JPH0768044B2 - アパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末、その製造方法、リン酸四カルシウム系硬化性組成物 - Google Patents
アパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末、その製造方法、リン酸四カルシウム系硬化性組成物Info
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- JPH0768044B2 JPH0768044B2 JP2200071A JP20007190A JPH0768044B2 JP H0768044 B2 JPH0768044 B2 JP H0768044B2 JP 2200071 A JP2200071 A JP 2200071A JP 20007190 A JP20007190 A JP 20007190A JP H0768044 B2 JPH0768044 B2 JP H0768044B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医科用材料、歯科材料などとして有用なアパ
タイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末、アパタイ
ト被膜を有するリン酸四カルシウム系硬化性組成物およ
びそれらの製造方法に関する。
タイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末、アパタイ
ト被膜を有するリン酸四カルシウム系硬化性組成物およ
びそれらの製造方法に関する。
本明細書において、“部”および“%”とあるのは、そ
れぞれ“重量部”および“重量%”を表わす。
れぞれ“重量部”および“重量%”を表わす。
従来技術とその問題点 水酸アパタイトは、 Ca10-z(HPO4)z(PO4)6-z(OH)2-z・n H2O (但し、n=0〜2.5、z=0〜1である)で表わされ
る化学組成を有し、生体内の歯および骨の主成分と最も
近似したリン酸カルシウム系化合物の一種であり、生体
材料として有用である。
る化学組成を有し、生体内の歯および骨の主成分と最も
近似したリン酸カルシウム系化合物の一種であり、生体
材料として有用である。
また、水酸アパタイト以外にも、そのOH基がフッ素によ
り置換されたフッ素アパタイト、炭酸により置換された
炭酸アパタイトなども同様の作用を有する。本願明細書
においては、これらのアパタイト類を含めて、単にアパ
タイトと称する。
り置換されたフッ素アパタイト、炭酸により置換された
炭酸アパタイトなども同様の作用を有する。本願明細書
においては、これらのアパタイト類を含めて、単にアパ
タイトと称する。
一方、Ca4(PO4)2Oという組成式で表されるリン酸四カ
ルシウムも、水、酸などの存在下に生体内の骨、歯など
の主成分に類似した化合物に容易に転化する性質を有し
ており、やはり生体材料として有用である。
ルシウムも、水、酸などの存在下に生体内の骨、歯など
の主成分に類似した化合物に容易に転化する性質を有し
ており、やはり生体材料として有用である。
アパタイトは、早くから、生体親和性のある材料として
注目されており、すでに実用化されている。しかしなが
ら、アパタイトは、化学的に非常に安定な化合物であ
る。従って、その粉末を有機酸あるいは無機酸の水溶
液、生理食塩水などと混和しても、硬化性を有しないの
で、人工骨、骨補填材などとして使用する場合には、予
め成形加工しておくか、或いは顆粒状で使用する必要が
あり、臨床的には必ずしも使用しやすいものではない。
これらの欠点を解消する物質として、化学活性が高く、
常温で容易に硬化する性質を有するリン酸四カルシウム
が注目されるようになり、その硬化方法として、下記の
ような方法が提案されている。
注目されており、すでに実用化されている。しかしなが
ら、アパタイトは、化学的に非常に安定な化合物であ
る。従って、その粉末を有機酸あるいは無機酸の水溶
液、生理食塩水などと混和しても、硬化性を有しないの
で、人工骨、骨補填材などとして使用する場合には、予
め成形加工しておくか、或いは顆粒状で使用する必要が
あり、臨床的には必ずしも使用しやすいものではない。
これらの欠点を解消する物質として、化学活性が高く、
常温で容易に硬化する性質を有するリン酸四カルシウム
が注目されるようになり、その硬化方法として、下記の
ような方法が提案されている。
(1)クエン酸、マロン酸などのTCAサイクル系有機酸
の水溶液と混和して、硬化性組成物を得る方法。
の水溶液と混和して、硬化性組成物を得る方法。
(2)生理食塩水、リン酸緩衝液などに体内の組織液に
類似した組成配合の水溶液と混和して、硬化性組成物を
得る方法。
類似した組成配合の水溶液と混和して、硬化性組成物を
得る方法。
(3)多糖類水溶液と混和して、硬化性組成物を得る方
法。
法。
(4)不飽和有機酸の単独重合体または共重合体の水溶
液と混和して、硬化性組成物を得る方法。
液と混和して、硬化性組成物を得る方法。
(5)上記(1)〜(4)の方法を適宜組み合わせて、
硬化性組成物を得る方法。
硬化性組成物を得る方法。
これらの方法により得られる硬化性組成物は、通常粉材
と液剤とを組合わせた形態で臨床家に提供されている。
そして、臨床家が治療時にこれらを練和混合して、ペー
スト状乃至粘土状とすることにより、任意の形態で使用
しうる必要があり、且つ治療後には、速やかに硬化し
て、患部に強固に固定され、優れた生体活性を発現する
ことが必要である。しかしながら、上記(1)〜(5)
のいずれの方法によっても、これらの要求性能を充足す
ることは出来ない。即ち、粉材の主成分であるリン酸四
カルシウムは、化学的活性が高く、アルカリ性の物質で
あるため、酸性水溶液と混和すると、速やかに硬化反応
が進行して、適当な柔らかさを一定時間保持する均一な
組成物とすることが困難である。
と液剤とを組合わせた形態で臨床家に提供されている。
そして、臨床家が治療時にこれらを練和混合して、ペー
スト状乃至粘土状とすることにより、任意の形態で使用
しうる必要があり、且つ治療後には、速やかに硬化し
て、患部に強固に固定され、優れた生体活性を発現する
ことが必要である。しかしながら、上記(1)〜(5)
のいずれの方法によっても、これらの要求性能を充足す
ることは出来ない。即ち、粉材の主成分であるリン酸四
カルシウムは、化学的活性が高く、アルカリ性の物質で
あるため、酸性水溶液と混和すると、速やかに硬化反応
が進行して、適当な柔らかさを一定時間保持する均一な
組成物とすることが困難である。
このため、組成物が硬化するまでの時間を延長させる目
的で、液剤の酸濃度を低くしたり、組成物中の水分含量
を増大させたりして、治療操作の時間を確保している。
また、粉材においても、アパタイト、リン酸四カルシウ
ム、リン酸一水素カルシウムなどを配合して、リン酸四
カルシウムの硬化反応をできるだけ抑制する試みもなさ
れている。しかしながら、これらの方法も、リン酸四カ
ルシウム系硬化組成物としての特性を著るしく低下させ
るにもかかわらず、それを補う程度の硬化反応特性の改
善は認められず、根本的な改良には至っていない。
的で、液剤の酸濃度を低くしたり、組成物中の水分含量
を増大させたりして、治療操作の時間を確保している。
また、粉材においても、アパタイト、リン酸四カルシウ
ム、リン酸一水素カルシウムなどを配合して、リン酸四
カルシウムの硬化反応をできるだけ抑制する試みもなさ
れている。しかしながら、これらの方法も、リン酸四カ
ルシウム系硬化組成物としての特性を著るしく低下させ
るにもかかわらず、それを補う程度の硬化反応特性の改
善は認められず、根本的な改良には至っていない。
また、リン酸四カルシウム粉末と中性乃至中性に近い水
溶液とを混和する試みもなされているが、この場合に
は、硬化反応速度が著るしく遅くなり、リン酸四カルシ
ウム系硬化組成物としての特性は殆ど発現されないのみ
ならず、得られる組成物は、アルカリ性を呈し、生体内
で刺激物として存在する危険性がある。
溶液とを混和する試みもなされているが、この場合に
は、硬化反応速度が著るしく遅くなり、リン酸四カルシ
ウム系硬化組成物としての特性は殆ど発現されないのみ
ならず、得られる組成物は、アルカリ性を呈し、生体内
で刺激物として存在する危険性がある。
以上のような理由により、リン酸四カルシウムは、医科
用材料、歯科用材料としての用途に適合した材料である
にも拘らず、取扱上に難点があり、物性も十分に発揮さ
れないことから、満足すべき性質を供えたリン酸四カル
シウム系硬化性組成物として実用化されるには至ってい
ない。
用材料、歯科用材料としての用途に適合した材料である
にも拘らず、取扱上に難点があり、物性も十分に発揮さ
れないことから、満足すべき性質を供えたリン酸四カル
シウム系硬化性組成物として実用化されるには至ってい
ない。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の如き技術の現状に鑑みて鋭意研究を
重ねた結果、リン酸四カルシウム粉末の表面をアパタイ
トの被膜により被覆する場合には、両材料の特性を兼ね
備えた材料が得られ、従来技術の問題点が大巾に軽減若
しくは実質的に解消されることを見出した。また、この
様にして得られたアパタイト被膜を有するリン酸四カル
シウムから得られる硬化性組成物も、公知の硬化性組成
物に優るとも劣らない物性を具備していることを見出し
た。
重ねた結果、リン酸四カルシウム粉末の表面をアパタイ
トの被膜により被覆する場合には、両材料の特性を兼ね
備えた材料が得られ、従来技術の問題点が大巾に軽減若
しくは実質的に解消されることを見出した。また、この
様にして得られたアパタイト被膜を有するリン酸四カル
シウムから得られる硬化性組成物も、公知の硬化性組成
物に優るとも劣らない物性を具備していることを見出し
た。
すなわち、本発明は、下記のリン酸四カルシウム粉末、
その製造方法およびリン酸四カルシウム系硬化組成物を
提供するものである: アパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末。
その製造方法およびリン酸四カルシウム系硬化組成物を
提供するものである: アパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末。
リン酸四カルシウム粉末を水和反応処理することを
特徴とするアパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム
粉末の製造方法。
特徴とするアパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム
粉末の製造方法。
上記項のリン酸四カルシウム粉末100部と酸水溶
液5〜80部(酸として)とからなることを特徴とするリ
ン酸四カルシウム系硬化性組成物。
液5〜80部(酸として)とからなることを特徴とするリ
ン酸四カルシウム系硬化性組成物。
酸水溶液が、 (a)TCAサイクル系カルボン酸、 (b)リン酸、 (c)一般式 (式中、nは50〜50000である) で表されるアクリル酸の単独重合体、 (d)一般式 (式中、lは5〜10、mは1〜5、nは50〜50000であ
る) で表されるアクリル酸−イタコン酸共重合体、 および (e)一般式 (式中、lは5〜10、mは1〜5、nは50〜50000であ
る) で表されるアクリル酸−フマル酸共重合体 の少なくとも一種を30〜70%含む上記項に記載のリン
酸四カルシウム硬化性組成物。
る) で表されるアクリル酸−イタコン酸共重合体、 および (e)一般式 (式中、lは5〜10、mは1〜5、nは50〜50000であ
る) で表されるアクリル酸−フマル酸共重合体 の少なくとも一種を30〜70%含む上記項に記載のリン
酸四カルシウム硬化性組成物。
本発明において使用するリン酸四カルシウムは、その製
造方法などの点で特に制限されるものではないが、アパ
タイト、酸化カルシウムなどの含有量ができるだけ低い
ものであることが好ましい。この様な高純度のリン酸四
カルシウムは、例えば、CaCO3粉末とCaHPO4・2H2O粉末
とを混合し、焼成する下記の固相反応法により、製造す
ることができる。
造方法などの点で特に制限されるものではないが、アパ
タイト、酸化カルシウムなどの含有量ができるだけ低い
ものであることが好ましい。この様な高純度のリン酸四
カルシウムは、例えば、CaCO3粉末とCaHPO4・2H2O粉末
とを混合し、焼成する下記の固相反応法により、製造す
ることができる。
2CaCO3+2CaHPO4・2H2O→ Ca4(PO4)2O+2CO2+5H2O 本発明によるアパタイト皮膜を有するリン酸四カルシウ
ム粉末の製造方法においては、まずリン酸四カルシウム
を所定の粒度に粉砕する。粒度は特に限定されないが、
硬化性組成物用の粉末として使用する場合には、通常20
μm以下、平均5μm程度に調整することが好ましい。
ム粉末の製造方法においては、まずリン酸四カルシウム
を所定の粒度に粉砕する。粒度は特に限定されないが、
硬化性組成物用の粉末として使用する場合には、通常20
μm以下、平均5μm程度に調整することが好ましい。
次いで、この様なリン酸四カルシウム粉末を水和反応に
供する。水和反応は、リン酸四カルシウム粉末と水とを
接触させるだけでも進行するが、反応促進のためには、
80〜100℃程度の温度で、好ましくは95℃程度まで加熱
したり、水に反応促進剤を添加してもよい。反応促進剤
としては、クエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸などの有
機酸およびそれらの塩;塩酸、リン酸、硫酸などの無機
酸およびそれらの塩;リン酸緩衝液などの中性乃至弱ア
ルカリ性のpH調整剤などが例示される。これらの反応促
進剤は、通常濃度1%乃至それ以下の水溶液の形態で使
用される。この水和反応においては、下記の如き反応に
より、リン酸四カルシウム粉末の表面にアパタイトの被
膜が生成する。
供する。水和反応は、リン酸四カルシウム粉末と水とを
接触させるだけでも進行するが、反応促進のためには、
80〜100℃程度の温度で、好ましくは95℃程度まで加熱
したり、水に反応促進剤を添加してもよい。反応促進剤
としては、クエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸などの有
機酸およびそれらの塩;塩酸、リン酸、硫酸などの無機
酸およびそれらの塩;リン酸緩衝液などの中性乃至弱ア
ルカリ性のpH調整剤などが例示される。これらの反応促
進剤は、通常濃度1%乃至それ以下の水溶液の形態で使
用される。この水和反応においては、下記の如き反応に
より、リン酸四カルシウム粉末の表面にアパタイトの被
膜が生成する。
3Ca4(PO4)2O+3H2O→ Ca10(PO4)6(OH)2+2Ca(OH)2 アパタイトは、アルカリ性水溶液中で非常に安定である
ので、アパタイトの被膜が生成し得るかぎり、処理水は
アルカリ性であることが好ましい。処理水のpHが7〜8
以下の場合には、アパタイトの他にリン酸八カルシウム
も生成し得る。リン酸八カルシウムは、アパタイトの前
駆体であるので、被膜が必ずしも純度の高いアパタイト
でなくとも良く、例えば、アパタイトとリン酸八カルシ
ウムの混合物、もしくは、純度の高いリン酸八カルシウ
ムの被膜であっても実用上、問題はない。上記の反応に
おいては、アパタイトの生成と同時に水酸化カルシウム
が処理水中に溶出するので、特別に塩基性物質を添加す
る必要はないが、予めアルカリ性に調整した水溶液中で
も、アパタイト被膜は良好に生成する。一旦アパタイト
被膜が生成すると、上記の反応の速度は、急激に低下す
るので、新たに水或いは酸水溶液を添加しないかぎり、
粉末表面は活性化されない。従って、反応の進み過ぎに
よるリン酸四カルシウム粒子の品質劣化は生じない。
ので、アパタイトの被膜が生成し得るかぎり、処理水は
アルカリ性であることが好ましい。処理水のpHが7〜8
以下の場合には、アパタイトの他にリン酸八カルシウム
も生成し得る。リン酸八カルシウムは、アパタイトの前
駆体であるので、被膜が必ずしも純度の高いアパタイト
でなくとも良く、例えば、アパタイトとリン酸八カルシ
ウムの混合物、もしくは、純度の高いリン酸八カルシウ
ムの被膜であっても実用上、問題はない。上記の反応に
おいては、アパタイトの生成と同時に水酸化カルシウム
が処理水中に溶出するので、特別に塩基性物質を添加す
る必要はないが、予めアルカリ性に調整した水溶液中で
も、アパタイト被膜は良好に生成する。一旦アパタイト
被膜が生成すると、上記の反応の速度は、急激に低下す
るので、新たに水或いは酸水溶液を添加しないかぎり、
粉末表面は活性化されない。従って、反応の進み過ぎに
よるリン酸四カルシウム粒子の品質劣化は生じない。
水和反応を行わせる別の方法として、 a) 水蒸気と接触させる方法、 b) 大気中の水分を利用し、高温下で反応させる方
法、 c) a)、b)を組合せる方法 なども有効である。
法、 c) a)、b)を組合せる方法 なども有効である。
a)の方法では、水蒸気の温度が100℃以下であれば、
処理時間は、水中で処理する場合とほとんど同じであ
る。100℃以上では、温度の上昇とともに処理時間も短
縮され、例えば、300℃の水蒸気とリン酸四カルシウム
粉末をエアーブレンディングする場合には、処理時間
は、1秒〜120秒で充分であり、好ましくは30秒〜60秒
である。
処理時間は、水中で処理する場合とほとんど同じであ
る。100℃以上では、温度の上昇とともに処理時間も短
縮され、例えば、300℃の水蒸気とリン酸四カルシウム
粉末をエアーブレンディングする場合には、処理時間
は、1秒〜120秒で充分であり、好ましくは30秒〜60秒
である。
b)の方法は、リン酸四カルシウムがおよそ300℃〜120
0℃の範囲で、大気中の水分を積極的に吸収してアパタ
イトへ転化する性質を利用したものである。例えば、50
0℃に過熱された大気とリン酸四カルシウム粉末とをエ
アーブレンディングする場合には、処理時間は、1秒〜
120秒で充分であり、好ましくは30秒〜60秒である。
0℃の範囲で、大気中の水分を積極的に吸収してアパタ
イトへ転化する性質を利用したものである。例えば、50
0℃に過熱された大気とリン酸四カルシウム粉末とをエ
アーブレンディングする場合には、処理時間は、1秒〜
120秒で充分であり、好ましくは30秒〜60秒である。
c)の方法は、大気中の水蒸気分圧と温度とを制御しな
がら、表面処理を行う方法であり、方法a)と方法b)
とを組合せたものということができる。例えば、水蒸気
分圧を15Torrに調整した350℃の空気とリン酸四カルシ
ウム粉末とをエアーブレンディングする場合には、処理
時間は、1秒〜120秒で充分であり、好ましくは30秒〜6
0秒である。
がら、表面処理を行う方法であり、方法a)と方法b)
とを組合せたものということができる。例えば、水蒸気
分圧を15Torrに調整した350℃の空気とリン酸四カルシ
ウム粉末とをエアーブレンディングする場合には、処理
時間は、1秒〜120秒で充分であり、好ましくは30秒〜6
0秒である。
更に、水和反応に供することなく、二重構造を有するリ
ン酸四カルシウム粉末を製造する方法として、下記の方
法が有効である。
ン酸四カルシウム粉末を製造する方法として、下記の方
法が有効である。
a) 超微粒子のアパタイトをリン酸四カルシウムの粒
子表面に吸着固定化する方法。
子表面に吸着固定化する方法。
b) アパタイトを液体状とし、リン酸四カルシウムの
粒子表面に付着(あるいは蒸着)固定化する方法。
粒子表面に付着(あるいは蒸着)固定化する方法。
これらの方法の利点は、表面の被膜物質がアパタイトに
限定されないことである。つまり、酸性水溶液に徐々に
溶解する物質であれば、どのような物質でもさしつかえ
ない。しかしながら、生体材料として使用する場合に
は、生体に無害な物質(例えば、リン酸三カルシウム、
リン酸一水素カルシウムなど)を使用することが好まし
い。
限定されないことである。つまり、酸性水溶液に徐々に
溶解する物質であれば、どのような物質でもさしつかえ
ない。しかしながら、生体材料として使用する場合に
は、生体に無害な物質(例えば、リン酸三カルシウム、
リン酸一水素カルシウムなど)を使用することが好まし
い。
本発明によるリン酸四カルシウム系硬化性組成物は、上
記のようにしてアパタイト被膜を形成されたリン酸四カ
ルシウム粉末に該粉末重量の5〜80%(酸として)の有
機酸水溶液を混和することにより、得られる。アパタイ
ト被膜を形成されたリン酸四カルシウム粉末の粒度も、
通常20μm以下、平均5μm程度であることが好まし
い。
記のようにしてアパタイト被膜を形成されたリン酸四カ
ルシウム粉末に該粉末重量の5〜80%(酸として)の有
機酸水溶液を混和することにより、得られる。アパタイ
ト被膜を形成されたリン酸四カルシウム粉末の粒度も、
通常20μm以下、平均5μm程度であることが好まし
い。
有機酸としては、下記のようなものが使用できる。
(a)クエン酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイ
ン酸、乳酸、コハク酸、フマル酸、アスコルビン酸、コ
ハク酸、グルコン酸、グルタル酸、ピルビン酸などのTC
Aサイクル系カルボン酸類。
ン酸、乳酸、コハク酸、フマル酸、アスコルビン酸、コ
ハク酸、グルコン酸、グルタル酸、ピルビン酸などのTC
Aサイクル系カルボン酸類。
(b)リン酸、 (c)一般式 (式中、nは50〜50000である) で表されるアクリル酸の単独重合体。
(d)一般式 (式中、lは5〜10、mは1〜5、nは50〜50000であ
る) で表されるアクリル酸−イタコン酸共重合体。
る) で表されるアクリル酸−イタコン酸共重合体。
(e)一般式 (式中、lは5〜10、mは0〜5、nは50〜50000であ
る) で表されるアクリル酸−フマル酸共重合体。
る) で表されるアクリル酸−フマル酸共重合体。
これらの酸は、単独で又は2種以上の混合形態で使用す
ることが可能であり、通常濃度30〜70%程度の純水を溶
媒とする水溶液の形態で使用される。
ることが可能であり、通常濃度30〜70%程度の純水を溶
媒とする水溶液の形態で使用される。
この様にして得られるリン酸四カルシウム系硬化性組成
物は、従来品とは異なって、リン酸四カルシウム固有の
いずれの物性をも損なうことなく、リン酸四カルシウム
の有用な各種特性を充分に発揮させつつ、さらにそれら
の物性を向上させることができる。従って、この様な硬
化性組成物は、医科用材料、歯科用材料などの生体用材
料として有用である。
物は、従来品とは異なって、リン酸四カルシウム固有の
いずれの物性をも損なうことなく、リン酸四カルシウム
の有用な各種特性を充分に発揮させつつ、さらにそれら
の物性を向上させることができる。従って、この様な硬
化性組成物は、医科用材料、歯科用材料などの生体用材
料として有用である。
発明の効果 本発明によれば、下記の如き顕著な効果が得られる。
(1)特殊な装置を必要とせず、簡単な操作でリン酸四
カルシウム粉末表面にアパタイト被膜を生成させること
ができる。
カルシウム粉末表面にアパタイト被膜を生成させること
ができる。
(2)アパタイトにより被覆されたリン酸四カルシウム
粉末は、長期に亘り品質が安定しており、耐風化性に優
れ、保存性にも優れている。
粉末は、長期に亘り品質が安定しており、耐風化性に優
れ、保存性にも優れている。
(3)リン酸四カルシウムの生体材料としての有用な諸
性能を保持しつつ、理工学的な物性も向上している。
性能を保持しつつ、理工学的な物性も向上している。
(4)表面処理の諸条件を制御することにより、種々の
硬化特性を備えた組成物を得ることができるので、リン
酸四カルシウムの生体材料としての応用範囲が広くな
る。
硬化特性を備えた組成物を得ることができるので、リン
酸四カルシウムの生体材料としての応用範囲が広くな
る。
実 施 例 以下に参考例、実施例および比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明らかにする。
徴とするところをより一層明らかにする。
参考例1 平均粒径5μm程度の粉末状のCaCO3とCaHPO4・2H2Oと
をCa/P=2となるモル比で混合し、成形し、大気中1600
℃で3時間焼成して、焼結体を得た後、最大粒径20μm
以下、平均粒径約5μmに粉砕して、リン酸四カルシウ
ム粉末を得た。
をCa/P=2となるモル比で混合し、成形し、大気中1600
℃で3時間焼成して、焼結体を得た後、最大粒径20μm
以下、平均粒径約5μmに粉砕して、リン酸四カルシウ
ム粉末を得た。
生成物のX線回折結果を第1図に示す。第1図の結果か
ら、生成物が実質的にリン酸四カルシウムのみからなる
高純度品であることが明らかである。
ら、生成物が実質的にリン酸四カルシウムのみからなる
高純度品であることが明らかである。
以下の実施例においては、この様にして製造した高純度
リン酸四カルシウムを使用した。
リン酸四カルシウムを使用した。
実施例1 リン酸四カルシウム粉末10gに95℃の精製水20gを加え、
密閉したサンプルを7セット作り、これらを95℃恒温槽
にて養生し、それぞれ1時間後、3時間後、24時間後、
7日後、14日後、30日後および60日後に取り出して、10
5℃で乾燥し、得られた粉末をX線回折測定に供した。
その結果を第2図A〜Gに示す。
密閉したサンプルを7セット作り、これらを95℃恒温槽
にて養生し、それぞれ1時間後、3時間後、24時間後、
7日後、14日後、30日後および60日後に取り出して、10
5℃で乾燥し、得られた粉末をX線回折測定に供した。
その結果を第2図A〜Gに示す。
第2図A〜Gから、リン酸四カルシウムが少しずつ水酸
アパタイトへと転化していく様子が分かる。また、リン
酸四カルシウムは、熱水中であっても、比較的安定して
長期間存在し続けることも分かる。
アパタイトへと転化していく様子が分かる。また、リン
酸四カルシウムは、熱水中であっても、比較的安定して
長期間存在し続けることも分かる。
実施例2 リン酸四カルシウム粉末2gを精製水1に分散させ、37
℃及び95℃で5時間加温した後、濾別し、24時間自然乾
燥して得られた粉末をX線回折に供した。
℃及び95℃で5時間加温した後、濾別し、24時間自然乾
燥して得られた粉末をX線回折に供した。
生成物のX線回折結果を第3図にH及びIとして示す。
第2図の結果から、本発明によるリン酸四カルシウムが
過剰水中でも安定して存在することが明らかである。
過剰水中でも安定して存在することが明らかである。
実施例3 リン酸四カルシウム粉末10gに精製水20gを加え、第1表
に示す条件下(温度と時間との組み合わせ)に表面処理
を行なった後、濾別し、24時間自然乾燥して、硬化性組
成物用粉末を得た。なお、第1表中の数字1〜40は、試
料番号を示す。
に示す条件下(温度と時間との組み合わせ)に表面処理
を行なった後、濾別し、24時間自然乾燥して、硬化性組
成物用粉末を得た。なお、第1表中の数字1〜40は、試
料番号を示す。
次いで、上記の粉末に濃度40%のクエン酸水溶液を混和
して、硬化性組成物とし、それぞれの硬化時間を測定し
た。なお、粉材と水溶液との混合比は、2.3g/mlであ
る。
して、硬化性組成物とし、それぞれの硬化時間を測定し
た。なお、粉材と水溶液との混合比は、2.3g/mlであ
る。
結果を第2表に示す。
実施例4 リン酸四カルシウム粉末100gを95℃の蒸留水200g中で3
時間撹拌し、別した後、105℃で24時間乾燥し、得ら
れたアパタイト皮膜を有するリン酸四カルシウム粉末を
下記の条件で混和し、硬化性組成物を得た。
時間撹拌し、別した後、105℃で24時間乾燥し、得ら
れたアパタイト皮膜を有するリン酸四カルシウム粉末を
下記の条件で混和し、硬化性組成物を得た。
(イ)クエン酸濃度40%の水溶液を粉/液比=2.4(g/m
l)で混和した。
l)で混和した。
(ロ)クエン酸濃度40%、ポリアクリル酸濃度5%の水
溶液を粉/液比=2.2(g/ml)で混和した。
溶液を粉/液比=2.2(g/ml)で混和した。
(ハ)クエン酸濃度38%、酒石酸濃度1%、ポリアクリ
ル酸濃度2.5%の水溶液を粉/液比=2.2(g/ml)で混和
した。
ル酸濃度2.5%の水溶液を粉/液比=2.2(g/ml)で混和
した。
(ニ)クエン酸濃度29%、マロン酸濃度10%、ポリアク
リル酸濃度2.5%の水溶液を粉/液比=2.3(g/ml)で混
和した。
リル酸濃度2.5%の水溶液を粉/液比=2.3(g/ml)で混
和した。
(ホ)クエン酸濃度40%、リン酸濃度20%の水溶液を粉
/液比=2.0(g/ml)で混和した。
/液比=2.0(g/ml)で混和した。
かくして得られた硬化性組成物について、JIST6602の試
験方法に準じて、(1)硬化時間、(2)24時間経過後
の破砕強度(kg f/cm2)および(3)被膜厚さを測定し
た。
験方法に準じて、(1)硬化時間、(2)24時間経過後
の破砕強度(kg f/cm2)および(3)被膜厚さを測定し
た。
結果は、第3表に示す通りである。
第 3 表 混和条件 (1) (2) (3) (イ) 6分30秒 984 24μm (ロ) 6分30秒 1239 29μm (ハ) 5分30秒 1019 38μm (ニ) 5分30秒 1123 25μm (ホ) 4分45秒 1472 41μm 比較例1 表面処理をしないリン酸四カルシウムを使用する以外は
実施例4と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例4と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例4と同様にして測定した結果は、第4表に示す通
りである。第4表において、(イ)乃至(ホ)および
(1)乃至(3)は、第3表と同様の事項を意味する。
りである。第4表において、(イ)乃至(ホ)および
(1)乃至(3)は、第3表と同様の事項を意味する。
第 4 表 混和条件 (1) (2) (3) (イ) 30秒以内 測定不能 測定不能 (ロ) 30秒以内 測定不能 測定不能 (ハ) 30秒以内 測定不能 測定不能 (ニ) 30秒以内 測定不能 測定不能 (ホ) 30秒以内 測定不能 測定不能 第4表に示す結果から明らかな様に、実施例4と同様の
溶剤混和条件では、全ての組成物が殆んど瞬間的といっ
てよい程の短い時間内に硬化してしまい、取扱容易な、
柔らかな硬化性組成物を得ることはできなかった。
溶剤混和条件では、全ての組成物が殆んど瞬間的といっ
てよい程の短い時間内に硬化してしまい、取扱容易な、
柔らかな硬化性組成物を得ることはできなかった。
比較例2 表面処理をしないリン酸四カルシウムを使用して、物性
測定可能な硬化性組成物を得るために混和する酸性水溶
液の量を増加し、その他は実施例4と同一の混和条件で
硬化性組成物を得た。
測定可能な硬化性組成物を得るために混和する酸性水溶
液の量を増加し、その他は実施例4と同一の混和条件で
硬化性組成物を得た。
(ヘ)実施例4の(イ)の水溶液を粉/液比=1.5(g/m
l)で混和した。
l)で混和した。
(ト)実施例4の(ロ)の水溶液を粉/液比=1.5(g/m
l)で混和した。
l)で混和した。
(チ)実施例4の(ハ)の水溶液を粉/液比=1.5(g/m
l)で混和した。
l)で混和した。
(リ)実施例4の(ニ)の水溶液を粉/液比=1.5(g/m
l)で混和した。
l)で混和した。
(ヌ)実施例4の(ホ)の水溶液を粉/液比=1.5(g/m
l)で混和した。
l)で混和した。
その結果を第5表に示す。
第 5 表 混和条件 (1) (2) (3) (ヘ) 4分 593 46μm (ト) 3分50秒 612 52μm (チ) 3分05秒 623 73μm (リ) 2分40秒 671 107μm (ヌ) 1分55秒 819 113μm
第1図は、本願各実施例で使用したリン酸四カルシウム
粉末のX線回折結果を示すチャートである。 第2図は、本願実施例1で得られたアパタイト被膜を有
するリン酸四カルシウム粉末のX線回折結果を示すチャ
ートである。 第3図は、本願実施例2で得られたアパタイト被膜を有
するリン酸四カルシウム粉末のX線回折結果を示すチャ
ートである。
粉末のX線回折結果を示すチャートである。 第2図は、本願実施例1で得られたアパタイト被膜を有
するリン酸四カルシウム粉末のX線回折結果を示すチャ
ートである。 第3図は、本願実施例2で得られたアパタイト被膜を有
するリン酸四カルシウム粉末のX線回折結果を示すチャ
ートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 28/34
Claims (4)
- 【請求項1】アパタイト被膜を有するリン酸四カルシウ
ム粉末。 - 【請求項2】リン酸四カルシウム粉末を水和反応処理す
ることを特徴とするアパタイト被膜を有するリン酸四カ
ルシウム粉末の製造方法。 - 【請求項3】請求項のリン酸四カルシウム粉末100部
と酸水溶液5〜80部(酸として)とからなることを特徴
とするリン酸四カルシウム系硬化性組成物。 - 【請求項4】酸水溶液が、 (a)TCAサイクル系カルボン酸、 (b)リン酸、 (c)一般式 (式中、nは50〜50000である) で表されるアクリル酸の単独重合体、 (d)一般式 (式中、lは5〜10、mは1〜5、nは50〜50000であ
る) で表されるアクリル酸−イタコン酸共重合体、および (e)一般式 (式中、lは5〜10、mは1〜5、nは50〜50000であ
る) で表されるアクリル酸−フマル酸共重合体 の少なくとも一種を30〜70%含む請求項に記載のリン
酸四カルシウム硬化性組成物。
Priority Applications (8)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2200071A JPH0768044B2 (ja) | 1990-07-27 | 1990-07-27 | アパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末、その製造方法、リン酸四カルシウム系硬化性組成物 |
| DE4124898A DE4124898A1 (de) | 1990-07-27 | 1991-07-26 | Mit apatit ueberzogene tetracalciumphosphat-teilchen |
| GB9409902A GB2276372B (en) | 1990-07-27 | 1991-07-26 | Tetracalcium phosphate-based materials and processes for their preparation |
| GB9116201A GB2246770B (en) | 1990-07-27 | 1991-07-26 | Tetracalcium phosphate-based hardening materials |
| US08/074,154 US5409982A (en) | 1990-07-27 | 1993-06-09 | Tetracalcium phosphate-based materials and process for their preparation |
| US08/360,330 US5536575A (en) | 1990-07-27 | 1994-12-21 | Tetracalcium phosphate-based materials and processes for their preparation |
| US08/458,713 US5569490A (en) | 1990-07-27 | 1995-06-02 | Tetracalcium phosphate-based materials and processes for their preparation |
| US08/626,380 US5652016A (en) | 1990-07-27 | 1996-04-02 | Tetracalcium phosphate-based materials and processes for their preparation |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2200071A JPH0768044B2 (ja) | 1990-07-27 | 1990-07-27 | アパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末、その製造方法、リン酸四カルシウム系硬化性組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0489307A JPH0489307A (ja) | 1992-03-23 |
| JPH0768044B2 true JPH0768044B2 (ja) | 1995-07-26 |
Family
ID=16418365
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2200071A Expired - Fee Related JPH0768044B2 (ja) | 1990-07-27 | 1990-07-27 | アパタイト被膜を有するリン酸四カルシウム粉末、その製造方法、リン酸四カルシウム系硬化性組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0768044B2 (ja) |
-
1990
- 1990-07-27 JP JP2200071A patent/JPH0768044B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0489307A (ja) | 1992-03-23 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |