JPH0768145B2 - 制がん用抗血清及びその製造法 - Google Patents

制がん用抗血清及びその製造法

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JPH0768145B2 JP30114387A JP30114387A JPH0768145B2 JP H0768145 B2 JPH0768145 B2 JP H0768145B2 JP 30114387 A JP30114387 A JP 30114387A JP 30114387 A JP30114387 A JP 30114387A JP H0768145 B2 JPH0768145 B2 JP H0768145B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗血清に関する。さらに詳しくは、がん組織に
注入され、これと結合し、ハプテン作用を示す染料と特
異的に反応してがん組織を破壊することができる抗体を
含む抗血清及びその製造法に関する。
〔従来の技術〕
がんに対する特異的な抗体を用いるならば、がんの治療
や診断が可能であるかも知れないと言うアイデイアはが
んの免疫学的な研究を発展させた原動力であり、更にこ
の分野の研究によつて積み上げられた知識は免疫学,生
物学,バイオエンジニアリング等の発展に大きな貢献を
もたらしてきた。
今日、実験的動物がんにおいてはヒトがんとは異なつ
て、がん特異抗原が存在することが証明されており、が
んに対する特異抗体を用いてがんを治療しようという動
物実験あるいは臨床試験は、数多く試みられて来てい
る。しかしながら、そのほとんどが信頼できる成果をも
たらさずに終つており、一時期にはがんの特異抗体を用
いた治療は可能性がないと考えられるまでに至つた。
しかし、過去のがんの免疫療法については、今日新しい
評価がなされなければならないと考える。すなわち、が
ん特異抗原性はいずれも微弱であることから、がん特異
抗原の決定や精製、更にはその抗原に対する特異抗体の
生産は通常非常に困難であるため、過去の実験に使用さ
れた抗体が果たして確実に目標がんに対する免疫特異性
を持つていたか否かについては多分に疑問が残る。更に
また、もしこれらの使用された抗体が、がんは特異的で
あつたと仮定しても、その抗体が目標がんと十分な反応
を起こし得るだけの強い免疫親和性を持つていたのであ
ろうかと言う疑問となつてくる。これらの抗体側の問題
に加えて、目標がんの抗原性が微弱であると言う事実
は、その投与された抗体を引きつけるだけの十分な強さ
をがんが持つていないと言うことでもあり、がん側の問
題をも加算することになる。
上記の説明から明らかなように、がんの抗原性が微弱で
あると言う事実はがんの免疫療法を困難なものにする基
本的な問題であり、過去の試みの不成功の原因の大きな
部分を占めていると考えて間違いないであろう。
事実、最近のモノクローナル抗体を用いた動物実験の結
果では、がんあるいはがん関連抗原に対して確実な特異
性を持つ抗体を用いるならば目標がんの退行を起こし得
ることが証明されている〔ニユー・イングランド・ジヤ
ーナル・オブ・メデイスン(New England Journal of M
edicine)第306巻517頁(1982年)参照〕。そしてこれ
らのモノクローナル抗体で得られた結果は特異抗体によ
るがん治療の可能性について再認識をもたらしたばかり
でなく、更にモノクローナル抗体を用いるならばヒトが
んの受動免疫も可能であるかも知れないという期待をも
もたらすことになつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、がん特異性モノクローナル抗体を臨床に
応用する場合を想定してみると、新たな問題に遭遇す
る。まず第一に、一体人間のがんに特異抗原が存在する
のであろうかという点である。ヒトがんのうちでもある
種のがん、例えばメラノーマやウイルス性がんはそれぞ
れ特異抗原を持つていることが知られている。しかし、
全てのヒトがんがそれぞれ特異抗原を持つているか否か
については未だに明らかではない。更に、ある一定の範
ちゆうに属するがん(例えば同一の組織像を示すがん、
または同一臓器から発生したがん)の間に共通な抗原性
があるのか否かもまた不明である。それゆえに、一つの
ヒトがんを材料としてがん特異的モノクローナル抗体を
誘導したとしても、その抗体が他の患者のがんに対して
も免疫特異性を示す可能性はほとんど期待し得ないわけ
である。
この問題を克服するため患者自身のがん(自家がん)を
用いてモノクローナル抗体を誘導するという方法も考え
られるが、患者自身から得たがんの特異抗原の決定およ
びその抗原に対するモノクローナル抗体を産生するとい
う操作は長期の時間を要する方法であり、加えて個々の
患者のがんに対してそれぞれモノクローナル抗体を産生
するという方法は、臨床的には極めて実行困難なことは
明らかである。さらに、これに代わる方法として、前も
つて各種のヒトがんに対してそれぞれ特異的なモノクロ
ーナル抗体を作つておき、これらを混合して用いるとい
う方法も考え得るかも知れないが、その混合抗体のうち
いずれかが目標がんの抗原と免疫的に合致するか否かは
全く保証がない。
モノクローナル抗体を用いてがんの治療を行なう場合、
もう一つ問題がある。過去においては一つのがん組織を
構成するがん細胞は全て均一な性質を持つと考えられて
いたが、最近、同一がん組織を構成するがん細胞ですら
いくつかの亜集団から成り立つていることが明らかにな
つてきたことである。しかも、一つのがん組織の中で大
勢を支配している亜集団をなんらかの方法で抑制すると
これまで抑圧されていた他の亜集団のがんが代わつて台
頭して来ることも判明している。このため、理論的に
は、不完全な治療はその治療に対して感受性のあるいく
つかの亜集団の構成を変えるだけに終わることになるで
あろう。そして、このような経過を通つて生存した亜集
団はその用いられた療法に抵抗性を持ち、しかもそのが
ん組織の大勢を占める亜集団となる。すなわち、モノク
ローナル抗体の特質であるところの極めて明確な免疫特
性は、逆に目標がん組織内の一つの亜集団をしか攻撃で
きないという不利をもたらすことになる。もし各種のが
んに対する特異モノクローナル抗体を作り、これを混合
して用いると仮定しても目標がんの亜集団の構成が明ら
かでない以上、多くは期待し得ないであろう。しかも、
同一がん組織内の亜集団の構成は変異あるいは宿主防御
反応による選択等によつて動的に変化することも知られ
ており、モノクローナル抗体の特異性の目標をどこに定
めるが、あるいはまた、どのような特異性をもつ抗体を
前もつて揃えておけばよいのかを決定することは極めて
困難である。
以上の問題を克服するため我々は、その存在が不確かな
がん特異抗原に代えてハプテンを用いることとし、がん
組織に選択的にハプテンを人工的に結合させ、次いでこ
のハプテンに対する特異抗血清を作製し、これを投与す
ることによりがんが治癒することを見い出し本発明を完
成させるに至つた。
〔問題点を解決させるための手段〕
第1の発明は、蛋白と結合することができ、かつ、ハプ
テン作用を示す染料に対する抗体を含有してなる制がん
用抗血清に関する。
上記の染料としては、ナフトールブルーブラツク(C22H
14Na2O9S2),キナクリン(C23H22C12N3O),ポンソー3
R(C19H16N2Na2O7S2),アニリンブラツク(アニリン低
重合体),アニリンブルー,フクシン,(C20H20N3Cl)
等があり、ここに示したような蛋白染色用染料が特に好
ましい。上記制がん用抗血清は温血動物からのものであ
る。該温血動物としては、ラツト,マウス,モルモツ
ト,ウサギ,ウマ,ヤギ,ヒツジ等がある。
上記制がん用抗血清は、好ましくは第2の発明によつて
製造すことができる。
第2の発明は、ハプテン作用を示す染料と蛋白との結合
物で温血動物を免疫した後、該温血動物から血清を採取
することを特徴とする制がん用抗血清の製造法に関す
る。
ここで、染料及び温血動物は、前記で説明したのと同様
のものが使用される。
上記染料と結合させる蛋白としては、ザルコーマ180、
ルイス肺がん,ウオーカ256,吉田肉腫等の動物がん,胃
がん,肺がん,皮膚がん等のヒトがん等のがん細胞又は
がん組織、牛,馬等の動物の筋肉,肝,腎,皮膚等の蛋
白,牛,馬,ヒト等からの各種血清蛋白(例えば、血清
アルブミン,血清グロブリン等),卵白アルブミン等が
ある。
前記染料と蛋白との結合物は、両者をpH6.4〜7.4の等張
化緩衝液(例えば、リン酸緩衝液,エチレンジアミン四
酢酸緩衝液,ホウ酸緩衝液等)中、室温乃至100℃、好
ましくは70〜85℃で混合することにより得ることができ
る。反応時間は、0.5〜24時間であれば十分である。染
料は蛋白に対して10〜1000重量%使用するのが好まし
い。染料が少なすぎると染料に対する抗体の産生量が少
なくなり、多すぎると透析等による染料の除去操作に時
間がかかるようになる。過剰の染料は透析等により除去
しておくのが好ましい。
上記結合物は、このようにして得られた混合液の形体の
まま、温血動物の免疫に使用するのが好ましいが、反応
液から分離して使用することができる。この場合、上記
緩衝液は、必ずしも等張化されている必要はない。分離
された結合物は、上記と同様な等張化緩衝液に分散させ
て使用される。
上記結合物は、温血動物に免疫されるが、この免疫は複
数回行なうのが好ましい。免疫は、上記結合物が分散し
ている等張化緩衝液に、必要に応じて免疫賦活剤を添加
し、これを温血動物に静脈注射、腹腔内注射,皮下注射
等により行なうことができる。
免疫賦活剤としては、フロイントの完全アジユバント,
カリミヨウバン,アラム等があり、これらは常法に従い
使用され、高抗体価の血清を得るためには使用した方が
好ましい。
上記の免疫によつて動物の血清内に、上記結合物に対す
る抗体だけでなく、同時に前記染料に対する抗体及び前
記蛋白に対する抗体も産生する。
この後、温血動物から血液を採取し、遠心分離等により
上清を採取する方法などの常方によつて抗血清を得るこ
とができる。
上記からも明らかなように、この抗血清中には、前記結
合物に対する抗体及び前記蛋白に対する抗体が含まれる
が、これらはがん治療には不用であるため、また、場合
によつては副作用の原因になることもあるので該血清か
ら除くのが好ましい。このためには、該血清又はこれを
生理食塩水で希釈したものに前記結合物及び蛋白を添加
し、それぞれの抗体と結合させた後、遠心分離,ろ過等
により除くことができる。このように、不用な抗体を除
く場合、これに必要な抗原の最少量は、血清の希釈系列
を作製し、一定量の抗原を添加し、抗原−抗体反応物の
生成の有無を確認する方法等の常法によつて決定するこ
とができる。
第1の発明に係るまたは第2の発明によつて得られる抗
血清を用いたがん治療は、該抗血清に含まれる抗体に対
して抗原となる染料を、温血動物又はヒトのがん組織又
はその近傍に、注射器等で直接に注入しておき、この
後、上記抗血清をがん組織又はその近傍に注射器等で直
接投与する方法、静脈注射する方法等によつて行なうこ
とができる。この治療によつて、がん組織に注入された
染料とこの染料に対する抗体が特異的に反応し、がん組
織が破壊される。
この場合、染料の注入量は、がん組織の容積1cm3当り、
0.01〜1mgであるのが好ましく、抗血清は、注入した染
料に対応した量であるのが好ましい。
このようながん治療は、皮膚がん,乳がん,胃がん,肝
臓がん等の固形がんの治療に適している。
〔作用〕
第1の発明に係る又は第2の発明により得られる制がん
用抗血清は、予め、がん組織に特定の染料を注入してお
き、この後、該染料の抗体を含む抵血清を投与すること
により、がん組織又はその近傍で抗原−抗体反応が起こ
り、アルサス反応によつて血管が破壊されると共に、産
生される免疫活性物質の作用によつてがん組織が破壊さ
れる。このように染料を抗原とすることによつて、従来
問題となつていた患者自身のがんの特異抗原を決定する
必要がないこと、がん細胞の亜集団を考慮する必要がな
いこと、流血中のがん抗原の影響を受けることがないこ
と等から、がんの種類に関係なく、、がん局所で抗原抗
体反応を起こさせ、がんを治療することができる。
〔実施例〕
製造例1 [ラツトウオーカー腫瘍蛋白の製造] ウイスター系ラツトのウオーカー256腫瘍をpH7.4のリン
酸緩衝液で洗つて赤血球を除き、ついで細砕した。
次に、蒸留水で洗つた後、細砕した腫瘍に、その3倍量
の蒸留水を加え、ミクロホモジナイザー(池本理化工業
(株)製40−1062)によつて、氷中、40,000rpmで5分
間、ホモジナイズ(摩砕)した。この後、5倍量の蒸留
水を加え、4,000rmpで10分間,4℃にて遠心分離し、上清
を採取した凍結乾燥し、ラツトウオーカー腫瘍蛋白を得
た。
製造例2〜11 [各種結合物の製造] 表1に示す蛋白200mgをpH7.2の0.15M等張化リン酸緩衝
液10mlに加え、30分間、37℃でインキユベート(振盪)
した。これに、表1に示す染料を含むリン酸緩衝液(染
料の濃度1mg/ml、使用したリン酸緩衝液は上記のものと
同じ)52mlを撹拌しながら徐々に加え、完全に加え終つ
た後、30分間,25℃で撹拌しつつ保温した。ついで透析
膜を使い、水に対して染料がもはや浸出しなくなるまで
約6日間、得られた混合液を透析した。この後、混合液
を凍結乾燥して染料と蛋白の結合物を得た。
実施例1 製造例2で得られたナフトールブルーブラツクとラツト
ウオーカー腫瘍蛋白との結合物を用いた。この結合物を
分散させた生理食塩液(濃度10mg/ml)0.5mlをフロイン
トを完全アジユバント0.5mlと混合し、0.2mlをラツト両
後肢皮下に及び0.6mlを腹部皮下に注射した。1か月後
に上記と同じナフトールブルーブラツクとウオーカー腫
瘍蛋白との結合物を分散させた生理食塩液(濃度10mg/m
l、アジユバントなし)を腹腔内に注入した。その2週
間後に心臓穿刺法で血液を採取し、血清を分離した。
血清中の抗ウオーカー腫瘍蛋白抗体を除去するため、予
め一部の血清を取り、その段階希釈液を作つて、これと
ウオーカー腫瘍蛋白との免疫反応により、抗ウオーカー
腫瘍蛋白抗体を完全に吸収するのに必要なウオーカー腫
瘍蛋白量を決定した。抗血清に計算量のウオーカー腫瘍
蛋白を混合して、一晩,40℃に保存した。ついで10,000x
gで1時間遠心沈殿させた。この上清を取り、ダブルゲ
ルデイフユージヨン(double gel−diffusion)法で抗
ウオーカー腫瘍蛋白抗体の有無を確かめた結果沈降線は
生成せず該抗体は完全に除去されていることがわかつ
た。ナフトールブルーブラツクの抗体価はダブルデイフ
ユージヨン法による抗体希釈系列で32倍であつた(以
下、抗体価は、ダブルデイフユージヨン法による抗体希
釈系列の希釈倍数で示す)。
実施例2 結合物として製造例3で得られたナフトールブルーブラ
ツクと牛血清アルブミン(キヤリア)との結合物を用い
たこと以外は実施例1に準じてナフトールブルーブラツ
ク抗血清を得た。その抗体価は32倍であつた。
実施例3 結合物として製造例4で得られたナフトールブラツクと
卵白アルブミンとの結合物を用いたこと以外は実施例1
に準じて抗ナフトールブルーブラツク抗血清を得た。そ
の抗体価は32倍であつた。
実施例4 結合物として製造例5で得られたナフトールブルーブラ
ツクと牛血清グロブリンとの結合物を用いたこと以外は
実施例1に準じて抗ナフトールブルーブラツク抗血清を
得た。その抗体価は16倍であつた。
実施例5 製造例2で得られたナフトールブルーブラツクとラツト
ウオーカー腫瘍抽出物との結合物を用いた。この結合物
を分散させた生理食塩液(濃度10mg/ml)1mlをフロイン
トの完全アジユバント1mlと混合し、ウサギの両足およ
び頸部両側皮下に1/4ずつ注射した。ついで、1週間後
に上記と同じナフトールブルーブラツクとウオーカー腫
瘍抽出物との結合物の生理食塩液溶液(濃度10mg/ml)1
mlを上記4か所に皮下注射した。その後さらに、3週間
後にナフトールブルーブラツク−腫瘍抽出物結合物の生
理食塩液(濃度30mg/ml)0.5mlを2分して両足皮下注射
した。最終免疫から1週間後に採血して血清を分離し
た。次いで、実施例1と同様にしてラツトウオーカ腫瘍
抽出物の抗体を除去して、抗ナフトールブルーブラツク
抗血清を得た。ナフトールブルーブラツクの抗体価はダ
ブルゲルデイフユージヨン法による抗体希釈系列で16倍
であつた。
実施例6 結合物として製造例3で得られたナフトールブルーブラ
ツクと牛血清アルブミンとの結合物を用いたこと以外は
実施例5に準じて抗ナフトールブルーブラツク抗血清を
得た。その抗体価は32倍であつた。
実施例7 結合物として製造例4で得られたナフトールブルーブラ
ツクと卵白アルブミンとの結合物を用いたこと以外は実
施例5に準じて抗ナフトールブルーブラツク抗血清を得
た。その抗体価は32倍であつた。
実施例8 結合物として製造例5で得られたナフトールブルーブラ
ツクと牛血清グロブリンとの結合物を用いたこと以外は
実施例5に準じて抗ナフトールブルーブラツク抗血清を
得た。その抗体価は16倍であつた。
実施例9 結合物として製造例6で得られたポンソー3Rと牛血清ア
ルブミンとの結合物を用いた。この結合物を分散させた
生理食塩液(濃度20mg/ml)の3mlをフロイントの完全ア
ジユバント3mlと混合し、その1mlをモルモツトの前後足
皮下に1/4ずつ注射した。ついで、1週間後に上記と同
じポンソー3Rと牛血清アルブミンとの結合物の生理食塩
液(濃度20mg/ml)1mlを上記4か所に皮下注射した。そ
の後さらに、3週間後に同液1.0mlを2分して両足に皮
下注射した。最終免疫かに1週間後に心臓穿刺法で採血
して血清を分離した。
血清を実施例1と同様に処理して抗キヤリアー抗体を除
去し、抗ポンソー3R抗血清を得た。その抗体価は8倍で
あつた。
実施例10 結合物として製造例7で得られたキナクリンと牛血清ア
ルブミンとの結合物を用いて実施例9に準じて抗キナク
リン抗血清を得た。その抗体価は32倍であつた。
実施例11 結合物として製造例8で得られたアニリンブラツクと牛
血清アルブミンとの結合物を用いて実施例9に準じて抗
アニリンブラツク抗血清を得た。その抗体価は4倍であ
つた。
実施例12 結合物として製造例9で得られたアニリンブルーと牛血
清アルブミンとの結合物を用いて実施例9に準じて抗ア
ニリンブルー抗血清を得た。その抗体価は4倍であつ
た。
実施例13 結合物として製造例10で得られたフクシンと牛血清アル
ブミンとの結合物を用いて実施例9に準じて抗フクシン
抗血清を得た。その抗体価は4倍であった。
応用例1 ウオーカー256腫瘍の細片(約2mm3)を複数のウイスタ
ー系ラツト(体重約250g)の大腿部筋肉内に移植した。
8日後、群間で腫瘍の大きさに実質的な差のないよう
に、ラツトを群分けした(I群は7匹,II群は7匹,III
群は5匹及びIV群は5匹)。これのラツトの腫瘍内にナ
フトールブルーブラツクを分散させた生理食塩液(染料
濃度5mg/ml)を腫瘍容積1cm3当たり0.03ml、注射器で注
入した。その3時間後に尾静脈から、I群には実施例5
で得られた抗ナフトールブルーブラツク抗血清、II群に
はウサギ正常血清及びIII群にはpH9.4の等張化リン酸緩
衝液をそれぞれ、ラツトの体重1g当たり0.005ml注射し
た。この後の日数を治療日数とする。IV群は、腫瘍移植
後、無処理とした。腫瘍の容積を治療直後及び治療日数
毎に測定した。該容積はノギスで縦,横及び厚みを計
り、これらの積で求めた。各群について、治療日数毎の
容積から治療直後の容積を差し引いた値(増殖量:cm3
を表2にがん増殖抑制効果として示す。なお、IV群につ
いては、I乃至IIIの治療日数(又は時)にあわせた日
(又は時)の容積を求めた。
表2から明らかなようなI群は対照のII群に対して治療
開始2日目からがんの増殖が有意に抑制され、III,IV群
に対しては治療1日目からがんの増殖が有意に抑制され
た。治療10日目ではI群のがんの増殖は無処置群のIV群
のそれの41%であつた。治療による各群の平均延命日数
(腫瘍移殖後の存命日数)はI群は29.9±2.0日及びII
群は23.9±1.2日で両群間に有意差があつた(P<0.0
5)。
応用例2 ナフトールブルーブラツクの代わりにポンソー3R及び実
施例5で得られた抗ナフトールブルーブラツク抗血清の
代わりに実施例9で得られた抗ポンソー3R抗血清を用い
たこと以外は、応用例1に準じて行なつた。がん増殖抑
制効果を表3に示す。なお、ラツトのV群は抗ポンソー
3R抗血清、IV群はモルモツト正常血清及びVII群はpH7.4
の等張化リン酸緩衝液による治療を行なつた。また、無
処置群としては応用例1のIV群の結果を援用した。
表3から明らかなように、I群は対照のII群に対して治
療開始2日目からがんの増殖が抑制され始め、III群,IV
群に対して治療1日目からがんの増殖が抑制された。治
療10日目ではI群のがん増殖は無処置群のIV群のそれの
55%であつた。治療による各群の平均延命日数(腫瘍移
殖後の存命日数)はI群は27.0±3.4日及びII群は24.7
±2.6日であつた。
〔発明の効果〕
第1の発明に係る又は第2の発明により得られる制がん
用抗血清を用いることにより、患者の固体差、がんの種
類及び流血中のがん抗原の存在に関係なく、がんの治療
を行なうことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白と結合することができ、かつ、ハプテ
    ン作用を示す染料に対する抗体を含有してなる制がん用
    抗血清。
  2. 【請求項2】ハプテン作用を示す染料と蛋白との結合物
    で温血動物を免疫した後、該温血動物から血清を採取す
    ることを特徴とする制がん用抗血清の製造法。
JP30114387A 1987-09-25 1987-11-27 制がん用抗血清及びその製造法 Expired - Lifetime JPH0768145B2 (ja)

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