JPH0775548B2 - ヒト成長ホルモン変異蛋白質をコードしているdna - Google Patents

ヒト成長ホルモン変異蛋白質をコードしているdna

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JPH0775548B2
JPH0775548B2 JP3324324A JP32432491A JPH0775548B2 JP H0775548 B2 JPH0775548 B2 JP H0775548B2 JP 3324324 A JP3324324 A JP 3324324A JP 32432491 A JP32432491 A JP 32432491A JP H0775548 B2 JPH0775548 B2 JP H0775548B2
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ペーター・ハー・ジーブルク
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ジェネンテク・インコーポレイテッド
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はヒトの成長ホルモンの変異蛋白質
の発見に基づくものであり、組替えDNA技術によるそ
のDNA配列およびそのDNA由来のアミノ酸配列の決
定に関するものである。本発明は更に、宿主微生物また
は細胞培養中でDNAを発現させることにより、有用な
量のこの変異蛋白質を生産するための手段および方法を
提供するものである。
【0002】ヒト成長ホルモンを含む多数のポリペプチ
ドを微生物により生産する手段および方法は、Goeddel
ら(U.S.S.N.55126、1979年7月5日出
願)により開示されている。この米国特許の対応出願で
ある英国特許出願公告第2055382号および欧州特
許出願公開第22242号が既に公開されている。
【0003】微生物宿主から各種の異種ポリペプチド類
を生産する方法では、その特定の所望の生成物を暗号化
しているDNA配列を同定することが必要であった。そ
れがわかると、合成的にあるいは組織由来のcDNAか
らその配列を形成することができ、これを発現ベクター
に作働し得る様に挿入し、これを使って宿主生物を形質
転換し、そのポリペプチドを生産することができる。過
去に於いて、比較的小さな蛋白質は、その全遺伝子を合
成することにより、それを生産することができた。この
最初の実例はヒトインシュリンであった(英国特許出願
公告第2007676号参照)。全て合成による遺伝子
を使用し、微生物学的発現によって生産するには大き過
ぎるポリペプチドについては、組織由来のmRNA転写
によってcDNAを得ていた。
【0004】いずれの場合に於いても、正しい順序で合
成を行なうため、あるいは適切なmRNA配列を単離す
るための正しい同種配列プローブを使用し得る様に、そ
のアミノ酸配列を知ることが必要である。ポリペプチド
配列がわからず、そのポリペプチドの出所(source)
に、配列を決めるに十分なだけのものを抽出し得るほど
の量のポリペプチドが含まれていない場合には問題であ
る。従って、遺伝子の発現される組織がわからない場
合、遺伝子の発現量が検出できる程でない場合、組織の
ごく僅かの細胞中で発現される場合には、微少のmRN
Aの単離に関する現在の技術水準から来るその他の種々
の制限により、従来用いられて来た方法は成功しない。
【0005】この様な状況下、組換えDNA技術に於け
る改良精製法が、所望の異種蛋白質を得るのに有用であ
ると考えられている。本発明は、そのままの状態では遺
伝子の生産物が検出可能な程、あるいは有意に単離し得
る程には生産されない場合に、配列を決めるに十分量の
遺伝子の単離を有利にするのに組換えDNA技術を使用
することができることを見い出したことに基づくもので
ある。
【0006】本発明は、ゲノムDNA由来のそのままの
(自生の)遺伝子バンクをプローブし、所望の遺伝子お
よびそれに付随する天然のイントロン配列を含有してい
るゲノム部分(section)を得る方法を提供するもので
ある。この断片を宿主細胞に導入すると、転写によって
忠実に相当するmRNA転写体が生産される。この様な
転写体は、もとの遺伝子には存在したであろうイントロ
ン配列に相当する配列を持っていない。というのは、そ
れは後転写過程の一部として切り取られてしまう(スプ
ライシング)からである。このmRNAからcDNAバン
クが調製され、そこから所望の蛋白質生成物を暗号化し
ている。cDNAを単離し、次いで自体既知の方法で、
これを発現ベクターに、作働し得る様に挿入する。DN
A配列に対する知識を後知恵的に利用することなく、全
ゲノムDNAから、所望のmRNAを、次いでそれか
ら、発現ベクターに使用するためのcDNAを生産する
方法は独特のものである。
【0007】この方法は、ヒト、哺乳動物またはその他
の真核性生物の遺伝子を含む染色体DNAの一部からm
RNAおよびそれからcDNAを得ることができる一般
的なものである。この方法は、遺伝子は単離できるが、
この遺伝子から導かれるmRNAは単離することができ
ない場合に有用である。これは、先に述べた理由で遺伝
子発現の生産物が検出できない時に起る。所望の遺伝子
を持った染色体DNAの小さな断片は、適当なDNA雑
種形成プローブによってゲノムライブラリーから単離す
ることができる。このDNAを、その遺伝子の効率的な
発現を保証する数多くの現在利用し得る技術の1つで、
適当な組織培養細胞の核に導入する。この遺伝子は転写
され、一次転写生成物は加工されてイントロン配列が除
去され、キャッピング(capping)とポリアデニル化が
起り、最終転写生成物たるmRNAが蛋白質合成のため
の型板として細胞質中に現れる。従って、この様な細胞
からのポリアデニル化されたmRNAから誘導されるcD
NAバンクは、所望の遺伝子から導かれるクローンされ
たcDNAを含んでおり、このcDNAを標準的な方法
で、微生物学的発現用に加工することができる。
【0008】細胞の核に外来遺伝子を挿入する方法は既
にいくつか知られている(マイクロ注射、遺伝子マーカ
ーおよび動物ウイルスのゲノムから導かれる真核性ベク
ターを使った同時形質転換)。導入された遺伝子の効率
的な発現がみられたのは極く僅かである。この様な性質
を持った1つの系は、細胞中に導入されたSV40複製
起源を含有しているDNAが高いコピー数で複製する様
に、その染色体中にSV40T抗原遺伝子を持っている
COS細胞である。この起源に物理的に結合したDNA
の効率的な発現は、SV40遅発(late)プロモーター
機能を利用することによって可能である。
【0009】本発明のこの様子は、以下のチャートによ
って示すことができる。
【化3】 遺伝子バンク ↓ 特異プローブ 染色体遺伝子 ↓ COS細胞および大腸菌用のシャトルベクターへのクローン COS細胞用遺伝子発現ベクター ↓ COS細胞にトランスフェクト ↓ COS細胞からmRNAの単離 ↓ cDNAをクローン cDNAバンク ↓ 特異プローブ 染色体遺伝子から導かれたクローンcDNA
【0010】本発明は更に、ヒト成長ホルモンの変異体
の発見に基づくものである。詳しくは、HGH変異蛋白
質を暗号化しており、4個の介在配列を含んでいる代表
的な遺伝子がヒトゲノムライブラリーから単離された。
この蛋白質を生産する組織は知られていない:事実、H
GH変異(HGH−V)蛋白質が存在することは、これ
まで報告されていない。この蛋白質を組換えDNA技術
によって生産するには、この遺伝子のmRNAの、クロ
ーンしたcDNAコピーを得ることが必要である。上記
の方法により、所望のmRNA(cDNA合成のための出
発物質)を生産するのに組織培養系を用いた。SV40
複製起源および遅発プロモーター機能を持った細菌ベク
ター(プラスミドpML)にこの遺伝子をクローンす
る。この組み立てでHGH−V遺伝子がSV40プロモ
ーターと連結し、正しい鎖の転写が保証される。細菌培
養から十分な量のこのDNAを得た後、これを使ってC
OSをトランスフェクトする。トランスフェクトされた
細胞中でのHGH−V遺伝子の発現をRNA分析および
RIAによってモニターする。細胞を感染させてから約
5日後にRNAを抽出し、ポリアデニル化RNAを調製
する。2本鎖cDNAを合成し、標準的な方法で、トラ
ンスフェクトしたCOS細胞cDNAのクローン化バン
クを確立する。このバンクを適当な核酸プローブを用い
てプローブし、HGH変異体mRNAから導かれるクロ
ーンcDNAを持ったコロニーを検出する。DNA配列
を分析することによって、クローンされたHGH−Vc
DNAがイントロン配列を失なっているか(これはCO
S細胞中で一次遺伝子転写体が正しくスプライシング
「よりつなぎ」されたことを示す)どうかを調べる。ク
ローンcDNAから出発する、HGH変異蛋白質のため
の細菌発現ベクターの組み立てには、標準的技術を使
う。
【0011】本発明はmRNAの単離法およびあらゆる
意味での一連のHGH変異体に関するものであって、本
発明の一般概念の範囲に包含される本明細書に詳細に開
示された特定の態様に限定されるものと解釈してはなら
ない。この変異体類は、特に下垂体機能低下小人症の治
療に有用であることが知られているヒト成長ホルモン
(HGH)の変種であるので、これらの物質がHGH自
体が関与している一般的な蛋白同化過程および他の代謝
活性に関係していることは疑いない。従って、これらは
HGHに帰因する一般的な蛋白同化およびその他の代謝
活性の領域内での活性を惹起するのに有用であろうし、
HGHと共通する部分以外の異なった活性を持っている
ことが判明するかもしれない。
【0012】本発明の好ましい態様について以下に述べ
る。 A.微生物/細胞培養 1.細菌株/プロモーター ここに記載の研究は微生物E.coli(大腸菌)K−12
株294(end A,thi-,hsr-,khsm+)を使って行なっ
た。この株はAmerican Type Culture Collectionに
寄託されており、ATCCNo.31446で入手可能で
ある。しかし、その他の種々の微生物も使用することが
できる。例えば既知のE.coli株、例えばE.coli B、
E.coli×1776(ATCCNo.31537)および
認可された微生物寄託機関(例えばAmerican Type C
ulture Collection(ATCC))に寄託されており、
そこから入手し得るその他の微生物株(ATCCカタロ
グ参照)などが利用できる。これらのその他の微生物に
は、例えばバチルス(Bacillus)、例えばBacillus s
ubtilisおよびその他の腸内細菌、例えばSalmonellaty
phimuriumおよびSerratia marcesansなどが含まれ、こ
れらは、そこで複製することができ、かつ異種遺伝子配
列を発現し得るプラスミドを用いる。
【0013】異種ポリペプチドの微生物生産を開始、維
持するのに、実際例として、ベーターラクタマーゼおよ
びラクトースプロモーター系が好適に使用されて来た。
最近、トリプトファンオペロンに基づく系、いわゆるtr
pプロモーター系が開発された。その他の多数のプロモ
ーター系が発見、利用されており、当業者がそれらをプ
ラスミドベクター中に機能的に結合させるのに必要なそ
のヌクレオチド配列に関する詳しい情報が知られてい
る。
【0014】2.酵母株/酵母プロモーター 本発明の発現系は、E.coliおよび酵母、Saccharomyce
s cerevisiaeの両方で選択および複製が可能なプラスミ
ドを使用してもよい。有用な株の1つは、前記ATCC
に、ATCCNo.44076で寄託されているRH21
8株である。しかし、あらゆるSaccharomyces cerevis
iae株も使用し得ることがわかるであろう。
【0015】非酵母遺伝子の5'側におかれた酵母遺伝
子由来の5'−末端側(flanking)DNA配列(プロモ
ーター)は、酵母を形質転換するのに使用されるプラス
ミド中に置かれると、酵母中で外来遺伝子の発現を促進
することができる。プロモーターの他に、酵母中で非酵
母遺伝子を適切に発現させるためには、酵母中で適切な
転写終了およびポリアデニル化が可能な様に、プラスミ
ド上の非酵母遺伝子の3'末端に置かれた第2の酵母配
列が必要である。このプロモーターは、その他のものと
同様に、本発明で好適に使用することができる(下記参
照)。
【0016】酵母の5'−末端側配列(3'酵母終止DN
Aと共に)(下記)は、酵母中で外来遺伝子の発現を促
進する様に機能するので、あらゆる高発現の酵母遺伝子
の5'−末端側配列が、重要な遺伝子生産物の発現に使
用することができそうである。これらの遺伝子の3'−
末端側配列も、全て、この様な発現系で適切な終止およ
びmRNAポリアデニル化に使用することができる。
【0017】酵母プロモーターの多くはまた、転写コン
トロールを含んでおり、従ってそれらは、増殖条件の変
化によって作働したり停止したりする。この様な酵母プ
ロモーターの例は以下の蛋白質を生産する遺伝子であ
る:アルコール・デヒドロゲナーゼII、イソチトクロー
ムC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に関係する分解酵
素、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート・デヒドロ
ゲナーゼおよびマルトース並びにガラクトースの利用に
関係する酵素など。この様なコントロール領域は、蛋白
質生成物の発現をコントロールするのに、特にその生成
物が酵母にとって有害である場合に有用であろう。1つ
の5'−末端側配列のコントロール領域に、高発現遺伝
子からのプロモーターを含有する5'−末端側配列を置
くことも可能なはずである。こうすれば、ハイブリッド
(交雑)プロモーターになるであろうし、コントロール
領域とプロモーターとは物理的に異なるDNA配列であ
る様だから、これは可能なはずである。
【0018】3.細胞培養系/細胞培養ベクター 培養(組織培養)での増殖細胞の増殖は、最近の常套手
段となって来た。サルの腎臓の線維芽細胞のCOS−7
ラインは、動物のインターフェロン生産の為の宿主とな
り得る(1)。しかし、ここに記載する実験は、適合ベ
クターが複製および発現し得る全ゆるセルライン、例え
ばWI38、BHK、3T3、CHO、VEROおよび
HeLaセルライン中で行なうことができる。更に、発現
ベクターに要求されることは、必要なリボゾーム結合サ
イト、RNAスプライシングサイト、ポリアデニル化サ
イト、転写停止配列と共に、発現されるべき遺伝子の前
に位置するプロモーターおよび複製起源である。本明細
書では、SV40のこれらの必須要素が利用されている
が、これは好ましい態様の形で記載されているのであっ
て、本発明は、これらの配列に限定されるものではな
い。例えば、他のビールス(例えばポリオーマ、アデ
ノ、VSV、BPVなど)の複製起源も使用することが
でき、非統合状態(nonintegrated state)で機能し得
る細胞のDNA複製起源も使用できる。
【0019】B.ベクター系 発現させるための有用なベクターは、E.coli中で選択
するための選択マーカー(アンピシリン耐性)および
E.coliのDNA複製起源を持っているpBR322配列
からなっている。これらの配列はプラスミドpML−1
から導かれ(2)、EcoRIおよびBamHI制限サイト
にまたがる領域を包含している。SV40起源は、この
領域を含む342塩基対のPvuII−HindIIIフラグメン
ト(両端はEcoRI末端に変換されている)から誘導さ
れる。これらの配列は、ウイルスのDNA複製起源を含
む他、初期(early)および後期(late)転写単位の両
者のためのプロモーターを暗号化している。SV40起
源領域の位置は、後期転写単位の為のプロモーターがイ
ンターフェロンを暗号化している遺伝子の近くに位置し
ている関係にある。
【0020】以下に添付の図面について説明する。図1
は、HGH遺伝子系統群(family)のメンバーを含んで
いる3個のヒトのゲノムDNAフラグメントの機能編制
および制限地図を示している。図2、図3、図4、図5
は末端側(flanking)領域を持つ、2個のHGH遺伝子
および1個のHCS遺伝子のヌクレオチド配列を示して
いる。ヌクレオチド番号はHGH−N遺伝子配列を表わ
し、その番号はいづれも、最初の1桁がその相当するヌ
クレオチドの上に位置している。正の数のヌクレオチド
は推定キャップサイト(capsite)から始まっており、
負の数のヌクレオチドは5'末端側配列とする。負の数
のトリプレットはそれぞれの信号ペプチドを暗号化して
おり、正の数のものは成熟ペプチド用のコドンである。
真核性構造遺伝子の特徴であるTATAAAおよびAA
TAAA配列には下線を引いてある。2個のHGH遺伝
子の3'−末端側領域のヒトAlu系統群配列は、ヌクレ
オチドの上に線を引いて示した。このAlu系統群配列の
1端に相同のHCS遺伝子の短い領域には下線を引い
た。
【0021】図6は1個のHGH変異アミノ酸およびヌ
クレオチドの配列を示している。この蛋白質の一次構造
は、HGH−V遺伝子(図2〜5参照)中のエクソン
(構造配列)暗号部分だけから導かれたものである。H
GH−N遺伝子に対するヌクレオチド配列における違
い、およびHGH蛋白質配列(3)に対する違いを、そ
の変異配列の下に示した。HGHにおけるアミノ酸残基
9は、cDNA配列決定(4)で決定された様にプロリ
ンであってもロイシンであってもよい。
【0022】図7は、HGH変異蛋白質を暗号化してい
る遺伝子を担持している細胞培養発現ベクター、即ちp
SV−HGH−Vの組み立てを示している。以下に本発
明を詳細に説明する。
【0023】遺伝子の単離および特徴づけ バクテリオファージλ中のヒトのゲノムライブラリー
(genomic library)(5)を、クローンしたHGHcD
NA配列との系中でのプラーク・ハイブリジデーション
(雑種交雑法)(6)により、ヒトHGH遺伝子系統群
についてスクリーンした(4、7)。ヒトのゲノムDN
A(8)の類似の分析から期待された様に、このフラグ
メントは2.6、2.9または9.5kbの長さであった。
雑種形成フラグメントをプラスミドpBR325(9)
のEcoRIサイトにサブクローンし、3個(2.6、2.
6および2.9kb)を完全なDNA配列決定のために選
んだ。2個の小さい方のフラグメントとは異なったファ
ージ単離物(isolates)由来のものであり、異なった制
限地図を持っていた。
【0024】配列分析のために、この3個のゲノムDN
AフラグメントをプラスミドDNAから切り取り、ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動によって単離した。いくつ
かの特異なエンドヌクレアーゼに対する制限地図を常法
に従って作成し、図1に示した。決定した制限フラグメ
ントに相当する重複セグメントをファージM13mp7R
F−DNA(10)に挿入し、1本鎖組換えファージD
NAを、万能プライマー(10)として合成ヌクレオチ
ドを使用した酵素的配列反応(11)における鋳型とし
て使用した。
【0025】互いに整列しており、エクソン、イントロ
ンおよび非転写(末端側)領域に分割した3個のゲノム
DNAフラグメントの全ヌクレオチド配列を図2、図
3、図4、図5に示す。この分割は、HGHおよびHC
ScDNAの一次構造と比較することにより行なった
が、3つの配列が近似的に相同であることによって容易
に行なわれた。HGHmRNAの全ヌクレオチド配列
(5'−非翻訳領域の一部を除いて)は知られているが
(4,7)、HCSmRNAの配列は、その大部分が報告
されているだけである(12、13)。本発明を実施し
得る様にする為、以下に更に詳細に本発明を説明する。
【0026】ヒト染色体DNAを保有する約106組換
えλ4Aファージを20 150mmペトリ皿に置き、放
射活性で標識したクローンHGHcDNA(7)(比活
性>108cpm/μg、約106cpm/フィルター)でスク
リーンした(6)。このプローブの調製は記載された通
りである(8)。12のファージを分離し、ファージ精
製の為の2回のスクリーニングにかけ、E.coli株DP
50supF(ATCCNo.39061、1982年3月
5日寄託)中で増殖させ、記載された方法(14)で溶
解カルチャー(培養物)から調製した。各ファージDN
Aの一部(1μg)をエンドEcoRIで消化し、消化物
のサウザンブロット(Southern blots)(15)をク
ローンしたHGHcDNAプローブと交雑させた。交雑
フラグメントは9.5、2.9または2.6kbの長さであ
った。これらを、クロラムフェニコール感受性クローン
におけるコロニー雑種交雑法(16)におけると同じH
GHプローブを使って、プラスミドpBR325(9)
のEcoRIサイトにサブクローンした。2.6、2.6お
よび2.9kbの長さであって2個のHGH遺伝子および
1個のHCS遺伝子を含有している3個のサブクローン
したEcoRIフラグメントを、おおまかな制限分析にか
けた。対数増殖期にクロラムフェニコール(200μg
/ml)と共に増幅させた1Lの培養からプラスミドDN
Aを抽出した。DNAの抽出および澄明溶解質技術によ
る精製は記載されたもの(17)と基本的に同じであ
る。RNAase(10μg/ml)による消化およびアガロ
ースA50m上のクロマトグラフィーによりRNAを除
去した。プラスミドDNAをエンドEcoRIで完全に切
断し、クローンDNAフラグメントを6%ポリアクリル
アミドゲルから切り取って単離した。地図作成の為に、
ゲル−単離DNAフラグメントを以下の制限エンドヌク
レアーゼ(供給者BRL)の1種またはそれ以上で切断
した:BamHI、BgIII、PvuII、PstI、SmaIお
よびXbaI。通常、反応はDNA500mgおよび酵素2
Uを含んでいる20μlの10mMトリス塩酸、pH7.
5、0.1mM EDTA、7mM MgCl2、10mM
DTT中で行ない、37℃で1時間インキュベートし
た。消化物を、サイズ(寸法)マーカーとして、エンド
HinfまたはHaeIIIで切断したプラスミドpBR322
DNAと平行的に、6または8%ポリアクリルアミドゲ
ル上で分離した。ゲル中のDNAはエチジウムブロミド
染色とUV光によって目に見える様にした。
【0027】上に示した酵素認識サイトの正確な位置
は、最終的なDNA配列から得た(図2〜5参照)。エ
クソンの位置は、本明細書に記載した様にクローンした
cDNA配列との比較から決定した。2個のHGH遺伝
子の3'末端側領域の点刻した箱は、ヒトAlu系統群の
メンバーの位置を示している。矢印は3個のゲノムDN
Aフラグメントの95%以上を配列化するのに使った戦
法(strategy)を示している。重複が生じた配列は選択
したゲル−単離制限フラグメントの配列化によって確認
した。
【0028】図1において矢印で示した配列化戦法で、
上に示したDNA配列の95%以上が得られた。必要な
重複が生じ、不明確なゲルデータは、選択されたゲル分
離部分を配列化することにより解決した。プラスミド−
クローンし、ゲル−分離したゲノムEcoRIフラグメン
ト(300ng)を、地図作成に使用した1または2種の
制限エンドヌクレアーゼで切断した(図1の矢印も参
照)。反応条件は、ファージベクターに好適に挿入でき
る様に、デオキシリボヌクレオシドトリホスフェート
(それぞれ50μM)およびE.coliDNAポリメラー
ゼI大型フラグメント(0.5u、Boehringer Mannhe
im)を加えて鈍感末端(blunt-ended)DNA片を生成
させる他は、図1の説明に記載した通りであった。消化
したDNAをフェノール/クロロホルムで抽出し、エタ
ノールで沈澱させ、HincII−開裂ファージM13mp7
RF−DNA(10)に結合(リゲーション)させた。
リゲーション反応液(20μl)は20ngのRF−DN
A、100ngの消化したゲノムDNAフラグメントおよ
び50mMのトリス塩酸(pH8.00、0.1mM ED
TA、10mM MgCl2、10mM DTT、および5
00μMrATP)中の2UT4 DNAリガーゼ(Ne
w England Biolabs)を含んでいた。反応物を常温で
4時間インキュベートリスし、これを使ってE.coliを
形質転換した。形質転換混合物の植え付け、プラーク選
択、ファージの増殖および配列化の為の1本鎖DNA鋳
型の調製は記載されている(10)通りであった。重剰
性を避ける為に、完全な配列化の前にシングル・トラッ
ク・アナリシス(18)によって鋳型を選り分けた。選
択したDNA鋳型を、長さ15のヌクレオチド合成プラ
イマー(10)を使ってジデオキシヌクレオチド・ター
ミネーション法(11)によって配列化した。配列化反
応(5μl、300ngの鋳型DNA)を、10μlの98
%脱イオンホルムアミド、10mM EDTA、0.2%
ブロモフェノールブルーおよび0.2%キシレンシアノ
ール(cyanol)を加えて停止させた。停止させた反応混
合物を100℃で3分間加熱し、その1μlを40cmの
5%ポリアクリルアミド−8M尿素“thin”ゲル(1
9)上、30mA/1.8KVで2〜6時間電気泳動し
た。次いでゲルをワットマン3MM濾紙に移し、減圧乾
燥し、平均12時間X線フイルムに感光させた。
【0029】ゲノムフラグメント内の配列の機能および
編成 3つのフラグメント内の高度に相同性の配列の機能的編
成は、最初の全2,200塩基対が同一である。各フラ
グメントは、全ての現在知られている配列特性(後記)
についてはそのままであり、非転写配列の数百の塩基対
が遺伝子の末端側を構成している。各フラグメントの
5'−末端から約470塩基対に、真核性プロモーター
に特徴的なTATAAA配列がある(20)。エクソン
I(キャップサイト(頭側))の始まりは、この調整配
列から30ヌクレオチド下流のA残渣と仮に決められ
た。このキャップサイトの位置は、多くの真核性遺伝子
(21〜25)のそれとよく一致しており、3つのフラ
グメントの全てに存在するBamHIサイトに1ヌクレオ
チド先行している。各遺伝子は、最初の26個が信号ペ
プチドを構成している217アミノ酸の蛋白質を暗号化
する可能性を持っている。暗号部分は、サイズが260
塩基対(イントロンA)〜90塩基対(c)の小さいイ
ントロンにより、同じ位置で4回中断されている。全て
の介在配列は、報告されている他のスプライシング配列
(26)と同様、GTジヌクレオチドで始まりAGで終
わっている。
【0030】最初のエクソン(エクソンI)は、5'−
非翻訳配列の約60ヌクレオチド、信号ペプチドの最初
の3コドンおよび4番目のコドンの最初のヌクレオチド
を含んでいる。第2のエクソンは第4番目コドンの残り
の2個の塩基から始まるその信号ペプチドの暗号領域の
残り、および成熟蛋白質のための31コドンを含んでい
る。第3番目のエクソンは40個のトリプレット(32
〜71のアミノ酸)、第4番目のエクソンは55(72
〜126)、第5番目は65(127〜171)からな
っている。最後のエクソンは翻訳停止信号から約100
ヌクレオチド過ぎたところまで延びており、転写終了サ
イトと思われるところから約20塩基上流に、大抵のポ
リアデニル化mRNA(27)に共通のAATAAA配
列で特徴づけられている。
【0031】3'−末端側領域は、約100ヌクレオチ
ドがほぼ相同であり、この点で両方の2.6kbEcoRI
フラグメントの配列は2.6kbDNAと異なっている。
これらは、制限化ヒトDNAをプローブ(probe)する
のに使用した時のサウザン・ブロット(Southern blo
t)での強いしみによって明らかな様に、中央の繰り返
し配列(ヌクレオチド1732〜2005)のブロック
を含んでいる。コンセンサス配列(consensus sequenc
e)(28)と比較すると、これらの配列はDNAの複
製に於ける期限(origin)として機能すると思われる
(29)ヒトAlu系統群の長さ270塩基対のメンバー
であることがわかる。Alu系統群配列は、RNAポリメ
ラーゼIII(30)によって転写されることが知られて
おり、転写はHGH遺伝子のそれと反対の鎖から始まる
様に挿入される。この領域と、他のヒトの遺伝子におけ
る類似のそれとの比較は別に提供されている(31)。
【0032】2.6kbフラグメントの配列の残りは未知
の機能を持っている。2.9kbフラグメントの最後の7
00ヌクレオチドを構成している配列の機能も知られて
いない。ヒトのゲノムDNAをこれらの後者の配列でプ
ローブすると、それらは2.9および9.5kbゲノムEco
RIフラグメントには存在するが2.6kbフラグメント
には存在しないことがわかる。全ての3つの寸法級のE
coRIフラグメントは、全2.9kbDNAをプローブと
して使用すると、雑種形成を行なう。このことは、この
DNAに繰り返し配列がないことを示している。
【0033】遺伝子とその生産物 全ての3つの非対立遺伝子フラグメントは、プロモータ
ーおよびポリアデニル化信号が存在すること、正しいイ
ントロン−エクソン接合、および不完全な翻訳産物を生
じることとなるエクソンにおけるコドン異常(例えば脱
落、挿入、余分の終止コドン)が存在しないことから判
断される様に、機能遺伝子を含んでいる。発現により、
約1650塩基のhnRNAが産生し、これは、5'およ
び3'−非翻訳領域のそれぞれ60および100塩基を
含む800ヌクレオチド長さのmRNA(3'−ポリA尾
部は数えない)に加工され得る。これらのmRNAの一
次翻訳生産物は、26残渣のN−末端信号を含む217
アミノ酸の蛋白質である。
【0034】図2、図3、図4、図5における最初の配
列に含まれているエクソンがクローンしたHGHcDN
A(4、7)と同じヌクレオチドであるということは、
相当するゲノムフラグメントが、脳下垂体で発現される
ソマトトロピンを生産するヒト成長ホルモン遺伝子を含
んでいることを示している。このことは、同じ地図特性
を持った2.6kbEcoRIフラグメントにまたがる染色
体17の脱落に苦しむ個体では、HGHが産生されない
ことを見い出すことによって確認される。2つのBamH
Iサイトを含んでいる非対立遺伝子EcoRIフラグメン
トは、この脱落(削除)によって影響を受けず、この遺
伝子が存在しても成長を回復させることができない(3
2)。図5に示した様に、この遺伝子の蛋白質生成物は
preHGHと15アミノ酸だけ異なっている。この違い
の2つは信号ペプチド中にあり、保存的な性質のもので
ある。蛋白質の熟成した部分におけるアミノ酸の変化の
多くは非保存的であり、蛋白質の性質を著しく変えるも
のであると考えられることに注意すべきである。この様
な変化は18位(His→Arg)、21位(His→Ty
r)、65位(Gln→Val)、66位(Glu→Lys)、
112位(Asp→Arg)、113位(Leu→His)、1
26位(Gly→Trp)、140位(Lys→Asn)、およ
び149位(Asn→Lys)におこる。即ち、この蛋白質
は、HGHと比較して2個の酸性アミノ酸を失ない、3
個の塩基性アミノ酸を獲得している。従って、この変異
体の等電点は、HGHが5.5であるのに対して8.9と
増加している。
【0035】これらの変化の結果、HGH抗体(33)
に対する交差反応性(corss−reactivity)が20倍低
くなり、等電点が著しく高くなると思われる。不思議な
ことに、そのレセプター結合能はHGHに匹敵する様で
あり(33)、従ってこの変異体を、HGH作用の拮抗
的阻害物質にしている。後者の結果は、SV40発現系
を使用して変異体遺伝子から生産された蛋白質を特徴づ
けることにより得られた。この遺伝子の転写は、主とし
てウイルスプロモーター(33)によって調節される
が、HGH−VおよびHGH−N遺伝子の両方の5'−
末端側配列が機能的プロモーター(34)を含んでいる
ことは、HGH−V遺伝子がインビボで発現される機能
的遺伝子であることを示唆している。
【0036】変異蛋白質がインビボに於いて実際に生産
されるかどうか、もしされるとすれば、どの組織で生産
されるかについては知られていない。脳下垂体がその蛋
白質の生産サイトである可能性があるが、よく知られて
いるHGHおよびHCS遺伝子発現の組織特異性が、身
体の別のどこかで合成されるかもしれないHGH遺伝子
系統群の他のメンバーについても当てはまるかも知れな
いことに留意していなければならない。
【0037】HGHおよびHCS、並びに既知の全ての
動物成長ホルモン(35)と違って、HGH変異体は第
2のトリプトファン残基を特徴としている。このアミノ
酸の変化に加えて、17のヌクレオチドの相異は同じ意
味のコドンとなり、5'および3'−非翻訳領域では、そ
れぞれ2および4の変化がある。HGH−V遺伝子はま
た、上記の191アミノ酸長さの生成物より15残基少
ない蛋白質を暗号化しているかもしれないということを
指摘することは重要なことである。これは、脳下垂体生
産ホルモンの約10%が、アミノ酸残基31〜45を失
なっている、より短いHGHの変形(20K変異体)
(36)からなっている、HGHの生合成に形式的に類
似している。HGHおよびその脱落変異体は、同じ一次
転写体の異なったスプライシングの結果として生じると
いう仮説がWallisによって提案されており(37)、
最近のデーターはこの考えを立証している様に思われる
(25)。残基31〜45の暗号配列はエクソンIIIの
始まりを構成しており、HGH−NおよびHGH−V遺
伝子に於いて同じである。両配列は標準的なスプライシ
ングサイト(ヌクレオチド730〜745、図2〜5参
照)を持っているので、HGH−V遺伝子の一次転写体
はエクソンIIIの内部でスプライシングする可能性があ
り、HGH脱落変異体を暗号化しているものと類似して
いるより短いmRNAを生じるのかもしれない。HGH
−V遺伝子がインビボで発現されることは証明されてい
ないが、その本来の性質、HGH遺伝子系統群のその内
の染色体位置およびそれはインビトロでは発現され得る
こと(33)から、それは機能的であることを示してい
る。
【0038】可能な制御配列 HGH遺伝子の発現は糖質コルチコイドおよび甲状腺ホ
ルモンによってコントロールされている。培養ラット脳
下垂体細胞では、両タイプのホルモンはラットGHおよ
びそのmRNAの生産に関して協力作用を持っている
(38、39)。この様なホルモンの作用は、応答遺伝
子の近くに位置している特定のDNA配列に相互作用す
ると思われるレセプター蛋白質によって媒介される。最
近、ホルモンによるHGH−N遺伝子の転写およびHG
H合成が、それぞれヒトゲノム2.6kbEcoRIフラグ
メントで形質転換したネズミの繊維芽細胞で立証され得
る様になった(34)。ホルモン誘発に関与する配列
は、2.6kbDNAからの相当する断片をチミジンキナ
ーゼ遺伝子に融合し、この遺伝子をデキサメタゾン(de
xamethasone)応答性とする(34)ことによって示さ
れる様に、5'−末端側領域の500塩基対の内に含ま
れている。
【0039】最近のモデルによれば、この領域は糖質コ
ルチコイドレセプター−ホルモン複合体の特異的結合の
為の配列要素を提供している(40)。この様な特異な
相互作用はMMTV DNAおよび純化レセプター蛋白
質(41)で立証することができたが、それぞれの結合
サイトは未だ分析されておらず、該当する配列の性質は
推測の域を出ない。この様に、HGH−N遺伝子の5'
−末端側配列にある顕著な特徴はいずれも、レセプター
認識に於いて役割を果たしていよう。これらの特徴は、
プリンに富んだヌクレオチド連鎖および回文構造にあ
る。
【0040】ゴールドシュタイン−ホグネス(Goldste
in−Hogness)ボックスは、例えば、その14だけがピ
リミジンである62ヌクレオチド(−81〜−20、図
2〜5)の連鎖末端の近くにある。この様な平均してい
ないプリンとピリミジンの分布によってヘリックス(ら
せん)が不安定化し、ホルモンによって媒介される転写
誘導に関与している可能性のあるDNA鎖の局部的融解
(melting)が促進されるのかもしれない。この領域
は、他の遺伝子に見られるCATボックスの位置にまた
がっているが(21)、TATAボックスから適当な位
置での、コンセンサス配列との良好な適合性は検出する
ことができない。この位置での配列は転写開始の速度
(rate)と関係していると思われるので(42、4
3)、他の系との相同性に欠けることが、HGH−N遺
伝子の転写制御の特別な形となって現われているのかも
知れない。
【0041】回文および反転反復のある長い領域は、−
304〜−198ヌクレオチドの間にある。中央付近に
15(−278〜−264)および17(−238〜−
222)塩基対の2つの不完全な反転反復配列があり、
これはプリンに非常に富んでいる部分を含有している2
5塩基対によって分離されている。各々の反転反復は2
つの部分、即ちその対応物と完全な相同性の6および7
塩基長さであるが、1つの反復では2ヌクレオチド、他
の反復では4ヌクレオチド離れているものから構成され
ている。その近く(−290〜−285、−265〜−
260および−213〜−205)に3つの回文が存在
し、その2つが、全領域の始まりおよび終りに位置する
15ヌクレオチド長さの不完全反転反復(−304〜−
290および−198〜−212)と重複している。
【0042】約80塩基対上流に、34ヌクレオチドの
内31がプリンである、もう1つの極めてプリンに富ん
だ配列(−371〜−358)がある。この領域の中央
に、配列GGATAGの繰り返しがあり、その単一のコ
ピーが38塩基対下流(−321〜−328)の相補鎖
に存在する。回文構造や反転反復の様な一対の対称を見
せる配列要素は、その様なDNA構造が原核細胞の遺伝
子発現の制御に関係していることが知られているので
(44)、ホルモンレセプターと相互作用する可能性の
ある1つの候補である。
【0043】プリンに富んだ領域は、HGH遺伝子のイ
ントロンにも見い出され、それらのあるものは他のホル
モン−応答配列(例えばMMTV(45)、ラットGH
遺伝子(24)およびマウスのメタロチオニン遺伝子
(22)など)の小さな領域と相同を示すことは注目に
値する。この様な相同性が偶然によるものかホルモン−
応答遺伝子発現に関係しているものかは明らかにされて
いない。
【0044】細胞培養に於ける遺伝子の発現 以下に発現ベクター、psv−HGH−Vによる、HGH
−VmRNAの単離法および手段について説明する。S
V40起源を含む342塩基対HindIII-PvuIIフラグ
メントをEcoRI制限サイト境界(bound)フラグメン
トに変換した。HindIIIサイトを、合成オリゴマー
(5'dAGCTGAATTC)を付加して変換し、Pvu
IIサイトは鈍感末端リゲーションにより変換し、ポリメ
ラーゼIを用いて満たしたEcoRIサイトにした(Kle
nowフラグメント)。得られたEcoRIフラグメントをp
ML−1(2)のEcoRIサイトに挿入した。ampR遺伝
子から離れて位置するSV40遅発(late)プロモータ
ーを持ったプラスミドを、pML−1のampR遺伝子(4
6)に最も近いEcoRIサイトを除去することにより更
に改変した。
【0045】クローンしたHBV DNAの1023塩
基対HpaI−BglIIフラグメント(47)を単離し、肝
炎Bウイルス(HVB)のHpaIサイトを、合成オリゴ
マー(5'−dGCGAATTCGC)でEcoRIサイト
に変換した。このEcoRI−BglII境界フラグメント
を、SV40の起源を保持している上記プラスミドのE
coRI−BamHIサイトに直接クローンした。残ってい
るEcoRIサイトに、PstI末端をEcoRI末端に変換
した後、p69の1250塩基対PstIフラグメント上
のHGH−V遺伝子を挿入した。SV40の遅発プロモ
ーターがHGH−Vの構造遺伝子の前にあるクローンを
単離した。次いで、DEAE−デキストランの存在下で
のトランスフェクションを8時間行なう様に改良したD
EAE−デキストラン技術(48)を使って、得られた
プラスミドを組織培養細胞に導入した(Gluzmanら、G
old Spring Harbor Sym.Quant.Biol.44、29
3、(1980))。細胞培質は2〜3日毎に交換し
た。バイオアッセイ用として、毎日200μlを採取し
た。トランスフェクション3〜4日後に分析した試料の
代表的収量は300〜500ng/mlであった。
【0046】ヒト成長ホルモン変異体を暗号化している
DNAは、酵素的に合成したDNAと共に化学的に合成
したDNAを使って組みたてることができ、細胞培養で
蛋白質を発現するのに使用することができる。異種ポリ
ペプチドを暗号化しているこの雑種DNAは、mRNA
の逆転写によってその実質的な部分、好ましくは大部分
が供給されるが、残りは化学合成によって供給される。
好ましい態様では、ヒト成長ホルモン変異体(HGH−
V)の最初の24アミノ酸を暗号化している合成DNA
を、HGH−Vアミノ酸23および24に相当するDN
Aにエンドヌクレアーゼ制限サイトを挿入するという計
画に従って組み立てる。これは、下流のHGH−VcD
NA配列との連結を促進する為に行なう。このDNAの
合成部分を作り上げる種々のオリゴヌクレオチドフラグ
メントは、遺伝子合成のための既知の基準に従って選択
される:フラグメントの、互いの不適当な相補性を避け
ること(勿論、2本鎖配列の反対区分を占めることが決
められているものは除く);転写終了を最小限にするた
めにATに富んだ領域を避けること;および微生物にと
って好ましいコドンを選ぶこと。合成に続いて、フラグ
メントを相補的に水素結合させ、自体既知の方法で結合
(リゲーション)させる。
【0047】このDNA暗号配列の大部分は、記述した
様にゲノムDNAから得ることができる。この部分はポ
リペプチドのC−末端を暗号化しており、本明細書に従
い、適当な場所に位置する翻訳開始信号および停止信
号、リボゾーム結合サイトを含む上流DNAおよび、得
られるメッセンジャーRNAの最初のヌクレオチド(+
1)を所望により包含している化学合成によって得られ
る残りの暗号配列に結合させる。この合成フラグメント
は、翻訳に際して制限を課せられる二次構造を避けるた
めに、相当するメッセンジャーRNAのコンフォメーシ
ョンに従ってヌクレオチドを選択することにより設計す
ることができる。
【0048】以下に本明細書中で引用した文献を列挙す
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【図面の簡単な説明】
【図1】 HGH遺伝子系統群のメンバーを含んでいる
3個のヒトのゲノムDNAフラグメントの機能編制およ
び制限地図を示す模式図。
【図2】 2個のHGH遺伝子および1つのHCS遺伝
子のヌクレオチド配列を示す模式図。
【図3】 2個のHGH遺伝子および1つのHCS遺伝
子のヌクレオチド配列を示す模式図。
【図4】 2個のHGH遺伝子および1つのHCS遺伝
子のヌクレオチド配列を示す模式図。
【図5】 2個のHGH遺伝子および1つのHCS遺伝
子のヌクレオチド配列を示す模式図。
【図6】 1個のHGH変異アミノ酸およびヌクレオチ
ドの配列を示す模式図。
【図7】 HGH変異蛋白質を暗号化している遺伝子を
担持している細胞培養発現ベクターの組み立てを示す模
式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 38/27 AEF C12P 21/02 H 9282−4B (C12P 21/02 C12R 1:91) A61K 37/36 AEF

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に示すアミノ酸配列を持ったヒト成
    長ホルモン変異蛋白質をコードしているDNAを得る方
    法であって、 a)ゲノムDNAをプローブして該蛋白質の遺伝子を含
    むゲノム部分を得、 b)工程a)のゲノム部分を細菌宿主細胞に挿入し、こ
    れを相当するmRNAに転写せしめ、 c)工程b)のmRNAからcDNAバンクを創造し、該
    ヒト成長ホルモン変異蛋白質をコードしているDNA配
    列をプローブすることにより該ヒト成長ホルモン変異蛋
    白質をコードしているDNAを単離することからなる方
    法: 【化4】 phe pro thr ile pro leu ser arg leu phe asp asn ala met leu arg ala arg arg leu tyr gln leu ala tyr asp thr tyr gln glu phe glu glu ala tyr ile leu lys glu gln lys tyr ser phe leu gln asn pro gln thr ser leu cys phe ser glu ser ile pro thr pro ser asn arg val lys thr gln gln lys ser asn leu glu leu leu arg ile ser leu leu leu ile gln ser trp leu glu pro val gln leu leu arg ser val phe ala asn ser leu val tyr gly ala ser asp ser asn val tyr arg his leu lys asp leu glu glu gly ile gln thr leu met trp arg leu glu asp gly ser pro arg thr gly gln ile phe asn-グリコシル化部位 gln ser tyr ser lys phe asp thr lys ser his asn asp asp ala leu leu lys asn tyr gly leu leu tyr cys phe arg lys asp met asp lys val glu thr phe leu arg ile val gln cys arg ser val glu gly ser cys gly phe.
  2. 【請求項2】 HGH−VcDNAを産生するのに有用
    な請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程a)のゲノム部分を許容Cos細胞ベ
    クター内に統合する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 以下に示すアミノ酸配列を持ったヒト成
    長ホルモン変異蛋白質をコードしているDNA。 【化1】 phe pro thr ile pro leu ser arg leu phe asp asn ala met leu arg ala arg arg leu tyr gln leu ala tyr asp thr tyr gln glu phe glu glu ala tyr ile leu lys glu gln lys tyr ser phe leu gln asn pro gln thr ser leu cys phe ser glu ser ile pro thr pro ser asn arg val lys thr gln gln lys ser asn leu glu leu leu arg ile ser leu leu leu ile gln ser trp leu glu pro val gln leu leu arg ser val phe ala asn ser leu val tyr gly ala ser asp ser asn val tyr arg his leu lys asp leu glu glu gly ile gln thr leu met trp arg leu glu asp gly ser pro arg thr gly gln ile phe asn-グリコシル化部位 gln ser tyr ser lys phe asp thr lys ser his asn asp asp ala leu leu lys asn tyr gly leu leu tyr cys phe arg lys asp met asp lys val glu thr phe leu arg ile val gln cys arg ser val glu gly ser cys gly phe.
  5. 【請求項5】 以下に示すアミノ末端前配列をもコード
    している請求項4に記載のDNA。 【化2】 met ala ala gly ser arg thr ser leu leu leu ala phe gly leu leu cys leu ser trp leu gln glu gly ser ala.
  6. 【請求項6】 以下に示すアミノ酸配列を持ったヒト成
    長ホルモン変異蛋白質をコードしているDNAを含有し
    ている複製可能なクローニングビヒクル: 【化5】 phe pro thr ile pro leu ser arg leu phe asp asn ala met leu arg ala arg arg leu tyr gln leu ala tyr asp thr tyr gln glu phe glu glu ala tyr ile leu lys glu gln lys tyr ser phe leu gln asn pro gln thr ser leu cys phe ser glu ser ile pro thr pro ser asn arg val lys thr gln gln lys ser asn leu glu leu leu arg ile ser leu leu leu ile gln ser trp leu glu pro val gln leu leu arg ser val phe ala asn ser leu val tyr gly ala ser asp ser asn val tyr arg his leu lys asp leu glu glu gly ile gln thr leu met trp arg leu glu asp gly ser pro arg thr gly gln ile phe asn-グリコシル化部位 gln ser tyr ser lys phe asp thr lys ser his asn asp asp ala leu leu lys asn tyr gly leu leu tyr cys phe arg lys asp met asp lys val glu thr phe leu arg ile val gln cys arg ser val glu gly ser cys gly phe.
  7. 【請求項7】 発現をもたらすDNA配列に作働し得る
    様に結合させた、翻訳の開始および停止信号を側端に持
    つ、以下に示すアミノ酸配列を持ったヒト成長ホルモン
    変異蛋白質をコードしているDNAを含有してなる発現
    ベクター: 【化6】 phe pro thr ile pro leu ser arg leu phe asp asn ala met leu arg ala arg arg leu tyr gln leu ala tyr asp thr tyr gln glu phe glu glu ala tyr ile leu lys glu gln lys tyr ser phe leu gln asn pro gln thr ser leu cys phe ser glu ser ile pro thr pro ser asn arg val lys thr gln gln lys ser asn leu glu leu leu arg ile ser leu leu leu ile gln ser trp leu glu pro val gln leu leu arg ser val phe ala asn ser leu val tyr gly ala ser asp ser asn val tyr arg his leu lys asp leu glu glu gly ile gln thr leu met trp arg leu glu asp gly ser pro arg thr gly gln ile phe asn-グリコシル化部位 gln ser tyr ser lys phe asp thr lys ser his asn asp asp ala leu leu lys asn tyr gly leu leu tyr cys phe arg lys asp met asp lys val glu thr phe leu arg ile val gln cys arg ser val glu gly ser cys gly phe.
  8. 【請求項8】 発現をもたらすDNA配列に作働し得る
    様に結合させた、翻訳の開始および停止信号を側端に持
    つ、以下に示すアミノ酸配列を持ったヒト成長ホルモン
    変異蛋白質をコードしているDNAを含有してなる発現
    ベクターで形質転換された生育可能な哺乳動物細胞: 【化7】 phe pro thr ile pro leu ser arg leu phe asp asn ala met leu arg ala arg arg leu tyr gln leu ala tyr asp thr tyr gln glu phe glu glu ala tyr ile leu lys glu gln lys tyr ser phe leu gln asn pro gln thr ser leu cys phe ser glu ser ile pro thr pro ser asn arg val lys thr gln gln lys ser asn leu glu leu leu arg ile ser leu leu leu ile gln ser trp leu glu pro val gln leu leu arg ser val phe ala asn ser leu val tyr gly ala ser asp ser asn val tyr arg his leu lys asp leu glu glu gly ile gln thr leu met trp arg leu glu asp gly ser pro arg thr gly gln ile phe asn-グリコシル化部位 gln ser tyr ser lys phe asp thr lys ser his asn asp asp ala leu leu lys asn tyr gly leu leu tyr cys phe arg lys asp met asp lys val glu thr phe leu arg ile val gln cys arg ser val glu gly ser cys gly phe.
  9. 【請求項9】 以下に示すアミノ酸配列を持ったヒト成
    長ホルモン変異蛋白質を生産し得る請求項8に記載の哺
    乳動物細胞: 【化8】 phe pro thr ile pro leu ser arg leu phe asp asn ala met leu arg ala arg arg leu tyr gln leu ala tyr asp thr tyr gln glu phe glu glu ala tyr ile leu lys glu gln lys tyr ser phe leu gln asn pro gln thr ser leu cys phe ser glu ser ile pro thr pro ser asn arg val lys thr gln gln lys ser asn leu glu leu leu arg ile ser leu leu leu ile gln ser trp leu glu pro val gln leu leu arg ser val phe ala asn ser leu val tyr gly ala ser asp ser asn val tyr arg his leu lys asp leu glu glu gly ile gln thr leu met trp arg leu glu asp gly ser pro arg thr gly gln ile phe asn-グリコシル化部位 gln ser tyr ser lys phe asp thr lys ser his asn asp asp ala leu leu lys asn tyr gly leu leu tyr cys phe arg lys asp met asp lys val glu thr phe leu arg ile val gln cys arg ser val glu gly ser cys gly phe.
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