JPH0777521B2 - 水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマ薄膜を形成する方法 - Google Patents

水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマ薄膜を形成する方法

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JPH0777521B2
JPH0777521B2 JP5039704A JP3970493A JPH0777521B2 JP H0777521 B2 JPH0777521 B2 JP H0777521B2 JP 5039704 A JP5039704 A JP 5039704A JP 3970493 A JP3970493 A JP 3970493A JP H0777521 B2 JPH0777521 B2 JP H0777521B2
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water
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智美 尾藤
映章 小林
三喜子 七井
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株式会社スリオンテック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜、花卉等の播種、
育苗に用いる播種育苗用シートの作製方法に係り、特
に、小径種子を効率良く搭載することのできる播種育苗
用シートの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水耕栽培分野などで、水溶紙上に
小ドットの粘着剤を塗工して種子を搭載できるようにし
た播種育苗用シートが使用されている。粘着剤ドット上
に種子を1粒ずつ搭載する場合には、種子の大きさが小
さくなると、それに応じて粘着剤ドットも小さくしなけ
ればならないが、水溶紙表面が粗いときには、小ドット
粘着剤の形成が困難である。このような技術的困難性の
ために、極めて小さい種子を簡便にかつ効果的に搭載で
きる播種育苗用シートはまだ作製されていない。従っ
て、極小ドット用シート基材としては、水溶性高分子で
表面を平滑化処理した水溶紙が望ましい。
【0003】水溶紙と水溶性ポリビニルアルコールとを
貼り合わせた紙は既に市販されている(例えば、三島製
紙(株)製 ディゾルボ WAL など)。水溶紙表面に水溶性
ポリマ膜を形成しようとする場合、基材となる水溶紙が
水溶性であるために、ポリマの水溶液を直接塗工して作
製する方法は採用できない。従って、一般には、それぞ
れ別個に作製した紙とポリマ膜とを貼り合わせる方法
(ラミネート法)が用いられている。しかし、ラミネート
法を用いた場合、ポリマ膜が厚いと、貼り合わせ形成物
が僅かの条件変化で湾曲してしまう。このため、水溶性
に富むポリマの膜を予め作製して貼り合わせる方法を採
る場合には膜の厚さをできるだけ薄くしなければならな
いが、現状の技術では厚さを30μm以下にすることは困
難であり、また、完成品も極めて高価なものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
技術においては、水溶性又は水に易分散性の基材上に水
溶性ポリマ薄膜を形成することについて満足な方法が確
立されておらず、また、このため、小径種子を効率良く
搭載し得る播種育苗用シートが得られていなかった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の有してい
た課題を解決して、水溶性又は水に易分散性の基材(以
下、単に、水溶性基材と略称する)の構造、形状を損な
うことなく、しかも安価に、水溶性基材上に水溶性ポリ
マの薄膜を形成する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、水溶性又は
水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマの薄膜を形成す
る方法において、水溶性ポリマを水と水に易溶性の有機
溶媒との混合溶媒に溶解し、該溶液を支持体の表面に塗
工し、混合溶媒を除去する前あるいは一部除去した後
に、水溶性又は水に易分散性の紙を貼り合わせ、次いで
混合溶媒を除去した後に支持体を剥がすことを特徴とす
る水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマ薄
膜を形成する方法とすることによって達成することがで
きる。
【0007】この際、上記手順においては、水溶性ポリ
マ溶液を支持体の表面に塗工し、溶媒を完全に除去する
前に水溶性基材と貼り合わせるため、該水溶性ポリマ溶
液は支持体表面で弾かれることなく、均一に拡がること
が必要である。一方、支持体についてみると、該水溶性
ポリマ溶液を塗工しても弾きにくく、かつ、乾燥後は水
溶性ポリマ薄膜から容易に剥がし得ることが必要であ
る。
【0008】水溶性基材表面上に均一な水溶性ポリマ薄
膜を形成することによって、粘着剤小ドットを所望の間
隔、所望のパターンで塗工することが可能となり、優れ
た特性を有する播種育苗用シートを容易かつ安価に作製
することができる。
【0009】
【作用】水溶性基材上に、その内部構造や表面状態を変
化させることなく、水を溶媒とするポリマを塗工するこ
とは極めて困難である。従って、水溶性基材上に、その
性状を大きく損なうことなく、水溶性ポリマの薄膜を形
成するためには、塗工方法及び該水溶性ポリマ溶液の改
良が必要となる。
【0010】塗工方法については、水溶性基材の表面に
水溶性ポリマ溶液を直接塗工することは、水溶性基材が
溶解して形状が崩れるなどのため困難である。これにつ
いては、表面が平坦でかつ水溶性ポリマ溶液の浸透しな
い支持体上に水溶性ポリマ溶液を塗工し、これに水溶性
基材を貼り合わせることにより、水溶性基材の表面に水
溶性ポリマ薄膜を形成することができる。この際、支持
体上に上記水溶性ポリマ溶液を塗工し、溶媒を完全に除
去した後に水溶性基材を貼り合わせることは、水溶性ポ
リマ薄膜それ自体は粘着性を有していないために不可能
である。従って、溶媒を除去する前あるいはある程度除
去した後に水溶性基材を貼り合わせる必要がある。
【0011】ここで、上記水溶性ポリマとしてはポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デキスト
リン、カゼインナトリウム、プルラン、ポリビニルピロ
リドン、アクリル酸ナトリウム等を挙げることができ
る。その中で、水に対する溶解性、経済性等を考慮する
と、ケン化度90%以下の部分ケン化ポリビニルアルコー
ルが特に有効である。
【0012】上記水溶性ポリマの溶液については、支持
体上に塗工するとき該ポリマ溶液が支持体で弾かれると
均一な水溶性ポリマ薄膜を形成することができない。そ
こで、支持体が弾かないかあるいは弾きにくい性質のも
のであることが望ましい。
【0013】ここで、水溶性ポリマとしてポリビニルア
ルコール(以下、PVA と略称する)を取り上げた場合につ
いて説明する。PVA はそのケン化度と重合度とによって
水に対する溶解度を異にする。完全ケン化の PVA は高
温の水には容易に溶解するが、常温の水には溶解しな
い。一方、ケン化度の低い(例えば、ケン化度90%以下)
ものは、常温の水に容易に溶解する。重合度について
は、重合度が大きいほど水に対する溶解性は低下する
が、ケン化度ほどの影響はない。また、一旦水に溶解し
たものは温度が低下しても溶解状態を持続する。従っ
て、常温において水溶性の高いものを必要とする場合に
は、ケン化度90%以下のものを使用する。
【0014】上記のように、PVA は水に対してある程度
の溶解性を示すが、水以外の溶媒には、ジメチルスルホ
キシドのような特殊な溶媒を除いて、殆ど溶解しない。
ここで、PVA の水溶液に水と良く溶解し合う有機溶剤を
添加して行くと、PVA の溶解度は徐々に減少し、両溶剤
のある混合比率の領域で溶液はゲル化し、さらに有機溶
剤の量を増して行くと PVA が析出してくる。従って、P
VA が析出しない程度の混合溶媒を用いることによって
支持体による弾きを制御することができる。また、増粘
剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩)
を添加することによっても同様の効果が得られ、さら
に、界面活性剤を添加することによって支持体に対する
濡れ性が向上し、水溶性基材の表面に均一な PVA 薄膜
を形成することができる。
【0015】水と混合する有機溶媒としては、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類、エーテル類等多くのもの
が使用可能であるが、水に対する相溶性、経済性等の点
を考慮すると、メタノール、プロパノール等の一価アル
コールが適している。
【0016】水溶性ポリマ薄膜は、水溶性基材の片面だ
けに形成することもでき、また、両面に形成することも
できる。
【0017】粘着剤の印刷について見ると、一般に、被
印刷面が平坦で、印刷インキの濡れ性が良い場合には0.
1mm 幅程度の印刷は極めて容易であるが、被印刷面が粗
く、凹凸に富み、かつ印刷インキのにじみが大きい紙等
に対しては細かい印刷は困難である。PVA 被膜で被覆し
た水溶性基材は表面状態が大幅に改善されて均一かつ平
坦となり、しかも印刷インキの浸透が防止されているた
めに、表面への細かいパターンの印刷が可能となる。印
刷インキとして粘着剤溶液を用いた場合も全く同様であ
り、従って、PVA 薄膜で被覆した水溶性基材表面に直接
粘着剤の小ドットを形成することが可能となり、粘着剤
小ドットを搭載した播種育苗用シートを得ることができ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の構成について実施例によって
さらに具体的に説明する。
【0019】
【実施例1】まず、ケン化度88%、平均重合度1700の P
VA 120g を水とイソプロピルアルコールとの混合比 1 :
0.5 の混合溶媒 880g に加えて良く撹拌し、PVA の透
明な溶液を得た。次いで、図1に示したように、この溶
液2をコンマコータを用いて市販のポリエステルフィル
ム1上に塗工し、塗工面に市販の不織布からなる水溶紙
3を貼り合わせ(図1(c))、直ちに乾燥させた後、支持
体として用いたポリエステルフィルムを剥がすことによ
り、片面に PVA 薄膜を設けた水溶紙(図1(d))を得た。
このとき、水を含む溶媒に起因する水溶紙の損傷は殆ど
認められなかった。
【0020】また、上記と同様にして水溶紙の両面に P
VA 薄膜を形成した。この場合も、水溶紙の損傷は殆ど
認められなかった。
【0021】
【実施例2】ケン化度88%、平均重合度1700の PVA 100
g を水とメタノールとの混合比1:1の混合溶媒900gに
加えて良く撹拌し、PVA の透明な溶液を得た。この溶液
をドクターブレードを用いて市販のポリエステルフィル
ム上に塗工し、塗工面に市販の不織布からなる水溶紙を
貼り合わせ、直ちに乾燥した後、支持体として用いたポ
リエステルフィルムを剥がすことにより、片面に PVA
薄膜を形成した水溶紙を得た。このとき、水を含む上記
混合溶媒に起因する水溶紙の損傷は殆ど認められなかっ
た。また、実施例1の場合と同様にして水溶紙の両面に
PVA 薄膜を形成したが、この場合も水溶紙の損傷は殆
ど認められなかった。
【0022】
【実施例3】実施例1記載の方法で作成した PVA 薄膜
被覆水溶紙3上に高沸点溶媒に溶解した粘度4Pa・sの粘
着剤溶液を点状に塗工して、ドット状粘着剤5を有する
播種シートを作成した。図2(a)は該播種シートの断面
図、図2(b)は該播種シートの平面図を示した図であ
る。ここで、粘着剤ドットの大きさは0.2mmφから0.1mm
おきに1mmφまでとしたが、何れの場合も、良好な粘着
剤ドットを形成することができた。
【0023】
【発明の効果】以上述べてきたように、水溶性基材の表
面に水溶性ポリマの薄膜を形成する方法を本発明の方法
とすることによって、従来技術の有していた課題を解決
して、水溶性基材の構造、形状を損なうことなくしかも
安価に水溶性基材上に水溶性ポリマの薄膜を形成するこ
とのできる方法を提供することができた。
【0024】また、この方法を適用することによって、
平滑性に優れかつインキ等の浸透性のない水溶性ポリマ
薄膜面を有する水溶性基材を得ることができ、その結
果、粘着剤小ドットを所望の間隔、所望のパターンで設
けた水溶性基材からなる播種育苗用シートを得ることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の手順を示す図。
【図2】本発明播種育苗シートの製造方法の説明図で、
(a)は断面図、(b)は平面図。
【符号の説明】 1…ポリエステルフィルム、2… PVA 溶液、3…水溶
性基材、4… PVA 薄膜、5…粘着剤。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶
    性ポリマの薄膜を形成する方法において、水溶性ポリマ
    を水と水に易溶性の有機溶媒との混合溶媒に溶解し、該
    溶液を支持体の表面に塗工し、混合溶媒を除去する前あ
    るいは一部除去した後に、水溶性又は水に易分散性の紙
    を貼り合わせ、次いで混合溶媒を除去した後に支持体を
    剥がすことを特徴とする水溶性又は水に易分散性の紙の
    表面に水溶性ポリマ薄膜を形成する方法。
  2. 【請求項2】上記の水溶性ポリマがポリビニルアルコー
    ル、好ましくはケン化度90%以下のポリビニルアルコー
    ルであることを特徴とする請求項1記載の水溶性又は水
    に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマ薄膜を形成する方
    法。
  3. 【請求項3】上記の水に易溶性の有機溶媒が1価のアル
    コールであることを特徴とする請求項1記載の水溶性又
    は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマ薄膜を形成す
    る方法。
  4. 【請求項4】上記の水溶性ポリマを塗工する上記支持体
    が、該水溶性ポリマ溶液が浸透せず、かつ均一に塗工さ
    れるものであり、かつ、混合溶媒除去後は水溶性又は水
    に易分散性の紙の表面に形成された水溶性ポリマ薄膜か
    ら剥離し易いものであることを特徴とする請求項1記載
    の水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマ薄
    膜を形成する方法。
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