JPH0776319B2 - X線写真へのデータ写し込み用着色水性インキ組成物 - Google Patents

X線写真へのデータ写し込み用着色水性インキ組成物

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JPH0776319B2
JPH0776319B2 JP62291452A JP29145287A JPH0776319B2 JP H0776319 B2 JPH0776319 B2 JP H0776319B2 JP 62291452 A JP62291452 A JP 62291452A JP 29145287 A JP29145287 A JP 29145287A JP H0776319 B2 JPH0776319 B2 JP H0776319B2
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ray
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mass absorption
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尚成 藤田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、X線写真へのデータ写し込み用着色水性イン
キ組成物に関し、詳しくは、例えば、紙や織布、不織布
等に所要のデータを記載し、これをX線写真フイルムに
貼着し、X線写真を撮影する際に、そのデータをX線写
真に写し込むための着色水性インキ組成物に関する。
従来の技術 人体その他のX線写真の撮影に際しては、通常、撮影の
日付、被撮影者の氏名、性別、その他の所要のデータが
フイルムに同時に写し込まれる。この目的のために、従
来、フイルムカセツトの一隅にX線を透過し難い鉛製の
単文字活字を手作業にて配列して貼着する方法が採用さ
れている。しかし、この方法によるときは、単文字活字
を配列する作業が極めて煩雑であり、写し込みのための
データ量も自ずから限られることとなる。
また、筆記面としての鉛箔を露出させて、鉛箔をフイル
ム間に保持したデータ写し込み用器具も知られている。
この器具を用いるには、鉛箔に筆記、即ち、鉛箔を削り
取るので、筆記は幾分容易ではあるが、鉛箔で被覆され
る部分が不必要にX線を遮断するので、X線写真に利用
できないフイルム部分が多い。
そこで、例えば、特公昭62−27704号公報には、酸化
鉛、鉛白、硫化鉛等の鉛化合物の微粉末を速乾性のバイ
ンダーに混合してなるペースト状の塗剤を用意し、例え
ば、折り曲げた紙片のそれぞれに撮影後に二重写しにな
るように、上記塗剤を用いて所要のデータを記載し、こ
れをX線写真フイルムに貼着する方法が提案されてい
る。しかし、この方法によるときも、実際上、データが
厳密に二重写しになるように記載することは容易ではな
く、また、塗剤が鉛化合物の微粉末を含むペースト状物
であるので、微粉末が沈降しやすく、使用直前に撹拌を
必要としたり、或いは筆記具に特別の道具を必要とし、
しかも、筆記性に劣る。更に、保存中に塗剤が乾燥しや
すく、保存性にも劣り、或いは引火しやすく等、安全性
にも欠ける。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、X線写真へのデータ写し込みにおける従来の
方法における上記した問題を解決するためになされたも
のであつて、水性であつて、安全性が高く、且つ、例え
ば、通常のマーキングペンにても容易に且つ円滑に筆記
し得るようにした筆記性及び保存性にすぐれると共に、
着色されているX線写真へのデータ写し込み用着色水性
インキ組成物を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明によるX線写真へのデータ写し込み用着色水性イ
ンキ組成物は、水性溶剤に原子番号が47以上である元素
(希ガス元素を除く。)の単体又は化合物をX線遮蔽剤
として波長0.1ÅのX線に対する質量吸収係数が0.170cm
2/g以上となるように溶解すると共に、分子内にスルホ
ン酸塩基又はカルボン酸塩基を有するトリフエニルメタ
ン系又はキサンテン系染料を溶解してなり、上記水性溶
剤が水と、炭素数2〜6のグリコール、炭素数3〜9の
トリオール又は炭素数3〜9のアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテルとからなることを特徴とする。
一般に、強度I0のX線が厚みd(cm)の物質を透過した
後の強度Iは、その物質の密度をρ(g/cm3)とすると
き、 1n(I0/I)=μρd (1) 又は I=I0exp(−μρd) (2) が成立し、ここに、ρμ(cm-1)がその物質のX線に対
する線吸収係数、μ(cm2/g)がその物質のX線に対す
る質量吸収係数であると定義される。この質量吸収係数
は、X線の波長が定まるとき、物質を構成する各元素が
有する固有の値であり、化合物及び混合物について、加
成性を有していることが知られている。即ち、化合物又
は混合物を構成する各成分元素の質量吸収係数をμiと
し、重量比率をwiとし、化合物又は混合物の密度をρと
するとき、その化合物又は混合物の質量吸収係数μは、 μ=Σμiwi にて求めることができる。
本発明によるインキ組成物は、原子番号が47以上である
元素(希ガス元素を除く。)の単体又は化合物をX線遮
蔽剤として、波長0.1ÅのX線に対する質量吸収係数が
0.170cm2/g以上となるように水性溶剤に溶解してなる。
本発明者らの実験によれば、X線写真の撮影において、
厚み0.01mm以上の鉛箔がX線の遮蔽に有効である。本発
明によるインキ組成物において、波長0.1ÅのX線に対
するその質量吸収係数を0.170cm2/g以上とすることは、
インキ組成物に厚み0.01mm以上の鉛箔とほぼ同等のX線
遮蔽効果、即ち、X線に対する質量吸収係数を有せしめ
ることである。但し、インキ組成物の質量吸収係数と
は、本発明においては、X線遮蔽剤以外の成分によるX
線遮蔽効果は無視するものとする。
他方、X線の遮蔽力を前記式(1)におけるμρdとす
るとき、厚みdが0.001cmの鉛箔のX線遮蔽効果は、鉛
の質量吸収係数μが3.41cm2/g、密度ρが11.34g/cm3で
あるから、μρdはほぼ0.039である。
そこで、本発明によるインキ組成物の密度を少なくとも
1.1g/cm3(実際は、殆どの場合、もつと大きい。)とす
れば、吸収性の筆記面、例えば、紙にインキ組成物にて
筆記したとき、その筆跡によるX線の遮蔽力を0.039と
するためには、筆跡の厚みtは、 t=0.039/(0.170×1.1)≒2.1(mm) となる。インキ組成物の質量吸収係数を0.170cm2/gより
も大きくするにつれて、所要の筆跡厚みは小さくなる。
例えば、インキ組成物の質量吸収係数を0.5cm2/gとする
とき、所要の筆跡厚みはほぼ0.7mmである。このような
所要の筆跡厚みは、インキ組成物の粘度や浸透性、筆記
面の浸透性等を選択することによつて、容易に得ること
ができる。
本発明において好ましく用いることができる単体又は化
合物を構成する元素として、以下を例示することができ
る。但し、括弧内は、波長0.1ÅのX線に対する当該元
素の質量吸収係数(cm2/g)を示す。
Ag(1.05)、Cd(1.10)、In(1.15)、Sn(1.20)、Sb
(1.25)、Te(1.30)、I(1.36)、Cs(1.48)、Ba
(1.53)、La(1.60)、Ce(1.66)、Pr(1.72)、Nd
(1.80)、Pm(1.86)、Sm(1.93)、Eu(2.02)、Gd
(2.09)、Tb(2.18)、Tm(2.50)、Lu(2.66)、Hf
(2.07)、Ta(2.28)、W(2.90)、Re(2.96)、Os
(3.03)、Ir(3.10)、Pt(3.17)、Au(3.23)、Hg
(3.30)、Tl(3.36)、Pb(3.41)、Bi(3.45)、Po
(3.52)、Er(2.42)、Ra(3.70)、Ac(3.75)、Th
(3.81)、Pa(3.86)及びU(3.91)。
本発明においては、X線遮蔽剤としては、水に対する溶
解度が約10重量%以上であるものが好ましく、従つて、
本発明においてX線遮蔽剤として用い得る上記した単体
又は化合物の例としては、AgF、AgNO3、CdI2、Cd(N
O3)2・4H2O、3CdSO4・4H2O、SnCl2、NH4SnBr4・4H
2O、NH4SnCl3、SbF3、SbCl3、K3SbS4・5H2O、(NH4)3S
bS4、LiSbS4・10H2O、TeBr4、H2TeO4・2H2O、K2TeO4、I
2、HI、LiI・3H2O、ZnI2、CaI2、NH4I、NaI、KI、Li(I
O3)、MgI2・8H2O、ICN、Cs2CO3、CsI、CsCl、CsOH、Cs
N3、Cs2SO4、Cs2MoO4、Cs2SeO4、BaBr2、Ba(CN)2、B
a(ClO3)2・H2O、BaI2・2H2O、BaCl2、Ba(Cl
O4)2、La2(SeO4)3、La(NO3)3・6H2O、La(Br
O3)3、Mg3La2(NO3)12、(NH4)2La(NO3)5、CeCl
3、Ce2(SO4)3・12H2O、MgCe2(NO3)12、Mg3Pr2(NO
3)12、Mn3Pr2(NO3)12、PrCl3・7H2O、Pr(NO3)3、
Pr(BrO3)3、Mg3Nd2(NO3)12、Mn3Nd2(NO3)12、Nd
2(SeO4)3、KNd(SeO4)2・4H2O、SmCl3、Sm(Br
O3)3、Tb(BrO3)3、(NH4)2HfF6、TaF5、Na2WO4、
K2WO4、Cs2WO4、(NH4)2WO4、Cs2(WO4)、NH4ReO3S、
MgPt(CN)4、PtCl4・5H2O、K2Pt(CN)4、AuCl3、Na
AuCl4・2H2O、KAuCl4、LiAuCl4、Hg(CN)2、Hg2(ClO
4)2、HgNO3・H2O、TlCl3・4H2O、TlH2PO3、TlNO3、Tl
OH、PbCl、Pb(ClO3)2・H2O、Pb(NO3)2、Pb(Cl
O4)2・3H2O、PbSiF6、InBr3・5H2O、InI3、InCl3・4H
2O、RaBr2、RaCl2、VO2Cl2・3H2O、VO2(NO3)2・6H
2O、Er2(SO4)3・8H2O、Gd(BrO3)3・9H2O、NH4ReO
3S等を挙げることができる。
上述したような単体又は化合物は、前述したように、本
発明によるインキ組成物においては、インキ組成物の波
長0.1ÅのX線に対する質量吸収係数が0.170cm2/g以上
となるように水性溶剤に溶解されるが、通常、インキ組
成物において、10重量%以上の範囲で含有される。好ま
しくは、X線遮蔽剤は、インキ組成物において、波長0.
1ÅのX線に対する質量吸収係数を0.5cm2/g以上とする
ように溶解される。従つて、X線遮蔽剤の配合量の上限
は、その飽和溶解量まで、特に限定されるものではない
が、通常、60重量%以下である。上記した単体又は化合
物は、単独にて、又は2種以上の混合物として、インキ
組成物に配合される。
本発明においては、上記したX線遮蔽剤のなかでは、特
に、一般式 M2WO4 (式中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムを示す。) で表わされるアルカリ金属タングステン酸塩又はタング
ステン酸アンモニウムが好ましく用いられる。かかるタ
ングステン酸塩の好ましい具体例として、例えば、Na2W
O4、K2WO4及びCs2WO4を挙げることができる。これらは
単独で、又は混合物として用いられ、また、前述したよ
うなその他の単体又は化合物との混合物としても用いら
れる。
特に、上記したアルカリ金属タングステン酸塩及びタン
グステン酸アンモニウムは、その他の重金属塩に比べ
て、その毒性が著しく小さいと共に、0.1ÅのX線に対
する質量吸収係数が大きい。例えば、BaI2・2H2Oは、そ
の0.1ÅのX線に対する質量吸収係数が1.31cm2/gである
が、Na2WO4・2H2Oのそれは1.68cm2/g、K2WO4のそれは1.
72cm2/g、Cs2WO4のそれは1.82cm2/gである。
かかるインキ組成物においては、アルカリ金属タングス
テン酸塩は、好ましくは15重量%から飽和溶解量以下、
特に好ましくは20〜60重量%の範囲で溶解含有される。
更に、本発明による好ましいインキ組成物は、前記アル
カリ金属タングステン酸塩と共に、アルカリ金属塩基及
び/又はヨウ化アルカリ金属を含有する。上記アルカリ
金属塩基に代えて、アンモニアを用いることもできる。
これらアルカリ金属塩基、アンモニア又はヨウ代アルカ
リ金属は、タングステン酸塩の水性溶剤に対する溶解性
を高め、或いは溶解安定性を高めるので、X線遮蔽剤の
溶解助剤として用いられる。
アルカリ金属塩基としては、強アルカリ性物質であるこ
とが好ましく、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化セシウム、水酸化リチウム等の水酸化物が好
ましく用いられる。しかし、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セ
シウム等の炭酸塩や炭酸水素塩も用いられる。インキ組
成物においてこれらアルカリ金属塩基又はアンモニアの
配合量は、インキ組成物をアルカリ性とするに足る量で
あればよく、従つて、用いるアルカリにもよるが、通
常、インキ組成物において、0.01〜2.0重量%、好まし
くは0.05〜0.5重量%の範囲である。但し、炭酸セシウ
ムが用いられる場合は、炭酸セシウムは、それ自体、X
線遮蔽剤として機能するので、インキ組成物において、
40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で用いら
れる。
ヨウ化アルカリ金属としては、例えば、ヨウ化ナトリウ
ム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム等が好適に用いら
れる。これらヨウ化アルカリ金属は、インキ組成物にお
いて、その配合量は、飽和溶解量以下であればよいが、
通常は、40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲
である。
また、本発明においては、前記タングステン酸塩以外に
も、特に、AgNO3、ZnI2、BaI2・2H2O、SbCl3、HgNO3・H
2O、PbCl、KI、NaI、CsI、CsCO3、CsOH等が好適に用い
られる。
X線遮蔽剤として、ヨウ化バリウムやヨウ化亜鉛を含有
するときには、こられの水における溶解性を安定にする
ために、インキ組成物において、約0.01重量%以下の量
にて、塩酸等の無機酸又は酢酸等の有機酸を共存させる
ことが好ましい。
本発明によるインキ組成物においては、X線遮蔽剤とし
て、ヨウ化バリウムやヨウ化亜鉛等が用いられるとき
は、ヨイ素が一部遊離して、インキ組成物を着色する。
また、ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム等のようなヨ
ウ素塩にヨウ素を配合することによつても、インキ組成
物を着色することができる。更に、X線遮蔽剤として、
ヨウ素又はヨウ素化合物が用いられるときは、発色剤と
してデンプンを配合することもできる。
しかしながら、ヨウ素自体によるインキ組成物の着色
は、経時的に退色し、或いは無色になる傾向があるの
で、着色剤としては、必ずしも好ましいものではない。
他方、前述したタングステン酸塩がX線遮蔽剤として用
いられる場合は、タングステン酸塩の濃厚な水溶液には
ヨウ素が溶解しない。また、タングステン酸塩の濃厚水
溶液に、例えば、ヨウ化ナトリウムのようなヨウ素塩と
ヨウ素を加えても、一次的には着色するが、時間の経過
と共に、ヨウ素による着色が消滅し、遂には完全に無色
となる。
そこで、本発明によれば、着色剤として、分子内にスル
ホン酸塩基又はカルボン酸塩基を有するトリフエニルメ
タン系染料又はキサンテン系染料が所定の有機溶剤と共
にインキ組成物に配合される。かかる染料は、それら単
独では、X線遮蔽剤を高濃度に溶解含有する水溶液に殆
ど溶解しないが、本発明に従つて、炭素数2〜6のグリ
コール、炭素数3〜9のトリオール又は炭素数3〜9の
アルキレングリコールモノアルキルエーテルと共に、イ
ンキ組成物に配合するとき、予期しないことに、比較的
よく溶解して、均一に着色されたインキ組成物を与え
る。即ち、かかる染料は、所定の有機溶剤と共に、X線
遮蔽剤を高濃度にて溶解含有する水溶液に加えることに
よつて、塩析されない程度の溶解量にて、インキ組成物
を均一に着色することができる。
本発明においては、上記スルホン酸塩基又はカルボン酸
塩基を有する染料として、例えば、分子内にリチウム、
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、トリエタ
ノールアミン塩等のアミン塩、アンモニウム塩としての
スルホン酸塩基やカルボン酸塩基を有するものが好まし
く用いられる。
かかる染料として、例えば、アシツド・レツド50、アシ
ツド・レツド51、アシツド・レツド52、アシツド・レツ
ド87、アシツド・レツド92、アシツド・レツド94、アシ
ツド・バイオレツト17、アシツド・バイオレツト49、ア
シツド・ブルー7、アシツド・ブルー9、アシツド・ブ
ルー15、アシツド・ブルー59、アシツド・ブルー83、ア
シツド・ブルー90、アシツド・ブルー92、アシツド・ブ
ルー93、アシツド・ブルー104、アシツド・グリーン
9、アシツド・イエロー73等を挙げることができる。
上記したなかでは、特に、アシツド・レツド51、アシツ
ド・レツド52、アシツド・レツド87、アシツド・ブルー
9、アシツド・ブルー90、アシツド・イエロー73等が好
ましく用いられる。
かかる染料は、インキ組成物において、通常、0.001〜
2.0重量%、好ましくは0.005〜1.0重量%の範囲で溶解
される。余りに少ないときは、インキ組成物の着色に不
十分であり、他方、余りに多量に配合するときは、前述
したように、塩析されると共に、塩析されるに際して、
X線遮蔽剤を取り込んで沈殿し、或いはX線遮蔽剤の有
効成分と塩を形成して、沈殿することがあるので好まし
くない。
かかる染料は、本発明に従つて、水及び炭素数2〜6の
グリコール、炭素数3〜9のトリオール又は炭素数3〜
9のアルキレングリコールモノアルキルエーテルから選
ばれる少なくとも1種の有機溶剤とからなる混合水性溶
剤に溶解される。
上記炭素数2〜6のグリコールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキ
シレングリコール等を、炭素数3〜9のトリオールとし
ては、グリセリン、3−メチルペンタン−1,4,5−トリ
オール、トリメチロールプロパン等を、また、炭素数3
〜9のアルキレングリコールモノアルキルエーテルとし
ては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール等が用いられる。
これら有機溶剤は、本発明のインキ組成物においては、
通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%と共に
用いられる。主溶剤としての水は、用いるX線遮蔽剤に
もよるが通常、10〜80重量%の範囲で用いられる。
更に、本発明によるインキ組成物においては、水性溶剤
は、上記した有機溶剤以外に、必要に応じて、インキ組
成物が適用される吸液性筆記面への浸透性を調整し、或
いは水の蒸発速度を抑制する助溶剤及び/又は保湿剤と
して、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の
低級脂肪族アルコール類やロート油等を含有していても
よい。これらの有機溶剤は、通常、1〜50重量%の範囲
で含有される。
本発明によるインキ組成物は、更に、上記した成分に加
えて、界面活性剤、防錆剤、防腐剤等の添加物を含有す
ることができる。界面活性剤としては、例えば、ジアル
キルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ナフテン酸鉛等のアニオン界面活性
剤、又はポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル等のノニオン界面活性剤が好
ましく用いられる。また、2,4,7,9−テトラメチル−5
−デシン−4,7−ジオール等のアセチレングリコール
や、これへのエチレンオキサイド付加物も好ましく用い
られる。
また、防錆剤としては、例えば、1,3,5−ベンゾトリア
ゾール、防腐剤としては、例えば、テトラブチルスズ、
安息香酸ナトリウム等を用いることができる。
本発明によるインキ組成物は、上記したような各成分を
水に溶解することによつて容易に製造することができ
る。しかし、水性溶剤中での化学反応によつて、所要の
成分を溶剤中に生成させてもよい。例えば、水性溶剤中
で水酸化バリウムにヨウ化水素を反応させることによつ
て、ヨウ化バリウムを生成させ、これをX線遮蔽剤とす
るインキ組成物を得ることができる。
また、前記したようなアルキル金属タングステン酸塩
は、それ自体を水に溶解させてもよいが、例えば、炭酸
ナトリウムや炭酸カリウムとタングステン酸セシウムと
を水に溶解させることによつて、その場でタングステン
酸ナトリウムやタングステン酸カリウムを生成させても
よい。
本発明によるインキ組成物が前述したようなX線遮蔽剤
のための溶解助剤を含有するときは、かかるインキ組成
物は、好ましくは、水に先ず溶解助剤を溶解させ、次い
で、X線遮蔽剤を溶解させた後、染料及びその他の添加
剤を溶解させることによつて製造される。
尚、本発明によるインキ組成物は、特に、X線遮蔽剤と
して、ヨウ化バリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化カルシウム
等のヨウ化物を含有するときは、その調製後、インキ組
成物が空気中の炭酸ガスを吸収し、ヨウ素化合物と反応
して、ヨウ化水素を遊離すると共に、水不溶性の炭酸塩
を生成する場合がある。しかし、筆記に際して、特に支
障がなければ、このようなインキ組成物も用いることが
できる。勿論、不溶性の炭酸塩を濾別して、インキ組成
物としてもよい。
上記したように、本発明によるインキ組成物は、場合に
よつては、副生した水不溶性の化合物を含有する場合も
あるが、殆どの場合は着色水溶液であつて、波長0.1Å
のX線に対するその質量吸収係数の0.170cm2/g以上とし
たもので、吸収性を有するシートに所要のデータを筆記
し、これをX線写真フイルムを内蔵した乾板上に貼着す
ることによつて、X線写真撮影と同時に、このデータを
フイルム上に写し込むことができる。
しかも、本発明によるインキ組成物は着色されているの
で、吸液性を有するシートに所要のデータを筆記したと
き、その筆跡の濃度を所定以上のものとすることによつ
て、フイルム上への写し込み濃度を確実に高いものとす
ることができる。
更に、本発明によるインキ組成物は、実質的に水溶液で
あるので、従来の通常の筆記具を用いることによつて筆
記に供することができる。かかる筆記具として、例え
ば、マーキングペン、サインペン、水性ボールペン、筆
ペン、万年筆等を挙げることができる。
上記吸液性のシートとしては、例えば、紙、織布、不織
布、発泡体等を挙げることができる。このように、筆記
面として、吸液性のシートを用いることによつて、イン
キの乾燥を容易とすると共に、インキ層をシートの厚み
にわたつて形成して、筆記されたデータの写し込みを確
実にすることができる。
しかし、筆記面として、上述したような吸液性でないガ
ラス、樹脂、金属等からなるシートを用いることは、デ
ータの写し込みが不確実になるので、好ましくない。
発明の効果 以上のように、本発明によるX線写真へのデータ写し込
み用インキ組成物は、例えば、通常のマーキングペンに
ても容易に且つ円滑に筆記することができ、更に、水性
であつて、着色されており、安全性が高く、保存性にも
すぐれるものであつて、例えば、紙や織布、不織布等に
所要のデータを記載し、これをX線写真フイルムに貼着
すればX線写真を撮影すると同時に、そのデータを確実
にX線写真に写し込むことができる。
実施例 以下に示す組成の水性インキ組成物を調製した。配合量
は重量部による部数で示す。インキ組成物1 NaI 55 部 水 43 部 エチレングリコール 1 部 アシツド・イエロー73 1 部 質量吸収係数 0.643cm2/g インキ組成物2 Na2WO4・2H2O 25 部 KI 25 部 水 40 部 ヘキシレングリコール 9.95 部 アシツド・ブルー9 0.05 部 質量吸収係数 0.730cm2/g インキ組成物3 K2WO4 24 部 NaI 20 部 水 51 部 グリセリン 4.98 部 アシツド・レツド51 0.02 部 質量吸収係数 0.646cm2/g インキ組成物4 Cs2WO4 65 部 NaOH 0.1 部 水 30 部 3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール 4.88 部 アシツド・レツド87 0.01 部 質量吸収係数 1.183cm2/g インキ組成物5 ZnI2 70 部 水 25 部 3−メチル−3−メトキシ−ブタノール 4.9 部 アシツド・ブルー90 0.1 部 質量吸収係数 0.805cm2/g インキ組成物6 NaI 55 部 水 40 部 エチレングリコール 4.95 部 アシツド・レツド92 0.05 部 質量吸収係数 0.643cm2/g インキ組成物7 K2WO4 25 部 KI 20 部 水 45 部 ヘキシレングリコール 9.95 部 アシツド・ブルー9 0.05 部 質量吸収係数 0.678cm2/g インキ組成物8 K2WO4 26 部 NaI 19 部 水 50 部 グリセリン 4.98 部 アシツド・レツド50 0.02 部 質量吸収係数 0.669cm2/g インキ組成物9 Cs2WO4 67 部 NaOH 0.1 部 水 28 部 3−メトキシ−3−ブタノール 4.88 部 アシツド・レツド94 0.02 部 質量吸収係数 1.219cm2/g

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性溶剤に原子番号が47以上である元素
    (希ガス元素を除く。)の単体又は化合物をX線遮蔽剤
    として波長0.1ÅのX線に対する質量吸収係数が0.170cm
    2/g以上となるように溶解すると共に、分子内にスルホ
    ン酸塩基又はカルボン酸塩基を有するトリフエニルメタ
    ン系又はキサンテン系染料を溶解してなり、上記水性溶
    剤が水と、炭素数2〜6のグリコール、炭素数3〜9の
    トリオール又は炭素数3〜9のアルキレングリコールモ
    ノアルキルエーテルとからなることを特徴とするX線写
    真へのデータ写し込み用着色水性インキ組成物。
JP62291452A 1987-08-28 1987-11-18 X線写真へのデータ写し込み用着色水性インキ組成物 Expired - Lifetime JPH0776319B2 (ja)

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