JPH0760763A - 生分解性樹脂発泡体の製造装置 - Google Patents

生分解性樹脂発泡体の製造装置

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JPH0760763A
JPH0760763A JP5232339A JP23233993A JPH0760763A JP H0760763 A JPH0760763 A JP H0760763A JP 5232339 A JP5232339 A JP 5232339A JP 23233993 A JP23233993 A JP 23233993A JP H0760763 A JPH0760763 A JP H0760763A
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pressure
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の製造コストの上昇を招かずに、適切な
タイミングで成形型の雰囲気を急激に減圧排気すること
ができること、及び生分解性樹脂を成形型に少ない注入
抵抗で容易に注入することができること。 【構成】 圧力調整室内に通気性の成形型を配置すると
ともに、急速減圧用の減圧タンクを連結し、水分が閉じ
込められた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を注入
機により成形型に注入した後減圧タンクを圧力調整室に
連通させて急激に減圧状態とすることを特徴とする。圧
力調整室にさらに排気用バルブを接続して注入機による
成形型への生分解性樹脂の注入途中から排気用バルブに
より圧力調整室を開放し、注入した後排気用バルブを閉
じるとともに減圧タンクを圧力調整室に連通させて急激
に減圧状態とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂に代わって脚
光を浴びてきた生分解性樹脂についての発泡体を製造す
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に普通の合成樹脂は、量産性、成形
性及び耐久性に優れているため多岐の分野にわたって使
用されており、なかでも合成樹脂の発泡体は、軽量で緩
衝性が高いことから、ガラス製品等の壊れやすい物の保
護ケース、運搬物の梱包用緩衝材、飲食用容器、さらに
は断熱材や防音材等に用いられている。ところが合成樹
脂品の廃棄量が莫大になってきたため、種々の問題が発
生している。即ち、合成樹脂は、焼却されると大量の有
害ガスを発生して大気を汚染し、焼却されずにそのまま
廃棄されると酸化や光分解が起こらないため、長年その
ままの形状を維持し、環境を汚染する。また、合成樹脂
は分子間結合力が非常に強いため、焼却した場合には高
熱を発して炉壁の使用寿命を短くしてしまう。
【0003】このようなことから最近において生分解性
樹脂が注目されてきており、その開発が盛んに行われて
いる。この生分解性樹脂は、例えばデンプン系高分子を
配合してなるものであって、土中や水中の微生物により
分解されるため、廃棄物対策として非常に有効なもので
ある。かかる生分解性樹脂の加工技術に関しては、現在
フィルム材の加工技術が実用化されつつあるが、発泡化
についても実現できればその用途が非常に広がり、生分
解性樹脂の有利点をより有効に活用することができる。
ところで合成樹脂を発泡する技術としては、例えばスチ
レンビーズを成形型の中に投入し、水蒸気を加えた後減
圧して発泡ビーズ群を得る方法や、押出機の中に例えば
スチレン樹脂を有機溶剤等の発泡剤とともに投入し、樹
脂が押し出されたときの減圧作用により発泡させる方法
等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生分解
性樹脂は通常の合成樹脂と性状が異なるため種々の問題
がある。例えば射出成形機を用いて合成樹脂と同様にし
て発泡体を製造しようとすると、シリンダ内で加熱加圧
されて流動状になった生分解性樹脂はシリンダのノズル
から押し出されて急激に減圧されたときに生分解性樹脂
中の水分が気化膨張するが、気化膨張した水分はその後
降温して湯気状態で漂ったり、金型や成形体の外郭部分
に触れて結露し、水滴化する。一方、生分解性樹脂は吸
湿性が大きくて軟化膨潤しやすく、ましてや成形体の外
郭部分における発泡した各セルの膜は非常に薄いので、
水滴が触れると直ちに吸水して軟化する。この結果各発
泡セルが潰れて当該個所が収縮し、これが乾燥して固化
し、発泡セルが実質ない固形状となるため、所望の緩衝
性能が得られないという問題がある。
【0005】このような事情から本発明者が鋭意研究を
重ねたところ、生分解性樹脂を加熱加圧状態から急激に
開放して発泡させる際に、成形型が置かれる雰囲気を減
圧ポンプ等により減圧排気することにより、余分な水分
を有効に除去することができ、品質の良好な発泡体が得
られることを見出した。しかし、この技術においてもま
だ改善すべき問題のあることが判明した。即ち、減圧ポ
ンプ等により雰囲気を減圧排気するためには相当の時間
を要し、このため減圧作用が緩慢になるほか、水分が十
分に排気されない間に発泡体に水分が再付着して軟化
し、その結果発泡セルが潰れて発泡体の品質が低下する
問題がある。このような水分の再付着を防止するために
は、大型の減圧ポンプ等を用いて減圧排気に要する時間
を短くすることが考えられるが、この場合は装置の製造
コストの上昇を招く問題がある。また、射出成形機にお
けるシリンダのノズルから密閉雰囲気下に配置された成
形型内に射出する際には射出抵抗が増大するため、射出
成形機としてより大型のものが必要とされ、この場合も
装置の製造コストの上昇を招く問題がある。特に、形状
精度の高い発泡体を得るためには成形型の隅々まで生分
解性樹脂を行き渡るようにすることが必要であり、その
ためには射出中の成形型の雰囲気を加圧状態とすること
が有利であるが、この場合は射出抵抗がさらに大きくな
り、上記の問題が顕著となる。
【0006】本発明は、以上の事情に基づいてなされた
ものであり、装置の製造コストの上昇を招かずに、適切
なタイミングで成形型の雰囲気を急激に減圧排気するこ
とができて、品質の優れた発泡体を得ることができる生
分解性樹脂発泡体の製造装置を提供することを目的とす
る。また、装置の製造コストの上昇を招かずに、生分解
性樹脂を成形型に少ない注入抵抗で容易に注入すること
ができ、形状精度の高い発泡体を得ることができる生分
解性樹脂発泡体の製造装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
開閉かつ密閉可能な圧力調整室と、この圧力調整室内に
配置した通気性の成形型と、前記圧力調整室に連結され
た急速減圧用の減圧タンクと、前記成形型に水分が閉じ
込められた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を注入
するための注入機とを備えてなることを特徴とする。請
求項2に係る発明は、開閉かつ密閉可能な圧力調整室
と、この圧力調整室内に配置した通気性の成形型と、前
記圧力調整室に連結された急速減圧用の減圧タンクと、
前記圧力調整室に接続された排気用バルブと、前記成形
型に水分が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分
解性樹脂を注入するための注入機とを備えてなることを
特徴とする。請求項3に係る発明は、請求項1の装置に
おいて、圧力調整室にコンプレッサを連結してなること
を特徴とする。請求項4に係る発明は、請求項2の装置
において、圧力調整室にコンプレッサを連結してなるこ
とを特徴とする。
【0008】請求項5に係る発明は、請求項1の装置に
おいて、圧力調整室に加圧タンクを連結してなることを
特徴とする。請求項6に係る発明は、請求項2の装置に
おいて、圧力調整室に加圧タンクを連結してなることを
特徴とする。請求項7に係る発明は、開閉かつ密閉可能
な圧力調整室と、この圧力調整室内に配置した通気性の
成形型と、前記圧力調整室に減圧用バルブを介して連結
された急速減圧用の減圧タンクと、前記圧力調整室に接
続された排気用バルブと、前記圧力調整室に連結された
コンプレッサと、前記各バルブの開閉を制御するバルブ
制御器と、前記成形型に水分が閉じ込められた加熱加圧
状態の流動状の生分解性樹脂を注入するための注入機と
を備えてなり、前記バルブ制御器は、注入機による成形
型への生分解性樹脂の注入開始時又はその前にコンプレ
ッサの加圧動作を開始させ、注入途中からはコンプレッ
サの加圧動作を停止させるとともに排気用バルブを開
き、注入後は排気用バルブを閉じるとともに減圧用バル
ブを開くよう構成されていることを特徴とする。請求項
8に係る発明は、開閉かつ密閉可能な圧力調整室と、こ
の圧力調整室内に配置した通気性の成形型と、前記圧力
調整室に減圧用バルブを介して連結された急速減圧用の
減圧タンクと、前記圧力調整室に接続された排気用バル
ブと、前記圧力調整室に加圧用バルブを介して連結され
た加圧タンクと、前記各バルブの開閉を制御するバルブ
制御器と、前記成形型に水分が閉じ込められた加熱加圧
状態の流動状の生分解性樹脂を注入するための注入機と
を備えてなり、前記バルブ制御器は、注入機による成形
型への生分解性樹脂の注入開始時又はその前に加圧用バ
ルブを開き、注入途中からは加圧用バルブを閉じるとと
もに排気用バルブを開き、注入後は排気用バルブを閉じ
るとともに減圧用バルブを開くよう構成されていること
を特徴とする。請求項9に係る発明は、開閉かつ密閉可
能な圧力調整室と、この圧力調整室内に配置した通気性
の成形型と、前記圧力調整室に減圧用バルブを介して連
結された急速減圧用の減圧タンクと、前記圧力調整室に
接続された排気用バルブと、前記各バルブの開閉を制御
するバルブ制御器と、前記成形型に水分が閉じ込められ
た加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を注入するため
の注入機とを備えてなり、前記バルブ制御器は、注入機
による成形型への生分解性樹脂の注入途中から排気用バ
ルブを開き、注入後は排気用バルブを閉じるとともに減
圧用バルブを開くよう構成されていることを特徴とす
る。請求項10に係る発明は、開閉かつ密閉可能な圧力
調整室と、この圧力調整室内に配置した通気性の成形型
と、前記圧力調整室に減圧用バルブを介して連結された
急速減圧用の減圧タンクと、前記圧力調整室に加圧用バ
ルブを介して連結された加圧タンクと、前記各バルブの
開閉を制御するバルブ制御器と、前記成形型に水分が閉
じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を注
入するための注入機とを備えてなり、前記バルブ制御器
は、注入機による成形型への生分解性樹脂の注入開始時
又はその前に加圧用バルブを開き、注入後は加圧用バル
ブを閉じるとともに減圧用バルブを開くよう構成されて
いることを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1に係る発明では、圧力調整室内に配置
した通気性の成形型に、注入機により水分が閉じ込めら
れた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を注入し、そ
の後減圧タンクを圧力調整室に連通させると、生分解性
樹脂が加熱加圧状態から急激に開放されて今まで内部に
閉じ込められていた水分が一気に蒸発しようとして膨張
拡大し、また減圧タンクにより適切なタイミングで急激
に減圧できるので水分は通気性の成形型の外部に急激に
放散され、成形型内に水分が残留するおそれがない。従
って、成形型内には成形型に応じた形状の生分解性樹脂
による均一な発泡体が形成される。請求項2に係る発明
では、注入機による生分解性樹脂の注入途中から排気用
バルブにより圧力調整室を開放すると、成形型が通気性
であるため生分解性樹脂の注入抵抗が緩和され、注入を
容易に行うことができる。従って、注入機の大型化を防
止することができる。請求項3に係る発明では、圧力調
整室にコンプレッサを連結しているので、注入機による
生分解性樹脂の注入の際にコンプレッサにより圧力調整
室内を加圧状態にすると、確実に水分が閉じ込められた
状態で生分解性樹脂を成形型に注入することができる。
【0010】請求項4に係る発明では、注入機による注
入の際には、まずコンプレッサにより圧力調整室を加圧
状態としておくと確実に水分が閉じ込められた状態で生
分解性樹脂を注入することができ、次いで排気用バルブ
により圧力調整室を開放すると注入抵抗が緩和されるた
め生分解性樹脂を成形型の隅々まで容易に行き渡るよう
にすることができる。請求項5及び6に係る発明では、
圧力調整室に加圧タンクを連結してなるので、注入機に
よる注入の際に適切なタイミングで圧力調整室を急激に
加圧状態とすることができる。請求項7に係る発明で
は、減圧用バルブ及び排気用バルブの開閉とコンプレッ
サの加圧動作を制御するバルブ制御器を設けているの
で、注入機による生分解性樹脂の注入のタイミングに合
わせて、圧力調整室を確実に加圧、排気、減圧の各状態
に制御することができる。請求項8に係る発明では、減
圧用バルブ、排気用バルブ、加圧用バルブの開閉を制御
するバルブ制御器を設けているので、注入機による生分
解性樹脂の注入のタイミングに合わせて、圧力調整室を
確実に加圧、排気、減圧の各状態に制御することができ
る。請求項9に係る発明では、減圧用バルブ、排気用バ
ルブの開閉を制御するバルブ制御器を設けているので、
注入機による生分解性樹脂の注入のタイミングに合わせ
て、圧力調整室を確実に排気、減圧の各状態に制御する
ことができる。請求項10に係る発明では、減圧用バル
ブ、加圧用バルブの開閉を制御するバルブ制御器を設け
ているので、注入機による生分解性樹脂の注入のタイミ
ングに合わせて、圧力調整室を確実に加圧、減圧の各状
態に制御することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明する。本発明に
おいて成形の対象となる生分解性樹脂とは、生物学的作
用に基づき物性を低下する樹脂材料を意味し、これには
樹脂自体が完全に分解するタイプと、分解し難い樹脂と
ブレンドし崩壊性を付与したタイプとがある。前者のタ
イプには、微生物による生産物、天然高分子の利用品、
石油系原料からの生成品等があり、後者のタイプには、
デンプンとのブレンド体、脂肪族ポリエステルとのブレ
ンド体等がある。これらの生分解機構としては、リパー
ゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素に
よる分解、活性汚泥中等の微生物による分解、森林や耕
作地等の自然環境における土壌による分解等、種々の態
様がある。さらに具体的には、ポリヒドロキシ酪酸及び
その誘導体、プルラン、セルロース−キトサン混合体、
セルロースやアミロースや木粉のエステル化物、ポリエ
ステル−ナイロン共重合体、ポリエステル共重合体、デ
ンプンとポリエチレンとのブレンド体を始めとして、ポ
リビニルアルコール、ポリエーテル、ポリウレタン、ポ
リアミド等が挙げられる。これらはほとんどが低融点を
有し、水の存在下に分解促進されるものである。また、
生分解性樹脂の市販品としては、例えば日本合成化学工
業株式会社販売の「マタービー(Mater−Bi)」
(登録商標)がある。これは、イタリアのモンテジソン
グループに属するノバモン1(NOVAMONT)社の
開発に係るものであって、デンプン等の複数農産物から
の誘導品と変成ポリビニルアルコールとが分子レベルで
相互に相手分子中に潜り込み、水素結合により結ばれて
なる熱可塑性の生分解性ポリマーとされているものであ
る。また、水を吸収して膨潤することにより生分解が促
進され、微生物生存の環境下で紙と同等の生分解性を示
すとされている。
【0012】また、生分解性樹脂と水分とを後述のシリ
ンダ内に投入するためには、発泡用の生分解性樹脂ペレ
ットを成形するときにあらかじめ適度の水分を含有させ
るようにしてもよいし、あるいは例えば生分解性樹脂の
粒体に水を積極的に含水させる前処理工程を設けてもよ
い。また、生分解性樹脂とともに水そのものをホッパ内
に直接添加してもよいし、ニーダを介してシリンダ内に
供給してもよく、実質的に生分解性樹脂と水分とが供給
されればよい。また、発泡用ペレットのようにあらかじ
め水分を吸収させた吸湿性の微粒子状物質例えばタルク
(滑石)やシリカを生分解性樹脂に添加しておけば、微
粒子は樹脂との相溶生、分散性が水の直接添加よりは高
いため、また、発泡時には微粒子中の水分がその微粒子
を起点として発泡し得るので、結果として微細かつ均一
に発泡した発泡体が得られる。
【0013】次に各請求項に係る製造装置の実施例につ
いてそれぞれ説明する。 (1)請求項1に係る製造装置の実施例 図1はこの実施例に係る製造装置の概略断面図である。
図1においてBは注入機たるいわゆるインラインスクリ
ュー式の射出成形機であって、シリンダ1の後端部上方
には成形材料投入用のホッパ11が設けられている。こ
のシリンダ1の先端部には、先端が狭窄開口をなすノズ
ル12が形成されている。シリンダ1の周囲には加熱用
のヒータ13が配置されている。シリンダ1内には、前
後方向に伸びるスクリュー2がその内壁に近接して配設
されており、このスクリュー2の後端はシリンダ1の後
端開口部より後方側に伸び出して、スクリュー2を回転
させるための油圧モータ21に接続されている。油圧モ
ータ21の後部には、射出シリンダ22内に摺動自在に
配置されたピストン23が取り付けられており、油圧に
よりピストン23、油圧モータ21及びスクリュー2が
一体となって前後方向に移動するとともに、スクリュー
2は油圧モータ21により回転される。
【0014】注入機Bの先端には圧力調整室3が設けら
れている。この実施例では、圧力調整室3は、いわゆる
射出成形機における金型を利用して構成されており、ノ
ズル12の開口(狭窄開口)に連通するキャビティが形
成された固定側金型3Aと、コアが形成された可動側金
型3Bとから構成されており、固定側金型3A、可動側
金型3Bはそれぞれ射出成形機の型締め機構における固
定側ダイプレート30A、可動側ダイプレート30B上
に装着される。キャビティは、例えば方形状であって圧
力調整室3の室内を構成し、この室内には通気性の成形
型Aが配置されている。この実施例の成形型Aの成形空
間は例えばコーナーアングルとしての断面がL字型の方
形状をなしており、圧力調整室3の室内に配置された位
置決め片31によりその位置が固定されている。なお、
この成形型Aの成形空間の形状は特に限定されず、種々
の形状の成形型Aをあらかじめ用意しておいて適宜交換
して使用することも可能である。
【0015】通気性の成形型Aは、水蒸気や水分を通過
する多数の通気孔を有するものであり、例えば発泡金
属、空隙を形成し得る充填材を添加する等して焼結成形
した金属又はセラミックス等の焼結物、金網、多数の孔
を設けたパンチングメタル等により構成することができ
る。特にパンチングメタルによれば、加工が容易である
ため1枚の板から種々の成形空間を有する通気性の成形
型Aを簡単に得ることができる。成形型Aにおける通気
孔の大きさは、水蒸気や水分の通過効率を考慮して決定
されるが、あまり大きくすると発泡後の成形体の表面に
通気孔に起因する凹凸が発生するため、成形体の用途に
応じた表面の平滑性が得られる範囲で、かつ通気抵抗が
あまり大きくならない範囲に設定することが望ましい。
特にパンチングメタルによれば、孔径、孔数、孔ピッチ
等の設定が容易で、構造も簡単となる。
【0016】圧力調整室3の室内は、金型の型締め機構
によって固定側金型3Aと可動側金型3Bとが型締めさ
れたときに密閉されるようになっている。この型締め機
構は、例えば固定側金型3Aを可動側金型3Bと対向し
つつ接離するように、固定側ダイプレート30Aと可動
側ダイプレート30Bをガイドするタイバー32、3
3、可動側ダイプレート30Bとともに可動側金型3B
を接離動作させるための作動機構34等から構成されて
いる。この実施例では、圧力調整室3及び型締め機構が
大気に開放された状態で配置されている。
【0017】圧力調整室3には、減圧用配管43が接続
されるとともに、その途中に減圧用バルブ41が設けら
れ、この減圧用バルブ41を介して急速減圧用の減圧タ
ンク4が連結され、この減圧タンク4にはさらに減圧ポ
ンプ42が接続されている。減圧タンク4の内部はあら
かじめ減圧ポンプ42により所定の圧力、例えば真空下
に近く減圧されており、減圧用バルブ41が開かれたと
きに圧力調整室3の室内と連通するようになっている。
なお、減圧タンク4は、圧力調整室3の室内と連通した
ときに当該室内を急激に減圧できるに十分な容量を有す
る必要がある。
【0018】以上の装置によれば、例えば次のようにし
て生分解性樹脂の発泡体が形成される。まず圧力調整室
3を型締め機構により型締めしてその室内を例えば大気
圧の状態で密閉する。次いでホッパ11内に生分解性樹
脂の粒体10を供給して、スクリュー2によりシリンダ
1内を前方に押送する。生分解性樹脂の粒体10は、押
送される間に、スクリュー2の回転に伴う剪断力及びヒ
ータ13によるシリンダ1の内壁からの加熱により軟化
点又は融点程度の温度に昇温され、スクリュー2の先端
側におけるシリンダ1の内部空間に流動状物になって溜
まる。このとき当該内部空間は加熱加圧状態となって、
生分解性樹脂の粒体10に含まれていた水分はその流動
状物から蒸発することなくその中に無理矢理閉じ込めら
れた状態となっている。
【0019】続いて、スクリュー2の回転を停止し、シ
リンダ22内のピストン23を駆動してスクリュー2を
前進させ、流動状物をノズル12から成形型A内に一気
に注入する。注入後、減圧用バルブ41を開いて減圧タ
ンク4を圧力調整室3と連通させ、当該圧力調整室3の
室内を例えばゲージ圧で750mmHg程度にまで急激
に減圧すると、これまで生分解性樹脂に閉じ込められて
いた水分が瞬間的に蒸発して発泡するとともに、水蒸気
が成形型Aの通気孔から減圧タンク4内に一気に排出さ
れる。このとき生分解性樹脂内にはこの水蒸気の膨張す
る力が働くが、その最外郭は成形型Aに接しているため
発泡部分は成形型Aの形状に規制され、所定の形状の発
泡体が形成される。
【0020】次いで、減圧用バルブ41を閉じて、減圧
タンク4と圧力調整室3との連通を遮断した後、スクリ
ュー2を回転させながら後退させるとその間に再度流動
状となった生分解性樹脂がスクリュー2の先端側におけ
るシリンダ1の内部空間に溜まり始め、次の注入に備え
る。と同時に、減圧ポンプ42を稼働して、再び減圧タ
ンク4内部を初期状態の圧力に減圧する。この間に成形
型A内では成形後の生分解性樹脂発泡体の冷却固化も完
了するので、可動側金型3Bを固定側金型3Aから離れ
る方向に移動させる型開きをして発泡体を取り出し、再
び型締めをして次の操作を行う。
【0021】この実施例に係る製造装置によれば、減圧
タンク4を圧力調整室3に連通させて圧力調整室3を減
圧雰囲気にするので、減圧タンク4を圧力調整室3に連
通させるとほとんど同時に圧力調整室3内が確実に所定
の減圧雰囲気となる。即ち、減圧タンク4を用いないで
減圧ポンプ42のみにより圧力調整室3を減圧雰囲気に
しようとすると、圧力調整室3が所定の減圧雰囲気に到
達するまで一定の時間を要するため、減圧ポンプ42の
作動時期のタイミングをとるのが実際上困難であった
が、減圧タンク4を設けてこれを減圧用バルブ41の開
閉により圧力調整室3との連通を調節する手段によれ
ば、減圧タンク4を圧力調整室3に連通させた時、即
ち、減圧用バルブ41を開いた時が、圧力調整室3が所
定の減圧雰囲気に到達した時にほとんど一致し、タイム
ラグが実際上無視できるようになる。従って、生分解性
樹脂の注入のタイミングを基準として、これに圧力調整
室3の急速減圧のタイミングを高い精度で合わせること
が可能となり、その結果、生分解性樹脂中に閉じ込めら
れていた水分が蒸発すると同時にその水蒸気を成形型A
から減圧タンク4に確実に排出することができ、成形型
Aの周囲で水蒸気が湯気状態で漂ったり、水滴化して生
分解性樹脂の発泡体の表面に付着したりすることを確実
に防止することができる。このように発泡体の周囲から
水分を確実に排除することができるので発泡セルが水分
により潰れることもなく、形状精度の優れた発泡体を得
ることができる。また、減圧タンク4により急速減圧が
可能であるため、発泡化自体に有利であることは勿論、
発泡体の生産効率を高めることもできる。
【0022】(2)請求項2に係る製造装置の実施例 図2はこの実施例に係る製造装置の概略断面図である。
この実施例では、圧力調整室3に接続された減圧用配管
43における減圧用バルブ41と圧力調整室3との間の
部分には排気用配管52が接続され、排気用配管52の
途中には排気用バルブ51が設けられ、排気用配管52
の出口は例えば大気下に開放されている。そして、図3
のタイムチャートに示すように、注入機Bによる成形型
Aへの生分解性樹脂の注入途中から排気用バルブ51を
開いて圧力調整室3を例えば大気圧下に開放し、注入し
た後排気用バルブ51を閉じるとともに減圧用バルブ4
1を開いて減圧タンク4を圧力調整室3に連通させて急
激に減圧状態とするようにしたほかは、請求項1に係る
製造装置の実施例と同様の構成である。ここで、排気用
バルブ51の開く時期は、生分解性樹脂の注入が開始さ
れた後、その注入が終了するまでの間であればよく、特
に一義的に定まるものではない。具体的には、成形型A
の形状、圧力調整室3の大きさ、生分解性樹脂を注入す
る際におけるノズル12内の加圧の程度等の諸条件を総
合的に勘案して決定される。
【0023】この装置によれば、生分解性樹脂の流動状
物をノズル12から成形型A内に一気に注入する際に、
その注入途中の適宜の時期から排気用バルブ51を開い
て圧力調整室3内を例えば大気圧下に開放するので、成
形型A内もその通気孔を介して密閉状態から開放され
る。従って、生分解性樹脂を成形型A内に注入する際の
注入抵抗が緩和され、注入機Bとして大型のものを用い
ることなく生分解性樹脂の注入を容易に行うことができ
る。そして、注入した後排気用バルブ51を閉じるとと
もに減圧用バルブ41を開いて減圧タンク4を圧力調整
室3内に連通させて急激に減圧状態とするので、請求項
1に係る製造装置の実施例と同様の効果が奏される。な
お、排気用配管52の出口を大気圧下に開放したが、こ
れに限られるものではなく、例えば減圧ポンプ等を設け
て減圧下で強制的に排気するようにしてもよいし、大気
圧下で通風雰囲気にしてもよい。なお、この注入抵抗の
緩和に関し、請求項1に係る製造装置の実施例において
は、型締め機構の作動機構34により、固定側金型3A
と可動側金型3Bとの接離のタイミングを注入時一旦多
少とも空気の出入り可能な状態で待機させ、生分解性樹
脂の注入終了と同時に密閉状態に型締めし、これに続い
て減圧用バルブ41を開くようにしても対処することが
できるものである。そして、この場合には、型締め機構
の作動機構34の動作と減圧用バルブ41の開閉との連
動を図る制御及び制御器が必要となる。また、加圧動作
を行い、排気用バルブを付設しない後述の他の実施例に
おいてもこれに準じて対処することができるものであ
る。
【0024】(3)請求項3に係る製造装置の実施例 図4はこの実施例に係る製造装置の概略断面図である。
この実施例では、圧力調整室3には、加圧用配管62が
接続されるとともに、その途中に加圧用バルブ61が設
けられ、この加圧用バルブ61を介してコンプレッサ6
3が連結され、注入機Bによる成形型Aへの生分解性樹
脂の注入開始の時点又はその前から加圧用バルブ61を
開いてコンプレッサ63により圧力調整室3内を加圧状
態とし、注入した後加圧用バルブ61を閉じてコンプレ
ッサ63による加圧動作を停止するとともに減圧用バル
ブ41を開いて減圧タンク4を圧力調整室3内に連通さ
せて急激に減圧状態とするようにしたほかは、請求項1
に係る製造装置の実施例と同様の構成である。
【0025】この装置によれば、生分解性樹脂の流動状
物をノズル12から成形型A内に一気に注入する際に、
その注入開始の時点又はその前から加圧用バルブ61を
開いてコンプレッサ63により圧力調整室3内を加圧状
態としておくので、成形型A内もその通気孔を介して加
圧状態とされる。従って、生分解性樹脂中に水分が蒸発
することなく確実に閉じ込められた状態のままで所定の
分量を成形型A内に注入することができる。次いで、注
入した後加圧用バルブ61を閉じてコンプレッサ63に
よる加圧動作を停止するとともに減圧用バルブ41を開
いて減圧タンク4を圧力調整室3内に連通させて急激に
減圧状態とするので、請求項1に係る製造装置の実施例
と同様の効果が奏されるうえ、成形型A内の隅々まで行
き渡った生分解性樹脂が十分に発泡されるので、形状精
度が高く品質の優れた発泡体が得られる。ここで圧力調
整室3内の加圧の程度は、生分解性樹脂がノズル12か
ら成形型Aに注入される際の温度における飽和水蒸気圧
より高い圧力であればよく、例えば生分解性樹脂の注入
温度が170℃の場合は10kg/cm2 程度である。
なお、後述する実施例のように圧力調整室に加圧タンク
ではなく、コンプレッサが加圧用バルブを介して取り付
けられる場合には、この加圧用バルブは制御せずに開放
のままとし、あるいは加圧用バルブを付設することを省
略して同様に機能させることが可能である。そして、こ
れは以下の他の実施例においても同様である。
【0026】(4)請求項4に係る製造装置の実施例 図5はこの実施例に係る製造装置の概略断面図である。
この実施例では、圧力調整室3に加圧用配管62が接続
されるとともに、その途中に加圧用バルブ61が設けら
れ、この加圧用バルブ61を介してコンプレッサ63が
連結され、図6のタイムチャートに示すように、注入機
Bによる成形型Aへの生分解性樹脂の注入開始の時点か
ら加圧用バルブ61を開いてコンプレッサ63により圧
力調整室3内を加圧状態とし、注入途中から加圧用バル
ブ61を閉じてコンプレッサ63による加圧動作を停止
するとともに排気用バルブ51を開いて圧力調整室3内
を例えば大気圧下に開放し、注入した後排気用バルブ5
1を閉じるとともに減圧用バルブ41を開いて減圧タン
ク4を圧力調整室3内に連通させて急激に減圧状態とす
るようにしたほかは、請求項2に係る製造装置の実施例
と同様の構成である。
【0027】この装置によれば、生分解性樹脂の流動状
物をノズル12から成形型A内に一気に注入する際に、
その注入開始の時点又はその前からコンプレッサ63に
より圧力調整室3内を加圧状態としておくので、成形型
A内もその通気孔を介して加圧状態とされる。従って、
生分解性樹脂中に水分が蒸発することなく確実に閉じ込
められた状態のままで所定の分量を成形型A内に注入す
ることができる。次いで、注入途中から加圧用バルブ6
1を閉じてコンプレッサ63による加圧動作を停止する
とともに排気用バルブ51を開いて圧力調整室3内を例
えば大気圧下に開放するので、成形型A内もその通気孔
を介して密閉状態から開放されて生分解性樹脂を成形型
A内に注入する際の注入抵抗が緩和され、注入機Bとし
て大型のものを用いることなく生分解性樹脂の注入を容
易に行うことができる。そして、注入した後加圧用バル
ブ61を閉じてコンプレッサ63による加圧動作を停止
するとともに減圧用バルブ41を開いて減圧タンク4を
圧力調整室3内に連通させて急激に減圧状態とするの
で、請求項2に係る製造装置の実施例と同様の効果が奏
されるうえ、成形型A内の隅々まで行き渡って生分解性
樹脂が十分に発泡するので、形状精度が高くて品質の優
れた発泡体が得られる。
【0028】(5)請求項5に係る製造装置の実施例 図7はこの実施例に係る製造装置の概略断面図である。
この実施例では、圧力調整室3に加圧用配管62が接続
されるとともに、その途中に加圧用バルブ61が設けら
れ、この加圧用バルブ61を介して加圧タンク64が連
結され、この加圧タンク64にはコンプレッサ63が連
結されている。注入機Bによる成形型Aへの生分解性樹
脂の注入開始の時点又はその前から加圧用バルブ61を
開いて加圧タンク64を圧力調整室3内に連通させて急
激に加圧状態とし、注入した後加圧用バルブ61を閉じ
て加圧タンク64の連通を遮断し、減圧用バルブ41を
開いて減圧タンク4を圧力調整室3内に連通させて急激
に減圧状態とするようにしたほかは、請求項1に係る製
造装置の実施例と同様の構成である。
【0029】この装置によれば、生分解性樹脂の流動状
物をノズル12から成形型A内に一気に注入する際に、
その注入開始の時点又はその前から加圧用バルブ61を
開いて加圧タンク64により圧力調整室3内を加圧状態
としておくので、加圧タンク64を圧力調整室3に連通
させるとほとんど同時に圧力調整室3内が確実に所定の
加圧雰囲気となり、コンプレッサ63のみにより直接加
圧する場合に比較して迅速加圧が可能となる。従って、
生分解性樹脂の注入のタイミングを基準として、これに
圧力調整室3内の急速加圧のタイミングを高い精度で合
わせることが可能となる。次いで、注入した後加圧用バ
ルブ61を閉じて加圧タンク64の連通を遮断し、減圧
用バルブ41を開いて減圧タンク4を圧力調整室3内に
連通させて急激に減圧状態とするので、請求項1に係る
製造装置と同様の効果が奏されるうえ、成形型A内の隅
々まで行き渡って生分解性樹脂が十分に発泡するので、
形状精度の高い発泡体が得られる。
【0030】(6)請求項6に係る製造装置の実施例 図8はこの実施例に係る製造装置の概略断面図である。
この実施例では、圧力調整室3に加圧用配管62が接続
されるとともに、その途中に加圧用バルブ61が設けら
れ、この加圧用バルブ61を介して加圧タンク64が連
結され、さらに加圧タンク64にコンプレッサ63が接
続されている。注入機Bによる成形型Aへの生分解性樹
脂の注入開始の時点又はその前から加圧タンク64を圧
力調整室3内に連通させて急激に加圧状態とし、注入途
中から加圧用バルブ61を閉じて加圧タンク64の連通
を遮断するとともに排気用バルブ51を開いて圧力調整
室3内を例えば大気圧下に開放し、注入した後排気用バ
ルブ51を閉じるとともに減圧用バルブ41を開いて減
圧タンク4を圧力調整室3内に連通させて急激に減圧状
態とするようにしたほかは、請求項2に係る製造装置の
実施例と同様の構成である。
【0031】この装置によれば、生分解性樹脂の流動状
物をノズル12から成形型A内に一気に注入する際に、
その注入開始の時点又はその前から加圧タンク64によ
り圧力調整室3内を加圧状態としておくので、加圧タン
ク64を圧力調整室3内に連通させるとほとんど同時に
圧力調整室3内が確実に所定の加圧雰囲気となり、コン
プレッサ64により直接加圧する場合に比較して迅速加
圧が可能となる。従って、生分解性樹脂の注入のタイミ
ングを基準として、これに圧力調整室3の急速加圧のタ
イミングを高い精度で合わせることが可能となる。次い
で、注入途中から加圧用バルブ61を閉じて加圧タンク
64の連通を遮断するとともに排気用バルブ41を開い
て圧力調整室3を大気圧下に開放するので、成形型A内
もその通気孔を介して密閉状態から開放されて生分解性
樹脂を成形型A内に注入する際の注入抵抗が緩和され、
注入機として大型のものを用いることなく生分解性樹脂
の注入を容易に行うことができる。そして、注入した後
加圧用バルブ61を閉じて加圧タンク64の連通を遮断
するとともに減圧用バルブ41を開いて減圧タンク4を
圧力調整室3内に連通させて急激に減圧状態とするの
で、請求項1に係る製造装置の実施例と同様の効果が奏
されるうえ、成形型A内の隅々まで行き渡って生分解性
樹脂が十分に発泡するので、形状精度の高い発泡体が得
られる。
【0032】(7)請求項7に係る製造装置の実施例 図9はこの実施例に係る製造装置の概略断面図である。
この実施例では、通気性の成形型Aが配置された圧力調
整室3に減圧用配管43と加圧用配管62がそれぞれ接
続され、減圧用配管43には急速減圧用の減圧タンク4
が接続され、加圧用配管62にはコンプレッサ63が接
続されている。減圧用配管43の途中には減圧用バルブ
41が設けられ、この減圧用バルブ41と圧力調整室3
との間の部分には排気用配管52が接続され、排気用配
管52の途中には排気用バルブ51が設けられている。
この排気用配管52の出口側は例えば大気圧下に開放さ
れている。そして、コンプレッサ63の加圧動作と排気
用バルブ51及び減圧用バルブ41の開閉を制御するバ
ルブ制御器7が設けられている。Bは成形型Aに水分が
閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を
注入するための注入機である。また、この実施例では、
加圧用配管62の途中にも加圧用バルブ61が設けられ
ており、この加圧用バルブ61はコンプレッサ61のオ
ン・オフに連動して開閉されるようになっている。この
場合例えばバルブ制御器7により加圧用バルブ61の開
閉制御をも行うようにしてもよい。但し、コンプレッサ
63をバルブ制御器7により直接オン・オフすることに
より加圧動作を制御できるので、この加圧用バルブ61
は必ずしも必要ではない。また、加圧用バルブ61を特
に制御せず常に開いておいてもよい。なお、バルブには
流路に方向性のあるものが多いので、特に圧力調整室3
に加圧用バルブと減圧用バルブ又は排気用バルブを同時
に付設する場合には、方向性のないバルブを用いるか、
加圧や減圧が減殺されないようバルブの用い方によって
配慮することが必要である。この点はその他の実施例に
おいても同様である。
【0033】バルブ制御器7は、例えば生分解性樹脂の
注入開始時を基準として動作されるタイマーにより構成
され、例えば図6に示したタイムチャートに従って各バ
ルブの開閉を制御する。例えばスタートボタンがオンさ
れることにより注入機Bによる成形型Aへの生分解性樹
脂の注入動作が開始されると、その前からすでに開いて
いた加圧用バルブ61がさらにタイマーによって設定さ
れた一定時間だけ継続して開かれるとともに、この間加
圧用バルブ61が開かれると同時にオン状態とされてい
たコンプレッサ63により圧力調整室3内は加圧雰囲気
とされ成形型Aに注入された生分解性樹脂は成形型Aの
通気孔を介して加圧状態に維持され、水分が確実に閉じ
込められた状態となる。次に注入動作が完了する前の途
中において加圧用バルブ61が閉じられると同時にコン
プレッサ63がオフ状態とされてその加圧動作が停止さ
れるとともに、排気用バルブ51が一定時間だけ開かれ
る。従って、加圧状態で注入されつつあった生分解性樹
脂は途中から大気下に開放されるため注入抵抗が緩和さ
れ、成形型A内の隅々まで生分解性樹脂が行き渡るよう
になる。なお、加圧用バルブ61を閉じると同時にコン
プレッサ63をオフ状態として排気用バルブ51を開く
時点は、必ずしも一義的に定まるものではなく、成形型
Aの形状、圧力調整室3の容量、加圧や排気の程度等に
よって適宜調整される。そして注入が完了した後におい
て、排気用バルブ51が閉じられると同時に減圧用バル
ブ41が一定時間だけ開かれる。従って、注入後におい
ては減圧タンク4が圧力調整室3内に連通されて成形型
Aの雰囲気が急速に減圧され、生分解性樹脂に閉じ込め
られていた水分が一気に蒸発して発泡体が形成される。
一定時間が経過すると減圧用バルブ41が閉じられる。
【0034】この装置によれば、バルブ制御器7により
コンプレッサ63の加圧動作と排気用バルブ51及び減
圧用バルブ41の開閉を制御するので、圧力調整室3内
の加圧、排気及び減圧を適切なタイミングで行うことが
できる。また、各バルブの開閉時期を注入機Bによる注
入開始時点を基準としてタイマーで設定しているので、
タイマーの設定値を適宜変更することにより、成形型A
として形状の異なるものに交換した場合にも品質の良好
な発泡体を形成することが可能である。
【0035】(8)請求項8に係る製造装置の実施例 図10はこの実施例に係る製造装置の概略断面図であ
る。この実施例では、図9に示した請求項7に係る製造
装置の実施例において、加圧用バルブ61とコンプレッ
サ63との間に加圧タンク64を追加したほかは同様の
構成である。この装置によれば、加圧タンク64を付加
しているので、コンプレッサ63のみによる場合と比較
して急速に加圧でき、例えばスタートボタンがオンされ
ることにより注入機Bによる成形型Aへの生分解性樹脂
の注入動作が開始され、このスタートボタンのオンと同
時に加圧用バルブ61を一定時間だけ開くようにした場
合でも、ほとんどタイムラグを生ずることなく圧力調整
室3内を所定の加圧状態にすることができる。従って、
加圧用バルブ61の開閉により圧力調整室3内の急速加
圧のタイミングを高い精度で合わせることができる。な
お、この実施例の場合、コンプレッサ63のオン・オフ
動作は、バルブ制御器7による各バルブの開閉動作とは
独立していてもよい。即ち、加圧タンク64内はコンプ
レッサ63により加圧状態とされるが、少なくとも加圧
用バルブ61が開かれるときまでに圧力調整室3内を急
速に所定の加圧状態にすることができるようにコンプレ
ッサ63を稼働させて加圧タンク64内を加圧状態とし
ておけばよい。 (9)請求項9に係る製造装置の実施例 図示はしないが、図9や図10に示した請求項7又は8
に係る実施例において、コンプレッサや加圧タンク及び
加圧用バルブを設けずに、バルブ制御器7により、注入
機Bによる成形型Aへの生分解性樹脂の注入途中から排
気用バルブ51を開き、注入後は排気用バルブ51を閉
じるとともに減圧用バルブ41を開くように制御しても
よい。この実施例によれば、請求項1に係る実施例と同
様の効果が奏されるうえ、バルブ制御器7により排気用
バルブ51及び減圧用バルブ41の開閉を制御するの
で、圧力調整室3内の排気及び減圧を適切なタイミング
で行うことができる。 (10)請求項10に係る製造装置の実施例 図示はしないが、図9や図10に示した請求項7又は8
に係る実施例において、排気用バルブを設けずに、バル
ブ制御器7により、注入機Bによる成形型Aへの生分解
性樹脂の注入開始時又はその前に加圧用バルブ61を開
き、注入後は加圧用バルブ61を閉じるとともに減圧用
バルブ41を開くように制御してもよい。この実施例に
よれば、請求項5に係る実施例と同様の効果が奏される
うえ、バルブ制御器7により加圧用バルブ61及び減圧
用バルブ41の開閉を制御するので、圧力調整室3内の
排気及び減圧を適切なタイミングで行うことができる。
【0036】(11)その他の実施例 図11に示すように、成形型Aたる金型とその型締
め機構の全体を囲むよう圧力調整室3を設けるようにし
てもよい。なお、この場合、圧力調整室3のうち前板3
5をダイプレートに兼用するようにしてもよい。 図12に示すように、成形型Aたる金型を取り囲む
よう圧力調整室3を設け、この圧力調整室3を、可動側
分割部36Aと固定側分割部36Bに分割して、可動側
分割部36Aが可動側金型3Bと一体になって可動でき
るように構成してもよい。この場合は、複雑な形状の発
泡体も成形型Aと圧力調整室3との同時開閉により容易
に取り出しすることができる。 図13に示すように、成形型Aたる金型を取り囲む
よう圧力調整室3を設け、この圧力調整室3の前板35
Aを固定側ダイプレート37Aに固定し、圧力調整室3
の後板35Bを可動側ダイプレート37Bに固定し、型
締め装置を二重に装備するように構成するようにしても
よい。
【0037】 注入機Bにおけるシリンダ1内の密閉
性が低いと、生分解性樹脂の溶融時における加圧が不十
分となり、生分解性樹脂の軟化点や融点と加圧下の水の
沸点との兼ね合いで注入前のシリンダ1内において一部
の水分が気化して発泡するおそれがあり、またシリンダ
1のノズル12から鼻垂れ状態で発泡することもある。
そこで、シリンダ1内の密閉性を高めるために、シリン
ダ1のノズル12にシャッターを設けたり、ホッパ11
を密閉したり、原料供給口にロータリーバルブを設けた
りしてもよい。また、例えばポリエチレングリコール等
の不揮発性の溶質を水に溶かし、この水を添加するよう
にして、これにより水の沸点を上昇させ、注入前のシリ
ンダ内の発泡を抑制するようにしてもよい。 圧力調整室3内の圧力状態が適正であるか否かを適
宜検出するために、圧力調整室3には圧力計を設けても
よい。 圧力調整室3の加圧時における過度の加圧を防止す
るために、圧力調整室3に圧力センサを設け、加圧用バ
ルブ61として流量可変バルブを用いて、圧力センサに
より圧力が一定値を超えたことを検出したときには加圧
用バルブ61の流量を制限するようにしてもよい。
【0038】 成形体の生産性の向上を図るために、
減圧タンク4や加圧タンク64をそれぞれ複数設けて、
順次に使用するようにしてもよい。即ち、減圧タンク4
や加圧タンク64を一旦圧力調整室3に連通させると圧
力が変化するため、次の成形体の製造のために圧力を初
期の状態に戻すことが必要とされるが、減圧ポンプやコ
ンプレッサでは圧力が初期状態に戻るまでに一定の時間
を要するため待ち時間が長くなる。そこで、複数の減圧
タンク4等を設けて交互に使用することにすれば、一方
の減圧タンク4等を使用している最中に他方の減圧タン
ク4等を初期状態に戻す操作を行うことができるので、
待ち時間が不要となり、成形体の製造プロセスを迅速に
繰り返して遂行することが可能となる。 シリンダ1のノズル12を成形型A内に挿入し得る
ように形成し、このノズル12の先端を成形型Aの奥側
に位置させて流動状の生分解性樹脂を成形型A内に注入
しながらノズル12の先端を成形型Aに対して相対的に
後退させるようにしてもよい。この場合は、生分解性樹
脂が成形型Aの奥側から順次に充填されるようになるた
め、生分解性樹脂が成形型A内の隅々まで到達するタイ
ミングを発泡のタイミングとの差が実質的になくなり、
その結果、発泡セルが成形型Aの隅々まで行き渡り、品
質の高い発泡成形品が得られる。 シリンダ1のノズル12の口径を従来より小さくし
たり、また小径のノズル12を複数設けて、生分解性樹
脂の流動状物を成形型A内に霧化状態で注入するように
してもよい。この場合は、霧化状態の生分解性樹脂が成
形型A内の隅々まで十分に行き渡るようになるので、品
質の高い発泡成形品が得られる。 以上、本発明の実施例について説明したが、本発明によ
り得られる生分解性樹脂発泡体は、緩衝材としての用途
に限定されるものではなく、断熱材や防音材等、従来の
発泡スチロールと同様の用途に用いることができる。
【0039】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、減圧タン
クにより圧力調整室を適切なタイミングで急激に減圧す
ることができ、成形型内に水分が残留するおそれもな
く、品質の優れた生分解性樹脂の発泡体が得られる。請
求項2に係る発明によれば、排気用バルブにより生分解
性樹脂の注入抵抗を緩和することができるので、注入機
の大型化を防止することができる。請求項3に係る発明
によれば、コンプレッサにより生分解性樹脂の注入時に
おける圧力調整室内を加圧状態に維持することができる
ので、減圧タンクにより圧力調整室内を急速に減圧する
前の不用意な発泡を防止することができ、品質の高い発
泡体が得られる。請求項4に係る発明によれば、減圧タ
ンクと、排気用バルブと、コンプレッサとを組み合わせ
て設けているので、これらによる相乗効果が十分に発揮
され、さらに品質の優れた発泡体を得ることができる。
【0040】請求項5及び6に係る発明によれば、加圧
タンクにより圧力調整室を適切なタイミングで急激に加
圧することができるので、本来の発泡を期待することが
でき、品質の優れた発泡体が得られる。請求項7及び8
に係る発明によれば、減圧用バルブ、排気用バルブ、加
圧用バルブの開閉を制御するバルブ制御器を設けている
ので、注入機による生分解性樹脂の注入のタイミングに
合わせて、圧力調整室を確実に加圧、排気、減圧の各状
態に制御することができる。請求項9に係る発明によれ
ば、減圧用バルブ及び排気用バルブの開閉を制御するバ
ルブ制御器を設けているので、注入機による生分解性樹
脂の注入のタイミングに合わせて、圧力調整室を確実に
排気、減圧の各状態に制御することができる。請求項1
0に係る発明によれば、減圧用バルブ及び加圧用バルブ
の開閉を制御するバルブ制御器を設けているので、注入
機による生分解性樹脂の注入のタイミングに合わせて、
圧力調整室を確実に加圧、減圧の各状態に制御すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の実施例を示す概略断面図
である。
【図2】請求項2に係る発明の実施例を示す概略断面図
である。
【図3】請求項2に係る発明の実施例におけるタイムチ
ャートの一例である。
【図4】請求項3に係る発明の実施例を示す概略断面図
である。
【図5】請求項4に係る発明の実施例を示す概略断面図
である。
【図6】請求項4に係る発明の実施例におけるタイムチ
ャートの一例である。
【図7】請求項5に係る発明の実施例を示す概略断面図
である。
【図8】請求項6に係る発明の実施例を示す概略断面図
である。
【図9】請求項7に係る発明の実施例を示す概略断面図
である。
【図10】請求項8に係る発明の実施例を示す概略断面
図である。
【図11】その他の実施例を示す概略断面図である。
【図12】その他の実施例を示す概略断面図である。
【図13】その他の実施例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
A 成形型 B 注入機 1 シリンダ 12 ノズル 3 圧力調整室 3A 固定側金型 3B 可動側金型 4 減圧タンク 41 減圧用バルブ 42 減圧ポンプ 51 排気用バルブ 61 加圧用バルブ 63 コンプレッサ 64 加圧タンク 7 バルブ制御器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉かつ密閉可能な圧力調整室と、この
    圧力調整室内に配置した通気性の成形型と、前記圧力調
    整室に連結された急速減圧用の減圧タンクと、前記成形
    型に水分が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分
    解性樹脂を注入するための注入機とを備えてなることを
    特徴とする生分解性樹脂発泡体の製造装置。
  2. 【請求項2】 開閉かつ密閉可能な圧力調整室と、この
    圧力調整室内に配置した通気性の成形型と、前記圧力調
    整室に連結された急速減圧用の減圧タンクと、前記圧力
    調整室に接続された排気用バルブと、前記成形型に水分
    が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂
    を注入するための注入機とを備えてなることを特徴とす
    る生分解性樹脂発泡体の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の装置において、圧力調整室に
    コンプレッサを連結してなることを特徴とする生分解性
    樹脂発泡体の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項2の装置において、圧力調整室に
    コンプレッサを連結してなることを特徴とする生分解性
    樹脂発泡体の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の装置において、圧力調整室に
    加圧タンクを連結してなることを特徴とする生分解性樹
    脂発泡体の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項2の装置において、圧力調整室に
    加圧タンクを連結してなることを特徴とする生分解性樹
    脂発泡体の製造装置。
  7. 【請求項7】 開閉かつ密閉可能な圧力調整室と、この
    圧力調整室内に配置した通気性の成形型と、前記圧力調
    整室に減圧用バルブを介して連結された急速減圧用の減
    圧タンクと、前記圧力調整室に接続された排気用バルブ
    と、前記圧力調整室に連結されたコンプレッサと、前記
    各バルブの開閉を制御するバルブ制御器と、前記成形型
    に水分が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分解
    性樹脂を注入するための注入機とを備えてなり、前記バ
    ルブ制御器は、注入機による成形型への生分解性樹脂の
    注入開始時又はその前にコンプレッサの加圧動作を開始
    させ、注入途中からはコンプレッサの加圧動作を停止さ
    せるとともに排気用バルブを開き、注入後は排気用バル
    ブを閉じるとともに減圧用バルブを開くよう構成されて
    いることを特徴とする生分解性樹脂発泡体の製造装置。
  8. 【請求項8】 開閉かつ密閉可能な圧力調整室と、この
    圧力調整室内に配置した通気性の成形型と、前記圧力調
    整室に減圧用バルブを介して連結された急速減圧用の減
    圧タンクと、前記圧力調整室に接続された排気用バルブ
    と、前記圧力調整室に加圧用バルブを介して連結された
    加圧タンクと、前記各バルブの開閉を制御するバルブ制
    御器と、前記成形型に水分が閉じ込められた加熱加圧状
    態の流動状の生分解性樹脂を注入するための注入機とを
    備えてなり、前記バルブ制御器は、注入機による成形型
    への生分解性樹脂の注入開始時又はその前に加圧用バル
    ブを開き、注入途中からは加圧用バルブを閉じるととも
    に排気用バルブを開き、注入後は排気用バルブを閉じる
    とともに減圧用バルブを開くよう構成されていることを
    特徴とする生分解性樹脂発泡体の製造装置。
  9. 【請求項9】 開閉かつ密閉可能な圧力調整室と、この
    圧力調整室内に配置した通気性の成形型と、前記圧力調
    整室に減圧用バルブを介して連結された急速減圧用の減
    圧タンクと、前記圧力調整室に接続された排気用バルブ
    と、前記各バルブの開閉を制御するバルブ制御器と、前
    記成形型に水分が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状
    の生分解性樹脂を注入するための注入機とを備えてな
    り、前記バルブ制御器は、注入機による成形型への生分
    解性樹脂の注入途中から排気用バルブを開き、注入後は
    排気用バルブを閉じるとともに減圧用バルブを開くよう
    構成されていることを特徴とする生分解性樹脂発泡体の
    製造装置。
  10. 【請求項10】 開閉かつ密閉可能な圧力調整室と、こ
    の圧力調整室内に配置した通気性の成形型と、前記圧力
    調整室に減圧用バルブを介して連結された急速減圧用の
    減圧タンクと、前記圧力調整室に加圧用バルブを介して
    連結された加圧タンクと、前記各バルブの開閉を制御す
    るバルブ制御器と、前記成形型に水分が閉じ込められた
    加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を注入するための
    注入機とを備えてなり、前記バルブ制御器は、注入機に
    よる成形型への生分解性樹脂の注入開始時又はその前に
    加圧用バルブを開き、注入後は加圧用バルブを閉じると
    ともに減圧用バルブを開くよう構成されていることを特
    徴とする生分解性樹脂発泡体の製造装置。
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