A
l:0.05%以下を含有し、残部実質的にFeよりなることと
したので、従来の高強度非磁性ステンレス鋼に比べて被
削性がはるかに良好となる。
第2の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼によ
れば、第1の本発明に係るステンレス鋼の成分元素に加
えて、更に、Nb:0.05〜0.20%及び/又はTi:0.02〜0.20
%を含有することとしたので、被削性は勿論のこと、強
度も向上する。
れば、第1の本発明に係るステンレス鋼の成分元素に加
えて、更に、Nb:0.05〜0.20%及び/又はTi:0.02〜0.20
%を含有することとしたので、被削性は勿論のこと、強
度も向上する。
第3の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼によ
れば、第1の本発明に係るステンレス鋼の成分元素に加
えて、更に、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜0.10%、M
g:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及び希土類元
素:0.01〜0.10%のうち少なくとも一種を含有すること
としたので、被削性は勿論のこと、熱間加工性も大幅に
向上する。
れば、第1の本発明に係るステンレス鋼の成分元素に加
えて、更に、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜0.10%、M
g:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及び希土類元
素:0.01〜0.10%のうち少なくとも一種を含有すること
としたので、被削性は勿論のこと、熱間加工性も大幅に
向上する。
第4の本発明に係る高強度非磁性快削ステンレス鋼によ
れば、第1の本発明に係るステンレス鋼の成分元素に加
えて、更に、Nb:0.05〜0.20%及び/又はTi:0.02〜0.20
%、並びに、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜0.10%、M
g:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及び、希土類
元素:0.01〜0.10%のうち少なくとも一種を含有するこ
とにしたので、被削性は勿論のこと、強度及び熱間加工
性も大幅に向上する。
れば、第1の本発明に係るステンレス鋼の成分元素に加
えて、更に、Nb:0.05〜0.20%及び/又はTi:0.02〜0.20
%、並びに、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜0.10%、M
g:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及び、希土類
元素:0.01〜0.10%のうち少なくとも一種を含有するこ
とにしたので、被削性は勿論のこと、強度及び熱間加工
性も大幅に向上する。
第1図はN含有量とS含有量を変化させた場合に、引割
れを起こすことなくHv400を得られる領域を示したグラ
フ、第2図は切削速度と工具寿命との関係を示すグラフ
である。
れを起こすことなくHv400を得られる領域を示したグラ
フ、第2図は切削速度と工具寿命との関係を示すグラフ
である。
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以
下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10〜0.25%、C
u:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:17.00〜19.00
%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、Al:0.05%以下
を含有し、残部実質的にFeよりなることを特徴とする高
強度非磁性快削ステンレス鋼。 - 【請求項2】重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以
下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10〜0.25%、C
u:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:17.00〜19.00
%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、Al:0.05%以下
を含有するとともに、Nb:0.05〜0.20%及び/又はTi:0.
02〜0.20%を含有し、残部実質的にFeよりなることを特
徴とする高強度非磁性快削ステンレス鋼。 - 【請求項3】重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以
下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10〜0.25%、C
u:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:17.00〜19.00
%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、Al:0.05%以下
を含有するとともに、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜
0.10%、Mg:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及
び、希土類元素:0.01〜0.10%のうち少なくとも一種を
含有し、残部実質的にFeよりなることを特徴とする高強
度非磁性快削ステンレス鋼。 - 【請求項4】重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以
下、Mn:2.00%以下、P:0.20%以下、S:0.10〜0.25%、C
u:0.02〜3.00%、Ni:8.00〜11.00%、Cr:17.00〜19.00
%、Mo:0.05〜2.00%、N:0.10〜0.30%、Al:0.05%以下
を含有するとともに、Nb:0.05〜0.20%及び/又はTi:0.
02〜0.20%、並びに、B:0.0020〜0.0100%、Zr:0.01〜
0.10%、Mg:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050%、及
び、希土類元素:0.01〜0.10%のうち少なくとも1種を
含有し、残部実質的にFeよりなることを特徴とする高強
度非磁性快削ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3239687A JPH0756063B2 (ja) | 1987-02-17 | 1987-02-17 | 高強度非磁性快削ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3239687A JPH0756063B2 (ja) | 1987-02-17 | 1987-02-17 | 高強度非磁性快削ステンレス鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63199852A JPS63199852A (ja) | 1988-08-18 |
| JPH0756063B2 true JPH0756063B2 (ja) | 1995-06-14 |
Family
ID=12357791
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3239687A Expired - Fee Related JPH0756063B2 (ja) | 1987-02-17 | 1987-02-17 | 高強度非磁性快削ステンレス鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0756063B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102173302B1 (ko) * | 2018-11-12 | 2020-11-03 | 주식회사 포스코 | 비자성 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법 |
-
1987
- 1987-02-17 JP JP3239687A patent/JPH0756063B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63199852A (ja) | 1988-08-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP2248919A1 (en) | High corrosion-resistant, high-strength and non-magnetic stainless steel, high corrosion-resistant, high-strength and non-magnetic stainless steel product and method for producing the same | |
| JPH055157A (ja) | 被削性の優れた機械構造用電気抵抗溶接鋼管 | |
| EP1270757A1 (en) | Machine structural steel being free of lead, excellent in machinability and reduced in strength anisotropy | |
| JPS628509B2 (ja) | ||
| JPH07188847A (ja) | 被削性に優れた機械構造用炭素鋼 | |
| JP3736721B2 (ja) | 高耐食快削ステンレス鋼 | |
| JP4451808B2 (ja) | 疲労特性と耐結晶粒粗大化特性に優れた肌焼用圧延棒鋼およびその製法 | |
| JP2000026933A (ja) | 熱間鍛造用鋼 | |
| JP2001098352A (ja) | 表面仕上性に優れた高耐食快削ステンレス鋼 | |
| JP3703008B2 (ja) | 快削ステンレス鋼 | |
| JP3270035B2 (ja) | 被削性に優れ,強度異方性の小さい鉛無添加の機械構造用鋼 | |
| JP4178670B2 (ja) | マンガン合金鋼と軸、ネジ部材 | |
| JP3791664B2 (ja) | オーステナイト系Ca添加快削ステンレス鋼 | |
| JPH0756063B2 (ja) | 高強度非磁性快削ステンレス鋼 | |
| JPS628504B2 (ja) | ||
| JP2004292929A (ja) | 機械構造用鋼 | |
| JP3253702B2 (ja) | 被削性に優れた機械構造用炭素鋼 | |
| JPS628499B2 (ja) | ||
| JP3256184B2 (ja) | 超快削鋼棒線材及び部品の製造方法並びにそれらによる超快削鋼棒線材及び部品 | |
| JP2989766B2 (ja) | 疲労特性および被削性に優れた肌焼鋼 | |
| JPS621823A (ja) | 被削性にすぐれた高Mn非磁性鋼の製造方法 | |
| JP3958193B2 (ja) | オーステナイト系快削ステンレス鋼 | |
| JP2021134418A (ja) | 機械構造用鋼及びその切削方法 | |
| JPH0317245A (ja) | 切削性の優れた高強度,非磁性ステンレス鋼 | |
| JPH07188850A (ja) | 被削性に優れた黒鉛快削鋼 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |