JPH0772172B2 - L−プロリンの分離精製法 - Google Patents

L−プロリンの分離精製法

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JPH0772172B2
JPH0772172B2 JP23631486A JP23631486A JPH0772172B2 JP H0772172 B2 JPH0772172 B2 JP H0772172B2 JP 23631486 A JP23631486 A JP 23631486A JP 23631486 A JP23631486 A JP 23631486A JP H0772172 B2 JPH0772172 B2 JP H0772172B2
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充明 斉藤
勝志 岩川
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 従来、L−プロリンは総合アミノ酸製剤として輸液等へ
の配合がなされ、消化器疾患の患者等の栄養補給に利用
されているものであるが、近年においては、N−メルカ
プトアシル−L−プロリンが血圧降下剤として顕著な効
果を持つことが見い出され、またL−プロリン誘導体を
不斉触媒として用いるケトンの光学活性アルコールへの
還元等、高選択的な不斉合成反応が報告されるなど(T.
Mukaiyama,Chem.Lett.1984(12)2071)その利用価値は
医薬に限らず合成化学工業分野にも増大しつつあるもの
である。
[従来の技術] L−プロリンは天然のアミノ酸であり、多くの蛋白質中
に含まれているが、特にゼラチン中に多くその含有率は
約15%にも達する。従って安価に多量に入手し得るゼラ
チンを加水分解し、これより分離精製操作を加えること
により工業的に安価に生産し得るものである。
L−プロリンの分離法としては、古くは蛋白加水分解物
よりのエステル分留法(Fischer,E.,Z.Physiol.Chem.,3
3,151(1901))や銅塩法(Klabunde,H.K.,J.Biol.Che
m.,90,293(1931))、ブタノール抽出法(Dakin,H.D.,
Z.Phisiol.Chem.,44,499(1920))および、L−プロリ
ンのみを選択的に沈殿させるロダニル塩法(Bergmann,
M.,J.Biol.Chem.,110.471(1935))等が知られている
が、これらの方法は精製純度が低く、銅やクロムなど重
金属を用いる点等、工業的規模での実施が困難なもので
ある。
一方、ゼラチン加水分解物を亜硝酸で処理し、他の一級
のL−アミノ酸をオキシ酸として分別した後に得られる
L−プロリン、L−オキシプロリン混合物よりピクリン
酸塩(Town,B.W.,Biol.Chem.J.(London)、30,1837(1
936))もしくは塩化カドミウム塩(Sprer,H.,et al,
Z.Physiol.Chem.,187,84(1930))としてL−プロリン
のみを分離精製する方法が見い出されている。
しかしながら、これらもまた爆発性をもつピクリン酸や
重金属のカドミウムを用いなければならない点等、L−
プロリンの工業的分離精製法として充分なものではなか
った。
[発明の目的] 本発明は、安価かつ工業的規模で、純度の高いL−プロ
リンを分離精製する方法を提供することを目的とする。
[発明の経緯] 本発明者らは、上記目的に沿って鋭意検討の結果、以下
に示す知見を得た。
まず、L−プロリンはアルコールに易溶性の唯一のアミ
ノ酸であり、L−オキシプロリンを含む他のL−アミノ
酸と性質を異にするため、このアルコールに対する溶解
性を利用し、分離精製する方法が考えられる。
しかしながら、L−オキシプロリンはL−プロリンの存
在下ではアルコールにも溶け込むため、L−プロリンを
純度良く分離精製することは困難である。また一般のL
−アミノ酸について行なわれる、水からの再結晶法につ
いてもL−プロリンに比べL−オキシプロリンの溶解度
は小さいため、L−オキシプロリンの混入量が多い場
合、これを除去することは出来ず分離精製は困難であ
る。
そこで本発明者らはL−プロリンの誘導体での分離精製
を考え、種々検討を行った。その結果、最も安価に製造
されるN−アシル体であるN−アセチル−L−プロリン
は良好な結晶性をもつこと、また水に対する溶解度を調
べたところ、他のL−オキシプロリンを含めたL−アミ
ノ酸のN−アセチル体のもつ傾向とはまったく逆に、N
−アセチル−L−プロリンの溶解度はL−プロリンに比
べて著しく減少すること(25℃においては1/20に減少す
る)、そのためL−プロリンとL−オキシプロリンに関
しては、遊離体とN−アセチル体では溶解度差が逆転す
ることを見い出した(第1図参照)。
この事実に基づき、ゼラチンの加水分解物より得られる
L−プロリン、L−オキシプロリン混合物をアセチル化
して得られるN−アセチル体混合物よりのN−アセチル
−L−プロリンの分離精製を検討したところ、N−アセ
チル−L−プロリンは、N−アセチル−L−オキシプロ
リンの混入することなく高純度で分離精製されることを
見い出した。またN−アセチル−L−プロリンは容易に
脱アセチル化されL−プロリンを高収率で与えるため、
L−プロリンの安価で工業的規模での実施可能を目的と
する本発明を完成に至った。
[発明の構成] すなわち本発明は、ゼラチン加水分解液より得られるL
−プロリン、L−オキシプロリン混合物をアセチル化
し、生成するN−アセチル−L−プロリンを水より晶析
させ高純度で単離することを特徴とするL−プロリンの
分離精製法にある。
本発明で用いるL−プロリン、L−オキシプロリン混合
物は、従来法に従いゼラチンを鉱酸水溶液で加水分解し
て亜硝酸で処理した後、共存するオキシ酸および一部の
L−オキシプロリンを除去した後に得られるもので、用
いるゼラチンにより多少変動はみられるが、通常L−プ
ロリン:L−オシプロリン=10:2(重量組成比)で含むも
のである。
N−アセチル化は上記混合物を無水酢酸を用いたSchott
en-Baumann法にて行ない、反応液を中和後、脱塩操作を
行ないN−アセチル−L−プロリン、L−アセチル−L
−オキシプロリン混合物を得る。
N−アセチル−L−プロリンの分離精製は、上記N−ア
セチル体混合物を水に溶解させ、N−アセチル−L−プ
ロリンのみを晶析させることにより行なう。第1図より
求めた溶解度曲線より共存するN−アセチル−L−オキ
シプロリンが晶出しない様行なうことが必要で、用いる
水量が少ない場合、晶析量は増大するが純度の低下をも
たらす結果となり、逆に多い場合は晶析量は少なく効率
の良い分離精製操作とはならないため、通常は、N−ア
セチル−L−プロリン含有量に対し2〜3倍量の水に室
温で溶解させ、これを0〜5℃まで冷却し晶析した結晶
を濾取することによって高純度のN−アセチル−L−プ
ロリンを良好な収率で得ることが出来る。
また、N−アセチル−L−プロリンからは、鉱酸水溶液
で煮沸することによって、脱アセチル化により高収率で
L−プロリンを得ることが出来る。
[実施例] 以下に実施例を挙げ本発明をさらに詳しく説明する。
L−プロリン、L−オキシプロリン混合物の調製 ゼラチン50kgを8規定塩酸105lに懸濁し、6時間還流さ
せて加水分解を行なった。反応液を減圧下で濃縮して塩
酸分を留去後、水を加えて200lとし、活性炭2kgを加え
て脱色濾過を行なった。濾過液に40%亜硝酸ナトリウム
水溶液90lを45℃以下で滴下させ、その後55〜60℃で1
時間反応させた。反応液を減圧下でシロップ状まで濃縮
した後、6規定塩酸50lを加えて、3時間還流を行なっ
た。この溶液を冷却した後、エーテル20lを加えて撹拌
を行ない、オキシ酸を抽出した。その後、再び減圧下で
シロップ状まで濃縮し、水150lを加えてアンバーライト
IR-4Bを充填したカラムに通して塩酸を吸着除去した。
カラム流出液に活性炭1kgを加えて脱色濾過し、減圧下
でシロップ状まで濃縮した。この濃縮溶液にメタノール
50lを加えて撹拌を行ない、5℃まで冷却した。析出し
た一部のL−オキシプロリンを濾過した後、濾液を減圧
下で濃縮するとシロップ状のL−プロリン、L−オキシ
プロリン混合物4.70kgが得られた(アミノ酸自動分析計
よりL−プロリン3.60kg、L−オキシプロリン0.71kgを
含有することを確認した)。
実施例1 L−プロリン、L−オキシプロリン混合物1.0kg(L−
プロリン766g、L−オキシプロリン151g含有)を水6lに
溶解させ、NaOH624gを加えて溶解させた。この溶液を5
〜10℃に冷却した後、撹拌しながら無水酢酸820mlを1
時間で滴下させ、その後室温にて2時間反応させた。こ
の反応液を、濃塩酸を用いてpHを2.5に調整した後減圧
下で濃縮し、メタノール4lを加えて析出した塩化ナトリ
ウムを濾取し、濾液をシロップ状まで濃縮した。これに
水2lを加えて撹拌し、均一溶液とした。さらに、ゆるや
かに撹拌しながら5℃まで徐々に冷却すると結晶が析出
した。一夜放置した後、結晶を濾取して乾燥するとN−
アセチル−L−プロリン721gを得た。この収率は69%で
あった。また、融点(mp)は116〜117℃であり、比旋光
度は▲[α]20 D▼=−115.60°(C=2、H2O)であっ
た。なお、標準N−アセチル−L−プロリンのmpは118
℃で、比旋光度は▲[α]20 D▼=−116.50°である。
このものを薄層クロマトグラフィー(セルロース;n−ブ
タノール:酢酸:水=2:1:1)によって、ワン スポッ
トであることを確認する。
次に、N−アセチル−L−プロリン700gを水30lに溶解
させ、濃塩酸600mlを加えて3時間還流を行なった。こ
の溶液を冷却した後、30%NaOH水溶液でpHを6.3に調整
した。この溶液を電気透析装置により塩化ナトリウムを
除いた後、減圧下で水を留去させエタノール500mlを加
えて撹拌しながら5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取
して乾燥すると、L−プロリン359gが得られた。反応の
収率は70%であり、比旋光度▲[α]25 D▼=−85.18°
(C=2、H2O)であった。なお、標準L−プロリンの
比旋光度▲[α]25 D▼=−85.0°(C=2、H2O)であ
る。
実施例2 L−プロリン、L−オキシプロリン混合物4.0kgを実施
例1に従い、NaOH2.50kg、無水酢酸3.28lを用いてアセ
チル化処理した後、得られるシロップ状N−アセチル体
混合物に水9lを加えて撹拌し、均一溶液とした。さら
に、ゆるやかに撹拌しながら3℃まで徐々に冷却すると
結晶が析出した。一晩放置した後、結晶を濾取して乾燥
すると、N−アセチル−L−プロリン2.72kgを得た。こ
の収率は65%であり、融点(mp)は117〜118℃、比旋光
度は▲[α]20 D▼=−114.30(C=2、H2O)であっ
た。
このものを実施例1と同様に薄層クロマトグラフィーに
よって測定したところ、ワン スポットであることを確
認した。
次に、N−アセチル−L−プロリン2.70kgを実施例1に
従い脱アセチル化することにより、L−プロリン1.43kg
を得た。この収率は72%であり、比旋光度は▲[α]25
D▼=−85.0°(C=2、H2O)であった。
[発明の効果] 以上に説明したように、ゼラチンの加水分解物より得ら
れるL−プロリン、L−オキシプロリン混合物を、N−
アセチル化する本発明のL−プロリンの分離精製法は、
安価でかつ工業的規模で、高純度のL−プロリンの分離
精製が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、(1)L−プロリン、(2)L−オキシプロ
リン、(3)N−アセチル−L−プロリン、(4)N−
アセチル−L−オキシプロリンの遊離体およびN−アセ
チル体の温度と溶解量(g/水100g)の関係を示したグラ
フである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゼラチン加水分解液より得られるL−プロ
    リン、L−オキシプロリン混合物をアセチル化し、生成
    するN−アセチル−L−プロリンを水より晶析させ高純
    度で単離することを特徴とするL−プロリンの分離精製
    法。
JP23631486A 1986-10-06 1986-10-06 L−プロリンの分離精製法 Expired - Lifetime JPH0772172B2 (ja)

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JPS6391364A JPS6391364A (ja) 1988-04-22
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6937037B2 (en) 1995-11-09 2005-08-30 Formfactor, Et Al. Probe card assembly for contacting a device with raised contact elements

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6937037B2 (en) 1995-11-09 2005-08-30 Formfactor, Et Al. Probe card assembly for contacting a device with raised contact elements

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