JPH0778052B2 - Dl−パントラクトンの光学分割法 - Google Patents

Dl−パントラクトンの光学分割法

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JPH0778052B2 JP28565886A JP28565886A JPH0778052B2 JP H0778052 B2 JPH0778052 B2 JP H0778052B2 JP 28565886 A JP28565886 A JP 28565886A JP 28565886 A JP28565886 A JP 28565886A JP H0778052 B2 JPH0778052 B2 JP H0778052B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はDL−パントラクトンの光学分割に関するもので
ある。DL−パントラクトンの光学分割によって得られる
D−パントラクトンは、生物活性を有するD−パントテ
ン酸カルシウムの製造における中間体である。またL−
パントラクトンはラセミ化して、光学分割の原料に使用
されるし、DL−塩基性物質の光学分割において分割剤と
して使用することができる。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 一般の化学合成で得られるパントラクトンはラセミ体で
あり、その光学対掌体を得るには光学分割する必要があ
る。従来、DL−パントラクトンの光学分割に関しては、
分割剤としてキニン(米国特許第2319545号)、ブルシ
ン(米国特許第2474719号)、1−p−ニトロフェニル
−2−アミノ−1,3−プロパンジオール(特公昭41−917
6号)、L−アミノ酸(特公昭43−12149号)、d−α−
スレオナミン(ソ連邦国特許第201426号)、デヒドロア
ビエチルアミン(カナダ国特許第770177号)、エフェド
リン(米国特許第2460239号、同第2460240号)、N−置
換エフェドリン(特公昭55−35391号)等を用いる方法
が知られている。しかしながら、これらの方法は、光学
収率が低いか、高価であり、また操作性も悪く、工業的
に使用するには不利であった。
(問題点を解決するための手段) 本発明の発明者らは、上記の方法の欠点を克服するため
に鋭意検討した結果、一般式 (式中、R1、R2共に水素か又は共にメチル基であるか、
もしくはR1が水素でR2がイソプロピル基、2−メチルプ
ロピル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、ベンジル基、3−メトキシベンジル基、4
−メトキシベンジル基、4−メチルベンジル基、4−ク
ロルベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、2−フェ
ニルエチル基、またはα−ナフチルメチル基である)で
表される光学活性なN,N−ジ置換、N−モノ置換もしく
は非置換フェニルアラニノールを分割剤として用いれば
DL−パントラクトンを高収率で操作性よく分割できるこ
とを見いだした。
本発明はN,N−ジ置換、N−モノ置換もしくは非置換フ
ェニルアラニノールを、DL−パントラクトンもしくはDL
−パントラクトンにアルカリを加えて得られるDL−パン
トイン酸のアルカリ塩を鉱酸により酸性化して得られる
遊離パントイン酸と反応させるか、又はその光学活性フ
ェニルアラニノール類の鉱酸塩をDL−パントイン酸のア
ルカリ塩に反応させて得られるジアステレオマー混合物
をその溶解度差を利用して分離し、そのジアステレオマ
ーを分解して、光学活性パントラクトンを得る光学分割
法に関するものである。
本発明の実施においては、DL−パントラクトンを水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリで加水分解し
てラクトン環を開裂させ、塩酸、硫酸などの鉱酸により
過剰のアルカリを中和した後、光学活性フェニルアラニ
ノール類の鉱酸塩を加えるか、もしくはpH2.14−2.90に
酸性化の後に光学活性フェニルアラニノール類を加える
か、またはDL−パントラクトンと光学活性フェニルアラ
ニノール類を水溶媒中で加熱攪拌するなどして反応させ
ればジアステレオマー混合物の水溶液が得られる。この
水溶液を乾固し、適当な溶媒に加熱溶解し、食塩等の不
溶物を除いた後冷却すれば、難溶性のジアステレオマー
が晶出して来るのでこれを分離すれば良い。
本発明でDL−パントラクトンの加水分解に用いられるア
ルカリは1−1.05倍モル使用すれば十分である。また分
割剤である光学活性塩基は、被分割剤の等モル以上を使
う必要はなく、0.5−1.0モルの分割剤の使用で十分であ
る。また上記のジアステレオマーを分離する際に用いら
れる溶媒としては、水もしくはメタノール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類が使用されるが、これらの混合溶媒
も有効である。
上記のようにして得られたジアステレオマーは、アルカ
リもしくは鉱酸で容易に分解できる。難溶性のジアステ
レオマーは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリにより処理し、エーテル、ベンゼン、クロロホ
ルムなどの非水溶性の有機溶媒で抽出する。この抽出液
を乾固すれば分割剤が回収できる。水層部を塩酸、硫酸
などの鉱酸で酸性化した後加温し、クロロホルム、エー
テル等の有機溶媒で抽出して、抽出液を乾固すれば光学
活性パントラクトンが得られる。また前述の難溶性のジ
アステレオマーを分離した母液を乾固し、同様の操作を
すればパントラクトンのもう一方の光学対掌体を得るこ
とが出来るし、これをラセミ化して、次の分割に使用す
ることは容易である。
本発明は、DL−パントラクトンをその光学対掌体に高純
度、高収率で分離可能で、工業的に有利で、実施可能な
光学分割法である。分割剤である光学活性フェニルアラ
ニノール類は、この反応に使用中に変化を受けることな
く、ほぼ定量的に回収可能であり、引き続いての分割操
作に使用可能である。
本発明を具体的に説明するために実施例を示す。
実施例1 a)DL−パントラクトン19.52g(0.15モル)を水64mlに
溶解し、水酸化ナトリウム6.30g(0.158モル)を加え、
60℃で1時間攪拌、加水分解する。冷却後、濃塩酸でpH
2.8に調整した後D−N−(4−メトキシベンジル)フ
ェニルアラニノール26.46g(0.0975モル)を加え、メタ
ノール49.8mlを加え、60℃で1時間攪拌、溶解する。一
晩室温に放置後析出晶をろ過、水洗後乾燥して、D−パ
ントイン酸D−N−(4−メトキシベンジル)フェニル
アラニノール塩を得る。収量29.06g(収率46.2%)、
[α]=+24.4゜(c=1.0,エタノール)(光学純度
96.4%)この結晶を水10mlに懸濁し、28%水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えてpH11.6となし、1,2−ジクロルエタ
ン20mlで二度抽出する。水層部に濃塩酸を加えpH2.1と
した後濃塩酸1mlを加え1時間還流する。室温まで冷却
後クロロホルム20mlで二度抽出し、抽出液を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後乾固、同量の水で再結晶すればD−
パントラクトンを得る。収量8.21g(収率42.1%)、
[α]=−50.3゜(c=2.0,水)、融点89.5−90.5℃ b)分割母液を減圧濃縮しメタノールを留去した後、28
%水酸化ナトリウム水溶液でpH11.6にし、1,2ジクロル
エタン20mlで二度抽出する。水層部はa)と同様に処理
すればL−パントラクトンが得られる。また、この水層
部はこのまま加熱攪拌すればラセミ化し、抽出すれば引
き続く分割にDL−パントラクトンとして使用することが
出来る。
c)a)、b)各々の1,2−ジクロルエタン抽出液は、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去すれば分割
剤として使用したD−N−(4−メトキシベンジル)フ
ェニルアラニノールが回収できる。収量26.33g(回収率
99.5%)、[α]=+6.1゜(c=1.0、エタノー
ル)、融点86−87℃ 実施例2 実施例1)と同様にして得られるDL−パントイン酸ナト
リウム水溶液に、6N−塩酸10.21mlを加え、メタノール4
9.8mlを加えた後、D−N−(4−メトキシベンジル)
フェニルアラニノール塩酸塩30.01g(0.0975モル)を加
え、60℃で1時間攪拌溶解した後、室温で放置後析出晶
をろ過、水洗乾燥すれば、D−パントイン酸D−N−
(4−メトキシベンジル)フェニルアラニノール塩が得
られる。収量26.63g(収率42.3%)[α]=+22.0゜
(c=1.0,エタノール)(光学純度87.7%) 実施例3 DL−パントラクトン1.95g(0.015モル)を水94.5mlに溶
解し、水酸化ナトリウム0.63g(0.0158モル)を加え、6
0℃で1時間攪拌、加水分解する。冷却後濃塩酸でpH2.1
4に調整後、D−N−(4−メチルベンジル)フェニル
アラニノール3.83g(0.015モル)を加え、60℃で1時間
攪拌、溶解する。10℃まで冷却し、析出晶をろ過、水
洗、乾燥してD−パントイン酸D−N−(4−メチルベ
ンジル)フェニルアラニノール塩を得る。収量2.69g
(収率44.4%)、[α]=+22.9゜(c=1.0,エタノ
ール)(光学純度99.6%) 実施例4 DL−パントラクトン3.90g(0.030モル)を水4.9mlに溶
解し、D−N,N−ジメチルフェニルアラニノール5.38g
(0.030モル)を加え、80℃−90℃で2時間攪拌する。
水を完全に留去後、イソプロパノール44.5mlを加え、加
熱溶解し、室温に一晩放置する。析出晶をろ過し、イソ
プロパノールで洗浄後乾燥すればD−パントイン酸D−
N,N−ジメチルフェニルアラニノール塩を得る。収量3.3
2g(収率33.8%)、[α]=+6.19゜(c=1.0,エタ
ノール)(光学純度68.6%) 実施例5 DL−パントラクトン2.60g(0.020モル)を水10mlに溶解
し、L−N−イソプロピルフェニルアラニノール3.86g
(0.020モル)を加え、80℃−90℃で4時間攪拌する。
水を完全に留去後イソプロパノール19mlに加熱溶解し、
5℃に冷却する。析出晶をろ過、イソプロパノール洗
浄、乾燥して、L−パントイン酸L−N−イソプロピル
フェニルアラニノール塩を得る。収量1.90g(収率29.4
%)、[α]=−15.0゜(c=1.0,エタノール)(光
学純度83.4%) 実施例6 以下に、実施例1)〜5)等のように操作して得られる
難溶性ジアステレオマーの物理データを示す。旋光度は
光学純度100%(c=1.0,エタノール)の値である。
L−パントイン酸D−フェニルアラニノール [α]
=−18.6゜ D−パントイン酸D−N−イソプロピルフェニルアラニ
ノール塩 [α]=+18.1゜ D−パントイン酸D−N−ベンジルフェニルアラニノー
ル塩 [α]=+23.4゜ D−パントイン酸D−N−シクロペンチルフェニルアラ
ニノール塩 [α]=+23.1゜ D−パントイン酸D−N−シクロヘキシルフェニルアラ
ニノール塩 [α]=+24.9゜ D−パントイン酸D−N−(3−メトキシベンジル)フ
ェニルアラニノール塩 [α]=+23.9゜ L−パンドイン酸D−N−(2−メチルプロピル)フェ
ニルアラニノール塩 [α]=+7.4゜ D−パントイン酸D−N−(4−クロルベンジル)フェ
ニルアラニノール塩 [α]=+20.7゜ D−パントイン酸D−N−(α−ナフチルメチル)フェ
ニルアラニノール塩 [α]=+39.3゜ D−パントイン酸D−N−n−ヘキシルフェニルアラニ
ノール塩 [α]=+17.2゜ D−パントイン酸D−N−(4−ヒドロキシベンジル)
フェニルアラニノール塩 [α]=+26.1゜ D−パントイン酸D−N−(2−フェニルエチル)フェ
ニルアラニノール塩 [α]=+12.3゜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1、R2共に水素か又は共にメチル基であるか、
    もしくはR1が水素でR2がイソプロピル基、2−メチルプ
    ロピル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロ
    ヘキシル基、ベンジル基、3−メトキシベンジル基、4
    −メトキシベンジル基、4−メチルベンジル基、4−ク
    ロルベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、2−フェ
    ニルエチル基、またはα−ナフチルメチル基である)で
    表される光学活性N,N−ジ置換、N−モノ置換もしくは
    非置換フェニルアラニノールを、DL−パントラクトンも
    しくはDL−パントラクトンから得られる遊離パントイン
    酸に反応させるか、又はその光学活性フェニルアラニノ
    ール類の鉱酸塩をDL−パントイン酸のアルカリ塩に反応
    させて得られるジアステレオマー混合物を、その溶解度
    差を利用して分離し、そのジアステレオマーを分解する
    ことにより光学活性パントラクトンを得ることを特徴と
    するDL−パントラクトンの光学分割法。
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