JPH0780078A - ガイドワイヤー及びその製造法 - Google Patents

ガイドワイヤー及びその製造法

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JPH0780078A
JPH0780078A JP5177335A JP17733593A JPH0780078A JP H0780078 A JPH0780078 A JP H0780078A JP 5177335 A JP5177335 A JP 5177335A JP 17733593 A JP17733593 A JP 17733593A JP H0780078 A JPH0780078 A JP H0780078A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯線の外周に合成樹脂膜を被覆し、この合成
樹脂膜の表面に親水性被膜を形成したガイドワイヤーに
おいて、繰り返し使用しても潤滑性が低下しないように
したガイドワイヤー及びその製造法を提供する。 【構成】 芯線1の外周に、イソシアネート基と反応可
能な合成樹脂膜2を被覆する。この合成樹脂膜2の表面
にイソシアネート基を有する化合物を結合させて、未反
応のイソシアネート基を形成する。更に、重合開始剤の
存在下でポリビニルピロリドンを反応させて、合成樹脂
膜2の表面にイソシアネート基を介してポリビニルピロ
リドンを結合させるとともに、ポリビニルピロリドン分
子を相互に重合させて、親水性被膜3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管、尿管、気管など
の人体の管状器官にカテーテルなどを挿入する際に用い
られるガイドワイヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、血管、尿管、気管などに薬剤を投
与したり、拡張具(ステント)を挿入したりする際に、
患部を切開することなく、経皮的にカテーテル等を挿入
して行なう技術が採用されている。患部にカテーテルを
挿入する際には、まずガイドワイヤーを挿入し、このガ
イドワイヤーに沿って滑らせてカテーテルを挿入する方
法が多くとられている。
【0003】上記ガイドワイヤーとしては、ステンレ
ス、形状記憶合金等の金属からなる細い線材をコイル状
にして柔軟性を持たせたもの、上記のような金属からな
る線材を芯線にしてその外周を合成樹脂膜などで覆った
ものなど各種のものが提案されている。
【0004】ガイドワイヤーは、血管、尿管、気管等の
組織への挿入時に、組織を損傷することなく、患部まで
確実に挿入することができ、かつ、カテーテルを滑らせ
て挿入できるものであることが必要であるが、芯線の外
周に合成樹脂膜を被覆したガイドワイヤーにおいては、
カテーテル内面とガイドワイヤーとの摩擦抵抗によっ
て、挿入操作が困難となることがあった。
【0005】このような問題を解決するため、特公昭59
-19582号には、基材表面上に非反応性イソシアネート基
を有するポリウレタンの第1被覆層を形成させ、その表
面にポリビニルピロリドンを反応させて、前記非反応性
イソシアネート基と化学的に結合した第2被覆層を形成
させることにより、湿潤時に表面に潤滑性を有するよう
にしたサブストレート(支持体)が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
59-19582号に開示された方法では、前記被覆層と基材と
の接着性が低いため、ガイドワイヤーの表面に適用した
場合には、ガイドワイヤーがカテーテルと接触する際に
ポリマーが脱落しやすく、繰り返し使用するにつれて潤
滑性が低下するという問題を有していた。
【0007】したがって、本発明の目的は、芯線の外周
に合成樹脂膜を被覆し、この合成樹脂膜の表面に親水性
被膜を形成したガイドワイヤーにおいて、繰り返し使用
しても潤滑性が低下しないようにしたガイドワイヤー及
びその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のガイドワイヤーは、芯線の外周に合成樹脂
膜を被覆し、この合成樹脂膜の表面に親水性被膜を形成
してなるガイドワイヤーにおいて、前記親水性被膜が、
前記合成樹脂膜の表面にイソシアネート基を介して結合
されたポリビニルピロリドン分子が相互に重合されたも
ので形成されていることを特徴とする。
【0009】また、本発明のガイドワイヤーの製造法
は、芯線の外周に合成樹脂膜を被覆し、この合成樹脂膜
の表面に親水性被膜を形成するガイドワイヤーの製造法
において、芯線の外周に、イソシアネート基が残存する
合成樹脂を被覆するか、又は、イソシアネート基と反応
性を有する合成樹脂を被覆し、次いでイソシアネート基
を有する化合物を反応させた後、重合開始剤の存在下で
ポリビニルピロリドンを反応させるか、又は、ポリビニ
ルピロリドンを反応させた後、重合開始剤を作用させる
ことを特徴とする。
【0010】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て詳細に説明する。
【0011】本発明において、芯線としては、例えば形
状記憶合金、ステンレス、ピアノ線などの金属の他、熱
可塑性樹脂、FRPなどの樹脂、あるいは金属と樹脂と
の複合体を用いることもでき、その材質、形状共に特に
限定されない。芯線は、基部側においては適度な剛性を
有し、先端部においては十分な柔軟性を有するものが好
ましく用いられる。
【0012】また、芯線の外周を被覆する合成樹脂膜
は、その表面にイソシアネート基を介してポリビニルピ
ロリドン(以下PVPと略称する)を結合させることが
できるように、未反応のイソシアネート基が残存する樹
脂であるか、又はイソシアネート基を有する化合物と反
応性を有する樹脂であることが好ましい。
【0013】イソシアネート基が残存する樹脂として
は、例えば、多価アルコールに過剰のジイソシアネート
を反応させて末端に遊離のイソシアネート基を残したポ
リウレタン樹脂等が好ましく用いられる。
【0014】また、イソシアネート基を有する化合物と
反応性を有する樹脂としては、例えば、ポリウレタン
系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル
系、ラテックス系の樹脂等を用いることができる。
【0015】合成樹脂膜として、イソシアネート基が残
存する樹脂を用いた場合は、そのままPVPを反応させ
ることもできるが、その他の樹脂を用いた場合は、樹脂
の表面にイソシアネート基を含有する化合物を結合させ
て、未反応のイソシアネート基を形成する必要がある。
イソシアネート基を残存する樹脂を用いた場合にも、必
要に応じて更にイソシアネート基を有する化合物を結合
させてもよい。
【0016】合成樹脂膜の表面にイソシアネート基を有
する化合物を結合させるには、イソシアネート基を有す
る化合物を含む溶液と接触させて反応させればよい。合
成樹脂膜の表面にイソシアネート基を有する化合物を含
む溶液を接触させる方法は、浸漬、刷毛ぬり、スピンナ
ーコート等の方法が採用される。
【0017】イソシアネート基を有する化合物として
は、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタン
ジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート等が好
ましく採用される。
【0018】上記イソシアネート基を有する化合物を溶
解させる溶媒としては、メチルエチルケトン、トリクレ
ン等が好ましい。また、溶液中におけるイソシアネート
基を有する化合物の濃度は5〜20重量%が好ましく、合
成樹脂膜の表面に上記溶液を接触させる時間は30〜90秒
間が好ましい。
【0019】なお、合成樹脂膜の表面にイソシアネート
基を有する化合物を含む溶液を接触させる前に、樹脂を
膨潤させる溶媒で処理して、樹脂表面を洗浄するととも
に活性化しておくと、イソシアネート基が結合しやすく
なり好ましい。これらの溶液で処理する時間は20〜40秒
間程度が好ましい。上記溶媒としては、メチルエチルケ
トン、又はトリクレン、クロロホルム等の塩素系有機溶
媒が好ましく、これらのうちメチルエチルケトンが特に
好ましい。
【0020】上記のようにして、合成樹脂膜の表面に未
反応のイソシアネート基を形成させた後、PVPの有機
溶媒溶液を接触させて、イソシアネート基を介してPV
Pをグラフト結合させる。この場合、本発明において
は、分子量1万〜200 万のPVPを用いるのが好まし
い。
【0021】PVP溶液の濃度は、1〜10重量%が好ま
しく、2〜5重量%がより好ましい。また、PVP溶液
に用いる有機溶媒は、塩素系有機溶媒が好ましく、例え
ばジクロロメタン、クロロホルム等が好ましく用いられ
る。
【0022】本発明において、PVPを重合させるため
の重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水
素、過硫酸塩等が好ましく用いられ、これらのうち過酸
化ベンゾイルが特に好ましい。
【0023】上記重合開始剤は、上記PVP溶液中に添
加混合して用いることもでき、あるいは合成樹脂膜表面
をPVP溶液で処理した後、その表面に上記重合開始剤
を単独で作用させてもよい。PVP溶液中に添加混合し
て用いる場合の重合開始剤の添加量は、上記PVP溶液
に対して1〜5重量%が好ましく、1〜2重量%がより
好ましい。
【0024】表面にイソシアネート基を形成した合成樹
脂膜とPVP溶液とを接触させる方法は、浸漬、刷毛ぬ
り、スピンナーコート等いずれの方法を用いてもよい。
こうしてPVP溶液を塗布した後、60〜100 ℃で、3時
間以上静置し、反応させることによって、合成樹脂膜の
表面にイソシアネート基を介してPVPをグラフト結合
させることができる。
【0025】その際、PVP溶液に重合開始剤を添加し
た場合には、PVP分子をグラフト結合させるととも
に、PVP分子どうしを重合させることができる。PV
P溶液に重合開始剤を添加しなかった場合には、PVP
溶液で処理した後、重合開始剤を含有する溶液で処理す
ることにより、PVP分子どうしを重合させることがで
きる。
【0026】こうしてPVPを結合させた後、水処理を
行なって過剰のイソシアネート基を有する化合物や、結
合しなかったPVPを除去することが好ましい。また、
水処理を行なうことにより、PVP分子をほぐして、親
水性を向上させることができる。水処理は、6時間以上
行うのが好ましい。
【0027】なお、PVP溶液による処理は、必要に応
じて2度以上繰り返して行なうこともできる。特に、ガ
イドワイヤーの先端部においては、2度塗りを行うこと
によって潤滑性を更に向上させることができる。
【0028】
【作用】本発明のガイドワイヤーは、芯線の外周に被覆
した合成樹脂膜の表面に、イソシアネート基を介してP
VPを結合させ、このPVP分子を重合させることによ
り親水性被膜を形成したものである。
【0029】PVPは親水性高分子であって、分子鎖の
間に水分子を捕捉して膨潤するので、体内に挿入したと
きに優れた潤滑性を発揮する。また、PVPは生体組織
に対して非反応性であり、抗血栓性にも優れている。
【0030】また、本発明では、合成樹脂膜上でPVP
分子が相互に重合されているので、使用時におけるポリ
マーの脱落が防止され、繰り返し使用した後でも優れた
潤滑性を維持することができる。
【0031】
【実施例】 実施例1 図1には、本発明によるガイドワイヤの一実施例が示さ
れている。図において芯線1は、直径0.35mm、長さ1600
mmのステンレスの線材からなり、先端から100mmの部分
がテーパ状に加工されている。この芯線1の外周には、
芯線1と一体に押し出し成形したポリウレタンからなる
合成樹脂膜2が被覆されている。更に、合成樹脂膜2の
表面には、本発明の方法によって形成した親水性被膜3
が設けられている。このガイドワイヤーは、全体として
直径0.89mm、長さ1600mmとなるように作られている。
【0032】なお、芯線1としては、ステンレスの他、
ピアノ線、アモルファス合金、硬質の合成樹脂、FRP
などの各種材質を用いることができる。芯線1の直径
は、通常、0.05〜1.0 mmが好ましい。合成樹脂膜2とし
ては、前述したように、イソシアネート基が残存する
か、又はイソシアネート基と反応性を有する合成樹脂を
用いることができる。ガイドワイヤーの大きさは、通
常、全長100 〜3000mm、好ましくは450 〜1800mm、外径
0.25〜1.5 mmとされる。
【0033】親水性被膜3は、次のようにして形成した
ものである。まず、芯線1の外周にポリウレタン(商品
名「エステン」、協和醗酵株式会社製)からなる合成樹
脂膜2を被覆した後、4,4−ジフェニルメタンジイソ
シアネートの5重量%メチルエチルケトン溶液に60秒間
浸漬し、60℃で30分放置して反応させることにより、合
成樹脂膜2の表面に未反応のイソシアネート基を形成す
る。
【0034】次に、分子量 120万のPVP(商品名「K
−90」、和光純薬株式会社製)を2重量%、過酸化ベン
ゾイルを1重量%含有するジクロロメタン溶液に5秒間
浸漬し、60℃で6時間放置して、未反応のイソシアネー
ト基にPVPを結合させるとともに、PVP分子を相互
に重合させる。最後に、純水中に15時間浸漬して水処理
を行い、60℃で24時間乾燥して製品とする。
【0035】こうして得られたガイドワイヤーは、使用
時にその表面を水で湿潤させて使用する。このガイドワ
イヤーは、合成樹脂膜2の表面に形成された親水性被膜
3によって優れた潤滑性を有しており、ガイドワイヤー
とカテーテルとの摩擦が小さくなるので、ガイドワイヤ
ー及びカテーテルの人体管状器官への挿入操作を容易に
行うことが可能であった。
【0036】比較例1 上記実施例1の製造法において、PVPを2重量%含有
し、過酸化ベンゾイルを含有しないジクロロメタン溶液
を用いた他は、実施例1と同様に処理して、親水性被膜
を有するガイドワイヤーを得た。
【0037】実施例2 実施例1と同様な芯線の外周にウレタン(商品名「エス
テン」、協和醗酵株式会社製)からなる合成樹脂膜を被
覆した後、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート
の5重量%メチルエチルケトン溶液に60秒間浸漬し、60
℃で30分放置して反応させることにより、合成樹脂膜の
表面に未反応のイソシアネート基を形成した。
【0038】次に、分子量 120万のPVP(商品名「K
−90」、和光純薬株式会社製)を2重量%含有するジク
ロロメタン溶液に5秒間浸漬し、風乾したのち、更に、
前記PVPを2重量%、過酸化ベンゾイルを1重量%含
有するジクロロメタン溶液に5秒間浸漬し、60℃で6時
間放置して、未反応のイソシアネート基にPVPを結合
させるとともに、PVP分子を相互に重合させた。最後
に、純水中に15時間浸漬して水処理を行い、60℃で24時
間乾燥して、親水性被膜を有するガイドワイヤーを得
た。
【0039】比較例2 上記実施例2の製造法において、PVPを2重量%含有
し、過酸化ベンゾイルを含有しないジクロロメタン溶液
による処理を2回繰り返して行った他は、実施例2と同
様に処理して、親水性被膜を有するガイドワイヤーを得
た。
【0040】試験例 実施例1、2及び比較例1、2で得られたガイドワイヤ
ーを、それぞれ水で湿潤させた後、直径50mmのループ状
に形成した内径0.99mm(4.3Fr )のカテーテル中を繰り
返し通過させ、通過回数と摩擦抵抗との関係を調べた。
その結果を、図2に示す。
【0041】なお、摩擦係数は、図3の装置を用いて測
定した。すなわち、水槽11内に水12を入れ、その底
にサンプル13を配置した後、接触子14を矢印aの方
向に押して、サンプル13に対して荷重300 gで押圧し
た状態にし、その状態で、接触子14を矢印bの方向に
移動させる場合の摩擦係数を測定した。
【0042】図2において、曲線A、B、C、Dは、そ
れぞれ実施例1、比較例1、実施例2、比較例2で得ら
れたガイドワイヤーについての結果である。試験開始時
における摩擦係数は、A、B、C、Dの全てが0.028 で
あったのに対し、カテーテル内を 100回通過させた時点
での摩擦係数は、Aが0.047 、Bが0.07、Cが0.028、
Dが0.045 となっていた。以上の結果より、過酸化ベン
ゾイルにより重合させたPVP被膜を形成した実施例の
製品は、重合しないPVP被膜を形成した比較例の製品
に比べて、繰り返し使用に対する摩擦係数の増加が顕著
に抑制されることがわかった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガイドワ
イヤーによれば、芯線の外周に合成樹脂膜を被覆し、こ
の合成樹脂膜表面にイソシアネート基を介してPVPを
結合させたので、湿潤時における潤滑性に優れ、ガイド
ワイヤーとカテーテルとの摩擦抵抗を非常に小さくする
ことができる。また、前記PVP分子を相互に重合させ
たので、繰り返し使用しても潤滑性が低下せず、耐久性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガイドワイヤーの一実施例を示す断面
図である。
【図2】本発明の実施例及び比較例のガイドワイヤーを
繰り返し使用した場合における摩擦係数の変化を示す図
表である。
【図3】摩擦係数を測定する装置の概略断面図である。
【符合の説明】
1 芯線 2 合成樹脂膜 3 親水性被膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯線の外周に合成樹脂膜を被覆し、この
    合成樹脂膜の表面に親水性被膜を形成してなるガイドワ
    イヤーにおいて、 前記親水性被膜が、前記合成樹脂膜の表面にイソシアネ
    ート基を介して結合されたポリビニルピロリドン分子が
    相互に重合されたもので形成されていることを特徴とす
    るガイドワイヤー。
  2. 【請求項2】 芯線の外周に合成樹脂膜を被覆し、この
    合成樹脂膜の表面に親水性被膜を形成するガイドワイヤ
    ーの製造法において、 芯線の外周に、イソシアネート基が残存する合成樹脂を
    被覆するか、又は、イソシアネート基と反応性を有する
    合成樹脂を被覆し、次いでイソシアネート基を有する化
    合物を反応させた後、 重合開始剤の存在下でポリビニルピロリドンを反応させ
    るか、又は、ポリビニルピロリドンを反応させた後、重
    合開始剤を作用させることを特徴とするガイドワイヤー
    の製造法。
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