JPH0771496B2 - ヒト第viii:c因子活性を有する組換えタンパク複合体の生産 - Google Patents

ヒト第viii:c因子活性を有する組換えタンパク複合体の生産

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JPH0771496B2
JPH0771496B2 JP5093391A JP9339193A JPH0771496B2 JP H0771496 B2 JPH0771496 B2 JP H0771496B2 JP 5093391 A JP5093391 A JP 5093391A JP 9339193 A JP9339193 A JP 9339193A JP H0771496 B2 JPH0771496 B2 JP H0771496B2
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カイロン コーポレイション
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】血友病AはX−染色体−連関遺伝病で1
0,000人に1〜2人の男性に起こっている。その欠陥は
第VIII:C因子欠落により血液凝固形成が起こらないこ
とによる出血異常として現れる。第VIII:C因子は歴史
的には血友病の治療処置用に濃縮した形で血液から単離
された。しかし,肝炎および今日のエイズの伝播に対す
る関心から第VIII:C因子の他の供給が活発に求められ
るようになった。第VIII:C因子活性を有する組成物
を,天然の第VIII:C因子と関連したウイルス病の伝播
を伴うことなく,供給できることは実際上興味深いこと
である。
【0002】第VIII:C因子は非常に大きな糖タンパク
(天然の分子量330-360 キロダルトン(kD)),で血漿中
に極く低濃度で存在する。このタンパクはトロンビン,
プラスミン,プロテアーゼC,および他のセリンプロテ
アーゼによる分解を容易に受けやすい。それは一般的に
は,血漿または血漿産物から,主な成分92kDと80-77kD
と共に160-40kDの範囲の関連したポリペプチドの一群と
して単離される。この複合体パターンは活性な第VIII:
C因子の構造解析を極めて困難にした。
【0003】Rotblat et al., Biochemistry(1985)
24:4294-4300 ;Vehar et al.,Nature(1984)312 : 33
7-342;Toole et al., Nature(1984)312 :342-347;
および Truett et al., DNA (1985)4 : 333-349 は第
VIII:C因子およびその関連ポリペプチドを発表してい
る。Orr et al., Molecular Genetics of Clotting F
actors, p.54, S321,は第VIII:C因子の糖付加が多い
領域について“スペーサー”機能を報告している。 Too
le et al.,前出;Wood et al., Nature(1984)31
2 :330-336 :および Truett et al.,前出,は第VII
I:C因子の配列決定を報告している。Fulcher et a
l.,Blood (1983)61:807-881,は最大第VIII:C因子
活性のピークは90kDと70kD断片の存在と相関しているこ
とを報告している。Fulcher et al., J.Clin. Inves
t. (1985)76:117-124,は第VIII:C因子の抗体−エ
ピトープ データに基づき,92kDと80kDの両ポリペプチ
ドは第VIII:C因子の機能に必要であることを示唆して
いる。
【0004】完全長の組換えヒト第VIII:C因子が生産
されたが,精製と性質の解明が困難であり,そしてタン
パク分解酵素による分解のため不安定である。従って完
全長の分子をうまく生産し,臨床に使用することができ
るという実用性は今のところ疑わしい。インビトロで92
kDと80kDポリペプチドを組合わせる従来の試みは活性の
ある組成物を生産しなかった。本発明は92kDと80kDの鎖
の活性な複合体をつくる方法を提供する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一面は,ヒト
第VIII:C因子活性を有するが,ヒト第VIII:C因子の
Bドメインの全てまたは一部を欠く組換えタンパク複合
体の生産方法を提供することにあり,この方法は真核形
質転換宿主細胞で以下の(a)および(b)をトランスに共に
発現させることを含む: (a)シグナル配列,およびヒト第VIII:C因子のAドメ
インと実質的に同一のアミノ酸配列を有しまた任意にヒ
ト第VIII:C因子のBドメインのN−末端部分を含むポ
リペプチド,をコードする第1の遺伝子;および(b)シ
グナル配列,およびヒト第VIII:C因子のCドメインと
実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコ
ードし,そして組換えタンパク複合体を分泌する,第2
の遺伝子。ここで用いられるCドメインはWoodら,前出
で述べられているA3を含む。
【0006】本発明の別の面は,上述の方法で作られた
タンパク複合体である。
【0007】本発明の更に他の面は,上述のタンパク複
合体と生理学的に許容可能なキャリアーとを含有する製
薬組成物の提供である。
【0008】本発明の更に他の面は,第VIII:C因子活
性を必要とする個人の処置法の提供であり,この方法
は,各個人において血液凝固活性を高めるに充分な量の
上述のタンパク複合体を各個人へ投与することを含む。
【0009】本発明の更に他の面は,第1および第2の
発現カセットを含有する DNA組成物の提供であり,該第
1発現カセットは,シグナル配列,およびヒト第VIII:
C因子のAドメインと実質的に同一の配列とまた任意に
ヒト第VIII:C因子のBドメインのN−末端部分とを含
有するペプチド,をコードする遺伝子を宿主細胞内で機
能する転写および翻訳制御シグナル支配下に含有し,そ
して該第2発現カセットは,シグナル配列,およびヒト
第VIII:C因子のCドメインと実質的に同一の配列を有
し,Bドメインは含まないペプチド,をコードする遺伝
子を該宿主細胞で機能する転写および翻訳制御シグナル
支配下に含有する。
【0010】本発明の他の面は上述のDNA組成物を含む
宿主哺乳類細胞の提供である。
【0011】
【課題を解決するための手段】第VIII:C因子活性をも
つ新規なタンパク組成物とその調製法を提供する。この
組成物は2本の鎖を含み,片方の鎖は第VIII:C因子の
N−末端部(Aドメイン)と実質的に同じアミノ酸配列
をもち,もう一方の鎖は第VIII:C因子タンパクのC末
端部(Cドメイン)と実質的に同じアミノ酸配列をも
つ。この2本鎖は(Bドメインへ伸びた時は除いて)A
ドメインが約92kD,そしてCドメインが80kDであり,そ
れぞれを“重”鎖,および“軽”鎖と呼ぶこともある。
各構造遺伝子がシグナル配列とN−末端で結合した成熟
ペプチド鎖をコードする配列をもち,この構造遺伝子の
転写や翻訳を調節する哺乳類細胞で機能する転写や翻訳
の制御領域をもつ,独立した発現カセットを含有する核
酸構築物が提供される。この発現カセットは哺乳類宿主
に導入され,それによって,第VIII:C因子活性をもつ
タンパク複合体が生産される。(第VIII:C因子の配列
とドメインについては,引用した配列とドメインは上記
引用のWoodらのp.333 に見られる。) N−末端ポリペプチドは,10番のアミノ酸,常は1番の
アミノ酸から,少なくとも約 620番のアミノ酸,通常は
最低約 675番のアミノ酸,より通常には最低 740番のア
ミノ酸まで伸びている。このポリペプチドは,Aドメイ
ン(Woodら,前記)の少なくとも約85%,より一般には
少なくとも約90%を含み,そして典型的には約1405番の
アミノ酸を越えない,BドメインのN−末端部分を任意
に含んでいる。Arg 740 -Ser 741 のトロンビン分解部位ま
での全配列をもつN−末端鎖は特に重要である。
【0012】軽鎖は,アミノ酸配列が第VIII:C因子ポ
リペプチドのC−末端のアミノ酸配列と実質的に同じで
第VIII:C因子80kD鎖の通常少なくとも約80%,ごく通
常には少なくとも約90%を含み,特に,1570番のアミノ
酸,通常1600番のアミノ酸,特に1625番のアミノ酸,さ
らに限定すれば1640番のアミノ酸,で始まり,好ましく
は約1649±10番のアミノ酸,さらに好ましくは±1番の
アミノ酸で始まり,そして,少なくとも約2300番のアミ
ノ酸,通常2310±10番のアミノ酸,好ましくは2325±5
番のアミノ酸,さらに好ましくは末端のアミノ酸(2332
番)までつづく。通常,軽鎖は,C1−C2ドメイン,好ま
しくはA3−C1−C2ドメインの少なくとも約85%,ごく通
常には少なくとも95%をもつ。
【0013】この鎖のアミノ酸数の通常10%以下,ごく
通常には5%以下,好ましくは約1%以下が,第VIII:
C因子のAおよびCドメインに天然に存在するアミノ酸
と異なる。特に,約5%以下,ごく通常には約1%以下
に非保存性の置換がある。保存性の置換は以下のものが
含まれる: G,A ;V,I,L ;D,E ;K,R ;N,Q ;F,W,Y 。セミコロン
の間の文字が保存性置換である。(文字は,アミノ酸の
1文字表記である)。ある分類の中のアミノ酸が別の分
類のアミノ酸または上に示さなかったアミノ酸(C,M,H,
P)に代わるような変化が非保存的であると考える。
【0014】DNAの構築物は,示したポリペプチドの発
現のために用いられる。各々の構築物は,転写の5'−3'
方向に,転写開始と翻訳開始領域,プロセッシングシグ
ナルを含むペプチドシグナル配列をコードする配列と第
VIII:C因子の重または軽鎖をコードする配列とを含有
する構造遺伝子のコード領域,そしてその後に続く翻訳
と転写の終結領域をもつ。
【0015】開始領域は,転写と翻訳の開始に関係する
多数の種々の配列を含むであろう。これらの配列はエン
ハンサー配列, RNAポリメラーゼ結合部位,キャッピン
グ部位,リボゾーム結合部位,翻訳開始部位,その他を
含んでいる。転写開始領域は,第VIII:C因子と関係す
る天然のまたは野生型の領域であるか,あるいは高い転
写効率を得るための別の領域であろう。この領域は,哺
乳類の宿主域をもつウイルス,宿主細胞の遺伝子,また
は宿主細胞と和合し得る別の哺乳類宿主からの遺伝子か
ら得られる。多数の転写開始領域が現在までに単離さ
れ,哺乳類宿主において効力のあることが示されてい
る。これらの領域にはSV−40の初期プロモーターや後期
プロモーター領域,アデノウイルス主要後期プロモータ
ー,β−アクチンプロモーター領域,サイトメガロウイ
ルス72kD初期タンパクプロモーター領域,メタロチオネ
インプロモーター,その他が含まれる。
【0016】終結領域は,ポリアデニル化シグナル配
列,転写終結配列,その他を含むであろう。終結領域
は,第VIII:C因子の天然型または野生型領域の3'−領
域から得られたもの,または5'−開始領域が得られたも
のと同じあるいは異なる構造遺伝子からのものである。
転写レベルにとって3'−領域は開始領域ほど必須なもの
ではなく,従って3'−領域の選択は特別な選定というよ
りも便宜上のものである。構造遺伝子は,N−末端アミ
ノ酸配列をコードし,プロセッシングや成熟のために小
胞体のルーメンへポリペプチドを導くシグナル配列から
成るであろう。またシグナル配列には,エンドペプチダ
ーゼがペプチド結合を切断し,シグナル配列を除去して
成熟ポリペプチドを提供する場合には,このエンドペプ
チダーゼによって認識されるプロセッシングシグナルが
含まれる。シグナル配列は,特にN−末端該ペプチドに
ついては天然に生じるシグナル配列であり,または,ペ
プチドとともに働いてポリペプチドのプロセッシングや
成熟をおこなうようなあらゆるシグナル配列であってよ
い。
【0017】種々のシグナル配列はすでに文献に報告さ
れており,そして,組織プラスミノーゲンアクチベータ
ー,免疫グロブリンの重鎖および軽鎖,ヘルペスシンプ
レックスウイルス糖タンパクgBおよびgDのようなウイル
スの膜糖タンパク,その他を含んでいる。
【0018】必要があれば,成熟タンパクをコードする
配列とシグナル配列をリーディングフレーム中にあるよ
うにつなぐ。便利な制限部位が有効である時,粘着また
は平滑末端が正確に結合される。しかし,大部分は,ア
ダプターが使用される。この場合,コード配列の一部を
合成アダプター中で改造して,端を切った構造遺伝子お
よび/もしくは端を切ったシグナル配列をアダプターを
通して連関させ,適当なリーディングフレーム中にある
ようにする。適当なアダプターの使用によって適当なリ
ーディングフレーム内に2つの配列を互いに連関させる
ために使用される制限部位,特に固有の制限部位を同定
するために,シグナル配列と構造遺伝子は部分的に制限
部位がマッピングされる。あるいはイン ビトロの変異
処理によってシグナル配列の認識部位に固有の制限部位
を挿入する。
【0019】翻訳における開始と終止のシグナルは通
常,構造遺伝子の一部であり,翻訳の開始部位における
適切な開始コドンおよび翻訳の終結部位における1個以
上の終止コドンを提供する。これらのコドンはしばし
ば,使用される配列,特に開始コドンを提供するシグナ
ル配列に存在する。終止コドンは,終結領域の一部と同
様に適切に加えられるか,または,完全な終結領域を作
製するためコード領域に加えられて転写終結領域との連
関に便利な3'−末端を作る。
【0020】特別なヌクレオチド配列を同定する発現カ
セットの種々の領域(転写と翻訳の開始領域の核酸配
列,ポリペプチドの1つをコードし開始領域の転写と翻
訳の制御下にある構造遺伝子の核酸配列,mRNAのプロセ
ッシングと翻訳終結を制御する転写と翻訳の終結領域)
は,従来の方法で結合される。普通,得られた配列は制
限部位を含んでいるか,または制限部位を含むように修
飾され,これは次いで,相補的な突出部または粘着末端
が存在する場合はアニーリングされる。修飾は,しばし
ば,所望の粘着末端を供給するリンカーの導入によっ
て,非コード領域内にあるであろう。宿主細胞は必要な
連結を提供し得るであろうが,この末端は通常は宿主細
胞に導入する前に連結される。
【0021】発現カセットは,特別な目的のために他の
広い種類の配列と結合されよう。増幅が所望の場合,発
現カセットは,適当な刺激によって誘導されて増幅され
る遺伝子とタンデムに結合される。メタロチオネイン遺
伝子のような遺伝子,例えば,ヒトのメタロチオネイン
遺伝子,ジヒドロフォレートリダクターゼ,およびマウ
スの乳癌ウイルスLTRは,それら自身の転写や翻訳の制
御配列をもつペプチドカセットに結合される。重金属イ
オン,例えば銅やカドミウム,メトトレキセートまたは
グルココルチコイド,を使用して,増幅する遺伝子と問
題とする遺伝子(発現カセット)の増幅が宿主細胞で成
し遂げられる。構造遺伝子は,発現カセットで述べたよ
うな発現のための適当な配列をもっている。
【0022】主題の発現カセットは,宿主細胞で機能す
る複製機構をもつであろうベクターと結合される。この
複製機構は,発現カセットの,エピソームでの安定な維
持や宿主ゲノムへの組み込みを提供するであろう。ベク
ターはまた, DNA構築物とベクターを欠く宿主細胞から
DNA構築物とベクターを保持する宿主細胞を選択するた
めの選択マーカーをもつであろう。
【0023】広い種類の複製機構が利用でき,通常は,
哺乳類の宿主細胞に感染するウイルス由来である。例証
となる複製機構には,シミアンウイルス40,アデノウイ
ルス,牛乳頭腫ウイルス,ポリオーマウイルス,エプス
タイン−バーウイルスその他が含まれる。
【0024】マーカーには,生物致死物質,特に抗生物
質に対する耐性,または原栄養体宿主を供する栄養要求
性の相補がある。マーカーとして興味ある特別な遺伝子
には,カナマイシン耐性遺伝子(NPTII),クロラムフェ
ニコール耐性遺伝子(CAT),ペニシリナーゼ,その他が
ある。
【0025】普通,ベクターは環状で発現カセットのベ
クターへの段階的または完全体としての挿入を可能にす
る1個以上の制限部位をもつであろう。しばしば,ベク
ターは,各操作段階後にクローニングを可能にする細菌
の複製と選択機構もまたもっているであろう。この方法
で,各段階で相対的に大量の構築物が調整され,単離さ
れ,精製され,適切な結合ができているかを検定され,
それから次の段階に使用される。
【0026】制御配列と複製機構が機能している種々の
哺乳類の宿主細胞が使用されよう。そのような細胞に
は, COS細胞,チャイニーズハムスター卵(CHO)細胞,
マウス腎細胞,ハムスター腎細胞,HeLa細胞,HepG2 細
胞,その他がある。
【0027】所望のポリペプチドの発現カセットは,あ
る1つの核酸鎖に一緒に連関されるか,あるいは分離し
た核酸分子中に存在するであろう。便宜上,発現カセッ
トは,異なるベクターまたは同じベクターの一部であっ
てよい。特別なベクターを用いるいくつかの状況下では
一方あるいは他方の構築法が望ましいであろうが,上記
のことはまず第一に便利なことである。
【0028】発現カセットを宿主細胞へ導入する方法は
従来のものである。便宜上,リン酸カルシウム沈澱させ
た DNAまたは DNAがDEAE−デキストラン存在下で形質転
換に使われる。ウイルスが含まれる場合,トランスフェ
クションや形質導入も使用される。宿主細胞を形質転換
する特別な方法は本発明では重大でなく,要は,発現カ
セットが複製機構と連関するかどうかということ,およ
び複製機構と関連遺伝子の性質に依存している。
【0029】形質転換細胞は次いで適当な栄養培地で増
殖させる。産物は2本鎖の複合体として得られるため,
培地または細胞抽出液を分離し,第VIII:C因子活性複
合体を抽出し,精製する。アフィニティークロマトグラ
フィー,イオン交換クロマトグラフィー,疎水性クロマ
トグラフィー,電気泳動,溶媒−溶媒抽出,選択的沈
降,その他のような種々の手段が抽出や精製に利用でき
る。産物の分離の特別な方法は本発明では重要ではな
く,変性あるいは不活性化を最少にし,しかも高純度の
活性産物の分離を最大にするように選択される。
【0030】コーテストで少なくとも0.02U/mlの活性,
通常少なくとも約0.2,ごく通常には少なくとも約0.5 U/
mlの活性をもつであろう組成物が提供される。主題の産
物は,抗体,特に第VIII:C因子活性のC−末端サブユ
ニットに対するモノクローナル抗体を使ったアフィニテ
ィークロマトグラフィー,電気泳動,抽出,HPLC,等に
よって精製できる。
【0031】主題の方法は,第VIII:C因子活性をもつ
重鎖と軽鎖の複合体の生産を提供する。産生は実験の節
で記述したようなコンディションド培地により実証さ
れ,これはコーテスト分析で少なくとも約50,通常少な
くとも約 70mU/ml,ごく通常には少なくとも約200mU/ml
の第VIII:C因子活性を有するであろう。
【0032】本発明により生産される第VIII:C因子活
性をもつ複合体は,抗体の生産のための抗原として,ア
フィニティークロマトグラフィーによるフォンビレブラ
ンド因子(von Willebrand factor)の分離,第VIII:C
因子に対する診断分析,および血友病や血液凝固障害を
もつその他の宿主の治療に種々に使用される。主題のタ
ンパク複合体は,水,食塩水,リン酸緩衝食塩水および
クエン酸緩衝食塩水のような生理学的に許容できるキャ
リア中約10〜 200U/mlの濃度範囲で投与される。投薬方
法と量は,米国特許第3,631,018 号,第3,652,530 号お
よび第4,069,216 号を参照せよ。その他の従来の添加物
も含まれてよい。
【0033】以下の実施例は,例証として提供されるも
ので限定のつもりはない。
【0034】
【実施例】
実施例1 A.発現プラスミドの調製 A.1 pSV7d:哺乳類細胞発現ベクター 発現カセットを哺乳類細胞発現ベクターpSV7d(2423b
p)を用いて調製した。
【0035】プラスミドpSV7d(前出のTruett et al.,
参照)を次のようにして構築した。pSVgtI(Gruss, P.,
and Khoury, G., Proc. Nat1. Acad. Sci. USA (1981)
78: 133-137)より、SV40の複製起点および初期プロモ
ーターを含む400bpのBamH I/Hind III断片を切り出し、
精製した。pSV2/DHFR(Subramani et al., Molec.and Ce
ll Biol. (1981)1:854-864)より、SV40ポリ(A)付加部位
を含む240bpのSV40Bc1I/BamHI断切を切り出し、精製し
た。それらの断片を次のリンカーを介して融合した。
【0036】 stop Codons (終止コドン) 1 2 3 5'-AGCTAGATCTCCCGGGTCTAGATAAGTAAT-3' TCTAGAGGGCCCAGATCTATTCATTACTAG Hind III Bel II Sma I Xba I Bcl I overhang. (突出部) このリンカーは、5つの制限酵素部位と、3つのリーデ
ィングフレームすべてに対する終止コドンを含む。この
結果できた、SV40の複製起点SV40の初期プロモーター、
終止コドンを含むポリリンカーおよびSV40のポリ(A)を
付加部位を含む670bp断片を、pML(pBR322より、1.5Kbp
欠損した誘導体(Lusky and Botchan,Cell(1984) 36:39
1))のBamH I部位にクローン化し、pSV6を得た。pSV6を
EcoR IおよびEcoR Vで分解し各端末の約200bpを除くた
Bal31ヌクレアーゼ処理し、最後に連結することによ
り、pSV6のpML配列上のEcoR IとEcoR V部位を削除し、p
SV7aを得た。Bal31による切断により、EcoR V部位より
約200bp離れた、SV40領域に隣接するBamH I制限部位を
もまた削除した。SV40領域に隣接する第2のBamH I部位
を削除するために、複数起点の上流のpML配列で切断す
Nru IでpSV7aを分解した。これを平滑末端連結により
環状化し、pSV7bを得た。
【0037】pSV7cとpSV7dは、連続的なポリリンカーの
置換を示す。第一に、pSV7bをStu IおよびXba Iで分解
した。それから、次のリンカーをベクターに連結し、pS
V7cを得た。
【0038】 その後、SV7cをBg1 IIおよび Xba Iで分解し、それか
ら、次のリンカーと連結してpSV7dを得た。
【0039】 A.2 pSVF8-92:92kD鎖用の発現プラスミド pSV7dのポリリンカーのBamH I部位から始まり、pSVF8-9
2は、第VIII:C因子タンパクの−30〜+14のヌク
レオチド(翻訳開始部位の最初のAからの番号。配列
は、A.4で後に述べる)をコードするBamH I Sac Iま
での49bpの合成リンカー−アダプタ−分子、後に述べる
pSV8-200に含まれる第VIII:C因子DNAの2267bp SacI-H
ind III断片(+2281ヌクレオチドまで)、およびHind I
IIからBamHIまでのpSV7dより成る。
【0040】A.3 pSVF8-80:80kD鎖用の発現プラス
ミド pSV7dのポリリンカーのSal I部位から始まり、pSVF8-80
は、組織プラスミノーゲンアクチベーターcDNAのヌクレ
オチド-98〜+103(開始コドンに関して)でBg1II部位で
終わる201bp断片(tPAの配列は、Degan, S.J.F., らJ.B
iol. Chem.(1986) 261 : 6972-6985に示される)、第VI
II:C因子のヌクレオチド+5002〜+5031をコードしてい
る29bpのBg1 IIからBc1 Iまでの合成リンカー−アダプ
タ−を、第VIII:C因子のBc1 I部位(第VIII:C因子c
DNAのヌクレオチド5028に、インビトロでの突然変異生
成によって作られたもの(Zoller and Smith, Methods i
nEnzymology (1983) 100: 468)から3'非翻訳領域のヌ
クレオチド7492のBc1 I部位までの第VIII:C因子の246
4bp Bcl I断片に連結したもの、およびBg1 II部位からc
DNAクローニングの時生じたPst部位までにわたるtPA3'
非翻訳配列の400bp断片から成り、これにベクターM13mp
9(Vieira and Messing, Gene (1982) 19 :259)のポリリ
ンカーが、その後にpSV7dが続く。
【0041】A.4 pSVF8-200:完全長の第VIII:C
因子cDNA用の発現プラスミド 完全な第VIII:C因子cDNAのコード配列および3'非翻訳
配列を含み、pSVF8-92について上で述べたのと同じ5'非
翻訳配列を持つプラスミドpSVF8-200を次のように調製
した。
【0042】プラスミドpSV7dを、SV40の初期プロモー
ターの下流のポリリンカー領域で切断するため、BamH I
で分解した。ヒト第VIII:C因子コード配列の最初の15
bpと5'非翻訳領域の最後の30bpをコードする次のような
49bp BamH I - Sac Iリンカーアダプターを化学的に合
成し、pSV7dに連結した。
【0043】 この連結したプラスミドを過剰のリンカーを除去するた
めにSac Iで分解し、続いてSal I突出部を作るため、Sa
l Iで分解した。
【0044】ヒト第VIII:C因子の5'コード領域を含む
pF8-102からの2.9Kbp Sac I断片である断片1、この因
子の3'コード領域を含むpF8-6.5からの6.5kb Sac I - S
al I断片である断片2、およびリンカーアダプターを含
む修正したベクターpSV7dを一緒に連結した(前出のTru
ett et al.,参照)。この連結混合物をエセリシア・コ
リーHB101を形質転換するのに使い、アンピシリン耐性
によってコロニーを選択した。
【0045】300の形質転換体を、BamH I - Sac I5'
アダプターまたは2.9kb Sac I断片をプローブに使った
コロニーフィルターハイブリダイゼーションによってス
クリーニングした。次に、両方のプローブに対して陽性
だったコロニーを制限マッピングによって分析した。ヒ
ト第VIII:C因子遺伝子のコード領域全体およびSV40の
初期プロモーターに正しく転写の方向で、融合した5'非
翻訳領域を含むプラスミドpSVF8-200が得られた。 B. COS7細胞のトランスフェクションおよび培養 上で記述したプラスミドをCOS細胞(Guzman, Cell (198
1) 23 : 175)へ、50μgプラスミドDNA/5×105細胞を用
い14時間、クロロキンジホスフェートによる処理(Lu
thman and Magnusson, Nucl. Acids Res. (1983) 11 :
1295 - 1308)を併用したリン酸サルシウム共沈澱法(v
an der Eb and Graham, Meth. Enzymology(1980) 65 :
826-839)によりトランスフェクションした。細胞は、D
EAE-デキストラン法(Sompayrac and Danna P.N.A.S.
(1981) 78 : 7575-7578)でトランスフェクションして
もよい。
【0046】C0S7細胞を10%牛胎児血清、100U/mlペニシ
リン、100U/mlストレプトマイシン、292μg/mlグルタミ
ンおよび110μg/mlピルビン酸ナトリウムを加えたダル
ベコの修正イーグル培地で培養した。試料を、血清を含
む培地の48時間コレクションより、トランスフェクシ
ョンの88時間後に得た。
【0047】C.検定 トランスフェクション後、特定の間隔で、細胞より培地
を除き、その一部を−70℃で保存した。標準的な血液
凝固分析(Hardisty et al.,Thrombosis et Diathesis
Haemologica (1962) 72 : 215)において、第VIII:C
因子欠損血漿の遅延部分的トロンボプラスチン時間を減
少させる能力について、試料を検定した。活性化された
因子 X(Xa)の生成を外部より加えた第VIII:C因子の濃
度に対する一次関数として測定する、より特異的なコー
テスト検定(Rosen et al. in Thromb. and Haemostasi
s (1985) 54 : 818-823)を、血液凝固分析の結果を確
認するのに使った。培地中の免疫学的に反応性の第VII
I:C因子タンパク濃度は、92kDポリペプチド検出する
ため開発したラジオイムノアッセイ(RIA)の適用、およ
び80kDポリペプチドに特異的な酵素結合免疫吸着分析(E
LISA)(Nordfang et al., Thromb. and Haemostasis (1
985) 53 : 346)によって決定した。
【0048】表1に示すように、92kDポリペプチドまた
は80kDポリペプチドの単独での発現は、たとえおのおの
個々のタンパクが高いレベルでコンディションド培地中
に存在しても、検出可能な活性を生産しなかった。細胞
をpSVF8-92およびpSVF8-80のプラスミド両方でコトラン
スフェクションした時、培地は、およそ20mU/mlの血液
凝固活性を含んでいた。完全な第VIII:C因子タンパク
をコードするpSVF8-200プラスミドでトランスフェクシ
ョンした細胞により、同じ相対レベルの血液凝固活性が
分泌された。
【0049】pSVF8-92およびpSVF8-80単独のトランスフ
ェクタントからのコンデションド培地を混合すると(表
1に概略を示したような数種の違った条件を使って)、
活性は測定できなかった。
【0050】これらの結果は、第VIII:C因子のアミノ
末端およびカルボキシル末端のドメインの複合体が固有
の血液凝固活性を保持し、内部のβ−ドメインは活性に
も個々の鎖からの活性複合体の集合にも不可欠なもので
ないことを示している。
【0051】
【表1】
【0052】a 示されたプラスミドでトランスフェ
クトされた、または対照のトランスフェクトされていな
いCOS細胞の増殖によりコンディショニングされた培
地の75μlを、一段分析において第VIII:C因子欠失
血漿の遅延部分的トロンボプラスチン時間を低下させる
能力について、測定した。簡単に述べると、75μlを
のプラテリン(一般診断法)を37℃で3分間保温し、
次いで75μlの第VIII:C因子欠失血漿と75μlの
検定試料を加え、37℃でさらに5分間保温した。75
μlの温置0.025M CaCl2溶液を加え、そし
て凝固時間をBecton-Dickinsonフィブロメーターで測定
した。COS細胞培地で稀釈した正常ヒト血漿を標準と
して用いた。
【0053】b コーチスト分析(Kabi)は活性
因子X(Xa)の生成を第VIII:C因子の濃度の一次関
数として測定する。因子Xaの濃度は、Xaに対する合
成ベプチド基質からの有色パラニトアニリンのタンパク
分解酵素による切断により測定する。50mMトリス−
塩酸、pH7.3,0.2% BSAで稀釈した正常ヒ
ト血漿を標準として用いた。
【0054】c RIA分析では、精製イヌ第VIII:
C因子阻害IgGを、96穴のポリエスチレンミクロタ
イタープレートのウェルに0.1M炭酸ナトリウム緩衝
液、pH9.8中3.5μg/mlの濃度で入れ、37
℃で一晩保温した。プレートを0.1M NaCl,
0.05% Tween20で3回洗い、次いで0.0
5M イミダゾール,0.1M NaCl,1%牛血清
アルブミン,0.05%Tween20,pH7.3で
共に稀釈した検定培地試料とヨード化VIII:C92kD
aタンパクとの混合物とともに保温した。VIII:C92
kDaタンパクを血漿から単離し、ドデシル硫酸ナトリ
ウムポリアクリルアシドゲル電気泳動と銀染色により5
0%以上均一であることがわかった。室温で16時間保
温後、プレートを洗い、各ウェルの125Iの量をγカウ
ンターで測定した。凝固活性の比活性が0.5ユニット
/mgの市販の部分精製第VIII:C因子標品(因子VII
I,NORDISK)を標準として用いた。この標準は
世界保健機構第3回国際第VIII:C因子標準に対して計
算した。我々は我々の部分精製標準は92kDaRIA
活性/第VIII:C因子凝固活性の比が1であると決定し
た。
【0055】d ELISA分析については、精製ヒ
ト第VIII:C因子阻害IgGを、96穴ポリ塩化ビニル
ミクロタイタープレートのウェルに0.1M炭酸ナトリ
ウム、pH9.8中に4.5μg/mlの濃度で入れ、
37℃で一晩保温した。ウェルを上述のように洗い、
0.1Mイミダゾール,0.15M NaCl,1%
BSA,0.05% Tween20,pH7.3で稀
釈したペルオキシダーゼ結合ヒト阻害IgGのF(a
b)’2断片を加え、16時間室温で最後の保温を行っ
た。O−フェニレンジアミン溶液により色が生じた。正
常ヒト血漿を標準として用いた。
【0056】e 活性1mUは約100pgの第VII
I:C因子タンパクに相当すると仮定した(Fay e
t al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA(1982)79:7200)。
【0057】f 10mM CaCl2の存在または
不在下で、37℃、20℃,または4℃で、2時間まで
の種々時間の予備保温を含め、種々の混合条件を試験し
た。この表に示した値は得られたデータの代表的なもの
である。
【0058】
【表2】
【0059】観察された血液凝固活性が第VIII:C因子
によることを確認するため、第VIII:C因子に特異
的な抗体による阻害に対する血液凝固の感受性を決定し
た。分析に先だって、コンディションド培地の一部を3
7℃で2時間、正常ヒト血清の希釈物または第VII
I:C因子に阻害的な抗体の高いタイターを持つ血友病
患者からの血清の希釈物の存在下で、予備保温した。表
2に示すように、完全な分子の活性と、92kD-80kD複合
体の活性は、阻害的血清により特異的に減少した。同様
の結果が、80kD種に結合する3種の異なる阻害的モノク
ローナル抗体を使っても得られた。
【0060】2本の鎖の複合体の存在をより明確に示す
ため、表3に示したように、80kD部分に対するモノクロ
ーナル抗体カラムに通すことによってCOS細胞培地より
活性種を部分的に精製した。負荷した活性の約65%が
カラムに保持され、この結合した物質の50%が活性型
で初めての培地に比べ5倍の高い濃度で溶出した。従っ
て、活性複合体は、80kD種のみに特異的な抗体を使った
アフィニティークロマトグラフィーにより単離できる。
【0061】
【表3】
【0062】ここで報告した結果は、918個のアミノ酸
または完全なタンパク全体の約40%を含むβリンカー
領域の発現が、第VIII:C因子活性に必要でないことを
示している。個々の92kDおよび80kD領域を同時に発現さ
せると、第VIII:C因子コード領域全体の発現から得ら
れるものと同等のレベルの第VIII:C因子活性を生じ
る。これらのタンパクは、インビボで、集合してカルシ
ウム架橋によって結合した活性複合体を形成する。集合
には、β領域の存在は必要でなく、トランスに発現した
2本の鎖に対しても効率的におこる。
【0063】上の結果より、独立に発現し、おのおのが
それ自身のシグナル配列を持つ、N−末端断片およびC
末端断片を直接作ることによって、第VIII:C因子活性
が達成され得る事が明かである。従って、第VIII:C因
子は、より効果的に得られる。なぜなら、おおきな前駆
体をクローン化する必要がなく、第VIII:C因子活性の
ためのコード配列をして使う必要がないからである。従
って細胞を、第VIII:C因子タンパクの固有の成熟能力
を欠いた第VIII:C因子の発現に用いてもよい。
【0064】実施例2 pSVF8-92構築物を用いてのCOS細胞での92kDタンパクの
発現は、生産された80kDタンパクの量に比べて低かっ
た。それ故に、構築物を92kDのタンパクのレベルを増加
させる目的で修飾した。以下の型の修飾を行った。第VI
II:C因子の遺伝子の5'非翻訳配列の変化、異種の5'非
翻訳およびリーダー配列の包含、および3'非翻訳配列の
変化である。これらの構築を以下にまとめた。
【0065】A.発現プラスミド A.1 5'非翻訳領域の修飾 プラスミドpSVF8-92B. このプラスミドはpSVF8-92の誘
導体であり、pSVF8-92の5'非翻訳配列の30bpをヒト第VI
II:C因子のcDNA(ヌクレオチド1から171;Truett et
al.,上記の第8図を見よ)の完全な5'非翻訳領域と置き
換えており、また(インビトロ部位特異的変異により)
G-C尾部を欠失し、しかも真核細胞での効率的なメッセ
ージの翻訳に対してKozakの好ましい配列に適合するべ
く開始ATG(+172の位置、第8図、Truett, et al.,上
述)で以下に示すように3塩基変化させている。
【0066】第VIII:C因子 :GTCATG CAA Kozak 共通配列 :ACCATG G この変化は、シグナルペプチドの第2アミノ酸をGlnか
らGluへと変えている。
【0067】プラスミドpSVF8-92E. このプラスミド
は、pSVF8-92Bの誘導体であり、第VIII:C因子の5’
側のpSV7dに由来するポリリンカーを、SalI部位を除い
て、除去し、5’非翻訳領域中のATGコドン(Truett et
al.,上述による41の位置)を、インビトロ変異によりA
TTに変換してある。
【0068】A.2 異種の5’非翻訳領域とリーダー
配列の付加 プラスミドpSVF8-92G、H,およびI. これらのプラスミド
は、pSVF8-92Bの誘導体であり、天然の第VIII:C因子
のシグナル配列と同様に5’非翻訳領域を、ヒト組織プ
ラスミノーゲンアクチベーター(tPA)cDNA遺伝子由来
の類似領域と置き換えている。pSVF8-92Gでは、tPAの
5’領域の初めの35個のアミノ酸(シグナル配列)を、
92kDタンパクの最初のアミノ酸(アラニン)を置換して
セリンにした成熟型第VIII:C因子の92kDに連結してい
る。pSVF8-92Hでは、tPAの5’領域の初めの32個のアミ
ノ酸を、成熟型の第VIII:C因子の92kDタンパクに連結
している。pSVF8-92Iでは、tPAの5’領域の初めの23個
のアミノ酸を、成熟型の第VIII:C因子の92kDタンパク
に連結している。tPA配列は、pSVF8-80で述べているも
のと同一である。
【0069】プラスミドpSVF8-92J. このプラスミド
は、pSVF8-92Gの誘導体であり、tPAの5'領域を、ヘルペ
スウイルス−1(HSV-1)gD5’非翻訳配列の75bpとHSV
-1gDシグナル配列の75bpで置き換えている。pSVF8-92J
はまた、Ala→Ser置換を欠く(Watson,R. J.,et al., S
cience(1982)218:381-384 )。
【0070】A.3 3’非翻訳領域の変化 プラスミドpSVF8-92C. このプラスミドはpSVF8-92Bの
変形物であり、92kDをコードしている領域を、ヒト第VI
II:C因子cDNAの天然3’非翻訳配列および翻訳終止コ
ドンに、直接融合させている。このプラスミドはpSVF8-
200の誘導体である。
【0071】プラスミドpSVF8-92L. このプラスミド
は、pSVF8-92Cの3’非翻訳領域をpSVF8-80の3’非翻
訳領域と置き換えている。
【0072】B.結果 A部の各プラスミドを、実施例1で述べたようにpSVF8-
80とともにCOS7細胞にトランスフェクションし、培地
を、実施例1のように第VIII:C因子活性について試験
した。
【0073】初めに試験したpSVF8-92Bは、pSVF8-92よ
り2から8倍の範囲の活性レベルを示した。残りのプラ
スミドの中ではpSVF8-92Eが最も良いようで、pSVF8-92B
の1.65倍であった。pSVF8-92JおよびIもpSVF8-92より実
質的に高い発現レベルを示し、これらはpSVF8-92Eのそ
れに近かった。pSVF8-92Gの発現レベルは、pSVF8-92の
それに近かったが、pSVF8-92Hのそれは実質的にpSVF8-9
2より低かった。pSVF8-92CとpSVF8-92Lの両方の発現レ
ベルは、pSVF8-92Eのそれと同等であるようである。
施例3 本実施例は、92kD鎖とBドメインの一部から成るポリペ
プチドを生産するための構築物の調製を述べている。こ
れらの誘導体を、より安定でありおよび/あるいはより
効率よく軽鎖と集合して活性のある複合体となる重鎖を
開発する目的で、作成した。第VIII:C因子の血漿由来
の調製物中、および、細胞ライゼートや組換え体の完全
長の第VIII:C因子を発現させる細胞由来のコンディシ
ョンド培地中で観察される分子種に似た誘導体を選択し
た。これらは、完全長の第VIII:C因子のトロンビン分
解によりなんとか生じ得た。
【0074】A.発現プラスミドの調製 A.1 pSVF8-92S このプラスミドは982アミノ酸の重鎖をコードしてお
り、Bドメインのコード領域の初めのSacI部位で部分分
解することにより、完全長cDNAプラスミドpSVF8-302よ
り調製した。翻訳終止コドンを装備し、初めのBalI部位
で始まる天然のヒト第VIII:C因子の3’非翻訳配列に
コード配列を融合させるために、オチゴヌクレオチドア
ダプターを用いた。このプラスミドは、天然のヒト第VI
II:C因子の初めの978アミノ酸と、カルボキシ末端に
おける4つの置換アミノ酸残基を、コードしている。
【0075】A.2 pSVF8-160 このプラスミドは1323アミノ酸の重鎖を供し、pSVF8-20
0と同様であるがpSVF8-92Eの5’非翻訳領域を持つ完全
長のクローン(pSVF8-303と表す)より調製した。pSVF8
-303をEcoRVとSmaIで分解し、平滑末端を互いに連結
し、pSVF8-160を形成した。このプラスミドは、第VII
I:C因子の初めの1315アミノ酸をコードしている。8
つのナンセンスなアミノ酸が、ベクターpSV7dのポリリ
ンカーの融合の結果としてカルボキシ末端に付加してい
る。
【0076】A.3 pSVF8-170 このプラスミドは1416アミノ酸の重鎖を供し、またpSVF
8-303から調製した。pSVF8-303をBg1 IIで部分分解し、
生じた6811bpの断片をゲルより単離し、末端を互いに連
結してpSVF8-170を形成した。このプラスミドは、第VII
I:C因子の初めの1405アミノ酸をコードしており、ベ
クターpSV7dのポリリンカーの融合により11個のナン
センスなアミノ酸のカルボキシル側の伸長を有する。
【0077】A.4 pSVF8-120 このプラスミドは1107アミノ酸の重鎖を供し、またpSVF
8-303より調製した。プラスミドpSVF8-303をApaIで分
解し、粘着末端をT4ポリメラーゼで埋めた。生じた分子
をさらにSmaIで分解し、DNAを自己連結させ、E. coli
HB101で殖やした。このプラスミドは、第VIII:C因子
のアミノ末端から1102アミノ酸とカルボキシル末端に付
加的な5つのナンセンスなアミノ酸をコードしている。
【0078】B.結果 A部の各プラスミドを、実施例1で述べたようにpSVF8-
80とともにCOS7細胞にトランスフェクションし、実施例
1のように第VIII:C因子活性に対して培地を試験し
た。
【0079】これらすべてのプラスミドは、pSVF8-92E
と比べて、実質的に減少した発現レベルを示した。しか
し興味あることに、pSVF8-92Eではコーテスト活性に対
するRIAの比が7.2であるのに比べて、pSVF8-160やpSVF8
-170では約1.8である。この結果は、これらのより長い
重鎖の誘導体はより高い比活性をもつこと、すなわち、
それらは92kD分子それ自身よりも効率よく活性のあるサ
ブユニット複合体へと集合することを示している。ま
た、コーテスト活性に対する血液凝固活性の比は、92kD
では、2.3また完全な分子では1.35であるのに比べて、
より長い重鎖では1.7までとより低く、これらのより長
いポリペプチドは92kD+80kD複合体のそれと同じ程度に
は活性化されていない複合体を形成することを示唆して
いる。
【0080】実施例4 本実施例は、第VIII:C因子92kD−80kD鎖複合体を生産
する安定なCHO細胞系の調製を解説する。
【0081】CHO-DUKX-B1細胞(Urlaub and Chasin,P.
N.A.S.(1980)77:4216-4220)を、Graham and Vander
Eb(前引用中)のリン酸カルシウム沈澱法よびWigler
et al.Cell(1978)14:725-731やLewis et al. Somati
c Cell Genetics(1980)6:333-347により述べられて
いる改変法を用いて、pSVF8-92CあるいはpSVF8-92E、pS
VF8-80、およびpAd-DHFRで、コトランスフェクションし
た。dhfr遺伝子を持つプラスミドpAd-DHFRは、アデノウ
ィルス−2由来の主要後期のプロモーター(Ad-MLP,地
図単位16-17.3)をマウスdhfr cDNAの5’末端に融合し
て構築した。SV40小t抗原のイントロンおよびSV40初期
領域ポリA付加部位をコードしているDNAを、pSV2-neo
(Southern and Berg, J. Mol. Appl. Genet.(1982)
1:327-341)より得、dhfr cDNAの3’末端に融合し
た。これら3つの区分をpBR322にサブクローン化し、プ
ラスミドpAd-DHFRを得た。プラスミドの重量比はそれぞ
れ、pSVF8-92Cのコトランスフェクションでは10:1:
5、pSVF8-92Eのコトランスフェクションでは1:1:
1あるいは10:10:1だった。pSVF8-92Cトランスフェ
クションの1つでは、pBR322のβ−ラクタマーゼ遺伝子
上で唯一切断するPvuIでプラスミドを分解した。その
例では、線状DNA分子がスーパーコイル状の分子の代わ
りに導入される。生じたDHFR陽性クローンからの培地
を、上記で述べたようにELISAおよびコーテストでスク
リーニングした。陽性クローンの安定性は、T-75フラス
コ中で繰り返し培養し培地を分析することにより、評価
した。下の表4は、線状DNA由来の陽性で安定なクロー
ンの発現レベルを報告している。
【0082】
【表4】
【0083】pSVF8-92C群の初期クローンをT-75フラス
コで所有した。クローン11-D5が、T-75フラスコ培養中
で>90mU/mlコーテスト活性を産生する、最も高く発現
しているクローンであることがわかった。6週間培養
後、このクローンを0.025μM、0.05μM、0.1μM、およ
び0.2μMメトトレキセート中での選択下に置いた。0.02
5μMプレート上にクローンが現れ、これはDHFR遺伝子が
低レベルのメトトレキセートで増幅したことを示してい
る。
【0084】pSVF8-92E群の系8-C1および10-C2をメトト
レキセート(0.025μMから0.2μM)中で選択し、コーテ
ストRIAおよびELISAにより耐性クローンの第VIII:C因
子活性を分析した。22個のメトトレキセート耐性8-C1ク
ローンを調べ、そのうちの10個のデータを表5で報告し
ている。第VIII:C因子の増幅量はクローン間で変化が
あり、これは、サブユニット遺伝子のどちらか1つがあ
るいはそれら両方がDHFRカセットとともに増幅していた
か、あるいは全く1つもそうでなかったかのいずれかを
示唆している。これら4つの可能性の例としてクローン
8C1-A2、8C1-A2、8C1-C2および8C1-C5に注目せよ。同様
に、10-C2のうちの30個のメトトレキセートで選択した
誘導体を評価したので、それらのうちの20個のデータも
表5に表している。これらも活性のスペトルを含んでい
る。4つの異なる協調増幅の可能性の例としてクローン
10C2-A2、10C2-D2、10C2-B5および10C2-C6に注目せよ。
【0085】
【表5】
【0086】プラスミドpSVF8-92とpSVF8-80は、Americ
an Type Culture Collection(ATCC)に、1986
年1月24日付で寄託し、受理番号はそれぞれATCC No.40
222とNo.40223を与えられた。プラスミドpSVF8-200はAT
CCに1985年7月17日付で寄託し、受理番号はATCC No.40
190を与えられた。
【0087】前述の発明を、理解を明確にするために、
図解や実施例を用いて詳細に解説してきたが、ある変化
や修飾が添付の特許請求の範囲で行われることがあるこ
とは明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは92kDと80kD鎖の生成にかかわるタンパク分
解酵素による切断の部位を示す。 B−Eはプラスミ
ド、pSV7d、pSVF8-92、pSVF8-80およびpSVF8-200の選ば
れた制限地図であり、断片の起源または機能および0で
示された点から始まるヌクレオチドの番号を示す。選ば
れた制限部位は以下の通りである:B, BamHI;Bc,Bcl
I;Bg, Bgl II;E, EcoRI;H, Hind III;Hp, HpaI;
K, KpnI;N, NdeI;Nr, NruI;P, PstI;PvuI,Pvu
I;Pvu II, Pvu II;S, SalI;Sc, SacI;Sm, Sma
I;St, StuI;X, XbaI.括弧で囲んだ部位はベクタ
ー構築に用いられたが、再生しなかったものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12N 5/00 B C12R 1:91) (72)発明者 ラエ リン バーク アメリカ合衆国 カリフォルニア 94117 サン フランシスコ,ウィラード スト リート 1447 (72)発明者 ミレラ エズバン ラスムッセン デンマーク王国 2100 コペンハーゲン アビルドガードスゲーテ 24 (56)参考文献 特開 昭59−135884(JP,A) 特開 昭61−500251(JP,A) NATURE ,1984 〜312! P. 330−336

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の発現カセットを含有す
    るDNA組成物であって、該第1の発現カセットが、第
    1のシグナル配列およびヒト第VIII:C因子のAドメイ
    ンと実質的に同じ配列を有する第1のペプチドをコード
    する第1の遺伝子を、宿主細胞内で機能する転写および
    翻訳制御シグナルの支配下に含有し、そして該第2の発
    現カセットが、第2のシグナル配列およびヒト第VIII:
    C因子のCドメインと実質的に同一の配列を含みBドメ
    インを含まないペプチドをコードする第2の遺伝子を、
    該宿主細胞内で機能する転写および翻訳制御シグナルの
    支配下に含有するDNA組成物。
  2. 【請求項2】 前記第1の遺伝子がさらにヒト第VIII:
    C因子のBドメインのN末端の部分を含む請求項1に記
    載のDNA組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のDNA組成物
    であって、前記第1のカセット遺伝子が、ヒト第VIII:
    C因子のアミノ酸1−740のアミノ酸配列の少なくと
    も約90%を有するポリペプチドをコードし、そして前
    記第2のカセット遺伝子が、ヒト第VIII:C因子のアミ
    ノ酸1649−2332のアミノ酸配列の少なくとも約
    90%を有するポリペプチドをコードする、DNA組成
    物。
  4. 【請求項4】 DNA組成物を含む宿主哺乳類細胞であ
    って、該DNA組成物が第1および第2のカセットを含
    有し、該第1の発現カセットが、第1のシグナル配列お
    よびヒト第VIII:C因子のAドメインと実質的に同じ配
    列を有する第1のペプチドをコードする第1の遺伝子
    を、宿主細胞内で機能する転写および翻訳制御シグナル
    の支配下に含有し、そして該第2の発現カセットが、第
    2のシグナル配列およびヒト第VIII:C因子のCドメイ
    ンと実質的に同一の配列を含みBドメインを含まないペ
    プチドをコードする第2の遺伝子を、該宿主細胞内で機
    能する転写および翻訳制御シグナルの支配下に含有す
    る、宿主哺乳類細胞。
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