JPH07641B2 - 配向性を有するπ−共役系高分子材料の製造方法 - Google Patents

配向性を有するπ−共役系高分子材料の製造方法

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JPH07641B2
JPH07641B2 JP6272185A JP6272185A JPH07641B2 JP H07641 B2 JPH07641 B2 JP H07641B2 JP 6272185 A JP6272185 A JP 6272185A JP 6272185 A JP6272185 A JP 6272185A JP H07641 B2 JPH07641 B2 JP H07641B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子材料等に用いられる高性能なπ−共役系高
分子材料を製造する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
π−共役系高分子は電子材料(特に導電性材料)として
注目され、その製造方法としては従来種々のものが開発
されている。例えば、チーグラー触媒を用いたポリアセ
チレンの製造方法(特公昭第48−32581号公報)、六塩
化タングステン等を触媒として用いたポリ(置換アセチ
レン)の製造方法(特公昭第54−43037号公報、特開昭
第57−31911号公報等)、ベンゼンの酸化カチオン重合
により、ポリ−p−フエニレンを製造する方法(J.Ame
r.Chew.Soc.,29巻,100頁−104頁.1964年)等が知られて
いる。更に、電気化学的重合法(電解重合法)による方
法も広く使用されており、この方法によつてポリピロー
ル、ポリチオフエン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリ
カルバゾール、ポリフラン、ポリ−p−フエニレン等の
π−共役系高分子が合成されている。
しかし、いずれの方法も得られたπ−共役系高分子材料
は非晶質で立体規則性がなくそれらの機能を高度に引き
出すには到つていないのが現状である。
π−共役系高分子材料の応用例としては、導電材料や半
導体材料としての利用が考えられている。すなわち、π
−共役系高分子材料を化学的または電気化学的方法等に
よつて酸化または還元することによつて、その電導度を
絶縁体領域から半導体領域を経て金属的領域までの広い
範囲にわたつて自由に制御できる長所をもつている。こ
の性質を利用して、π−共役系高分子を配線材料や各種
半導体素子として利用すべく活発に開発が行なわれてい
る(特開昭第56−147486号公報、特開昭第59−63760号
公報、特開昭第56−88205号公報等)。
しかし、従来方法で得られるπ−共役系高分子材料は非
晶質であるが故に、その機能を十分に発揮しているとは
言い難い。このような背景から最近では、配向させたπ
−共役系高分子材料を得ようとする試みがなされてい
る。例えば液晶中でチーグラー触媒を用いたポリアセチ
レンの合成があり、液晶分子が容易に配向することを利
用して、直接に配向したポリアセチレンを得ようとして
いる(Chem.Lett.1141頁、1984年)。現在、この方法は
ポリアセチレンの合成に限られており、また、ポリアセ
チレンは空気中で容易に劣化するため実用的価値は乏し
い。
これに対し、π−共役系高分子単結晶を用いる方法があ
り、現在までにポリジアセチレン系のPTS(ポリ−2,4−
ヘキサジイン−1,6−ジオ−ルビス−p−トルエンスル
ホネート)およびDCH(ポリ−1,6−ジ−N−カルバゾー
ル2,4−ヘキサジイン)が良好な単結晶として得られて
いる(ポリジアセチレン(Polydiacetylene)H.−J.Can
tow編、スプリンガーバーラグ(Springer−verlag)、
東京、1984年)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、π−共役系高分子単結晶は製造方法が難しく、
製造コストの観点からは問題が多い。
以上のように従来法によつて得られるπ−共役系高分子
材料には性能的またはコスト的に問題があつた。
本発明は上記のような問題点を解消するためになされた
もので、高配向性(立体規則性)を有するπ−共役系高
分子材料を容易に製造する方法を提供する事を目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、ホスト材料が形成するトンネル状の
空間(カナル)にゲスト材料としてモノマー分子を取り
込んで包接化合物を形成させた後、モノマー分子をカナ
ル内で重合(包接重合)させる操作を含むπ−共役系高
分子材料の製造方法である。
こうして本発明は、ホスト材料から形成するトンネル状
の空間(カナル)にゲスト材料としてπ−共役系高分子
材料形成用モノマー分子を取り込んで包接化合物を形成
し、該モノマー分子をホスト材料の鋳型(上記空間)内
で包接重合させることからなる、立体規則性すなわち配
向性を有するπ−共役系高分子材料とするか、包接重合
したポリマーがπ−共役系高分子材料でない場合には1,
2−脱離反応により配向性を有するπ−共役系高分子材
料となす。
〔作用〕
以下、本発明を第1図に基づき詳細に説明する。
第1図は本発明による重合体の製造方法の製造工程の概
略図である。結晶性ホスト材料にはカナル(canal)と
呼ばれるトンネル状の空間があり(図中(イ))、この
空間にゲスト材料としてのモノマー分子を取り込み(図
中(a))、モノマー包接化合物(図中(ロ))を得
る。この時カナルの大きさに合つたモノマー分子だけが
取り込まれる。この様にして取り込まれたモノマー分子
は、互いに運動が規制されしかも、規則正しく配列して
いる。この様な状態でモノマー分子を重合(包接重合、
図中(b))させると、運動が規制されている結果、得
られた高分子材料も立体規則性を有するようになる(図
中(ハ))。この後、使用目的に応じてホスト材料を溶
媒にて溶解除去(図中(c))することによつて配向性
ポリマーを単離することもできる(図中(ニ))。この
包接重合自身は以前から知られていたが(J.Macromol.S
ci.Rev.Macromol.Chem.C18巻、83頁、1980年)、この包
接重合をπ−共役系高分子材料の製造方法として用いた
例は無く、本発明者等が初めて見出したものである。
本発明におけるホスト材料としては尿素、チオ尿素、下
記(1)式で示すデオキシコール酸、シクロトリホスフ
アゼン、 下記(2)式で示すアポコール酸、ペルヒドロトリフエ
ニレン等 カナルを形成する材料であればいずれも使用可能である
が、デオキシコール酸およびアポコール酸が取扱い上好
んで用いられる。ゲスト材料としてはビニル系モノマ
ー、ジエン系モノマー、アセチレン系モノマー、および
ジアセチレン系モノマーが使用可能であり、カナルの大
きさに応じてモノマー分子を種々選択できる。ゲスト材
料として上記モノマー中、ハロゲン化モノマー、例え
ば、α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロ
ニトリル、塩化ビニル、臭化ビニルが好ましく用いられ
る。
包接重合して得られたポリマーがπ−共役系高分子でな
い場合、例えばビニル系モノマーやジエン系モノマーを
用いる時は、重合後、カナル内にポリマーを取り込んだ
状態で加熱し1,2−脱離反応を行なわせしめ目的のπ−
共役系高分子材料を得ることができる。ここで、脱離反
応とは、隣合う炭素原子にそれぞれ結合した置換基を脱
離させてπ−共役系高分子材料を得る反応である。上述
したα−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロ
ニトリル、塩化ビニル、臭化ビニルでは、水素と塩素、
水素と臭素が脱離し、それぞれ塩化水素、臭化水素が発
生する。脱離反応により目的のπ−共役系高分子材料を
得る時には、α−ハゲロン化モノマーが好んで用いられ
る。また、アセチレン系モノマーやジアセチレン系モノ
マーを包接重合して得られるπ−共役系高分子材料の場
合、このπ−共役系高分子材料をカナル内で取り込んだ
状態で加熱し、脱離反応を行なわせることによつて、高
度に共役したπ−共役系高分子材料を得ることも可能で
ある。
なお、カナル内でモノマー分子を重合させる方法として
は、γ線照射、UV照射、または加熱処理が特に有効であ
る。触媒を用いての重合は生成高分子の純度を低下させ
たり、通常カナル内に触媒分子が入りにくいことからあ
まり用いられない。γ線照射またはUV照射だけで重合が
進行しにくい場合には、γ線照射またはUV照射中または
その後加熱処理によつて重合を促進させる手段がとられ
る。
以上のように、モノマー分子をカナルという立体的に規
制された状態で重合(包接重合)させるために、高度な
立体規制性(配向性)を有するポリマーが得られること
になり、本発明における様にπ−共役系高分子材料を与
えるモノマーを用いれば、高度に配向したπ−共役系高
分子材料が容易に得られる。更に、最終的に得られるπ
−共役系高分子材料が空気中で不安定であるような材料
であればホスト材料がπ−共役系高分子材料を外界から
遮蔽する役目を果たし、π−共役系高分子包接化合物は
極めて安定であるという長所を有する。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例をもつて説明するが、勿論本発明
がこれら実施例によつて制限されるものではない。
実施例1 デオキシコール酸をアセトンにて再結晶する。別した
デオキシコール酸の結晶を100℃で約20時間加熱して、
一時的なゲスト分子であるアセトンを除去する。この様
にして得られたデオキシコール酸単結晶を以下DCAと略
す。1.0gのDCAと蒸留にて精製したα−クロロアクリロ
ニトリル(0.22g)とを直径10mmのガラス管に入れ、液
体窒素を用いて凍結−融解を3回繰り返して脱気処理を
施した後、10-3トルの減圧下で封管する。この後、室温
にて約24時間保存させてモノマー包接化合物を得る。
モノマー包接化合物を封管中で60Coからのγ線を0℃で
1時間照射する。照射量は1.0Mrad(メガラド)であつ
た。その後、所定の温度で所定時間加熱を行ない後重合
させポリマー包接化合物を得た。この時の反応温度、反
応日数および得られるポリマー包接化合物の収率の関係
を第2図に示す。図中、曲線1,2,3及び4は反応温度が
それぞれ50℃,60℃,70℃,80℃の場合に対応する。この
ようにして得られたポリマー包接化合物を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、外見上はモノマー包接化合物と
全く変わらず、モノマーがカナル内で反応していること
が判つた。
以上の様にして得られたDCA−ポリ(α−クロロアクリ
ロニトリル)包接化合物のIRスペクトルには2235cm-1
ニトリル基に基づく吸収が観測された。このDCA−ポリ
(α−クロロアクリロニトリル)を140℃で20時間加熱
処理を行ない、脱塩化水素反応を行なわせ、DCA−ポリ
シアノアセチレン包接化合物を80%の高収率で得た。こ
の収率は元素分析におけるClの残存量から求めた。脱塩
化水素反応によつて得られたDCA−ポリシアノアセチレ
ン包接化合物のIRスペクトルには2225cm-1にニトリル基
に基づく吸収が観られ、共役系の長さにより多少ずれる
が報告されているポリシアノアセチレンの値に近い値で
あつた。
実施例2 コール酸をアセトン中で塩化亜鉛を用いて脱水反応を行
なわせアポコール酸を得た。このアポコール酸をアセト
ンから再結晶後、別してアポコール酸結晶を得た。こ
のアポコール酸結晶を100℃で約20時間加熱してゲスト
分子であるアセトンを除去した。この様にして得られた
アポコール酸結晶を以下ApoCAと略す。1.0gのApoCAと蒸
留にて精製したα−クロロアクリロニトリル(0.22g)
とを直径10mmのガラス管に入れ、液体窒素を用いて凍結
−融解を3回繰り返して脱気処理を施した後、10-3トル
の減圧下で封管した。この後、室温にて約24時間保存す
ることによつてモノマー包接化合物を得た。
モノマー包接化合物を実施例1と同様にγ線照射を0℃
で1時間行ない(全照射量1Mrad)70℃で4日間後重合
を行ないポリ(α−クロロアクリロニトリル)包接化合
物を収率50%で得た。このようにして得られたポリ(α
−クロロアクリロニトリル)包接化合物を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、重合前のα−クロロアクリロニ
トリル包接化合物と外見上は全く変わらず、モノマーが
カナル内で反応したことが判つた。
以下、実施例1と同様の条件で脱塩化水素反応を行なわ
せApoCA−ポリシアノアセチレン包接化合物を78%の高
収率で得た。ApoCA−ポリシアノアセチレンの生成は、I
Rスペクトルにより確認した。
比較例1 0.22gのα−クロロアクリロニトリルだけを実施例1と
同様の方法でγ線照射、およびこれに続く後重合処理を
施したところポリ(α−クロロアクリロニトリル)が2m
gしか得られなかつた。
比較例2 実施例1と同様にしてDCA−ポリ(α−クロロアクリロ
ニトリル)包接化合物を沸騰メタノールに入れてDCAだ
けを溶解させポリ(α−クロロアクリロニトリル)を単
離した。この後、このポリ(α−クロロアクリロニトリ
ル)を140℃で20時間加熱処理して脱塩化水素反応を行
なわせようとしたところポリ(α−クロロアクリロニト
リル)は酸化反応を受けた。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、高度に配向した高い立体
規則性を有するπ−共役系高分子材料が得られる。ま
た、重合して得られたポリマーがπ−共役系高分子でな
い場合にもカナル内でπ−共役系高分子材料を得ること
ができ、ポリマーがπ−共役系高分子の場合、さらに高
度に共役したπ−共役系高分子材料を得ることが可能で
ある。更に、得られたπ−共役系高分子材料が空気中で
不安定な場合、ホスト材料がこれを外界から遮蔽する極
めて安定なπ−共役系高分子包接化合物が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による重合体の製造方法の製造工程の概
略図、第2図は本発明の実施例1における後重合反応条
件とポリマー包接化合物の収率との関係を示す線図であ
る。図中、 (イ)…カナルを有する単結晶ホスト材料、(ロ)…モ
ノマー包接化合物、(ハ)…ポリマー包接化合物、
(ニ)…配向性ポリマー、(a)…モノマー取り込み、
(b)…重合、(c)ホスト材料除去。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥塚 裕至 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社材料研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホスト材料から形成するカナルにゲスト材
    料としてπ−共役系高分子材料形成用モノマー分子を取
    り込んで包接化合物を形成し、該モノマー分子を上記カ
    ナル内で包接重合させてポリマー包接化合物を造ること
    を特徴とする配向性を有するπ−共役系高分子材料の製
    造方法。
  2. 【請求項2】ホスト材料から形成するカナルにゲスト材
    料としてπ−共役系高分子材料形成用モノマー分子を取
    り込んで包接化合物を形成し、該モノマー分子を上記カ
    ナル内で包接重合させてポリマー包接化合物を形成し、
    形成されたポリマー包接化合物がπ共役系高分子材料で
    ない場合には、さらに脱離反応を行いπ−共役系高分子
    材料とすることを特徴とする配向性を有するπ−共役系
    高分子材料の製造方法。
  3. 【請求項3】ホスト材料が単結晶であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項叉は第2項記載の配向性を有す
    るπ−共役系高分子材料の製造方法。
  4. 【請求項4】ホスト材料がデオキシコール酸であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項のいず
    れかに記載の配向性を有するπ−共役系高分子材料の製
    造方法。
  5. 【請求項5】ホスト材料がアポコール酸であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか
    に記載の配向性を有するπ−共役系高分子材料の製造方
    法。
  6. 【請求項6】ゲスト材料のモノマー分子がアセチレン系
    モノマーであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項、第3項ないし第5項のいずれかに記載の配向性を有
    するπ−共役系高分子材料の製造方法。
  7. 【請求項7】ゲスト材料のモノマー分子がジアセチレン
    系モノマーであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項、第3項ないし第5項のいずれかに記載の配向性を有
    するπ−共役系高分子材料の製造方法。
  8. 【請求項8】ゲスト材料のモノマー分子がビニル系モノ
    マーであることを特徴とする特許請求の範囲第2項ない
    し第5項のいずれかに記載の配向性を有するπ−共役系
    高分子材料の製造方法。
  9. 【請求項9】ゲスト材料のビニル系モノマー分子がα−
    クロロアクリロニトリルまたはα−ブロモアクリロニト
    リルであることを特徴とする特許請求の範囲第8項記載
    の配向性を有するπ−共役系高分子材料の製造方法。
  10. 【請求項10】ゲスト材料のモノマー分子がジエン系モ
    ノマーであることを特徴とする特許請求の範囲第2項な
    いし第5項のいずれかに記載の配向性を有するπ−共役
    系高分子材料の製造方法。
  11. 【請求項11】モノマー分子の重合をγ線照射によって
    行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第10
    項のいずれかに記載の配向性を有するπ−共役系高分子
    材料の製造方法。
  12. 【請求項12】モノマー分子の重合をUV照射によって行
    うことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第10項
    のいずれかに記載の配向性を有するπ−共役系高分子材
    料の製造方法。
  13. 【請求項13】モノマー分子の重合を加熱処理によって
    行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第10
    項のいずれかに記載の配向性を有するπ−共役系高分子
    材料の製造方法。
  14. 【請求項14】モノマー分子の重合においてγ線照射ま
    たはUV照射中または照射後に加熱処理を施すことを特徴
    とする特許請求の範囲第1項ないし第10項のいずれかに
    記載の配向性を有するπ−共役系高分子材料の製造方
    法。
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