JPH0761703B2 - 帯電防止性シート状物の製造方法 - Google Patents

帯電防止性シート状物の製造方法

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JPH0761703B2
JPH0761703B2 JP61222106A JP22210686A JPH0761703B2 JP H0761703 B2 JPH0761703 B2 JP H0761703B2 JP 61222106 A JP61222106 A JP 61222106A JP 22210686 A JP22210686 A JP 22210686A JP H0761703 B2 JPH0761703 B2 JP H0761703B2
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英二 服部
光次 江原
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、静電気障害に弱い物品の包装に適し内部を透
視できる帯電防止性シート状物の製造方法に関するもの
である。
[従来の技術とその問題点] 静電気障害に弱いIC等の電子部品を収納し内部を透視で
きる包装材として、従来帯電防止剤をねり込んだポリオ
レフィンフィルムの袋および、透視できる程度に金属薄
膜を被覆したフィルムと帯電防止剤をねり込んだポリオ
レフィンフィルムとのラミネートフィルムの袋が知られ
ていたが(金属薄層を被覆したものについては、米国特
許第4154344号明細書、米国特許第4156751号明細書参
照)、前者は帯電防止性能が低く、特に湿度が低くなる
と帯電防止性能が非常に低下する欠点があった。又、後
者は金属薄層を被覆してある為に金属特有の鋭い反射が
あるので、角度によっては内容物が見にくくなり、又、
金属の特性として化学的に不安定で酸化による経時劣化
が大きく、又、比較的安定な貴金属やニッケル等の金属
の蒸着薄膜は高価である等の欠点があった。
本発明者等は、化学的に安定で湿度による導電性能の変
化が少なく鋭く不快な反射がない透視可能で導電性のあ
るカーボンの薄膜について研究し、先に特開昭58−4245
5号の発明を完成して出願した。特開昭58−42455号の発
明は、導電性カーボンブラックを配合した導電性塗料を
塗布して、透視可能な導電性のある薄膜を得ることを技
術手段とするもであり、関係湿度が低い乾燥した空気中
でも性能の低下が低い包装材料が得られるが、光透過率
が低くかつヘイズが大きく、内容物の確認が比較的困難
であり、又、塗膜中のカーボンブラックの含有率をます
とカーボンブラックが脱離し易く、白色の紙で表面を
摩擦した場合、黒く汚染がみとめられる等の欠点があっ
た。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明の目的は、化学的に安定で長期間劣化が少なく関
係湿度が低い場合でも、導電性能がほとんど低下しない
鋭く不快な反射がないカーボンブラックを主な導電の手
段として用いて、透明性が改良されヘイズがより低く、
透視がより容易でカーボンブラックの脱離による汚染が
防止された、改良された透視可能な帯電防止性シート状
物を容易に製造できるようにすることである。
本発明の目的は、透明なプラスチックである基層の片面
に、水とメタノールとバインダーを含有する混合液に、
カーボンブラックを分散させると共にカーボンブラック
の凝集粒子を含有させた導電性塗料を塗布し、乾燥させ
ることで、基層の片面に、0.01〜0.8g/m2のカーボンブ
ラックを含む導電層を形成し、更にこの導電層上に0.2
〜10μmの透明なプラスチック層である表層を設けるこ
とを特徴とする帯電防止性シート状物の製造方法とする
ことによって達成される。
本発明に用いる透明なプラスチック基層は、透視可能で
包装材料として適当なものの中から選択される。例え
ば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、繊維素系プラスチックな
どのシート状物が用いられる。
本発明で製造するシート状物は、軟質プラスチックの場
合における厚さ0.254mm未満のフィルムとして分類され
るものと、厚さ0.254mm以上のシートとして分類される
ものの両方が含まれ、また、硬質プラスチックの場合に
おける厚さ0.076mm未満のフィルムとして分類されるも
のと、厚さ0.076mm以上のシートとして分類されるもの
の両方が含まれるものである。
特に強度を要求する用途には、二軸延伸された材料、例
えば二軸延伸ポリエステル、二軸延伸ナイロン、二軸延
伸ポリプロピレンなどが望ましい。
ヒートシールを要する用途には、ヒートシール性が良好
な、例えばポリエチレン、EVA、変性PPなどの材料が好
ましく、また、これらの材料を他の材料と積層した材料
も好ましい。
二軸延伸された熱変性温度の高いフィルムにヒートシー
ル性の良い材料をラミネートしたものは、強度が大き
く、製袋加工などのヒートシール加工が容易な非常に有
用なものが得られる。
IC等の突起が多い物品を収納する目的の袋を作るための
フィルムとしては、特に基材として二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを用い、製袋のためのヒートシール層として
ポリオレフィン層を付加したものが、突起による突き破
りに対する強さ、製袋加工の容易さ、取扱作業の容易さ
などの点で特にすぐれている。
ポリオレフィン層はポリエチレン、EVA、ポリプロピレ
ン等からつくられる。ポリオレフィン層に帯電防止処理
を行うと、この面の帯電防止効果を改良する効果がある
ので、所望の場合は帯電防止処理を行ってもよい。帯電
防止処理は、帯電防止剤を含むポリオレフィンを押出コ
ートするか、或は帯電防止剤を含むポリオレフィンフィ
ルムを積層する方法をとり得る。トレーや、筒状のマガ
ジンや、箱や、板状などで用いる用途には、剛性の大き
い、例えば硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、二
軸延伸ポリスチレンなどの比較的厚みの大きなシート材
料を用いるのがよい。
基層に用いる基材の表面に導電層を形成する。
導電層は、主な導電材料として本来不透明なカーボンブ
ラックを用い、しかもシート状物に透視可能でかつ良好
な帯電防止性をもたせるために特別な構造にしなければ
ならない。本発明においては、基層の片面に、導電性塗
料を塗布し、乾燥させることで導電層を形成し、この導
電層に、平面に対して0.8〜0.01g/m2のカーボンブラッ
クを含有せしめる。また、本発明においては、表層に対
してカーボンブラックが一部突出した構造にする。
このような構造の導電層は、以下に説明するようにして
形成する。
先ず、カーボンブラックを含む導電性塗料を基材の上に
塗布成膜させる。この導電性塗料は導電成分としてカー
ボンブラックを含み、他に水とメタノールとバインダー
を配合したものである。
カーボンブラックは導電性フィラー用のものから選ぶの
がよい。種々の銘柄が入手できるが、粒度、分散性、焼
成による黒鉛化の程度、ストラクチャーの発達程度等に
ついて必ずしも一義的に決まる選択の尺度は見出してい
ない。導電性フィラー用のものを何種類かテストして、
同じ導電度に対してなるべく透明度のよい銘柄を選択す
るのがよい。
バインダーは、基材との接着性がなるべく良いもので、
カーボンブラックの分散をなるべく助けるようなものを
選ぶのがよい。バインダーとしては、例えばEVAラテッ
クス、アクリル系ラテックス、SBラテックスなどのラテ
ックス類、部分けん化酢酸ビニル等が用いられる。
バインダーの量については特に注意を要し、あまり多く
すべきではない。即ち、乾燥塗膜中のカーボンブラック
の割合を比較的大きくするようにすべきである。
このことは、透視可能な塗膜を得ると云う目的と一見相
反するように考えられるが、乾燥塗膜中にカーボンブラ
ック濃度が比較的低い場合には塗膜の機械的強度は大き
くなり、カーボンブラックの脱離による汚染は少なくな
るが、導電性と透視性とのバランスが悪化する。即ち導
電性を出すために膜厚を大きくすると、透視性は非常に
悪くなる。導電層塗膜中のカーボンブラックの濃度は、
使用するカーボンブラックの種類、分散方法、成膜方法
などで異るので一定の濃度範囲を記すのは困難である
が、通常は8重量%程度以上で濃い方が望ましい。
分散剤としては、界面活性剤が所望により加えられる。
ラテックス類は通常若干量の界面活性剤を含有して居
り、特に分散剤を追加しないでもよい場合がある。又、
溶剤に溶かして用いるバインダーも分散剤として使用す
ることがあるから、分散剤を用いるか否かおよびその使
用量は、個々のケース毎に必要性を判断して決めればよ
い。
導電塗料として塗布するカーボンブラックの塗布量は、
導電性が得られる限り少ない方が透視性能を良くする為
に望ましい。この量はカーボンブラックの種類や分散状
態などで変るが、上限は0.8g/m2で、0.1g/m2以下が望ま
しい。下限については0.01g/m2である。上記上限量以上
では透視性能が劣り、下限界以下では通常導電性能を発
現し難い。また、導電層の厚み、即ちほぼ連続した層状
にカーボンブラックが成膜している層の平均厚みは5μ
m〜0.01μm、好ましくは1μm〜0.01μmにするのが
よい。導電層の特徴として、カーボンブラックが表層に
対して一部突起した構造にすることが必要である。
このような特殊な構造は、導電性塗料中にカーボンブラ
ックの凝集粒子を含有させることで得られる。カーボン
ブラックが凝集した粒子は、導電層から表層側に突出し
た部分を形成する。実施例1で示した突出部は、この凝
集した粒子によるものである。
本発明でカーボンブラックの分散媒にメタノールを加え
ているのは、水と比較して乾燥速度を高め、また表面張
力を低下させてプラスチック表面に塗布しやすくすると
共に、分散媒の分散作用を幾分低下させて、カーボンブ
ラックの適度な凝集粒子を形成しやすくするためのもの
である。
カーボンブラックの凝集粒子によりつくられた、突出部
分形成のための導電性粒子の大きさは、導電層の平均厚
みよりも明らかに突出する程度に大きいことが必要であ
る。その程度は、導電層の平均厚みの1.3倍程度、即ち
平均1μmの導電層の場合には1.3μm、0.02μmの平
均厚みの場合には0.026μm程度以上である。突出部の
量については分析が困難で、十分数量的に解明するには
至っていないが、顕微鏡で観察して容易に発見できる程
度に含まれていれば十分である。
このような特殊な構造をとることにより、表層表面の表
面抵抗を著しく低下させることができる。この効果の原
因の詳細は不明であるが、導電層の表層への突出部分は
電荷の集中を起こし易いと想像されるので、表層表面と
導電層間の電荷の拡散が主として導電層の突出部を経て
起こることも考えられる。
導電層は、基材の上に通常ほぼ均一な厚みに塗布すれば
よいが、所望の場合には意図的に厚みに厚薄をつけるこ
とができる。細かいメッシュ状または平行線状などの連
続した線状のやや厚い部分を設けることは、意匠的な効
果のほかに透視し易くかつ表面抵抗率が低いものを得る
ために有効である。また、連続した線状の部分のみを透
視できないほどに厚みを増し、又はカーボンブラック濃
度を上げても、全体として透視は可能であり表面抵抗率
を非常に低く改良することができる。
このような連続した細線状の厚みの厚い部分、又はカー
ボンブラックの平面当りの濃度が大きい部分は、グラビ
ア印刷法で版をそのようなパタンが出来るように作って
おくとか、薄く全面にほぼ均一に導電層を塗布した上に
更に重ねて上記のようなパタンを塗布するなどの方法で
作ることができる。この場合、線の間隔は細かくする方
が好ましく、なるべく20mm以下にすべきである。又、線
巾もなるべく細く、好ましくは2mm以下にすべきであ
る。線間隔が大きすぎると静電気障害に対する保護性能
が不十分になり、線幅をあまり大きくすると透視する際
に目ざわりになるからである。
導電塗料の不揮発分中のカーボンブラック濃度が70重量
%以上に高くなると、基材との接着力も不足することが
多くなる。しかし、カーボンブラックの濃度が高くなる
ほど、導電層であるカーボンブラックの透視可能な層の
厚さは、薄くしても良好な導電性を示すようになる。こ
の際、この導電塗料の塗膜は液が浸透し易いものになる
らしく、導電層の上に直接重ねて表層を設けるために合
成樹脂液を塗布すると、カーボンブラックの導電層の導
電性はほとんど低下しないで、合成樹脂液を基材に達す
るまで浸透させることができること、および表層の合成
樹脂を基材との接着性のよいものの中から選ぶことによ
り導電層の基材との接着性を改善することができること
を見出した。
また導電層の上に表層を塗布することにより、全体とし
て光透過率とヘイズが改善される。即ちフィルムを通し
て物体を透視確認し易くなることを見出した。光透過率
の改善の程度は、表層を欠くフィルムよりも通常2%以
上、良好な場合は5%以上も改善される。また、ヘイズ
の改善は特に大きく、通常2%以上、良好な場合は10%
以上も改善される。
導電塗料を基板に塗布する際に、基材との濡れを良くし
基材との接着性を向上させるために、基材にコロナ放電
処理などの前処理を行ったり、更に所望によっては下塗
りを行うこともできる。
表層は、導電塗料による塗膜の上に直接重ねて透明な合
成樹脂の塗料を塗布することによって設けることができ
る。この表層は、帯電防止プラスチックフィルムまたは
シートの表面層をなすものであるから、包装材料として
要求される表面の諸性質、すなわち、硬度、光沢、すべ
り性、耐ブロッキング性などを充たすものを選択すべき
である。
表層は、帯電防止プラスチックフィルムの表面層になる
ものであるから、通常は電気抵抗が低い合成樹脂を用い
るべきであると考えるところであるが、これは必ずしも
必要でない。即ち、樹脂自体の体積抵抗率は、非常に高
い通常のポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を用いて
も、既に説明したような導電層の上に直接塗布成膜した
表層は、表面抵抗率を非常に低くすることが可能である
ことを見出した。これは全く予期できなかった効果であ
ったが、導電層に、表層に対して突出した部分を設けて
あることによって或る程度は理解できると思われる。
表層として用い得る樹脂を例示すると、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、硝化綿などの繊維素系プラスチック、
ポリエチレン、EVA、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミ
ド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂やフェノール樹脂、
エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を、エマルジョンや溶
液の形で塗布に用いることができる。また、重合性の単
量体を塗布して重合成膜させる方法をとることもでき
る。ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ルなどのアクリル系樹脂は、強度、接着性、透明性など
の点で特に好ましい。
表層には、滑り性の向上、耐摩耗性の改善などの目的で
種々のワックスなどの添加剤を添加することができる。
ポリエチレン系のワックスは耐摩耗性を向上させ、他の
ものを汚染させることが少ないので特に好適である。表
層の厚みは0.2〜10μmである。10μmより厚い表層は
帯電防止効果を不十分にし、0.2μmより薄い表層は塗
膜の機械的強度を不十分にする。
本発明で得られる帯電防止性シート状物は透視可能であ
り、光線透過率20以上が充分に達成でき、光線透過率30
以上はもちろん、40以上も達成可能であり、ヘイズ20以
下が充分に達成でき、ヘイズ10以下も達成可能である。
上記本発明で得られる基本的な帯電防止シートを基礎と
した積層物として、更に、厚み0.2μm〜10μmの透明
なプラスチック層Aと、0.01〜0.8g/m2のカーボンブラ
ックを含む導電層B(但し、表層に対しカーボンブラッ
クが一部突出している)と、融点180℃以上の合成樹脂
の基層Cと、乳化重合法による乾燥減量0.01〜2%の塩
化ビニリデン系共重合体の熱融着層Dとを、層A,B,C,D
の順に積層した帯電防止シートも提供される。この積層
物の層構成を第2図に示す。
基層Cは、その表面に積層される導電層Bを支持すると
共に、包装用として使用する場合に要求される全体の強
度等を本フィルムに付与する基材としての役割を成すも
のである。
基層Cは、融点180℃以上の合成樹脂フィルムであるこ
とが必要である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等の融点が180℃未満の合成樹脂フィルムとすると、
本フィルムを熱融着して袋にする場合に、基層Cが溶融
したり収縮して、その表面に積層された導電層Bが分断
されてしまい、良好な帯電防止効果が得られなくなる。
基層Cは、上記導電層Bの支持並びに基材としての役割
を十分なものとし、かつ本フィルムを包装用として扱い
やすくまた十分な透視性を具備したものとするために、
厚みが5〜50μmで、平滑性や機械的強度に優れた透明
な合成樹脂フィルムで構成することが好ましい。包装す
べき物品は、ピンやバリ等の突起物を有することが多い
ので、突起物に対して要求される十分な突き破り抵抗性
を有していることが好ましい。また、140℃以上の温度
に対して、平滑性、機械的強度、透明性が損われないも
のであることが好ましい。
基層Cは、これに積層される他の層との接着力が高いこ
とが好ましく、この点からすると、表面のぬれ張力(JI
S−K−6768に準拠)が35dyne/cm以上であることが好ま
しい。また、接着力を高めるために、基層Cを構成する
合成樹脂フィルムの表面にコロナ放電処理を施しておい
てもよい。
基層Cを構成する合成樹脂フィルムの具体例としては、
例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリイミド、セルロ
ースアセテート、ポリビニルアルコール等のフィルムを
挙げることができる。
熱融着層Dは、製袋加工時に良好な熱融着強度を持たせ
ると共に、袋としたときの内面側からの静電気の帯電を
防止するものである。
熱融着層Dは、乳化重合法によって形成された塩化ビニ
リデン系共重合体で構成されていることが必要である。
塩化ビニリデン系共重合体の製造方法には、懸濁重合法
と乳化剤を用いた乳化重合法とがある。しかし、懸濁重
合法により製造した塩化ビニリデン系共重合体のフィル
ムの表面抵抗は1016Ω以上であり、いかにこの熱融着層
Dが大きな静電気発生原因の少ない袋の内面側表面にな
る層とはいえ、必要な帯電防止を図れなくなる。また、
塩化ビニリデン共重合体以外で乳化重合法により製造さ
れる合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリビニルア
ルコール、四フッ化エチレン等があるが、これらは熱融
着性に欠けたり、またベタ付きやブロッキングを生じや
すい。
熱融着層Dは、基層Cの上に必要に応じてコロナ放電処
理を施したりアンカーコート層を設けた後、乳化重合法
によって製造した塩化ビニリデン系共重合体ラテックス
を塗布、乾燥させて形成することができる。塩化ビニリ
デン系共重合体は、塩化ビニリデンの共重合比が重量比
で50〜95%、塩化ビニリデンと共重合する単量体が重量
比で5〜50%の組成で共重合させたものが好ましく、単
量体としては、例えば塩化ビニル、アクリロニトリル、
メチルメタアクリレート、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、酢酸ビニル等の中から一種または二種以
上を選ぶことができる。
乳化重合法に用いる乳化剤としては、アニオン系又は非
イオン系界面活性剤が用いられ、好ましくはアルキルス
ルホン酸塩、アルキル基の炭素数が8〜24のアルキルア
リールスルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキル
エーテルで、強酸で加水分解しないことから、アルキル
アリールスルホン酸塩が最適である。更に具体的に示す
と、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム等を用いることができる。
熱融着層Dの表面抵抗は、ポリ塩化ビニリデンラテック
ス中の乳化剤の種類と添加量によって約109〜1014Ωの
範囲で変化するので、市販のグレードの中から、塗布、
乾燥後の表面抵抗を測定してグレードを選定することが
好ましい。
熱融着層Dを形成するための塩化ビニリデン系共重合体
ラテックスの塗布量は、固形分として1.0g/m2以上であ
れば表面抵抗については問題はない。しかし、良好な熱
融着性をこの熱融着層Dで得るためには、塩化ビニリデ
ン系共重合体ラテックスを塗布し乾燥することによって
得られる熱融着層Dが3μm以上、最適には10〜100μ
mの厚さとなるよう塗布することが好ましい。塩化ビニ
リデン系共重合体ラテックスの塗布方法としては、例え
ばエアーナイフコート、グラビアコート、ロールコー
ト、メイヤバーコート等を用いることができる。
また、基層Cと熱融着間D増の接着力を向上させるため
のアンカーコート剤としては、例えばイソシアネート
系、イミン系、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル
系のアンカーコート剤又は塩素化ポリプロピレン等が用
いられる。この塗布量は、固形分で5g/m2以下でよく、
基層Cに塗布し乾燥させた後に熱融着層Dを形成すれば
よい。
基層Cと熱融着層Dの間に、第3図に示されるように、
補助熱融着層Eを設けることもできる。この補助熱融着
層Eは、熱融着層Dが十分な熱融着強度を得られるまで
厚くしにくいことから、熱融着層Dの厚さに拘らず十分
な熱融着強度が得られるようにするためのものである。
また、補助熱融着層Eを設けても、その表面は前述の熱
融着層Dで覆われるので、表面抵抗が高くなったり、ベ
タ付きやブロッキングを生ずることはない。
この補助熱融着層Eは、透明性及び熱融着性に優れた合
成樹脂であればよいが、本フィルムの補強的役割をも成
し得る点でポリオレフィンが好ましい。また、ポリオレ
フィンの中でもポリエチレン、EVA、ポリプロピレンが
好ましい。この補助熱融着層Eを設ける場合、前記熱融
着層Dとの合計厚みが3μm以上、最適には10〜100μ
mとなるように設けることが好ましい。補助熱融着層E
の積層方法としては、例えばドライラミネート法、押出
コート法、共押出コート法等を利用することができる。
補助熱融着層Eを設けた場合、熱融着層Dは、補助熱融
着層E上に、必要に応じてコロナ放電処理やアンカーコ
ート剤を用いて前述と同様にして積層されるもので、こ
の場合、熱融着層Dは1μm程度まで薄くしても十分な
融着強度が得られる。
上記層A,B,C,Dを積層した積層物は、導電層Bがカーボ
ンブラックを含む乾燥導電性塗料膜の極く薄い膜として
形成されること、並びに表層Aの積層によってヘイズが
減少されることが相俟って、実用上必要な透視性を得る
ことができる。また、この導電層Bは、カーボンブラッ
クを含む塗料の塗布、乾燥という簡便な方法で形成でき
るばかりか、基層Cに対して表層Aと共にしっかり接着
されるので、折り曲げ等によって損傷される心配がな
い。
一方、熱融着層Dは、表面抵抗を109〜1014Ω程度にで
きることが確認されており、またベタ付きやブロッキン
グを生じにくいものである。この理由は必ずしも明らか
ではないが、熱融着層Dの水分がその表面抵抗を下げる
と共に、塩化ビニリデン系共重合体の有する結晶性がベ
タ付きやブロッキングを生じにくいものとしていると推
測される。
また、上記積層物の層A,B,Cを同一とし、D層を密度0.0
05〜0.50g/cm3の緩衝性プラスチックシート(D′)で
置き換えた緩衝性の帯電防止シートとすることもでき
る。この積層物の層構成を第4図に示す。
緩衝性プラスチックシートD′は、製袋加工時に良好な
熱融着強度を持たせ、緩衝から中身の物品を保護するの
に充分な緩衝性を持たせると共に、袋としたときの内面
側からの静電気の帯電を防止するものである。
緩衝性プラスチックシートD′は密度0.005〜0.50g/cm3
であることが必要である。密度が0.005g/cm3未満では中
身の物品に対する保持性が低下し、熱融着強度、突き破
り抵抗性等の機械的強度が劣る。密度が0.50g/cm3を越
えると衝撃に対する緩衝性が充分でなくなる。ここで密
度とは、緩衝性プラスチックシートの見かけの体積V
と、緩衝性プラスチックシートの見かけの体積分の重量
Mとから、次式によって求められる値をいう。
緩衝性プラスチックシートD′は良好な熱融着強度と充
分な緩衝性を持たせたものとするために、厚みは0.2mm
以上が適当で、熱融着性に優れるポリオレフィン系樹脂
又はポリスチレン系樹脂を原料として、例えば発泡プラ
スチックシート、空気封入プラスチックシート等より選
択される。また、ポリオレフィンの中でも、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンが好ましい。
緩衝性プラスチックシートDは透視可能であることが必
要で、厚み方向の気泡数が10個以下であることが必要で
あり、厚さ方向に5個以下が好ましく、より好ましくは
3個以下、最も好ましくは1個である。厚み方向の気泡
数が10個を越えると、曇り度が大きく、光線透過率が下
がり、透視困難となる。
緩衝性プラスチックシートDと基層Cとの積層方法とし
ては、例えば、熱圧着、ドライラミネート法、押出コー
ト法又は、押出ラミネート法等を利用、又は併用するの
が良い。
緩衝性プラスチックシートD′の外面はしわが入り、た
るみのあるのが好ましい。緩衝性プラスチックシート
D′を内側として物品を入れた場合、D層にしわやたる
みが入っていることにより多少のゆれや振動があって
も、物品をおさえ、動きにくくする効果があり、その結
果、物品とD′層との摩擦により静電気が発生する危険
が減少する。D′層にしわやたるみがなく平滑である
と、物品をおさえ、動きにくくする効果は小さくなる。
しわやたるみを形成する方法は、例えば、緩衝性プラス
チックシートD′と基層Cとの積層時に、緩衝性プラス
チックシートを加熱させ、その後、急冷せず徐々に冷却
することや、D′とCとの積層後、ロール状に巻き取る
際に、巻き取り張力を強く、硬めに巻き取ることにより
可能となる。
緩衝性プラスチックシートD′は、帯電防止剤が練り込
まれたものや、塗布されたものを利用するのが良好であ
るが、第5図に示されるように、緩衝性プラスチックシ
ートD′に帯電防止剤を練り込んだポリオレフィンフィ
ルムEを補助熱融着層として更に積層して設けることも
できる。この際、緩衝性プラスチックシートD′は帯電
防止性の付与されていないものでも特に問題はない。な
ぜなら、補助熱融着層E中の帯電防止剤が移行して緩衝
性プラスチックシートDに帯電防止性が付与されるから
である。この補助熱融着層Eは、緩衝性プラスチックシ
ートDに充分な熱融着強度を得にくい場合には、充分な
熱融着強度が得られるようにするためのものである。ま
た、補助熱融着層Eを設けても、緩衝性が損われること
もなく、緩衝性プラスチックシートDの外面のしわやた
るみがなくなることもない。この補助熱融着層Eを設け
る場合、厚みは10〜100μmが適当で、積層方法として
は、例えばドライラミネート法、押出コート法等を利用
することができる。
表面抵抗の測定値から表層の見かけの体積抵抗率を計算
すると、実施例中に示すように極めて低い値に改善され
ている。測定と計算は下記のように行った。
(1) 表面抵抗率:JIS K6911に準拠した方法による。
測定電極は直径5cmの水銀電極およびこれと同心に配置
した内径7cm、外径8cmのドーナツ状水銀電極で、接触面
積はドーナツ状の極が11.8cm2、円型の極が19.6cm2であ
る。
上記電極を測定表面に接触させて両電極間の抵抗値を測
定し、次式により表面抵抗率を求める。
電極間抵抗値rp(Ω) 表面抵抗率r(Ω) r=18.8rp(Ω) 但し、18.8は電極形状で決まる定数である。
(2) 表層の見かけの体積抵抗率の計算 表層の厚みT(cm) 導電性塗料の塗膜の電極間抵抗値rp1(Ω) 導電性塗料の塗膜に重ねた表層の電極間抵抗値rp
2(Ω) 表層の体積抵抗率R(Ω・cm) 但し、0.136は電極の形状で決まる定数である。
基材の片面だけに導電性塗膜とその上に重ねた表層を設
けたフィルムにより、表層を袋の外側にした袋でも、か
なり良好な帯電防止の能力があるが、袋の内側に表層を
設けると、更に内容物の保護のために有効であることを
見出した。即ち、上記表層を袋の外側にした袋は、表層
を袋の内側にした袋に比べて内容物の静電気の蓄積が大
きいことを認めた。
静電気によるIC等の障害の大部分は、素子内部の半導体
部分または導体部分を絶縁している絶縁薄膜の絶縁損傷
であることが知られており、この絶縁損傷の大部分は帯
電した導体(大部分は人体といわれる)から素子中の導
体部分または半導体部分への放電、または帯電した素子
中の導体部分または半導体部分からアースした導体(人
体など)への放電の経路で発生するので、袋中の導体に
電気を蓄積させないことは非常に重要な性質である。
袋の内面に上記表層を設ければ、もう一方の外側の面に
ついては必ずしも帯電防止処理は必要ではないが、外側
の面に帯電防止剤の練り込みや塗布により帯電防止処理
を行う方が望ましく、また、両面ともに導電塗料の塗膜
に重ねて表層を設けることも望ましい。
袋以外の箱、トレー、筒、マガジンなどの形の容器は剛
性の大きい厚みの厚い基材を用いたシート状物で作るの
に適している。これらはシート状物を熱成形して作るこ
とができる。これらの形の容器の場合にも、容器の内面
側を表面抵抗率の低い表層として容器をつくることによ
り、内容物をより良く静電気障害から保護することがで
きる。
[実施例] 以下実施例によって更に説明する。
実施例中における突き破り強さの測定は次のようにして
行った。
内寸100mm×100mmの正方形の枠に被測定フィルムを挾み
込んで、枠とフィルムを水平に保持し、フィルムの中央
部にピン14本を有するICをのせて、上からICを50mm/min
の速度で加圧して、ピンによるフィルムの突き破りが生
じた時の応力を求めてKgで表示した。
光透過率とヘイズの測定は、JIS K 7105に準拠した方法
により行った。
実施例1 導電性フィラーとして市販されているカーボンブラック
であるライオンアクゾ株式会社のケッチェンブラックEC
10重量%と、分散剤として非イオン系界面活性剤8重量
%と残部水とよりなる分散液を作った。別にバインダー
として、部分けん化酢酸ビニルをメタノールと水との混
合重量比90:10の混合溶剤に9.2重量%溶解した液を作っ
た。
カーボンブラックの分散液40重量部を撹拌しながらバイ
ンダー溶解液60重量部を添加して、カーボンブラック4
重量%、界面活性剤3.2重量%、バインダー5.5重量%を
含有し、溶剤が、メタノールと水との混合割合が重量比
で56:44の混合溶剤である導電性塗料を調製した。
この導電性塗料の不揮発分は12.7重量%で、不揮発分の
31重量%がカーボンブラックである。
溶剤としてメタノールと水の混合溶剤を用いると、水と
比較して乾燥速度を高め、また表面張力を低下させてプ
ラスチック表面に塗布し易くし、また、非イオン系界面
活性剤の分散作用を幾分低下させて、カーボンブラック
が若干凝集した粒子を作り易くすることができる。
厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの片面をコ
ロナ放電処理して、この面に上記導電性塗料を乾量で0.
2g/m2グラビアコーターで塗布し乾燥し、この上に重ね
てメタクリル酸メチルを主成分とするアクリル樹脂14.7
重量%とポリエチレンワックス0.3重量%を含むトルエ
ンを溶剤とする上塗り塗料を乾量で1g/m2塗布し乾燥し
た。
各塗料を乾燥した固形物の比重を1とすると、導電層の
厚みは約0.2μm、表層の厚みは約1μmとなる。カー
ボンブラックは0.06g/m2の割合で塗布されている。
このフィルムの非塗布面に、非イオン系帯電防止剤であ
る三洋化成工業(株)製ケミスタット1100を0.7重量%
含むポリエチレンを65μmの厚みに押出コート法により
積層してヒートシール層を形成させた。
このフィルムは、表層の表面抵抗率が9×105Ω、ヒー
トシール層の表面抵抗率が8×1011Ω、光透過率が40
%、ヘイズ13%であり、容易に物体を透視できた。
このフィルムの導電層と表層の側の断面の顕微鏡写真を
第1図に示した。第1図の通り、カーボンブラックが表
層に対し一部突出していることが認められた。
このフィルムをポリエチレンフィルムで50回はげしく摩
擦して、直ちにリオン株式会社EA03型静電場測定器によ
り帯電測定すると、表層の面では0volt/cm、ポリエチレ
ン層面では16volt/cmであり、帯電防止性能にすぐれて
いることがわかった。このフィルムをヒートシールして
袋を作ると製袋加工性良好で不良袋の発生率0%で取扱
い容易な袋が得られた。フィルムの突き破り強度を測定
したら1.5Kgであり、IC等の包材として充分大きな値で
あることが示された。また、JIS L 1048の学振式摩擦試
験機により、摩擦子に白布の代りに試験フィルムを張
り、フィルムとフィルムの摩擦試験を行って、表面抵抗
が初期の値を失って立ち上がるまでの摩擦回数を測定し
た。このフィルムは25,000回であった。この種の袋は数
毎以上同時に使用されることが多いので、同じフィルム
同志の耐摩擦性は実用上重要であるが、このフィルムは
この耐摩擦性が非常にすぐれていることが示された。白
色の紙で表層を摩擦しても全く汚染されなかった。比
較のため、表層を塗布せず導電層のみを塗布したフィル
ムの表面抵抗率を測定したら、6×105Ωであった。
この塗布面は、白色の紙で摩擦すると紙を黒く汚染
することが認められた。表層の厚み方向の体積抵抗率は
1×109Ω・cmと計算される。
別に表層の塗液を成膜して体積抵抗率を測定したら、2
×1014Ω・cmであった。表層の体積抵抗が著しく低下
し、改善されていることがわかった。
また、表層を塗布せず、導電層のみを塗布したフィルム
の光透過率は42%、ヘイズは18%であり、表層の塗布に
よって、夫々3%および5%改善されたことがわかっ
た。
実施例2 厚み15μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、表
層としてポリスチレンの15重量%トルエン溶液を用いる
以外は実施例1と同様にしてヒートシール層を積層した
帯電防止フィルムを得た。
表層の表面抵抗率9×105Ω、ヒートシール層の表面抵
抗率8×1011Ω、光透過率45%、ヘイズ13%であり、容
易に物体を透視できた。
表層と導電層の断面を顕微鏡で観察すると、実施例1と
同様にカーボンブラックが表層に対して一部突出してい
ることが認められた。
製袋加工性は良好で不良品の発生はなく、開口性良好な
取扱い容易な袋に加工できた。突き破り強度は1.7Kgで
あった。また、耐摩擦回数は4000回であった。比較のた
めに、表層に用いた液を別に成膜して体積抵抗を測定し
たら、1×1015Ω・cmであった。
表層の厚み方向の体積抵抗率は1×109Ω・cmと計算さ
れ、表層の体積抵抗率が著しく低下していることがわか
った。
比較例1 実施例1で用いたカーボンブラックと不揮発分40重量%
を含むスチレンブタジエンラテックスを用いて、スチレ
ンブタジエンラテックスと、水にカーボンブラックを分
散させて、導電性塗料を調製した。この塗料は、不揮発
分20重量%を含み、不揮発分中の7重量%がカーボンブ
ラックであった。この塗料はカーボンブラックの含有率
が低いために、上記実施例で用いた導電性塗料よりもカ
ーボンブラックの分散は容易であり、分散状態は良好で
あった。
15μmの二軸延伸ポリエステルフィルムのコロナ処理面
にこの塗料を塗布乾燥して6μmの塗膜をつくった。カ
ーボンブラックは0.42g/m2の割合で塗布されている。塗
膜は平滑で光沢があったが、ほとんど不透明で真黒に着
色していた。この塗膜面を鏡面仕上げされた加熱ローラ
ーで加圧して、更に平滑で光沢のある面に仕上げ、カー
ボンブラックの突出を除いた。この塗膜面の表面抵抗率
は8×107Ωであった。この上に重ねて実施例1で用い
たアクリル樹脂の塗液を塗布乾燥して13μmの厚みの塗
膜にした。この塗布面の表面抵抗率は2×1011Ωであ
り、帯電防止フィルムとして不十分な値であった。
比較例2 実施例1で用いたカーボンブラック0.8重量部を実施例
1で用いたアクリル樹脂の上塗り塗料100重量部の中に
混合して、カーボンブラックを含む塗料をつくった。こ
の塗料の不揮発分は5重量%のカーボンブラックを含
み、これは実施例1の全塗膜中のカーボンブラックの平
均の濃度と同じである。
実施例1で用いた基材フィルムにこの塗料を乾量で1.3g
/m2の割合で塗布乾燥させた。塗布物は実施例1と同様
に、1.3g/m2の塗膜を有し、カーボンブラックは実施例
1と同様に0.06g/m2の割合で塗布されているが、表面抵
抗率を測定すると6×1013Ωであり、帯電防止の効果は
全くなかった。実施例1と同じ割合でカーボンブラック
を塗布しても実施例1のような特殊な塗膜の製造を欠く
ものは帯電防止効果がないことがわかった。
比較例3 帯電防止剤を練り込んだ厚み60μmのポリエチレンフィ
ルムでできた市販のIC包装用袋を、実施例1と同様に摩
擦して帯電を測定すると、表面も裏面も20volt/cmであ
った。この値は表面も裏面も実施例1の袋より劣ってい
た。突き破り強度は0.9Kgであり、実施例1の袋より劣
っていた。
比較例4 IC等の包材として市販されている、表面に金属を透視可
能な程度にコートしたラミネートフィルムの袋で、実施
例1と同じ摩擦試験を行うと、耐摩擦回数は300回であ
った。金属をコートしたフィルムに比べると、実施例1
のフィルムは極めて耐摩擦性がよいことがわかる。
比較例5 市販の帯電防止剤をねり込んだICなどを包装するために
特に作られたポリエチレンの袋の中に、5cm×5cm、厚み
0.3mmのアルミニウム板の一端にポリスチレンの棒で柄
を付けたものを入れ、手で柄を持って50回摩擦して直ち
に取り出し、リオン(株)製静電場測定器によりアルミ
ニウム板の電場を測定したところ、1500volt/cmであっ
た。この種の帯電防止剤をねり込んだ袋では、袋自体が
帯電することは少ないが、内部の導体に非常に高圧の電
気を生じるので、ICなどの包装に用いると危険が多いこ
とがわかった。
[発明の効果] 本発明は以上説明した通りのものであり、次の効果を奏
するものである。
(1) 本発明によって得られる帯電防止性シート状物
は、カーボンブラックを含む導電層の表面にプラスチッ
クの表層が設けられているが、この表層の表面抵抗は、
導電層の表面抵抗に比して大幅な上昇とはなっておら
ず、これによって実用的な帯電防止効果が維持されてい
る。これは、導電層形成時に導電性塗料に含まれるカー
ボンブラックの凝集粒子が表層側に突出した突出部を形
成し、表層の表面抵抗の上昇を押えるためと考えられ
る。そして、本発明では、導電性塗料の分散媒中にメタ
ノールを加えていることにより、カーボンブラックの適
度な凝集粒子が得られるようにしているもので、上記突
出部を有する特殊な構造が得やすいものである。
(2) 表層の付設によって、光透過性とヘイズ度を改
善できるばかりか、この表層によって、導電層を構成す
るカーボンブラック粒子の脱落を防止することができ、
脱落粒子による悪影響を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によって得られるシート状物の導電層の
構造を例示するための、実施例1のシート状物の断面の
顕微鏡像である。1は導電層、2は表層、3は基層であ
る。導電層が一部表層に対し突出している状態がみられ
る。 第2図〜第5図は基本となるシート状物の1,2,3の各層
を選択された材質、すなわち、導電層B、表層A、基層
Cで構成するとともに、更に別種の層を積層してなる積
層物の層構成を示す断面図で、第2図は基本となるシー
ト状物に熱融着層Dを積層した積層物を示し、第3図は
第2図の積層物のCとDの間に補助熱融着層を設けた積
層物を示し、第4図は基本となるシート状物に緩衝性プ
ラスチックシートD′を積層した積層物を示し、第5図
は第4図の積層物のD面に補助熱融着層を設けた積層物
を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明なプラスチックである基層の片面に、
    水とメタノールとバインダーを含有する混合液に、カー
    ボンブラックを分散させると共にカーボンブラックの凝
    集粒子を含有させた導電性塗料を塗布し、乾燥させるこ
    とで、基層の片面に、0.01〜0.8g/m2のカーボンブラッ
    クを含む導電層を形成し、更にこの導電層上に0.2〜10
    μmの透明なプラスチック層である表層を設けることを
    特徴とする帯電防止性シート状物の製造方法。
JP61222106A 1985-09-23 1986-09-22 帯電防止性シート状物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0761703B2 (ja)

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