JPH0765304B2 - 干潟造成方法 - Google Patents

干潟造成方法

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JPH0765304B2
JPH0765304B2 JP1324615A JP32461589A JPH0765304B2 JP H0765304 B2 JPH0765304 B2 JP H0765304B2 JP 1324615 A JP1324615 A JP 1324615A JP 32461589 A JP32461589 A JP 32461589A JP H0765304 B2 JPH0765304 B2 JP H0765304B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は沿岸海域、湖沼等(本明細書では沿岸海域と総
称する)を埋立て干潟を造成する方法に関し、更に詳し
くは、沿岸海域の軟質泥土や浚渫土(本明細書では底質
と総称する)を有効利用して干潟を造成する方法に関す
る。
[従来の技術] 国土が狭く資源の少ないわが国において、周囲をとりま
く広大な海洋空間は貴重な国土資源である。よって、海
洋環境保全と沿岸海域の適切な高度利用が重要な課題と
なっている。
海洋環境保全の一環である底質の改善は、内湾、内海部
に堆積している量が膨大であるために不可欠であり、該
底質の除去、固化、置き換えなどの土木工学的な手法及
び微生物学的手法の提案や開発が行なわれている。しか
しながら、決定的な解決策が未だ見出されていない。
従来、底質改善の方法としては、客土(覆土)、耕う
ん、浚渫が試みられている。客土は、底質を対象地区と
し、新しい土砂を海底面に散布し、有害物の発生を客土
によって覆う方法である。また、耕うんは、硬くなった
底質地域を対象にし、ブルドーザーや船を用いて、海底
土の切り返しや粉砕又はかきまぜを行なう方法である。
次に、浚渫は、堆積したごみや底質のところを対象地域
とし、漁場内の海水流動を阻害している堆積土砂の除
去、多量の有機物を含んだ底質の除去、水産生物の適正
な成育水深を保ための海底地盤の掘り下げを行う方法で
ある。
また、沿岸海域の高度利用についていろいろと提案され
ているが、なかでも、沿岸海域を埋立てて干潟を造成
し、あさり、はまぐり等を中心とした貝類増殖場を設け
ることの要望は多く出されている。従来、干潟の造成方
法は、一般に、造成予定の海域の外縁部(先端部)に石
積護岸を構築し、それより海岸までの間を埋立てた後、
その上に覆砂することによって行われている。
[発明が解決しようとする課題] 底質には、(1)その量が多く、(2)大量の水分を含
む上その自然乾燥が難しく、(3)しかも有機物の腐敗
により悪臭を発生する等の問題点がある。そこで本発明
においては、底質を有効利用して海洋環境保全、沿岸海
域の高度利用を図るものである。
沖合に向って増殖場を延長して干潟を造成する場合の従
来の問題点は次のとおりである。つまり、(1)干潟造
成の沖合先端部は、潮流、波浪等の外力による流失、損
傷が大きいので先端部を特に強固な護岸とする必要があ
ること、(2)また、広大な干潟の造成には大量の土砂
が必要であること、(3)これら(1)と(2)の対応
には多額の費用を必要とするので実用性が乏しいという
ことである。
[課題を解決するための手段] そこで、本発明者は上記した従来の干潟造成方法におけ
る問題点を解決するため、底質の利用に着目し、本発明
を提案するに至った。
即ち、本発明によれば、沿岸海域に干潟を造成するに当
たり、 (a)干潟造成区域の外縁部に、固化材を添加した底質を
未硬化の状態で袋体に充填して棒状に形成し、この棒状
形成物を海中に投入した後硬化させ、次いで、硬化した
棒状形成物の上に未硬化の状態の棒状形成物を順次積み
重ねて護岸を形成する工程、 (b)該干潟造成区域に底質を投入する工程、 (c)該干潟造成区域に投入された底質の上層部を強度増
加処理する工程、 (d)強度増加処理された該上層部の上に砂を敷設する工
程、 の各工程からなる干潟造成方法、が提供される。
[作用] 本発明では、沿岸海域に干潟を造成するに当り、干潟造
成区域の外縁部(先端部)に底質を強度増加処理して護
岸を形成した後、この護岸部から海岸までの区域に海底
の底質を投入し、次いでこの底質の上層部を強度増加処
理した後、更にその上に貝類の棲息用等のため砂等を被
覆するものである。
このように底質とこれらの強度増加処理物を組み合わせ
て使用することにより、干潟の外縁部は底質の強度増加
処理物によって保護されているので、海流、波浪等によ
る流失や損傷を受けることがない。また、海底の底質を
大量に使用するので、多くの弊害をもたらす底質を取り
除くと共にこれを有効利用することができ、海の環境改
善に役立つことができる。
本発明において、干潟予定区域に投入された底質の強度
増加処理は、底質に各種の固化材を加えて未硬化の状態
で海中に投入して海中で硬化(強度増加)させるか、あ
るいは所定の形状に硬化させた後、海中に投入する等、
何れの方法でもよく、海流や海底の状態を勘案して決定
する。
また、本発明において、干潟造成地の外縁部には固化材
を添加した底質を未硬化の状態で袋体に充填して棒状形
成となし、外棒状形成物を海中に投入した後に硬化さ
せ、次いで、硬化した棒状形成物の上に充填物(底質及
び固化材)が未硬化の棒状形成物を順次積み重ねて護岸
を造成する。このようにして形成される護岸は強固なも
のとなり、潮流等の条件の厳しい場合であっても干潟外
縁部を保護する。護岸の形状、高さ、硬化処理部の強度
等は、潮流、波浪、深さ、地形等の現地の条件により決
定する。
なお、上記した袋体の材質は、特に制限はなく、各種の
素材が使用される。例えば、繊維材質としては天然繊
維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維が用い
られ、また、プラスチック素材としては、合成または半
合成高分子のシートを使用する。これらの素材は、単独
又は複合物として、賦形性を有する袋体に加工する。
本発明の底質硬化に用いる固化材は、セメント系固化材
を通常使用するが、底質に有機物や燐酸塩などのセメン
ト凝結阻害物が少量(一般的には有機物2%以下)の場
合にはJIS規格で定めるセメントを用いることができ
る。なお、セメント系固化材とは、JIS規格などで規定
されたものでなく、特殊用途として開発されているもの
である。
本発明で底質を硬化させるために最も適合している固化
材には、石膏、ポゾラン物質、セメント物質の三素材を
主材とするものが挙げられる。これは底質中にポルトラ
ンドセメントの凝結反応を阻害する有機物やリン酸塩が
含まれていても、効果的に反応して目的が達成されると
いう特徴がある。この固化材を底質と混合すると、固化
材構成素材の諸成分と底質に含まれる水及び微細土粒子
との間で (a)微細土粒子のイオン交換反応 (b)エトリンガイトの生成反応 (c)トベルモナイト鉱物類似層を生成するホゾラン反応 (d)炭酸カルシウム生成反応 (e)諸反応による非結晶ゲル状物質の生成反応等が並行
して起こり、土質安定に必要な骨格や粘着性の非結晶状
物質が底質中に生じ、底質は化学的に改良・硬化(強度
増加)される。
なお、固化材以外に添加物としてフィラーを加えてもよ
い。フィラーを底質の強度増加処理の添加物として混合
した場合には、得られる強度増加処理物の引張り強さが
向上するので好ましい。フィラーとしては種々のものが
用いられるが、なかでも鋼繊維、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維をフィラーに用いるとその効果は大き
い。
貝類の増殖用等干潟の造成に使用する底質は、「底質調
査方法」(昭和63年9月8日付け環水管第127号)の溶
出試験による汚染物質溶出試験を行ない安全性を確認し
て用いる。ちなみに、溶出試験方法としては、廃棄物の
海洋投棄に係る海洋汚染防止法に基づく環境庁告示13号
(産業廃棄物に含まれる有害物質の検定方法を定める
件)及び同14号(海洋汚染防止法施行令第5条第1項に
規定する埋立場所等に排出しようとする廃棄物に含まれ
る有害物質の検定方法で定める件)による試験法があ
る。しかし「底質調査方法」によるものとは溶出時間や
溶出液のpH調査等が若干異なっている。
なお、本発明の底質には、下水汚泥、焼却灰、フライア
ッシュ等を添加することもできる。
[実施例] 以下、本発明を図示の実施例に基づきさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではな
い。
第1図は沿岸海域における本発明の干潟造成方法を示す
概略断面図である。
まず、底質と固化材との混合物を合成繊維製の袋体2に
充填し構築部材3とする。次に、該構築部材3の充填物
1が未硬化の状態で、護岸4を構築しようとする海底5
上に密着させて敷き並べる。そして、設置した構築部材
3の充填物1が固化体となった後、該設置構築部材3の
上に、上記と同様な条件で作製した「充填物が未硬化の
構築部材」を順次積み重ねる。
袋体2内に充填する固化材と底質の混合物が硬化するた
めの養生期間は任意に選択でき、海底5上に配置・敷設
されている間に少しずつ強度が発現し、硬化体の強度が
増加していくため、構築部材3の積み重ね作業は充填物
の固化強度が所定強度に達すれば実施してよい。この時
の所定強度は、構築部材の断面の大きさと形状および比
重により定められる。
この充填物1の最終強度は、通常一軸圧縮強さの数+kg
f/cm2以上とすることが望ましい。
また、袋体2内に固化材と底質の混合物1を充填する作
業は、地上で行なうこともできるが、通常は水中におい
て実施する。充填作業を水中で行なうと、浮力に起因す
る派生効果から作業性と操作性がよくなり、しかも本発
明に用いる袋体に及ぼす負荷が小さくなる等の利点があ
る。
次に、底質を干潟造成地に所定の厚さまで投入して底層
部6とし、次いでその上に底質と固化材との混合物の未
硬化物または硬化物を所定の厚さまで敷設して中層部7
を形成する。この中層部の最終強度は一軸圧縮強さが0.
5〜5kgf/cm2であることが望ましい。さらにその上には
貝類等が棲息可能な砂等を所定の厚さに被覆し上層部8
とする。該上層部8の覆砂においては、同時にあずき粒
ぐらいの小石を表面に散布すれば稚貝の沈着に効果があ
る。
上記した低層部6、中層部7および上層部8の厚さにつ
いては、現地条件、土質条件等を勘案の上決定する。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の干潟造成方法によれば、
底質および底質を固化材によって硬化させた強度増加処
理物を使用するので、干潟を海流や波浪等による流失や
破壊から護ることができる。特に、干潟の外縁部で海流
等の条件の厳しいところでは、袋体に底質と固化材との
混合物を充填したものを使用することによって、強固な
護岸を造成することができる。
さらに本発明の干潟地の造成方法によれば、多くの弊害
をもたらす海底の底質を大量に取り除くことができ、し
かも捨場のない該底質を素材として有効に利用し、広大
な干潟を造成するという一石二鳥の効果的な海の環境改
善が図られる。
ちなみに、人工干潟には、低生生物の初期発生と生残率
の向上に好適な漁場環境で、育成管理に省力化が図れる
漁場が得られる。
つまり、人工干潟の効用としては、次の効果が挙げられ
る。
(a)二枚貝などの浮遊幼生に対して集積効果を持つ。
(b)二枚貝のほか、クルマエビやガサミの幼稚の定着場
となり、定着後の生残率が高い。
(c)生物の育成管理が容易である。
(d)その他。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により造成された干潟の一例を示す概略
断面図である。 1……充填物、2……袋体、4……護岸、6……低層
部、7……中層部、8……表層部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沿岸海域に干潟を造成するに当たり、 (a)干潟造成区域の外縁部に、固化材を添加した底質を
    未硬化の状態で袋体に充填して棒状に形成し、この棒状
    形成物を海中に投入した後硬化させ、次いで、硬化した
    棒状形成物の上に未硬化の状態の棒状形成物を順次積み
    重ねて護岸を形成する工程、 (b)該干潟造成区域に底質を投入する工程、 (c)該干潟造成区域に投入された底質の上層部を強度増
    加処理する工程、 (d)強度増加処理された該上層部の上に砂を敷設する工
    程、 の各工程からなることを特徴とする干潟造成方法。
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