JPH0762020B2 - ドコサヘキサエノイルジアシルグリセロールの製造法 - Google Patents
ドコサヘキサエノイルジアシルグリセロールの製造法Info
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- JPH0762020B2 JPH0762020B2 JP31861687A JP31861687A JPH0762020B2 JP H0762020 B2 JPH0762020 B2 JP H0762020B2 JP 31861687 A JP31861687 A JP 31861687A JP 31861687 A JP31861687 A JP 31861687A JP H0762020 B2 JPH0762020 B2 JP H0762020B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は癌細胞に対して強い分化誘導活性を示すドコサ
ヘキサエン酸を含有するジアシルグリセロールの製造法
に関し、更に詳細にはSn−2位にドコサヘキサエン酸を
結合しているSn−1,2−ジアシルグリセロールを水産動
物の卵から分画したホスファチジルコリンから製造する
方法に関する。
ヘキサエン酸を含有するジアシルグリセロールの製造法
に関し、更に詳細にはSn−2位にドコサヘキサエン酸を
結合しているSn−1,2−ジアシルグリセロールを水産動
物の卵から分画したホスファチジルコリンから製造する
方法に関する。
(従来の技術) ω−3系高度不飽和脂肪酸の1つであるドコサヘキサエ
ン酸はエイコサペンタエン酸同様、血中のコレステロー
ルやトリグリセリド濃度を低下させ血小板凝集を抑制す
る作用が知られている。一方、細胞膜を構成する脂質二
重層の流動性は、脂質の構成脂肪酸に支配されている。
そのため、ドコサヘキサエン酸の様な高度不飽和脂肪酸
の取込みは、細胞膜脂質の流動性を変化させ、細胞膜の
修飾を経て細胞内に情報を伝達させるために利用されて
いる。
ン酸はエイコサペンタエン酸同様、血中のコレステロー
ルやトリグリセリド濃度を低下させ血小板凝集を抑制す
る作用が知られている。一方、細胞膜を構成する脂質二
重層の流動性は、脂質の構成脂肪酸に支配されている。
そのため、ドコサヘキサエン酸の様な高度不飽和脂肪酸
の取込みは、細胞膜脂質の流動性を変化させ、細胞膜の
修飾を経て細胞内に情報を伝達させるために利用されて
いる。
特に細胞のホルモン作用発現機構とリン脂質代謝の関係
から細胞膜中のホスファチジルコリン、ホスファチジル
エタノールアミン、およびジアシルグリセロールに存在
するドコサヘキサエン酸は細胞膜脂質中に立体規則的に
分布していることが知られており、ドコサヘキサエン酸
は細胞機能の発現に大きく関与していると思われる。
から細胞膜中のホスファチジルコリン、ホスファチジル
エタノールアミン、およびジアシルグリセロールに存在
するドコサヘキサエン酸は細胞膜脂質中に立体規則的に
分布していることが知られており、ドコサヘキサエン酸
は細胞機能の発現に大きく関与していると思われる。
本発明者らはsn−2位にドコサヘキサエン酸を有するホ
スファチジルコリンにフレンド白血病細胞、マウス骨髄
性白血病細胞、マウス奇形腫細胞を正常細胞へ分化誘導
する作用を先に見出した(特開昭59−46226号)。一
方、アール・カンナギら(Biochimica et Biophysica A
cta,712,161〜168,1982)はネズミ骨髄性白血病細胞の
分化誘導前後に細胞膜リン脂質のホスファチジルコリン
のドコサヘキサエン酸含量が1/10に減少することを報告
している。さらに本発明者らはsn−2位にドコサヘキサ
エン酸を有するホスファチジルコリンを強力な発生およ
び分化の場となる受精卵に含まれる分化誘導物質として
見出した際に、このホスファチジルコリン以外の脂質に
も分化誘導活性を認めた。その活性物質はパルミチン酸
−ドコサヘキサエン酸およびオレイン酸−ドコサヘキサ
エン酸のジアシルグリセロールの混合物であった(日本
農芸化学会、昭和58年度大会講演要旨集、118頁,2H−2:
特開昭60−58917号)。以上の如くドコサヘキサエン酸
を含むジアシルグリセロールの生化学的な重要性が発見
されるようになったが、これらの製造に関してはこれま
で開発されていないのが現状である。
スファチジルコリンにフレンド白血病細胞、マウス骨髄
性白血病細胞、マウス奇形腫細胞を正常細胞へ分化誘導
する作用を先に見出した(特開昭59−46226号)。一
方、アール・カンナギら(Biochimica et Biophysica A
cta,712,161〜168,1982)はネズミ骨髄性白血病細胞の
分化誘導前後に細胞膜リン脂質のホスファチジルコリン
のドコサヘキサエン酸含量が1/10に減少することを報告
している。さらに本発明者らはsn−2位にドコサヘキサ
エン酸を有するホスファチジルコリンを強力な発生およ
び分化の場となる受精卵に含まれる分化誘導物質として
見出した際に、このホスファチジルコリン以外の脂質に
も分化誘導活性を認めた。その活性物質はパルミチン酸
−ドコサヘキサエン酸およびオレイン酸−ドコサヘキサ
エン酸のジアシルグリセロールの混合物であった(日本
農芸化学会、昭和58年度大会講演要旨集、118頁,2H−2:
特開昭60−58917号)。以上の如くドコサヘキサエン酸
を含むジアシルグリセロールの生化学的な重要性が発見
されるようになったが、これらの製造に関してはこれま
で開発されていないのが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) ドコサヘキサエン酸は水産動物の脂肪組織中ではトリア
シルグリセロールとして存在し、動物の生体組織中では
細胞膜構成成分の極性脂質中に見出される。特に動物に
おいてドコサヘキサエン酸に富む部位は脳の髄鞘、視神
経の桿体および肝臓等が知られているが、主としてリン
脂質に局在している。また比較的人手が容易な血球や卵
黄のリン脂質や、水産動物のリン脂質にもドコサヘキサ
エン酸は豊富である。
シルグリセロールとして存在し、動物の生体組織中では
細胞膜構成成分の極性脂質中に見出される。特に動物に
おいてドコサヘキサエン酸に富む部位は脳の髄鞘、視神
経の桿体および肝臓等が知られているが、主としてリン
脂質に局在している。また比較的人手が容易な血球や卵
黄のリン脂質や、水産動物のリン脂質にもドコサヘキサ
エン酸は豊富である。
グリセロールのsn−1位とsn−2位に特定脂肪酸を組み
込んでsn−1,2−ジアシルグリセロールを合成する方法
は既に知られている。これらの合成法では合成過程にお
いてsn−1,2−ジアシルグリセロールが非常に高い比率
でsn−1,3−ジアシルグリセロールにマイグレーション
(転移)する。そのためsn−1,2位に異なる脂肪酸を組
み込む事は難しい。化学合成法ではsn−1位とsn−3位
を区別して反応する事は非常に難しく、さらにsn−1,2
−ジアシルグリセロールとsn−2,3−ジアシルグリセロ
ールの分離が困難である。
込んでsn−1,2−ジアシルグリセロールを合成する方法
は既に知られている。これらの合成法では合成過程にお
いてsn−1,2−ジアシルグリセロールが非常に高い比率
でsn−1,3−ジアシルグリセロールにマイグレーション
(転移)する。そのためsn−1,2位に異なる脂肪酸を組
み込む事は難しい。化学合成法ではsn−1位とsn−3位
を区別して反応する事は非常に難しく、さらにsn−1,2
−ジアシルグリセロールとsn−2,3−ジアシルグリセロ
ールの分離が困難である。
グリセロールのsn−2位にドコサヘキサエン酸を結合さ
せた混酸基ジアシルグリセロールの合成を従来法で実施
すると、α−モノクロルヒドリンの一級水酸基にドコサ
ヘキサエン酸以外の脂肪酸クロライドでアシル化し、さ
らにドコサヘキサエン酸クロライドでsn−2位をアシル
化し、硝酸銀処理、希酸処理と複雑な工程を軽由するこ
とになる。
せた混酸基ジアシルグリセロールの合成を従来法で実施
すると、α−モノクロルヒドリンの一級水酸基にドコサ
ヘキサエン酸以外の脂肪酸クロライドでアシル化し、さ
らにドコサヘキサエン酸クロライドでsn−2位をアシル
化し、硝酸銀処理、希酸処理と複雑な工程を軽由するこ
とになる。
この従来法では、脱クロライドで生成する水酸基がsn
−2位に転位し、多量のsn−1,3−ジアシルグリセロー
ルを生成する、合成物にsn−1,2−ジアシルグリセロ
ールとsn−2,3−ジアシルグリセロールが混在すると両
者を識別出来ない、ドコサヘキサエン酸のクロライド
化の際、二重結合マイグレーションが生じ易い等の欠点
を有している。
−2位に転位し、多量のsn−1,3−ジアシルグリセロー
ルを生成する、合成物にsn−1,2−ジアシルグリセロ
ールとsn−2,3−ジアシルグリセロールが混在すると両
者を識別出来ない、ドコサヘキサエン酸のクロライド
化の際、二重結合マイグレーションが生じ易い等の欠点
を有している。
そのため得られるジアシルグリセロールは細胞レベルの
実験で、厳しい立体構造の識別を行う酵素やレセプター
に対して正確に認識されない。例えばビー・ジェー・ホ
ルブらは血小板に対してその酵素反応系を活性化するジ
アシルグリセロールは、イノシトールリン脂質の加水分
解物と同一の立体構造を示すsn−2位に高度不飽和脂肪
酸を有するsn−1,2−型ジアシルグリセロールである事
を証明している(J.Lipid Res.11,558〜564,1981)。
実験で、厳しい立体構造の識別を行う酵素やレセプター
に対して正確に認識されない。例えばビー・ジェー・ホ
ルブらは血小板に対してその酵素反応系を活性化するジ
アシルグリセロールは、イノシトールリン脂質の加水分
解物と同一の立体構造を示すsn−2位に高度不飽和脂肪
酸を有するsn−1,2−型ジアシルグリセロールである事
を証明している(J.Lipid Res.11,558〜564,1981)。
上述のように現在まで、sn−2位にドコサヘキサエン酸
を有するジアシルグリセロールを天然原料から直接分取
したり、化学合成のみで製造する事は非常に困難であっ
た。
を有するジアシルグリセロールを天然原料から直接分取
したり、化学合成のみで製造する事は非常に困難であっ
た。
従って、本発明の目的は、経済的、且つ高収率にて、出
来るだけ簡単な工程によりsn−2位にドコサヘキサエン
酸を有するジアシルグリセロールを製造することにあ
る。
来るだけ簡単な工程によりsn−2位にドコサヘキサエン
酸を有するジアシルグリセロールを製造することにあ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、水産動物の卵を原料としてホスファチジルコ
リンを分離し、次いで逆相分配カラムクロマト処理した
後にホスホリパーゼCで加水分解することを特徴とす
る。本発明方法を行うことによりsn−1位に飽和酸又は
モノエン酸を結合し、sn−2位にドコサヘキサエン酸を
結合したsn−1,2−ジアシルグリセロールが容易に得ら
れる。
リンを分離し、次いで逆相分配カラムクロマト処理した
後にホスホリパーゼCで加水分解することを特徴とす
る。本発明方法を行うことによりsn−1位に飽和酸又は
モノエン酸を結合し、sn−2位にドコサヘキサエン酸を
結合したsn−1,2−ジアシルグリセロールが容易に得ら
れる。
以下本発明につき更に詳細に説明する。
本発明者らは、先に低毒性で制癌性を有する物質を動
物、植物、微生物界の広い生物範囲から探索し、その結
果、強力な発生および分化の場となる受精卵について、
水産動物の一種であるニジマス(Salmo gairdneri)の
胚を用いて、この胚中の総脂質中に活性があることを示
した(旭健一:癌細胞の分化誘導と制癌(穂積本男、高
久史麿編)、261〜278頁、ソフトサイエンス社、東京、
1985)。これらの物質は未分化培養癌細胞に対する分化
誘導能を指標として検索された。このバイオアッセイで
見出されたコリン含有リン脂質は、動物の腫瘍細胞に対
して分化誘導活性を有する他に、著しく低毒性で優れた
制癌活性を持っていた。コリン含有リン脂質にはスフィ
ンゴリン脂質とグリセロリン脂質の二つの大群が知られ
ているが、前者に属するスフィンゴミエリンのアミド結
合が見出されないことから後者に属することが推定され
た。後者にはモノアシルモノエーテル型、ジアシルエス
テル型、モノアシル−1−モノアルケニルエーテル(プ
ラズマロゲン)型、モノアシル(リゾ)型が存在する
が、質量分析より求めた分子量M、ホスホリパーゼA
1(sn−1位のエステル結合を特異的に加水分解す
る)、ホスホリパーゼA2(sn−2位のエステル結合を特
異的に加水分解する)の加水分解によって脂肪酸が別々
に得られることからジアシルエステル型のグリセロリン
脂質、即ちホスファチジルコリンと判断した。
物、植物、微生物界の広い生物範囲から探索し、その結
果、強力な発生および分化の場となる受精卵について、
水産動物の一種であるニジマス(Salmo gairdneri)の
胚を用いて、この胚中の総脂質中に活性があることを示
した(旭健一:癌細胞の分化誘導と制癌(穂積本男、高
久史麿編)、261〜278頁、ソフトサイエンス社、東京、
1985)。これらの物質は未分化培養癌細胞に対する分化
誘導能を指標として検索された。このバイオアッセイで
見出されたコリン含有リン脂質は、動物の腫瘍細胞に対
して分化誘導活性を有する他に、著しく低毒性で優れた
制癌活性を持っていた。コリン含有リン脂質にはスフィ
ンゴリン脂質とグリセロリン脂質の二つの大群が知られ
ているが、前者に属するスフィンゴミエリンのアミド結
合が見出されないことから後者に属することが推定され
た。後者にはモノアシルモノエーテル型、ジアシルエス
テル型、モノアシル−1−モノアルケニルエーテル(プ
ラズマロゲン)型、モノアシル(リゾ)型が存在する
が、質量分析より求めた分子量M、ホスホリパーゼA
1(sn−1位のエステル結合を特異的に加水分解す
る)、ホスホリパーゼA2(sn−2位のエステル結合を特
異的に加水分解する)の加水分解によって脂肪酸が別々
に得られることからジアシルエステル型のグリセロリン
脂質、即ちホスファチジルコリンと判断した。
さらに単離されたホスファチジルコリンを逆相分配カラ
ムを装着した高速液体クロマトグラフィーで各分子種ご
とに分画して、個々の分画をバイオアッセイで検討した
ところ特定の分子種のみに分化誘導活性が認められた。
活性が認められた分子種は高速液体クロマトグラフィー
で求められたクロマトグラム上の大部分を占めるメイン
ピークであった。メインピークから回収されたホスファ
チジルコリンの分子種を決定するため、このホスファチ
ジルコリンを三弗化ホウ素メタノール法で脂肪酸をメチ
ルエステル化した。脂肪酸メチルの同定はキャピラリー
カラムガスクロマトグラフィー(液相:カーボワックス
20M、25m)における標準体との保持時間の同一性で行っ
た。
ムを装着した高速液体クロマトグラフィーで各分子種ご
とに分画して、個々の分画をバイオアッセイで検討した
ところ特定の分子種のみに分化誘導活性が認められた。
活性が認められた分子種は高速液体クロマトグラフィー
で求められたクロマトグラム上の大部分を占めるメイン
ピークであった。メインピークから回収されたホスファ
チジルコリンの分子種を決定するため、このホスファチ
ジルコリンを三弗化ホウ素メタノール法で脂肪酸をメチ
ルエステル化した。脂肪酸メチルの同定はキャピラリー
カラムガスクロマトグラフィー(液相:カーボワックス
20M、25m)における標準体との保持時間の同一性で行っ
た。
その結果、C22:6ω3(即ちドコサヘキサエン酸)が主
成分で、その他にC16:0(パルミチン酸)、C18:0(ステ
アリン酸)、C18:1(オクタデセン酸)が同定された。
同定された脂肪酸のホスファチジルコリンのsn位置を決
定するため前述のホスホリパーゼで測定した。メインピ
ークから回収されたホスファチジルコリンをホスホリパ
ーゼA1により加水分解し、三弗化ホウ素メタノール法で
脂肪酸をメチルエステル化した。ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、C16:0とC18:1が主成分でその他にC
18:0が同定された。次に、このホスファチジルコリンを
ホスホリパーゼA2により加水分解し、三弗化ホウ素メタ
ノール法で脂肪酸をメチルエステル化した。ガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、ドコサヘキサエン酸がメ
イン成分として同定された。このホスファチジルコリン
の推定される分子種を分析するため質量分析計FAB−MS
(Pos.)への直接導入法による分子イオンに相当する質
量スペクトルm/zを測定した。その結果、m/z806(C16:0
−ドコサヘキサエノイルホスファチジルコリンに相
当)、m/z832(C18:1−ドコサヘキサエノイルホスファ
チジルコリンに相当)、m/z834(C18:0−ドコサヘキサ
エノイルホスファチジルコリンに相当)に高い強度を示
した。
成分で、その他にC16:0(パルミチン酸)、C18:0(ステ
アリン酸)、C18:1(オクタデセン酸)が同定された。
同定された脂肪酸のホスファチジルコリンのsn位置を決
定するため前述のホスホリパーゼで測定した。メインピ
ークから回収されたホスファチジルコリンをホスホリパ
ーゼA1により加水分解し、三弗化ホウ素メタノール法で
脂肪酸をメチルエステル化した。ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、C16:0とC18:1が主成分でその他にC
18:0が同定された。次に、このホスファチジルコリンを
ホスホリパーゼA2により加水分解し、三弗化ホウ素メタ
ノール法で脂肪酸をメチルエステル化した。ガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、ドコサヘキサエン酸がメ
イン成分として同定された。このホスファチジルコリン
の推定される分子種を分析するため質量分析計FAB−MS
(Pos.)への直接導入法による分子イオンに相当する質
量スペクトルm/zを測定した。その結果、m/z806(C16:0
−ドコサヘキサエノイルホスファチジルコリンに相
当)、m/z832(C18:1−ドコサヘキサエノイルホスファ
チジルコリンに相当)、m/z834(C18:0−ドコサヘキサ
エノイルホスファチジルコリンに相当)に高い強度を示
した。
このホスファチジルコリンは水産動物の卵から下記の様
に高収率で得られる。卵中の総脂質は約1割でその半分
はリン脂質である。詳細には、総脂質に対するホスファ
チジルコリン量は30%でリン脂質に対してホスファチジ
ルコリン量は70%である。しかも、分化誘導活性を示す
sn−2位にドコサヘキサエン酸を結合するホスファチジ
ルコリンは卵ホスファチジルコリンの主成分である。ま
た、ドコサヘキサエン酸含有ホスファチジルコリンは逆
相分配クロマトグラフィーにおいては最初に溶離する成
分であり、使用する溶離液もメタノール単独で十分であ
る点から分取しやすい材料である。
に高収率で得られる。卵中の総脂質は約1割でその半分
はリン脂質である。詳細には、総脂質に対するホスファ
チジルコリン量は30%でリン脂質に対してホスファチジ
ルコリン量は70%である。しかも、分化誘導活性を示す
sn−2位にドコサヘキサエン酸を結合するホスファチジ
ルコリンは卵ホスファチジルコリンの主成分である。ま
た、ドコサヘキサエン酸含有ホスファチジルコリンは逆
相分配クロマトグラフィーにおいては最初に溶離する成
分であり、使用する溶離液もメタノール単独で十分であ
る点から分取しやすい材料である。
水産動物の卵から得られる総脂質中のホスファチジルコ
リンは上述したように30%以上もあり、さらに活性を示
す分子種はクロマトグラム上のメインピークである点か
ら、活性を示す分子種のジアシルグリセロールを分取す
る原料に適している。
リンは上述したように30%以上もあり、さらに活性を示
す分子種はクロマトグラム上のメインピークである点か
ら、活性を示す分子種のジアシルグリセロールを分取す
る原料に適している。
また、ドコサヘキサエン酸は、植物性原料からは見出し
難く、動物性原料でも陸上動物よりも水産動物から見出
されるので、これらの動物の卵が原料として好ましい。
天然原料にはシャケやニシン等の水産動物の卵が入手容
易であり、また、養殖が盛んなハマチ、コイ、ウナギ、
ニジマス、クルマエビ等の卵も原料として好ましい。
難く、動物性原料でも陸上動物よりも水産動物から見出
されるので、これらの動物の卵が原料として好ましい。
天然原料にはシャケやニシン等の水産動物の卵が入手容
易であり、また、養殖が盛んなハマチ、コイ、ウナギ、
ニジマス、クルマエビ等の卵も原料として好ましい。
これらの原料は、可能な限り新鮮であることが望まし
く、採卵後直ちに冷凍、凍結乾燥または真空乾燥処理し
た原料を使用すると、原料中の酸価の上昇、得られる目
的物の過酸化物価の上昇による品質低下を避けることが
でき、良質な目的物を得ることができる。
く、採卵後直ちに冷凍、凍結乾燥または真空乾燥処理し
た原料を使用すると、原料中の酸価の上昇、得られる目
的物の過酸化物価の上昇による品質低下を避けることが
でき、良質な目的物を得ることができる。
従って、本発明では、まず、水産動物の卵を原料として
ホスファチジルコリンを分離する。ホスファチジルコリ
ンの分離は、常法により例えば溶剤抽出後に行うことが
できる。その際、材料に対して例えば蒸留水およびメタ
ノール−クロロホルム系溶媒、アセトン、エーテル、ヘ
キサン等の溶剤を加え、必要に応じて、その混合物をロ
ウルデス・ホモジナイザー、ソルバール・オムニミキサ
ー、ワーリングブレンダー、ポッター・エルベージェ
ム、ガラスホモミキサー等によってホモジナイズする。
無酸素状態下として、例えば真空下、窒素気流下および
二酸化炭素気流下に、0℃〜60℃、10〜180分溶剤抽出
することができる。溶剤は魚卵1部に対して1〜5部添
加するのが普通である。
ホスファチジルコリンを分離する。ホスファチジルコリ
ンの分離は、常法により例えば溶剤抽出後に行うことが
できる。その際、材料に対して例えば蒸留水およびメタ
ノール−クロロホルム系溶媒、アセトン、エーテル、ヘ
キサン等の溶剤を加え、必要に応じて、その混合物をロ
ウルデス・ホモジナイザー、ソルバール・オムニミキサ
ー、ワーリングブレンダー、ポッター・エルベージェ
ム、ガラスホモミキサー等によってホモジナイズする。
無酸素状態下として、例えば真空下、窒素気流下および
二酸化炭素気流下に、0℃〜60℃、10〜180分溶剤抽出
することができる。溶剤は魚卵1部に対して1〜5部添
加するのが普通である。
溶剤抽出した総脂質からホスファチジルコリンを分離す
る方法としては、例えば次のような方法がある。総脂質
を冷アセトン処理してリン脂質を分画してからカラムク
ロマト法で分離する方法、総脂質を直接シリカゲルクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン→クロロホルム→メタ
ノールと溶媒の混合比率を無極性溶媒から極性へ変化さ
せながら分離する方法等である。
る方法としては、例えば次のような方法がある。総脂質
を冷アセトン処理してリン脂質を分画してからカラムク
ロマト法で分離する方法、総脂質を直接シリカゲルクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン→クロロホルム→メタ
ノールと溶媒の混合比率を無極性溶媒から極性へ変化さ
せながら分離する方法等である。
次に、総脂質中のホスファチジルコリンより逆相分配カ
ラム、例えば高速液体クロマトグラフィー、好ましくは
全自動分取型高性能液体クロマトグラフィーによって分
取し、次いで活性を示す分子種のホスファチジルコリン
を、ホスホリパーゼCで処理する。ホスファチジルコリ
ンをホスホリパーゼCで処理すると目的のジアシルグリ
セロールとコリンホスフェートに加水分解される。
ラム、例えば高速液体クロマトグラフィー、好ましくは
全自動分取型高性能液体クロマトグラフィーによって分
取し、次いで活性を示す分子種のホスファチジルコリン
を、ホスホリパーゼCで処理する。ホスファチジルコリ
ンをホスホリパーゼCで処理すると目的のジアシルグリ
セロールとコリンホスフェートに加水分解される。
本発明に用いることができるホスホリパーゼCは、一種
のホスホジエステラーゼで、グリセロリン脂質やスフィ
ンゴミエリンのリン酸ジエステル結合を加水分解し、ジ
アシルグリセロールやセラミドとリン酸モノエステルを
生成する一群の酵素の総称である。ホスホリパーゼC
は、クロストリジウム属の細菌やバチルス・セレウス等
の培養濾液から得られるものを用いることができる。反
応生成物は、エチルエーテル等の溶媒で抽出して分析す
ることができる。
のホスホジエステラーゼで、グリセロリン脂質やスフィ
ンゴミエリンのリン酸ジエステル結合を加水分解し、ジ
アシルグリセロールやセラミドとリン酸モノエステルを
生成する一群の酵素の総称である。ホスホリパーゼC
は、クロストリジウム属の細菌やバチルス・セレウス等
の培養濾液から得られるものを用いることができる。反
応生成物は、エチルエーテル等の溶媒で抽出して分析す
ることができる。
反応生成物のジアシルグリセロールの立体特異性を測定
するには、例えばシリカゲル薄層クロマトグラフィーに
付し、クロロホルム/アセトン/メタノール(90/9/1,v
ol/vol/vol)を展開溶媒とし、未蒸留モノグリセリドを
標準物質として展開し、ヨウ素蒸気で発色させる。その
結果、この反応生成物はsn−1位、2位ジアシルグリセ
ロールであると同定される。また、この反応生成物の推
定される分子種を分析するには、例えばFAB−MS(Po
s.)への直接導入法により分子イオンに相当するm/zを
測定する。その結果m/z663(M+Na;C16:0−ドコサヘキ
サエン酸・ジアシルグリセロールに相当)、m/z689(M
+Na;C18:1−ドコサヘキサエン酸・ジアシルグリセロー
ルに相当)、m/z671(M+Na;C18:0−ドコサヘキサエン
酸・ジアシルグリセロールに相当)に高い強度が見られ
る。
するには、例えばシリカゲル薄層クロマトグラフィーに
付し、クロロホルム/アセトン/メタノール(90/9/1,v
ol/vol/vol)を展開溶媒とし、未蒸留モノグリセリドを
標準物質として展開し、ヨウ素蒸気で発色させる。その
結果、この反応生成物はsn−1位、2位ジアシルグリセ
ロールであると同定される。また、この反応生成物の推
定される分子種を分析するには、例えばFAB−MS(Po
s.)への直接導入法により分子イオンに相当するm/zを
測定する。その結果m/z663(M+Na;C16:0−ドコサヘキ
サエン酸・ジアシルグリセロールに相当)、m/z689(M
+Na;C18:1−ドコサヘキサエン酸・ジアシルグリセロー
ルに相当)、m/z671(M+Na;C18:0−ドコサヘキサエン
酸・ジアシルグリセロールに相当)に高い強度が見られ
る。
このホスファチジルコリンから得られたジアシルグリセ
ロールは原料ホスファチジルコリンのホスホリパーゼA2
の加水分解によりsn−2位にドコサヘキサエン酸が結合
していたことは証明されている。即ち、この反応生成物
はドコサヘキサエン酸をsn−2位に結合しているsn−1
位、2位ジアシルグリセロールである。このジアシルグ
リセロールは総脂質中のジアシルグリセロールから分取
された活性を示す分子種群のジアシルグリセロールと同
等の分化誘導活性を示す。
ロールは原料ホスファチジルコリンのホスホリパーゼA2
の加水分解によりsn−2位にドコサヘキサエン酸が結合
していたことは証明されている。即ち、この反応生成物
はドコサヘキサエン酸をsn−2位に結合しているsn−1
位、2位ジアシルグリセロールである。このジアシルグ
リセロールは総脂質中のジアシルグリセロールから分取
された活性を示す分子種群のジアシルグリセロールと同
等の分化誘導活性を示す。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、水産動物の卵を原料として精製
処理することにより、植物細胞、受精卵および癌細胞、
例えば奇形腫細胞、白血病細胞等の如き未分化細胞を正
常細胞に分化誘導する作用(腫瘍細胞や癌細胞に対して
は制癌作用)を有するドコサヘキサエン酸をsn−2位に
結合しているジアシルグリセロールを、簡単な方法で、
しかも天然の立体特異性を維持したまま、高収率で得る
ことが出来る。
処理することにより、植物細胞、受精卵および癌細胞、
例えば奇形腫細胞、白血病細胞等の如き未分化細胞を正
常細胞に分化誘導する作用(腫瘍細胞や癌細胞に対して
は制癌作用)を有するドコサヘキサエン酸をsn−2位に
結合しているジアシルグリセロールを、簡単な方法で、
しかも天然の立体特異性を維持したまま、高収率で得る
ことが出来る。
(実施例) 以下、本発明を実施例および試験例によって更に詳細に
説明する。
説明する。
実施例1 採卵後直ちに冷凍したニジマスの受精卵を窒素気流下で
解凍した。この原料1300gをアセトン2lに入れ、窒素気
流下、T.H.ホモミキサー(特殊機工工業製)で荒くホモ
ゲナイズしてからエクセル・オート・ホモゲナイザー
(日本精器製作所製)で氷冷状態下30分ホモゲナイズし
た。
解凍した。この原料1300gをアセトン2lに入れ、窒素気
流下、T.H.ホモミキサー(特殊機工工業製)で荒くホモ
ゲナイズしてからエクセル・オート・ホモゲナイザー
(日本精器製作所製)で氷冷状態下30分ホモゲナイズし
た。
懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液と湿ケーキに分
けた。濾液からアセトン抽出物10gを得た。乳灰色の湿
ケーキ830gをエチルエーテル3lに入れ、スリーワンモー
タータイプ600GM(新東科学製)で200rpmで回転しなが
ら30分間抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、
濾液と湿ケーキに分けた。濾液からエチルエーテル抽出
物48gを得た。乳灰色の湿ケーキ770gをクロロホルム−
メタノール(1/1,vol/vol)混液1で2回、分液漏斗
中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液
と乳灰色の湿ケーキに分けた。濾液からクロロホルム−
メタモノール抽出物55gを得た。乳灰色の湿ケーキ60gに
クロロホルム−メタノール(2/1,vol/vol)混液1.5lで
2回、分液漏斗中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗
で濾過し、濾液と湿ケーキに分けた。濾液からクロロホ
ルム−メタノール抽出物を5g得た。各脂質抽出物を一緒
にした。総脂質量118gであった(対原料収率9.1%)。
けた。濾液からアセトン抽出物10gを得た。乳灰色の湿
ケーキ830gをエチルエーテル3lに入れ、スリーワンモー
タータイプ600GM(新東科学製)で200rpmで回転しなが
ら30分間抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、
濾液と湿ケーキに分けた。濾液からエチルエーテル抽出
物48gを得た。乳灰色の湿ケーキ770gをクロロホルム−
メタノール(1/1,vol/vol)混液1で2回、分液漏斗
中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液
と乳灰色の湿ケーキに分けた。濾液からクロロホルム−
メタモノール抽出物55gを得た。乳灰色の湿ケーキ60gに
クロロホルム−メタノール(2/1,vol/vol)混液1.5lで
2回、分液漏斗中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗
で濾過し、濾液と湿ケーキに分けた。濾液からクロロホ
ルム−メタノール抽出物を5g得た。各脂質抽出物を一緒
にした。総脂質量118gであった(対原料収率9.1%)。
総脂質の全量をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカ60、和光純薬製:8φ×40cmカラムに2l)に付し
た後、ヘキサン中にクロロホルムの比率を上げていく溶
離液系で中性脂質を除去した。中性脂質の回収量69g
で、組成は薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン−エチルエーテル−酢酸50/50/1,vol/vol/vol)分析
でトリアシルグリセロールが主体であった。
(シリカ60、和光純薬製:8φ×40cmカラムに2l)に付し
た後、ヘキサン中にクロロホルムの比率を上げていく溶
離液系で中性脂質を除去した。中性脂質の回収量69g
で、組成は薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン−エチルエーテル−酢酸50/50/1,vol/vol/vol)分析
でトリアシルグリセロールが主体であった。
中性脂質を除いたカラムに、クロロホルム中にメタノー
ルの比率を上げていく溶離液系を流した。クロロホルム
対メタノールの比率が35:65〜25:75の範囲にホスファチ
ジルコリンを主成分とする区分が溶出し、脱溶媒後、28
gのホスファチジルコリンを得た。ホスファチジルコリ
ン区分の判定は、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:
クロロホルム−メタノール−水65/25/4,vol/vol/vol)
で行った。この分画の内、薄層クロマトグラフィーでRf
値0.20〜0.30(ホスファチジルコリン)にシングルスポ
ットのみが認められる分画を集めて、窒素気流下で脱溶
媒を行い、純ホスファチジルコリンを16.7g得た。
ルの比率を上げていく溶離液系を流した。クロロホルム
対メタノールの比率が35:65〜25:75の範囲にホスファチ
ジルコリンを主成分とする区分が溶出し、脱溶媒後、28
gのホスファチジルコリンを得た。ホスファチジルコリ
ン区分の判定は、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:
クロロホルム−メタノール−水65/25/4,vol/vol/vol)
で行った。この分画の内、薄層クロマトグラフィーでRf
値0.20〜0.30(ホスファチジルコリン)にシングルスポ
ットのみが認められる分画を集めて、窒素気流下で脱溶
媒を行い、純ホスファチジルコリンを16.7g得た。
次いで、得られたホスファチジルコリンを167mlのベン
ゼンに溶解してクロマトグラフィー用サンプル溶液とし
た。サンプル溶液は、全自動分取型液体クロマトグラフ
ィー(東洋曹逹工業製、HLC−837)にODS(オクタデシ
ルシリル基を化学結合させたシリカゲル)充填カラム
(ODS−120T、φ55mm×60cm)を装着し、溶離液として
メタノールを40ml/minの速度で流しながら、6mlを自動
注入し、目的物のメインピーク部を連続28回分取した。
分取区分を窒素気流下で脱溶媒して目的物のホスファチ
ジルコリンを12.2g得た。
ゼンに溶解してクロマトグラフィー用サンプル溶液とし
た。サンプル溶液は、全自動分取型液体クロマトグラフ
ィー(東洋曹逹工業製、HLC−837)にODS(オクタデシ
ルシリル基を化学結合させたシリカゲル)充填カラム
(ODS−120T、φ55mm×60cm)を装着し、溶離液として
メタノールを40ml/minの速度で流しながら、6mlを自動
注入し、目的物のメインピーク部を連続28回分取した。
分取区分を窒素気流下で脱溶媒して目的物のホスファチ
ジルコリンを12.2g得た。
分取されたホスファチジルコリンを三弗化ホウ素メタノ
ール法でメチルエステル化し、キャピラリーカラムガス
クロマトグラフィー(液相:カーボワックス−20M、25
m、170℃)で脂肪酸組成を測定した。その結果、ドコサ
ヘキサエン酸は41%で、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸が各約10%を占めていた。
ール法でメチルエステル化し、キャピラリーカラムガス
クロマトグラフィー(液相:カーボワックス−20M、25
m、170℃)で脂肪酸組成を測定した。その結果、ドコサ
ヘキサエン酸は41%で、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸が各約10%を占めていた。
このホスファチジルコリンをホスホリパーゼA2で加水分
解し、三弗化ホウ素メタノール法でメチルエステル化
し、キャピラリーカラムガスクロマトグラフィーでsn−
2位の脂肪酸組成を測定した。その結果、ドコサヘキサ
エン酸は82%であり、その他に数本の微小ピークが認め
られた。
解し、三弗化ホウ素メタノール法でメチルエステル化
し、キャピラリーカラムガスクロマトグラフィーでsn−
2位の脂肪酸組成を測定した。その結果、ドコサヘキサ
エン酸は82%であり、その他に数本の微小ピークが認め
られた。
また、ホスファチジルコリンの過酸化脂質量は、電位差
滴定法(自動滴定装置GT−05、三菱化成工業(株)製)
で測定した結果、27.5meq./kgであった。
滴定法(自動滴定装置GT−05、三菱化成工業(株)製)
で測定した結果、27.5meq./kgであった。
分取されたホスファチジルコリンの一部500mgを600μl
のメタノールに溶解し、ホスホリパーゼC(シグマ社
製、No.EC3.1.4.3;バチルス・セレウス(Bacillus cere
us)起源)を300unit、0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.
4)を5ml、0.05M塩化カルシウムを3ml、エチルエーテル
を3ml加えた。反応混合物をスクリューキャップ付20ml
の試験管中にテフロンスターラーバーと共に加えて、35
℃で1時間激しく撹拌しながらインキュベーションし
た。
のメタノールに溶解し、ホスホリパーゼC(シグマ社
製、No.EC3.1.4.3;バチルス・セレウス(Bacillus cere
us)起源)を300unit、0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.
4)を5ml、0.05M塩化カルシウムを3ml、エチルエーテル
を3ml加えた。反応混合物をスクリューキャップ付20ml
の試験管中にテフロンスターラーバーと共に加えて、35
℃で1時間激しく撹拌しながらインキュベーションし
た。
反応混合物にエチルエーテル10mlを加えてから分液漏斗
に移し、抽出後、窒素気流下で濃縮した。エチルエーテ
ルで抽出された反応混合物中の未反応のホスファチジル
コリンを除去するため、アセトンを1ml加え、ホスファ
チジルコリンを沈殿させた。エチルエーテル層を硫酸ナ
トリウムで脱水し、さらに、窒素気流下で脱溶媒して目
的のコリン基が切除されたジアシルグリセロールが420m
g得られた。
に移し、抽出後、窒素気流下で濃縮した。エチルエーテ
ルで抽出された反応混合物中の未反応のホスファチジル
コリンを除去するため、アセトンを1ml加え、ホスファ
チジルコリンを沈殿させた。エチルエーテル層を硫酸ナ
トリウムで脱水し、さらに、窒素気流下で脱溶媒して目
的のコリン基が切除されたジアシルグリセロールが420m
g得られた。
得られたジアシルグリセロールは油状であり、クロロホ
ルム、ヘキサンに可溶で水に不溶であった。
ルム、ヘキサンに可溶で水に不溶であった。
薄層クロマトグラフィーのクロロホルム/メタノール/
水系(65/25/4,vol/vol/vol)展開溶媒で反応前後の成
分を測定した。
水系(65/25/4,vol/vol/vol)展開溶媒で反応前後の成
分を測定した。
反応後の成分のRf値は、反応前の0.3から0.8に変化し、
ドラーゲンドルフ試薬とディトマー・レスター試薬に対
する発色が陽性から陰性に変化した。クロロホルム/ア
セトン/メタノール系(90/9/1,vol/vol/vol)展開溶媒
で標準体として未蒸留モノグリセリドと共に反応後の成
分を測定した。
ドラーゲンドルフ試薬とディトマー・レスター試薬に対
する発色が陽性から陰性に変化した。クロロホルム/ア
セトン/メタノール系(90/9/1,vol/vol/vol)展開溶媒
で標準体として未蒸留モノグリセリドと共に反応後の成
分を測定した。
反応後の成分はRf値が0.65で、標準体のsn−1位、2位
ジアシルグリセロールの位置に相当していた。本成分は
FAB−MSによって、分子量640(〔M+Na〕+663)、分子量
666(〔M+Na〕+689)および分子量668(〔M+Na〕+691)
が認められた(第1図)。
ジアシルグリセロールの位置に相当していた。本成分は
FAB−MSによって、分子量640(〔M+Na〕+663)、分子量
666(〔M+Na〕+689)および分子量668(〔M+Na〕+691)
が認められた(第1図)。
実施例2 採卵後直ちに冷凍したニジマスの受精卵を窒素気流下で
解凍した。この原料1500gをクロロホルム/メタノール
(2/1,vol/vol)混液6lに入れ、窒素気流下、T.H.ホモ
ミキサー(特殊機工工業製)で高速で剪断抽出しながら
氷冷状態下30分間ホモゲナイズした。
解凍した。この原料1500gをクロロホルム/メタノール
(2/1,vol/vol)混液6lに入れ、窒素気流下、T.H.ホモ
ミキサー(特殊機工工業製)で高速で剪断抽出しながら
氷冷状態下30分間ホモゲナイズした。
懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液と乳灰色の湿ケ
ーキに分けた。乳灰色の湿ケーキ910gを上記溶媒2lに入
れ、上記と同一の条件で処理した。同様に懸濁液から濾
液を湿ケーキに分けた。乳灰色の湿ケーキ780gを上記溶
媒2lに入れ同一条件で処理した。さらに3回目の懸濁液
から濾液と湿ケーキの濾別を行った。全濾液を集めて遠
心分離し、上澄液にクロロホルム3lと蒸留水3lを加え
て、よく水洗した後、遠心分離で二層に分離した。
ーキに分けた。乳灰色の湿ケーキ910gを上記溶媒2lに入
れ、上記と同一の条件で処理した。同様に懸濁液から濾
液を湿ケーキに分けた。乳灰色の湿ケーキ780gを上記溶
媒2lに入れ同一条件で処理した。さらに3回目の懸濁液
から濾液と湿ケーキの濾別を行った。全濾液を集めて遠
心分離し、上澄液にクロロホルム3lと蒸留水3lを加え
て、よく水洗した後、遠心分離で二層に分離した。
下層のクロロホルム層を集めて、窒素気流下、ロータリ
ーエバポレーターを用い、30℃で濃縮し、溶媒留去の最
後にベンゼン100mlを加えて脱水を行いながら脱溶媒し
た。溶媒を留去した抽出物を真空デシケーターで一昼夜
乾燥して得られた全脂質の重量は、127g(対原料収率8.
5%)であった。
ーエバポレーターを用い、30℃で濃縮し、溶媒留去の最
後にベンゼン100mlを加えて脱水を行いながら脱溶媒し
た。溶媒を留去した抽出物を真空デシケーターで一昼夜
乾燥して得られた全脂質の重量は、127g(対原料収率8.
5%)であった。
得られた全脂質を氷冷アセトン1.3l中に入れ、窒素気流
下、スリーワンモータータイプ600GM(新東科学製)で2
00rpmで回転しながら10分間抽出した。アセトン懸濁液
を冷却したブッフナー漏斗で濾過し、沈殿を回収した。
この沈殿に、上記同様の冷アセトン処理を4回繰り返し
て、完全に中性脂質を除いたリン脂質分画57g(総脂質
中45.2%)を得た。リン脂質全量をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(富士ゲルCG−3、水戸化学製、5φ
×40cmカラムに700cc)に付した後、クロロホルム−メ
タノール(4/1,vol/vol)混液の溶離液系でホスファチ
ジルコリン以前に溶出するホスファチジルエタノールア
ミン等のリン脂質を除去した。
下、スリーワンモータータイプ600GM(新東科学製)で2
00rpmで回転しながら10分間抽出した。アセトン懸濁液
を冷却したブッフナー漏斗で濾過し、沈殿を回収した。
この沈殿に、上記同様の冷アセトン処理を4回繰り返し
て、完全に中性脂質を除いたリン脂質分画57g(総脂質
中45.2%)を得た。リン脂質全量をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(富士ゲルCG−3、水戸化学製、5φ
×40cmカラムに700cc)に付した後、クロロホルム−メ
タノール(4/1,vol/vol)混液の溶離液系でホスファチ
ジルコリン以前に溶出するホスファチジルエタノールア
ミン等のリン脂質を除去した。
さらに純粋なホスファチジルコリンを分画するためクロ
ロホルム−メタノール(3/2,vol/vol)混液の溶離液系
で溶出させた。溶離液500mlずつ分画し、各分画を薄層
クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノ
ール−水65/25/4,vol/vol/vol)で測定した。薄層クロ
マトグラフィー上のRf値0.20〜0.30(ホスファチジルコ
リン)にシングルスポットのみが認められる分画を集め
て、窒素気流下に脱溶媒を行い、純ホスファチジルコリ
ンを19g得た。
ロホルム−メタノール(3/2,vol/vol)混液の溶離液系
で溶出させた。溶離液500mlずつ分画し、各分画を薄層
クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノ
ール−水65/25/4,vol/vol/vol)で測定した。薄層クロ
マトグラフィー上のRf値0.20〜0.30(ホスファチジルコ
リン)にシングルスポットのみが認められる分画を集め
て、窒素気流下に脱溶媒を行い、純ホスファチジルコリ
ンを19g得た。
次いで、得られたホスファチジルコリンを190mlのベン
ゼンに溶解してクロマトグラフィー用サンプル溶液とし
た。サンプル溶液は、全自動分取型液体クロマトグラフ
ィー(東洋曹逹工業製、HLC−837)にODS充填カラム(O
DS−120T、φ55mm×60cm)を装着し、溶離液としてメタ
ノールを40ml/minの速度で流しながら、6mlを自動注入
し、目的物のメインピーク部を連続32回分取した。分取
区分を窒素気流下で脱溶媒して目的物のホスファチジル
コリンを13.9g得た。
ゼンに溶解してクロマトグラフィー用サンプル溶液とし
た。サンプル溶液は、全自動分取型液体クロマトグラフ
ィー(東洋曹逹工業製、HLC−837)にODS充填カラム(O
DS−120T、φ55mm×60cm)を装着し、溶離液としてメタ
ノールを40ml/minの速度で流しながら、6mlを自動注入
し、目的物のメインピーク部を連続32回分取した。分取
区分を窒素気流下で脱溶媒して目的物のホスファチジル
コリンを13.9g得た。
このホスファチジルコリンを実施例1と同様に分析した
ところ、脂肪酸組成としてドコサヘキサエン酸を40%含
有しており、またホスホリパーゼA2で加水分解して得た
sn−2位の脂肪酸組成は、ドコサヘキサエン酸を83%含
有していた。また、過酸化脂質量は、23.8meq./kgであ
った。
ところ、脂肪酸組成としてドコサヘキサエン酸を40%含
有しており、またホスホリパーゼA2で加水分解して得た
sn−2位の脂肪酸組成は、ドコサヘキサエン酸を83%含
有していた。また、過酸化脂質量は、23.8meq./kgであ
った。
分取されたホスファチジルコリンの一部700mgを800μl
のメタノールに溶解し、ホスホリパーゼC(シグマ社
製、No.EC3.1.4.3;クロストリジウム・ペルフリンゲン
ス(Clostridium perfringens)起源)を400unit、0.2M
トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を6ml、0.05M塩化カルシ
ウムを3.5ml、エチルエーテルを4ml加えた。反応混合物
をスクリューキャップ付20mlの試験管中にテフロンスタ
ーラーバーと共に加えて、35℃で1時間激しく撹拌しな
がらインキュベーションした。
のメタノールに溶解し、ホスホリパーゼC(シグマ社
製、No.EC3.1.4.3;クロストリジウム・ペルフリンゲン
ス(Clostridium perfringens)起源)を400unit、0.2M
トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を6ml、0.05M塩化カルシ
ウムを3.5ml、エチルエーテルを4ml加えた。反応混合物
をスクリューキャップ付20mlの試験管中にテフロンスタ
ーラーバーと共に加えて、35℃で1時間激しく撹拌しな
がらインキュベーションした。
反応混合物にエチルエーテル12mlを加えてから分液漏斗
に移し、抽出後、窒素気流下で濃縮した。エチルエーテ
ルで抽出した反応混合物中の未反応のホスファチジルコ
リンを除去するため、氷冷アセトンを1ml加え、ホスフ
ァチジルコリンを沈殿させた。エチルエーテル層を硫酸
ナトリウムで脱水し、さらに、窒素気流下で脱溶媒して
目的のジアシルグリセロールが598mg得られた。
に移し、抽出後、窒素気流下で濃縮した。エチルエーテ
ルで抽出した反応混合物中の未反応のホスファチジルコ
リンを除去するため、氷冷アセトンを1ml加え、ホスフ
ァチジルコリンを沈殿させた。エチルエーテル層を硫酸
ナトリウムで脱水し、さらに、窒素気流下で脱溶媒して
目的のジアシルグリセロールが598mg得られた。
得られたジアシルグリセロールは油状であり、クロロホ
ルム、ヘキサンに可溶で水に不溶であった。
ルム、ヘキサンに可溶で水に不溶であった。
薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム/メ
タノール/水系(65/25/4,vol/vol/vol)で反応前後の
成分を測定した。
タノール/水系(65/25/4,vol/vol/vol)で反応前後の
成分を測定した。
反応後の成分のRf値は、反応前の0.3から0.8に変化し、
ドラーゲンドルフ試薬とディトマー・レスター試薬に対
する発色が陽性から陰性に変化した。さらに、薄層クロ
マトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/アセトン・
メタノール系(90/9/1,vol/vol/vol)で標準体として未
蒸留モノグリセリドと共に反応後の成分を測定した。
ドラーゲンドルフ試薬とディトマー・レスター試薬に対
する発色が陽性から陰性に変化した。さらに、薄層クロ
マトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/アセトン・
メタノール系(90/9/1,vol/vol/vol)で標準体として未
蒸留モノグリセリドと共に反応後の成分を測定した。
反応後の成分はRf値が0.65で、標準体のsn−1位、2位
ジアシルグリセロール(一般名β−ジアシルグリセロー
ル)の位置に相当していた。本成分は、FAB−MSによっ
て分子量640(〔M+Na〕+663)、分子量666(〔M+N
a〕+689)および分子量668(〔M+Na〕+691)が認め
られた。
ジアシルグリセロール(一般名β−ジアシルグリセロー
ル)の位置に相当していた。本成分は、FAB−MSによっ
て分子量640(〔M+Na〕+663)、分子量666(〔M+N
a〕+689)および分子量668(〔M+Na〕+691)が認め
られた。
実施例3 タラの卵500gを実施例1と同様に溶剤処理して、脂質14
g(対原料収率2.8%)を得た。この脂質の全量を実施例
1と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し
て同様に処理し、薄層クロマトグラフィーでRf値0.20〜
0.35のシングルスポットを示す純ホスファチジルコリン
分画4.8gを得た。
g(対原料収率2.8%)を得た。この脂質の全量を実施例
1と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し
て同様に処理し、薄層クロマトグラフィーでRf値0.20〜
0.35のシングルスポットを示す純ホスファチジルコリン
分画4.8gを得た。
次いで、この純ホスファチジルコリンを実施例1と同様
に全自動大量分取液体クロマトグラフィーに付して、連
続14回自動分取を繰り返し、メインピークを分取して、
目的のホスファチジルコリン3.3gを得た。
に全自動大量分取液体クロマトグラフィーに付して、連
続14回自動分取を繰り返し、メインピークを分取して、
目的のホスファチジルコリン3.3gを得た。
このホスファチジルコリンを実施例1と同様に分析した
ところ、脂肪酸組成としてドコサヘキサエン酸を40%含
有しており、また、ホスホリパーゼA2で加水分解して得
たsn−2位の脂肪酸組成は、ドコサヘキサエン酸を82%
含有していた。また、過酸化脂質量は15.6meq./kgであ
った。
ところ、脂肪酸組成としてドコサヘキサエン酸を40%含
有しており、また、ホスホリパーゼA2で加水分解して得
たsn−2位の脂肪酸組成は、ドコサヘキサエン酸を82%
含有していた。また、過酸化脂質量は15.6meq./kgであ
った。
次いで、分取されたホスファチジルコリンの一部500mg
を、実施例1と同じホスホリパーゼCを用いて同様に処
理し、コリン基が切断された目的のジアシルグリセロー
ル370mgを得た。このジアシルグリセロールは、実施例
1と同じ試験をした結果、同様の性状と特性値を示した
ので、sn−2位にドコサヘキサエン酸を含有するドコサ
ヘキサエニルジアシルグリセロールであると認められ
た。
を、実施例1と同じホスホリパーゼCを用いて同様に処
理し、コリン基が切断された目的のジアシルグリセロー
ル370mgを得た。このジアシルグリセロールは、実施例
1と同じ試験をした結果、同様の性状と特性値を示した
ので、sn−2位にドコサヘキサエン酸を含有するドコサ
ヘキサエニルジアシルグリセロールであると認められ
た。
実施例4 ニシンの卵500gを実施例1と同様に溶剤処理して、脂質
13.5g(対原料収率2.7%)を得た。この脂質の全量を実
施例2と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付して同様に処理し、薄層クロマトグラフィーでRf値0.
20〜0.35のシングルスポットを示す純ホスファチジルコ
リン分画5.3gを得た。
13.5g(対原料収率2.7%)を得た。この脂質の全量を実
施例2と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付して同様に処理し、薄層クロマトグラフィーでRf値0.
20〜0.35のシングルスポットを示す純ホスファチジルコ
リン分画5.3gを得た。
次いで、この純ホスファチジルコリンを実施例1と同様
に全自動大量分取液体クロマトグラフィーに付して、連
続11回自動分取を繰り返し、メインピークを分取して、
目的のホスファチジルコリン3.9gを得た。
に全自動大量分取液体クロマトグラフィーに付して、連
続11回自動分取を繰り返し、メインピークを分取して、
目的のホスファチジルコリン3.9gを得た。
このホスファチジルコリンを実施例1と同様に分析した
ところ、脂肪酸組成としてドコサヘキサエン酸を42%含
有しており、また、ホスホリパーゼA2で加水分解して得
たsn−2位の脂肪酸組成は、ドコサヘキサエン酸を85%
含有していた。また、過酸化脂質量は9.8meq./kgであっ
た。
ところ、脂肪酸組成としてドコサヘキサエン酸を42%含
有しており、また、ホスホリパーゼA2で加水分解して得
たsn−2位の脂肪酸組成は、ドコサヘキサエン酸を85%
含有していた。また、過酸化脂質量は9.8meq./kgであっ
た。
次いで、分取されたホスファチジルコリンの一部700mg
を、実施例2と同じホスホリパーゼCを用いて同様に処
理し、コリン基が切断された目的のジアシルグリセロー
ル512mgを得た。このジアシルグリセロールは、実施例
1と同じ試験をした結果、同様の性状と特性値を示した
ので、sn−2位にドコサヘキサエン酸を含有するドコサ
ヘキサエニルジアシルグリセロールであると認められ
た。
を、実施例2と同じホスホリパーゼCを用いて同様に処
理し、コリン基が切断された目的のジアシルグリセロー
ル512mgを得た。このジアシルグリセロールは、実施例
1と同じ試験をした結果、同様の性状と特性値を示した
ので、sn−2位にドコサヘキサエン酸を含有するドコサ
ヘキサエニルジアシルグリセロールであると認められ
た。
実施例5 採卵後直ちに冷凍したクルマエビの卵を窒素気流下で解
凍した。この原料1000gをアセトン1.5lに入れ、窒素気
流下、T.H.ホモミキサー(特殊機工工業製)で荒くホモ
ゲナイズしてからエクセル・オート・ホモゲナイザー
(日本精器製作所製)で氷冷状態下30分ホモゲナイズし
た。
凍した。この原料1000gをアセトン1.5lに入れ、窒素気
流下、T.H.ホモミキサー(特殊機工工業製)で荒くホモ
ゲナイズしてからエクセル・オート・ホモゲナイザー
(日本精器製作所製)で氷冷状態下30分ホモゲナイズし
た。
懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液と湿ケーキに分
けた。濾液からアセトン抽出物7gを得た。乳灰色の湿ケ
ーキ630gをエチルエーテル2.5lに入れ、スリーワンモー
タータイプ600GM(新東科学製)で200rpmで回転しなが
ら30分間抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、
濾液と湿ケーキに分けた。濾液からエチルエーテル抽出
物35gを得た。乳灰色の湿ケーキ580gをクロロホルム−
メタノール(1/1,vol/vol)混液1で2回、分液漏斗
中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液
と乳灰色の湿ケーキに分けた。濾液からクロロホルム−
メタノール抽出物40gを得た。乳灰色の湿ケーキ535gに
クロロホルム−メタノール(2/1,vol/vol)混液1.5lで
2回、分液漏斗中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗
で濾過し、濾液と湿ケーキに分けた。濾液からクロロホ
ルム−メタノール抽出物を4g得た。各脂質抽出物を一緒
にした。総脂質量86gであった(対原料収率8.6%)。
けた。濾液からアセトン抽出物7gを得た。乳灰色の湿ケ
ーキ630gをエチルエーテル2.5lに入れ、スリーワンモー
タータイプ600GM(新東科学製)で200rpmで回転しなが
ら30分間抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、
濾液と湿ケーキに分けた。濾液からエチルエーテル抽出
物35gを得た。乳灰色の湿ケーキ580gをクロロホルム−
メタノール(1/1,vol/vol)混液1で2回、分液漏斗
中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗で濾過し、濾液
と乳灰色の湿ケーキに分けた。濾液からクロロホルム−
メタノール抽出物40gを得た。乳灰色の湿ケーキ535gに
クロロホルム−メタノール(2/1,vol/vol)混液1.5lで
2回、分液漏斗中で抽出した。懸濁液をブッフナー漏斗
で濾過し、濾液と湿ケーキに分けた。濾液からクロロホ
ルム−メタノール抽出物を4g得た。各脂質抽出物を一緒
にした。総脂質量86gであった(対原料収率8.6%)。
総脂質の全量をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカ60、和光純薬製:8φ×40cmカラムに2l)に付し
た後、ヘキサン中にクロロホルムの比率を上げていく溶
離液系で中性脂質を除去した。中性脂質の回収量54g
で、組成は薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン−エチルエーテル−酢酸50/50/1,vol/vol/vol)分析
でトリアシルグリセロールが主体であった。
(シリカ60、和光純薬製:8φ×40cmカラムに2l)に付し
た後、ヘキサン中にクロロホルムの比率を上げていく溶
離液系で中性脂質を除去した。中性脂質の回収量54g
で、組成は薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン−エチルエーテル−酢酸50/50/1,vol/vol/vol)分析
でトリアシルグリセロールが主体であった。
中性脂質を除いたカラムに、クロロホルム中にメタノー
ルの比率を上げていく溶離液系を流した。クロロホルム
対メタノールの比率が35:65〜25:75の範囲にホスファチ
ジルコリンを主成分とする区分が溶出し、脱溶媒後、2
4.7gのホスファチジルコリンを得た。ホスファチジルコ
リン区分の判定は、薄層クロマトグラフィー(展開溶
媒:クロロホルム−メタノール−水65/25/4,vol/vol/vo
l)で行った。この分画の内、薄層クロマトグラフィー
でRf値0.20〜0.30(ホスファチジルコリン)にシングル
スポットのみが認められる分画を集めて、窒素気流下で
脱溶媒を行い、純ホスファチジルコリンを15.1g得た。
ルの比率を上げていく溶離液系を流した。クロロホルム
対メタノールの比率が35:65〜25:75の範囲にホスファチ
ジルコリンを主成分とする区分が溶出し、脱溶媒後、2
4.7gのホスファチジルコリンを得た。ホスファチジルコ
リン区分の判定は、薄層クロマトグラフィー(展開溶
媒:クロロホルム−メタノール−水65/25/4,vol/vol/vo
l)で行った。この分画の内、薄層クロマトグラフィー
でRf値0.20〜0.30(ホスファチジルコリン)にシングル
スポットのみが認められる分画を集めて、窒素気流下で
脱溶媒を行い、純ホスファチジルコリンを15.1g得た。
このホスファチジルコリンをホスホリパーゼA2で加水分
解し、三弗化ホウ素メタノール法でメチルエステル化
し、キャピラリーカラムガスクロマトグラフィーでsn−
2位の脂肪酸組成を測定した。その結果、ドコサヘキサ
エン酸は61%であり、その他にオレイン酸30%と数本の
微小ピークが認められた。
解し、三弗化ホウ素メタノール法でメチルエステル化
し、キャピラリーカラムガスクロマトグラフィーでsn−
2位の脂肪酸組成を測定した。その結果、ドコサヘキサ
エン酸は61%であり、その他にオレイン酸30%と数本の
微小ピークが認められた。
また、ホスファチジルコリンの過酸化脂質量は、電位差
滴定法(自動滴定装置GT−05、三菱化成工業(株)製)
で測定した結果、27.5meq./kgであった。
滴定法(自動滴定装置GT−05、三菱化成工業(株)製)
で測定した結果、27.5meq./kgであった。
分取されたホスファチジルコリンの一部500mgを600μl
のメタノールに溶解し、ホスホリパーゼC(シグマ社
製、No.EC3.1.4.3;バチルス・セレウス(Bacillus cere
us)起源)を300unit、0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.
4)を5ml、0.05M塩化カルシウムを3ml、エチルエーテル
を3ml加えた。反応混合物をスクリューキャップ付20ml
の試験管中にテフロンスターラーバーと共に加えて、35
℃で1時間激しく撹拌しながらインキュベーションし
た。
のメタノールに溶解し、ホスホリパーゼC(シグマ社
製、No.EC3.1.4.3;バチルス・セレウス(Bacillus cere
us)起源)を300unit、0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.
4)を5ml、0.05M塩化カルシウムを3ml、エチルエーテル
を3ml加えた。反応混合物をスクリューキャップ付20ml
の試験管中にテフロンスターラーバーと共に加えて、35
℃で1時間激しく撹拌しながらインキュベーションし
た。
反応混合物にエチルエーテル10mlを加えてから分液漏斗
に移し、抽出後、窒素気流下で濃縮した。エチルエーテ
ルで抽出された反応混合物中の未反応のホスファチジル
コリンを除去するため、アセトンを1ml加え、ホスファ
チジルコリンを沈殿させた。エチルエーテル層を硫酸ナ
トリウムで脱水し、さらに、窒素気流下で脱溶媒して目
的のコリン基が切除されたジアシルグリセロールが410m
g得られた。
に移し、抽出後、窒素気流下で濃縮した。エチルエーテ
ルで抽出された反応混合物中の未反応のホスファチジル
コリンを除去するため、アセトンを1ml加え、ホスファ
チジルコリンを沈殿させた。エチルエーテル層を硫酸ナ
トリウムで脱水し、さらに、窒素気流下で脱溶媒して目
的のコリン基が切除されたジアシルグリセロールが410m
g得られた。
得られたジアシルグリセロールは油状であり、クロロホ
ルム、ヘキサンに可溶で水に不溶であった。
ルム、ヘキサンに可溶で水に不溶であった。
薄層クロマトグラフィーのクロロホルム/メタノール/
水系(65/25/4,vol/vol/vol)展開溶媒で反応前後の成
分を測定した。
水系(65/25/4,vol/vol/vol)展開溶媒で反応前後の成
分を測定した。
反応後の成分のRf値は、反応前の0.3から0.8に変化し、
ドラーゲンドルフ試薬とディトマー・レスター試薬に対
する発色が陽性から陰性に変化した。クロロホルム/ア
セトン/メタノール系(90/9/1,vol/vol/vol)展開溶媒
で標準体として未蒸留モノグリセリドと共に反応後の成
分を測定した。
ドラーゲンドルフ試薬とディトマー・レスター試薬に対
する発色が陽性から陰性に変化した。クロロホルム/ア
セトン/メタノール系(90/9/1,vol/vol/vol)展開溶媒
で標準体として未蒸留モノグリセリドと共に反応後の成
分を測定した。
反応後の成分はRf値が0.65で、標準体のsn−1位、2位
ジアシルグリセロールの位置に相当していた。本成分は
FAB−MSによって、分子量640(〔M+Na〕+663)、分
子量666(〔M+Na〕+689)および分子量668(〔M+N
a〕+691)が認められた。
ジアシルグリセロールの位置に相当していた。本成分は
FAB−MSによって、分子量640(〔M+Na〕+663)、分
子量666(〔M+Na〕+689)および分子量668(〔M+N
a〕+691)が認められた。
試験例 実施例で得られた化合物を用いて、フレンド白血病細胞
(マウス赤芽球性白血病(B8)細胞)に対する制癌活性
を確認した。HAMのF−12培地(GIBCO製)に、15%の牛
胎児血清および60mg/lのカナマイシンを加えたものに、
2.5×104cells/mlとなるようにB8細胞を接種し、これに
各実施例で得られた化合物を250μg加えた。この際、
最終容量は5mlであった。
(マウス赤芽球性白血病(B8)細胞)に対する制癌活性
を確認した。HAMのF−12培地(GIBCO製)に、15%の牛
胎児血清および60mg/lのカナマイシンを加えたものに、
2.5×104cells/mlとなるようにB8細胞を接種し、これに
各実施例で得られた化合物を250μg加えた。この際、
最終容量は5mlであった。
8.0%炭酸ガス中、37℃で7日間培養した後、オルキン
のベンチジン染色法により染色し、染色された細胞数、
即ち、赤血球への分化によりヘモグロビンを産生するよ
うになった細胞数を測定し、全細胞数に対する染色され
た細胞数の百分率から、分化誘導率(%)を求めた。実
施例で得られた化合物は50μg/mlの濃度で80%の分化誘
導率があった。
のベンチジン染色法により染色し、染色された細胞数、
即ち、赤血球への分化によりヘモグロビンを産生するよ
うになった細胞数を測定し、全細胞数に対する染色され
た細胞数の百分率から、分化誘導率(%)を求めた。実
施例で得られた化合物は50μg/mlの濃度で80%の分化誘
導率があった。
第1図は、本発明の実施例1で得られたジアシルグリセ
ロールの質量分析計FAB−MS(Pos.)による質量スペク
トルである。
ロールの質量分析計FAB−MS(Pos.)による質量スペク
トルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 旭 健一 埼玉県和光市諏訪原団地1―4―108 (72)発明者 高橋 信孝 東京都杉並区荻窪4丁目27番2号
Claims (1)
- 【請求項1】ドコサヘキサエン酸をsn−2位に結合して
いるsn−1,2−ジアシルグリセロールの製造にあたり、
水産動物の卵を原料として、無酸素状態下に溶剤抽出し
総脂質とし、得られた総脂質を冷溶剤で処理後、又は溶
剤抽出で得られた総脂質をそのままカラムクロマト法に
よりホスファチジルコリンを分離し、次いで逆相分配カ
ラムクロマト処理した後にホスホリパーゼCで加水分解
することを特徴とするドコサヘキサエノイルジアシルグ
リセロールの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31861687A JPH0762020B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | ドコサヘキサエノイルジアシルグリセロールの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31861687A JPH0762020B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | ドコサヘキサエノイルジアシルグリセロールの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01160988A JPH01160988A (ja) | 1989-06-23 |
| JPH0762020B2 true JPH0762020B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=18101126
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31861687A Expired - Fee Related JPH0762020B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | ドコサヘキサエノイルジアシルグリセロールの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0762020B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09268190A (ja) * | 1996-04-02 | 1997-10-14 | Sagami Chem Res Center | マイトマイシンc誘導体及び非受容体型チロシンキナーゼ阻害剤 |
| US6762203B2 (en) | 1999-08-03 | 2004-07-13 | Kao Corporation | Oil composition |
| US6956058B2 (en) | 2001-04-26 | 2005-10-18 | Kao Corporation | Method for improving insulin resistance |
| JP2016053156A (ja) * | 2014-09-02 | 2016-04-14 | 日清ファルマ株式会社 | 高度不飽和脂肪酸結合型リン脂質の製造方法 |
| CN109851630B (zh) * | 2017-11-30 | 2021-11-30 | 江苏曼氏生物科技股份有限公司 | 一种高含量磷脂酰乙醇胺的制备方法 |
-
1987
- 1987-12-18 JP JP31861687A patent/JPH0762020B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01160988A (ja) | 1989-06-23 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |