JPH0775248A - 限流素子 - Google Patents

限流素子

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JPH0775248A
JPH0775248A JP5216626A JP21662693A JPH0775248A JP H0775248 A JPH0775248 A JP H0775248A JP 5216626 A JP5216626 A JP 5216626A JP 21662693 A JP21662693 A JP 21662693A JP H0775248 A JPH0775248 A JP H0775248A
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JP
Japan
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oxide superconductor
current limiting
current
layer
limiting element
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JP5216626A
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English (en)
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Hiroyuki Fukuya
浩之 福家
Mutsuki Yamazaki
六月 山崎
Hisashi Yoshino
久士 芳野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 系統短絡時(クエンチ時)の抵抗を低下させ
ることなく、かつ正常時の電流値を小さくすることな
く、短絡時における酸化物超電導体膜のクエンチを速か
に伝搬させることを可能にすることによって、酸化物超
電導体膜の溶断を防止すると共に、正常時の電流値が大
きく、かつ短い素子長で安定かつ十分な限流動作を発揮
させることを実現した限流素子を提供する。 【構成】 基体11上に形成された酸化物超電導体層1
2を用いた限流素子であって、酸化物超電導体層12上
に、熱伝導率が酸化物超電導体の熱伝導率より大きく、
かつ抵抗値が酸化物超電導体の常伝導状態における抵抗
値より大きい物質の層14を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導体を用い
た限流素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統において短絡事故が発生する
と、過大な短絡電流が系統に流れ、電気機器や配線等に
電磁力による機械的損傷や熱的損傷を与える危険性があ
る。限流素子は、このような短絡事故時に生じる短絡電
流を抑制(限流)し、電気機器や配線等を損傷から保護
するものである。
【0003】このような限流素子として、近年、超電導
体を用いたものが開発され、実用化に向けて研究が進め
られている。これは、超電導状態の超電導体中を流れる
電流が臨界電流値と呼ばれる値を超すと、超電導状態か
ら常伝導状態へ転移(クエンチ)し、抵抗が発生するこ
とを利用したものである。すなわち、電力系統が正常な
ときには、限流素子(超電導体)には臨界電流値以下の
電流がほとんどロスなしで流れ、系統短絡時に電流が臨
界電流値を超えると同時に、限流素子に抵抗が発生して
電流を抑制するように構成されている。
【0004】また最近では、限流素子に用いる超電導体
として、臨界温度が高く、冷却コストの低減が可能な酸
化物超電導体が注目されている。特に、酸化物超電導体
の中でも、臨界電流密度等の超電導特性に優れた酸化物
超電導体薄膜を用いた限流素子の開発が盛んに行われて
いる。これは、以下に示すような理由に基くものであ
る。すなわち、超電導体がクエンチした際に発生する抵
抗は、短絡電流を抑制するのに十分な値でなくてはなら
ない。従って、断面積を小さくすると共に、長さを長く
する必要がある。酸化物超電導体膜は、臨界電流密度が
大きいために、断面積が小さくても大きな電流を流せる
ことから、正常時の電流値とクエンチ時(短絡時)の抵
抗を共に大きくすることができる。
【0005】ところで、超電導体がクエンチする場合に
は、全体が同時にクエンチするのではなく、局所的にク
エンチが発生し、これが周囲に伝搬して全体がクエンチ
する。ここで、酸化物超電導体は、熱伝導率が小さく、
クエンチが伝搬しにくいという難点を有している。この
ため、大きい酸化物超電導体膜を限流素子に用いた場
合、全体にクエンチが伝搬して、限流動作に必要な抵抗
値が発生する前に、局所的な常伝導部分の発熱により酸
化物超電導体が溶断してしまう危険性がある。
【0006】このようなことから、例えば「林他、平成
4年電気学会、電力・エネルギー部門大会、No,422」に
示されているように、低抵抗で高熱伝導率の金属である
銀等の膜を酸化物超電導体膜上に形成し、局所的に常伝
導に転移した部分の電流を銀の膜へ分流させると共に、
発生した熱を速かに放熱させることで、溶断を防止する
方法が採られている。図7は、このような対策が施され
た従来の限流素子を示しており、例えば SrTiO3 の単結
晶基体1上に、表面が銀の膜で覆われたミアンダ状の酸
化物超電導体膜2が形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような酸化物超電導体膜上に銀等の低抵抗金属膜を形
成して構成した限流素子においては、素子形状が同じで
あれば常伝導状態(系統短絡時)における素子の抵抗
が、酸化物超電導体膜のみの場合よりはるかに小さくな
り、短絡電流を十分に抑制することができなくなるとい
う問題があった。これに対して、常伝導状態の抵抗を大
きくするためには、素子断面積を小さくしたり、素子長
を長くする等の対策が考えられるが、素子断面積を小さ
くすると、正常時の電流値が小さくなってしまうという
問題が発生する。また、正常時の電流値を減らすことな
く、すなわち素子の断面積を小さくすることなく、限流
動作に必要な抵抗値を得るために、図7に示すように、
ミアンダ構造等を採用して素子の長さを長くすると、高
熱伝導率の銀の膜等を形成していたとしても、素子が長
くなっただけクエンチの伝搬にも時間がかかることにな
り、酸化物超電導体膜の溶断の危険性が増大してしま
う。
【0008】また、超電導特性に優れた酸化物超電導体
膜を形成しやすい SrTiO3 等の単結晶基体は、大型化が
困難であることから、限られた基体の範囲内で限流素子
を形成する場合に、素子長を長くしようとすれば素子幅
が狭くなり、正常時の電流を大きくすることができなく
なる等の問題を招いてしまう。さらに、基体の大きさに
制限がないとしても、素子長が長くなれば、それだけ限
流素子が大型化してしまう。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、系統短絡時(クエンチ時)の抵抗を
低下させることなく、かつ正常時の電流値を小さくする
ことなく、短絡時における酸化物超電導体膜のクエンチ
を速かに伝搬させることを可能にすることによって、酸
化物超電導体膜の溶断を防止すると共に、正常時の電流
値が大きく、かつ短い素子長で安定かつ十分な限流動作
を発揮させることを実現にした限流素子を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の限流素子は、基
体上に形成された酸化物超電導体層を用いた限流素子に
おいて、前記酸化物超電導体層上に、熱伝導率が前記酸
化物超電導体の熱伝導率より大きく、かつ抵抗値が前記
酸化物超電導体の常伝導状態における抵抗値より大きい
物質の層が設けられていることを特徴としている。
【0011】本発明の限流素子を構成する酸化物超電導
体としては、超電導状態を実現し得るものであれば種々
のものを使用することができ、例えば希土類元素含有の
ペロブスカイト型構造を有する酸化物超電導体、Bi系、
Tl系、Pb系等の各種の酸化物超電導体を挙げることがで
きる。
【0012】上記希土類元素含有のペロブスカイト型構
造を有する酸化物超電導体としては、超電導状態を実現
できるものであればよく、例えばRE M2 Cu3 O 7-d
(REはY、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u等の希土類元素から選ばれる少なくとも 1種の元素
を、M はBa、SrおよびCaから選ばれる少なくとも 1種の
元素を示し、 dは酸素欠陥を表し通常 1以下の数、Cuの
一部はTi、V 、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn等で置換可能)
の酸化物等が例示される。なお、希土類は広義の定義と
し、Sc、 YおよびLa系を含むものとする。
【0013】また、Bi系の酸化物超電導体としては、 化学式:Bi2 Sr2 Ca2 Cu3 Ox ……(1) :Bi2 (Sr,Ca) 3 Cu2 Ox ……(2) (式中、Biの一部はPb等で置換可能)等で表されるもの
が例示され、またTl系の酸化物超電導体としては、 化学式:Tl2 Ba2 Ca2 Cu3 Ox ……(3) :Tl2 (Ba,Ca) 3 Cu2 Ox ……(4) 等で表されるものが例示される。
【0014】本発明においては、上述しような酸化物超
電導体を基体上に層状形成して使用する。酸化物超電導
体層の形成方法としては、特に限定されるものではな
く、レーザーアブレーション法、蒸着法、スパッタ法、
CVD法等の各種薄膜形成法を適用することが可能であ
る。酸化物超電導体層を形成する基体としては、酸化物
超電導体との反応性が少なく、かつ抵抗値が高いもので
あれば種々の材質からなるものを使用することができ
る。中でも、 SrTiO3 、 Y安定化 ZrO2 、 NdGaO3、La
GaO3 、 LaAlO3 、 LaSrGaO3 等の酸化物超電導体と格
子定数が近い材料の使用が好ましい。また、Ag、Au、ハ
ステロイ等の金属基体上に、バッファ層として上記材料
層を形成した複合基体でもよい。また、酸化物超電導体
層の厚さは、その臨界電流密度や限流素子の使用用途等
により異なるものの、実用的には 0.1〜 5μm 程度とす
ることが好ましい。
【0015】そして、本発明の限流素子は、上述したよ
うな酸化物超電導体層上に、熱伝導率が酸化物超電導体
の熱伝導率より大きく、かつ抵抗値が酸化物超電導体の
常伝導状態における抵抗値より大きい物質の層を、熱伝
達層として設けたものである。上記熱伝達層の構成材料
は、上記条件を満足するものであれば特に限定されるも
のではなく、例えば TiN、 AlN、 SiC、BN、ダイヤモン
ド、 SrTiO3 、 MgO、Y2 O 3 等が例示される。
【0016】このような熱伝達層の厚さは、酸化物超電
導体のクエンチ時における熱を十分に伝達し得る程度に
設定されていれば基本的にはよいが、以下に示す理由か
ら厚くする方が好ましい。すなわち、限流動作中に発生
した熱は、酸化物超電導体層上に積層した物質に伝達さ
れ、例えば液体窒素中に放熱されようとする。しかし、
発熱が急激であるため、素子表面では膜沸騰が起こり、
液体窒素中へは熱がほとんど放熱されず、素子は断熱状
態となる。熱伝達層を厚くすれば、素子全体の熱容量が
大きくなり、素子の温度上昇が抑制される。一方、熱伝
達層が薄いと、熱容量が小さく、素子温度が異常に上昇
して破壊を招くおそれがある。なお、酸化物超電導体層
上に形成する層として、銀等の低抵抗の金属膜を用いた
場合に、低抵抗金属膜を厚くすると、素子の抵抗が小さ
くなり、十分な限流動作が期待できなくなるが、本発明
のように、高抵抗の物質を積層形成する場合には、その
厚さを厚くしても、素子の抵抗が小さくなってしまうこ
とはない。このように、高抵抗物質を熱伝達層として厚
く積層すると、素子の破壊を防ぐのに十分な熱容量と、
限流動作に十分な素子抵抗を得ることができる。この熱
伝達層の厚さは、熱伝達層構成材料の熱伝導率や熱容量
等によっても異なるが、実用的には 0.1μm以上、さら
には 0.5〜10μm 程度とすることが好ましい。なお、上
記熱伝達層は、酸化物超電導体層の保護膜としても機能
する。
【0017】上述した熱伝達層の形成方法は、特に限定
されるものではなく、前述した酸化物超電導体層の形成
方法と同様な方法を適用することができる。ただし、こ
れら酸化物超電導体層と熱伝達層とは、大気等に晒すこ
となく連続して形成することが好ましく、これにより層
間の熱抵抗をより小さくすることができる。
【0018】また、本発明の限流素子においては、素子
を構成する物質の熱膨張係数も重要であり、基体、酸化
物超電導体層、熱伝達層の熱膨張係数が近似するよう
に、材料選択することが好ましい。限流素子の温度は、
正常時には例えば液体窒素温度(77K) 程度の極低温とな
っているが、限流動作時には例えば数100Kにも達する。
このような激しい温度変化が生じた場合に、素子の構成
物質の熱膨張係数が大幅に異なっていると歪が発生し、
素子の破壊を招くおそれがある。酸化物超電導体の熱膨
張係数は約10×10-6であるから、これに近い値を持つ基
体や熱伝達層を用いれば、素子温度が数100K程度変化し
ても歪は発生せず、素子の破壊を防止することができ
る。
【0019】さらに、素子がとり得る温度範囲内に基体
が結晶相転移する温度がある場合、その温度の前後で基
体が大きく歪み損傷しやすくなる。従って、素子がとり
得る温度範囲内で相転移しない材料を基体とすることが
好ましい。
【0020】
【作用】本発明の限流素子においては、酸化物超電導体
層上に、熱伝導率が酸化物超電導体の熱伝導率より大き
く、かつ抵抗値が酸化物超電導体の常伝導状態における
抵抗値より大きい物質の層を設けているため、クエンチ
時(短絡時)の抵抗を減少させることなく、局所的に発
生したクエンチを速かに酸化物超電導体層全体に伝搬さ
せることができる。よって、酸化物超電導体層の溶断を
防止できると共に、酸化物超電導体層の断面積を大きく
し、かつ素子長を短くした状態で、限流素子の限流動作
時の抵抗値を大きくすることができる。このように、本
発明の限流素子は、正常時の電流値を大きくできると共
に、系統短絡時に酸化物超電導体層の溶断を招くことな
く、十分な限流動作が実現可能な抵抗を発生させること
が可能となる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の限流素子の実施例について図
面を参照して説明する。
【0022】実施例1 この実施例における限流素子の製造工程を、図1および
図2を参照して述べる。なお、図1は限流素子の製造工
程を示す平面図であり、図2はその断面図である。ま
ず、図1(a)および図2(a)に示すように、直径30
mm、厚さ 1mmの SrTiO3 (100) 単結晶基体11上に、 Y
Ba2 Cu3 O y で表される酸化物超電導体層12をCVD
法により成膜した。酸化物超電導体層12の膜厚は 0.4
μm である。次いで、エッチング処理によって、図1
(b)および図2(b)に示すように、酸化物超電導体
層12を幅10mmの帯状にパターニングした。
【0023】次に、図1(c)および図2(c)に示す
ように、帯状の酸化物超電導体層12の両端に、蒸着法
により銀を積層して電極13aを形成した。なお、図中
13bは、モニター用の電極(電圧端子)であり、電極
13aと同様に、銀の蒸着により形成したものである。
これら電極13a、13b用の銀の厚さは 0.1μm であ
る。なお、モニター用電極13bは、実使用にあたって
は設ける必要がない場合もある。
【0024】このような構造の酸化物超電導体膜を 7枚
用意し、それぞれ酸素雰囲気中にて400℃で 2時間熱処
理した後、第1の素子の酸化物超電導体層12上(具体
的には電極13b間)には熱伝導層14として AlN膜
を、第2の素子の酸化物超電導体層12上には熱伝導層
14として SiC膜を、第3の素子の酸化物超電導体層1
2上には熱伝導層14としてBN膜を、第4の素子の酸化
物超電導体層12上には熱伝導層14としてダイヤモン
ド膜を、第5の素子の酸化物超電導体層12上には熱伝
導層14として SrTiO3 膜を、第6の素子の酸化物超電
導体層12上には熱伝導層14として MgO膜を、第7の
素子の酸化物超電導体層12上には熱伝導層14として
Y2 O 3 膜を、それぞれ厚さ 5μm となるように積層形
成し、それぞれ目的とする限流素子15を得た。
【0025】このようにして得た各限流素子15は、い
ずれも液体窒素温度で 40Aの電流を流すことができた。
また、これら各限流素子15を図3に示す試験回路に接
続し、50Hz、100V(実効値)の交流電圧を印加して、限
流特性を調べた。なお、図3において、21は液体窒素
容器であり、この液体窒素容器21内に限流素子15が
配置されている。限流素子15には、スイッチ22、抵
抗23、電流モニター用抵抗24を介して、交流電圧2
5が接続されている。
【0026】上記試験回路による限流特性の測定結果を
図4に示す。図4から明らかなように、限流素子がない
場合にはピーク値で 1400Aの短絡電流が流れる(図中、
曲線Aで示す)ところを、曲線Bで示すように、いずれ
の素子も電流ピーク値を 60Aに抑制しており、優れた限
流特性が得られることを確認した。
【0027】比較例1 実施例1と同様な方法で、幅10mmの帯状の酸化物超電導
体層を形成した後、この酸化物超電導体層上に銀を蒸着
法で 0.2μm の厚さとなるように積層形成した。この
後、これを酸素雰囲気中にて 400℃で 2時間熱処理し
た。この限流素子は、液体窒素温度で 40Aの電流を流す
ことができた。
【0028】上記限流素子を実施例1と同様な試験回路
に接続し、限流特性を調べたところ、電流ピーク値は20
0A(図4中の曲線Cで示す)にもなり、十分な限流特性
が得られなかった。
【0029】比較例2 実施例1と同様な方法で、直径30mm、厚さ 1mmの SrTiO
3 (100) 単結晶基体上に形成した酸化物超電導体層(厚
さ:0.4μm)を、図5に示すように、幅 2mm、長さ 100mm
のミアンダ状にエッチング処理した。次に、このミアン
ダ状の酸化物超電導体層31上に、銀32を蒸着法で
0.2μm の厚さとなるように積層形成した。この後、こ
れを酸素雰囲気中にて 400℃で 2時間熱処理した。
【0030】この限流素子では、限流動作は確認できた
ものの、液体窒素温度で8Aの電流しか流すことができ
ず、実施例1の電流値の 1/4の低い値にとどまった。
【0031】実施例2 実施例1と同様な方法で、図6に示すように、直径30m
m、厚さ 1mmの SrTiO3(100) 単結晶基体上11に、幅10
mmのドーナツ形状の酸化物超電導体層41(厚さ:0.4μ
m)を形成した。なお、このドーナツ形状の酸化物超電導
体層41は、一部に径方向の切り欠き部41aが設けら
れている。
【0032】次に、切り欠き部41aを有するドーナツ
形状の酸化物超電導体層41の両端に、電極13a、1
3bを蒸着法により銀を積層して形成した。これを酸素
雰囲気中にて 400℃で 2時間熱処理した後、酸化物超電
導体層41上に熱伝導層14として厚さ 0.5μm の TiN
膜をスパッタ法で積層形成した。なお、 TiN層の電気抵
抗は、酸化物超電導体層41の電気抵抗より僅かに大き
いだけであるため、素子形状をこのようなドーナツ状に
し、平均素子長を40mmとした。
【0033】また通電部分を、例えばこのようなドーナ
ツ状にし、酸化物超電導体の幅を一定に保つことで、通
電方向に垂直方向の断面積が全ての部分で同一となり、
ミアンダ構造を採った場合等で見られるように、通電部
分の折れ曲り部分で断面積が変ってしまうといったこと
がなくなる。従って、臨界電流等の超電導特性が素子全
体で均一になり、より優れた限流素子を得ることができ
る。
【0034】この限流素子は、液体窒素温度で 40Aの電
流を流すことができた。また、この限流素子を実施例1
と同様な試験回路に接続し、同様に限流特性を調べたと
ころ、実施例1の各素子と同様に、限流素子がない場合
にはピーク値で 1400Aの短絡電流が流れるところを、電
流ピーク値を 50Aに抑制することができた。
【0035】比較例3 実施例2と同様な方法で、幅10mmのドーナツ形状の酸化
物超電導体層を形成した後、この酸化物超電導体層上に
銀を蒸着法で 0.2μm の厚さとなるように積層形成し
た。この後、これを酸素雰囲気中にて 400℃で 2時間熱
処理した。この限流素子は、液体窒素温度で 40Aの電流
を流すことができた。
【0036】上記限流素子の限流特性を実施例2と同様
な方法で調べたところ、電流ピーク値は150Aにもなり、
十分な限流特性が得られなかった。
【0037】なお、実施例2のような形状は、保護膜1
4を用いない場合でも優れた限流特性を得ることができ
る。以下に、その例について説明する。
【0038】実施例3 実施例2と同様な方法で、直径30mm、厚さ 1mmの SrTiO
3 (100) 単結晶基体上に、幅10mmのドーナツ形状の酸化
物超電導体層(厚さ:0.4μm)を形成した(形状は図6と
同様)。なお、このドーナツ形状の酸化物超電導体層
は、一部に径方向の切り欠き部が設けられている。
【0039】次に、切り欠き部を有するドーナツ形状の
酸化物超電導体層の両端に、図6と同様に電極を蒸着法
により銀を積層して形成した。この後、これを酸素雰囲
気中にて 400℃で 2時間熱処理し、目的とする限流素子
を得た。
【0040】このようにして得た限流素子は、液体窒素
温度で 40Aの電流を流すことができた。また、この限流
素子を実施例1と同様な試験回路に接続し、同様に限流
特性を調べたところ、限流素子がない場合にはピーク値
で 1000Aの短絡電流が流れるところを、電流ピーク値を
45Aに抑制することができた。
【0041】このように、ドーナツ形状の酸化物超電導
体層を有する限流素子は、保護膜を形成しない場合にお
いても優れた限流特性が得られる。その要因は、以下に
示す通りである。
【0042】(1) 通電部分を、例えば上記実施例4の
ようなドーナツ状にし、超電導体の幅を一定に保つこと
で、通電方向に垂直方向の断面積は全ての部分で同一と
なり、ミアンダ構造を採った場合等で見られるように、
通電部分の折れ曲り部分で断面積が変ってしまうといっ
たことがなくなる。従って、臨界電流等の超電導特性が
素子全体で均一になり、クエンチが伝搬しやすくなっ
て、優れた限流素子を得ることができる。
【0043】(2) 通電部分が環状であるために、電流
が流れているとき、素子中央部には磁界が発生してい
る。この磁界によって、環状に流れる電流は外向きの力
を受ける。定常時の通電電流値は小さいために発生磁界
は小さく、電流が受ける力も小さい。従って、電流は素
子全体をほぼ均一に流れている。しかし、短絡事故時に
通電電流が増加すると、発生磁界が大きくなり、電流は
外向きの大きな力を受ける。その結果、電流は限流素子
の外側に集中し、そこでの電流密度が急激に増加して、
クエンチしやすくなる。
【0044】このように、通電部分を環状にすることで
クエンチしやすくなり、保護膜を形成しない場合におい
ても、優れた限流特性を得ることができる。
【0045】比較例4 実施例1と同様な方法で、幅10mmの帯状の酸化物超電導
体層を形成した後、図1(c)と同様に、この酸化物超
電導体層の上に電極(13a、13b)を蒸着法により
銀を積層して形成した。これを酸素雰囲気中にて、 400
℃で 2時間熱処理した。この限流素子は、液体窒素温度
で 40Aの電流を流すことができた。また、この限流素子
の限流特性を実施例3と同様な方法で調べたところ、基
体にクラックが入り、酸化物超電導体層は溶断してしま
い、限流素子は破壊された。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の限流素子
によれば、局所的に発生したクエンチを速かに伝搬する
ことができると共に、酸化物超電導体層の断面積を大き
くし、かつ素子長を短くした状態で、限流動作時の抵抗
値を大きくすることができる。よって、酸化物超電導体
層の溶断を防止した上で、正常時の電流値が大きく、系
統短絡時には十分な限流動作を発揮させることが可能な
限流素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による限流素子の製造工程
を示す平面図である。
【図2】 図1に示す限流素子の製造工程を断面図で示
す図である。
【図3】 本発明の実施例で使用した試験回路を示す図
である。
【図4】 本発明の一実施例による限流素子の限流特性
を従来例と比較して示す図である。
【図5】 本発明との比較として掲げた限流素子を示す
平面図である。
【図6】 本発明の他の実施例による限流素子を示す平
面図である。
【図7】 従来の限流素子を示す平面図である。
【符号の説明】
11…… SrTiO3 (100) 単結晶基体 12……酸化物超電導体層 13a、13b……電極 14……熱伝導層 15……限流素子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に形成された酸化物超電導体層を
    用いた限流素子において、 前記酸化物超電導体層上に、熱伝導率が前記酸化物超電
    導体の熱伝導率より大きく、かつ抵抗値が前記酸化物超
    電導体の常伝導状態における抵抗値より大きい物質の層
    が設けられていることを特徴とする限流素子。
JP5216626A 1993-08-31 1993-08-31 限流素子 Pending JPH0775248A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010232453A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 耐環境性が向上された超電導限流素子

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