JPH0775554A - 微生物の培養方法及び装置 - Google Patents

微生物の培養方法及び装置

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JPH0775554A
JPH0775554A JP22355393A JP22355393A JPH0775554A JP H0775554 A JPH0775554 A JP H0775554A JP 22355393 A JP22355393 A JP 22355393A JP 22355393 A JP22355393 A JP 22355393A JP H0775554 A JPH0775554 A JP H0775554A
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JP
Japan
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culture
microorganism
medium
cell
culturing
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JP22355393A
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English (en)
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Miyuki Kawada
みゆき 川田
Masaru Nanba
勝 難波
Kenji Baba
研二 馬場
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/30Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of concentration
    • C12M41/36Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of concentration of biomass, e.g. colony counters or by turbidity measurements

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微生物の培養において、細胞の増殖状態を精
度良く判断して培養液中細胞濃度の制御を適切に行い、
高濃度でかつ活発な増殖を維持しながらの培養を行わせ
る方法を提供する。 【構成】 培養液の顕微鏡像を画像処理して細胞の大き
さ(微生物の細胞分裂の分裂面に垂直な方向における細
胞長さ及び/又は面積)の平均値を求めることで増殖状
態を精度良く判断し、活発な増殖を行うような培養液中
細胞濃度の制御を行う。 【効果】 大きい増殖速度でかつ高濃度の状態を精度良
く維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物の培養方法及び装
置に関し、特に、その増殖状態を判断し、微生物が活発
な分裂増殖を行うような培養液中細胞濃度を確実に維持
しうるようにした微生物の培養方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物培養においては、高濃度でしかも
個々の細胞が十分活発に分裂増殖する状態が望ましい場
合が多い。しかし、増殖により細胞濃度が高くなると培
養液中の栄養分の欠乏や細胞間の相互抑制作用さらには
排泄物質等により、増殖は抑制される。また、培養すべ
き微生物に光合成を行わせる場合には高濃度になると細
胞同志の遮光により個々の細胞の受光量が不足し増殖が
抑制される。そこで培養すべき細胞が活発に分裂増殖す
るような細胞濃度の最大値を維持することができるよう
に増殖に合わせて培養液を調節していくことが望まれ
る。すなわち、培養液中細胞濃度が増大しすぎた場合に
は、何らかの手段により培養液中細胞濃度を低下させる
ように調節することが望まれる。
【0003】そのためには、細胞等の増殖状態を的確に
把握し増殖の抑制が始まる時点を早期にあるいは瞬時に
予測あるいは検出することが必要であるが、増殖抑制は
培地組成や温度などの培養条件により異なるので一律的
に予測あるいは検出をすることは容易でない。これま
で、細胞等の増殖状態を把握する方法として多くの提案
がなされてきている。例えば、特開平2−27977号
公報には動物細胞培養において細胞の大きさを測定して
生細胞と死細胞及び分裂可能な細胞の割合を求めてその
割合から増殖速度やt時間後の生細胞数を計算する培養
診断方法が記載されている。特開昭63−212862
号公報には画像データを分割し算出したアマダール変換
係数を選択して細胞増殖の有無を判別する方法が記載さ
れている。また、特開平2−275590号公報には測
定対象細胞の抽出、形状係数演算、形状判別の工程によ
り酵母の出芽率を測定する方法が記載されている。
【0004】このほか、培養中細胞の増殖状態を把握す
る方法としては、一定時間ごとに細胞濃度を顕微鏡を用
いて計数し、時間を横軸にとった増殖曲線を作成して前
回の細胞濃度から増加した分を経過時間で割った値によ
って増殖状態を推測する方法や、あるいは細胞懸濁液の
吸光度を分光光度計で測定して細胞濃度に換算し、上記
増殖曲線を作成する方法が一般的に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、実際に
細胞濃度を測定して増殖曲線を作成する方法や、特開昭
63−212862号公報に記載のように画像処理によ
り細胞数を求めて前時点より増加したかどうかを判断す
る方法は、その時点までは活発に増殖をしていても現在
も活発に増殖中なのかどうかは必ずしも的確には把握で
きず、単細胞性の微生物のように死細胞の割合が小さ
く、ほとんどの細胞が分裂可能でありかつ増殖も速く培
養槽内の細胞濃度の変化が速いものに対してはその増殖
状態を精密に検出することは困難である。さらに、培養
条件が一定でない場合や新規な条件の場合にもその判断
は難しい。また、測定に際して、培地をよく撹拌して一
部をサンプリングしそれを正確に希釈して測定する必要
があるので手間がかかり測定者の違いによる誤差も発生
しやすい。
【0006】特開平2−275590号公報に記載の方
法は、増殖している時期としていない時期で細胞の形状
の複雑さに差がある特徴を持つ、酵母などの限られた種
類の微生物には有効に適用できるが、増殖中も細胞形状
には格別の変化がなくただ細胞の大きさのみが変化する
ような微生物には適用が困難である。さらに、特開平2
−27977号公報に記載の方法は、生細胞、死細胞及
び分裂可能細胞の区別を前提としており動物細胞の培養
診断方法には有効であるが、この方法も前記と同様の理
由から単細胞性の微生物のように増殖も速く培養槽内の
細胞濃度の変化が速いものに対してその増殖状態を精密
に検出することは困難である。
【0007】上記のように、従来知られた培養液中の増
殖状態を把握する方法はいずれも、特に培養物が単細胞
性の微生物の場合に何らかの不都合を伴っている。従っ
て本発明の目的は、微生物の培養においてその種類を問
わずその増殖状態を的確に判断できる微生物の培養方法
及び装置を提供することにあり、より具体的には、微生
物の種類を問わずかつ計測のための培養液を採取する際
に培養液中細胞濃度を維持することや希釈操作を必要と
せずに培養液中細胞の増殖状態を的確に判断可能な培養
方法及び装置を提供することにある。本発明の培養方法
及び装置を用いることにより、微生物が活発な分裂増殖
を行うような培養液中細胞濃度を確実に維持することが
容易に可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した目
的を達成するために、培養中における培養液中細胞濃度
と増殖速度などとの関係につき実験と研究を行った。そ
の過程において、微生物の細胞の大きさ、すなわち細胞
分裂の分裂面に垂直な方向での微生物の長さ及び/ 又は
面積と培養液中の細胞濃度及び増殖速度とは密接な関係
を有していることを知覚した。
【0009】すなわち、本発明者らは、ラン藻Synechoc
occus sp.を、表1の組成の培地をpH7.4〜7.5
に合わせたものに106 個/mlの濃度で懸濁し、蛍光
灯による光を照射し、CO2 を5%含む空気を75ml
/min/l(培養液)の流量で吹き込んで培養して実
験を行った。培養中の培養液を少量抜き出して顕微鏡下
におき、1視野に10〜30個の細胞を含むような倍率
の顕微鏡画像をCCDカメラで撮像して、画像処理プロ
セッサにデジタル情報として入力した。画像処理として
は、まず、培養液中の背景との明るさの差により全粒子
を選択した。次に反射により細胞内の穴開きを埋めた。
個々の粒子の長さと面積を計測し、ある範囲の長さでか
つある範囲の面積の粒子だけを細胞として認識し、それ
らの細胞の長さ及び面積とを記憶させた(なお、ここで
いう「細胞の長さ及び面積」とは「細胞分裂の分裂面に
垂直な方向での細胞の長さ及び面積」であることは明ら
かであり、以下本明細書において特に断らない限り、便
宜上、両者を含めて「細胞大きさ」の用語を用いる)。
【0010】認識した細胞数の合計が500個に達する
まで、およそ40視野について画像処理を繰り返してか
ら、全細胞の大きさの平均値、さらに培養液中細胞濃度
を血球計算盤等を用いて計測して、前回の計測時点から
当計測時点までの増殖速度を求めた。以上の計測操作は
数時間ごとに6回行った。図4にそれぞれの時点での細
胞大きさ平均値とその計測時点から次の計測時点までの
増殖速度すなわち細胞数が1時間当たり何倍に増えたか
の関係を示した。この結果は、細胞大きさ平均値が大き
い時は増殖が活発であり、細胞大きさ平均値が小さい時
は増殖は不活発であることを示している。すなわち、図
6は培養中の細胞大きさ分布を示しており、上図は培養
初期の増殖の活発な時、下図は培養後期の培養の不活発
になりつつある時のものである。培養初期、後期とも、
中央部分に1つのピークのあるヒストグラムとなってい
るが、培養後期ではヒストグラム全体が左側、すなわち
細胞大きさの小さい方へシフトしている(なお、図中矢
印は全体の平均値32を示しており、本実験においてヒ
ストグラムのシフトと平均値のシフトが連動してい
る)。この現象の原因は以下の通りと考えられる。
【0011】多くの単細胞微生物の増殖方法は細胞が成
長しその体積が大きくなり、ある分裂面で2分裂、又は
4〜8分裂を行う。分裂直後の細胞は分裂前の細胞の2
分の1以下と小さいが、培養条件が良いと成長して大き
くなり再度分裂をしていく。分裂直後から次の分裂まで
の期間の長さは細胞が成長し大きくなるまでに要する時
間であり、培養条件が良ければその期間は短く、また培
養条件か悪ければ長くなる。それを培養中の培養液中の
細胞の大きさで見ると、培養条件が良いときには小さい
細胞の割合は少なく、培養条件が悪い時には小さい細胞
の割合が多くなると考えられる。従って、活発な増殖を
行っているかどうかは細胞大きさの平均値を算出するこ
とで判断できるといえる。
【0012】このことから、培養の過程において培養微
生物の細胞大きさを追跡することにより、微生物が活発
な分裂増殖を行うような培養液中細胞濃度を維持しうる
ように培養液の調節を行えることがわかる。なお、ほと
んどの微生物は分裂する際の分裂面が細胞のどの部分か
はおおよそ決まっている。そこで、例えは細胞長さすな
わち「細胞分裂の分裂面に垂直な方向の長さ」とは2分
裂する微生物の場合は図6に示す細胞31の分裂面29
に垂直な方向の長さ30であり、4〜8分裂する微生物
の場合には図7に示すように細胞31のどの方向の長さ
をとっても良いこととなる。このことは細胞面積の場合
でも同様であることは容易に推測できる。
【0013】ところで、活発な増殖を行っている時の細
胞大きさの平均値は微生物の種類により異なる。そこ
で、使用する微生物の活発に増殖を行っているとわかっ
ている時の細胞大きさをあらかじめ計測してその平均値
を求めて基準値とし、該基準値と培養中の細胞大きさの
平均値を比較して、増殖が活発に行われているか不活発
なのかを判断する。それにより微生物の種類によらず
に、的確な判断をなすことができる。なお、培養中に経
時的に細胞大きさの平均値を算出し、該平均値と前回の
計測時点での平均値を比較して、前回の計測時点よりも
増殖速度が増大したか減少したかを判断してもよい。
【0014】次に、細胞大きさ平均値の変化と培養液の
調節との関係を述べる。すなわち、前記のように、適度
な培養液中細胞濃度では十分な栄養分や受光量により活
発に生長するため、細胞大きさ平均値が徐々に増大す
る。逆に、増殖により細胞濃度が高くなり過ぎると栄養
分や受光量の不足により細胞の生長が抑えられるので細
胞大きさ平均値は徐々に減少する。
【0015】そこで、微生物が活発な増殖を行っている
時、すなわち細胞大きさ平均値が基準値を示している時
には特に培養液中細胞濃度の調節を行う必要はない。微
生物の増殖が抑制されている時、すなわち細胞大きさ平
均値が基準値以下の時には培養液中細胞濃度を低下させ
るようになんらかの調節を行うことが必要となる。調節
方法は任意の方法を取り得るが、培養槽から培養液を一
部を残して抜き取り、抜き取った培養液と同量の新鮮培
地を培養槽に新たに補充する方法が有効である。
【0016】本発明者らはさらに実験を行うことによ
り、培地については、微生物が消費する無機塩及び栄養
分の中では特に窒素化合物とリン化合物が大量に必要と
されることから、これらの物質を含む、下水、産業排
水、富栄養湖水を培地として使用できることを知覚し
た。次に、細胞大きさの測定方法としては、多数の細胞
の顕微鏡像について目視でその大きさを計測すると時間
がかかるうえに誤差が大きくなる恐れがあることから、
本発明者らは前記した特開平2−27977号公報に記
載の方法により顕微鏡画像をCCDカメラで撮像してデ
ジタル情報にし、その情報を画像処理プロセッサで画像
処理し、培養液中の細胞を認識した。次に、多数の細胞
大きさを計測し、平均値を算出した。また、実際の操作
に際しては、前述の培養液抜き取りや培地補充の動作は
培養槽に培地容器と培養液容器を接続し、画像処理プロ
セッサからの信号により電磁弁開閉制御装置がそれらに
備えられた電磁弁を開閉するようにした。それにより、
正確なデータをより迅速に得ることができた。
【0017】以上要するに、本発明の特徴とするところ
は、次の通りである。 (1)微生物を培養液に懸濁して培養する方法におい
て、微生物の細胞分裂の分裂面に垂直な方向における細
胞長さ及び/又は面積を計測してその平均値を算出し、
該平均値に基づき、培養液中細胞濃度を調節する。 (2)その際に、あらかじめ設定した、前記長さ及び/
又は面積の基準値とを比較して、該平均値が該基準値以
下になった時に、培養液中細胞濃度を低下させるように
調節するか、あるいは、前記長さ及び/又は面積の計測
を複数回実施し、前記長さ及び/又は面積の平均値が時
系列的に減少しつつある時に培養液中細胞濃度を低下さ
せるように調節する。
【0018】(3)培養に供する補充する培地は微生物
の生育に必要な無機塩類や栄養分が水に溶解しているも
のであり、培養槽から抜き取った培養液から固形物を分
離除去したあとに、無機塩及び栄養分を補充したものを
用いることもできる。固形物の分離除去手段としては、
従来知られた、凝集剤添加、重力沈降手段、膜分離手
段、あるいは遠心分離手段等の任意の手段を用い得る。 (4)下水、産業排水、富栄養湖水も培地として使用で
きる。またそれらを一旦他の微生物の培養に使用するこ
とにより、有害物が除去されたり窒素化合物やリン化合
物が微生物の利用しやすい塩に変えられる場合には、そ
の使用済みの液を培地として使用することは有効であ
る。
【0019】(5)本発明は2分裂により増殖する単細
胞生物によく適用される。例えば大腸菌や乳酸菌などの
細菌類や、シネココッカス、シネコシスティス、スピル
リナ、オシラトリア、アナベナ、フォルミディウム、ノ
ストックなどのらん藻が挙げられる。しかし、本発明
は、細胞分裂の際均等に分裂するという点で4〜8分裂
する単細胞生物にも適用可能である。例えばクロレラ、
クラミドモナス、セネデスムス、ボトリオコッカス、オ
オシスティスなどの緑藻が挙げられる。 (6)本発明はさらに、上記の方法を有効に実施するこ
とのできる培養装置として、培養液中微生物を観察する
顕微鏡と、その顕微鏡画像をデジタル情報に変換する撮
像装置と、前記デジタル情報より細胞を認識し、その前
記長さ及び/又は面積を画素数により計測し、その平均
値を求める画像計測手段と、その平均値により微生物の
増殖速度の増減を判断し、培養液中細胞濃度を調節する
手段とを有することを特徴とする培養装置をも開示して
いる。
【0020】顕微鏡により微生物を観察する手法として
は、培養液を配管で顕微鏡まで誘導してきたものを観察
するやり方、培養液中に直接水中顕微鏡を浸漬してモニ
タするやり方などが有効である。前記長さ及び/又は面
積の計測方法は培養中の培養液を一部抜きだして顕微鏡
下に置き、細胞の形がわかるように拡大された像を得、
撮像装置でデジタル情報にして画像処理プロセッサに伝
送し、画像処理プロセッサにより画像処理を行い、前記
長さ及び/又は面積の計測を行い、その平均値を算出す
る。
【0021】画像計測情報は目的とする微生物に応じ
て、細胞大きさとして細胞のどの方向の長さ及び/又は
面積を計測するのかを決定する。例えば、大腸菌や乳酸
菌、シネココッカス、スピルリナ等の円筒状またはひも
状のものについては画像中で認識した粒子の最大長又は
全体の面積を、クロレラ、クラミドモナス等の球形のも
のについては直径又は全体の面積を測定すれば良い。
【0022】培養細胞の濃度の調節は、培養槽から培養
液抜き出し管により培養液を抜き出し、新しい培地を別
の容器すなわち培地容器から培地供給管により培養槽へ
送り込む方法で行うことが有効である。培養細胞の濃度
の調節は、培養槽から培養液抜き出し管により培養液を
抜き出し、新しい培地を別の容器すなわち培地容器から
培地供給管により培養槽へ送り込む方法で行うことが有
効である。
【0023】
【作用】本発明においては、基本的に培養液中細胞濃度
が増大しすぎることで細胞大きさの平均値が低下した時
に、培養液中細胞濃度を低下させるように培養液を調節
する。それにより、細胞は栄養分や受光量の不足を免れ
て、再び活発な増殖により培養液中細胞濃度は増大に向
かう。そこで、再び細胞大きさの平均値が低下した時に
前記培養液中細胞濃度は調節される。このように、培養
中常に適切な細胞濃度に調節することができるので、高
濃度でかつ活発な増殖を維持した培養が可能になる。
【0024】また、さまざまな培養条件においてこの培
養液中細胞濃度の調節方法が実施できる。培養槽から抜
き取った培養液から固形物を除去して無機塩及び栄養分
を補充し、培地として再使用することで培地に使用する
水の節約ができる。富栄養湖沼水などを培地として使用
することで、微生物にとって多量に必要な窒素化合物や
リン化合物を簡便に得ることができ、また、富栄養湖沼
水の浄化ができる。富栄養湖沼水の浄化においては単に
窒素化合物やリン化合物を吸収するだけでなく、高い活
性を維持した連続処理が可能となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 〔実施例1〕図1は本発明による培養方法を実施するた
めの培養装置の一実施例を示しており、図において、培
養槽1と培地容器2は培地供給管4でつながり、培地供
給管4は培地供給弁6を備えている。培地供給弁6を開
放することにより培養槽1へ培地14が供給される。さ
らに、培養槽1は培養液抜き出し管5を介して培養液容
器3はつながっており、培養液抜き出し管5は培養液抜
き出し弁7を備えている。培養液抜き出し弁7を開放す
ることにより、培養槽1から培養液容器3へ培養液13
が抜き出される。なお、培地供給弁6及び培養液抜き出
し弁7は電磁弁である。この実施例においては、培地容
器2は培養槽1の液面よりも上部に配置され、培養液容
器3は培養槽1の底面よりも下部に配置される。
【0026】培養槽1は培養液誘導管8を備え、さら
に、その近傍には培養液誘導管8の中の培養液を観察で
きるように顕微鏡9および光源27が設置されている。
光源27は任意であるが、対象とする微生物に光合成を
行わせるために外部から培養槽1に光を誘導している場
合は、その光を利用しても良い。顕微鏡9にはCCDカ
メラ10が接続され、CCDカメラ10は画像処理プロ
セッサ11にデジタル情報を伝送するように配線されて
いる。画像処理プロセッサ11は電磁弁開閉制御装置1
2に信号を送り、電磁弁開閉制御装置12は培地供給弁
6と培養液抜き出し弁7の開閉を行う。
【0027】次に係る構成の動作を説明する。まず培地
に微生物を懸濁して微生物を培養する。培養液誘導管8
の栓29を開放して培養槽1中の培養液13を培養液誘
導管8内に誘導し、栓29を閉じて培養液誘導管8内の
培養液の流れを止めて微生物が培養液誘導管8の底に沈
降し安定したところを顕微鏡9で観察する。顕微鏡画像
は顕微鏡9に接続されたCCDカメラ10でデジタル情
報に変換され画像処理プロセッサ11に伝送され、画像
処理プロセッサ11は画像処理を行う。
【0028】画像処理としては、まず背景との明るさの
差により全粒子を選択し、反射による細胞内の穴開きを
埋める。個々の粒子の長さと面積を計測し、ある範囲の
長さでかつある範囲の面積であるという条件を満たす粒
子を細胞として認識する。認識した細胞について、それ
ぞれの長さを記憶する。次に培養液誘導管8に新たな培
養液13を誘導し、同様に顕微鏡画像を画像処理して細
胞の長さを計測し、記憶する。認識した微生物の総数が
500個に達するまでこの操作を繰り返し、全細胞の長
さの平均値を求める。
【0029】この計測操作を経時的に行い、細胞大きさ
平均値が前回計測時の平均値以上であるか未満であるか
を判断し、その結果の信号を電磁弁開閉制御装置12に
送る。該平均値が前回計測時の平均値未満であるという
情報を受けた電磁弁開閉制御装置12は培養液抜き出し
弁7を開放し、培養液13を培養液容器3へ抜き出す。
ただし、この時水位計等を用いて、培養液13の一部は
培養槽1内に残すようにする。培養槽1内に残す培養液
13の量は半分〜1/20程度が良い。培養液抜き出し
弁7を閉じてから培地供給弁6を開放し、培地14を培
地容器2から培養槽1へ供給する。この時、水位計等を
用いて培養槽1内に培養液13が充填された時に弁を閉
じるようにする。以上の操作を繰り返す。本実施例によ
り、いろいろな培養条件における、微生物が活発に増殖
を行うような培養液中細胞濃度を維持しながらの培養が
可能になる。
【0030】〔実施例2〕図2は本発明による培養方法
を実施するための培養装置の他の実施例を示しており、
培地リサイクルが可能な培養装置を示す。本装置は図1
に示した培養装置と同様に、培養槽1、培地容器2、培
地供給管4、培地供給弁6、培養液容器3、培養液抜き
出し管5、培養液抜き出し弁7、CCDカメラ10、画
像処理プロセッサ11、電磁弁開閉制御装置12を有し
ている。ただし、培養槽1には培地水中顕微鏡16が設
けられており、培養槽1内の培養液13を直接観察でき
るように設置されている。従って、この例においては培
養槽1に培養液誘導管8は設けられない。
【0031】さらに、培養液容器3は内部に可動ろ過膜
17と取外しが可能な底板19を備え、可動ろ過膜17
はろ過膜支持棒18に支えられて上下に可動となってい
る。また、培地容器2と培養液容器3とは循環ポンプ2
1を持つ培地循環管20により接続しており、培地循環
管20には培地循環弁15が設けてある。次に係る構成
の動作について説明する。培養槽1内の培養液13を水
中顕微鏡16で直接観察し、その顕微鏡画像をCCDカ
メラ10がデジタル情報に変換し、画像処理プロセッサ
11が細胞大きさ平均値を求める。画像処理プロセッサ
11から前記実施例1または実施例2に示すような信号
が送られると電磁弁開閉制御装置12が培養液抜き出し
弁7を開放し、培養槽1から培養液容器3へ培養液を抜
き出される。電磁弁開閉制御装置12は培養液13の一
部を培養槽1内に残した状態で培養液抜き出し弁7を閉
じ、次に電磁弁開閉制御装置12は培地供給弁6を開放
して培養槽1へ培地14を補充する。
【0032】培養液容器3において、培養液13が培養
槽1から抜き出される時、可動ろ過膜17は培養液13
の上方位置(図2中のbの位置)にとどまらせる。培養
液13の抜き出し動作が終わり、培養液抜き出し弁7が
閉じてからろ過膜支持棒18により可動ろ過膜17を培
養液13の下方位置(図2中のcの位置)まで押し下げ
る。可動ろ過膜17の上部には使用済培地23が生じ、
可動ろ過膜17の下部には微生物及び固形物22が集め
られる。
【0033】ここで培地循環弁15を開放し培地循環ポ
ンプ21を作動させて培養液容器3から使用済培地23
を抜き出し、培地循環管20を介して培地容器2へ注
ぐ。次に培養液容器3の底板19を外し、微生物及び固
形物22を抜き出す。循環した使用済培地23には無機
塩や栄養分を補充する。この実施例による培養装置にお
いては、培地14に使用する水の節約ができ、かつ培養
した微生物を容易に回収することができる。
【0034】〔実施例3〕図3は本発明の一実施例であ
る、富栄養湖沼水を培地として使用する微生物培養装置
の一部を示す。本実施例は培地容器2と培養液容器3と
が富栄養湖沼水誘導管25及び培地排出管26を介して
富栄養湖沼水28に接続している点で実施例2の培養装
置と異なっている。すなわち、培養容器2には富栄養湖
沼水誘導管25から富栄養湖沼水28が誘導され、培養
液容器3からは培地排出管26により使用済培地23を
富栄養湖28へ排出される。本実施例により、富栄養湖
沼水の浄化において、常に活性の高い状態での連続処理
が可能となる。
【0035】〔実施例4〕前記のように実施例1に示し
た培養装置において、画像処理プロセッサ11から電磁
弁開閉制御装置12へ送る信号として、細胞大きさ平均
値があらかじめ決めた基準値以上であるか未満であるか
を判断して得られる信号を用いることもできる。以下に
その例を示す。
【0036】まず、使用する微生物が活発な増殖を行っ
ている時の細胞大きさ平均値をあらかじめ調べる目的
で、微生物をバッチ培養する。ラン藻Synechococcus s
p.を表1の組成の培地をpH7.4〜7.5に合わせた
ものに106 個/mlの濃度で懸濁し、蛍光灯による光
を照射し、CO2 を5%含む空気を75ml/min/
l(培養液)の流量で吹き込んで培養する。培養中数時
間ごとに培養液を少量抜き出して顕微鏡下におき、顕微
鏡画像をCCDカメラで撮像して、画像処理プロセッサ
にデジタル情報として入力する。実施例1と同様の画像
処理方法により細胞大きさ平均値を算出する。計測した
時点の培養液中細胞濃度を血球計算盤等を用いて計測し
ておく。
【0037】図5は、このようにして得た、Synechococ
cus sp. の培養液中細胞濃度の増加と細胞大きさの平均
値の変化の関係を表す。培養初期は活発に増殖し細胞濃
度は指数関数的に増大するが細胞濃度が高くなるにつれ
て増殖は抑制される。ここで、細胞大きさ平均値の減少
と増殖抑制が対応している。特に図5中a点以降は増殖
速度減少と細胞大きさの平均値の低下が著しい。そこ
で、このa点の時の細胞大きさ平均値Aから活発な増殖
をしている培養初期の細胞大きさ平均値Bまでの範囲
を、細胞大きさ平均値の基準値として決めることにす
る。
【0038】次に、図1に示す培養装置を用いて、この
ラン藻の連続培養を行う。実施例4と同様に該平均値を
算出し、その値が低下して上記の基準値から外れた時に
培養液を一部残して培養槽から抜取り、そのあと抜き取
った量と同量の新鮮培地を培地容器から補充する。この
場合にも、培養増殖が抑制されることはなく、高濃度で
かつ活発な増殖が継続する。
【0039】
【表1】 培地組成 KH2PO4 0.25g/l K2HPO4 0.25g/l NaNO3 0.05g/l MgSO4・7H2O 0.15g/l CaCl2 0.06g/l H3BO3 0.034g/l Na2EDTA 0.03g/l (NH46Mo724・4H2O 0.022g/l FeCl3・6H2O 0.016g/l MnCl2・4H2 O trase ZnSO4・7H2O trase Co(NO326H2O trase CuSO45H2O trase
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、細胞濃度を実際に測定
する方法に比べて、迅速に、かつ測定者による誤差が無
い計測情報を得ることができ、これをもとにリアルタイ
ムな培養状況の推測が可能となる。さらに、増殖状態の
判断に基づいた培養液中細胞濃度調節により、培養すべ
き細胞を最も活発に分裂増殖する状態に維持することが
でき、微生物の培養の効率化を図ることができる。細胞
濃度に関係なく増殖状態の判断ができるので厳密なサン
プリングが必要なく、さらに希薄な培養液の状態で培養
するときは沈殿などの方法で濃縮した細胞懸濁液を計測
することで計測の高速化が可能である。さらに、培地の
再利用により、培地に添加する栄養成分や水の節約がで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である微生物培養装置の構成
を示す図。
【図2】本発明の他の実施例である可動ろ過手段を備え
た微生物培養装置を示す図。
【図3】本発明の他の実施例である富栄養湖沼水を培養
液として用いる場合の微生物培養装置を示す図。
【図4】細胞大きさ平均値と増殖速度の関係を示す図。
【図5】培養中の培養液中細胞濃度と細胞大きさの平均
値の変化を示す図。
【図6】細胞の大きさの分布のヒストグラムを示す図。
【図7】2分裂により増殖する単細胞生物を示す図。
【図8】8分裂により増殖する単細胞生物を示す図。
【符号の説明】
1…培養槽,2…培地容器,3…培養液容器,4…培地
供給管,5…培養液抜き出し管,6…培地供給弁,7…
培養液抜き出し弁,8…培養液誘導管,9…顕微鏡,1
0…CCDカメラ,11…画像処理プロセッサ,12…
電磁弁開閉制御装置,13…培養液,14…培地,15
…培地循環弁,16…水中顕微鏡,17…ろ過膜,18
…ろ過膜支持棒,19…底板,20…培地循環管,21
…培地循環ポンプ,22…微生物及び固形物,23…使
用済培地,24…無機塩、栄養分補充管,25…富栄養
湖沼水誘導管,26…培地排出管,27…光源,28…
富栄養湖沼水、29…分裂面、31…細胞、32…平均

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物を培養液に懸濁して培養する方法
    において、微生物の細胞分裂の分裂面に垂直な方向にお
    ける細胞長さ及び/又は面積を計測してその平均値を算
    出し、該平均値に基づき、培養液中細胞濃度を調節する
    ことを特徴とする微生物の培養方法。
  2. 【請求項2】 前記算出した平均値とあらかじめ設定し
    た長さ及び/又は面積の基準値とを比較し、該平均値が
    該基準値以下になった時に、培養液中細胞濃度を低下さ
    せるように培養液を調節することを特徴とする、請求項
    1記載の微生物の培養方法。
  3. 【請求項3】 前記長さ及び/又は面積の計測を複数回
    実施し、前記長さ及び/又は面積の平均値が時系列的に
    減少しつつある時に培養液中細胞濃度を低下させるよう
    に培養液を調節することを特徴とする、請求項1記載の
    微生物の培養方法。
  4. 【請求項4】 培養槽から抜き取った培養液から固形物
    を分離除去したあと無機塩及び栄養分を補充したものを
    新鮮培地として培養液に供給することにより培養液の調
    節を行うことを特徴とする、請求項1ないし3いずれか
    記載の微生物の培養方法。
  5. 【請求項5】 培養に供する培地として、下水、産業排
    水、富栄養湖沼水あるいはそれらを他の微生物の培養に
    使用したあとのものを用いることを特徴とする、請求項
    1ないし4いずれか記載の微生物の培養方法。
  6. 【請求項6】 前記微生物が2分裂により増殖する単細
    胞生物であることを特徴とする、請求項1ないし5いず
    れか記載の微生物の培養方法。
  7. 【請求項7】 培養液中の微生物を観察する顕微鏡と、
    その顕微鏡画像をデジタル情報に変換する撮像装置と、
    前記デジタル情報より細胞を認識し、その微生物の細胞
    分裂の分裂面に垂直な方向における細胞長さ及び/又は
    面積を計測し、その平均値を求める画像計測装置と、そ
    の平均値により微生物の増殖状態を判断し、培養液中細
    胞濃度を調節する手段とからなることを特徴とする微生
    物培養装置。
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