JPH0757544A - 耐雷電線 - Google Patents
耐雷電線Info
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- JPH0757544A JPH0757544A JP5198386A JP19838693A JPH0757544A JP H0757544 A JPH0757544 A JP H0757544A JP 5198386 A JP5198386 A JP 5198386A JP 19838693 A JP19838693 A JP 19838693A JP H0757544 A JPH0757544 A JP H0757544A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 接触腐食が防止され、架空線用の素線として
十分な強度を有すると共に、落雷時のアーク熱による溶
断を防止して耐雷性を向上させることができる耐雷電線
を提供する。 【構成】 耐雷電線は、鋼からなる芯材1と、この芯材
1の周囲に非円形の断面形状で被覆形成されたアルミニ
ウム又はアルミニウム合金からなる被覆材2と、この被
覆材2の少なくとも一部の外面に形成され前記芯材の融
点より低温度で気化する低沸点物質層3とを有する。芯
材1は被覆材2中に偏心して配置され、被覆材2の厚肉
部は厚さが1.6mm以上である。
十分な強度を有すると共に、落雷時のアーク熱による溶
断を防止して耐雷性を向上させることができる耐雷電線
を提供する。 【構成】 耐雷電線は、鋼からなる芯材1と、この芯材
1の周囲に非円形の断面形状で被覆形成されたアルミニ
ウム又はアルミニウム合金からなる被覆材2と、この被
覆材2の少なくとも一部の外面に形成され前記芯材の融
点より低温度で気化する低沸点物質層3とを有する。芯
材1は被覆材2中に偏心して配置され、被覆材2の厚肉
部は厚さが1.6mm以上である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架空送電線又は光ファイ
バ入り架空地線等の架空線用の耐雷性素線として好適の
耐雷性アルミニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線に関
し、特に、落雷時のアーク熱による溶断を防止して耐雷
性を向上させた耐雷性アルミニウム又はアルミニウム合
金被覆鋼線に関する。
バ入り架空地線等の架空線用の耐雷性素線として好適の
耐雷性アルミニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線に関
し、特に、落雷時のアーク熱による溶断を防止して耐雷
性を向上させた耐雷性アルミニウム又はアルミニウム合
金被覆鋼線に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、架空地線等においては、鋼芯Al
被覆線からなる撚線の中心部分などに、通信用の光ファ
イバを配置した複合型の架空地線が使用されるようにな
っている。しかし、架空地線はその使用態様から雷撃を
受け易く、特に夏季雷に比して継続時間が長くて電荷量
が大きい冬季雷を受けた場合は、アークの衝撃力により
素線が断線し、又はアーク熱により素線が溶断する溶断
事故が発生しやすい。このような架空線用の素線の溶断
事故は、特に北陸地方の山岳地域において頻繁に発生す
る。そして、極端な場合には、架空線の張り替えを余儀
なくされる場合がある。特に、光ファイバ入り架空地線
(OPGW)を張り替える場合には、光ファイバが高価であ
るため張り替えるコストが著しく高くなってしまうとい
う欠点がある。そこで、落雷時のアークの衝撃力及びそ
の電流による溶断を防止して耐雷性を向上させるため
に、図12(a)に示すように、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる芯材11aの周面上にステンレス
鋼又はFe−Ni合金及びMo等の高融点材料からなる
被覆材12aを被覆した素線が提案されている。また、
図12(b)に示すように、強度負担部となる芯材11
bを鋼で構成し、その周囲に熱伝導性が良い銅等からな
る被覆材12bを被覆した素線などが提案されている。
被覆線からなる撚線の中心部分などに、通信用の光ファ
イバを配置した複合型の架空地線が使用されるようにな
っている。しかし、架空地線はその使用態様から雷撃を
受け易く、特に夏季雷に比して継続時間が長くて電荷量
が大きい冬季雷を受けた場合は、アークの衝撃力により
素線が断線し、又はアーク熱により素線が溶断する溶断
事故が発生しやすい。このような架空線用の素線の溶断
事故は、特に北陸地方の山岳地域において頻繁に発生す
る。そして、極端な場合には、架空線の張り替えを余儀
なくされる場合がある。特に、光ファイバ入り架空地線
(OPGW)を張り替える場合には、光ファイバが高価であ
るため張り替えるコストが著しく高くなってしまうとい
う欠点がある。そこで、落雷時のアークの衝撃力及びそ
の電流による溶断を防止して耐雷性を向上させるため
に、図12(a)に示すように、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる芯材11aの周面上にステンレス
鋼又はFe−Ni合金及びMo等の高融点材料からなる
被覆材12aを被覆した素線が提案されている。また、
図12(b)に示すように、強度負担部となる芯材11
bを鋼で構成し、その周囲に熱伝導性が良い銅等からな
る被覆材12bを被覆した素線などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように耐雷性を向上させた従来の架空線用の素線に
は、以下に示すような問題点がある。
たように耐雷性を向上させた従来の架空線用の素線に
は、以下に示すような問題点がある。
【0004】先ず、Al又はAl合金の芯材11aの表
面上に高融点材料からなる被覆材12aを設けたもの
は、表層の被覆材12aは溶損しにくいものの、内部の
Al又はAl合金が溶融しやすいため、架空線用の素線
として実用的ではない。また、この場合、架線の取付具
を構成するAl又はAl合金と被覆材12aを構成する
鋼等との間で接触腐食が発生しやすい。
面上に高融点材料からなる被覆材12aを設けたもの
は、表層の被覆材12aは溶損しにくいものの、内部の
Al又はAl合金が溶融しやすいため、架空線用の素線
として実用的ではない。また、この場合、架線の取付具
を構成するAl又はAl合金と被覆材12aを構成する
鋼等との間で接触腐食が発生しやすい。
【0005】一方、芯材11bの周囲に熱伝導性が良い
銅等からなる被覆材12bを設けたものは、アルミニウ
ム等からなる取付具と接触すると腐食する虞があるた
め、従来の電線部品に適用することが困難である。ま
た、CuはAlに比して重いため、架空線用の素線とし
て好ましくない。
銅等からなる被覆材12bを設けたものは、アルミニウ
ム等からなる取付具と接触すると腐食する虞があるた
め、従来の電線部品に適用することが困難である。ま
た、CuはAlに比して重いため、架空線用の素線とし
て好ましくない。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、接触腐食が防止され、架空線用の素線とし
て十分な強度を有すると共に、落雷時のアーク熱による
溶断を防止して耐雷性を向上させることができる耐雷電
線を提供することを目的とする。
のであって、接触腐食が防止され、架空線用の素線とし
て十分な強度を有すると共に、落雷時のアーク熱による
溶断を防止して耐雷性を向上させることができる耐雷電
線を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐雷電線
は、鋼からなる芯材と、この芯材の周囲に非円形の断面
形状で被覆形成されたアルミニウム又はアルミニウム合
金からなる被覆材と、この被覆材の少なくとも一部の外
面に形成され前記芯材の融点より低温度で気化する低沸
点物質層とを有し、前記芯材は前記被覆材中に偏心して
配置されることを特徴とする。
は、鋼からなる芯材と、この芯材の周囲に非円形の断面
形状で被覆形成されたアルミニウム又はアルミニウム合
金からなる被覆材と、この被覆材の少なくとも一部の外
面に形成され前記芯材の融点より低温度で気化する低沸
点物質層とを有し、前記芯材は前記被覆材中に偏心して
配置されることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明において、被覆材の外面の少なくとも一
部に、芯材の融点(鋼線の融点は1536℃)より低温度で
気化するような気化熱が大きい低沸点物質を形成してあ
るから、雷撃時に前記低沸点物質が気化し、アーク熱が
低沸点物質の気化に消耗されるのでアルミニウム又はア
ルミニウム合金からなる被覆材に伝達されるアーク熱が
減少し、被覆材の溶融が防止される。即ち、雷撃が発生
すると、低沸点物質層(例えば、Zn)の溶融及び気化
が発生し、偏肉した被覆材に伝達される熱が低減され
る。そして、低沸点物質層で吸収できなかった熱は前記
被覆材に伝わり、その長手方向に熱が逃げる。また、何
らかの要因によりアルミニウム又はアルミニウム合金か
らなる被覆材が局部的に溶融した場合にも、その外面の
低沸点物質層が気化するので、その被覆材の溶融部の拡
大が抑制されると共に、被覆材のAlが流動することに
より、鋼芯線が露出するのを有効に防止することができ
る。また、アルミニウム又はその合金は雷撃により液体
とはなるが、気化しにくいため溶融状態を保持し、その
近傍の固体部に、即ち耐雷電線の長手方向に熱を逃がし
続ける。このようなプロセスにより、雷撃が生じたとき
に、従来の耐雷電線よりも多くのエネルギを消費するの
で、溶断が発生するに必要な電気量が多くなるため、溶
断が防止される。
部に、芯材の融点(鋼線の融点は1536℃)より低温度で
気化するような気化熱が大きい低沸点物質を形成してあ
るから、雷撃時に前記低沸点物質が気化し、アーク熱が
低沸点物質の気化に消耗されるのでアルミニウム又はア
ルミニウム合金からなる被覆材に伝達されるアーク熱が
減少し、被覆材の溶融が防止される。即ち、雷撃が発生
すると、低沸点物質層(例えば、Zn)の溶融及び気化
が発生し、偏肉した被覆材に伝達される熱が低減され
る。そして、低沸点物質層で吸収できなかった熱は前記
被覆材に伝わり、その長手方向に熱が逃げる。また、何
らかの要因によりアルミニウム又はアルミニウム合金か
らなる被覆材が局部的に溶融した場合にも、その外面の
低沸点物質層が気化するので、その被覆材の溶融部の拡
大が抑制されると共に、被覆材のAlが流動することに
より、鋼芯線が露出するのを有効に防止することができ
る。また、アルミニウム又はその合金は雷撃により液体
とはなるが、気化しにくいため溶融状態を保持し、その
近傍の固体部に、即ち耐雷電線の長手方向に熱を逃がし
続ける。このようなプロセスにより、雷撃が生じたとき
に、従来の耐雷電線よりも多くのエネルギを消費するの
で、溶断が発生するに必要な電気量が多くなるため、溶
断が防止される。
【0009】一方、本発明においては、鋼からなる芯材
はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる被覆材内
に偏心して配置されている。このため、被覆材には局部
的に厚肉部が存在し、この厚肉部が落雷時の溶損代とな
っている。このため、本発明に係るアルミニウム又はア
ルミニウム合金被覆鋼線は前記溶損代部分にアークを受
けても、前記溶損代におけるアルミニウムの溶融潜熱が
大きいため前記芯材の温度上昇を抑制することができ、
落雷時のアーク熱による溶断を防止することができる。
また、鋼からなる芯材を偏心させて配置することにより
前記被覆材の前記溶損代を形成するため、アルミニウム
又はアルミニウム合金被覆鋼線の全断面積中における前
記芯材の断面積率を高めることができ、架空線用の素線
として十分な強度を得ることができる。例えば、直径が
4.2mmのアルミニウム被覆鋼線について、アーク熱によ
る溶断を防止するための溶損代としてアルミニウムの厚
さを例えば1.5mm確保しようとする場合、図9(a)に
示すように、芯材5を偏心させることにより被覆材6の
溶損代の厚さを1.5mmとし、この溶損代の反対側の部分
の被覆材6の厚さを0.2mmとすれば、芯材5の直径は2.5
mmにすることができる。この場合、被覆材6の断面積率
は64.6%となり、このアルミニウム被覆鋼線の強度は70
kgf/mm2となって、十分な強度を得ることができる。し
かしながら、図9(b)に示すように、芯材5aを全く
偏心させない場合、1.5mm確保しようとすると、芯材5
aの直径は必然的に1.2mmになる。この場合、被覆材6
aの断面積率は91.8%となり、このアルミニウム被覆鋼
線の強度は27kgf/mm2となってしまい、実用的な強度を
得られない。なお、上述の説明は、溶損代が1.5mm、断
面形状が円形の場合についてのものであるが、溶損代が
1.6mm以上で、断面が非円形の場合でも偏心の効果は同
様である。
はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる被覆材内
に偏心して配置されている。このため、被覆材には局部
的に厚肉部が存在し、この厚肉部が落雷時の溶損代とな
っている。このため、本発明に係るアルミニウム又はア
ルミニウム合金被覆鋼線は前記溶損代部分にアークを受
けても、前記溶損代におけるアルミニウムの溶融潜熱が
大きいため前記芯材の温度上昇を抑制することができ、
落雷時のアーク熱による溶断を防止することができる。
また、鋼からなる芯材を偏心させて配置することにより
前記被覆材の前記溶損代を形成するため、アルミニウム
又はアルミニウム合金被覆鋼線の全断面積中における前
記芯材の断面積率を高めることができ、架空線用の素線
として十分な強度を得ることができる。例えば、直径が
4.2mmのアルミニウム被覆鋼線について、アーク熱によ
る溶断を防止するための溶損代としてアルミニウムの厚
さを例えば1.5mm確保しようとする場合、図9(a)に
示すように、芯材5を偏心させることにより被覆材6の
溶損代の厚さを1.5mmとし、この溶損代の反対側の部分
の被覆材6の厚さを0.2mmとすれば、芯材5の直径は2.5
mmにすることができる。この場合、被覆材6の断面積率
は64.6%となり、このアルミニウム被覆鋼線の強度は70
kgf/mm2となって、十分な強度を得ることができる。し
かしながら、図9(b)に示すように、芯材5aを全く
偏心させない場合、1.5mm確保しようとすると、芯材5
aの直径は必然的に1.2mmになる。この場合、被覆材6
aの断面積率は91.8%となり、このアルミニウム被覆鋼
線の強度は27kgf/mm2となってしまい、実用的な強度を
得られない。なお、上述の説明は、溶損代が1.5mm、断
面形状が円形の場合についてのものであるが、溶損代が
1.6mm以上で、断面が非円形の場合でも偏心の効果は同
様である。
【0010】従って、本発明に係るアルミニウム又はア
ルミニウム合金被覆鋼線は、架空線用の素線として十分
な強度を有すると共に、落雷時のアーク熱による溶断を
防止して耐雷性を向上させることができる。
ルミニウム合金被覆鋼線は、架空線用の素線として十分
な強度を有すると共に、落雷時のアーク熱による溶断を
防止して耐雷性を向上させることができる。
【0011】また、このように構成されるアルミニウム
又はアルミニウム合金被覆鋼線を架空線用の素線として
使用する場合は、例えば光ファイバケーブルの周囲に複
数本のアルミニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線を撚
り合わせて撚線とする。この場合、上述した被覆材の溶
損代に優先的に被雷させるために、前記被覆材の前記溶
損代が外側に露出するようにしてアルミニウム又はアル
ミニウム合金被覆鋼線を撚り合わせる必要がある。この
ため、素線の捻れを防止するために、被覆材の断面形状
を扇形等の非円形にし、この被覆材の芯材により大弧面
側部分の厚さを好ましくは1.6mm以上にして、これを溶
損代にする。このようにした場合、被覆材の小弧面側を
光ファイバケーブル等に密着させてアルミニウム又はア
ルミニウム合金被覆鋼線を撚り合わせることにより、被
覆材の溶損代は常に外側に露出するようにして配置され
る。
又はアルミニウム合金被覆鋼線を架空線用の素線として
使用する場合は、例えば光ファイバケーブルの周囲に複
数本のアルミニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線を撚
り合わせて撚線とする。この場合、上述した被覆材の溶
損代に優先的に被雷させるために、前記被覆材の前記溶
損代が外側に露出するようにしてアルミニウム又はアル
ミニウム合金被覆鋼線を撚り合わせる必要がある。この
ため、素線の捻れを防止するために、被覆材の断面形状
を扇形等の非円形にし、この被覆材の芯材により大弧面
側部分の厚さを好ましくは1.6mm以上にして、これを溶
損代にする。このようにした場合、被覆材の小弧面側を
光ファイバケーブル等に密着させてアルミニウム又はア
ルミニウム合金被覆鋼線を撚り合わせることにより、被
覆材の溶損代は常に外側に露出するようにして配置され
る。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。
参照して説明する。
【0013】図1は本発明の実施例に係る耐雷電線の素
線である偏心アルミニウム被覆鋼線を示す断面図であ
る。図1に示すように、鋼からなる芯材1(強度負担
部)の周囲はアルミニウムからなる被覆材2で被覆され
ている。この被覆材2及び芯材1は断面が略扇形をなし
ていて、芯材1は被覆材2の断面中央部から小弧面側に
偏心して配置されている。そして、被覆材2は、大弧面
側部分の厚さHが1.6mm以上になっており、この部分が
溶損代となる。また、被覆材2の厚肉部側の外面には低
沸点物質層3が形成されている。この低沸点物質層3と
しては、Zn(亜鉛)、Mg(マグネシウム)、Po
(ポロニウム)、Sr(ストロンチウム)、Rb(ルビ
ジウム)、Na(ナトリウム)、Li(リチウム)、K
(カリウム)、Cs(セシウム)、Ca(カルシウム)
及びCd(カドミウム)又はその合金等がある。特に、
この低沸点物質層3として、Zn又はその合金を使用す
ることが好ましい。Znは鋼線の融点(1536℃)は勿論
のこと、銅の融点よりも低い温度で気化する。このよう
に、Znは極めて気化し易い物質である。また、Znは
耐食性が優れているため、耐雷電線としての耐食性も向
上させることができる。
線である偏心アルミニウム被覆鋼線を示す断面図であ
る。図1に示すように、鋼からなる芯材1(強度負担
部)の周囲はアルミニウムからなる被覆材2で被覆され
ている。この被覆材2及び芯材1は断面が略扇形をなし
ていて、芯材1は被覆材2の断面中央部から小弧面側に
偏心して配置されている。そして、被覆材2は、大弧面
側部分の厚さHが1.6mm以上になっており、この部分が
溶損代となる。また、被覆材2の厚肉部側の外面には低
沸点物質層3が形成されている。この低沸点物質層3と
しては、Zn(亜鉛)、Mg(マグネシウム)、Po
(ポロニウム)、Sr(ストロンチウム)、Rb(ルビ
ジウム)、Na(ナトリウム)、Li(リチウム)、K
(カリウム)、Cs(セシウム)、Ca(カルシウム)
及びCd(カドミウム)又はその合金等がある。特に、
この低沸点物質層3として、Zn又はその合金を使用す
ることが好ましい。Znは鋼線の融点(1536℃)は勿論
のこと、銅の融点よりも低い温度で気化する。このよう
に、Znは極めて気化し易い物質である。また、Znは
耐食性が優れているため、耐雷電線としての耐食性も向
上させることができる。
【0014】この偏心被覆鋼線の低沸点物質層3の被着
方法は、溶射により行うことが好ましい。これは、低沸
点物質層3を溶射により被着する方が、電気メッキによ
り被着するよりも短時間で被着することができるからで
ある。また、溶射により被着された層の場合には、ポー
ラスな組織になるため、この気孔に空気が存在し、断熱
効果があるという利点もある。更に、溶射の場合には、
殆ど全ての無機物について被着可能であるため、低沸点
物質層3の構成材料に対する制限が少ない。
方法は、溶射により行うことが好ましい。これは、低沸
点物質層3を溶射により被着する方が、電気メッキによ
り被着するよりも短時間で被着することができるからで
ある。また、溶射により被着された層の場合には、ポー
ラスな組織になるため、この気孔に空気が存在し、断熱
効果があるという利点もある。更に、溶射の場合には、
殆ど全ての無機物について被着可能であるため、低沸点
物質層3の構成材料に対する制限が少ない。
【0015】なお、被覆材の溶損代の厚さは、1.6mm以
上とすることが好ましい。図10は冬季雷の電荷量の累
積頻度分布を示すグラフ図(電中研報告、総合報告:T
IO「日本海沿岸における冬季雷性状」、1989年1
月23日)であって、横軸が電荷量を示し、縦軸が累積
頻度を示す。この図10に示すように、冬季雷の約80
%以上は電荷量が70クーロン以下のものである。一
方、図11は70クーロンのアーク試験におけるアルミ
ニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線の荷重残存率と溶
損代の厚さHとの関係を示すグラフ図であって、横軸が
厚さHを示し、縦軸が荷重残存率を示す。なお、このア
ーク試験においては、アルミニウム又はアルミニウム合
金被覆鋼線を所定の治具により固定し、電極から溶損代
に向けてアーク放電を行った。また、荷重残存率とは、
アルミニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線のアーク試
験前の引張荷重強度に対するアーク試験後の引張荷重強
度の割合(%)を示すものである。この図11から明ら
かなように、落雷点と芯材との間の溶損代の厚さHが
1.6mm未満であると、70クーロンのアーク熱によ
り鋼からなる芯材が変質して荷重残存率が低下してしま
う。しかしながら、溶損代の厚さHが1.6mm以上で
あれば、70クーロンのアーク熱により鋼からなる芯材
が変質することはないので、荷重残存率は低下しない。
このため、被覆材の溶損代の厚さは1.6mm以上にす
る。これにより、本発明に係るアルミニウム又はアルミ
ニウム合金被覆鋼線は、冬季雷の約80%以上を占める
電荷量が70クーロン以下の落雷に対して、耐雷性が極
めて優れている。一方、70クーロンを超える落雷に対
しても、本発明により素線の溶断が起こりにくくなり、
素線のばらけによる短絡、地絡、相間短絡の害を防止で
きる。
上とすることが好ましい。図10は冬季雷の電荷量の累
積頻度分布を示すグラフ図(電中研報告、総合報告:T
IO「日本海沿岸における冬季雷性状」、1989年1
月23日)であって、横軸が電荷量を示し、縦軸が累積
頻度を示す。この図10に示すように、冬季雷の約80
%以上は電荷量が70クーロン以下のものである。一
方、図11は70クーロンのアーク試験におけるアルミ
ニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線の荷重残存率と溶
損代の厚さHとの関係を示すグラフ図であって、横軸が
厚さHを示し、縦軸が荷重残存率を示す。なお、このア
ーク試験においては、アルミニウム又はアルミニウム合
金被覆鋼線を所定の治具により固定し、電極から溶損代
に向けてアーク放電を行った。また、荷重残存率とは、
アルミニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線のアーク試
験前の引張荷重強度に対するアーク試験後の引張荷重強
度の割合(%)を示すものである。この図11から明ら
かなように、落雷点と芯材との間の溶損代の厚さHが
1.6mm未満であると、70クーロンのアーク熱によ
り鋼からなる芯材が変質して荷重残存率が低下してしま
う。しかしながら、溶損代の厚さHが1.6mm以上で
あれば、70クーロンのアーク熱により鋼からなる芯材
が変質することはないので、荷重残存率は低下しない。
このため、被覆材の溶損代の厚さは1.6mm以上にす
る。これにより、本発明に係るアルミニウム又はアルミ
ニウム合金被覆鋼線は、冬季雷の約80%以上を占める
電荷量が70クーロン以下の落雷に対して、耐雷性が極
めて優れている。一方、70クーロンを超える落雷に対
しても、本発明により素線の溶断が起こりにくくなり、
素線のばらけによる短絡、地絡、相間短絡の害を防止で
きる。
【0016】このように構成される偏心アルミニウム被
覆鋼線を素線として、例えば図8に示すように、撚り線
加工することにより、耐雷電線が得られる。この低沸点
物質層3を設けた素線から構成される耐雷電線において
は、雷撃が生じた場合に、そのアーク熱の一部は外層の
低沸点物質層3の気化に消費される。そして、残余の熱
はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる被覆材2
に伝達され、被覆材2をその長手方向に逃げる。このた
め、アーク熱は芯材1及び被覆材2の溶断に使用される
前に、低沸点物質層3の気化に消費されるので、耐雷電
線の溶断が防止される。このため、耐雷性が著しく向上
する。
覆鋼線を素線として、例えば図8に示すように、撚り線
加工することにより、耐雷電線が得られる。この低沸点
物質層3を設けた素線から構成される耐雷電線において
は、雷撃が生じた場合に、そのアーク熱の一部は外層の
低沸点物質層3の気化に消費される。そして、残余の熱
はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる被覆材2
に伝達され、被覆材2をその長手方向に逃げる。このた
め、アーク熱は芯材1及び被覆材2の溶断に使用される
前に、低沸点物質層3の気化に消費されるので、耐雷電
線の溶断が防止される。このため、耐雷性が著しく向上
する。
【0017】図3は横軸に電気量(クーロン)をとり、
縦軸に残存荷重率(%)をとって、種々の耐雷電線につ
いてその耐雷性を比較するグラフ図である。残存荷重率
は、アーク放電前の破断荷重に対するアーク放電後の破
断荷重の割合であり、この残存荷重率が高く、且つ溶断
点(残存荷重率=0)が大きいほど耐雷性が優れてい
る。
縦軸に残存荷重率(%)をとって、種々の耐雷電線につ
いてその耐雷性を比較するグラフ図である。残存荷重率
は、アーク放電前の破断荷重に対するアーク放電後の破
断荷重の割合であり、この残存荷重率が高く、且つ溶断
点(残存荷重率=0)が大きいほど耐雷性が優れてい
る。
【0018】この図3に示すデータは図4に示すアーク
試験装置により測定した。即ち、図1に示す断面形状の
実施例に係る被覆鋼線を試料Aとして引張り試験機7に
装着し、電極8を試料Aに近づけ、電源9から給電して
電極8と試料Aとの間でアーク放電を発生させた。そし
て、電気量測定器10によりこのアーク放電にて流れた
電気量を測定した。次いで、アーク放電後の試料Aを引
張り試験機7により引張り試験し、その破断荷重を求め
た。この破断荷重がアーク放電後の残存荷重である。そ
して、アーク放電前の破断荷重を別の試料で求めてお
き、(残存荷重/アーク放電前の破断荷重)×100と
して残存荷重率(%)を求めた。図3において、白丸は
断面が円形のアルミニウム被覆鋼線であり、黒丸は断面
が円形のアルミニウム被覆鋼線に厚さが0.15mmのZn層
を低沸点物質層として形成したものである。また、白抜
き四角は図1に示すように被覆材に偏肉を設けたアルミ
ニウム被覆鋼線であり、黒四角は同じく偏肉アルミニウ
ム被覆鋼線に厚さが0.15mmのZn層を形成したものであ
る。従って、黒四角が本発明の実施例に係るアルミニウ
ム被覆鋼線である。この図3から明らかなように、本発
明によるものは100クーロン近くまで残存荷重率の低
下がない優れた耐雷特性が得られることが分かる。更に
また、100クーロンの電気量が流れる大きなアーク放
電が生じても、本実施例の被覆鋼線においては、80%
の残存荷重率が得られた。これに対し、低沸点物質層が
存在しない場合(白抜き四角)には、残存荷重率が55
%、低沸点物質層を被着した場合でも断面が円形の場合
(黒丸)には、残存荷重率が30%、低沸点物質層がな
い断面円形の被覆鋼線の場合(白丸)には、残存荷重率
が約3%である。このように、低沸点物質層を設け、被
覆鋼線の断面形状を偏肉を持つものとすることにより、
耐雷性を著しく向上させることができる。このため、本
発明によるものは本願出願人による先行出願(特開平4-
47617)に示す偏肉厚さよりも小さい1.6mm以下の厚さの
ものでも優れた耐雷特性を得ることができる。
試験装置により測定した。即ち、図1に示す断面形状の
実施例に係る被覆鋼線を試料Aとして引張り試験機7に
装着し、電極8を試料Aに近づけ、電源9から給電して
電極8と試料Aとの間でアーク放電を発生させた。そし
て、電気量測定器10によりこのアーク放電にて流れた
電気量を測定した。次いで、アーク放電後の試料Aを引
張り試験機7により引張り試験し、その破断荷重を求め
た。この破断荷重がアーク放電後の残存荷重である。そ
して、アーク放電前の破断荷重を別の試料で求めてお
き、(残存荷重/アーク放電前の破断荷重)×100と
して残存荷重率(%)を求めた。図3において、白丸は
断面が円形のアルミニウム被覆鋼線であり、黒丸は断面
が円形のアルミニウム被覆鋼線に厚さが0.15mmのZn層
を低沸点物質層として形成したものである。また、白抜
き四角は図1に示すように被覆材に偏肉を設けたアルミ
ニウム被覆鋼線であり、黒四角は同じく偏肉アルミニウ
ム被覆鋼線に厚さが0.15mmのZn層を形成したものであ
る。従って、黒四角が本発明の実施例に係るアルミニウ
ム被覆鋼線である。この図3から明らかなように、本発
明によるものは100クーロン近くまで残存荷重率の低
下がない優れた耐雷特性が得られることが分かる。更に
また、100クーロンの電気量が流れる大きなアーク放
電が生じても、本実施例の被覆鋼線においては、80%
の残存荷重率が得られた。これに対し、低沸点物質層が
存在しない場合(白抜き四角)には、残存荷重率が55
%、低沸点物質層を被着した場合でも断面が円形の場合
(黒丸)には、残存荷重率が30%、低沸点物質層がな
い断面円形の被覆鋼線の場合(白丸)には、残存荷重率
が約3%である。このように、低沸点物質層を設け、被
覆鋼線の断面形状を偏肉を持つものとすることにより、
耐雷性を著しく向上させることができる。このため、本
発明によるものは本願出願人による先行出願(特開平4-
47617)に示す偏肉厚さよりも小さい1.6mm以下の厚さの
ものでも優れた耐雷特性を得ることができる。
【0019】前述の如く、被覆材2の大弧面側部分(溶
損代)の表面における任意の落雷点と芯材1との間の厚
さHは1.6mm以上と十分に厚く確保されている。このた
め、被覆材2の溶損代の表面に落雷を受けても、アルミ
ニウムの溶融潜熱が大きいため芯材1の温度上昇を抑制
することができる。即ち、被覆材2の落雷を受ける部分
に十分な厚さの溶損代を設けることにより、芯材1への
落雷の影響を防止することができる。しかしながら、図
2(a)に示すように、被覆材2dの大弧面側の溶損代
の厚さが1.6mm未満であると、この被覆材2dの溶損代
の表面に対してアーク試験を行った場合、図2(b)に
示すように、その部分の被覆材2dが溶融し、アーク熱
により芯材1の材質が変化するため、架空線用の素線と
しての特性が低下してしまう。
損代)の表面における任意の落雷点と芯材1との間の厚
さHは1.6mm以上と十分に厚く確保されている。このた
め、被覆材2の溶損代の表面に落雷を受けても、アルミ
ニウムの溶融潜熱が大きいため芯材1の温度上昇を抑制
することができる。即ち、被覆材2の落雷を受ける部分
に十分な厚さの溶損代を設けることにより、芯材1への
落雷の影響を防止することができる。しかしながら、図
2(a)に示すように、被覆材2dの大弧面側の溶損代
の厚さが1.6mm未満であると、この被覆材2dの溶損代
の表面に対してアーク試験を行った場合、図2(b)に
示すように、その部分の被覆材2dが溶融し、アーク熱
により芯材1の材質が変化するため、架空線用の素線と
しての特性が低下してしまう。
【0020】また、本実施例においては、芯材1を偏心
させることにより被覆材2の溶損代を形成するため、被
覆鋼線の全断面積に占める芯材1の断面積率を高めるこ
とができ、強度を高めることができる。
させることにより被覆材2の溶損代を形成するため、被
覆鋼線の全断面積に占める芯材1の断面積率を高めるこ
とができ、強度を高めることができる。
【0021】従って、本実施例に係る偏心アルミニウム
被覆鋼線は、架空線用の素線として十分な強度を有する
と共に、冬季雷の約80%以上を占める電荷量が70クーロ
ン以下の落雷を有効に防止できるだけでなく、70クー
ロン以上の落雷に対しても強度低下のない優れた耐雷性
を得ることができる。
被覆鋼線は、架空線用の素線として十分な強度を有する
と共に、冬季雷の約80%以上を占める電荷量が70クーロ
ン以下の落雷を有効に防止できるだけでなく、70クー
ロン以上の落雷に対しても強度低下のない優れた耐雷性
を得ることができる。
【0022】図5(a)乃至(c)は偏心アルミニウム
被覆鋼線の変形例を示す断面図である。なお、これらの
被覆鋼線は被覆材2の断面形状が異なるものであるの
で、図5において、芯材1の他には被覆材のみを図示
し、低沸点物質層等の図示は省略する。また、大弧面側
を除く被覆材2c、2d、2eの厚さはhである。図5
(a)に示すように、被覆材2cは大弧面側にてその全
域が厚さhより厚く、その全域が溶損代となっている。
また、図5(b)に示す被覆鋼線は、被覆材2dの厚さ
が大弧面側の縁部から中央部にかけて徐々に厚くなり、
この中央部に偏在して溶損代が設けられている。更に、
図5(c)に示す被覆鋼線においては、被覆材2eは大
弧面側の中央部を局部的に突出させることにより溶損代
が形成されている。このように、本発明においては、そ
の溶損代の領域、特にその断面形状を限定するものでは
ない。
被覆鋼線の変形例を示す断面図である。なお、これらの
被覆鋼線は被覆材2の断面形状が異なるものであるの
で、図5において、芯材1の他には被覆材のみを図示
し、低沸点物質層等の図示は省略する。また、大弧面側
を除く被覆材2c、2d、2eの厚さはhである。図5
(a)に示すように、被覆材2cは大弧面側にてその全
域が厚さhより厚く、その全域が溶損代となっている。
また、図5(b)に示す被覆鋼線は、被覆材2dの厚さ
が大弧面側の縁部から中央部にかけて徐々に厚くなり、
この中央部に偏在して溶損代が設けられている。更に、
図5(c)に示す被覆鋼線においては、被覆材2eは大
弧面側の中央部を局部的に突出させることにより溶損代
が形成されている。このように、本発明においては、そ
の溶損代の領域、特にその断面形状を限定するものでは
ない。
【0023】しかしながら、図6(a)に示す被覆材2
fの溶損代のように、局部的に厚さがH=1.6mm以上に
突起しているものの、この突起部以外の大弧面側の部分
の厚さが1.6mm未満である場合、アークがこの突起部に
優先的に固定されるということはない。このため、図6
(b)に示すように、被覆材2fの前記突起部以外の部
分に電極4を向けてアーク試験を行うと、図6(c)に
示すように、被覆材2fにおいて厚さが1.6mm未満の部
分が溶融して芯材1が露出し、アーク熱の影響により芯
材1が変質することにより、引張強さが低下してしま
う。また、この場合、芯材1は露出した部分から発錆
し、腐食によって断線する虞がある。
fの溶損代のように、局部的に厚さがH=1.6mm以上に
突起しているものの、この突起部以外の大弧面側の部分
の厚さが1.6mm未満である場合、アークがこの突起部に
優先的に固定されるということはない。このため、図6
(b)に示すように、被覆材2fの前記突起部以外の部
分に電極4を向けてアーク試験を行うと、図6(c)に
示すように、被覆材2fにおいて厚さが1.6mm未満の部
分が溶融して芯材1が露出し、アーク熱の影響により芯
材1が変質することにより、引張強さが低下してしま
う。また、この場合、芯材1は露出した部分から発錆
し、腐食によって断線する虞がある。
【0024】次に、このように構成されるアルミニウム
又はアルミニウム合金被覆鋼線を光ファイバ入り架空地
線(OPGW)用の素線として使用する場合について説明す
る。
又はアルミニウム合金被覆鋼線を光ファイバ入り架空地
線(OPGW)用の素線として使用する場合について説明す
る。
【0025】図7及び図8は耐雷性アルミニウム被覆鋼
線の断面形状の相違による効果を示す光ファイバ入り架
空地線を示す断面図である。
線の断面形状の相違による効果を示す光ファイバ入り架
空地線を示す断面図である。
【0026】図7に示す光ファイバ入り架空地線は、円
形断面の芯材5を断面形状が円形の被覆材6で被覆した
偏心アルミニウム被覆鋼線を、光ファイバケーブル13
の周囲に撚り合わせて構成されている。この場合、偏心
アルミニウム被覆鋼線は断面形状が円形であるため、撚
り線時の捻れにより溶損代が外側に露出しない場合があ
る。一方、図8に示すように、断面形状が扇形である偏
心アルミニウム被覆鋼線を使用した場合、被覆材2の小
弧面側を光ファイバケーブル13に密着させて偏心アル
ミニウム被覆鋼線を撚り合わせることにより、被覆材2
はその大弧面側部分の溶損代が常に外側に露出するよう
にして配置される。従って、この光ファイバ入り架空地
線は被覆材2は溶損代に優先的に被雷するため、落雷時
にアーク熱により溶断することはない。
形断面の芯材5を断面形状が円形の被覆材6で被覆した
偏心アルミニウム被覆鋼線を、光ファイバケーブル13
の周囲に撚り合わせて構成されている。この場合、偏心
アルミニウム被覆鋼線は断面形状が円形であるため、撚
り線時の捻れにより溶損代が外側に露出しない場合があ
る。一方、図8に示すように、断面形状が扇形である偏
心アルミニウム被覆鋼線を使用した場合、被覆材2の小
弧面側を光ファイバケーブル13に密着させて偏心アル
ミニウム被覆鋼線を撚り合わせることにより、被覆材2
はその大弧面側部分の溶損代が常に外側に露出するよう
にして配置される。従って、この光ファイバ入り架空地
線は被覆材2は溶損代に優先的に被雷するため、落雷時
にアーク熱により溶断することはない。
【0027】なお、上記各実施例は被覆材がアルミニウ
ムの場合についてのものであるが、本発明は被覆材がア
ルミニウム合金の場合でも同様の効果を奏する。また、
芯材1の鋼線も種々の鋼種のものを適用することができ
る。
ムの場合についてのものであるが、本発明は被覆材がア
ルミニウム合金の場合でも同様の効果を奏する。また、
芯材1の鋼線も種々の鋼種のものを適用することができ
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、鋼
からなる芯材と、この芯材の周囲に被覆形成されたアル
ミニウム又はアルミニウム合金からなる被覆材と、この
芯材の外面の少なくとも一部に被着した低沸点物質層と
を有し、前記被覆材は前記芯材を偏心させて配置するか
ら、雷撃時のアーク熱は前記低沸点物質層の気化に消費
され、被覆材及び芯材に印加される熱を減少させ、その
温度上昇を抑制することができる。これにより、落雷時
のアーク熱による溶断を防止することができる。また、
芯材を偏心させて配置することにより前記被覆材の前記
溶損代を形成するため、前記芯材の断面積率を高めるこ
とができ、架空線用の素線として十分な強度を得ること
ができる。一方、耐雷性が向上するから、偏肉比を大き
くする必要がなく、線材加工時の自由度が大きい。
からなる芯材と、この芯材の周囲に被覆形成されたアル
ミニウム又はアルミニウム合金からなる被覆材と、この
芯材の外面の少なくとも一部に被着した低沸点物質層と
を有し、前記被覆材は前記芯材を偏心させて配置するか
ら、雷撃時のアーク熱は前記低沸点物質層の気化に消費
され、被覆材及び芯材に印加される熱を減少させ、その
温度上昇を抑制することができる。これにより、落雷時
のアーク熱による溶断を防止することができる。また、
芯材を偏心させて配置することにより前記被覆材の前記
溶損代を形成するため、前記芯材の断面積率を高めるこ
とができ、架空線用の素線として十分な強度を得ること
ができる。一方、耐雷性が向上するから、偏肉比を大き
くする必要がなく、線材加工時の自由度が大きい。
【0029】従って、本発明に係る耐雷性アルミニウム
又はアルミニウム合金被覆鋼線は、架空線用の素線とし
て十分な強度を有すると共に、落雷時のアーク熱による
溶断を防止して耐雷性を向上させることができる。
又はアルミニウム合金被覆鋼線は、架空線用の素線とし
て十分な強度を有すると共に、落雷時のアーク熱による
溶断を防止して耐雷性を向上させることができる。
【図1】本発明の実施例に係る耐雷電線の偏心アルミニ
ウム被覆鋼線を示す断面図である。
ウム被覆鋼線を示す断面図である。
【図2】その比較例を示す断面図である。
【図3】種々の被覆鋼線の耐雷性を比較するグラフ図で
ある。
ある。
【図4】図3のデータの測定装置を示す模式図である。
【図5】偏肉形状の変形例を示す断面図である。
【図6】不適切な偏肉形状を示す断面図である。
【図7】光ファイバ入り架空地線の断面形状の影響を示
す断面図である。
す断面図である。
【図8】光ファイバ入り架空地線の断面形状の影響を示
す断面図である。
す断面図である。
【図9】偏心による強度向上作用を示すアルミニウム又
はアルミニウム合金被覆鋼線の断面図である。
はアルミニウム合金被覆鋼線の断面図である。
【図10】冬季雷の電荷量の累積頻度分布を示すグラフ
図である。
図である。
【図11】アルミニウム又はアルミニウム合金被覆鋼線
の荷重残存率と溶損代の厚さHとの関係を示すグラフ図
である。
の荷重残存率と溶損代の厚さHとの関係を示すグラフ図
である。
【図12】従来の架空線用の素線を示す断面図である。
1,5,5a,11a,11b;芯材 2,2b,2c,2d,2e,2f,6,6a,12
a,12b;被覆材 3;低沸点物質層 4;電極 13;光ファイバケーブル
a,12b;被覆材 3;低沸点物質層 4;電極 13;光ファイバケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 祐二 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 横谷 宗久 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電力 技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 鋼からなる芯材と、この芯材の周囲に非
円形の断面形状で被覆形成されたアルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる被覆材と、この被覆材の少なくと
も一部の外面に形成され前記芯材の融点より低温度で気
化する低沸点物質層とを有し、前記芯材は前記被覆材中
に偏心して配置されることを特徴とする耐雷電線。 - 【請求項2】 前記低沸点物質層はZn,Mg,Po,
Sr,Rb,Na,Li,K,Cs,Cd,Ca及びそ
の合金からなる群から選択された物質で構成され、少な
くとも前記被覆材の厚肉部側の外面に形成されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の耐雷電線。 - 【請求項3】 前記被覆材の厚肉部は、厚さが1.6mm以
上であることを特徴とする請求項1に記載の耐雷電線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5198386A JPH0757544A (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | 耐雷電線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5198386A JPH0757544A (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | 耐雷電線 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0757544A true JPH0757544A (ja) | 1995-03-03 |
Family
ID=16390268
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5198386A Pending JPH0757544A (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | 耐雷電線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0757544A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20120106022A1 (en) * | 2009-01-09 | 2012-05-03 | European Aeronautic Defence And Space Company Eads France | Structure made of composite material protected against the effects of lightning |
| CN103985440A (zh) * | 2014-05-09 | 2014-08-13 | 广西南宁百兰斯科技开发有限公司 | 一种防雷抗阻型电缆 |
| CN105517384A (zh) * | 2015-12-01 | 2016-04-20 | 上海法腾电力科技有限公司 | 550电器柜弧边折角下导电母线 |
| JP2021064594A (ja) * | 2019-10-10 | 2021-04-22 | 正弘 五十嵐 | 避雷装置 |
-
1993
- 1993-08-10 JP JP5198386A patent/JPH0757544A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20120106022A1 (en) * | 2009-01-09 | 2012-05-03 | European Aeronautic Defence And Space Company Eads France | Structure made of composite material protected against the effects of lightning |
| CN103985440A (zh) * | 2014-05-09 | 2014-08-13 | 广西南宁百兰斯科技开发有限公司 | 一种防雷抗阻型电缆 |
| CN105517384A (zh) * | 2015-12-01 | 2016-04-20 | 上海法腾电力科技有限公司 | 550电器柜弧边折角下导电母线 |
| JP2021064594A (ja) * | 2019-10-10 | 2021-04-22 | 正弘 五十嵐 | 避雷装置 |
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