JPH0768080B2 - 微重力中における生物学的高分子の結晶化 - Google Patents

微重力中における生物学的高分子の結晶化

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JPH0768080B2
JPH0768080B2 JP4508151A JP50815192A JPH0768080B2 JP H0768080 B2 JPH0768080 B2 JP H0768080B2 JP 4508151 A JP4508151 A JP 4508151A JP 50815192 A JP50815192 A JP 50815192A JP H0768080 B2 JPH0768080 B2 JP H0768080B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 精製されたタンパク質に対する一つの需要は、治療剤と
してのタンパク質製品に関する製薬産業の関心に由来す
る。タンパク質の治療剤は、ガン、免疫不全症、並びに
種々のタイプの感染症を含む多くの疾病に対して人間に
使用することができる。しかしながら、多くの医療用の
タンパク質は、遺伝子工学的に形成されたバクテリアか
ら調整されるので、原核細胞タンパク質の不純物が、最
終的な精製工程において経費のかかる問題を生ずること
がある。上述の如き汚染物ほ免疫原性を有し、そのよう
な汚染物がアレルギー誘発性である場合には、ほんの僅
かの量でも重大な悪い副作用を引き起こすことがあるの
で、上記汚染物を除去することは必須の要件である。従
って、タンパク質治療剤は極度に純粋でなければならな
い。
過去10年にわたってタンパク質薬剤は急速に成長した。
ヒトインシュリン、インターフェロン、ヒト成長ホルモ
ン、TPA(組織プラスミノーゲン活性化剤)、及びエリ
トロポイエティンがその例である。これは、人体の中で
ほんの少量しか生じないタンパク質の大規模な微生物合
成を可能にする遺伝子工学的な技術の故に極めて重要で
ある。
蒸気拡散装置(VDA)の中の懸滴を用いて微重力中でタ
ンパク質結晶を成長させることが知られている。しかし
ながら、この方法の欠点は、懸滴の体積が小さい(すな
わち0.05ml)ので、制限された量の結晶しか製造できな
いことである。その収率は、X線結晶学的に研究する程
度の量のタンパク質結晶をもたらすには十分であるが、
大量のタンパク質結晶をもたらすことができる大規模な
方法とは思われない。懸滴法の他の制約は、そのサンプ
ルサイズが小さいことによる液滴表面の効果の問題であ
る。表面における流れパターンはタンパク質結晶の成長
に悪影響を与える可能性がある。
発明の摘要 本発明は、治療剤として使用することのできる生物学的
高分子の結晶を宇宙空間の微重力環境において大規模に
製造することを可能にする。従って、本発明は、高分子
結晶を微重力中で製造することのできる装置を提供し、
該装置は、温度伝達性のキャップを有する少なくとも1
つのボトルと、温度伝達性の蓋を有する少なくとも1つ
の容器であって、上記キャップが上記蓋に係合するよう
に上記ボトルが該容器の中に設けられ、これにより、該
容器と上記ボトルの間の熱伝達を可能とする容器と、上
記蓋を可変熱源に接触させ、これにより、上記ボトルの
中に温度勾配を得ることを可能にする手段とを備える。
本発明はまた、高分子結晶を製造するための方法も提供
し、この方法は、液体の生物学的高分子及び沈殿剤から
成る予め混合された水溶液の一端部において微重力環境
中で温度を変え、生物学的高分子を結晶化させるに十分
な温度勾配を上記水溶液にわたって確立する工程を備え
る。微重力条件(10-2から-6g)下の静止した(攪拌さ
れない)溶液の中で結晶を成長させることにより、その
溶液自身の中の好ましくない対流を防止し、上記溶液の
中に直線的な温度勾配を確立するための温度変化を可能
とする。従って、本発明による結晶化は、地上で成長さ
せる場合に比較して、非常に等級が高く、より純度の高
い結晶を大量に生産することを可能にする。
図面の簡単な説明 以下の図面は、本発明の好ましい実施例を説明するため
に準備されたものである。
図1は、本発明の好ましい実施例を一部分解して示す斜
視図である。
図1Aは、トルク工具を示す斜視図である。
図1Bは、t型ハンドルを示す斜視図である。
図2は、総てのシリンダが適所にある状態の好ましい実
施例のPCF用のアルミニウムのアセンブリの斜視図であ
る。
図3は、図1の線3−3に沿って取った断面図である。
図4は、アルミニウムのアセンブリを冷蔵器−培養器モ
ジュール(RIM)に挿入する状態を示す斜視図である。
図5は、130ポンド/インチまで締め付けられたキャッ
プ及びアルミニウムのシリンダの頂部を有する例示的な
PCFを示す斜視図である。
図6は、アルミニウムのシリンダ、並びに、そのステム
及びパージ弁及びステム及びパージキャップを示す分解
斜視図である。
図7は、前方パネルを有するアセンブリを左側から示す
斜視図である。
図8は、前方パネルを有するアセンブリを右側から示す
側面図である。
図9は、アセンブリの底面図である。
図10は、圧力解放弁を示すRIMの平面図である。
図11は、本発明を用いたある実験における、飛行及び地
上における自由浮遊する「ロゼット」結晶の長さ及び幅
を示すグラフである。
図12は、PCFの側の飛行及び地上における「ロゼット」
結晶のサイズを図11の実験の箇所に対して示すグラフで
ある。
図13は、図11の実験の飛行及び地上における自由浮遊す
る単一の結晶の長さ及び幅を示すグラフである。
図14は、PCFの側の飛行及び地上における単一の結晶の
サイズを図11の実験の箇所に対して示すグラフである。
図15は、本発明を用いた他の実験の飛行及び地上におけ
る自由浮遊する単一の結晶の長さ及び幅を示すグラフで
ある。
図16は、PCFの側の飛行及び地上における単一の結晶の
サイズを図15の実験の箇所に対して示すグラフである。
好ましい実施例の詳細な説明 本発明の好ましい実施例においては、装置は4つ一組の
ポリスルフホンのボトルを備えており、各々のボトル
は、同一の直径と、500、200、100及び50ミリリットル
(ml)の内部容積に対応する異なった高さとを有してい
る。これら4つのボトルは各々、温度変化を行わせる熱
ユニットを並置する金属のキャップを有している。各々
のユニットは別個であって相互に絶縁され、各々のユニ
ットは別個の温度勾配を有している。
本発明の装置は、アルミニウムのPCFキャップ2を有
し、結晶化すべきタンパク質溶液を保有することのでき
る4つのポリスルフホンのボトル(PCF)1と、一端部
にアルミニウムのシリンダ頂部3aを有し、他端部にステ
ム及びパージ弁を有する4つのアルミニウムのシリンダ
4と、2つの側部プレート4a−bと、1つの前方パネル
4cと、レール6及びバネを含む取り付けハードウエア
と、4つのステム及びパージキャップ7とから構成され
る。
本装置は、4つのPCF1を備え、これらPCFの一端部を加
熱又は冷却してタンパク質結晶の成長を開始させる。PC
Fボトルはポリスルフホンから形成され、該ポリスルフ
ホンは、宇宙空間の飛行に適した品質を有し、タンパク
質の付着に不活性であり、また透明で、且つ、4゜C乃
至60゜Cの範囲の温度変動に耐えるに十分な柔軟性を有
するという利点がある。PS−1700のポリスルフホンを使
用するのが好ましいが、タンパク質に対して非接着性の
あらゆる材料をPCFボトルに使用することができる。4
つのPCFボトル1は、同一の直径を有するが、高さが異
なり、従って、異なる容積を有している。高さが異なる
ことにより、各々のボトルの中で異なった温度勾配を得
ることができる。特定のタンパク質に対して適正な温度
勾配を決定した後に、高さが同一で直径が異なるボトル
を使用することができる。
好ましい実施例の容積は500、200、100及び50mlである
が、ボトルの容積は、RIM5又は他の熱制御可能なユニッ
トの内側に嵌合する限り、どのような容積にすることも
できる。各々のボトルは、単一のOリングを用いてネジ
付きでV字形状の金属キャップ2で閉止され、これによ
り、キャップ2は加熱又は冷却の通路の役割を果たす。
キャップ2の底部のV字形状は、キャップが取り付けら
れている時に、ボトルから気泡を押し出す機能を有す
る。RIM自体は周知の装置である。RIMはソリッドステー
ト(半導体)の加熱及び冷却装置であり、外部ノブの調
節で内部空所の温度を0.1゜Cの範囲内で調節可能であ
る。
すなわち、RIMは6つの側部を有する箱であり、1つの
側部はドアである。6つの側部は二重壁の構造を有し、
その外側の壁部は強化ガラス繊維であり、その内側の壁
部は熱伝導性の金属である。6つの二重壁の中の5つは
絶縁材を含んでいる。その内側の壁部がコールドプレー
トと呼ばれる6つの二重壁は熱制御ユニット(TCU)を
収容している。TCUは周知の装置であり、熱電気的なユ
ニット(TEU)と、熱交換器と、温度フィードバックセ
ンサと、ファンとから構成されている。
TEUは、コールドプレートと、これもプレート状の熱交
換器との間に挟まれた周知のプレート形状のユニットで
ある。電流がTCUを通過する方向に応じて、熱がコール
ドプレートに与えられ又はコールドプレートから取り出
され、これにより、RIMの内部室の温度を調節する。
TCUは、室の中の温度を設定温度の0.5゜Cの範囲内に維
持するように作動し、上記設定温度は、デジタル式の温
度読み取り部を有するRIMの外側のノブによって0−40
゜Cの間で設定される。通常の水平な位置においては、
その内側の壁部がゴムのガスケットを担持するRIMのド
アは底部にヒンジ止めされ、コールドプレートは内部室
の左側の垂直壁にある。構造的に補強するために、RIM
は、該RIMの箱の縁部を包囲し且つ隅部が接合された金
属フレームの内側に収容される。
異なった寸法のボトルを用いる本発明の上述の実施例
は、得られる別個の温度勾配の関数として結晶のサイズ
及び品質を評価することを可能とし、その理由は、それ
ぞれのタンパク質は、最適な結晶成長に関してそれぞれ
の勾配を必要とするからである。
アルミニウムのシリンダ3を用いてPCFを適所に保持
し、RIM5の熱制御装置に並置される。シリンダ3には、
アルミニウムのシリンダ頂部3aが設けられ、該頂部には
4つのネジ8を用いてPCFが取り付けられる。このよう
にすると、ボトルはシリンダの中で片持ち梁式に支持さ
れ、これにより、各シリンダの中のボトルの周囲に適正
な空気の絶縁をもたらすことができる。ステム及びパー
ジ弁が地上基準のリークテストのためだけに使用され、
上記ステム及びパージ弁は、本装置を使用する時に、ス
テム及びパージキャップ7によって確実に包囲される。
各々のシリンダ3はアルミニウムの側部プレート4a−b
の間に挟まれた気密シールされた円筒形の容器であり、
上記側部プレートにネジ10によって取り付けられてい
る。アルミニウムの前方部4cが側部プレート4a−bの一
端部に取り付けられている。各シリンダは同じ大きさで
ある。シリンダの基本的な機能は、PCFを相互に熱絶縁
し、これにより、ボトルが漏れを生じたりあるいはボト
ルが構造的な欠陥を示した時に、ボトルの内容物及びボ
トルを保持し、PCFをRIM5の中で熱制御するように保持
することである。後者の機能に関しては、シリンダは左
側の側部プレート4aを貫通し、これにより、アルミニウ
ムのシリンダ頂部3a、従ってアルミニウムのPCFキャッ
プ2が、RIM5の熱プレートに直接熱的に接触する。
レール6が側部プレート4a−bにボルト止めされてお
り、これらのレールは、RIM5の側壁の機械加工されたス
ロット12の中に嵌合されている。側部プレート上におけ
るレールの位置は、別個のRIMを収容するように変更す
ることができる。ユニット全体は、RIM5の前方部にボル
ト止めされたRIMのドア5aによって、RIM5から滑りださ
ないようになされている。アルミニウムの前方プレート
4cには図1に示すように発泡層を設け、これにより、ド
ア5aを閉じた後にRIMの中に確実に嵌合するようにする
のが好ましい。上記層としては、どのような発泡材料を
用いることができるが、スコット・フォーム(Scott Fo
am)のパイレル(PYREL:登録商標)が好ましく、その理
由は、難燃性であり、NASAによって宇宙空間飛行に適す
ると承認されているからである。
アルミニウムの前方プレート4cには、図1に示すように
円形の開口が設けられている。この開口は、RIMの圧力
解放弁と協働するように設けられている。図10において
RIMの外側から示される圧力解放弁は、圧力が急激に変
化した時の爆縮又は爆発を防止する。
左側の側部プレート4aは熱プレートとして使用される。
PCFが作動している間のRIM5の基本的な目的の1つは、
ボトルに同一の熱的な環境を与えることであるので、熱
プレートとサンプル容器の頂部との間の境界面を高度に
熱伝導性にすることが極めて重要である。この理由によ
り、PCFは、各々のアルミニウムのPCFキャップ2が対応
するシリンダ3のアルミニウムのシリンダ頂部3aにねじ
止めされ、また、アルミニウムのシリンダ頂部3aが、左
側の側部プレート4aを通ってRIM5の熱プレートに供給
し、これにより、タンパク質溶液に対して良好な伝熱経
路を与えるように設計されている。図8に示すように、
右側の端部プレートも一連の板バネを使用しており、こ
れにより、PCFをRIM5の熱プレートに対して押し付けて
いる。
RIMのドア5aは、本装置が飛行している時には常に閉じ
られたままである。クルーすなわち乗員に必要とされる
作業は、RIM5の制御パネルに設けられる温度制御ノブを
調節することだけである。RIMが軌道にある時には温度
は40゜Cに設定され、飛行の初期の段階の間にはその温
度に維持されるのが理想的である。次に、飛行の最初の
24−48時間の間に、温度は40゜Cから22゜Cへ下げられ
る。RIM5の温度調節を完了した後には、PCFの環境は、R
IM5が適正な温度に保持されていることを確認するため
に時々監視することを除き、クルーの活動を必要としな
い。
インシュリンのサンプルに関しては、以下の材料を使用
することができる。すなわち、牛インシュリン(24I.U.
/mg、結晶質)、0.5%亜鉛含有物(Sigma Chemical C
o.,St.Louis,MOからカタログ番号15500として入手可
能)、等級IIの鮭からのプロタミン(硫酸サルミン:カ
タログ番号P4380としてSigmaから入手可能)、及び約99
%のメタクレゾール(3メチルフェノール:Sigmaからカ
タログ番号C5015として入手可能);並びに、リン酸ナ
トリウム(二塩基七水化物)、及び塩化ナトリウム(Fi
sher Scientific,Fair Lawn,NJから入社可能な認定さ
れたA.C.S.等級)である。
1.6mg/ml乃至0.2mg/mlのインシュリンサンプルを、0.01
MのNa2HPO4、0.5MのNaCl及び0.3%のm−クレゾール(p
H6.5)の中で調整する。このサンプルは、60゜Cで10分
間培養してインシュリンの溶解を促進し、その後室温で
5分間冷却する。次に、1.0%の硫酸サルミンを加え、
硫酸サルミン(mg)のインシュリン(mg)に対する比を
0.125とする。その結果生じたサスペンションを60゜C
まで暖めて60゜Cで60分間培養し、可能な限り非晶質の
沈殿を溶解する。
上記サンプルを60゜Cで0.22ミクロン(μm)のナイロ
ンフィルタ(Rainin,Woburn,MA)で濾過し、その結果生
じた濾液をプログラム可能な水浴の中に置いて冷却し、
水浴の温度を24時間にわたって60゜Cから40゜Cまで直
線的に下げる。次に上記濾液を予め暖めたPCFボトル1
の中へ入れ、内壁に付いた目視可能な気泡を、40゜Cに
おいてテトラフルオロエチレン被覆されたスパートレで
除去する。インシュリン溶液は、アルミニウムのPCFキ
ャップ2をねじ止めしたときに目視可能な気泡が存在し
ない程度まで、ボトルの中に入れる。ボトルが充填され
た後に、キャップを特定のトルクまでねじ込む。この作
業を容易にするために、トルク工具2aを用いることがで
きる。各々の4つのPCFボトル1を上述の手順で40−45
゜Cで充填し、次に各ボトルを対応するアルミニウムの
シリンダ3の中に入れる。
PCFの定置及び取り出しは、アルミニウムのシリンダ頂
部3aに一時的に取り付けられるT型ハンドル2bを用いる
ことにより容易に行うことができる。一方シリンダ3
は、2つの側部プレート4a−b、並びにRIM5との境界に
ある前方パネル4cを備えるアセンブリの中に置かれる。
この場合にも、総ての作業は40−45゜Cで行われる。
本発明の好ましい実施例によるPCFの装填手順を以下に
詳細に説明する。
1.PCFボトルにインシュリン溶液を充填する。
2.アルミニウムのキャップをボトルに螺合させる。図3a
及び図5に示すように、キャップの形状が総ての気泡を
ボトルから押し出す。
3.トルク工具を4つのネジによってキャップの頂部に取
り付ける。
4.トルクレンチでキャップを23.01kg/cm(130ポンド/
インチ)まで締め付ける。
5.トルク工具を取り外す。
6.アルミニウムのシリンダ頂部を4つのネジで455g/cm
(40オンス/インチ)まで締め付けてPCFに取り付け
る。
7.アセンブリをアルミニウムのシリンダの中に置く。
8.アルミニウムのシリンダを4つのネジで455g/cm(40
オンス/インチ)まで締め付けてアルミニウムのシリン
ダに取り付ける。
9.PCFキャップとは反対側のアルミニウムのシリンダの
端部にステム及びパージキャップを取り付け、455g/cm
(40オンス/インチ)まで締め付ける。
10.工程1−9を他のPCFについて実行する。
11.各々のアルミニウムのシリンダを水の中に浸漬さ
せ、気泡を観察することによりシリンダからの空気の漏
洩をチェックする。
12.漏洩のチェックを行った後に、4つのネジを用いて
4つのアルミニウムのシリンダを右側の側部プレートに
取り付け、各シリンダを455g/cm(40オンス/インチ)
まで締め付ける。
13.左側の側部プレートを同様の手順でシリンダの他端
部に取り付ける。
14.左側及び右側の側部プレートを6つのネジによって
前方パネルに取り付け、455g/cm(40オンス/インチ)
まで締め付ける。
15.完成したアセンブリを、40゜Cの内部温度まで予め
暖めておいたRIMの中に置く。
上述の作業は、インシュリン溶液が、40゜Cに設定され
たRIMに装填される前に40゜Cよりも低くならないよう
にするために、40−45゜Cで行う。RIM5には電気を加え
続け、微重力中で活性化させるまで40゜Cに設定する。
軌道に入ると、約26時間にわたってRIM5を40゜Cから22
゜Cまで冷却する。約3時間で40−36゜C、約9時間で
36−32゜C、約19時間で32−28゜C、及び約26時間で28
−22゜Cの4つの温度変化を行う。
本発明の他の実施例においては、シリンダの中における
PCFの片持ち型の取付具を置き、剛性を有する絶縁材で
ボトルをシリンダの中の適所に保持する。剛性を有する
絶縁材は、型成形するか、ボトルの周囲で硬化するフォ
ーム(発泡材)としてシリンダの中に導入することがで
きる。スコット(Scott)のパイレル(PYREL:登録商
標)・フォームが剛性の絶縁材として好ましいが、ボト
ルの中の溶液の熱伝導度よりも低い熱伝導度を有する材
料であればどのような材料を使用することもできる。こ
れは、熱をボトルから確実に逃がさないようにするため
に必要である。
また、PCFは、「ドーナツ」ブレース又はリブ付きのブ
レース若しくはスポーク付きのブレースの如き内部ブレ
ースを用いて適所に保持することができる。更に、PCF
には、シリンダの内側面に相当する長手方向の又は円周
方向の延長部を設けることができる。
本発明に従って結晶を製造することのできる生物学的高
分子は、少なくとも約1000の分子量を有する自然に発生
する又は遺伝子工学的に形成される有機化合物である。
生物学的高分子の例としては、タンパク質、核酸、プロ
テオグリカン、タンパク質−脂質錯体、及び糖タンパク
質がある。沈殿剤(結晶化剤)は、生物学的高分子の溶
液に添加された時に、その溶液を過飽和させてタンパク
質−タンパク質の凝集体とし、タンパク質結晶を形成さ
せるような化合物である。
沈殿剤の例としては、ポリエチレングリコール(PE
G)、2メチル−2,4ペンタネディオール(MPD)、硫酸
アンモニウム、及び塩化ナトリウムがある。特定の生物
学的高分子に対して必要とされる特定の試薬は当業者に
は明らかであり、例えば、ScopesのProtein Purificat
ion,principles and Practice(second edition,Spr
inger,Verlag,1987,New York,pp.298−299),Blundell
et al.のProtein Crystallography(Academic Pre
ss,1976,New York,pp.59−82)、及び、McPhersonのPr
eparation and Analysis of Protein Crystals(J
ohn Wiley & Sons,1982,New York,pp.102−108)
に開示されており、該開示は本明細書に参考とし含む。
本発明の方法によれば、温度変化を用いて、生物学的高
分子の結晶成長を行う。暖−冷の勾配並びに冷−暖の勾
配は共に、結晶化すべき生物学的高分子に応じて使用す
ることができる。温度変化を用いて結晶成長を制御する
ことができ、その理由は、それが非侵入型であるから、
すなわち、pH、タンパク質濃度、及び沈殿剤の濃度を変
える必要がないからである。またシードすなわち種は何
等含まれない。
地上において温度変化を用いて結晶を成長させる際に遭
遇する問題は、微重力環境において極めて少なくなる。
地上では、温度勾配は大きな対流を発生する可能性があ
り、そのような対流は、タンパク質の結晶成長を阻害し
且つ悪影響を与える。微重力環境においては、温度勾配
はそのような対流を発生せず、その理由は、重力が殆ど
生じないからである。
両方向における温度勾配は、本発明に従ってタンパク質
結晶を成長させるのに有効である。結晶化に必要とされ
る温度勾配は、使用する生物学的高分子に依存する。例
えば、インシュリン及びカタラーゼは、加熱した溶液の
温度を低下させて温度勾配を生じさせることにより結晶
化する。この結晶化が起こる理由は、タンパク質は温度
が高い程溶解度が高く、冷却されると、溶液から結晶化
するからである。温度低下を用いて温度勾配を確立する
ことにより結晶化する他の周知のタンパク質も本発明に
従って結晶化させることができる。
一方、温度を上昇させることにより温度勾配を確立する
ことも本発明に従って使用することができる。例えば、
Jakobyの“Crystallization as a purification t
echnique"(Methods in Enzymology,Vol.11,pp.248−
252,Academic Press NY(1971))、及び、JakobyのA
nalytical Biochemistry,26,295−298(1968)には、
温度を4゜Cから22゜Cまで上昇させことによりタンパ
ク質の結晶化が実現されている。これは、温度の上昇に
従って、高い塩溶液中のタンパク質の溶解度の差に依存
する。この主要を用いた場合には、問題とするタンパク
質は、4゜Cの高濃度の硫酸アンモニウムの中で、比較
的低い濃度で溶解する。温度が上昇され、タンパク質
は、高い温度で結晶化する。
温度の増加は、塩の活動度を高める一方、有効な濃度を
高くする。これにより、塩と水との間の相互作用を大き
くし、これにより、大量の水分子と結合する。従って、
水の有効濃度は低下し、これと同時に、タンパク質の濃
度が増大してタンパク質が溶液から結晶化する。そのよ
うなタンパク質は、アルカリホスファターゼ及びアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼである。温度を上昇させて温度勾
配を確立することにより結晶化することが知られている
他のタンパク質も、本発明に従って結晶化させることが
できる。
温度変化特に温度勾配は、系を動的に制御するための最
も容易な方法である。温度変化は非侵入型であり、工学
的に容易に行うことができ、また、地上基準の作業とモ
デル化することができる。これらの理由により、温度変
化は、微重力中における大量のタンパク質結晶の成長を
効果的に調節することができる。
本発明によれば、温度変化は、任意の時間間隔で温度制
御を手動で調節するか、あるいは、時間経過と共に一定
の温度を確立するコンピュータ制御を用いることにより
確立することができる。そのような温度変化は、1分間
当たり約0.0002−0.03゜Cの割合で行うのが好ましく、
また、1分間当たり約0.003−0.0125゜Cの割合で行う
のがより好ましく、これにより、適正な温度勾配を得る
ことができる。通常、1時間当たり約18゜Cの変化によ
り可成の結晶が得られ、約24時間当たり約18゜Cの変化
により良好な結晶が得られるが、結晶の劣化を避けるた
めには約6週間よりも短い時間当たり約18゜Cの変化が
必要である。沈殿剤(結晶化剤)、並びに他の溶液添加
物の如き結晶化に必要とされる溶液の条件、溶液中の生
物学的高分子、沈殿剤及び他の添加物の濃度、溶液pH等
は、結晶化させるべき特定の生物学的高分子に依存する
が、当業者には容易に理解されよう。
本発明の方法及び装置によれば、種々の量の結晶を形成
することが可能である。結晶化条件は、本発明に従い、
商業的な規模で製造できるように調節するのが好まし
い。すなわち、その量は、0.5mg、1.0mg、500mg又は100
0mgの結晶であり、グラム単位及びキログラム単位を含
む。少なくとも5ml、より好ましくは少なくとも10mlの
溶液体積、並びに、少なくとも0.2mg/ml、又は少なくと
も5mg/mlの生物学的高分子の濃度が想定される。上述の
量を得るために必要な条件は、結晶化されるべき生物学
的高分子に依存するが、当業者には容易に理解されよ
う。
微重力条件は、本発明に従って結晶を製造することを可
能とし、これにより、地上成長型の結晶をよりも高い等
級の結晶を得ることができる。すなわち、微重力成長型
の結晶は、地上成長型の結晶に比較して、その回折限界
(すなわち、統計的に利用可能なデータ)において高い
ブラッグ角を生じ、及び/又は、微重力成長型の結晶
は、同一の生物学的高分子の地上成長型の結晶に比較し
て、相対的なウイルソン・プロットに示される正のΔB
勾配によって表される原子及び分子の空間格子の誤配列
の熱振動が小さい。
ブラッグ角及びウイルソン・プロットは、結晶の相対的
な次数を決定するための周知の基準である。DeLucas外
のScience,246,651−654(1989)を参考としてここに含
む。結晶のX線回折分析においては、ブラッグ角θは、
X線回折データが発生する角度であって1/d2×10-10m2
(Å2)を計算するために使用され、dは、等式1/d2=
4sin2θλ2に従って計算された結晶の平面の間の距離
であり、λは一般に、1.5418×10-10m2(Å)に等しい
波長である。
例えば、その回折限度において、ガンマーインターフェ
ロンに対する結晶の1/d2は0.11×(10-10m)-2であり、
地上成長型の結晶に対するそれは0.09×(10-10m)-2で
ある。1/d2の値は、3.0×10-10m(Å)の微重力成長型
の結晶、並びに3.3×10-10m(Å)の地上成長型の結晶
に対する分解限度に対応する。これは、微重力成長型の
結晶においては3.0×10-10m(Å)までの分子の詳細を
分析することができることを意味するが、地上成長型の
結晶における最小の分子詳細の分析可能な値は3.5×10
-10m(Å)である。ポルシン・エラスターゼの結晶に関
しては、1/d2は0.41×(10-10m)-2であり、微重力成長
型の結晶に関する分解限界は1.56×10-10m(Å)であ
り、地上成長型の結晶に関しては、1/d2は0.32×(10
-10m)-2であり、分解限界は1.76×10-10m(Å)であ
る。イソシターテ・リアーゼの結晶に関しては、微重力
成長型の結晶においては、1/d2は0.19×(10-10m)-2で
あり、また、分解限度は2.3×10-10m(Å)であり、一
方、地上成長型の結晶においては、1/d2は0.13×(10
-10m)-2であり、分解限界は2.8×10-10m(Å)であ
る。
特定の結晶の相対的なウイルソン・プロットから各値を
採用し、熱振動又は分子誤配列によって生じた結晶の不
規則性を計算する。値Bは、熱振動、原子及び分子の空
間格子の誤配列を表し、勾配=ΔB/2の式に従って相対
的なウイルソン・プロットの勾配から計算され、上記式
において、ΔBは、地上成長型の結晶及び微重力成長型
の結晶のB値の差であり、ΔBが正であることは、微重
力成長型の結晶に関しては熱振動が小さいことを示す。
ガンマーインターフェロンに関しては、ΔBは5単位で
あり、この単位は、6.0及び3.65×10-10m(Å)の分解
範囲の間の10-10m2(Å2)である。大部分の結晶に関
するBファクタの絶対値は、10及び20単位の間である。
3.65−2.9×10-10m(Å)の分解範囲においては、ΔB
は18.5単位である。ポルシン−エラスターゼに関して
は、2−1.7×10-10m(Å)の分解範囲において、ΔB
は5.2単位である。イソシトラーテ・リアーゼに関して
は、5−2.5×10-10m(Å)の分解範囲において、ΔB
は6.2単位である。
例 1 図1乃至図10に示す装置を用いて実験を行った。リン酸
緩衝液中で0.4mg/mlの濃度を有するインシュリンをPCF
ボトルに入れた。発射後の3時間で、温度は40゜Cから
36゜Cに低下した。発射後の9時間で、温度は36゜Cか
ら32゜Cに低下した。発射後の19時間で、温度は32゜C
から28゜Cに低下した。発射後の26時間で、温度は28゜
Cから22゜Cに低下した。
飛行中に成長した「ロゼット」及び単一の結晶の長さ及
び幅を測定し、他の条件は同一として地上で成長させた
参考の「ロゼット」及び単一の結晶の長さ及び幅と比較
した。図11乃至図13に示すように、飛行中に成長した自
由浮遊結晶は、地上で成長した結晶よりも長く且つ幅が
ある。実際に、自由浮遊の飛行「ロゼット」結晶のサイ
ズの自由浮遊の地上「ロゼット」結晶のサイズの比は以
下の通りである。
PCF 長さ 幅 500 5.94 4.13 200 4.71 3.43 100 2.40 1.74 50 2.76 2.34 飛遊浮遊の飛行単一結晶のサイズの自由浮遊の地上単一
結晶に対する比は以下の通りである。
PCF 長さ 幅 500 10.26 3.96 200 8.66 3.66 100 2.42 1.84 50 2.42 2.24 PCFボトル中で自由浮遊が確認された結晶に加えて、幾
つかの結晶がボトルの側壁に付着していることが確認さ
れた。図12及び図14から分かるように、結晶のサイズ
と、PCFボトルの長手方向の軸線に沿う結晶の位置の間
には大きな差が確認されなかった。X線結晶分析は、宇
宙空間で成長された結晶は、地上で成長したコントロー
ルよりも高分解能で回折することを示した。
例 2 図1乃至図10に示す装置を用いて他の実験を行った。リ
ン酸緩衝液中で0.4mg/mlの濃度を有するインシュリンを
PCFボトルに入れた。発射後4時間で、温度は40゜Cか
ら22゜Cに低下した。
図15に示すように、飛行中に成長した自由浮遊結晶は、
地上で成長した結晶よりも長く且つ幅がある。実際に、
自由浮遊の飛行単一結晶のサイズの自由浮遊の地上単一
結晶に対する比が以下の通りであった。
PCF 長さ 幅 500 4.58 2.55 200 4.65 2.64 100 4.12 2.68 50 2.76 1.65 図16から分かるように、この場合にも、PCFボトルの側
部に付着した結晶のサイズと、PCFボトルの長手方向の
軸線に沿う結晶の位置の間には大きな差が確認されなか
った。X線結晶分析は、宇宙空間で成長された結晶は、
地上で成長したコントロールよりも高分解能で回折する
ことを示した。
本発明の実施例を図示し且つ説明したが、本発明がこれ
らに限定されるものではなく、以下の請求の範囲の範囲
内で種々に具体化し且つ実施することができることを理
解する必要がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バグ,チャールズ・イー アメリカ合衆国アラバマ州35200,バーミ ンガム,クリフ・ロード 4370 (72)発明者 デ・ルーカス,ローレンス・ジェイ アメリカ合衆国アラバマ州35200,バーミ ンガム,アフトン・ドライヴ 5533 (72)発明者 ナガブシャン,タッタナハリ・エル アメリカ合衆国ニュージャージー州07054, パーシッパニー,サンセット・レーン 3 (72)発明者 トロッタ,ポール・ピー アメリカ合衆国ニュージャージー州07094, セコーカス,ハーモド・コーヴ・タワーズ 2429

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微重力中で高分子結晶を製造することので
    きる装置において、 (a)両端部、及び、該両端部の一方に設けられる熱伝
    導性の蓋を有する少なくとも1つの容器と、 (b)前記容器の内側に設けられると共に熱伝導性のキ
    ャップを有し、該キャップは、前記蓋に接触して前記キ
    ャップと前記蓋との間の熱伝達を可能にするようになさ
    れた少なくとも1つのボトルと、 (c)前記蓋を可変熱源に接触させ、これにより前記ボ
    トルの中に温度勾配を得ることを可能にする手段とを備
    える装置。
  2. 【請求項2】少なくとも0.5mgの商業的な規模の量の高
    分子結晶を製造するための方法において、 (a)熱伝導性のキャップを有する少なくとも1つのボ
    トルを準備する工程と、 (b)液体の生物学的高分子及び沈殿剤から成る予め混
    合された水溶液を前記ボトルに装填し、前記溶液を前記
    ボトルに装填した後に前記キャップを固定する工程と、 (c)前記熱伝導性のキャップを可変熱源に接触させ
    て、前記キャップと前記可変熱源との間の熱伝達を可能
    にする工程と、 (d)前記ボトルが微重力環境にある間に前記可変熱源
    の温度を変え、これにより、前記生物学的高分子を結晶
    化させるに十分な温度勾配を前記ボトルの中に確立する
    工程とを備え、これにより製造される微重力成長型の結
    晶が、同一の生物学的高分子の地上成長型の結晶に比較
    して、回折限界に関するより高いブラッグ角、より小さ
    な熱振動、及び、相対的なウイルソン・プロットに示さ
    れる正のΔB勾配によって表される原子並びに分子の空
    間格子のより少ない誤配列から成る群の少なくとも1つ
    の特徴を有する方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の方法において、 (a)前記液体の生物学的高分子及び結晶化剤から成る
    前記溶液を、各々熱伝導性のキャップを有し且つ異なっ
    た容積を有する複数のボトルの中に装填する工程と、 (b)前記熱伝導性のキャップを可変熱源に接触させる
    工程と、 (c)前記ボトルが微重力環境にある間に前記可変熱源
    の温度を変えて前記各々のボトルの中に異なった温度勾
    配を確立する工程とを備えることを特徴とする方法。
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