JPH0763383B2 - 新規な微生物およびそれを用いるグルタミン酸の製造法 - Google Patents
新規な微生物およびそれを用いるグルタミン酸の製造法Info
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- JPH0763383B2 JPH0763383B2 JP62075727A JP7572787A JPH0763383B2 JP H0763383 B2 JPH0763383 B2 JP H0763383B2 JP 62075727 A JP62075727 A JP 62075727A JP 7572787 A JP7572787 A JP 7572787A JP H0763383 B2 JPH0763383 B2 JP H0763383B2
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- C12N1/20—Bacteria; Culture media therefor
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は発酵法によるグルタミン酸を著量に蓄積する新
規な微生物、およびその微生物を培養して目的物を製造
する方法に関する。
規な微生物、およびその微生物を培養して目的物を製造
する方法に関する。
微生物を用いてグルタミン酸を著量蓄積せしめ、これを
採取する方法、すなわちグルタミン酸発酵の工業生産で
は、グルタミン酸を培地中に著量に蓄積する能力を有す
る微生物、いわゆるグルタミン酸生産菌を発酵タンク中
で適当な培地を用いpH,温度,溶存酸素量などの培養条
件を適正な条件下にコントロールして行れている。従来
知られているグルタミン酸生産菌の分類については数多
くの報告があり、例えば以下のものを挙げることが出来
る。
採取する方法、すなわちグルタミン酸発酵の工業生産で
は、グルタミン酸を培地中に著量に蓄積する能力を有す
る微生物、いわゆるグルタミン酸生産菌を発酵タンク中
で適当な培地を用いpH,温度,溶存酸素量などの培養条
件を適正な条件下にコントロールして行れている。従来
知られているグルタミン酸生産菌の分類については数多
くの報告があり、例えば以下のものを挙げることが出来
る。
1.木下らAminoAcids 2 42(1960),(以下文献) 2.奥村ら農化誌36 141(1962),(以下文献) 3.高山ら農化誌39 328(1965),(以下文献) 4.高山ら農化誌39 335(1965),(以下文献) 5.高山ら農化誌39 342(1965),(以下文献) 6.駒形らJ.Gen.Appl.Microbiol.,15 243(1969),(以
下文献) 7.山田らJ.Gen.Appl.Microbiol.,16 103(1970),(以
下文献) 8.山田らJ.Gen.Appl.Microbiol.,16 215(1970),(以
下文献) 9.山田らJ.Gen.Appl.Microbiol.,18 399(1972),(以
下文献) 10.山田らJ.Gen.Appl.Microbiol.,18 417(1972),
(以下文献) これらの報告でグルタミン酸生産菌とはグルタミン酸を
培地中に著量に蓄積する菌であるが厳密な定義がなされ
ている訳ではない。しかしその量的目安としては、文献
に述べられているように培地中に30g/以上、かつ対
グルコース収率が30%以上のグルタミン酸を蓄積する工
業的に利用可能な微生物をさすものと解釈出来る。
下文献) 7.山田らJ.Gen.Appl.Microbiol.,16 103(1970),(以
下文献) 8.山田らJ.Gen.Appl.Microbiol.,16 215(1970),(以
下文献) 9.山田らJ.Gen.Appl.Microbiol.,18 399(1972),(以
下文献) 10.山田らJ.Gen.Appl.Microbiol.,18 417(1972),
(以下文献) これらの報告でグルタミン酸生産菌とはグルタミン酸を
培地中に著量に蓄積する菌であるが厳密な定義がなされ
ている訳ではない。しかしその量的目安としては、文献
に述べられているように培地中に30g/以上、かつ対
グルコース収率が30%以上のグルタミン酸を蓄積する工
業的に利用可能な微生物をさすものと解釈出来る。
これらの既知のグルタミン酸生産菌はすべて好気性,グ
ラム陽性,胞子を形成しない桿菌でありコリネフォルム
細菌とよばれている菌群に含まれるが、さらにグルタミ
ン酸を培地中に著量に蓄積する能力を有する、ビオチン
要求性である、細胞壁中にメゾジアミノピメリン酸を含
有する、DNAのGC含量が55%付近にある、形態的特徴お
よび生理・生化学的性状が相互に類似しているなどの事
実が知られており、これらのことからグルタミン酸生産
菌と呼ばれている既知の微生物は分類学的には相互に近
縁のものであることは広く認められているところであ
る。このように相互に近縁な微生物であると考えられて
いるにも拘らず、既知のグルタミン酸生産菌はブレビバ
クテリウム属(Brevibacterium属),コリネバクテリウ
ム属(Corynebacterium属)或はミクロバクテリウム属
(Microbacterium属)など異なった属に同定されてい
る。これは同定を行った時代の違い、なかんづく世界で
もっとも権威ある細菌の同定書であるバーヂースマニュ
アルデタミネイティブバクテリオロジーの同定時に於け
る最新版の分類体系や分類基準の考え方の相違や、同定
者の分類基準のウエイトの置き方の相違などがこのよう
な現象をもたらした要因と考えられる。また木下ら(文
献)は約20株のグルタミン酸生産菌について分類学的
な研究を行ないこれらの菌のもつ共通的性質を分類基準
としてグルタミン酸生産菌属の設定を主張しているが、
現在までこの主張は広く採用されるには至っていない。
ラム陽性,胞子を形成しない桿菌でありコリネフォルム
細菌とよばれている菌群に含まれるが、さらにグルタミ
ン酸を培地中に著量に蓄積する能力を有する、ビオチン
要求性である、細胞壁中にメゾジアミノピメリン酸を含
有する、DNAのGC含量が55%付近にある、形態的特徴お
よび生理・生化学的性状が相互に類似しているなどの事
実が知られており、これらのことからグルタミン酸生産
菌と呼ばれている既知の微生物は分類学的には相互に近
縁のものであることは広く認められているところであ
る。このように相互に近縁な微生物であると考えられて
いるにも拘らず、既知のグルタミン酸生産菌はブレビバ
クテリウム属(Brevibacterium属),コリネバクテリウ
ム属(Corynebacterium属)或はミクロバクテリウム属
(Microbacterium属)など異なった属に同定されてい
る。これは同定を行った時代の違い、なかんづく世界で
もっとも権威ある細菌の同定書であるバーヂースマニュ
アルデタミネイティブバクテリオロジーの同定時に於け
る最新版の分類体系や分類基準の考え方の相違や、同定
者の分類基準のウエイトの置き方の相違などがこのよう
な現象をもたらした要因と考えられる。また木下ら(文
献)は約20株のグルタミン酸生産菌について分類学的
な研究を行ないこれらの菌のもつ共通的性質を分類基準
としてグルタミン酸生産菌属の設定を主張しているが、
現在までこの主張は広く採用されるには至っていない。
一方、グルタミン酸発酵の工業凄惨では上述したグルタ
ミン酸生産菌をブドー糖、蔗糖や酢酸などの成分を含む
培地で窒素源としてアンモニア,尿素或は硫安などを用
いて好気条件下で培養し培地中にグルタミン酸を著量蓄
積せしめる。グルタミン酸の蓄積量は培地の組成、培養
pH、培養温度溶存酸素量および菌体内に生成したグルタ
ミン酸を培地中に排出せしめる手段などにより異なって
くるが、これらの因子を至適に設定することにより容易
に対ブドー糖収率30%以上かつ溶培液中のグルタミン酸
の蓄積濃度30g/以上でグルタミン酸を蓄積させること
が可能である。
ミン酸生産菌をブドー糖、蔗糖や酢酸などの成分を含む
培地で窒素源としてアンモニア,尿素或は硫安などを用
いて好気条件下で培養し培地中にグルタミン酸を著量蓄
積せしめる。グルタミン酸の蓄積量は培地の組成、培養
pH、培養温度溶存酸素量および菌体内に生成したグルタ
ミン酸を培地中に排出せしめる手段などにより異なって
くるが、これらの因子を至適に設定することにより容易
に対ブドー糖収率30%以上かつ溶培液中のグルタミン酸
の蓄積濃度30g/以上でグルタミン酸を蓄積させること
が可能である。
〔発明が解決しようとする問題点〕 グルタミン酸は上述せる発酵法により我が国はもとより
世界の多くの国々で工業生産されている。工業生産を実
施するに当り最も重要な因子の一つに経済性がある。本
発明は発酵法によるグルタミン酸の工業生産の経済性を
高める技術を提供するものである。
世界の多くの国々で工業生産されている。工業生産を実
施するに当り最も重要な因子の一つに経済性がある。本
発明は発酵法によるグルタミン酸の工業生産の経済性を
高める技術を提供するものである。
グルタミン酸発酵の工業生産において経済性を高める技
術的な要因はいくつかある。例えば対糖収率の向上、グ
ルタミン酸の蓄積濃度の向上、培養時間の短縮化等々で
ある。其の他に要因として重要なものに培養温度の高温
化がある。培養温度はグルタミン酸発酵至適温度で行れ
るが従来のグルタミン酸生産菌を使用する場合、この温
度は通常31〜32゜である。培養が開始されると発酵熱が
発生するためにそのまま放置すれば培養液の温度は上昇
しグルタミン酸の生成は著じるしく低下する。培養液の
温度を至適に維持するためには、発酵槽内に熱交換機を
設置し、これに冷水を循環させることが必要となる。冷
水を得るためには冷凍機を使用しなければならないが発
生する発酵熱が莫大であるため冷凍機で消費する電気エ
ネルギーも大きなものとなっている。従ってグルタミン
酸発酵の培養温度を従来より上昇させることが出来れば
冷却負担が減少し、もって本工業生産の経済性を高める
ものである。
術的な要因はいくつかある。例えば対糖収率の向上、グ
ルタミン酸の蓄積濃度の向上、培養時間の短縮化等々で
ある。其の他に要因として重要なものに培養温度の高温
化がある。培養温度はグルタミン酸発酵至適温度で行れ
るが従来のグルタミン酸生産菌を使用する場合、この温
度は通常31〜32゜である。培養が開始されると発酵熱が
発生するためにそのまま放置すれば培養液の温度は上昇
しグルタミン酸の生成は著じるしく低下する。培養液の
温度を至適に維持するためには、発酵槽内に熱交換機を
設置し、これに冷水を循環させることが必要となる。冷
水を得るためには冷凍機を使用しなければならないが発
生する発酵熱が莫大であるため冷凍機で消費する電気エ
ネルギーも大きなものとなっている。従ってグルタミン
酸発酵の培養温度を従来より上昇させることが出来れば
冷却負担が減少し、もって本工業生産の経済性を高める
ものである。
本発明者らは叙上の問題点を解決するため種々の研究を
行った結果、従来のグルタミン酸生産菌では生育し得な
い45゜で生育出来る微生物の中に、従来のグルタミン酸
生産菌と同等のグルタミン酸生産能(対糖収率30%以
上,グルタミン酸蓄積量30g/以上)を有し、かつ従来
のグルタミン酸生産菌では生育せずグルタミン酸発酵の
実施不能な高温領域(例えば43℃)で著量のグルタミン
酸を蓄積する能力を有する新規な微生物を見出し、その
微生物を用いてグルタミン酸発酵を行ない培地中に著量
のグルタミン酸を蓄積せしめる条件を見出すことにより
本発明を完成するに至った。
行った結果、従来のグルタミン酸生産菌では生育し得な
い45゜で生育出来る微生物の中に、従来のグルタミン酸
生産菌と同等のグルタミン酸生産能(対糖収率30%以
上,グルタミン酸蓄積量30g/以上)を有し、かつ従来
のグルタミン酸生産菌では生育せずグルタミン酸発酵の
実施不能な高温領域(例えば43℃)で著量のグルタミン
酸を蓄積する能力を有する新規な微生物を見出し、その
微生物を用いてグルタミン酸発酵を行ない培地中に著量
のグルタミン酸を蓄積せしめる条件を見出すことにより
本発明を完成するに至った。
以下に本発明の詳細について述べる。
従来のグルタミン酸生産菌の生育温度に関しては、上述
の引用した報告の中で触れられている限り、いずれの報
告でもグルタミン酸生産菌の共通の性質であるとして、
文献では28゜−37゜で良好な生育をする。文献では
30゜−37゜で良好な生育を示し42゜では極めて悪く生育
しないものが多い、文献では至適生育温度25゜−37
゜,42゜では微かな生育、文献では42゜で生育するも
のはない、と報告されている。それぞれの報告では実施
方法の違い、生育の判定基準の違いがあるとしても、従
来のグルタミン酸生産菌の最高生育温度はせいぜい42゜
程度であると、類推される。そこで発明者らは、従来の
グルタミン酸生産菌として取扱われている菌株中より入
手し得るものの殆どを網羅した表−1に示した20株を用
い、ニュートリエントブロスを培地として振盪式液体恒
温槽による方法、及びニュートリエントアガーを培地と
した平板培養を高精度気体恒温槽による方法の2法を用
いて最高生育温度を検定した。その結果供試菌株はすべ
て42゜では液体培養及び平板培養の何れでも、生育は認
められなかった。すなわち従来のグルタミン酸生産菌の
最高生育温度は42゜以下と判定した。
の引用した報告の中で触れられている限り、いずれの報
告でもグルタミン酸生産菌の共通の性質であるとして、
文献では28゜−37゜で良好な生育をする。文献では
30゜−37゜で良好な生育を示し42゜では極めて悪く生育
しないものが多い、文献では至適生育温度25゜−37
゜,42゜では微かな生育、文献では42゜で生育するも
のはない、と報告されている。それぞれの報告では実施
方法の違い、生育の判定基準の違いがあるとしても、従
来のグルタミン酸生産菌の最高生育温度はせいぜい42゜
程度であると、類推される。そこで発明者らは、従来の
グルタミン酸生産菌として取扱われている菌株中より入
手し得るものの殆どを網羅した表−1に示した20株を用
い、ニュートリエントブロスを培地として振盪式液体恒
温槽による方法、及びニュートリエントアガーを培地と
した平板培養を高精度気体恒温槽による方法の2法を用
いて最高生育温度を検定した。その結果供試菌株はすべ
て42゜では液体培養及び平板培養の何れでも、生育は認
められなかった。すなわち従来のグルタミン酸生産菌の
最高生育温度は42゜以下と判定した。
本発明者らは従来の培養温度よりも高温領域でグルタミ
ン酸発酵を行うためには少くとも従来のグルタミン酸生
産菌より最高生育温度が高い微生物であることが要件と
なるであろうとの仮説のもとに自然界の各種のサンプル
を微生物分離源として43℃で生育する微生物を分離し、
その中から著量のグルタミン酸を培地中に蓄積する能力
のある菌株を探索し、異なった微生物分離源より14株を
取得した。これらの菌株の菌学的性質を検定し同定を行
った結果、分離株は相互に類似しており同一種に含まれ
るものと判定した。以下に代表的な4株(菌株番号、AJ
12308,AJ12309,AJ12310,AJ12340)について菌学的性質
を記載する。
ン酸発酵を行うためには少くとも従来のグルタミン酸生
産菌より最高生育温度が高い微生物であることが要件と
なるであろうとの仮説のもとに自然界の各種のサンプル
を微生物分離源として43℃で生育する微生物を分離し、
その中から著量のグルタミン酸を培地中に蓄積する能力
のある菌株を探索し、異なった微生物分離源より14株を
取得した。これらの菌株の菌学的性質を検定し同定を行
った結果、分離株は相互に類似しており同一種に含まれ
るものと判定した。以下に代表的な4株(菌株番号、AJ
12308,AJ12309,AJ12310,AJ12340)について菌学的性質
を記載する。
ここに示したようにこれらの菌株(以下本発明菌とい
う)はいずれも好気的に生育するグラム陽性の無胞子桿
菌であるところからコリネフォルム細菌群に属する。さ
らに、細胞分裂の様式がスナッピングタイプである、細
胞壁に含まれる2塩基アミノ酸がメゾジアミノピメリン
酸である、5%食塩含有培地で生育出来る耐滲透圧性菌
である、生育にビオチンを必要とする、後述する実施例
で示すように糖から高収率で著量のグルタミン酸を生成
し培地中に蓄積する、などの特徴的性質を有するが、こ
れらの性質は従来知られているグルタミン酸生産菌と同
一である。また其の他の形態的性質、生理生化学的性質
においても多くの性状が既知のグルタミン酸生産菌と共
通である。以上のことから、本発明菌は既知のグルタミ
ン酸生産菌と属のレベルでは同一の属に属せしめるのが
妥当であろうと考えられる。既知のグルタミン酸生産菌
をどの属に分類するかは前述の通り見解のわかれるとこ
ろであるが、文献〜などを参考にした上で編さんさ
れたコリネフォルム細菌群にかかわる最新のバージース
マニュアル第8版では既知のグルタミン酸生産菌はコリ
ネバクテリウム属とブレビバクテリウム属とにわけられ
て記載されている。しかし本マニュアルではブレビバク
テリウム属そのものを分類学的に不確定な属(Genus in
certae sidis)として扱い、コリネバクテリウム属は正
規な属として扱っていることを考慮すれば本発明菌をコ
リネバクテリウム属に属せしめるのが現時点ではもっと
も妥当であると考えられる。次に本発明菌の種レベルで
の分類学的考察を行う。本発明菌と既知のグルタミン酸
生産菌との菌学的性質面で共通して異なるものは以下の
3性質である。第1は明瞭な生育を示す最高温度が43゜
以上であるという点である。前述したように既知のグル
タミン酸生産菌の最高生育温度は文献的にも、また発明
者らは実施した試験結果からも42゜程度ないし42゜以下
であり43゜以上で生育するものは存在しない。第二は温
度抵抗性である。温度抵抗性は試験管など大容量で試験
する場合には熱の伝導時間などのばらつきから正しい結
果が得られにくく、スキムミルク中に菌を懸濁しこれを
ガラスキャピラリーに封入してテストする方法が最良と
されている(文献)本発明菌はすべての菌株がスキム
ミルク中、キャピラリーチューブ検定法で55゜−10分の
処理で生残する。これに対し既知グルタミン酸菌は本法
で行えば55゜−10分処理で大部分の菌株は死滅するが、
微かな生残をする菌株もあるとの報告(文献)があ
る。
う)はいずれも好気的に生育するグラム陽性の無胞子桿
菌であるところからコリネフォルム細菌群に属する。さ
らに、細胞分裂の様式がスナッピングタイプである、細
胞壁に含まれる2塩基アミノ酸がメゾジアミノピメリン
酸である、5%食塩含有培地で生育出来る耐滲透圧性菌
である、生育にビオチンを必要とする、後述する実施例
で示すように糖から高収率で著量のグルタミン酸を生成
し培地中に蓄積する、などの特徴的性質を有するが、こ
れらの性質は従来知られているグルタミン酸生産菌と同
一である。また其の他の形態的性質、生理生化学的性質
においても多くの性状が既知のグルタミン酸生産菌と共
通である。以上のことから、本発明菌は既知のグルタミ
ン酸生産菌と属のレベルでは同一の属に属せしめるのが
妥当であろうと考えられる。既知のグルタミン酸生産菌
をどの属に分類するかは前述の通り見解のわかれるとこ
ろであるが、文献〜などを参考にした上で編さんさ
れたコリネフォルム細菌群にかかわる最新のバージース
マニュアル第8版では既知のグルタミン酸生産菌はコリ
ネバクテリウム属とブレビバクテリウム属とにわけられ
て記載されている。しかし本マニュアルではブレビバク
テリウム属そのものを分類学的に不確定な属(Genus in
certae sidis)として扱い、コリネバクテリウム属は正
規な属として扱っていることを考慮すれば本発明菌をコ
リネバクテリウム属に属せしめるのが現時点ではもっと
も妥当であると考えられる。次に本発明菌の種レベルで
の分類学的考察を行う。本発明菌と既知のグルタミン酸
生産菌との菌学的性質面で共通して異なるものは以下の
3性質である。第1は明瞭な生育を示す最高温度が43゜
以上であるという点である。前述したように既知のグル
タミン酸生産菌の最高生育温度は文献的にも、また発明
者らは実施した試験結果からも42゜程度ないし42゜以下
であり43゜以上で生育するものは存在しない。第二は温
度抵抗性である。温度抵抗性は試験管など大容量で試験
する場合には熱の伝導時間などのばらつきから正しい結
果が得られにくく、スキムミルク中に菌を懸濁しこれを
ガラスキャピラリーに封入してテストする方法が最良と
されている(文献)本発明菌はすべての菌株がスキム
ミルク中、キャピラリーチューブ検定法で55゜−10分の
処理で生残する。これに対し既知グルタミン酸菌は本法
で行えば55゜−10分処理で大部分の菌株は死滅するが、
微かな生残をする菌株もあるとの報告(文献)があ
る。
発明者らはこの点についても追試を行なった。表−1に
示した既知のグルタミン酸生産菌のすべてについて本発
明菌と同じ条件下で温度抵抗性試験を行った結果、既知
のグルタミン酸生産菌はすべて55゜−10分の処理で死滅
した。これに対し本発明菌は55゜−10分の処理で分離株
14株のすべてが生残し、さらにこのうち11株は60゜−10
分の処理でも生残した。
示した既知のグルタミン酸生産菌のすべてについて本発
明菌と同じ条件下で温度抵抗性試験を行った結果、既知
のグルタミン酸生産菌はすべて55゜−10分の処理で死滅
した。これに対し本発明菌は55゜−10分の処理で分離株
14株のすべてが生残し、さらにこのうち11株は60゜−10
分の処理でも生残した。
第三の特徴的性質は、本発明菌は43゜においても著量の
グルタミン酸を蓄積することである。本試験の条件及び
グルタミン酸の蓄積量は実施例に示した通りである。同
条件で表−1に示した既知グルタミン酸生産菌株のグル
タミン酸の蓄積性を検定したがすべての菌株が生育せ
ず、蓄積したグルタミン酸も実質的に無であった。以上
述べた本発明菌の性質は既知のグルタミン酸生産菌にみ
られない性質で、特に最高生育温度や温度抵抗性の性質
は微生物変異操作によって上昇させることは不可能な安
定した性質と考えられているので本発明菌は既知のグル
タミン酸生産菌の何れとも別種であるとするに充分な根
拠を有するものと解釈できる。また、本発明菌分離株14
株の菌株相互間では生育状態やコロニーの色調などの形
態的性質の僅かな差異、例えばショ糖,麦芽糖,トレハ
ロース,マンニット,イノシットなどからの酸生成,MR,
VP,硝酸塩還元及びウレアーゼ、などで生理生化学的性
質の差異がみられたが、これらの差異は菌株レベルの差
異であり、種をわける程の差異とすることは不適当と考
え、本発明菌はすべて同一種に属するものと認定した。
グルタミン酸を蓄積することである。本試験の条件及び
グルタミン酸の蓄積量は実施例に示した通りである。同
条件で表−1に示した既知グルタミン酸生産菌株のグル
タミン酸の蓄積性を検定したがすべての菌株が生育せ
ず、蓄積したグルタミン酸も実質的に無であった。以上
述べた本発明菌の性質は既知のグルタミン酸生産菌にみ
られない性質で、特に最高生育温度や温度抵抗性の性質
は微生物変異操作によって上昇させることは不可能な安
定した性質と考えられているので本発明菌は既知のグル
タミン酸生産菌の何れとも別種であるとするに充分な根
拠を有するものと解釈できる。また、本発明菌分離株14
株の菌株相互間では生育状態やコロニーの色調などの形
態的性質の僅かな差異、例えばショ糖,麦芽糖,トレハ
ロース,マンニット,イノシットなどからの酸生成,MR,
VP,硝酸塩還元及びウレアーゼ、などで生理生化学的性
質の差異がみられたが、これらの差異は菌株レベルの差
異であり、種をわける程の差異とすることは不適当と考
え、本発明菌はすべて同一種に属するものと認定した。
なお、本発明菌をグルタミン酸生産菌以外のコリネフォ
ルム細菌群に属する菌種と対比して検索を行ったが、該
当する菌種は存在しなかった。以上の考察より本発明菌
は何れの菌株もコリネバクテリウム属に属する新菌種と
認め、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Cory
nebacterium thermoaminogenes nov.sp)と命名した。
本菌種に属する代表的菌株はAJ12308,AJ12309,AJ12310,
AJ12340であり、これらの菌株はそれぞれFERMBP−1540,
1541,1542,1539として寄託されている。
ルム細菌群に属する菌種と対比して検索を行ったが、該
当する菌種は存在しなかった。以上の考察より本発明菌
は何れの菌株もコリネバクテリウム属に属する新菌種と
認め、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Cory
nebacterium thermoaminogenes nov.sp)と命名した。
本菌種に属する代表的菌株はAJ12308,AJ12309,AJ12310,
AJ12340であり、これらの菌株はそれぞれFERMBP−1540,
1541,1542,1539として寄託されている。
実施例−1 コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスAJ12308を用
い、<表−2>に示した培地組成を有する培養液を容量
1の小型発酵槽に300ml張り込み、培養液のpHが7.5〜
8.0に保たれるようにアンモニアガスを適宜加えつつ43,
で培養した。培養開始5時間後、比濁が0.6に達したと
きにペニシリンを3U/mlの濃度になるように添加しさら
に培養を継続した。培養16時間後の培養液を高速液体ク
ロマトグラフで分析した結果、39.1g/の濃度でグルタ
ミン酸が蓄積していた。なおこのとき併行して同条件で
ブレビバクテリウム・フラブムATCC 13826を用いて行っ
た場合のグルタミン酸の蓄積量は0.1g/以下であっ
た。
い、<表−2>に示した培地組成を有する培養液を容量
1の小型発酵槽に300ml張り込み、培養液のpHが7.5〜
8.0に保たれるようにアンモニアガスを適宜加えつつ43,
で培養した。培養開始5時間後、比濁が0.6に達したと
きにペニシリンを3U/mlの濃度になるように添加しさら
に培養を継続した。培養16時間後の培養液を高速液体ク
ロマトグラフで分析した結果、39.1g/の濃度でグルタ
ミン酸が蓄積していた。なおこのとき併行して同条件で
ブレビバクテリウム・フラブムATCC 13826を用いて行っ
た場合のグルタミン酸の蓄積量は0.1g/以下であっ
た。
実施例2 コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスAJ12309を用
い実施例1と同様な方法でグルタミン酸発酵を行った結
果、培養19時間後の培養液中に40.0g/の濃度でグルタ
ミン酸が蓄積した。
い実施例1と同様な方法でグルタミン酸発酵を行った結
果、培養19時間後の培養液中に40.0g/の濃度でグルタ
ミン酸が蓄積した。
実施例3 コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスAJ12310を用
い実施例1と同様な方法でグルタミン酸発酵を行った結
果、培養17時間後の培養液中に35.2g/の濃度でグルタ
ミン酸が蓄積した。
い実施例1と同様な方法でグルタミン酸発酵を行った結
果、培養17時間後の培養液中に35.2g/の濃度でグルタ
ミン酸が蓄積した。
実施例4 コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスAJ12340を用
い実施例−1と同様な方法でグルタミン酸発酵を行った
結果、培養18時間後の培養液中に38.1g/の濃度でグル
タミン酸が蓄積した。
い実施例−1と同様な方法でグルタミン酸発酵を行った
結果、培養18時間後の培養液中に38.1g/の濃度でグル
タミン酸が蓄積した。
実施例−5 コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスAJ12308を用
い、<表−2>に示した培地組成よりグルコースと硫酸
アンモニウムを除き酢酸アンモニウムを20gを添加した
培地組成を有する培養液を容量1の小型発酵槽に300m
l張り込み、培養液のpHが7.5〜8.0に保たれるように酢
酸或はアンモニアガスを適宜加えつつ40゜で培養した。
培養開始8時間後、比濁が0.6に達したときにペニシリ
ンを3U/mlの濃度になるように添加しさらに培養を継続
した。培養24時間後の培養液を高速液体クロマトグラフ
で分析した結果32g/の濃度で蓄積していたが、これは
対酢酸収率31.5%であった。
い、<表−2>に示した培地組成よりグルコースと硫酸
アンモニウムを除き酢酸アンモニウムを20gを添加した
培地組成を有する培養液を容量1の小型発酵槽に300m
l張り込み、培養液のpHが7.5〜8.0に保たれるように酢
酸或はアンモニアガスを適宜加えつつ40゜で培養した。
培養開始8時間後、比濁が0.6に達したときにペニシリ
ンを3U/mlの濃度になるように添加しさらに培養を継続
した。培養24時間後の培養液を高速液体クロマトグラフ
で分析した結果32g/の濃度で蓄積していたが、これは
対酢酸収率31.5%であった。
Claims (1)
- 【請求項1】最高生育温度が43℃以上、温度抵抗性が55
℃−10分以上かつ著量のグルタミン酸を蓄積する能力を
有する新規な微生物、コリネバクテリウム・サーモアミ
ノゲネスを用いてグルタミン酸発酵を行ない培養液中よ
りグルタミン酸を採取することを特徴とするグルタミン
酸の製造法。
Priority Applications (9)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62075727A JPH0763383B2 (ja) | 1987-03-27 | 1987-03-27 | 新規な微生物およびそれを用いるグルタミン酸の製造法 |
| AU11614/88A AU616168C (en) | 1987-03-27 | 1988-02-10 | Novel microorganisms and a method for production of glutamic acid using the same |
| MYPI88000138A MY102317A (en) | 1987-03-27 | 1988-02-10 | Novel microorganisms and a method for production of glutamic acid using the same. |
| BR8801289A BR8801289A (pt) | 1987-03-27 | 1988-03-22 | Microorganismo e processo para a producao de acido glutamico |
| PH36679A PH25252A (en) | 1987-03-27 | 1988-03-23 | Novel microorganism and method for production of glutamic acid using the same |
| FR888803884A FR2612937B1 (fr) | 1987-03-27 | 1988-03-24 | Nouveaux micro-organismes et procede pour la production d'acide glutamique utilisant ces micro-organismes |
| KR1019880003283A KR960006580B1 (ko) | 1987-03-27 | 1988-03-26 | 신규한 미생물 및 이를 사용하여 글루탐산을 제조하는 방법 |
| US07/702,111 US5250434A (en) | 1987-03-27 | 1991-05-16 | Microorganisms for production of glutamic acid |
| BR1100229-8A BR1100229A (pt) | 1987-03-27 | 1997-04-07 | Microrganismo e processo para a produção de ácido glutâmico. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62075727A JPH0763383B2 (ja) | 1987-03-27 | 1987-03-27 | 新規な微生物およびそれを用いるグルタミン酸の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63240779A JPS63240779A (ja) | 1988-10-06 |
| JPH0763383B2 true JPH0763383B2 (ja) | 1995-07-12 |
Family
ID=13584588
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62075727A Expired - Lifetime JPH0763383B2 (ja) | 1987-03-27 | 1987-03-27 | 新規な微生物およびそれを用いるグルタミン酸の製造法 |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0763383B2 (ja) |
| KR (1) | KR960006580B1 (ja) |
| BR (1) | BR8801289A (ja) |
| FR (1) | FR2612937B1 (ja) |
| MY (1) | MY102317A (ja) |
| PH (1) | PH25252A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2990735B2 (ja) * | 1990-04-20 | 1999-12-13 | 味の素株式会社 | L―リジンの発酵的製造法 |
| PL341895A1 (en) | 1999-08-12 | 2001-02-26 | Ajinomoto Kk | Plasmide autonomously replicable in corynebacter bacteria |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US3355359A (en) * | 1964-07-18 | 1967-11-28 | Asahi Chemical Ind | Process for producing l-glutamic acid by using corynebacterium melassecola |
| US3338793A (en) * | 1964-09-18 | 1967-08-29 | Asahi Chemical Ind | Method for production of l-glutamic acid by microbacteria |
| JPS6248393A (ja) * | 1985-08-24 | 1987-03-03 | Ajinomoto Co Inc | L−グルタミン酸の製造法 |
-
1987
- 1987-03-27 JP JP62075727A patent/JPH0763383B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1988
- 1988-02-10 MY MYPI88000138A patent/MY102317A/en unknown
- 1988-03-22 BR BR8801289A patent/BR8801289A/pt not_active Application Discontinuation
- 1988-03-23 PH PH36679A patent/PH25252A/en unknown
- 1988-03-24 FR FR888803884A patent/FR2612937B1/fr not_active Expired - Lifetime
- 1988-03-26 KR KR1019880003283A patent/KR960006580B1/ko not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| KR880011324A (ko) | 1988-10-27 |
| FR2612937A1 (fr) | 1988-09-30 |
| JPS63240779A (ja) | 1988-10-06 |
| BR8801289A (pt) | 1988-10-25 |
| FR2612937B1 (fr) | 1990-01-12 |
| PH25252A (en) | 1991-03-27 |
| AU1161488A (en) | 1988-09-29 |
| MY102317A (en) | 1992-05-28 |
| KR960006580B1 (ko) | 1996-05-20 |
| AU616168B2 (en) | 1991-10-24 |
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