JPH0762111A - 耐熱性複合材料 - Google Patents
耐熱性複合材料Info
- Publication number
- JPH0762111A JPH0762111A JP5207960A JP20796093A JPH0762111A JP H0762111 A JPH0762111 A JP H0762111A JP 5207960 A JP5207960 A JP 5207960A JP 20796093 A JP20796093 A JP 20796093A JP H0762111 A JPH0762111 A JP H0762111A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- kgf
- resin
- carbon fiber
- tensile strength
- strength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】引張弾性率が 30000kgf/mm2 以上50000 kgf/
mm2 未満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバンド
と1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が0.
90〜1.10である炭素繊維、引張弾性率が 50000kgf/mm
2 以上70000 kgf/mm2 未満、前記ピーク高さの比が0.65
〜0.95である炭素繊維または引張弾性率が 70000kgf/
mm2 以上96000 kgf/mm2 未満、前記ピーク高さの比が0.
45〜0.70である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温度
が 250℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性複
合材料。 【効果】耐熱性樹脂に対する炭素繊維の接着力を向上さ
せ、優れたコンポジット物性を有する耐熱性複合材料を
提供できる。
mm2 未満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバンド
と1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が0.
90〜1.10である炭素繊維、引張弾性率が 50000kgf/mm
2 以上70000 kgf/mm2 未満、前記ピーク高さの比が0.65
〜0.95である炭素繊維または引張弾性率が 70000kgf/
mm2 以上96000 kgf/mm2 未満、前記ピーク高さの比が0.
45〜0.70である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温度
が 250℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性複
合材料。 【効果】耐熱性樹脂に対する炭素繊維の接着力を向上さ
せ、優れたコンポジット物性を有する耐熱性複合材料を
提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維と耐熱性樹脂
マトリックスとからなる耐熱性複合材料に関するもので
ある。
マトリックスとからなる耐熱性複合材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維を補強材とする複合材料は軽量
で比強度、比弾性率が優れているため、航空・宇宙用構
造材料や、ゴルフシャフト、テニスラケット及び釣竿等
のスポーツ用具等に広く用いられている。最近、航空機
用途の需要が増えている。とりわけ超高速航空機用構造
材料として用いることが検討されている。
で比強度、比弾性率が優れているため、航空・宇宙用構
造材料や、ゴルフシャフト、テニスラケット及び釣竿等
のスポーツ用具等に広く用いられている。最近、航空機
用途の需要が増えている。とりわけ超高速航空機用構造
材料として用いることが検討されている。
【0003】しかし、マッハ1.5を超えるような高速
で飛行すると、空気との摩擦のため、機体表面が高温に
なる。例えばマッハ2.4の場合、機体表面温度は部位
によって異なるが、160〜260℃になることが計算
されている。このような高温で、繰り返し使用に耐える
複合材料のマトリックス樹脂としては例えばポリイミ
ド、ポリビスマレイミド等の耐熱性樹脂が用いられる。
しかし、ポリイミド、ポリビスマレイミドは一般に炭素
繊維との結合力が低い。従って、複合材料としてその性
能を発揮させるためには炭素繊維とマトリックス樹脂と
の結合力を高くすることが必要である。炭素繊維とマト
リックス樹脂との結合力を発現させるため、炭素繊維の
表面を酸化して、マトリックス樹脂と反応する官能基を
導入する、いわゆる表面処理が一般に行なわれている。
その方法としては、気相酸化処理、薬液酸化処理、及び
電解酸化処理等が用いられているが、中でも電解酸化処
理法は、反応の安定性、操作の容易さ等の点で、実用的
な表面処理方法として採用されてきた。しかし、従来の
表面処理方法についての検討は殆どがエポキシ樹脂マト
リックスを対象としたものであった。
で飛行すると、空気との摩擦のため、機体表面が高温に
なる。例えばマッハ2.4の場合、機体表面温度は部位
によって異なるが、160〜260℃になることが計算
されている。このような高温で、繰り返し使用に耐える
複合材料のマトリックス樹脂としては例えばポリイミ
ド、ポリビスマレイミド等の耐熱性樹脂が用いられる。
しかし、ポリイミド、ポリビスマレイミドは一般に炭素
繊維との結合力が低い。従って、複合材料としてその性
能を発揮させるためには炭素繊維とマトリックス樹脂と
の結合力を高くすることが必要である。炭素繊維とマト
リックス樹脂との結合力を発現させるため、炭素繊維の
表面を酸化して、マトリックス樹脂と反応する官能基を
導入する、いわゆる表面処理が一般に行なわれている。
その方法としては、気相酸化処理、薬液酸化処理、及び
電解酸化処理等が用いられているが、中でも電解酸化処
理法は、反応の安定性、操作の容易さ等の点で、実用的
な表面処理方法として採用されてきた。しかし、従来の
表面処理方法についての検討は殆どがエポキシ樹脂マト
リックスを対象としたものであった。
【0004】特公昭63−6675号公報には、炭素繊
維表面にポリイミドの単量体反応混合溶液を付着させ、
これを加熱重合させてポリイミド皮膜を形成させると、
耐熱性マトリックス樹脂との接着力が向上することが示
されているが、このような異種のポリマーなどを介在さ
せることなく、耐熱性マトリックス樹脂に対する炭素繊
維自体の接着力を向上させる手段については全く記載さ
れていない。
維表面にポリイミドの単量体反応混合溶液を付着させ、
これを加熱重合させてポリイミド皮膜を形成させると、
耐熱性マトリックス樹脂との接着力が向上することが示
されているが、このような異種のポリマーなどを介在さ
せることなく、耐熱性マトリックス樹脂に対する炭素繊
維自体の接着力を向上させる手段については全く記載さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】炭素繊維とマトリック
ス樹脂との結合力を発現させるためには、炭素繊維を表
面処理して官能基を導入することが不可欠である。マト
リックス樹脂がエポキシ樹脂である場合に必要な表面処
理の度合については従来においても検討され、よく知ら
れているが、耐熱性の高いマトリックス樹脂の場合は、
殆ど明らかになっていないのが実情である。
ス樹脂との結合力を発現させるためには、炭素繊維を表
面処理して官能基を導入することが不可欠である。マト
リックス樹脂がエポキシ樹脂である場合に必要な表面処
理の度合については従来においても検討され、よく知ら
れているが、耐熱性の高いマトリックス樹脂の場合は、
殆ど明らかになっていないのが実情である。
【0006】要するに、一般的なエポキシ樹脂に対して
炭素繊維自体の接着力を向上させる技術はともかく、ポ
リイミド、ポリビスマレイミド等の耐熱性の高いマトリ
ックス樹脂に対する炭素繊維自体の接着力を向上させる
技術については今まで殆ど検討されていないのが現状で
あった。
炭素繊維自体の接着力を向上させる技術はともかく、ポ
リイミド、ポリビスマレイミド等の耐熱性の高いマトリ
ックス樹脂に対する炭素繊維自体の接着力を向上させる
技術については今まで殆ど検討されていないのが現状で
あった。
【0007】本発明の課題は、上記した従来技術の問題
点を解決すること、すなわち、炭素繊維と耐熱性樹脂か
らなる優れたコンポジット物性を有する耐熱性複合材料
を提供することである。
点を解決すること、すなわち、炭素繊維と耐熱性樹脂か
らなる優れたコンポジット物性を有する耐熱性複合材料
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は次のいずれかの構成を有する。すなわち、引張
弾性率が 30000kgf/mm2 以上50000 kgf/mm2 未満、ラマ
ン分光の1580〜1600cm-1のラマンバンドと1350〜1360cm
-1のラマンバンドのピーク高さの比が0.90〜1.10である
炭素繊維および硬化後の熱分解開始温度が 250℃以上の
樹脂からなることを特徴とする耐熱性複合材料、また
は、引張弾性率が 50000kgf/mm2 以上70000 kgf/mm2 未
満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバンドと1350
〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が0.65〜0.
95である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温度が 250
℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性複合材料
または、引張弾性率が 70000kgf/mm2 以上96000 kgf/mm
2 未満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバンドと
1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が0.45
〜0.70である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温度が
250℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性複合
材料である。
本発明は次のいずれかの構成を有する。すなわち、引張
弾性率が 30000kgf/mm2 以上50000 kgf/mm2 未満、ラマ
ン分光の1580〜1600cm-1のラマンバンドと1350〜1360cm
-1のラマンバンドのピーク高さの比が0.90〜1.10である
炭素繊維および硬化後の熱分解開始温度が 250℃以上の
樹脂からなることを特徴とする耐熱性複合材料、また
は、引張弾性率が 50000kgf/mm2 以上70000 kgf/mm2 未
満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバンドと1350
〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が0.65〜0.
95である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温度が 250
℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性複合材料
または、引張弾性率が 70000kgf/mm2 以上96000 kgf/mm
2 未満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバンドと
1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が0.45
〜0.70である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温度が
250℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性複合
材料である。
【0009】本発明においてマトリックス樹脂として
は、硬化後の熱分解開始温度が250℃以上のものを用
いるものである。硬化後の熱分解開始温度が250℃未
満では、耐熱性が低く本発明の目的とする超高速航空機
用構造材料として用いることができない。このような耐
熱性樹脂としては、ポリイミドおよび/またはポリビス
マレイミドが好ましい。
は、硬化後の熱分解開始温度が250℃以上のものを用
いるものである。硬化後の熱分解開始温度が250℃未
満では、耐熱性が低く本発明の目的とする超高速航空機
用構造材料として用いることができない。このような耐
熱性樹脂としては、ポリイミドおよび/またはポリビス
マレイミドが好ましい。
【0010】本発明において用いる炭素繊維は、例え
ば、後述するように、原料炭素繊維を陽極とし、特定の
電解質水溶液中で特定の条件で電解酸化表面処理する方
法を施すことによって得ることができる。
ば、後述するように、原料炭素繊維を陽極とし、特定の
電解質水溶液中で特定の条件で電解酸化表面処理する方
法を施すことによって得ることができる。
【0011】この際の電解質としては、無機酸性電解
質、無機アルカリ性電解質、有機アルカリ性電解質を用
いることができる。無機酸性電解質としては、硫酸、硝
酸等の無機オキソ酸があり、炭酸のアンモニウム塩の、
炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、また水酸化ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、チ
オ硫酸アンモニウムが挙げられる。無機アルカリ性電解
質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強
アルカリが挙げられる。有機アルカリ性電解質として、
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチル
アンモニウムヒドロキシド、β−ヒドロキシエチルトリ
メチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アミン、ヒド
ラジン、トリエチルアミン、グアニジン等のアミン類が
挙げられる。
質、無機アルカリ性電解質、有機アルカリ性電解質を用
いることができる。無機酸性電解質としては、硫酸、硝
酸等の無機オキソ酸があり、炭酸のアンモニウム塩の、
炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、また水酸化ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、チ
オ硫酸アンモニウムが挙げられる。無機アルカリ性電解
質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強
アルカリが挙げられる。有機アルカリ性電解質として、
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチル
アンモニウムヒドロキシド、β−ヒドロキシエチルトリ
メチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アミン、ヒド
ラジン、トリエチルアミン、グアニジン等のアミン類が
挙げられる。
【0012】これらの電解質を用いて電解酸化表面処理
する場合、その水溶液の導電率は10 mS/cm以上、さ
らには20 mS/cm以上が好ましい。導電率が10 mS
/cmより低いと、必要な含酸素基を導入するために、操
作電圧を25Vを越える高電圧としなければならず、安
全性に問題が出てくる。
する場合、その水溶液の導電率は10 mS/cm以上、さ
らには20 mS/cm以上が好ましい。導電率が10 mS
/cmより低いと、必要な含酸素基を導入するために、操
作電圧を25Vを越える高電圧としなければならず、安
全性に問題が出てくる。
【0013】したがって、より好ましい電解質は、水溶
液の導電率が高い強酸である硫酸、硝酸、炭酸のアンモ
ニウム塩である炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
ム、強アルカリである水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、β−ヒドロキシエチル
トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどである。これ
らの中でも、アルカリ性電解質の場合は強めに表面処理
するとコンポジット物性を向上させうることが分った。
したがって、アルカリ性電解質の場合は、アルカリ以外
の電解質の場合より高い電気量で表面処理するのが好ま
しい。
液の導電率が高い強酸である硫酸、硝酸、炭酸のアンモ
ニウム塩である炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
ム、強アルカリである水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、β−ヒドロキシエチル
トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどである。これ
らの中でも、アルカリ性電解質の場合は強めに表面処理
するとコンポジット物性を向上させうることが分った。
したがって、アルカリ性電解質の場合は、アルカリ以外
の電解質の場合より高い電気量で表面処理するのが好ま
しい。
【0014】炭素繊維は焼成温度が高くなるほど、つま
り引張り弾性率が高くなるほど、黒鉛構造が発達し、酸
化されにくくなる。従って、これを酸化して繊維の表面
に、マトリックス樹脂との結合力を強くするために必要
な官能基を導入するためには、電解表面処理の程度を強
化する必要がある。
り引張り弾性率が高くなるほど、黒鉛構造が発達し、酸
化されにくくなる。従って、これを酸化して繊維の表面
に、マトリックス樹脂との結合力を強くするために必要
な官能基を導入するためには、電解表面処理の程度を強
化する必要がある。
【0015】そこで、本発明においては、炭素繊維とマ
トリックス樹脂の結合力をより強固にし、一方、コンポ
ジットの0゜方向引張り強さの低下を抑制するため、引
張り弾性率に応じて適切な量の官能基を導入した炭素繊
維を用いるものであり、この官能基量はラマン分光の15
80〜1600cm-1のラマンバンドと1350〜1360cm-1のラマン
バンドのピーク高さの比で現すことができる。
トリックス樹脂の結合力をより強固にし、一方、コンポ
ジットの0゜方向引張り強さの低下を抑制するため、引
張り弾性率に応じて適切な量の官能基を導入した炭素繊
維を用いるものであり、この官能基量はラマン分光の15
80〜1600cm-1のラマンバンドと1350〜1360cm-1のラマン
バンドのピーク高さの比で現すことができる。
【0016】すなわち、引張弾性率が 30000〜50000 kg
f/mm2 の炭素繊維の場合には、ラマン分光の1580〜1600
cm-1のラマンバンドと1350〜1360cm-1のラマンバンドの
ピーク高さの比を0.90〜1.10とするものである。このピ
ーク高さの比が0.90に満たない場合には炭素繊維構造の
破壊の程度が不十分で官能基が十分に導入されず、耐熱
性樹脂との結合力が不十分となる。一方、ピーク高さの
比が1.10を越えると、コンポジット中、初期に一部の糸
が破壊するとこれと強固に結合した樹脂を介して隣接す
る糸に破壊が伝播進展するため全体として引張強さが低
下してしまう。引張弾性率が 50000〜70000 kgf/mm2 の
炭素繊維の場合には、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラ
マンバンドと1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高
さの比を0.65〜0.95とするものである。このピーク高さ
の比が0.65に満たない場合には炭素繊維構造の破壊の程
度が不十分で官能基が十分に導入されず、耐熱性樹脂と
の結合力が不十分となる。一方、ピーク高さの比が0.95
を越えると、コンポジット中、初期に一部の糸が破壊す
るとこれと強固に結合した樹脂を介して隣接する糸に破
壊が伝播進展するため全体として引張強さが低下してし
まう。
f/mm2 の炭素繊維の場合には、ラマン分光の1580〜1600
cm-1のラマンバンドと1350〜1360cm-1のラマンバンドの
ピーク高さの比を0.90〜1.10とするものである。このピ
ーク高さの比が0.90に満たない場合には炭素繊維構造の
破壊の程度が不十分で官能基が十分に導入されず、耐熱
性樹脂との結合力が不十分となる。一方、ピーク高さの
比が1.10を越えると、コンポジット中、初期に一部の糸
が破壊するとこれと強固に結合した樹脂を介して隣接す
る糸に破壊が伝播進展するため全体として引張強さが低
下してしまう。引張弾性率が 50000〜70000 kgf/mm2 の
炭素繊維の場合には、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラ
マンバンドと1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高
さの比を0.65〜0.95とするものである。このピーク高さ
の比が0.65に満たない場合には炭素繊維構造の破壊の程
度が不十分で官能基が十分に導入されず、耐熱性樹脂と
の結合力が不十分となる。一方、ピーク高さの比が0.95
を越えると、コンポジット中、初期に一部の糸が破壊す
るとこれと強固に結合した樹脂を介して隣接する糸に破
壊が伝播進展するため全体として引張強さが低下してし
まう。
【0017】引張弾性率が 70000〜96000 kgf/mm2 の炭
素繊維の場合には、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマ
ンバンドと1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さ
の比を0.45〜0.70とするものである。このピーク高さの
比が0.45に満たない場合には炭素繊維構造の破壊の程度
が不十分で官能基が十分に導入されず、耐熱性樹脂との
結合力が不十分となる。一方、ピーク高さの比が0.70を
越えると、コンポジット中、初期に一部の糸が破壊する
とこれと強固に結合した樹脂を介して隣接する糸に破壊
が伝播進展するため全体として引張強さが低下してしま
う。
素繊維の場合には、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマ
ンバンドと1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さ
の比を0.45〜0.70とするものである。このピーク高さの
比が0.45に満たない場合には炭素繊維構造の破壊の程度
が不十分で官能基が十分に導入されず、耐熱性樹脂との
結合力が不十分となる。一方、ピーク高さの比が0.70を
越えると、コンポジット中、初期に一部の糸が破壊する
とこれと強固に結合した樹脂を介して隣接する糸に破壊
が伝播進展するため全体として引張強さが低下してしま
う。
【0018】このように引張り弾性率に応じて適切な量
の官能基を導入した炭素繊維とするための電解表面処理
の好ましい条件を例示すれば次のようである。
の官能基を導入した炭素繊維とするための電解表面処理
の好ましい条件を例示すれば次のようである。
【0019】すなわち、引張弾性率が 30000kgf/mm2 以
上 55000kgf/mm2 未満の炭素繊維の場合、炭素繊維の引
張り弾性率をx(103 kgf/mm2 )とすれば、炭素繊維1
グラム当り、10(0.058x−0.190)〜10(0.057x−0.021)
クーロンの電解電気量とするのが好ましい。一方、引張
弾性率が 55000kgf/mm2 以上 95000kgf/mm2 以下の炭素
繊維の場合は、炭素繊維1グラム当り1000クーロン以上
1300クーロン以下とするのが好ましい。
上 55000kgf/mm2 未満の炭素繊維の場合、炭素繊維の引
張り弾性率をx(103 kgf/mm2 )とすれば、炭素繊維1
グラム当り、10(0.058x−0.190)〜10(0.057x−0.021)
クーロンの電解電気量とするのが好ましい。一方、引張
弾性率が 55000kgf/mm2 以上 95000kgf/mm2 以下の炭素
繊維の場合は、炭素繊維1グラム当り1000クーロン以上
1300クーロン以下とするのが好ましい。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0021】なお、繊度、比重及び樹脂含浸ストランド
の試験は、JIS R 7601-1986 に準じて測定し
た。
の試験は、JIS R 7601-1986 に準じて測定し
た。
【0022】ラマン分光分析は、光源に5145オング
ストロームのアルゴンイオンレーザーを用い、測定配置
90°のマクロラマン測定により、1580〜1600
cm-1のラマンバンドと1350〜1360cm-1のラ
マンバンドのピークの高さの比(以下、ラマン分光のピ
ーク高さ比)を求めた。
ストロームのアルゴンイオンレーザーを用い、測定配置
90°のマクロラマン測定により、1580〜1600
cm-1のラマンバンドと1350〜1360cm-1のラ
マンバンドのピークの高さの比(以下、ラマン分光のピ
ーク高さ比)を求めた。
【0023】ここで引張強さ発現率(%)は、[一方向
引張り強さの繊維体積含有率60.0%換算値(kgf/mm
2 )]/[表面処理前の炭素繊維の樹脂含浸ストランド
の引張強さ(kgf/mm2 )×0.6]×100により求め
た。
引張り強さの繊維体積含有率60.0%換算値(kgf/mm
2 )]/[表面処理前の炭素繊維の樹脂含浸ストランド
の引張強さ(kgf/mm2 )×0.6]×100により求め
た。
【0024】(実施例1)表面処理、サイジングが施さ
れていない、東レ(株)製高強度中弾性率炭素繊維“ト
レカ”T800H−12K(フィラメント数:12000
本、繊度:445g/1000m、比重:1.81g/cm3 、樹脂含浸ス
トランド引張強さ:566kgf/mm2、樹脂含浸ストランド引
張弾性率:30100 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ
比:0.79)を、2.4m/分の速度で走行させなが
ら濃度0.07規定の硫酸水溶液中で、炭素繊維1グラム当
り40クーロンの電気量で表面処理した。この時の硫酸
水溶液の導電率は18.0〜18.8mS/cm、操作電
圧は9.2〜9.8Vであった。同速度で走行させなが
ら向流の水中で7.0分間水洗の後、150℃で1.5
分間乾燥してボビンに巻き取った。この糸の樹脂含浸ス
トランド引張強さは556 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド
引張弾性率は30100 kgf/mm2 及びラマン分光のピーク高
さ比は0.90であった。ラマン分光のピーク高さ比が
大きくなっていることから、表面処理によって、炭素繊
維表層部の非晶化が進んでいることが分る。次にこの糸
を用いて以下の構成よりなる一方向プリプレグを製造し
た。プリプレグは上記炭素繊維と下記マトリックス樹脂
組成とからなり、マトリックス樹脂の重量分率は32%
とした。
れていない、東レ(株)製高強度中弾性率炭素繊維“ト
レカ”T800H−12K(フィラメント数:12000
本、繊度:445g/1000m、比重:1.81g/cm3 、樹脂含浸ス
トランド引張強さ:566kgf/mm2、樹脂含浸ストランド引
張弾性率:30100 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ
比:0.79)を、2.4m/分の速度で走行させなが
ら濃度0.07規定の硫酸水溶液中で、炭素繊維1グラム当
り40クーロンの電気量で表面処理した。この時の硫酸
水溶液の導電率は18.0〜18.8mS/cm、操作電
圧は9.2〜9.8Vであった。同速度で走行させなが
ら向流の水中で7.0分間水洗の後、150℃で1.5
分間乾燥してボビンに巻き取った。この糸の樹脂含浸ス
トランド引張強さは556 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド
引張弾性率は30100 kgf/mm2 及びラマン分光のピーク高
さ比は0.90であった。ラマン分光のピーク高さ比が
大きくなっていることから、表面処理によって、炭素繊
維表層部の非晶化が進んでいることが分る。次にこの糸
を用いて以下の構成よりなる一方向プリプレグを製造し
た。プリプレグは上記炭素繊維と下記マトリックス樹脂
組成とからなり、マトリックス樹脂の重量分率は32%
とした。
【0025】 [マトリックス樹脂組成] N,N−ビスマレイミドジアミノジフェニルメタン (チバガイギー社製 5292A) 215重量部 N,N−ビスマレイミドトリレンジアミン (三井東圧( 株) 製 BMI−TDA) 113重量部 o,o−ジアリルビスフェノールA (チバガイギー社製 5292B) 246重量部 熱可塑性ポリイミド(チバガイギー社製 5218) 64重量部 該樹脂組成物について、通常の真空バッグオートクレー
ブ成形法による成形を、昇温速度1.7℃/分で昇温
し、191℃に到達後、191℃で4時間、6kgf/cm2
の圧力下で行なった。その後、2.5℃/分の降温速度
で室温に降温した。次にポストキュアを、熱風循環式乾
燥機中で昇温速度4.0℃/分で昇温し、232℃に到
達後、232℃で16時間、常圧下で行なった。この樹
脂硬化物について、島津製作所製TG−30型熱天秤を
使用して、50CC/分) のヘリウム雰囲気中で、昇温速
度10℃/分で測定した熱分解開始温度及び5%減量温
度は、328℃および367℃であった。一般的なエポ
キシ系樹脂組成物の熱分解開始温度の200℃ないし2
30℃と比較して、本発明に用いるマトリックス樹脂組
成物の耐熱性が非常に高いことが分かる。
ブ成形法による成形を、昇温速度1.7℃/分で昇温
し、191℃に到達後、191℃で4時間、6kgf/cm2
の圧力下で行なった。その後、2.5℃/分の降温速度
で室温に降温した。次にポストキュアを、熱風循環式乾
燥機中で昇温速度4.0℃/分で昇温し、232℃に到
達後、232℃で16時間、常圧下で行なった。この樹
脂硬化物について、島津製作所製TG−30型熱天秤を
使用して、50CC/分) のヘリウム雰囲気中で、昇温速
度10℃/分で測定した熱分解開始温度及び5%減量温
度は、328℃および367℃であった。一般的なエポ
キシ系樹脂組成物の熱分解開始温度の200℃ないし2
30℃と比較して、本発明に用いるマトリックス樹脂組
成物の耐熱性が非常に高いことが分かる。
【0026】得られたプリプレグ中の樹脂の重量分率は
36%であった。単位面積当りの炭素繊維量は190g
/m2 であった。次にこのプリプレグを一方向6層に積
層し、通常の真空バッグオートクレーブ成形法による成
形を、昇温速度1.7℃/分で昇温し、191℃に到達
後、191℃で4時間、6kgf/cm2 の圧力下で行なっ
た。その後、2.5℃/分の降温速度で室温に降温し
た。次にポストキュアを、熱風循環式乾燥機中で昇温速
度4.0℃/分で昇温し、232℃に到達後、232℃
で16時間、常圧下で行なった。成形板の厚さは1.1
4mmであった。該成形板について、メトラー社製30型
DSC装置を使用して、50CC/分の窒素雰囲気中、昇
温速度40℃/分で測定したガラス転移温度は302℃
であった。この成形板を繊維方向に長さ235mm、幅1
2.7mmに切り、長さ方向の中央部127mmを残して、
両端各54mmに厚さ1.0mmのガラス繊維とエポキシ樹
脂からなる硬化板タブを張り付け、一方向引張試験片と
した。この試験片の繊維体積含有率は58.7%であっ
た。これをインストロン モデル4208により、引張
速度1.25 mm/分で引張試験を行なった。この時の引
張強さは、繊維体積含有率60.0%、換算値が318
kgf/m2 であった。表面処理前の炭素繊維の引張強さの
何パーセントがコンポジットの一方向引張強さとして発
現したかを示す、引張強さ発現率は93.6%であっ
た。
36%であった。単位面積当りの炭素繊維量は190g
/m2 であった。次にこのプリプレグを一方向6層に積
層し、通常の真空バッグオートクレーブ成形法による成
形を、昇温速度1.7℃/分で昇温し、191℃に到達
後、191℃で4時間、6kgf/cm2 の圧力下で行なっ
た。その後、2.5℃/分の降温速度で室温に降温し
た。次にポストキュアを、熱風循環式乾燥機中で昇温速
度4.0℃/分で昇温し、232℃に到達後、232℃
で16時間、常圧下で行なった。成形板の厚さは1.1
4mmであった。該成形板について、メトラー社製30型
DSC装置を使用して、50CC/分の窒素雰囲気中、昇
温速度40℃/分で測定したガラス転移温度は302℃
であった。この成形板を繊維方向に長さ235mm、幅1
2.7mmに切り、長さ方向の中央部127mmを残して、
両端各54mmに厚さ1.0mmのガラス繊維とエポキシ樹
脂からなる硬化板タブを張り付け、一方向引張試験片と
した。この試験片の繊維体積含有率は58.7%であっ
た。これをインストロン モデル4208により、引張
速度1.25 mm/分で引張試験を行なった。この時の引
張強さは、繊維体積含有率60.0%、換算値が318
kgf/m2 であった。表面処理前の炭素繊維の引張強さの
何パーセントがコンポジットの一方向引張強さとして発
現したかを示す、引張強さ発現率は93.6%であっ
た。
【0027】次に、同じプリプレグを用いて、一方向2
4層に積層し、一方向引張試験片用成形板の場合と同じ
条件でオートクレーブ成形を行なった。成形板の厚さは
4.50mmであった。この成形板から、ボーイングマテ
リアルスペックBMS8−276にしたがって圧縮層間
剪断強度測定用の試験片を切り出し、インストロンモデ
ル4208により、歪速度1.27 mm/分で圧縮層間剪
断強度を測定した結果、10.1kgf/mm2 であった。
4層に積層し、一方向引張試験片用成形板の場合と同じ
条件でオートクレーブ成形を行なった。成形板の厚さは
4.50mmであった。この成形板から、ボーイングマテ
リアルスペックBMS8−276にしたがって圧縮層間
剪断強度測定用の試験片を切り出し、インストロンモデ
ル4208により、歪速度1.27 mm/分で圧縮層間剪
断強度を測定した結果、10.1kgf/mm2 であった。
【0028】次に、同じプリプレグを用いて、疑似等方
構成(+45゜/0゜/ −45゜/90 ゜)3Sの24層に積層
し、一方向引張試験片用成形板の場合と同じ条件でオー
トクレーブ成形を行なった。成形板から101.6mm×
152.4mmの試験片を切り出し、ボーイングマテリア
ルスペックBMS8−276にしたがい、1500イン
チ・ポンド/インチの落錘衝撃エネルギーを与えた。つ
いで、インストロン モデル1128により、歪速度
1.27 mm/分で、衝撃後の圧縮強度を測定したとこ
ろ、18.4kgf/mm2 であった。
構成(+45゜/0゜/ −45゜/90 ゜)3Sの24層に積層
し、一方向引張試験片用成形板の場合と同じ条件でオー
トクレーブ成形を行なった。成形板から101.6mm×
152.4mmの試験片を切り出し、ボーイングマテリア
ルスペックBMS8−276にしたがい、1500イン
チ・ポンド/インチの落錘衝撃エネルギーを与えた。つ
いで、インストロン モデル1128により、歪速度
1.27 mm/分で、衝撃後の圧縮強度を測定したとこ
ろ、18.4kgf/mm2 であった。
【0029】これらの評価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 (実施例2)実施例1で用いた、表面処理、サイジング
が施されていない炭素繊維について、電解質として水溶
液濃度が0.6規定の炭酸アンモニウムを用い、炭素繊
維1グラム当りの電解電気量80クーロンで表面処理し
た炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ551 kgf/m
m2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率30200 kgf/mm2 、
ラマン分光のピーク高さ比は1.08であった。ラマン
分光のピーク高さの比が実施例1の場合より大きくなっ
ていることから、表面処理によって、炭素繊維表層部の
非晶化がさらに進んでいることが分る。この炭素繊維に
ついて、実施例1の場合と同様にプリプレグを作り、成
形したコンポジットについて測定した、繊維体積含有率
60%に換算した一方向引張強さは314kgf/mm2 、引
張強さ発現率は92.5%、圧縮層間剪断強度は11.
5kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は18.3kgf/mm2 であっ
た。これらの評価結果を表1に併せて示す。
が施されていない炭素繊維について、電解質として水溶
液濃度が0.6規定の炭酸アンモニウムを用い、炭素繊
維1グラム当りの電解電気量80クーロンで表面処理し
た炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ551 kgf/m
m2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率30200 kgf/mm2 、
ラマン分光のピーク高さ比は1.08であった。ラマン
分光のピーク高さの比が実施例1の場合より大きくなっ
ていることから、表面処理によって、炭素繊維表層部の
非晶化がさらに進んでいることが分る。この炭素繊維に
ついて、実施例1の場合と同様にプリプレグを作り、成
形したコンポジットについて測定した、繊維体積含有率
60%に換算した一方向引張強さは314kgf/mm2 、引
張強さ発現率は92.5%、圧縮層間剪断強度は11.
5kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は18.3kgf/mm2 であっ
た。これらの評価結果を表1に併せて示す。
【0031】(実施例3)実施例1と同じ表面処理、サ
イジングが施されていない炭素繊維について、電解質と
して水溶液濃度が0.4規定の重炭酸アンモニウムを用
い、炭素繊維1グラム当りの電解電気量80クーロンで
表面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ55
5 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率30100 kgf/
mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は1.01であった。
ラマン分光のピーク高さの比が実施例1の場合より大き
くなっていることから、表面処理によって、炭素繊維表
層部の非晶化がさらに進んでいることが分る。この炭素
繊維について、実施例1の場合と同様にプリプレグを作
り、成形したコンポジットについて測定した、繊維体積
含有率60%に換算した一方向引張強さは315kgf/mm
2 、引張強さ発現率92.8%、圧縮層間剪断強度1
1.7kgf/mm2 及び衝撃後圧縮強度は18.1kgf/mm2
であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
イジングが施されていない炭素繊維について、電解質と
して水溶液濃度が0.4規定の重炭酸アンモニウムを用
い、炭素繊維1グラム当りの電解電気量80クーロンで
表面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ55
5 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率30100 kgf/
mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は1.01であった。
ラマン分光のピーク高さの比が実施例1の場合より大き
くなっていることから、表面処理によって、炭素繊維表
層部の非晶化がさらに進んでいることが分る。この炭素
繊維について、実施例1の場合と同様にプリプレグを作
り、成形したコンポジットについて測定した、繊維体積
含有率60%に換算した一方向引張強さは315kgf/mm
2 、引張強さ発現率92.8%、圧縮層間剪断強度1
1.7kgf/mm2 及び衝撃後圧縮強度は18.1kgf/mm2
であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
【0032】(実施例4)実施例1で用いた、表面処
理、サイジングが施されていない炭素繊維について、電
解質として水溶液濃度が0.1規定のテトラエチルアン
モニウムヒドロキシドを用い、炭素繊維1グラム当りの
電解電気量100クーロンで表面処理した炭素繊維の樹
脂含浸ストランド引張強さは538 kgf/mm2 、樹脂含浸ス
トランド引張弾性率30100 kgf/mm2 及びラマン分光のピ
ーク高さ比は1.15であった。ラマン分光のピーク高
さの比がさらに大きくなっていることから、表面処理に
よって、炭素繊維表層部の非晶化がさらに進んでいるこ
とが分る。この炭素繊維について、実施例1の場合と同
様にプリプレグを作り、成形したコンポジットについて
測定した一方向引張強さ317kgf/mm2 、引張強さ発現
率93.3%、圧縮層間剪断強度11.8kgf/mm2 、衝
撃後圧縮強度は18.9kgf/mm2 であった。これらの評
価結果を表1に併せて示す。
理、サイジングが施されていない炭素繊維について、電
解質として水溶液濃度が0.1規定のテトラエチルアン
モニウムヒドロキシドを用い、炭素繊維1グラム当りの
電解電気量100クーロンで表面処理した炭素繊維の樹
脂含浸ストランド引張強さは538 kgf/mm2 、樹脂含浸ス
トランド引張弾性率30100 kgf/mm2 及びラマン分光のピ
ーク高さ比は1.15であった。ラマン分光のピーク高
さの比がさらに大きくなっていることから、表面処理に
よって、炭素繊維表層部の非晶化がさらに進んでいるこ
とが分る。この炭素繊維について、実施例1の場合と同
様にプリプレグを作り、成形したコンポジットについて
測定した一方向引張強さ317kgf/mm2 、引張強さ発現
率93.3%、圧縮層間剪断強度11.8kgf/mm2 、衝
撃後圧縮強度は18.9kgf/mm2 であった。これらの評
価結果を表1に併せて示す。
【0033】(実施例5)表面処理、サイジングが施さ
れていない、東レ(株)製高強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M35J−12K(フィラメント数:12000 本、
繊度:450g/1000m、比重:1.75g/cm3 、樹脂含浸ストラ
ンド引張強さ:487 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張
弾性率:35200 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さの
比:0.72)について、電解質として水溶液濃度が
0.07規定の硫酸を用い、炭素繊維1グラム当りの電
解電気量160クーロンで表面処理した炭素繊維の樹脂
含浸ストランド引張強さは459 kgf/mm2 、樹脂含浸スト
ランド引張弾性率は35100 kgf/mm2 及びラマン分光のピ
ーク高さの比は1.11であった。この炭素繊維につい
て、実施例1の場合と同様にプリプレグを作り、成形し
たコンポジットについて測定した、繊維体積含有率60
%に換算した一方向引張り強さ261kgf/mm2 、引張強
さ発現率89.3%、圧縮層間剪断強度10.0kgf/mm
2 及び衝撃後圧縮強度は17.9kgf/mm2 であった。こ
れらの評価結果を表1に併せて示す。
れていない、東レ(株)製高強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M35J−12K(フィラメント数:12000 本、
繊度:450g/1000m、比重:1.75g/cm3 、樹脂含浸ストラ
ンド引張強さ:487 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張
弾性率:35200 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さの
比:0.72)について、電解質として水溶液濃度が
0.07規定の硫酸を用い、炭素繊維1グラム当りの電
解電気量160クーロンで表面処理した炭素繊維の樹脂
含浸ストランド引張強さは459 kgf/mm2 、樹脂含浸スト
ランド引張弾性率は35100 kgf/mm2 及びラマン分光のピ
ーク高さの比は1.11であった。この炭素繊維につい
て、実施例1の場合と同様にプリプレグを作り、成形し
たコンポジットについて測定した、繊維体積含有率60
%に換算した一方向引張り強さ261kgf/mm2 、引張強
さ発現率89.3%、圧縮層間剪断強度10.0kgf/mm
2 及び衝撃後圧縮強度は17.9kgf/mm2 であった。こ
れらの評価結果を表1に併せて示す。
【0034】(実施例6)表面処理、サイジングが施さ
れていない、東レ(株)製中強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M40−12K(フィラメント数:12000 本、繊
度:728g/1000m、比重:1.81g/cm3 、樹脂含浸ストラン
ド引張強さ:286 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾
性率:40200 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比:
0.64)について、電解質として水溶液濃度が0.1
規定のβ−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒ
ドロキシドを用い、炭素繊維1グラム当りの電解電気量
320クーロンで表面処理した炭素繊維の樹脂含浸スト
ランド引張強さ266 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張
弾性率は40200 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さの比
は1.00であった。この炭素繊維について、実施例1
の場合と同様にプリプレグを作り、成形したコンポジッ
トについて測定した、繊維体積含有率60%に換算した
一方向引張強さ153kgf/mm2 、引張強さ発現率89.
2%、圧縮層間剪断強度8.6kgf/mm2 、衝撃後圧縮強
度は15.1kgf/mm2 であった。これらの評価結果を表
1に併せて示す。
れていない、東レ(株)製中強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M40−12K(フィラメント数:12000 本、繊
度:728g/1000m、比重:1.81g/cm3 、樹脂含浸ストラン
ド引張強さ:286 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾
性率:40200 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比:
0.64)について、電解質として水溶液濃度が0.1
規定のβ−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒ
ドロキシドを用い、炭素繊維1グラム当りの電解電気量
320クーロンで表面処理した炭素繊維の樹脂含浸スト
ランド引張強さ266 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張
弾性率は40200 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さの比
は1.00であった。この炭素繊維について、実施例1
の場合と同様にプリプレグを作り、成形したコンポジッ
トについて測定した、繊維体積含有率60%に換算した
一方向引張強さ153kgf/mm2 、引張強さ発現率89.
2%、圧縮層間剪断強度8.6kgf/mm2 、衝撃後圧縮強
度は15.1kgf/mm2 であった。これらの評価結果を表
1に併せて示す。
【0035】(実施例7)表面処理、サイジングが施さ
れていない、東レ(株)製高強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M46J−12K(フィラメント数:12000 本、
繊度:445g/1000m、比重:1.84g/cm3 、樹脂含浸ストラ
ンド引張強さ:441 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張
弾性率:44500 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比:
0.60)について、電解質として水溶液濃度が0.1
規定のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを用い、
炭素繊維1グラム当りの電解電気量500クーロンで表
面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ402
kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率44400 kgf/mm
2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.97であった。こ
の炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプレ
グを作り、成形したコンポジットについて測定した、繊
維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ228kg
f/mm2 、引張強さ発現率86.2%、圧縮層間剪断強度
7.5kgf/mm2、衝撃後圧縮強度は14.5kgf/mm2 で
あった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
れていない、東レ(株)製高強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M46J−12K(フィラメント数:12000 本、
繊度:445g/1000m、比重:1.84g/cm3 、樹脂含浸ストラ
ンド引張強さ:441 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張
弾性率:44500 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比:
0.60)について、電解質として水溶液濃度が0.1
規定のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを用い、
炭素繊維1グラム当りの電解電気量500クーロンで表
面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ402
kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率44400 kgf/mm
2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.97であった。こ
の炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプレ
グを作り、成形したコンポジットについて測定した、繊
維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ228kg
f/mm2 、引張強さ発現率86.2%、圧縮層間剪断強度
7.5kgf/mm2、衝撃後圧縮強度は14.5kgf/mm2 で
あった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
【0036】(実施例8)表面処理、サイジングが施さ
れていない、東レ(株)製高強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M50J−6K(フィラメント数:6000本、繊
度:216g/1000m、比重:1.88g/cm3 、樹脂含浸ストラン
ド引張強さ:411 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾
性率:48500 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比:
0.53)について、電解質として水溶液濃度が0.1
規定のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを用い、
炭素繊維1グラム当りの電解電気量850クーロンで表
面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ368
kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率48600 kgf/mm
2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.98であった。こ
の炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプレ
グを作り、成形したコンポジットについて測定した、繊
維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ211kg
f/mm2 、引張強さ発現率85.6%、圧縮層間剪断強度
7.0kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は12.3kgf/mm2 で
あった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
れていない、東レ(株)製高強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M50J−6K(フィラメント数:6000本、繊
度:216g/1000m、比重:1.88g/cm3 、樹脂含浸ストラン
ド引張強さ:411 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾
性率:48500 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比:
0.53)について、電解質として水溶液濃度が0.1
規定のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを用い、
炭素繊維1グラム当りの電解電気量850クーロンで表
面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ368
kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率48600 kgf/mm
2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.98であった。こ
の炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプレ
グを作り、成形したコンポジットについて測定した、繊
維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ211kg
f/mm2 、引張強さ発現率85.6%、圧縮層間剪断強度
7.0kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は12.3kgf/mm2 で
あった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
【0037】(実施例9)表面処理、サイジングが施さ
れていない、東レ(株)製高強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M55J−6K(フィラメント数:6000本、繊
度:218g/1000m、比重:1.91g/cm3 、樹脂含浸ストラン
ド引張強さ:410 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾
性率:55000 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比:
0.31)について、電解質として水溶液濃度が0.1
規定のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを用い、
炭素繊維1グラム当りの電解電気量1200クーロンで
表面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ37
2 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率55100 kgf/
mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.82であった。
この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプ
レグを作り、成形したコンポジットについて測定した、
繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ214
kgf/mm2 、引張強さ発現率84.9%、圧縮層間剪断強
度6.4kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は11.0kgf/mm2
であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
れていない、東レ(株)製高強度高弾性率炭素繊維“ト
レカ”M55J−6K(フィラメント数:6000本、繊
度:218g/1000m、比重:1.91g/cm3 、樹脂含浸ストラン
ド引張強さ:410 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾
性率:55000 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比:
0.31)について、電解質として水溶液濃度が0.1
規定のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを用い、
炭素繊維1グラム当りの電解電気量1200クーロンで
表面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ37
2 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率55100 kgf/
mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.82であった。
この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプ
レグを作り、成形したコンポジットについて測定した、
繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ214
kgf/mm2 、引張強さ発現率84.9%、圧縮層間剪断強
度6.4kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は11.0kgf/mm2
であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
【0038】(実施例10)ナフタレンをフッ化水素と
三フッ化ほう素を触媒として重縮合して得た合成ピッチ
を原料として、公知の方法により溶融紡糸して、フィラ
メント数500本のピッチ繊維を得た。該ピッチ繊維を
空気中で不融化した後、合糸してフィラメント数200
0本の糸とし、窒素ガス雰囲気中で、延伸比率1.01
で最高3000℃まで昇温し、黒鉛化を行ない黒鉛化糸
を得た。この糸について、JIS R7601-1986 に
準じて測定した繊度は280g/1000m 、比重は2.
21g/cm3 、樹脂含浸ストランド引張強さは405kgf/
mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率は95300kgf/
mm2 であった。またラマン分光のピーク高さの比は、
0.21であった。該繊維について、電解質として水溶
液濃度が0.1規定のテトラエチルアンモニウムヒドロ
キシドを用い、炭素繊維1グラム当りの電解電気量18
00クーロンで表面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストラ
ンド引張強さ349kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾
性率95200 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.
56であった。この炭素繊維について、実施例1の場合
と同様にプリプレグを作り、成形したコンポジットにつ
いて測定した、繊維体積含有率60%に換算した一方向
引張強さ199kgf/mm2 、引張強さ発現率81.9%、
圧縮層間剪断強度5.7kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は1
0.8kgf/mm2 であった。これらの評価結果を表1に併
せて示す。
三フッ化ほう素を触媒として重縮合して得た合成ピッチ
を原料として、公知の方法により溶融紡糸して、フィラ
メント数500本のピッチ繊維を得た。該ピッチ繊維を
空気中で不融化した後、合糸してフィラメント数200
0本の糸とし、窒素ガス雰囲気中で、延伸比率1.01
で最高3000℃まで昇温し、黒鉛化を行ない黒鉛化糸
を得た。この糸について、JIS R7601-1986 に
準じて測定した繊度は280g/1000m 、比重は2.
21g/cm3 、樹脂含浸ストランド引張強さは405kgf/
mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率は95300kgf/
mm2 であった。またラマン分光のピーク高さの比は、
0.21であった。該繊維について、電解質として水溶
液濃度が0.1規定のテトラエチルアンモニウムヒドロ
キシドを用い、炭素繊維1グラム当りの電解電気量18
00クーロンで表面処理した炭素繊維の樹脂含浸ストラ
ンド引張強さ349kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾
性率95200 kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.
56であった。この炭素繊維について、実施例1の場合
と同様にプリプレグを作り、成形したコンポジットにつ
いて測定した、繊維体積含有率60%に換算した一方向
引張強さ199kgf/mm2 、引張強さ発現率81.9%、
圧縮層間剪断強度5.7kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は1
0.8kgf/mm2 であった。これらの評価結果を表1に併
せて示す。
【0039】(比較例1)実施例1において、電解電気
量を6クーロンとした以外は全て同じ条件で表面処理を
実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ563 kg
f/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率30200 kgf/mm2
及びラマン分光のピーク高さ比は0.85であった。こ
の炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプレ
グを作り、成形したコンポジットについて測定した、繊
維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ325kg
f/mm2 、引張強さ発現率95.7%、圧縮層間剪断強度
8.2kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は13.2kgf/mm2 で
あった。これらの評価結果を表1に併せて示す。実施例
1、2、3及び4のコンポジット物性に較べ、一方向引
張強さはやや高く、したがって引張り強さ発現率が高い
が、繊維とマトリックス樹脂との結合力の尺度である圧
縮層間剪断強度と、耐衝撃性の指標である衝撃後圧縮強
度はともに低いことが分る。
量を6クーロンとした以外は全て同じ条件で表面処理を
実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ563 kg
f/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率30200 kgf/mm2
及びラマン分光のピーク高さ比は0.85であった。こ
の炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプレ
グを作り、成形したコンポジットについて測定した、繊
維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ325kg
f/mm2 、引張強さ発現率95.7%、圧縮層間剪断強度
8.2kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は13.2kgf/mm2 で
あった。これらの評価結果を表1に併せて示す。実施例
1、2、3及び4のコンポジット物性に較べ、一方向引
張強さはやや高く、したがって引張り強さ発現率が高い
が、繊維とマトリックス樹脂との結合力の尺度である圧
縮層間剪断強度と、耐衝撃性の指標である衝撃後圧縮強
度はともに低いことが分る。
【0040】(比較例2)実施例1において、電解電気
量を150クーロンとした以外は全て同じ条件で表面処
理を実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ42
3 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率30100 kgf/
mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は1.22であった。
この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプ
レグを作り、成形したコンポジットについて測定した、
繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ243
kgf/mm2 、引張強さ発現率71.6%、圧縮層間剪断強
度12.0kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は18.5kgf/mm
2 であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。実
施例1、2、3及び4のコンポジット物性に較べ、圧縮
層間剪断強度がわずかに向上してはいるが、一方向引張
強さ,引張強さ発現率が極端に低下していることが分
る。
量を150クーロンとした以外は全て同じ条件で表面処
理を実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ42
3 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率30100 kgf/
mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は1.22であった。
この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプ
レグを作り、成形したコンポジットについて測定した、
繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ243
kgf/mm2 、引張強さ発現率71.6%、圧縮層間剪断強
度12.0kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は18.5kgf/mm
2 であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。実
施例1、2、3及び4のコンポジット物性に較べ、圧縮
層間剪断強度がわずかに向上してはいるが、一方向引張
強さ,引張強さ発現率が極端に低下していることが分
る。
【0041】(比較例3)実施例7において、電解質を
硫酸の0.07規定濃度水溶液、電解電気量を80クー
ロンとした以外は全て同じ条件で表面処理を実施した炭
素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ432 kgf/mm2 、樹
脂含浸ストランド引張弾性率44500 kgf/mm2 、ラマン分
光のピーク高さ比は0.69であった。この炭素繊維に
ついて、実施例1の場合と同様にプリプレグを作り、成
形したコンポジットについて測定した、繊維体積含有率
60%に換算した一方向引張り強さ243kgf/mm2 、引
張強さ発現率91.8%、圧縮層間剪断強度4.6kgf/
mm2 、衝撃後圧縮強度は10.7kgf/mm2 であった。こ
れらの評価結果を表1に併せて示す。実施例7のコンポ
ジット物性に較べ、比較例1の場合と同様、一方向引張
強さはやや高く、したがって引張強さ発現率が高いが、
繊維とマトリックス樹脂との結合力の尺度である圧縮層
間剪断強度と、耐衝撃性の指標である衝撃後圧縮強度は
ともに大幅に低いことが分る。
硫酸の0.07規定濃度水溶液、電解電気量を80クー
ロンとした以外は全て同じ条件で表面処理を実施した炭
素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ432 kgf/mm2 、樹
脂含浸ストランド引張弾性率44500 kgf/mm2 、ラマン分
光のピーク高さ比は0.69であった。この炭素繊維に
ついて、実施例1の場合と同様にプリプレグを作り、成
形したコンポジットについて測定した、繊維体積含有率
60%に換算した一方向引張り強さ243kgf/mm2 、引
張強さ発現率91.8%、圧縮層間剪断強度4.6kgf/
mm2 、衝撃後圧縮強度は10.7kgf/mm2 であった。こ
れらの評価結果を表1に併せて示す。実施例7のコンポ
ジット物性に較べ、比較例1の場合と同様、一方向引張
強さはやや高く、したがって引張強さ発現率が高いが、
繊維とマトリックス樹脂との結合力の尺度である圧縮層
間剪断強度と、耐衝撃性の指標である衝撃後圧縮強度は
ともに大幅に低いことが分る。
【0042】(比較例4)実施例7において、電解電気
量を750クーロンとした以外は全て同じ条件で表面処
理を実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ38
4 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率44600 kgf/
mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は1.08であった。
この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプ
レグを作り、成形したコンポジットについて測定した、
繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ209
kgf/mm2 、引張強さ発現率79.0%、圧縮層間剪断強
度7.7kgf/mm2 及び衝撃後圧縮強度は14.4kgf/mm
2 であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。実
施例7のコンポジット物性に較べ、圧縮層間剪断強度が
わずかに向上してはいるが、一方向引張強さ,引張強さ
発現率が極端に低下していることが分る。
量を750クーロンとした以外は全て同じ条件で表面処
理を実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ38
4 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率44600 kgf/
mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は1.08であった。
この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプリプ
レグを作り、成形したコンポジットについて測定した、
繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ209
kgf/mm2 、引張強さ発現率79.0%、圧縮層間剪断強
度7.7kgf/mm2 及び衝撃後圧縮強度は14.4kgf/mm
2 であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。実
施例7のコンポジット物性に較べ、圧縮層間剪断強度が
わずかに向上してはいるが、一方向引張強さ,引張強さ
発現率が極端に低下していることが分る。
【0043】(比較例5)実施例10において、電解電
気量を300クーロンとした以外は全て同じ条件で表面
処理を実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ
389 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率95400 kg
f/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.38であっ
た。この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプ
リプレグを作り、成形したコンポジットについて測定し
た、繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ2
24kgf/mm2 、引張強さ発現率92.2%、圧縮層間剪
断強度4.2kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は8.1kgf/mm
2 であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。実
施例10のコンポジット物性に較べ、比較例1の場合と
同様、一方向引張強さはやや高く、したがって引張強さ
発現率が高いが、繊維とマトリックス樹脂との結合力の
尺度である圧縮層間剪断強度と、耐衝撃性の指標である
衝撃後圧縮強度はともに大幅に低いことが分る。
気量を300クーロンとした以外は全て同じ条件で表面
処理を実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強さ
389 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率95400 kg
f/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.38であっ
た。この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプ
リプレグを作り、成形したコンポジットについて測定し
た、繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ2
24kgf/mm2 、引張強さ発現率92.2%、圧縮層間剪
断強度4.2kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は8.1kgf/mm
2 であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。実
施例10のコンポジット物性に較べ、比較例1の場合と
同様、一方向引張強さはやや高く、したがって引張強さ
発現率が高いが、繊維とマトリックス樹脂との結合力の
尺度である圧縮層間剪断強度と、耐衝撃性の指標である
衝撃後圧縮強度はともに大幅に低いことが分る。
【0044】(比較例6)実施例10において、電解電
気量を2300クーロンとした以外は全て同じ条件で表
面処理を実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強
さ322 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率95300
kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.68であっ
た。この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプ
リプレグを作り、成形したコンポジットについて測定し
た、繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ1
79kgf/mm2 、引張強さ発現率73.7%、圧縮層間剪
断強度5.9kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は10.9kgf/
mm2 であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
実施例10のコンポジット物性に較べ、一方向引張強
さ,引張強さ発現率が極端に低下していることが分る。
気量を2300クーロンとした以外は全て同じ条件で表
面処理を実施した炭素繊維の樹脂含浸ストランド引張強
さ322 kgf/mm2 、樹脂含浸ストランド引張弾性率95300
kgf/mm2 、ラマン分光のピーク高さ比は0.68であっ
た。この炭素繊維について、実施例1の場合と同様にプ
リプレグを作り、成形したコンポジットについて測定し
た、繊維体積含有率60%に換算した一方向引張強さ1
79kgf/mm2 、引張強さ発現率73.7%、圧縮層間剪
断強度5.9kgf/mm2 、衝撃後圧縮強度は10.9kgf/
mm2 であった。これらの評価結果を表1に併せて示す。
実施例10のコンポジット物性に較べ、一方向引張強
さ,引張強さ発現率が極端に低下していることが分る。
【0045】
【発明の効果】ポリイミド、ポリビスマレイミド等の耐
熱性の高いマトリックス樹脂に対する炭素繊維の接着力
を向上させ、炭素繊維と耐熱性樹脂からなる優れたコン
ポジット物性を有する耐熱性複合材料を提供することが
可能となった。
熱性の高いマトリックス樹脂に対する炭素繊維の接着力
を向上させ、炭素繊維と耐熱性樹脂からなる優れたコン
ポジット物性を有する耐熱性複合材料を提供することが
可能となった。
Claims (4)
- 【請求項1】引張弾性率が 30000kgf/mm2 以上50000 kg
f/mm2 未満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバン
ドと1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が
0.90〜1.10である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温
度が 250℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性
複合材料。 - 【請求項2】引張弾性率が 50000kgf/mm2 以上70000 kg
f/mm2 未満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバン
ドと1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が
0.65〜0.95である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温
度が 250℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性
複合材料。 - 【請求項3】引張弾性率が 70000kgf/mm2 以上96000 kg
f/mm2 未満、ラマン分光の1580〜1600cm-1のラマンバン
ドと1350〜1360cm-1のラマンバンドのピーク高さの比が
0.45〜0.70である炭素繊維および硬化後の熱分解開始温
度が 250℃以上の樹脂からなることを特徴とする耐熱性
複合材料。 - 【請求項4】耐熱性樹脂がポリイミドおよび/またはポ
リビスマレイミドであることを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載の耐熱性複合材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20796093A JP3430569B2 (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 耐熱性複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20796093A JP3430569B2 (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 耐熱性複合材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0762111A true JPH0762111A (ja) | 1995-03-07 |
| JP3430569B2 JP3430569B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=16548379
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20796093A Expired - Fee Related JP3430569B2 (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 耐熱性複合材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3430569B2 (ja) |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4986453A (ja) * | 1972-12-22 | 1974-08-19 | ||
| JPH02307967A (ja) * | 1989-05-18 | 1990-12-21 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 表面改質炭素繊維の製造方法 |
| JPH0544155A (ja) * | 1991-08-06 | 1993-02-23 | Petoca:Kk | 炭素繊維の表面処理法 |
| JPH05105773A (ja) * | 1991-02-04 | 1993-04-27 | Nippon Oil Co Ltd | 板状繊維強化複合材成形物 |
-
1993
- 1993-08-23 JP JP20796093A patent/JP3430569B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4986453A (ja) * | 1972-12-22 | 1974-08-19 | ||
| JPH02307967A (ja) * | 1989-05-18 | 1990-12-21 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 表面改質炭素繊維の製造方法 |
| JPH05105773A (ja) * | 1991-02-04 | 1993-04-27 | Nippon Oil Co Ltd | 板状繊維強化複合材成形物 |
| JPH0544155A (ja) * | 1991-08-06 | 1993-02-23 | Petoca:Kk | 炭素繊維の表面処理法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3430569B2 (ja) | 2003-07-28 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP5954517B1 (ja) | 炭素繊維強化複合材料製管状体およびゴルフクラブシャフト | |
| Pathak et al. | Significance of carbon fiber orientation on thermomechanical properties of carbon fiber reinforced epoxy composite | |
| US5910456A (en) | Prepregs and carbon fiber-reinforced composite materials | |
| JP2005133274A (ja) | 炭素繊維と同炭素繊維を含む複合材料 | |
| JP2003073932A (ja) | 炭素繊維 | |
| JPS60260621A (ja) | 成形材料用樹脂組成物 | |
| JP3430569B2 (ja) | 耐熱性複合材料 | |
| JP4953410B2 (ja) | 炭素繊維およびその製造方法 | |
| JPH09235397A (ja) | プリプレグおよび繊維強化プラスチック | |
| JP2002266173A (ja) | 炭素繊維および炭素繊維強化複合材料 | |
| EP0252985B1 (en) | Carbon fiber for composite materials | |
| JP2546809B2 (ja) | 炭素繊維複合材料 | |
| JP7287171B2 (ja) | プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料 | |
| Silverstein et al. | Adhesive properties and failure of etched UHMW-PE fibres | |
| JPS6385167A (ja) | 表面改質炭素繊維とその製造方法 | |
| KR100558073B1 (ko) | 기계적 물성이 개선된 탄소섬유 강화 복합재료의 제조방법 | |
| JP6139318B2 (ja) | 炭素繊維の製造方法 | |
| JP2000239417A (ja) | 織物プリプレグ及び繊維強化複合材料 | |
| JP7338176B2 (ja) | 炭素繊維強化ビニルエステル樹脂組成物およびその製造方法 | |
| JP2002054031A (ja) | 炭素繊維及びその製造方法 | |
| CN117106245B (zh) | 一种ppta纳米微球丁苯橡胶复合材料的制备方法 | |
| JP2001031781A (ja) | プリプレグ及び繊維強化複合材料 | |
| JP2850165B2 (ja) | ピッチ系炭素繊維強化複合材料成形体 | |
| JP2002121295A (ja) | 炭素繊維強化プラスチックおよびその製造法 | |
| Stori et al. | An evaluation of the impact properties of carbon fibre reinforced composites with various matrix materials |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |