JPH0779972A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH0779972A
JPH0779972A JP5224676A JP22467693A JPH0779972A JP H0779972 A JPH0779972 A JP H0779972A JP 5224676 A JP5224676 A JP 5224676A JP 22467693 A JP22467693 A JP 22467693A JP H0779972 A JPH0779972 A JP H0779972A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、被検体内の音速の不均一性を補正す
る機能を有する超音波診断装置に関し、低コストかつ実
用的な補正手段により被検体内の音速不均一性を補正す
る。 【構成】受信信号を各周波数帯域ごとに分割し、分割さ
れた帯域別受信信号それぞれの時間ずれを検出し、それ
ら各帯域別にそれぞれ遅延量補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波による被検体内
の断層像を表示する超音波診断装置に関し、特に被検体
内の音速の不均一性を補正する機能を有する超音波診断
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被検体内に超音波を送信し被検体内の組
織で反射して戻ってきた超音波を受信して受信信号を
得、この受信信号に基づいて被検体内の断層像を表示す
ることにより内臓等の疾患の診断に供する超音波診断装
置が用いられており、この超音波診断装置ではいわゆる
受信フォーカスの手法が用いられている。
【0003】図7は、この受信フォーカスの手法の説明
図である。所定の方向(図7の左右方向)に並んだn個
の電気音響変換素子(以下単に「素子」と呼ぶ)E1
2 ,…,Ei ,…,En に電気信号を与えると、これ
らの各素子E1 ,E2 ,…,Ei ,…,En で超音波に
変換され、この超音波が被検体内に向けて送信される。
【0004】ここでこの超音波が、多数の素子E1 ,E
2 ,…,Ei ,…,En の中央0から被検体内に延びる
垂線上のa点で反射された場合について考察する。a点
からの反射波は、a点からの距離の遠い端部側にある素
子E1 とa点からの距離の近い中央側にある素子Ei
を比べると、遠くにある素子E1 よりも近くにある素子
i に先に到達する。この到達の時間差はa点から素子
1 ,Eiまでの距離をそれぞれL1,Liとしたとき
の距離差ΔL=L1−Liだけ超音波が進む時間とな
る。ここで仮に被検体内の音速が均一であると仮定し、
この音速をCとすると、この時間差はΔL/Cで表わさ
れる。このようにa点と各素子E1 ,E2 ,…,Ei
…,En との間の各距離どうしに各距離差があるため、
各距離差を各時間に換算し、各素子E1 ,E2 ,…,E
i ,…,En で得られた各受信信号を各時間差に相当す
る分だけ遅延させることによりこれらの受信信号の到達
時刻を互いに揃える整相処理が行われる。これによりa
点で反射された超音波に対応する受信信号を強調するこ
と、即ちa点に受信の焦点を結ばせることが可能とな
る。被検体内の深い位置で反射された超音波ほど各素子
に遅れて到達するため、各素子E1 ,E2 ,…,Ei
…,En で得られた各受信信号に対する各遅延量を順次
変化させながら互いに加算することにより、a点のみで
なくa点を含め中央0から被検体内に延びる垂線上の各
点に連続的に焦点を合わせるいわゆるダイナミックフォ
ーカスを行うこともできる。この垂線は走査線と呼ば
れ、各受信信号に対する各遅延量を変化させることによ
り、この走査線を電気音響変換素子E1 ,E2 ,…,E
i ,…,En の並ぶ方向(図7の左右方向)に平行に移
動させるいわゆるリニア走査やこの走査線を扇状に偏向
させるいわゆるセクタ走査を行うこともでき、これによ
り被検体内の2次元的な断層像を得ることができる。さ
らに図7の紙面に垂直な方向にも電気音響変換素子を配
列すること等によりこの配列方向にも走査して3次元立
体像を得ることができることも知られている。
【0005】ところが、人体内には脂肪層や筋肉、その
他種々の組織が存在し、特に脂肪層においては他の組織
と比べ音速が異なることが知られている。図8は、音速
が不均一の場合の受信フォーカスを示した図である。こ
の図8に示すように、例えば人体の腹部の肝臓の診断を
行う場合において、体表近傍には音速が約1470m/
secの比較的音速の遅い脂肪層が存在し、その下に音
速約1540m/secの筋肉層が存在し、さらにその
下部に同じく音速が約1540m/secの肝臓が存在
する。また、脂肪層は筋肉内や肝臓内に沈着する場合も
ある。
【0006】このように被検体内に音速の異なる部分が
あると、音速が均一であるという仮定の下に定めた各遅
延量を各受信信号に与えても、図8に示すように各受信
信号の到達時刻は揃わず、したがってこれらの各受信信
号を全て加算してもa点に焦点のあった信号とはならず
に断層像がボケてしまう結果となる。ここではこの各受
信信号の到達時刻のずれを「時間ずれ」と称することと
する。しかもこの脂肪層の厚さは人により異なるため、
各受信信号に対する各遅延量を一律に補正することはで
きない。
【0007】これを解決する方法として、相互相関演算
を用いる方法([1]米国特許公報USP481761
4号、[2]S.W.FLAX AND M.O’DO
NNEL,”Phase−Aberration Co
rrection Using Signals F
rom Point Reflectors andD
iffuse Scatterres:Basic P
rinciples” IEEE TRANSACTI
ON ON ULTRASONICS, FERROE
L ECTRICS, AND FREQUENCY
CONTROL, VOL35,NO.6, NOVE
MBER 1988, p758〜p767 参照)が
知られている。
【0008】図9は、相互相関法を用いた時間ずれを補
正する方法の説明図である。ここでは先ず被検体内の音
速が均一であると仮定した上で各受信信号に各遅延量を
与え、この各遅延量を与えた後の各受信信号の一部を相
関計算領域として切り出し、この相関計算領域内の各受
信信号に基づいて以下のようにして時間ずれが求められ
る。即ち、この切り出された各受信信号のうち、互いに
隣接する2つの受信信号間で相互相関演算が行われ、求
められた相互相関関数のピーク値の存在する位置から隣
接素子間の時間ずれΔτが求められる。
【0009】この時間ずれΔτが互いに隣接する2つの
受信信号の全てについて求められ、この求められた各時
間ずれΔτが例えば図の1番左側の素子に対応する受信
信号の到達時刻を基準にして順次積算され、これにより
基準の受信信号に対する他の受信信号の各時間ずれΔt
が求められ、この各時間ずれΔtが補正されるように各
受信信号に対する各遅延量が変更され、これにより、全
ての素子の受信信号の到達時刻を揃えることができるこ
ととなる。
【0010】尚、従来提案されている各受信信号の時間
ずれを検出する方法としては、上記の相互相関法のほか
直交検波法と呼ばれる方法も知られている([3]米国
特許公報USP4835689号参照)。この直交検波
法では受信信号間の狭義の時間ずれの代わりに受信信号
間の位相差が求められるが、本発明はこの時間ずれの検
出方法に依存するものではないため、ここでは「時間ず
れ」は広義に解釈し「位相差」も含むものとする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図10は、被検体内の
任意の位置P(例えばフォーカス点)からの反射波が、
電気音響変換素子のある素子Eiに達する場合の概略図
である。図10に示すように点Pからの反射波は、音速
不均一境界面Fの形状により様々に屈折し、様々な経路
で素子Eiに達する。音速不均一境界面Fの形状が複雑
であればあるほど、また音速不均一境界面Fが電気音響
変換素子と離れる程、点Pからの反射波が素子Ei に到
達する経路は複雑になる。こうしたマルチパスの反射
波、すなわち様々な位相差、振幅をもつ信号を合成した
ものが、素子Ei の受信信号となる。
【0012】従来の生体内音速不均一補正法は、隣接素
子間相関法に代表されるように、2つの受信信号のパタ
ーンマッチングであり、2つの受信信号の到達時間差
(時間ずれ)の情報しかもたず、時間的な補正しか行っ
ていない。したがって、反射波1のみが受信信号であれ
ば、相互層間法は有効な補正法と言えるが、実際には、
各反射波をf1 (t),f2 (t),…とすると式、 f(t)=f1 (t)+f2 (t)+f3 (t)+… ……(1) に示すように、マルチパスからの反射波が積算されたも
のとなるため、単純な時間的な補正のみではその補正効
果が期待薄である。
【0013】したがって、生体内の音速不均一性を補正
するには、位相差(時間ずれ)並びに、振幅の補正も行
う必要があるといわれている。この補正法の一例がMa
rhias A Finkらによって紹介されている
(IEEE TRANSACTION ON ULTR
ASONICS, FERROELECTRICS,
AND FREQUENCY CONTROLVol.
39 No.5 p.555〜p.592)。この補正
法の原理は、各電気音響変換素子で受信された受信信号
を時間的に反転させて送信時の各電気音響変換素子に対
する印加電圧に用いるものである。受信信号は周波数毎
の位相差(時間ずれ)、振幅情報を含んだものであるた
め、時間的に反転させて送信印加電圧とすることで周波
数毎の時間ずれ、振幅の歪みを一度に補正することが可
能であると報告している。
【0014】しかしこの補正法の問題点は、点ターゲッ
トのような、非常に反射強度の強い部分からの反射波を
必要とし、散乱体からの反射波では補正効果が期待でき
ないことにある。実際の人体において、点ターゲットの
ような強反射体は血管壁のようなものに限られるため、
上記補正方法は実用的ではない。さらにこの補正法の欠
点は莫大なコストがかかることである。まず各電気音響
変換素子毎に、受信信号をサンプリングするためにA/
D変換器が必要となる。さらにA/D変換された受信信
号を保持するために各電気音響変換素子毎にメモリが必
要となる。そして更に受信信号を送信に使用するため、
各電気音響変換素子毎にD/A変換器とアンプが必要と
なる。アンプは、その特性が線型で、広帯域で、高増幅
率(約100倍程度)でなければならず、非常に高価と
なる。
【0015】現在、電気音響変換素子が多素子化するな
かで、素子毎にA/D変換器,メモリ,D/A変換器,
アンプを取付けることは非常にコスト高につながり、実
用的でないことが問題である。本発明は、上記事情に鑑
み、被検体内の音速不均一性を低コストかつ実用的な補
正手段により補正する機能を備えた超音波診断装置を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の超音波診断装置は、所定の方向に並んだ複数の電気
音響変換素子と、これら複数の電気音響変換素子から被
検体内に送信される超音波が該被検体内に延びる走査線
上の所定の送信フォーカス点で焦点を結ぶように各所定
のタイミングの送信パルスを前記複数の電気音響変換素
子に印加する送信部と、前記被検体内で反射した超音波
を前記複数の電気音響変換素子で受信することにより得
られた複数の受信信号を、前記被検体内の互いに略同一
の位置で略同時に反射された超音波に対応する受信信号
どうしが略同時に得られるようにそれぞれ遅延すること
により、これら複数の受信信号を互いに整相する受信部
と、整相処理後の前記複数の受信信号を互いに加算する
ことにより加算信号を得る加算部と、前記加算部で得ら
れた加算信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基づいて
前記被検体の断層像を表示する表示部とを備えた超音波
診断装置において、 (1)互いに中心周波数が異なる複数の各周波数帯域に
分割された各帯域別受信信号それぞれに基づいて、各帯
域別受信信号どうしの相対的な時間ずれを求める時間ず
れ検出部 (2)時間ずれ検出部で求められた時間ずれが補正され
るように受信部における受信信号の遅延量を補正する遅
延量補正部 を備えたことを特徴とするものである。
【0017】ここで、上記遅延量補正部は、受信部にお
ける受信信号の遅延量を補正するとともに、送信部にお
ける、送信パルスの、電気音響変換素子への印加のタイ
ミングを補正するものであってもよい。また、各帯域別
受信信号の相対的な時間ずれを求めるにあたり、本発明
では、1回の超音波の送受信あたり、複数の帯域別受信
信号のうちのいずれか1つの帯域別受信信号の時間ずれ
を求める態様と、1回の超音波の送受信で、複数の帯域
別受信信号のそれぞれについての各時間ずれを求める態
様がある。
【0018】即ち、前者の態様においては、上記受信部
が、電気音響変換素子で得られた受信信号が中心周波数
の互いに異なる複数の各周波数帯域毎に分割されてなる
複数の帯域別受信信号のうちのいずれか1つの帯域別受
信信号を選択するフィルタと、選択された帯域別受信信
号を整相する整相手段とを備え、上記遅延量補正部が、
選択された帯域別受信信号に基づいて求められた時間ず
れが補正されるように、上記整相手段における帯域別受
信信号の遅延量を補正する構成が備えられる。
【0019】また後者の態様においては、上記受信部
が、電気音響変換素子で得られた受信信号を互いに中心
周波数が異なる複数の各周波数帯域毎に分割して複数の
各帯域別受信信号を生成する周波数分割手段と、各帯域
別受信信号をそれぞれ整相する整相手段と、整相手段で
整相された各帯域別受信信号を合成する合成手段とを備
え、上記遅延量補正部が、各帯域別受信信号に基づいて
求められた各時間ずれがそれぞれ補正されるように、上
記整相手段における各帯域別受信信号の遅延量を補正す
る構成が備えられる。
【0020】また、送信部における、送信パルスの電気
音響変換素子への印加のタイミングの補正を行う場合
も、以下のようにいくつかの態様がある。即ちその1つ
は、上記送信部が、各帯域別受信信号の各中心周波数に
対応した各送信パルスのうちのいずれか1つの送信パル
スを選択的に生成する送信パルス生成手段と、選択的に
生成された送信パルスを遅延することにより、その送信
パルスの、電気音響変換素子への印加のタイミングを調
整して電気音響変換素子に印加する送信パルス遅延手段
とを備え、上記遅延量補正部が、上記受信部における受
信信号の遅延量の補正とともに、選択的に生成された送
信パルスに対応する中心周波数を有する帯域別受信信号
に基づいて求められた時間ずれに対応する遅延量だけ上
記送信パルス遅延手段における送信パルスの遅延量を補
正するものである。
【0021】他の1つは、上記送信部が、各帯域別受信
信号の各中心周波数に対応した各送信パルスを生成する
送信パルス手段と、生成された各送信パルスを遅延する
ことにより、送信パルスの、電気音響変換素子への印加
のタイミングを調整する送信パルス遅延手段と、タイミ
ングが調整された各送信パルスを合成して電気音響変換
素子へ印加する送信パルス合成手段とを備え、上記遅延
量補正部が、上記受信部における受信信号の遅延量の補
正とともに、各帯域別受信信号それぞれに基づいて求め
られた各時間ずれに対応する遅延量だけ上記送信パルス
遅延手段における各送信パルスの遅延量を補正するもの
である。
【0022】また、上記受信部が、互いに異なる複数の
参照周波数で直交検波する直交検波器を備えるととも
に、上記時間ずれ検出部に代えて、上記複数の参照周波
数それぞれで直交検波された各直交検波信号それぞれに
基づいて、受信信号の各参照周波数における時間ずれを
検出する時間ずれ検出部を備えた構成としてもよい。
【0023】さらに、上記表示部が、上記断層像の一走
査線あたり複数走査線分の信号を記憶するメモリと、そ
のメモリから読み出された一走査線あたり複数走査線分
の信号をその一走査線の信号に合成する信号合成手段
と、合成された信号に基づいて断層像を表示するモニタ
とを備えた構成とすることが好ましい。また、上記時間
ずれ検出部を、被検体内の互いに異なる複数の深さの各
点それぞれから反射した超音波を受信することにより得
られた、それらの各点それぞれについての受信信号の各
時間ずれを求めるように構成してもよい。
【0024】
【作用】従来の生体内音速不均一補正法は、従来例であ
る隣接素子間の受信信号を用いた相互相関法に代表され
るように、2つの受信信号のパターンマッチングであ
り、2つの受信信号の到達時間差(時間ずれ)の情報し
かもたず、時間的な補正しか行っていない。したがっ
て、図10の反射波1のみが受信信号であれば、相互相
関法は有効な補正法と言える。しかし実際には、図10
の反射波1〜4のようなマルチパスの反射波が加算され
た受信信号が得られるものであり、この場合単純な時間
的補正のみでは補正しきれないことを以下に述べる。
【0025】図10の反射波1をf(t)、そのフーリ
エ変換関数をF(ω)とする。素子Ei での受信信号を
f’(t)、フーリエ逆変換をF-1とすると、 f’(t)=F-1[F(ω){1+a2 exp(−jθ2 (ω)) +a3 exp(−jθ3 (ω))+… +an exp(−jθn (ω))}] ……(2) ここでは、ai はf(t)の振幅に対する各マルチパス
反射波の振幅、expはf(t)の位相に対する各マル
チパス反射波の位相差を表わす。
【0026】{}内を加算することで、ai は周波数ω
の関数a(ω)とみなせるため、(2)式は次式で表わ
せる。 f’(t)=F-1{F(ω)a(ω)exp(−jθ(ω))} ……(3) (3)式から、マルチパス反射波を含んだ受信信号は、
その振幅および位相が周波数ωに依存することは明白で
ある。したがって、生体内の音速不均一性を補正するに
は、周波数毎に、位相差並びに振幅の補正を行う必要が
ある。
【0027】ここで、われわれの調査では、振幅強度に
関しては約20%程度の誤差を含んでも画像劣化の程度
は小さく、時間ずれに関しては隣接素子間で超音波の中
心周波数の1/8波に相当する時間ずれ(例えば3.5
MHzでは約30ns)が生じると、画像が劣化の程度
が大きいことが判明している。したがって、時間ずれを
各周波数毎に補正することにより、音速不均一性による
波面歪の補正を行うことができる。
【0028】本発明は、各周波数毎の時間ずれを補正す
るものであり、生体内音速不均一性によって生じる画像
劣化の補正効果向上につながり、分解能の高い高画質の
断層像を得ることが可能となる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の超音波診断装置の一実施例の全体構成を
表わすブロック図である。図中に示す電気音響変換素子
は、被検体内に超音波を送信するとともに被検体内で反
射された反射超音波を受信する機能を有する。
【0030】送信部は、その1つの態様として、少くと
も2つ以上の周波数帯域をもった送信パルスを発生さ
せ、発生させた送信パルスに対し、各周波数帯域毎に、
後述する遅延量補正部における各周波数帯域の時間ずれ
に応じた補正を行い、それらの周波数帯域毎の送信パル
スを合成し、電気音響変換素子を駆動して、超音波を放
射するための送信駆動電圧を発生させる。
【0031】受信部中の周波数分割手段は、電気音響変
換素子の受信信号を少くとも2つ以上の周波数帯域に分
ける機能を有する。またはこの受信部は、分けられた周
波数帯域毎の受信信号それぞれの整相処理を行い、整相
処理後の各受信信号を加算する機能を有する。時間ずれ
検出部は、受信部の周波数分割手段で分割された各周波
数帯域毎に受信信号の時間ずれを検出する機能を有す
る。時間ずれ検出方法は従来の相互相関法や直交検波法
により構成すればよい。遅延量補正部は時間ずれ検出部
で検出された各周波数帯域毎の時間ずれに基づき、受信
部の周波数分割手段で分割された各周波数帯域毎の受信
信号ならびに送信部における各周波数帯域毎の送信パル
スに対し遅延量補正を行う機能を有する。また、加算部
は受信部で整相処理され加算された各電気音響変換素子
に対応する受信信号どうしを互いに加算する。表示部
は、加算部で加算された信号を輝度信号に変換してCR
T等に表示する。
【0032】図2は、本発明の超音波診断装置の第一実
施例の受信部のブロック図である。受信部3は、各電気
音響変換素子1に対応してそれぞれ設けられた、周波数
分割手段31,整相手段32,合成手段33より構成さ
れている。周波数分割手段31では、電気音響変換素子
1からの受信信号がフィルタ等により複数の周波数帯域
に分割され、整相手段32とゲート部6に入力される。
整相手段32では、生体内組織の音速が均一であるとの
仮定に基づいて受信フォーカス遅延を合せるのみなら
ず、周波数分割手段31により帯域制限された各周波数
帯域毎の各帯域別受信信号に対し、後述する遅延量補正
部8における、周波数帯域毎の時間ずれに応じた補正が
行われる。合成手段33では、整相処理された各周波数
帯域毎の受信信号が時間軸上で合成される。
【0033】また、ゲート部6は周波数分割手段31で
帯域制限された帯域別受信信号それぞれについて、時間
ずれ検出に必要な領域を切り出すものであり、時間ずれ
検出部7ではゲート部6で切り出された各帯域別受信信
号に基づいて各周波数帯域毎の時間ずれが検出され、遅
延量補正部8では時間ずれ検出部7で検出された各周波
数帯域毎の時間ずれを基に、各周波数帯域毎の、各素子
に対応する受信信号の遅延の補正量が決定される。
【0034】また、加算部4は受信部3における整相処
理後の各素子の受信信号を加算し、最終的には図1に示
した表示部に送られる。なお図2においては、周波数分
割手段31は、受信信号を2つの周波数帯域に分割する
場合の例として図示されているが、3つ以上の周波数帯
域に分割するように周波数分割手段31を構成してもよ
い。
【0035】また時間ずれ検出部7は、分割した周波数
帯域毎の時間ずれ検出を行うように構成されるものであ
る。図2においては2つの周波数帯域のそれぞれ時間ず
れ検出を行うように構成されている。当然のことなが
ら、受信信号を3つ以上の周波数帯域に分割する周波数
分割手段31を備えた場合は、時間ずれ検出部7も3つ
以上の周波数帯域毎に時間ずれ検出を行うように構成さ
れる。時間ずれ検出の方法は従来の相互相関法や直交検
波法により構成すればよく、説明は割愛する。さらに図
2においては、各周波数帯域毎の隣接素子間で時間ずれ
検出を行っているが、例えば隣接素子群間で時間ずれ検
出を行ってもよい。
【0036】また、図2は、超音波の1回の送受信で得
られた受信信号を複数の周波数帯域に分割し、この分割
により得られた複数の帯域別受信信号全てを同時に処理
する例であるが、1回の送受信では、得られた受信信号
から1つの帯域別受信信号を選択して処理し、別の送受
信の際に他の帯域別受信信号を選択して処理するように
構成してもよい。
【0037】図3は、本発明の超音波診断装置の第二の
実施例の送信部のブロックと、その送信部の各部の信号
波形イメージを示した図である。送信部2は、ある帯域
幅をもった送信パルスを発生させる、送信パルス発生手
段21、送信パルス発生手段21で発生された送信パル
スをフィルタ等により少くとも2つ以上の周波数帯域に
分割する送信パルス分割手段22、生体内組織の音速が
均一であるとの仮定に基づいた送信フォーカス遅延を合
わせるのみならず、帯域制限された各送信パルス毎に、
遅延量補正部8(図2参照)で決められた遅延量を基に
送信パルスの遅延量補正を行うように構成された送信パ
ルス遅延手段23、各周波数帯域毎に遅延量補正された
送信パルスを時間軸上で合成する送信パルス合成手段2
4、および、合成された送信パルスを所望の電圧レベル
まで増幅するアンプ25により構成されている。
【0038】なおこの第二実施例においては、送信パル
スを2つの周波数帯域に分割する場合の例として図示し
ているが、3つ以上の周波数帯域に分割するように構成
してもよい。さらに、送信パルス分割手段22と周波数
分割手段31(図2参照)の各周波数帯域は一致してい
ることが望ましい。
【0039】図4は、本発明の超音波診断装置の第三実
施例の送信部のブロックと、その送信部の各部の信号波
形イメージを示した図である。この図に示す送信部2は
送信パルス発生手段21、送信パルス遅延手段23、お
よびアンプ25により構成され、超音波の1回の送信に
おいては、1つの周波数帯域に対応する送信パルスが電
気音響変換素子1に印加される。
【0040】送信パルス発生手段21では、少くとも2
つの異なる周期のパルス状電圧が発生される。送信パル
ス遅延手段23は、生体内組織の音速が均一であるとの
仮定に基づいた送信フォーカス遅延を合わせるのみなら
ず、遅延量補正部8において、送信パルスの周期に対応
する周波数帯域の帯域別受信信号に基づいて求められ
た、時間ずれを補正するための遅延量をもとに、送信パ
ルスの遅延量補正を行うように構成される。またアンプ
25は、各周波数帯域の送信パルスを所望の電圧レベル
まで増幅するように構成される。
【0041】ここで、送信パルスの周波数は、遅延量補
正部8の周波数帯域の中心周波数に設定することが好ま
しい。なお、送信パルス発生手段21で生成された送信
パルスは、周期的、つまり異なる時相の送信パルスとし
て電気音響変換素子1に与えられる。つまり、1つの周
波数の送信パルスに対し一回の走査(一回の走査とは全
ての走査線について送受信を行い1枚の1画像を得るた
めの工程を意味する)が必要となる。例えば、2つの周
波数の送信パルスを異なる時相で発生させた場合、2回
の走査で1画像が生成される。この方式を採用すると、
フレームレートは落ちるものの、周波数分割手段31
(図2参照)が不必要となり、さらに時間ずれ検出部7
の、例えば相互相関法により時間ずれ検出する場合の相
関器等も各周波数帯域毎に容易する必要がなくなり、相
関器は、例えば隣接素子間または素子群間毎につき1つ
で済むため、大きなコスト削減につながる。なお図4に
示す第三実施例では、異なる2つの周波数の送信パルス
を発生する場合の例を示しているが、3つ以上の異なる
周波数の送信パルスを発生させるように構成してもよ
い。
【0042】また、第三実施例における異なる時相の送
信パルスを、送信多段フォーカスを行う場合の各段の送
信パルスとして用いてもよい。通常、近距離にフォーカ
スする場合には送信パルスの周波数は高く、深部にフォ
ーカスするにつれ送信パルスの周波数を低くする。従っ
て、例えば図4に示すように2つの周波数帯域にわけた
送信パルスであるならば、2段送信フォーカスが可能と
なる。
【0043】このように本発明は多段フォーカスの技術
と組合わせ、生体内の浅い位置と深い位置との二段、も
しくはさらに多段で、それぞれ異なる周波数帯域の受信
信号それぞれにより時間ずれ検出を行ってもよい。図5
は、本発明の超音波診断装置の第四実施例の表示部のブ
ロック図である。図5(A)に示すように、受信部3で
整相処理された各素子毎の受信信号は、加算部4におい
て同期加算される。加算された受信信号は、表示部5の
信号変換手段51において輝度信号に変換される。変換
された輝度信号は画像メモリ52にメモリされる。画像
メモリ52は、少くとも2つの異なる周波数毎に用意さ
れ、各周波数毎の信号が各画像メモリに記憶される。例
えば、モニタ53に表示する1走査線情報を得るために
異なる2つの周波数で送受信するならば、画像メモリ5
2は2つ必要となる。画像メモリ52から読み出された
各周波数毎の輝度信号は互いに加算され、1走査線とし
てモニタ53に表示される。
【0044】図5(B)に示すように、図5(A)に示
す画像メモリ52の代わりにRFメモリ54を用いて構
成してもよい。受信部3で整相処理された各素子毎の受
信信号は、加算部4において同期加算され、加算された
受信信号は、表示部5のRFメモリ54に記憶される。
RFメモリ54は、少くとも2つの異なる周波数毎に用
意され、各周波数ごとの各信号がRFメモリ54に記憶
される。例えば、モニタ53に表示する1走査線情報を
得るために異なる2つの周波数で送受信するならば、R
Fメモリ54は2つ必要となる。RFメモリ54の各周
波数ごとの受信信号は互いに加算され、信号変換手段5
1においてモニタ53に表示するための輝度信号に変換
され、1走査線としてモニタ53に表示される。
【0045】図6は、本発明の超音波診断装置の第五実
施例の受信部および時間ずれ検出部のブロック図であ
る。各素子の受信信号は、ミキサとローパスフィルタL
PFとの組合せにより周波数ωの参照信号で直交検波さ
れ、位相差検出器によりその逆正接が演算され、これに
より、周波数ωにおける参照信号との時間ずれ(位相
差)を得ることが可能であることが知られている。ここ
で周波数ωを変更することにより所望の周波数における
時間ずれを検出することが可能であり、これにより、図
2に示す周波数分割手段31、時間ずれ検出部7の機構
が省略でき、コスト低減につながる。
【0046】尚、上記各実施例において、被検体内の一
定深さにおける時間ずれ検出、送受信補正をするにとど
まらず、少くとも2つ以上の深さにおいて、時間ずれ検
出、送受信補正をするように構成してもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各周波数ごとの時間ずれを補正することで、各周波数ご
との位相差を補正することが可能となり、その結果、生
体内の音速度不均一性による超音波の波面歪を補正する
機能を有する超音波診断装置の性能向上に寄与するとこ
ろが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波診断装置の一実施例の全体構成
を表わすブロック図である。
【図2】本発明の超音波診断装置の第一実施例の受信部
のブロック図である。
【図3】本発明の超音波診断装置の第二の実施例の送信
部のブロックと、その送信部の各部の信号波形イメージ
を示した図である。
【図4】本発明の超音波診断装置の第三実施例の送信部
のブロックと、その送信部の各部の信号波形イメージを
示した図である。
【図5】本発明の超音波診断装置の第四実施例の表示部
のブロック図である。
【図6】本発明の超音波診断装置の第五実施例の受信部
および時間ずれ検出部のブロック図である。
【図7】受信フォーカスの手法の説明図である。
【図8】音速が不均一の場合の受信フォーカスを示した
図である。
【図9】相互相関法を用いた時間ずれを補正する方法の
説明図である。
【図10】被検体内の任意の位置(例えばフォーカス
点)からの反射波が、電気音響変換素子のうちのある素
子に達する場合を示す概略図である。
【符号の説明】
1 電気音響変換素子 2 送信部 21 送信パルス発生手段 22 送信パルス分割手段 23 送信パルス遅延手段 24 送信パルス合成手段 25 アンプ 3 受信部 31 周波数分割手段 32 整相手段 33 合成手段 4 加算部 5 表示部 51 信号変換手段 52 画像メモリ 53 モニタ 54 RFメモリ 6 ゲート部 7 時間ずれ検出部 8 遅延量補正部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の方向に並んだ複数の電気音響変換
    素子と、これら複数の電気音響変換素子から被検体内に
    送信される超音波が該被検体内に延びる走査線上の所定
    の送信フォーカス点で焦点を結ぶように各所定のタイミ
    ングの送信パルスを前記複数の電気音響変換素子に印加
    する送信部と、前記被検体内で反射した超音波を前記複
    数の電気音響変換素子で受信することにより得られた複
    数の受信信号を、前記被検体内の互いに略同一の位置で
    略同時に反射された超音波に対応する受信信号どうしが
    略同時に得られるようにそれぞれ遅延することにより、
    これら複数の受信信号を互いに整相する受信部と、整相
    処理後の前記複数の受信信号を互いに加算することによ
    り加算信号を得る加算部と、前記加算部で得られた加算
    信号を輝度信号に変換し該輝度信号に基づいて前記被検
    体の断層像を表示する表示部とを備えた超音波診断装置
    において、 互いに中心周波数が異なる複数の各周波数帯域に分割さ
    れた各帯域別受信信号それぞれに基づいて、該各帯域別
    受信信号どうしの相対的な時間ずれを求める時間ずれ検
    出部と、 該時間ずれ検出部で求められた前記時間ずれが補正され
    るように前記受信部における前記受信信号の遅延量を補
    正する遅延量補正部とを備えたことを特徴とする超音波
    診断装置。
  2. 【請求項2】 前記遅延量補正部が、前記受信部におけ
    る前記受信信号の遅延量の補正とともに、前記送信部に
    おける、前記送信パルスの、前記電気音響変換素子への
    印加のタイミングを補正するものであることを特徴とす
    る請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 前記受信部が、前記電気音響変換素子で
    得られた前記受信信号が中心周波数の互いに異なる複数
    の各周波数帯域毎に分割されてなる複数の帯域別受信信
    号のうちのいずれか1つの帯域別受信信号を選択するフ
    ィルタと、選択された前記帯域別受信信号を整相する整
    相手段とを備え、 前記遅延量補正部が、選択された前記帯域別受信信号に
    基づいて求められた時間ずれが補正されるように、前記
    整相手段における前記帯域別受信信号の遅延量を補正す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の超音波診
    断装置。
  4. 【請求項4】 前記受信部が、前記電気音響変換素子で
    得られた前記受信信号を互いに中心周波数が異なる複数
    の各周波数帯域毎に分割して複数の各帯域別受信信号を
    生成する周波数分割手段と、前記各帯域別受信信号をそ
    れぞれ整相する整相手段と、前記整相手段で整相された
    前記各帯域別受信信号を合成する合成手段とを備え、 前記遅延量補正部が、前記各帯域別受信信号に基づいて
    求められた各時間ずれがそれぞれ補正されるように、前
    記整相手段における前記各帯域別受信信号の遅延量を補
    正するものであることを特徴とする請求項1記載の超音
    波診断装置。
  5. 【請求項5】 前記送信部が、前記各帯域別受信信号の
    各中心周波数に対応した各送信パルスのうちのいずれか
    1つの送信パルスを選択的に生成する送信パルス生成手
    段と、選択的に生成された前記送信パルスを遅延するこ
    とにより、該送信パルスの、前記電気音響変換素子への
    印加のタイミングを調整して該電気音響変換素子に印加
    する送信パルス遅延手段とを備え、 前記遅延量補正部が、前記受信部における前記受信信号
    の遅延量の補正とともに、選択的に生成された前記送信
    パルスに対応する中心周波数を有する前記帯域別受信信
    号に基づいて求められた時間ずれに対応する遅延量だけ
    前記送信パルス遅延手段における前記送信パルスの遅延
    量を補正するものであることを特徴とする請求項2記載
    の超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 前記送信部が、前記各帯域別受信信号の
    各中心周波数に対応した各送信パルスを生成する送信パ
    ルス手段と、生成された前記各送信パルスを遅延するこ
    とにより、該送信パルスの、前記電気音響変換素子への
    印加のタイミングを調整する送信パルス遅延手段と、タ
    イミングが調整された前記各送信パルスを合成して前記
    電気音響変換素子へ印加する送信パルス合成手段とを備
    え、 前記遅延量補正部が、前記受信部における前記受信信号
    の遅延量の補正とともに、前記各帯域別受信信号に基づ
    いて求められた各時間ずれに対応する遅延量だけ前記送
    信パルス遅延手段における前記各送信パルスの遅延量を
    補正するものであることを特徴とする請求項2記載の超
    音波診断装置。
  7. 【請求項7】 前記受信部が、互いに異なる複数の参照
    周波数で直交検波する直交検波器を備えるとともに、 前記時間ずれ検出部に代えて、前記複数の参照周波数そ
    れぞれで直交検波された各直交検波信号それぞれに基づ
    いて、前記受信信号の各参照周波数における時間ずれを
    検出する時間ずれ検出部を備えたことを特徴とする請求
    項1記載の超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 前記表示部が、前記断層像の一走査線あ
    たり複数走査線分の信号を記憶するメモリと、該メモリ
    から読み出された一走査線あたり複数走査線分の信号を
    該一走査線の信号に合成する信号合成手段と、合成され
    た信号に基づいて断層像を表示するモニタとを備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  9. 【請求項9】 前記時間ずれ検出部が、被検体内の互い
    に異なる複数の深さの各点それぞれから反射した超音波
    を受信することにより得られた、前記各点それぞれにつ
    いての前記受信信号の各時間ずれを求めるものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
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