JPH076086B2 - 収縮性ポリビニルアルコ−ル系フイラメントの製造方法 - Google Patents

収縮性ポリビニルアルコ−ル系フイラメントの製造方法

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JPH076086B2
JPH076086B2 JP61130795A JP13079586A JPH076086B2 JP H076086 B2 JPH076086 B2 JP H076086B2 JP 61130795 A JP61130795 A JP 61130795A JP 13079586 A JP13079586 A JP 13079586A JP H076086 B2 JPH076086 B2 JP H076086B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,36℃の温水中で短時間に高い収縮率を示す収
縮性の優れたポリビニルアルコール(以下PVAと略称す
る)系フイラメントの製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来,収縮性のPVA繊維を製造する方法は,特公昭54-40
652号公報や特開昭60-2709号公報により公知である。こ
れらの公知の方法は湿式紡糸法で繊維を製造する方法で
あるが,紡糸延伸を行ったのち,凝固浴の塩類等を含有
した状態で,乾燥,熱処理を行い,その後さらに塩類を
除去するために水洗し,次いで乾燥を行うものである。
(発明が解決しょうとする問題点) しかしながら,上記のような従来法では,凝固浴の塩類
を水洗除去した後の乾燥工程で繊維が膠着するかあるい
は接着する,生産工程が多いので経済性に劣る,及び得
られる繊維の性能面では乾燥工程が多いために温水中に
浸漬しても収縮が開始するまでに時間を要する等の問題
があった。
したがって,本発明の目的は,繊維の膠着や接着がな
く,かつ、水中での収縮性に優れたPVA系繊維を経済的
に製造する方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,上記のごとき目的を達成すべく鋭意検討
を重ねた結果,特定の太さのフイラメント状のままでフ
イラメントに付着している凝固浴の塩類を水洗し,しか
るのち特定の条件で熱延伸することによって上記の目的
が達成しうることを見出し,本発明に到達したものであ
る。
すなわち,本発明は,PVAの水溶液を湿式紡糸して収縮性
PVA系繊維を製造するに際し,水洗時のトータルデニー
ルが300〜6600デニールになるよう紡糸,紡糸延伸,湿
熱処理した後に,繊維に付着している塩類を水洗し,す
いで油剤処理,乾燥及び120〜165℃での1.5倍以上の熱
延伸を行うことを特徴とする36℃の温水に浸漬したとき
10秒以内に50%以上収縮する収縮性PVA系フイラメント
の製造方法を要旨とするものである。
本発明におけるPVA系フイラメントの紡糸,紡糸延伸及
び湿熱処理は,従来公知の方法,装置で行うことができ
る。本発明における紡糸は,水洗時におけるフイラメン
トのトータルデニール(水洗後のフイラメントを採取し
て通常の方法により測定したデニール)が300〜6600デ
ニール,好ましくは600〜3000デニールになるように行
うことが必要である。本発明においては,紡糸延伸は2
倍以上で行うのが好ましい。
本発明においては、湿熱処理後にフイラメントに付着し
ている塩類を水洗する。本発明においては,水洗によっ
て塩類を完全に除去することが望ましい。本発明におい
てはフイラメント状のままで水洗を行うが,水洗時の全
フイラメントの太さが300〜6600デニールであるので,
たとえフイラメントが緊張状態であっても水洗によって
塩類を完全に除去することが可能となる。水洗時の全フ
イラメントの太さが300デニール未満の場合は各フイラ
メント間の接着がややみられ,また生産性も劣るので好
ましくなく,一方,6600デニールを越える場合は緊張状
態では塩類を完全に除去することが困難になるため熱延
伸性が劣り,その結果フイラメントの収縮特性が低下す
るので好ましくない。水洗には,公知のフイラメントの
水洗方法及び装置を適宜採用することができる。本発明
においては,水洗後に油剤処理,乾燥及び熱延伸を行
う。油剤処理は公知の方法で行えばよい。油剤処理後の
乾燥は低温の60〜90℃で行うのが好ましい。本発明にお
いては,フイラメントの乾燥後に120〜165℃で1.5倍以
上の熱延伸を行うことが必要である。
1.5倍の熱延伸を行おうとする場合,熱延伸温度が105℃
では延伸が困難であり,操業性に問題がある。120℃で
1.5倍の熱延伸を行ったフイラメントを36℃の温水中に
浸漬したときの収縮率は10秒後に52%,30秒後に53%,60
秒後に53%を示し短時間に平衡に達した。同様に165℃
で1.5倍の熱延伸を行ったフイラメントの収縮率は10秒
後に50%,30秒後に50%,60秒後に51%を示し短時間に平
衡に達した。しかし,180℃で1.5倍の熱延伸を行ったフ
イラメントの収縮率は10秒後に3%,30秒後に28%,60秒
後に37%,3分後に38%であった。このように,延伸温度
が高くなるとともに,収縮率は低下し,収縮速度は遅く
なり,平衡に達するのに時間を要する傾向にある。
一方,150℃で熱延伸を行った場合,2.2倍の熱延伸を行っ
たフイラメントを36℃の温水中に浸漬したときの収縮率
は10秒後に64%,30秒後に65%,60秒後に66%を示し短時
間に平衡に達した。しかし,1.4倍しか熱延伸を行わなか
ったフイラメントの収縮率は10秒後に40%,30秒後に42
%,60秒後に43%であった。このように,延伸倍率が下
がると,収縮率は低下する傾向にある。
以上のように,36℃の温水に浸漬したとき10秒以内に50
%以上収縮するフイラメントを得るには延伸温度は120
〜165℃,好ましくは130〜160℃で,熱延伸倍率は1.5倍
以上,好ましくは1.6倍以上であることが必要である。
このように,本発明によれば,熱延伸条件を変更するこ
とのみで収縮率の異なる各種フイラメントを簡単に製造
することが可能となる。
本発明の方法により得られたフイラメントは,フイラメ
ント状のままで使用可能であり,収縮を必要とするもの
に直接,ミシン縫いするかあるいは装着して使用するこ
とができる。また,フイラメントを撚り糸にして使用す
ることもでき,用途に合わせ,たとえば強度を必要とす
るものには高強度タイプのフイラメントと混撚りするこ
とも可能である。また,フイラメントを布帛にして使用
することもできる。本発明の方法により得られるフイラ
メントの用途としては,印刷用モルトンローラ,ハム,
肉,工作用等の締付縛着紐,紙,布おむつの大股部や腹
部,生理用ナプキン等水などにより収縮することが要求
される用途があげられる。たとえば,紙おむつの場合,
取りつけるときは大股部が収縮していないほうが取りつ
け易く,取りつけ後,体内より排出される汗や尿などに
より,直ちに大股の周りにフィットするものが好まし
く,そこで,このような用途に36℃の温水に浸漬したと
き10秒以内に50%以上収縮するフイラメントが望まれて
いる。紙おむつの場合,従来,就寝時に排尿量が多いた
め腹部,背部等から尿が漏れていた問題や繊維の収縮が
遅いために大股部から尿が漏れていた問題が,本発明の
方法により得られたフイラメントを使用することによっ
て,フイラメントが尿の排出後直ちに収縮して身体にフ
ィットするため外部に尿が漏れない構造となしえて解決
される。
(実施例) 以下実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
なお,例中の36℃の温水中での収縮率は,フイラメント
にデニールあたり1ミリグラムの初荷重をかけて36℃の
温水中に浸漬したのちのフイラメント長さを測定し,次
の計算式で求めたものである。
実施例1〜4,比較例1,2 平均重合度1680のPVAを濃度が15.7重量%となるように
水に溶解して紡糸原液を調製した。この紡糸原液を,芒
硝濃度が426g/lの凝固浴に紡出し,第1ローラと第2ロ
ーラとの間で2.4倍紡糸延伸したのち,芒硝濃度が230g/
1の浴で95℃の湿熱処理を行ってトータルデニールが975
デニールのフイラメントを得た。ついで,このフイラメ
ントを30℃の水を用いて緊張状態で洗浄し,さらに油剤
処理をしたのち60〜90℃で乾燥し,引きつづき熱延伸倍
率を1.5倍に一定とし,熱延伸温度のみを120℃(実施例
1),135℃(実施例2),150℃(実施例3),165℃(実
施例4),105℃(比較例1),180℃(比較例2)にかえ
て,熱延伸を行った。得られたフイラメントは250フイ
ラメントで,トータルデニールは650デニールであっ
た。ただし,熱延伸温度が105℃(比較例1)の場合は
延伸時にフイラメントが切断したため試料は得られなか
った。
実施例1〜4及び比較例2の場合はいずれも操業性は良
好であり,また得られたフイラメントには膠着や接着は
みられなかった。
得られたマルチフイラメントの36℃の温水中での収縮率
を測定した結果を第1表に示す。
実施例5〜9,比較例3〜8 実施例1と同一の条件で乾燥工程まで行い,ついで第2
表に示す各種の熱延伸温度と熱延伸倍率で熱延伸を行
い,熱延伸条件の異なる11種類のフイラメントを得た。
得られたフイラメントは250フイラメントで,水洗時の
トータルデニールは975デニールであった。
実施例5〜9及び比較例3〜8の場合はいずれも操業性
は良好であり,また得られたフイラメントには膠着や接
着はみられなかった。
得られたマルチフイラメントの36℃の温水中での収縮率
を測定した結果を第2表に示す。
実施例10,比較例9,10 水洗時のトータルデニールを200デニール(比較例9),
3000デニール(実施例10)あるいは7500デニール(比較
例10)になるようにした以外は実施例3と同様にしてフ
イラメントを得た。
実施例10の場合は延伸性は良好であり,得られたフイラ
メントには膠着や接着は全くみられなかった。これに対
し,比較例9の場合は延伸性が不良で切断が生じたほ
か,得られたフイラメントにも接着が認められ,また比
較例10の場合は水洗工程での洗浄が十分でなく,そのた
め乾燥が不十分になるばかりか,延伸性も不良で毛羽の
発生が認められた。
参考例1 市販されている紙おむつと同じように表面材としてポリ
エステルの不織布を,吸収材として綿状パルプと高分子
吸収体を,防水材としてポリエチレンフイルムをそれぞ
れ使って紙おむつを作成し,実施例7のマルチフイラメ
ントをその紙おむつの大股部に2列,ミシン縫いした。
この紙おむつに36℃の温水で150cc含ませたところ,大
股部の周長は10秒後に60%収縮した。
(発明の効果) 本発明によれば,繊維の膠着や接着がなく,かつ,水中
での収縮性の優れたPVA系フイラメントを経済的に製造
することができる。また,本発明によれば,熱延伸の条
件を変更するのみでフイラメントの収縮率を調整するこ
とができる。本発明の方法によって得られるフイラメン
トは,36℃の温水中に浸漬したとき10秒以内に50%以上
収縮するという特性を有するので,たとえば印刷用モル
トンローラ,締付縛着紐,おむつあるいは生理用ナプキ
ン等に好適に用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコールの水溶液を湿式紡糸
    して収縮性ポリビニルアルコール系繊維を製造するに際
    し,水洗時のトータルデニールが300〜6600デニールに
    なるよう紡糸,紡糸延伸,湿熱処理した後に,繊維に付
    着している塩類を水洗し,ついで油剤処理,乾燥及び12
    0〜165℃での1.5倍以上の熱延伸を行うことを特徴とす
    る36℃の温水に浸漬したとき10秒以内に50%以上収縮す
    る収縮性ポリビニルアルコール系フイラメントの製造方
    法。
JP61130795A 1986-06-05 1986-06-05 収縮性ポリビニルアルコ−ル系フイラメントの製造方法 Expired - Fee Related JPH076086B2 (ja)

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