JPH0779200B2 - 超電導磁気シールド体 - Google Patents

超電導磁気シールド体

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JPH0779200B2
JPH0779200B2 JP63132448A JP13244888A JPH0779200B2 JP H0779200 B2 JPH0779200 B2 JP H0779200B2 JP 63132448 A JP63132448 A JP 63132448A JP 13244888 A JP13244888 A JP 13244888A JP H0779200 B2 JPH0779200 B2 JP H0779200B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は超電導体によって磁界を遮蔽する超電導磁気シ
ールド体に関するものである。
(従来の技術) 従来、超電導を利用した磁気遮蔽体としては、磁界の強
さに応じて第1種超電導体及び第2種超電導体が用いら
れていた。第1種超電導体を用いた磁気遮蔽体は、超電
導の性質である完全反磁性(マイナス−効果)を利用す
るものであるが、その臨界磁界が低いため強い磁界を遮
蔽することは不可能である。ところが第2種超電導体を
用いた磁気遮蔽体は、超電導状態と常電導状態との混合
状態を利用するものであり、その臨界磁界は上部臨界磁
界と下部臨界磁界とに分かれ、上部臨界磁界が極めて高
いため強い磁界の遮蔽に利用することができる。従っ
て、近時この第2種超電導磁気遮蔽体が鋭意研究され一
部実用化されるに至っている。
上記第2種超電導体を用いた磁気遮蔽の応用例として
は、超電導シート或いはテープを筒状芯材の周囲に巻き
付けたもの、例えば特開昭56-40289号等に開示のものが
上げられる。この磁気シールド体は、強磁界内に配置さ
れ芯材の内部空間を外部磁界から遮断するよう、或いは
芯材内部にマグネットを配置してその外部への磁界の漏
洩を防止するよう用いられたりする。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上記磁気シールド体は、超電導シールド或い
はテープの相互の接合を介して芯材の内外を電磁的に遮
断せんとするものであるから、その接合部分の状態が磁
気遮蔽効果に大きく影響する。因みに、前記先行出願に
係るものは、超電導テープを芯材に巻き付けた後低融点
金属に含浸して超電導テープ同士を接合一体とするもの
であるが、テープ間の間隙に含浸金属が完全にゆき亘ら
ずまた含浸金属層の厚みが均一とならない為、芯材の軸
心に平行な磁界に対する遮蔽効果が弱くしかも経時的に
低下すると云う難点があった。即ち、磁界に直交する面
域でみると、低融点金属の欠落部分がある為、超電導テ
ープによる電気的閉環状態が形成されず、従って鎖交磁
束不変の原理が作用しにくく、また低融点金属の厚みの
差により電気抵抗の差が生じ、厚いところではジュール
発熱しこれが原因で上記電気的閉環状態が経時的に崩れ
易くなるからである。
その他、超電導線材による網テープを筒状芯材に巻き付
け、ウッドメタルやハンダ等により相互に接合したもの
もあるが、この場合は接合箇所が多く、接合部分に生じ
る電気抵抗により磁界遮蔽効果が経時的に低下する 本発明者等は、上記磁気シールド体に於いて、磁界に平
行な部位と直交する部位とに対応する超電導薄膜相互の
接合手段の適正化について鋭意研究を重ねることによ
り、磁気遮蔽効果が極めて優れ且つ安定した数種の超電
導磁気シールド体を完成するに至り、ここにこれらを提
案せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 請求項1に係る本発明の超電導磁気シールド体は、両端
開放の筒状芯材と、該芯材の周体に巻回された超電導薄
膜とより成り、該薄膜が上記芯材の軸線廻りに関して電
気的に閉環状態となす閉環接合部分を有し、少なくとも
この閉環接合部分が、蒸着により該薄膜に被着形成され
た超電導性低融点金属層同士を熱圧着して接合一体化さ
れて成ることを要旨とする。
亦、請求項2に係る超電導磁気シールド体は、両端開放
の筒状芯材と、該芯材の周体に巻回された超電導薄膜と
より成り、蒸着により被着形成された超電導性低融点金
属層同士の熱圧着を介して閉環された超電導薄膜テープ
環帯が上記芯材の両端部に套嵌されて成ることを要旨と
し、更に請求項3に係る超電導磁気シールド体は、上記
超電導薄膜テープ環帯に代え、超電導線材の閉環コイル
状輪体が芯材の両端部に套嵌されて成るものである。
請求項1乃至3の磁気シールド体に於いて、筒状芯材の
軸心に沿った磁界を有効に遮蔽する為には、鎖交磁束不
変の原理により該磁界に直交する面域が電気的に閉環し
ている必要があり、しかも接合部の電気抵抗ができるだ
け小さいことが肝要であるので、超電導薄膜若しくはテ
ープの接合部位にはできるだけ面積が大きく薄層に形成
された超電導性低融点金属層が介在される。
しかし、筒状芯材の側部に直交状態で負荷される磁界に
対しては、超電導薄膜の反磁性を利用して遮蔽すること
になるから、電気的に閉環する必要がなく、従って上記
閉環接合部以外、例えば芯材側部の超電導薄膜同士の重
なり部分等の接合は、上記低融点金属の圧着による場合
の他に、市販の低温用接着剤(例えば、エポキシ系接着
剤)、粘着剤及び接着若しくは粘着テープ(両面テープ
等)のいずれかを採用することが出来る。但し、斯かる
接着方法を採用した場合でも、超電導薄膜同士の間隙は
500μm以下にすべきである。500μmを越えると接着層
を通じて磁界が漏洩することがあるからである。
更に、請求項5に係る超電導磁気シールド体は、一端が
底部により閉じられた筒状芯材の周体及び該底部の内表
面及び/若しくは外表面に超電導薄膜を隙間なく絶縁性
接着材料により粘着一体として成るものである。絶縁性
接着材料には、上記の低温用接着剤、粘着剤、接着テー
プ、又は粘着テープの採用が可能である。これは、筒状
芯材の一端が閉じられている為、芯材の軸心に平行な磁
界は、実質的にこの閉じられた底部を隙間なく覆う超電
導薄膜の垂直磁場に対する反磁性によって遮蔽されるこ
とになる為、敢えて電気的閉環状態を構成する必要がな
いからである。
上記超電導薄膜及び線材の超電導材としては、ニオブ金
属、ニオブ系化合物、ニオブ系合金、バナジウム系化合
物及びバナジウム系合金等が採用され、具体的にはNb、
Nb-Ti合金、Nb-Zr合金、NbN、NbC、NbN・TiN(混晶
体)、Nb3Sn、Nb3Al、Nb3Ga、Nb3Ge、Nb3(AlGe)及びV
3Ga等が挙げられる。その他セラミックス系超電導材料
(例えば、Ba-Y-Cu-O系化合物、La-Sr-Cu-O系化合物、B
i-Sr-Ca-Cu-O系化合物、Tl-Ba-Ca-Cu-O系化合物)やシ
ェブレル超電導材料(例えば、PbMo6S6)等も採用され
る。超電導薄膜は、これらの合金の圧延シート若しくは
フィルムを単独で又は常電導性金属のシート若しくはフ
ィルムと積層したものを利用してもよく、また、上記の
超電導性の化合物やセラミック材料を基材シートやフィ
ルムの表面に蒸着ないし添着したものでもよい。更に、
特願昭第60-024254号、特願昭第62-068499号及び特願昭
第63-028184号により開示された超電導磁気遮蔽体も採
用可能である。
亦、上記超電導性低融点金属として、液体He温度で超電
導性を示すウッドメタル、ビスマス鉛、インジウム錫及
び鉛の合金等を用いると、超電導薄膜同士の接合部の電
気的抵抗がゼロ(単層膜の時)或いは非常に小さく(積
層膜の時)なり、極めて良好な電気的閉環状態が得られ
る。該低融点金属は、少なくとも超電導薄膜の閉環接合
対応部位に真空蒸着により被着形成され、合体状態で加
熱加圧すると相互に融着一体化される。この場合、超電
導薄膜とのぬれ性を考慮して、予め超電導薄膜に真空蒸
着若しくはスパッタ法により銅のコーティング膜を形成
し、この上に低融点金属層を被着形成することも可能で
ある。
(作用) 本発明超電導磁気シールド体の作用について述べる。請
求項1に係るシールド体を磁界の中に配置すると、超電
導性低融点金属層の相互圧着接合によって形成された閉
環ループには芯材の軸線に平行な磁界の作用を受けて遮
蔽電流が流れ、この遮蔽電流に基づき該磁界の透過が遮
断される(鎖交磁束不変の原理)。そして、低融点金属
層は真空蒸着により被着形成されたものであるから、そ
の厚み等は均一であり、従って上記遮蔽効果は安定且つ
長期に亘って維持される。亦、芯材の周体に直交する方
向より負荷される磁界に対しては、該芯材の周体に巻回
された超電導薄膜の反磁力が作用し、これにより該磁界
が遮断される。
請求項2の磁気シールド体の場合、上記同様磁界の中に
置かれた時、芯材の両端部に套嵌された超電導薄膜環帯
に遮蔽電流が流れ、上記同様芯材の軸心に平行な磁界は
遮断される。また、芯材周体の直交方向より負荷された
磁界も上記同様該周体に巻回された超電導薄膜の反磁作
用により遮断される。
請求項3の磁気シールド体の場合、芯材両端に超電導線
材による閉環コイル状輪体が套嵌されているから、芯材
の軸線に平行な磁界によって該輪体に遮蔽電流が流れ該
磁界が遮断され、芯材の周体に負荷された磁界も上記同
様に遮断される。
上記請求項1乃至3に係る磁気シールド体の場合、閉環
接合部以外の超電導薄膜の接合部分、即ち該薄膜同士の
重なり部分等を、接着剤や接着テープ等によって密に接
合しておけば、超電導薄膜の巻回状態が維持され且つこ
れによって芯材の周体に直交する磁界の遮蔽が低下され
ることはない。従って、超電導薄膜の巻回組立が簡易且
つ安価になされる。
請求項5に係る磁気シールド体に於いては、芯材の周体
及び底部は超電導薄膜で隙間なく絶縁性接着材料により
貼着して覆われ、相隣接する各超電導薄膜は接着剤によ
り電気的絶縁状態にあるので、磁界はその超電導薄膜の
反磁性だけで遮蔽される。そこで、芯材の軸心に平行な
磁界は、その底部の閉じられた部分に対して直接作用す
る。従って、この閉じられた部分に隙間なく接着一体と
された超電導薄膜の反磁力により磁界が遮断される。
亦、芯材の側周部に直交状態で作用する磁界も、該側周
部に接着一体とされた超電導薄膜の反磁効果により遮断
され、全体が超電導薄膜の反磁性のみによって磁気遮蔽
効果を保有することになる。従って、該薄膜同士を電気
的に接合させる必要がなく、接着剤や両面テープ等の安
価な接合手段が採用可能となる。
(実施例) 次に本発明の実施例を添付図面により更に詳細に説明す
る。ここに、第1図は本発明の請求項1に係る磁気シー
ルド体の例を示す斜視図、第2図は第1図のII-II線断
面図、第3図は他の変更例の第2図と同様図、第4図
(イ)は同他の変更例を(ロ)はその超電導薄膜の展開
図を示し、第5図は同請求項2に係る磁気シールド体の
例を示す斜視図、第6図は同請求項3に係る磁気シール
ド体の例を示す斜視図、第7図は同請求項5に係る磁気
シールド体の例を示す斜視図、第8図は接合部の種々の
態様を示す概略説明図である。
〔I〕 第1図は、アルミニウム、銅若しくはステンレ
ススチールより成る両端開放の円筒状芯材1の周体に帯
状超電導薄膜2…を環状に巻回し、該薄膜2…を芯材1
の軸心方向に関して互いに重なり合うよう連設した超電
導磁気シールド体を示す。該薄膜2の周方向の接合部分
3には、真空蒸着による厚さ3〜5μmの低融点金属層
31、31が互いに対面状態で被着形成され、この低融点金
属層31、31同士を熱圧着一体(第2図参照)とすること
により、各超電導薄膜2…が芯材1の軸心の廻りに関し
て電気的に閉環状態とされている。また、芯材1の軸心
に沿った薄膜2…同士の重なり部分4…は低温用接着剤
により接合一体とされ、これにより芯材1の外周面は超
電導薄膜2…によって完全に被装される。上記閉環接合
部分3…は、図の如く周方向にずれるよう、また薄膜2
…を芯材1の遠心方向に関して多層に巻回する場合、こ
の重なり部分4…は芯材1の軸心方向に互いにずれるよ
う、配置することがより有効な磁気遮蔽を行なう上で望
ましい。
斯くして、上記構成の磁気シールド体を磁界内に配置す
ると、芯材1の軸心に平行な磁界により閉環状態の超電
導薄膜2…に遮蔽電流が誘起され、この鎖交磁束不変の
原理により該磁界が遮蔽される。この時閉環接合部分3
に介在された低融点金属層31、31は、電気の良導体であ
りしかも均一厚みに被着形成されたものであるから、電
流の回流が確実に誘起され且つ経時的に減衰することも
なく、上記磁界の遮蔽が有効になされる。また、芯材1
の周体に直交する磁界も、該芯材1の周体に密に巻回一
体とされた超電導薄膜2…の反磁作用により遮蔽され
る。
第3図は、超電導薄膜2と低融点金属層31との間に銅に
よる中間層32を介在させた例を示すものである。この中
間層32は、超電導薄膜2に真空蒸着又はスパッタ法によ
り形成され、超電導薄膜2と低融点金属層31とをより強
固に一体とすべく機能するもので望ましく採用される。
〔2〕 第4図は、上記同様の金属製円筒状芯材1の周
体に、該芯材1の長さに等しい幅のシート状超電導薄膜
2を巻回したものである。該薄膜2は、第4図(ロ)に
示す如く巻始め部分の幅方向端部に接合片21、21を突出
具備し、第4図(イ)に示す如く芯材1の周体に巻回し
た後既巻回薄膜2の表面にこの接合片21、21が折り返さ
れ接合一体とされる。本実施例の場合、薄膜2の表面の
全面に前記と同様の低融点金属層が被着形成され、上記
折り返された接合片21、21を加熱加圧することにより該
低融点金属層同士が熱圧着され、これにより実質的に超
電導薄膜2の電気的閉環状態が得られる。また、該超電
導薄膜2の巻終り部分は、前記同様低温接着剤や両面テ
ープ等により既巻回薄膜2の表面に接着一体とされる。
この巻終り部分の接合一体化は、薄膜2の両面に低融点
金属層が被着形成されている場合、該低融点金属層同士
の熱圧着により行なうことも可能であり、これによって
も電気的閉環状態の接合がなし得る。このようにして構
成された磁気シールド体は、上記〔1〕の場合と同様の
磁気遮蔽効果を奏することはその説明で容易に理解され
るところであり、従ってここではその詳細な説明を割愛
する。
〔3〕 第5図は、上記同様の芯材1の周体にテープ状
超電導薄膜2を螺旋状に隙間なく巻回し、この螺旋状巻
回に伴う薄膜同士の重なり部分を低温用接着剤或いは両
面テープ等により接合一体とすると共に、芯材1の両端
部に低融点金属層同士の加熱圧着により閉環状とした上
記同様の超電導薄膜テープ環帯2a、2aを套嵌一体とした
ものである。この実施例に於いては、超電導薄膜テープ
環帯2a、2aにより電気的閉環状態が形成されるから、上
記同様芯材1の軸心に平行な磁界はこれにより遮蔽さ
れ、また芯材1の周体に直交する磁界は該芯材1の周体
に螺旋状に巻回されたテープ状超電導薄膜2により遮蔽
される。
〔4〕 第6図は、上記超電導薄膜テープ2a、2aに代
え、超電導線材による閉環コイル状輪体2b、2bを芯材1
の両端に套嵌一体としたものである。各輪体2b、2bの両
端も電気的閉環状態が形成されるよう低融点金属の溶融
固着により接合一体とされ、これにより上記同様鎖交磁
束不変の原理が発現され、上記同様の磁気遮蔽効果が奏
せられる。その他の磁気遮蔽効果も上記と同様であるの
でその詳細な説明を割愛する。
〔5〕 第7図は、一端が閉じれた金属製円筒状芯材
1′の外表面全面に超電導薄膜片2c…を上記同様の低温
用接着剤等により隙間なく貼着して成る磁気シールド体
を示す。この場合、芯材1の軸心に平行に負荷される磁
界は、芯材1の底部閉塞部分を透過しようとするが、該
閉塞部分には超電導薄膜片2c…が隙間なく貼着されてい
るから、この反磁効果により磁界が遮蔽される。また、
芯材1の側周面に直交状態で作用する磁界は、同様に隙
間なく貼着された超電導薄膜片2c…により遮蔽される。
本実施例の場合、超電導薄膜片2c…の反磁効果のみによ
って磁界の遮蔽が可能とされるので、上記実施例の如き
電気的閉環状態の接合は敢えて必要ではない。しかし、
前記実施例の如き低融点金属層同士の熱圧着接合を併用
することはもとより可能である。
〔6〕 第8図は、上記に採用される接合部分の種々の
形態を示すものである。第8図(イ)は超電導薄膜2の
端部を単に重ね合せただけであるが、同(ロ)及び
(ハ)は薄膜2の端部を所謂はぜ折或いは折畳み状に折
曲して接合する状態を示す。第8図(イ)の場合、磁界
により接合部分を剥離するような力が作用する為、接合
部分の接着強度を大とする必要がある。しかし、第8図
(ロ)の場合は超電導薄膜2の端部同士が噛み合うよう
連結されるので、磁界による強い剥離作用によっても充
分に耐えることが出来る。亦、第8図(イ)及び(ハ)
の方法で低融点金属層の熱圧着により閉環接合をする場
合、薄膜2の対応面に低融点金属層を別途被着形成する
か、薄膜2の両面全面に形成する必要があるが、第8図
(ロ)の場合は片面にのみ形成すれば良いことになる。
第8図(ハ)の場合、接合部両側面より挟んで固定する
ことが望ましい。
〔7〕 次に、第8図(イ)乃至(ハ)の接合形態によ
る磁気遮蔽効果について比較試験したのでその結果を述
べる。
先ず、厚さ2μmのNbTi薄膜シートを直径45mmの円板状
に加工し、更に直径方向でこれを切断して前記の各種接
合方法と第8図(イ)乃至(ハ)の接合形態を組み合わ
せて切断片同士を接合した。接合部の重ね代は第8図
(イ)及び(ハ)の場合10mm、第8図(ロ)の場合5mm
である。亦、接着剤層及び粘着テープ層の厚みは夫々0.
1mm及び0.2mmである。この接合部分の中央部に一定の磁
界を直交状態で作用させ、接合部を有しない上記薄膜シ
ートの場合を100としてその磁気遮蔽効果を算出した。
その結果を第1表に示す。
尚、Bi-Pb、ウッドメタル、In-Sn-Pb及びInは、超電導
薄膜の対応接合部に真空蒸着により厚さ5μmで被着形
成し、これらを加熱加圧により相互に熱圧着一体とし
た。
第1表から、第8図(イ)の接合形態では、整合材料が
In、低温用接着剤及び両面テープの場合、若干磁気遮蔽
効果が劣るが、その他の場合は接合を有しないものと同
等であることが理解される。
〔8〕 次に第1図、第4図(イ)乃至第7図に示すシ
ールド体を作成しその磁気遮蔽量を測定したので、その
試験結果について述べる。
厚さ0.049mm、直径25.4mm及び長さ200mmで、両端開放の
アルミニウム製の円筒状芯材を4本と、同形状で一端が
閉鎖された芯材を1本準備した。
(a) 厚さ2μm、幅30mmの帯状NbTi薄膜の両端部に
Bi-Pbを30mmに亘って真空蒸着により厚さ5μmで被着
形成し、これを両端開放の上記円筒状芯材の周体に第1
図の如く巻回して該Bi-Pb層同士を加熱圧着すると共
に、薄膜同士の重なり部分(重なり幅10mm)を低温用接
着剤にて接合一体とした。
(b) 厚さ2μm、幅200mmで、表面に厚さ5μmのB
i-Pbの真空蒸着膜を被着形成したNbTi薄膜シートを第4
図(ロ)の如く裁断加工し、これを第4図(イ)の如く
芯材の周体に巻回してその巻終り端部を低温用接着剤で
接着一体とする(幅200mm)と共に、巻始め部の突出接
合片(10×30mm)を折返し、これを加熱圧着により既巻
回部に熱圧着した。
(c) 厚さ2μm、幅30mmのNbTi薄膜テープを、第5
図若しくは第6図の如く両端開放芯材の表面に螺旋状に
巻回し、その重なり部分(重なり幅10mm)を低温用接着
剤にて接合一体とした。上記NbTi薄膜テープの切断短片
の両端に幅30mmに亘る厚さ5μmのBi-Pb真空蒸着膜を
被着形成し、これを芯材の両端部に巻回し加熱加圧によ
るBi-Pb膜同士の熱圧着をして第5図の如く套嵌固定し
た。
(d) 上記同様のNbN・TiN薄膜テープを芯材に螺旋状
に巻回し、その重なり部分を同様に接着固定した。ま
た、線径2mmのNbTi線材をこの芯材の両端部に数十回
(中心磁界が環境磁界の強さ以上になるよう)巻き付
け、その端部をBi-Pbにより接着固定した。
(e) 厚さ2μm、20×20mmの方形NbTi薄膜片を一端
閉塞の上記芯材の外面に低温用接着剤によりその重なり
幅が5mm以下となるよう隙間なく貼着一体とした(第7
図参照)。
上記(a)乃至(e)のシールド体を、400ガウスの磁
界内にその軸心と磁界とが平行となるよう配置し、シー
ルド体中心部の磁界の強さを測定した。尚、接合形態は
いずれも第8図(イ)を採用した。その結果、(a)乃
至(e)のシールド体の中心部の磁界の強さはいずれも
ゼロであった。
尚、超電導薄膜による磁気遮蔽層を多層にすれば、更に
磁気遮蔽効果が増大する。亦、磁気遮蔽効果は24時間後
も何等低下せず、この様な操作を10回以上繰り返しても
性能の劣化は認められなかった。
そして、上記のように磁気遮蔽効果の優れた積層膜を用
いると、より性能の優れたシールド体を形成することが
できる。更に、高磁場の遮蔽においても、多層化の層数
を小さくすることができるため、シールド体作成が非常
に容易となる。
(発明の効果) 叙上の如く、本発明の超電導磁気シールド体は、超電導
薄膜の2種の磁気遮蔽機能、即ち鎖交磁束不変の原理及
び反磁性の夫々に応じた適正な接合手段を採用し、これ
により接着剤や両面テープ等の如く従来考えられなかっ
た接合手段の採用が可能とされ、亦蒸着による低融点金
属層同士の電気的閉環接合の場合は、磁気遮蔽が確実且
つ均一でしかも長期に亘り維持される。従って、研究用
に超電導マグネットの漏洩磁界をシールドしたり高磁場
中に遮蔽空間を形成させる場合、MRI、超電導磁気浮上
列車、超電導電磁推進船、超電導エネルギー貯蔵、超電
導発電機及びMHD発電装置等への応用に有効であり、そ
の価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の請求項1に係る磁気シールド体の例を
示す斜視図、第2図は第1図のII-II線断面図、第3図
は他の変更例の第2図と同様図、第4図(イ)は同他の
変更例を(ロ)はその超電導薄膜の展開図を示し、第5
図は同請求項2に係る磁気シールド体の例を示す斜視
図、第6図は同請求項3に係る磁気シールド体の例を示
す斜視図、第7図は同請求項5に係る磁気シールド体の
例を示す斜視図、第8図は接合部の種々の態様を示す概
略説明図である。 (符号の説明) 1……芯材、2……超電導薄膜、3……閉環接合部分、
31……低融点金属層。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−40289(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端開放の筒状芯材と、該芯材の周体に巻
    回された超電導薄膜とより成り、 該薄膜が上記芯材の軸線廻りに関して電気的に閉環状態
    となす閉環接合部を有し、 この閉環接合部が、蒸着により該薄膜に被着形成された
    超電導性低融点金属層同士を熱圧着して接合一体化され
    て成ることを特徴とする超電導磁気シールド体。
  2. 【請求項2】両端開放の筒状芯材と、該芯材の周体に巻
    回された超電導薄膜とより成り、 蒸着により被着形成された超電導性低融点金属層同士の
    熱圧着を介して閉環された超電導薄膜テープ環体が上記
    芯材の両端部に套嵌されて成る超電導磁気シールド体。
  3. 【請求項3】上記超電導薄膜テープ環体に代え、超電導
    線材の閉環コイル状輪体が芯材の両端部に套嵌されて成
    る請求項2記載の超電導磁気シールド体。
  4. 【請求項4】上記閉環接合部以外の超電導薄膜同士の接
    合が、低温用接着剤、粘着剤及び接着テープ若しくは粘
    着テープのいずれかによりなされている請求項1、2又
    は3記載の超電導磁気シールド体。
  5. 【請求項5】一端が底部により閉じられた筒状芯材の周
    体及び該底部の内表面及び/若しくは外表面に超電導薄
    膜を隙間なく絶縁性接着材料により貼着一体として成る
    超電導磁気シールド体。
  6. 【請求項6】上記絶縁性接着材料が、低温用接着剤、粘
    着剤及び接着テープ若しくは粘着テープのいずれかであ
    る請求項5記載の超電導磁気シールド体。
  7. 【請求項7】上記芯材が、アルミニウム、銅及びステン
    レス鋼より選ばれたいずれかの金属よりなる請求項1、
    2、3又は5記載の超電導磁気シールド体。
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