JPH0774838B2 - 荷電粒子の捕獲方法及び装置 - Google Patents
荷電粒子の捕獲方法及び装置Info
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- JPH0774838B2 JPH0774838B2 JP3086120A JP8612091A JPH0774838B2 JP H0774838 B2 JPH0774838 B2 JP H0774838B2 JP 3086120 A JP3086120 A JP 3086120A JP 8612091 A JP8612091 A JP 8612091A JP H0774838 B2 JPH0774838 B2 JP H0774838B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/26—Mass spectrometers or separator tubes
- H01J49/34—Dynamic spectrometers
- H01J49/42—Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
- H01J49/426—Methods for controlling ions
- H01J49/4295—Storage methods
Landscapes
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- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子やイオンなどの荷
電粒子を所定の空間に電磁的に保持する方法及び装置に
関する。
電粒子を所定の空間に電磁的に保持する方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、空間に荷電粒子を捕獲する従来
の方法を表す。同図(a)はいわゆる4重極質量分離器
で、(b)はこれと同じ原理に基づいて3次元的に荷電粒
子を閉じこめるポールトラップである。また、(c)は、
電界と磁界を直交させて印加することに基づくいわゆる
ペニングトラップである。
の方法を表す。同図(a)はいわゆる4重極質量分離器
で、(b)はこれと同じ原理に基づいて3次元的に荷電粒
子を閉じこめるポールトラップである。また、(c)は、
電界と磁界を直交させて印加することに基づくいわゆる
ペニングトラップである。
【0003】同図(a)では、4つの捕獲電極31〜34
で荷電粒子を捕獲したい空間を取り囲む。この4つの電
極の内、対向する2つの電極31と33に図のように交
流電源2より高周波電圧を印加し、捕獲したい空間に高
周波電界を発生させる。この方法は、電極に高周波を印
加した時にその中に置かれた荷電粒子に働く力が、時間
平均すると電界勾配の小さい方向に作用するという原理
を利用して荷電粒子を電極で囲まれた空間に2次元的に
捕獲する。また、同図(b)では、回転双曲面状の捕獲電
極35、36と、内面が回転双曲面のリング状の捕獲電
極37を用いて、捕獲したい空間を3次元的に取り囲む
ことにより、同図(a)と同じ原理により3次元的に粒子
を捕獲する。上記の原理から明らかなように、これらの
方法では荷電粒子を閉じこめたい空間での電界勾配をそ
の周辺に比べて小さくする必要があり、その回りを電極
で密に取り囲むことが必要となる。また、同図(a)の構
成が質量分離器として広く用いられていることから分か
るように、この捕獲原理は荷電粒子の質量に敏感であ
る。この理由は、上記の捕獲原理が荷電粒子を高周波電
界により振動させることに基づいていることによる。即
ち、質量の大きな粒子には振動の振幅が小さいために捕
獲のための力が作用しない。また、軽い粒子は振動の振
幅が大きいために電極に衝突してしまう。
で荷電粒子を捕獲したい空間を取り囲む。この4つの電
極の内、対向する2つの電極31と33に図のように交
流電源2より高周波電圧を印加し、捕獲したい空間に高
周波電界を発生させる。この方法は、電極に高周波を印
加した時にその中に置かれた荷電粒子に働く力が、時間
平均すると電界勾配の小さい方向に作用するという原理
を利用して荷電粒子を電極で囲まれた空間に2次元的に
捕獲する。また、同図(b)では、回転双曲面状の捕獲電
極35、36と、内面が回転双曲面のリング状の捕獲電
極37を用いて、捕獲したい空間を3次元的に取り囲む
ことにより、同図(a)と同じ原理により3次元的に粒子
を捕獲する。上記の原理から明らかなように、これらの
方法では荷電粒子を閉じこめたい空間での電界勾配をそ
の周辺に比べて小さくする必要があり、その回りを電極
で密に取り囲むことが必要となる。また、同図(a)の構
成が質量分離器として広く用いられていることから分か
るように、この捕獲原理は荷電粒子の質量に敏感であ
る。この理由は、上記の捕獲原理が荷電粒子を高周波電
界により振動させることに基づいていることによる。即
ち、質量の大きな粒子には振動の振幅が小さいために捕
獲のための力が作用しない。また、軽い粒子は振動の振
幅が大きいために電極に衝突してしまう。
【0004】同図(c)では、同図(b)と同じ構成の電極
に、直流電源3によって荷電粒子を図のz方向に閉じこ
め、水平方向(図のr方向)に発散させる方向の直流電
圧を印加する。同時に磁石38によってz方向の磁界3
9を発生させる。上記の直流電圧によって荷電粒子が中
心から水平方向に遠ざかる運動が生じるが、この運動の
方向を磁界39によって曲げることにより粒子が逃げ去
るのを抑制する。粒子が磁界から受ける力は粒子の速度
に比例するため、電極に同じ電圧を印加しても重い粒子
には磁界による閉じこめ効果は少ない。このように、こ
の方法も捕獲できる粒子の質量は狭い範囲に限られる。
に、直流電源3によって荷電粒子を図のz方向に閉じこ
め、水平方向(図のr方向)に発散させる方向の直流電
圧を印加する。同時に磁石38によってz方向の磁界3
9を発生させる。上記の直流電圧によって荷電粒子が中
心から水平方向に遠ざかる運動が生じるが、この運動の
方向を磁界39によって曲げることにより粒子が逃げ去
るのを抑制する。粒子が磁界から受ける力は粒子の速度
に比例するため、電極に同じ電圧を印加しても重い粒子
には磁界による閉じこめ効果は少ない。このように、こ
の方法も捕獲できる粒子の質量は狭い範囲に限られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来方法で捕獲
できる粒子の質量が狭い範囲に限られるのは既に述べた
とおりである。この他、以上の従来方法には、次のよう
な問題点があった。ペニングトラップ(図8(c))で
は、基本的には反発電界による粒子の運動を利用して捕
獲する方法を用いているため、真空容器中に存在する残
留ガスとの散乱などにより荷電粒子がエネルギーを失う
と粒子が中心からr方向に遠ざかり、逃げさってしまう
かまたは電極に衝突してしまうという欠点があった。こ
のため、この方法では粒子を長時間に亘って捕獲し続け
ることができない。また、この方法では、重イオンなど
の質量の大きな粒子を捕獲しようとすると極めて大きな
磁界を必要とするため、捕獲できる粒子の質量やエネル
ギーが小さな値に限られる。このため、この方法が用い
られるのは、電子や一部の軽いイオンに対してのみであ
る。
できる粒子の質量が狭い範囲に限られるのは既に述べた
とおりである。この他、以上の従来方法には、次のよう
な問題点があった。ペニングトラップ(図8(c))で
は、基本的には反発電界による粒子の運動を利用して捕
獲する方法を用いているため、真空容器中に存在する残
留ガスとの散乱などにより荷電粒子がエネルギーを失う
と粒子が中心からr方向に遠ざかり、逃げさってしまう
かまたは電極に衝突してしまうという欠点があった。こ
のため、この方法では粒子を長時間に亘って捕獲し続け
ることができない。また、この方法では、重イオンなど
の質量の大きな粒子を捕獲しようとすると極めて大きな
磁界を必要とするため、捕獲できる粒子の質量やエネル
ギーが小さな値に限られる。このため、この方法が用い
られるのは、電子や一部の軽いイオンに対してのみであ
る。
【0006】図8(a)と(b)の方法では、上述のように捕
獲空間の回りを電極で囲まねばならない。これは、捕獲
空間に荷電粒子を入射させたり、測定などのために電子
線や光ビームを導入する際に障害となる。また、このよ
うな捕獲な通常は真空中で行わなければならないが、従
来の方法では電極で囲まねばならないため真空排気のコ
ンダクタンスが低下し、捕獲空間の真空度を上げるため
に効率が悪いことも問題であった。さらに、この方法で
は高周波電界により粒子を閉じこめる力を与えているた
め、実効的な閉じこめ力は印加する電圧に比較してかな
り小さなものとなる。このため、この方法には、捕獲で
きる粒子のエネルギーが限られると同時に、粒子同士の
静電反発力に抗しきれないために閉じこめられる粒子の
密度が低いという問題があった。また、外部から荷電粒
子を入射させるときに、閉じこめのための高周波の位相
と同期させて入射させないと捕獲されないことも問題で
あった。
獲空間の回りを電極で囲まねばならない。これは、捕獲
空間に荷電粒子を入射させたり、測定などのために電子
線や光ビームを導入する際に障害となる。また、このよ
うな捕獲な通常は真空中で行わなければならないが、従
来の方法では電極で囲まねばならないため真空排気のコ
ンダクタンスが低下し、捕獲空間の真空度を上げるため
に効率が悪いことも問題であった。さらに、この方法で
は高周波電界により粒子を閉じこめる力を与えているた
め、実効的な閉じこめ力は印加する電圧に比較してかな
り小さなものとなる。このため、この方法には、捕獲で
きる粒子のエネルギーが限られると同時に、粒子同士の
静電反発力に抗しきれないために閉じこめられる粒子の
密度が低いという問題があった。また、外部から荷電粒
子を入射させるときに、閉じこめのための高周波の位相
と同期させて入射させないと捕獲されないことも問題で
あった。
【0007】上記のように、図8の従来方法は、質量分
離の目的や捕獲イオンの分光測定には用いられているも
のの、これ以外の目的に用いるには問題点や制約が多
い。特に、電磁的な荷電粒子の捕獲方法を、空間に保持
した状態での結晶成長のような、容器の壁から完全に隔
離した状態での材料処理などに適用するには、a)電極の
外部に、b)広い質量範囲と、c)広いエネルギー範囲の粒
子を、d)より高密度に、捕獲できる方法が望まれてい
た。
離の目的や捕獲イオンの分光測定には用いられているも
のの、これ以外の目的に用いるには問題点や制約が多
い。特に、電磁的な荷電粒子の捕獲方法を、空間に保持
した状態での結晶成長のような、容器の壁から完全に隔
離した状態での材料処理などに適用するには、a)電極の
外部に、b)広い質量範囲と、c)広いエネルギー範囲の粒
子を、d)より高密度に、捕獲できる方法が望まれてい
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、本発明では、少なくとも1つの中心電極を用意し
て、これに直流電圧と交流電圧を重畳させて印加するこ
とにより、中心電極を取り囲むような関係で中心電極の
回りに存在する荷電粒子を当該中心電極に向けて引き付
ける引力を発生する直流電界と、中心電極からの距離の
増大と共に強度が減少し、当該荷電粒子を中心電極から
遠ざける方向の斥力を発生する交流電界とを重畳的に発
生させる。
め、本発明では、少なくとも1つの中心電極を用意し
て、これに直流電圧と交流電圧を重畳させて印加するこ
とにより、中心電極を取り囲むような関係で中心電極の
回りに存在する荷電粒子を当該中心電極に向けて引き付
ける引力を発生する直流電界と、中心電極からの距離の
増大と共に強度が減少し、当該荷電粒子を中心電極から
遠ざける方向の斥力を発生する交流電界とを重畳的に発
生させる。
【0009】
【実施例】図1、図2は本発明の原理的な構成を表す図
である。図のように、中心電極1に交流電源2を接続
し、この交流電源に荷電粒子に対して引力として作用す
る直流バイアスを与える直流電源3を接続する。このよ
うにして、中心電極に荷電粒子4を引きつける方向の直
流電圧と、交流電圧とを重畳して印加する。例えば正イ
オンを捕獲するには、図のように中心電極に負の直流電
圧を加える。この時、この中心電極の回りの電界を規定
するには、厳密にはこれを囲む外部電極5が必要であ
る。しかし、本発明の方法で重要なのは中心電極付近の
電界のみなので、外部電極は、単に回りを取り囲んでい
れば良く、その形状の如何は重要ではない。従来方法の
電極のように、密に構成されている必要もない。イオン
や電子などの荷電粒子の捕獲は、通常は真空中で行われ
る。また、真空中でない場合でも、粒子捕獲を行う場
を、塵埃や電気的雑音の流入を防止するため外界から隔
離する必要がある。そのため、本発明の方法の外部電極
には、真空容器や隔離容器そのものを充てるので十分で
ある。但し、図1や図2に示したように軸対称の中心電
極を用いると、軸方向には粒子を閉じこめる力が作用し
ないので、軸方向に粒子が逃げ去るのを抑制するために
電極の両端付近に外部電極5を設置する必要がある。
(図2では、図を簡単にするために外部電極5を省略し
た)これを避けるためには、例えば球状の電極のよう
な、3次元的な中心電極構成をとっても良いが、この場
合には電極の保持やそれへの電圧の供給が困難になるな
どの問題があるので、ここでは図1、図2のような軸対
称形状の電極のみを説明する。しかし、上記の電極保持
と電圧供給の問題が解決されれば、本発明の方法は3次
元的な電極構成にもそのまま適用できる。
である。図のように、中心電極1に交流電源2を接続
し、この交流電源に荷電粒子に対して引力として作用す
る直流バイアスを与える直流電源3を接続する。このよ
うにして、中心電極に荷電粒子4を引きつける方向の直
流電圧と、交流電圧とを重畳して印加する。例えば正イ
オンを捕獲するには、図のように中心電極に負の直流電
圧を加える。この時、この中心電極の回りの電界を規定
するには、厳密にはこれを囲む外部電極5が必要であ
る。しかし、本発明の方法で重要なのは中心電極付近の
電界のみなので、外部電極は、単に回りを取り囲んでい
れば良く、その形状の如何は重要ではない。従来方法の
電極のように、密に構成されている必要もない。イオン
や電子などの荷電粒子の捕獲は、通常は真空中で行われ
る。また、真空中でない場合でも、粒子捕獲を行う場
を、塵埃や電気的雑音の流入を防止するため外界から隔
離する必要がある。そのため、本発明の方法の外部電極
には、真空容器や隔離容器そのものを充てるので十分で
ある。但し、図1や図2に示したように軸対称の中心電
極を用いると、軸方向には粒子を閉じこめる力が作用し
ないので、軸方向に粒子が逃げ去るのを抑制するために
電極の両端付近に外部電極5を設置する必要がある。
(図2では、図を簡単にするために外部電極5を省略し
た)これを避けるためには、例えば球状の電極のよう
な、3次元的な中心電極構成をとっても良いが、この場
合には電極の保持やそれへの電圧の供給が困難になるな
どの問題があるので、ここでは図1、図2のような軸対
称形状の電極のみを説明する。しかし、上記の電極保持
と電圧供給の問題が解決されれば、本発明の方法は3次
元的な電極構成にもそのまま適用できる。
【0010】本発明の方法では、印加した直流電源によ
る静電引力により荷電粒子を捕獲する。そのため、印加
した電圧がそのまま荷電粒子を捕獲する力となり、高い
効率が得られる。この理由により、捕獲できる粒子のエ
ネルギー範囲が広く、また密度も上げられる。しかし、
中心電極に対し単に直流電圧を印加するのみでは、捕獲
した粒子はやがては中心電極に衝突してしまう。本発明
の方法では、中心電極に交流電圧を重畳して印加するこ
とによりこれを防止する。ここで、交流電界の強度が中
心電極からの距離の増大と共に減少していると、この交
流電界から荷電粒子が受ける力は、時間平均すると中心
電極から遠ざかる方向に働き、直流電界により引力と平
衡して荷電粒子を空間に保持する。本発明の方法が従来
方法と本質的に異なる点は、従来方法が高周波電界によ
って電極から荷電粒子を遠ざけることにより電極で囲ま
れた空間の内部に荷電粒子を保持していたのに対し、本
発明の方法で粒子を捕獲するのは中心電極に印加してい
る直流電圧であり、交流電圧(しかも、後述の実施例中
に認められるように、これは従来法におけるような高周
波電圧でなくて良い)は、荷電粒子の中心電極への衝突
を防止する作用しかしていないことである。このため、
本発明の方法では交流電界の詳細な分布形状は重要では
なく、中心電極の形状を厳密に設定する必要がない。ま
た、本発明の方法では荷電粒子を広い空間に捕獲できる
のみならず、後述のような様々な効果が得られる。
る静電引力により荷電粒子を捕獲する。そのため、印加
した電圧がそのまま荷電粒子を捕獲する力となり、高い
効率が得られる。この理由により、捕獲できる粒子のエ
ネルギー範囲が広く、また密度も上げられる。しかし、
中心電極に対し単に直流電圧を印加するのみでは、捕獲
した粒子はやがては中心電極に衝突してしまう。本発明
の方法では、中心電極に交流電圧を重畳して印加するこ
とによりこれを防止する。ここで、交流電界の強度が中
心電極からの距離の増大と共に減少していると、この交
流電界から荷電粒子が受ける力は、時間平均すると中心
電極から遠ざかる方向に働き、直流電界により引力と平
衡して荷電粒子を空間に保持する。本発明の方法が従来
方法と本質的に異なる点は、従来方法が高周波電界によ
って電極から荷電粒子を遠ざけることにより電極で囲ま
れた空間の内部に荷電粒子を保持していたのに対し、本
発明の方法で粒子を捕獲するのは中心電極に印加してい
る直流電圧であり、交流電圧(しかも、後述の実施例中
に認められるように、これは従来法におけるような高周
波電圧でなくて良い)は、荷電粒子の中心電極への衝突
を防止する作用しかしていないことである。このため、
本発明の方法では交流電界の詳細な分布形状は重要では
なく、中心電極の形状を厳密に設定する必要がない。ま
た、本発明の方法では荷電粒子を広い空間に捕獲できる
のみならず、後述のような様々な効果が得られる。
【0011】なお、図1に示される本発明の原理構成な
いし基本的な実施例では、中心電極として単純な形状の
ものを用いると、交流電界と直流電界の中心電極からの
距離に対する減衰特性が同じであるため、常に同じ捕獲
特性しか得られない。これに対し、図2に示される本発
明の代替え実施例では、偶数個の要素電極11〜14か
らなる中心電極1を用いているので、直流電圧と交流電
圧のこれらの要素電極に対する印加方法を変えると、上
記の交流電界と直流電界の減衰特性を異ならせることが
でき捕獲特性を変化させることができる。以下、計算結
果に基づき、本発明の原理をより詳細に説明する。
いし基本的な実施例では、中心電極として単純な形状の
ものを用いると、交流電界と直流電界の中心電極からの
距離に対する減衰特性が同じであるため、常に同じ捕獲
特性しか得られない。これに対し、図2に示される本発
明の代替え実施例では、偶数個の要素電極11〜14か
らなる中心電極1を用いているので、直流電圧と交流電
圧のこれらの要素電極に対する印加方法を変えると、上
記の交流電界と直流電界の減衰特性を異ならせることが
でき捕獲特性を変化させることができる。以下、計算結
果に基づき、本発明の原理をより詳細に説明する。
【0012】中心軸の回りに2(n-1)本、但しnは2以上
の整数、の円筒状の要素電極を対称的に配列して中心電
極を構成し、この要素電極に交互に位相の反転した交流
電圧を供給するように交流電源を接続して、要素電極す
べてに共通した直流電圧と交互に位相の反転した交流電
圧を印加する。図2に示される実施例は、n=3即ち4重
極の例である。この時には図のように、トランス6を用
いて交流電源2を構成し、4本の要素電極11〜14に
1本置きに位相を反転させて交流電圧を供給する。図で
は、11〜14の4本の要素電極の内、11と13及び
12と14の相対する2本ずつが組になって同じ位相の
電圧が供給され、11と12のような隣合う要素電極の
間では交流電圧の正負が常に反転していることになる。
この時、交流電圧の角振動数をωとすると、この中心電
極1の外部にある荷電粒子4(電荷q、質量m)には、
交流電界(r方向:acos(n-1)θ・cosωt/rn、θ方
向:asin(n-1)θ・cosωt/rn)と直流電界(=−A/
r)が働く。ここでaとAは、それぞれ交流電界と直流
電界の大きさを表す係数で、印加した電圧に比例する。
また、ここでn=1とすることにより、図1の例のような
交流電 界と直流電界が中心電極からの距離に対して同
じ減衰特性を示す場合も含めて論じることができる。従
って、以下ではnは1以上の整数とする。この交流電界
は時間平均すると大きさnqa2/2mω2r(2n+1)のr方
向の力、即ち中心軸からの斥力として作用する。この斥
力と直流引力との釣合により、2力の平衡位置r0 =(n
qa2/2mω2A)1/2nの周辺に粒子を捕獲できる。この
式のように、2(n-1)重極の時、平衡位置r0は質量mの1
/2n乗に比例する。従って、本発明の方法では極めて広
い質量範囲の粒子を捕獲できることが分かる。nの値が
1、2、3の時、平衡位置r0の質量mに対する依存性はそ
れぞれ、1/2、1/4、1/6乗になる。それ故、例えば、中
心電極の回りにその10倍の半径までの捕獲空間が用意
できるときには、捕獲できる粒子の質量範囲はそれぞ
れ、102、104、106倍に亘る。このように、捕獲できる
質量範囲を広げるにはnの大きな電極、即ち多数の要素
電極よりなる中心電極を採用するのが有利である。ま
た、上式のように平衡位置が粒子の質量と共に変化する
ので、本発明の方法で様々な質量の粒子を捕獲すると、
捕獲した粒子がその質量の順に整列するという特長も発
生する。
の整数、の円筒状の要素電極を対称的に配列して中心電
極を構成し、この要素電極に交互に位相の反転した交流
電圧を供給するように交流電源を接続して、要素電極す
べてに共通した直流電圧と交互に位相の反転した交流電
圧を印加する。図2に示される実施例は、n=3即ち4重
極の例である。この時には図のように、トランス6を用
いて交流電源2を構成し、4本の要素電極11〜14に
1本置きに位相を反転させて交流電圧を供給する。図で
は、11〜14の4本の要素電極の内、11と13及び
12と14の相対する2本ずつが組になって同じ位相の
電圧が供給され、11と12のような隣合う要素電極の
間では交流電圧の正負が常に反転していることになる。
この時、交流電圧の角振動数をωとすると、この中心電
極1の外部にある荷電粒子4(電荷q、質量m)には、
交流電界(r方向:acos(n-1)θ・cosωt/rn、θ方
向:asin(n-1)θ・cosωt/rn)と直流電界(=−A/
r)が働く。ここでaとAは、それぞれ交流電界と直流
電界の大きさを表す係数で、印加した電圧に比例する。
また、ここでn=1とすることにより、図1の例のような
交流電 界と直流電界が中心電極からの距離に対して同
じ減衰特性を示す場合も含めて論じることができる。従
って、以下ではnは1以上の整数とする。この交流電界
は時間平均すると大きさnqa2/2mω2r(2n+1)のr方
向の力、即ち中心軸からの斥力として作用する。この斥
力と直流引力との釣合により、2力の平衡位置r0 =(n
qa2/2mω2A)1/2nの周辺に粒子を捕獲できる。この
式のように、2(n-1)重極の時、平衡位置r0は質量mの1
/2n乗に比例する。従って、本発明の方法では極めて広
い質量範囲の粒子を捕獲できることが分かる。nの値が
1、2、3の時、平衡位置r0の質量mに対する依存性はそ
れぞれ、1/2、1/4、1/6乗になる。それ故、例えば、中
心電極の回りにその10倍の半径までの捕獲空間が用意
できるときには、捕獲できる粒子の質量範囲はそれぞ
れ、102、104、106倍に亘る。このように、捕獲できる
質量範囲を広げるにはnの大きな電極、即ち多数の要素
電極よりなる中心電極を採用するのが有利である。ま
た、上式のように平衡位置が粒子の質量と共に変化する
ので、本発明の方法で様々な質量の粒子を捕獲すると、
捕獲した粒子がその質量の順に整列するという特長も発
生する。
【0013】図3〜6は、nの値が1〜4の交流電界に対
して上記の電界内の粒子の運動をシミュレーションし、
粒子を安定に捕獲できる範囲を求めた結果である。上記
の電界内の運動方程式は、直流電界に対する交流電界の
強さを表す無次元パラメータk=(a2(mω2/q)n-1/
An+1)1/2nとX=r/(qa2/mω2A)1/2n、T=ωt
を用いてθ=0の時、d2X/dT2=cosT/kXn−1/
k2Xとなる。図はこの方程式を粒子の初期位置を変え
ながら数値的に解き、安定に捕獲できる範囲を求めた結
果である。図では平衡位置で規格化した初期位置の値を
パラメータkに対して示してあり、実線は安定に捕獲で
きる上限を、破線は下限を表す。これらの図の2本の線
で挟まれた範囲に置かれた粒子は安定に周期運動を行う
が、その外部に置いた粒子は交流電界で加速され、中心
電極から無制限に遠ざかるか、あるいは中心電極に衝突
してしまう。これらの曲線が波打っているのは、このよ
うな加速が共鳴的に生じるためである。特に、捕獲粒子
の振動周期は2πk(n/2)1/2n/(2n)1/2ωなので、小さな
kでは共鳴的な加速が生じ易い。これが、小さなkでは
安定領域が存在しない理由であり、このkの下限が捕獲
可能な質量の下限を与える。
して上記の電界内の粒子の運動をシミュレーションし、
粒子を安定に捕獲できる範囲を求めた結果である。上記
の電界内の運動方程式は、直流電界に対する交流電界の
強さを表す無次元パラメータk=(a2(mω2/q)n-1/
An+1)1/2nとX=r/(qa2/mω2A)1/2n、T=ωt
を用いてθ=0の時、d2X/dT2=cosT/kXn−1/
k2Xとなる。図はこの方程式を粒子の初期位置を変え
ながら数値的に解き、安定に捕獲できる範囲を求めた結
果である。図では平衡位置で規格化した初期位置の値を
パラメータkに対して示してあり、実線は安定に捕獲で
きる上限を、破線は下限を表す。これらの図の2本の線
で挟まれた範囲に置かれた粒子は安定に周期運動を行う
が、その外部に置いた粒子は交流電界で加速され、中心
電極から無制限に遠ざかるか、あるいは中心電極に衝突
してしまう。これらの曲線が波打っているのは、このよ
うな加速が共鳴的に生じるためである。特に、捕獲粒子
の振動周期は2πk(n/2)1/2n/(2n)1/2ωなので、小さな
kでは共鳴的な加速が生じ易い。これが、小さなkでは
安定領域が存在しない理由であり、このkの下限が捕獲
可能な質量の下限を与える。
【0014】図3〜6はθ=0の軸の上での運動のみを
計算した結果であるが、実際には粒子の運動は1つの軸
の上に制限されることはなく中心軸の回りの回転が許さ
れるため、安定に捕獲できる範囲は図に示した範囲より
も格段に広くなる。また、従来法でも行われるようにHe
ガスなどの不活性気体を導入して粒子のエネルギーを散
逸させ振動を抑制するようにすると、安定な領域が著し
く広くなることを計算でも確かめてある。
計算した結果であるが、実際には粒子の運動は1つの軸
の上に制限されることはなく中心軸の回りの回転が許さ
れるため、安定に捕獲できる範囲は図に示した範囲より
も格段に広くなる。また、従来法でも行われるようにHe
ガスなどの不活性気体を導入して粒子のエネルギーを散
逸させ振動を抑制するようにすると、安定な領域が著し
く広くなることを計算でも確かめてある。
【0015】図3〜6を比較してみると、kの下限はn
が異なってもそれほど変化しないが、nが小さい方が安定
な範囲が広い。また、kが大きくなるほど安定位置は中
心電極に近づき、ついには電極に衝突してしまうので、
これがkの上限を与える。中心電極に印加する交流電圧
の振幅をVacとすると、kの最大値kmaxは、n≧2の
時、kmax=(n/2)(n-1)/2n(n-1)Vac/Aで与えられる
ので、nが大きい方がkma xが大きい。nが大きい方が、
一定の大きさの空間に捕獲できる質量の範囲が大きいの
は、先に述べたとおりである。これらの点を考慮する
と、図2のように4本の要素電極からなる4重極(n=
3)が最も実用的な構成である。4重極には、本発明の
方法でその外部に荷電粒子を捕獲できるのみならず、従
来の方法の原理でその内側に粒子を取り込めるという特
長がある。この4重極の内部への荷電粒子の取り込み
は、従来方法の原理通り、粒子の質量に依存する。従っ
て、4重極を用いた本発明の方法では、その外部に広い
質量範囲の粒子を捕獲しつつ、特定の質量の粒子のみを
内部に取り込むことができる。この構成は、本発明の方
法を結晶成長などの目的に利用する際に極めて有用であ
る。例えばこの構成を用いると、4重極の外部に荷電粒
子を捕獲しながら原料を供給して結晶成長させ、所定の
質量になったところで4重極の内側に取り込むことがで
きる。
が異なってもそれほど変化しないが、nが小さい方が安定
な範囲が広い。また、kが大きくなるほど安定位置は中
心電極に近づき、ついには電極に衝突してしまうので、
これがkの上限を与える。中心電極に印加する交流電圧
の振幅をVacとすると、kの最大値kmaxは、n≧2の
時、kmax=(n/2)(n-1)/2n(n-1)Vac/Aで与えられる
ので、nが大きい方がkma xが大きい。nが大きい方が、
一定の大きさの空間に捕獲できる質量の範囲が大きいの
は、先に述べたとおりである。これらの点を考慮する
と、図2のように4本の要素電極からなる4重極(n=
3)が最も実用的な構成である。4重極には、本発明の
方法でその外部に荷電粒子を捕獲できるのみならず、従
来の方法の原理でその内側に粒子を取り込めるという特
長がある。この4重極の内部への荷電粒子の取り込み
は、従来方法の原理通り、粒子の質量に依存する。従っ
て、4重極を用いた本発明の方法では、その外部に広い
質量範囲の粒子を捕獲しつつ、特定の質量の粒子のみを
内部に取り込むことができる。この構成は、本発明の方
法を結晶成長などの目的に利用する際に極めて有用であ
る。例えばこの構成を用いると、4重極の外部に荷電粒
子を捕獲しながら原料を供給して結晶成長させ、所定の
質量になったところで4重極の内側に取り込むことがで
きる。
【0016】以下、具体的な実験例につき説明する。図
7の構成で、Siイオンを捕獲し、これにSi蒸気を供給し
てSiの微結晶を成長させることができた。図7の例は、
図2の構成、即ち、中心軸の回りに対称的に4本の要素
電極を配置する方法を用いている。ここでは、アルミニ
ウム製の直径1 cmの円筒を要素電極11〜14とし、
これを円筒の軸が中心軸から半径1 cmの周上に並ぶよ
うに配置して中心電極1を構成した。この中心電極は内
径30 cmのアルミニウム合金製の真空容器に収容し、こ
の容器自体を外部電極として用いた。従って、外部電極
は中心軸からほぼ15 cm離れていることになる。これら
の電極にアルミニウムを用いたのは、電気伝導度が良い
こと、非磁性であること、真空中での脱ガスが少ないこ
との理由による。この真空容器はターボ分子ポンプによ
り10-7 Pa以下の圧力に排気している。
7の構成で、Siイオンを捕獲し、これにSi蒸気を供給し
てSiの微結晶を成長させることができた。図7の例は、
図2の構成、即ち、中心軸の回りに対称的に4本の要素
電極を配置する方法を用いている。ここでは、アルミニ
ウム製の直径1 cmの円筒を要素電極11〜14とし、
これを円筒の軸が中心軸から半径1 cmの周上に並ぶよ
うに配置して中心電極1を構成した。この中心電極は内
径30 cmのアルミニウム合金製の真空容器に収容し、こ
の容器自体を外部電極として用いた。従って、外部電極
は中心軸からほぼ15 cm離れていることになる。これら
の電極にアルミニウムを用いたのは、電気伝導度が良い
こと、非磁性であること、真空中での脱ガスが少ないこ
との理由による。この真空容器はターボ分子ポンプによ
り10-7 Pa以下の圧力に排気している。
【0017】この中心電極1の両端には、捕獲した荷電
粒子が軸方向に離脱するのを抑制するための中心に穴の
開いた円盤状の外部電極5を設けてある。この内、図の
右側に記したものには一部に開口部を設け、その後ろに
引き出し電極7を配置した。この引き出し電極の目的
は、これに負のパルス電圧を印加して捕獲した荷電粒子
を引き出し、右方に設けたチャネルプレート8で検出す
ることにより、捕獲した粒子の質量を飛行時間法で測定
することである。この真空容器の下部には、電子ビーム
蒸発源9を備える。この蒸発源は、蒸発材料20の多結
晶Siを電子ビーム加熱することにより、Siのイオンと中
性原子を同時に供給する。この蒸発源と上記の捕獲電極
の間には、イオン流を制御するためのイオン制御電極2
1と可動式のシャッター22を設けてある。次のような
条件で中心電極に電圧を印加し、Siイオンの捕獲を確認
できた。図2に示したトランス6を用いた回路で、4本
の要素電極11〜14にはすべて-12 Vの直流電圧を印
加し、このそれぞれに交互に位相の反転した周波数85 k
Hz、2乗平均電圧310 Vrmsの交流電圧を印加した。この
電圧を保ったまま電子ビーム蒸発源9を作動させ、イオ
ン制御電極21に-10 Vの電圧をパルス的に掛けてイオ
ンを引き込み、中心電極1の回りに捕獲した。イオンの
捕獲の確認は、イオン制御電極21に+50 Vの電圧を掛
けると同時にシャッター22を閉止して、電子ビーム蒸
発源からのイオンの流入を防止した状態で所定の時間だ
け放置し、その後に引き出し電極7にパルス状の引き出
し電圧を掛けて、チャネルプレート8で信号を計数する
事で行った。以上の条件で、1時間以上に亘って計数信
号が得られ、Siイオンを安定に捕獲できることが分かっ
た。また、以上と同じ条件で交流電圧の周波数を120 kH
zに増加させたところ検出計数が増加した。ここで、周
波数の増加は上記の無次元パラメータkの値を増加させ
たことになり、理論的な予測通り、kの増加により捕獲
の安定性が増すことを確認できた。また、この真空容器
に10-3PaのHeガスを導入したところ、計数信号の捕獲時
間の経過による減衰が顕 著に減衰し、粒子のエネルギ
ーを散逸させると捕獲の安定性が著しく増大することを
確認できた。
粒子が軸方向に離脱するのを抑制するための中心に穴の
開いた円盤状の外部電極5を設けてある。この内、図の
右側に記したものには一部に開口部を設け、その後ろに
引き出し電極7を配置した。この引き出し電極の目的
は、これに負のパルス電圧を印加して捕獲した荷電粒子
を引き出し、右方に設けたチャネルプレート8で検出す
ることにより、捕獲した粒子の質量を飛行時間法で測定
することである。この真空容器の下部には、電子ビーム
蒸発源9を備える。この蒸発源は、蒸発材料20の多結
晶Siを電子ビーム加熱することにより、Siのイオンと中
性原子を同時に供給する。この蒸発源と上記の捕獲電極
の間には、イオン流を制御するためのイオン制御電極2
1と可動式のシャッター22を設けてある。次のような
条件で中心電極に電圧を印加し、Siイオンの捕獲を確認
できた。図2に示したトランス6を用いた回路で、4本
の要素電極11〜14にはすべて-12 Vの直流電圧を印
加し、このそれぞれに交互に位相の反転した周波数85 k
Hz、2乗平均電圧310 Vrmsの交流電圧を印加した。この
電圧を保ったまま電子ビーム蒸発源9を作動させ、イオ
ン制御電極21に-10 Vの電圧をパルス的に掛けてイオ
ンを引き込み、中心電極1の回りに捕獲した。イオンの
捕獲の確認は、イオン制御電極21に+50 Vの電圧を掛
けると同時にシャッター22を閉止して、電子ビーム蒸
発源からのイオンの流入を防止した状態で所定の時間だ
け放置し、その後に引き出し電極7にパルス状の引き出
し電圧を掛けて、チャネルプレート8で信号を計数する
事で行った。以上の条件で、1時間以上に亘って計数信
号が得られ、Siイオンを安定に捕獲できることが分かっ
た。また、以上と同じ条件で交流電圧の周波数を120 kH
zに増加させたところ検出計数が増加した。ここで、周
波数の増加は上記の無次元パラメータkの値を増加させ
たことになり、理論的な予測通り、kの増加により捕獲
の安定性が増すことを確認できた。また、この真空容器
に10-3PaのHeガスを導入したところ、計数信号の捕獲時
間の経過による減衰が顕 著に減衰し、粒子のエネルギ
ーを散逸させると捕獲の安定性が著しく増大することを
確認できた。
【0018】以上の条件でSiイオンを捕獲しながら、電
子ビーム蒸発源9から中性のSi原子を供給して、捕獲し
たSiイオンを種とする成長を行わせることができた。こ
の時、シャッター22を開けたままイオン制御電極21
に+50 Vの電圧を掛けて、イオンの流入や流出を防止し
ながら中性原子のみを供給した。供給量は捕獲空間での
圧力換算で、最大ほぼ10-4 Pa程度とした。この条件で
適当な時間だけ供給を行い、飛行時間法で捕獲粒子の質
量をモニターして成長を観察した。30分の成長時間で約
2×104個の原子数に相当する値にまでの質量の増大が観
測できた。またこの時、引き出し電極7の開口部の位置
を変化させることにより、このように質量が増加した粒
子が中心電極1に近い部分に存在することを確認した。
さらに、同じチャネルプレート8を用いた測定により、
4本の要素電極11〜14の内側にもこの質量の粒子が
捕獲されていること、また、その質量のばらつきが小さ
く、大きさが揃っていることを確認した。この内側に捕
獲された粒子を、電子顕微鏡観察用の支持薄膜上に捕集
し、透過電子顕微鏡で観察すると大きさがほぼ10 nmのS
i結晶であることが分かった。
子ビーム蒸発源9から中性のSi原子を供給して、捕獲し
たSiイオンを種とする成長を行わせることができた。こ
の時、シャッター22を開けたままイオン制御電極21
に+50 Vの電圧を掛けて、イオンの流入や流出を防止し
ながら中性原子のみを供給した。供給量は捕獲空間での
圧力換算で、最大ほぼ10-4 Pa程度とした。この条件で
適当な時間だけ供給を行い、飛行時間法で捕獲粒子の質
量をモニターして成長を観察した。30分の成長時間で約
2×104個の原子数に相当する値にまでの質量の増大が観
測できた。またこの時、引き出し電極7の開口部の位置
を変化させることにより、このように質量が増加した粒
子が中心電極1に近い部分に存在することを確認した。
さらに、同じチャネルプレート8を用いた測定により、
4本の要素電極11〜14の内側にもこの質量の粒子が
捕獲されていること、また、その質量のばらつきが小さ
く、大きさが揃っていることを確認した。この内側に捕
獲された粒子を、電子顕微鏡観察用の支持薄膜上に捕集
し、透過電子顕微鏡で観察すると大きさがほぼ10 nmのS
i結晶であることが分かった。
【0019】上記の条件で成長させたSi粒子をそのまま
中心電極1の周囲に捕獲しながら酸素ガスを供給し、表
面の酸化による改質を試みた。供給した酸素の圧力は10
-3Paでこの状態で1時間程度放置した。その後に捕集し
た粒子を透過電子顕微鏡で観察することにより、表面が
変質していることを確認した。これから本発明の方法に
より、空間中に捕獲した状態でSi微結晶表面の酸化処理
が行うことができることが分かった。このような質量変
化を伴う処理を従来の捕獲方法で行おうとすると、質量
変化に追随して捕獲パラメータを変化させねばならない
上に、ガス供給のための開口を捕獲電極に設けねばなら
ず、極めて困難であった。これに対し、本発明の方法で
は電極形状やパラメータを変化させることなく容易に行
うことができる。
中心電極1の周囲に捕獲しながら酸素ガスを供給し、表
面の酸化による改質を試みた。供給した酸素の圧力は10
-3Paでこの状態で1時間程度放置した。その後に捕集し
た粒子を透過電子顕微鏡で観察することにより、表面が
変質していることを確認した。これから本発明の方法に
より、空間中に捕獲した状態でSi微結晶表面の酸化処理
が行うことができることが分かった。このような質量変
化を伴う処理を従来の捕獲方法で行おうとすると、質量
変化に追随して捕獲パラメータを変化させねばならない
上に、ガス供給のための開口を捕獲電極に設けねばなら
ず、極めて困難であった。これに対し、本発明の方法で
は電極形状やパラメータを変化させることなく容易に行
うことができる。
【0020】また以上の電圧条件を、直流電圧の大きさ
を-25 V、交流電圧を周波数150 kHz、2乗平均電圧400
Vrmsに変化させ同様にSiイオンの捕獲とこれを種とした
微粒子の成長を試みた。この場合には成長できた微粒子
はほぼ6×103個のSi原子からなる大きさ約5 nm程度のも
のまでであったが、直流電圧の値を増大させた分だけ捕
獲能力が増し、一度の操作で成長できる粒子数を約2倍
程度に増加させることができた。以上の実験により、本
発明の方法の有効性を確認することができた。
を-25 V、交流電圧を周波数150 kHz、2乗平均電圧400
Vrmsに変化させ同様にSiイオンの捕獲とこれを種とした
微粒子の成長を試みた。この場合には成長できた微粒子
はほぼ6×103個のSi原子からなる大きさ約5 nm程度のも
のまでであったが、直流電圧の値を増大させた分だけ捕
獲能力が増し、一度の操作で成長できる粒子数を約2倍
程度に増加させることができた。以上の実験により、本
発明の方法の有効性を確認することができた。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法に従えば、電極の外部に、
広い質量範囲とエネルギー範囲に亘る荷電粒子を高密度
に捕獲できる。また、中心からの距離に応じて捕獲した
粒子が質量順に配列するという特長もある。従って、本
発明の方法及び装置は、捕獲した粒子を種とする微結晶
の成長、捕獲粒子同士や捕獲粒子と反応性ガスとの反応
のような空間中に隔離した状態での材料処理など目的に
供すると著しい効果が得られる。
広い質量範囲とエネルギー範囲に亘る荷電粒子を高密度
に捕獲できる。また、中心からの距離に応じて捕獲した
粒子が質量順に配列するという特長もある。従って、本
発明の方法及び装置は、捕獲した粒子を種とする微結晶
の成長、捕獲粒子同士や捕獲粒子と反応性ガスとの反応
のような空間中に隔離した状態での材料処理など目的に
供すると著しい効果が得られる。
【図1】単一の中心電極を用いる場合の本発明の原理的
な構成を表す図である。
な構成を表す図である。
【図2】4本の要素電極より成る中心電極を用いる場合
の本発明の原理的な構成を表す図である。
の本発明の原理的な構成を表す図である。
【図3】単一の中心電極を用いた本発明の方法により安
定に荷電粒子を捕獲できる範囲を表す図である。
定に荷電粒子を捕獲できる範囲を表す図である。
【図4】2本の要素電極より成る中心電極を用いた本発
明の方法により安定に荷電粒子を捕獲できる範囲を表す
図である。
明の方法により安定に荷電粒子を捕獲できる範囲を表す
図である。
【図5】4本の要素電極より成る中心電極を用いた本発
明の方法により安定に荷電粒子を捕獲できる範囲を表す
図である。
明の方法により安定に荷電粒子を捕獲できる範囲を表す
図である。
【図6】6本の要素電極より成る中心電極を用いた本発
明の方法により安定に荷電粒子を捕獲できる範囲を表す
図である。
明の方法により安定に荷電粒子を捕獲できる範囲を表す
図である。
【図7】本発明の具体的な実験例の電極構成を表す図で
ある。
ある。
【図8】従来の方法を表す図である。図3〜図6で、縦
軸は平衡位置で規格化した中心軸からの距離、横軸は直
流電界に対する交流電界の強さを表す無次元パラメータ
kである。
軸は平衡位置で規格化した中心軸からの距離、横軸は直
流電界に対する交流電界の強さを表す無次元パラメータ
kである。
1 中心電極 11〜14 中心電極を構成する要素電極 2 交流電源 3 直流電源 4 荷電粒子 5 外部電極 6 交流電源を構成するトランス 7 引き出し電極、 8 チャネルプレート 9 電子ビーム蒸発源 20 蒸発材料 21 イオン制御電極 22 シャッター 31〜34 従来方法で用いられる捕獲電極 35、36 従来方法で用いられる回転双曲面状の捕獲
電極 37 従来方法で用いられる内面が回転双曲面のリング
状の捕獲電極 38 従来方法で用いられる磁石 39 従来方法で用いられる磁界
電極 37 従来方法で用いられる内面が回転双曲面のリング
状の捕獲電極 38 従来方法で用いられる磁石 39 従来方法で用いられる磁界
Claims (5)
- 【請求項1】 中心電極を取り囲むように該中心電極の
回りに存在する荷電粒子に対し該中心電極に向かう方向
の引力を及ぼす直流電界に、該荷電粒子に対し該荷電粒
子を該中心電極から遠ざける方向に斥力を及ぼすため、
該中心電極からの距離の増大と共に強度が減少する交流
電界を重畳させることを特徴とする荷電粒子の捕獲方
法。 - 【請求項2】 中心電極からの距離に対する減衰特性
が、上記の交流電界と直流電界で異なることを特徴とす
る請求項1に記載の荷電粒子の捕獲方法。 - 【請求項3】 少なくとも一つの中心電極と; 該中心電極に接続され、該中心電極を取り囲むように該
中心電極の回りに存在する荷電粒子を該中心電極から遠
ざける方向への斥力を発生するために、該中心電極から
の距離の増大と共に強度が減少する交流電界を発生する
交流電源と; 上記中心電極を取り囲むように該中心電極の回りに存在
する上記荷電粒子を該中心電極に向けて引き付ける引力
を発生するために該交流電源に直流バイアスを与える直
流電源と; を有して成る 荷電粒子の捕獲装置。 - 【請求項4】 上記の中心電極が中心軸の回りに対称的
に配置された偶数本の要素電極からなり、上記の交流電
源が前記の要素電極に交互に位相の反転した交流電圧を
供給するように接続されることを特徴とする請求項3に
記載の荷電粒子の捕獲装置。 - 【請求項5】 上記の偶数本の要素電極の本数が、4本
であることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子の捕
獲装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3086120A JPH0774838B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | 荷電粒子の捕獲方法及び装置 |
| US07/846,163 US5469323A (en) | 1991-03-26 | 1992-03-05 | Method and apparatus for trapping charged particles |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3086120A JPH0774838B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | 荷電粒子の捕獲方法及び装置 |
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