JPH0780295B2 - 印刷用オフセットブランケット - Google Patents

印刷用オフセットブランケット

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JPH0780295B2
JPH0780295B2 JP3345424A JP34542491A JPH0780295B2 JP H0780295 B2 JPH0780295 B2 JP H0780295B2 JP 3345424 A JP3345424 A JP 3345424A JP 34542491 A JP34542491 A JP 34542491A JP H0780295 B2 JPH0780295 B2 JP H0780295B2
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淳 越智
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶カラーフィルター
等の精細なパターンの印刷に適した印刷用オフセットブ
ランケットに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、凹版オフセット印刷や平板オフセット印刷は精細
なパターンの印刷に適しており、例えばガラス基板上に
三原色の赤、緑、青をそれぞれストライプ状またはモザ
イク状に配置した液晶カラーテレビのカラーフィルター
を製造する場合に用いられている。
【0003】かかるオフセット印刷では、パターンを精
度よくかつ欠陥がないように印刷することが求められて
いる。そのためには版上のインキがオフセットブランケ
ット上に転移し、ついでガラス基板などに転移される際
に、ブランケット上のインキがガラス基板などにほぼ完
全に転移されることが必要である。インキをほぼ完全に
転移させるためにはオフセットブランケットの表面印刷
層(表面ゴム)に表面張力の小さい材料、つまりインキ
が濡れにくい材料を用いる必要がある。一般に、ポリマ
ーの表面張力を下げるには、以下のような方法がある。 (a) フッ素ゴムやシリコーンゴム等のように表面張力の
小さいポリマーを用いる。 (b) 表面張力の小さいフッ素ゴムやシリコーンゴム等の
ポリマーをコーティングする。 (c) 成形時に、表面張力の小さいフッ素ゴムやシリコー
ンゴム等のポリマーをブレンドする。 (d) 成形時に、表面張力の小さい四フッ化エチレン樹脂
のような物質を添加する。
【0004】ところで、表面張力が小さければ、インキ
の転移性は改善されるが、あまり小さすぎると、今度は
版からオフセットブランケットへインキがのらなくなっ
てしまう。そこで、精密印刷を行うためには、印刷に用
いる器材や印刷条件に最適な表面張力をもつブランケッ
トを使用することが必要になる。そのためには、ポリマ
ーの表面張力を細かく制御しなければならないが、表面
張力の制御により、ポリマーの表面張力以外の物性(常
態物性や膨潤など)も変化すれば、印刷条件が変わって
しまい、その結果、表面張力の最適値も変化してしまう
という結果になる。
【0005】すなわち、上記(a) の方法では、表面印刷
層を構成するポリマーそのものを変えることになるの
で、他の物性も大幅に変わってしまう。上記(b) の場合
にも同様に他の物性が変化し、また剥離等が生じないよ
うに特別のコーティング技術が必要になる。上記(c) の
場合には、ポリマーとの相溶性の関係で特別のブレンド
技術が必要になり、またブレンド比の変更に伴い物性が
変わるおそれがある。上記(d) の場合には、混入量が多
くなると、ポリマーの物性が低下するという問題があ
る。
【0006】従って、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、他の物性への影響をできるだけ少なくし
て、表面印刷層の表面張力を細かく制御できる印刷用オ
フセットブランケットを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の印刷
用オフセットブランケットは、支持体層と、この支持体
層上に積層された表面印刷層とを備えた印刷用オフセッ
トブランケットにおいて、 前記表面印刷層が、ポリマー
に対してその表面張力を低下させるパーフロロアルキル
と、ポリマーとの反応性を有するアクリロイルオキシ
基またはメタクリロイルオキシ基とを分子中に有するフ
ッ素化合物からなる表面改質剤を混入したポリマーから
形成されることを特徴とするものである。前記表面改質
剤はポリマーに0.5〜30phrの割合で混入するの
が好ましい
【0008】すなわち、本発明における表面改質剤であ
るフッ素化合物は、その分子中にポリマーの表面張力を
低下させる表面改質部位であるパーフロロアルキル基
と、ポリマーとの反応性部位であるアクリロイルオキシ
基またはメタクリロイルオキシ基とを有しており、相溶
性に富んでいるので、ポリマーに任意の割合で混入させ
ることができ、その混入量に応じてポリマーの表面張力
を低下させることができる。しかも、上記反応性部位に
より、フッ素化合物はポリマーと化学的に結合するの
で、ポリマーが有する他の物性を変化させることが少な
いという特質を有する。従って、表面改質剤を混入した
ポリマーから形成される表面印刷層を有する本発明のオ
フセットブランケットは、他の物性に殆ど影響を与える
ことなく、表面印刷層の表面張力のみを細かく制御する
ことできる。
【0009】本発明におけるポリマーの表面張力とは、
ポリマーの表面で溶媒が形成する液滴の接触角から求め
られる数値であって、接触角が高いほど、つまり濡れに
くいほど、表面張力は低下することになる。本発明にお
けるフッ素化合物が有するパーフロロアルキル基、一
般式: −Cn 2n+1 (式中、nは整数である)で表される。
【0010】また、本発明におけるフッ素化合物が有す
アクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基
般式: 2 C=C( 1 )COO− (式中、R 1 水素原子またはメチル基である。)で表
される。
【0011】本発明におけるフッ素化合物としては、具
体的にはダイキン工業(株)製のパーフロロアルキルア
クリレートである商品名「ダイフリーFB−975」な
どがあげられる。また、上記フッ素化合物が混入される
ポリマーとしては、例えば、従来よりオフセットブラン
ケットの表面印刷層に使用されているシリコーンゴムや
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)が
あげられるが、これのみに限定されるものではなく、ポ
リイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン共重
合体(EPM,EPDM)、クロロプレンゴム(C
R)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)などのポリマー
にも適用可能である。
【0012】上記シリコーンゴムとしては、従来公知の
種々の形態のシリコーンゴムが使用可能であり、例えば
混練加工が可能なミラブル型シリコーンゴム、常温にて
硬化する室温加硫型(RTV)シリコーンゴム、射出成
形可能なLIMシリコーンゴムなどがあげられる。シリ
コーンゴムはポリメチルシロキサンで重合度100〜8
00程度の低重合度の液状シリコーンガムをベースにし
たRTVシリコーンゴムや重合度6000〜10000
程度のゲル状シリコーンガムをベースにしたミラブル型
シリコーンゴムなどが考えられるが、いずれも生ガムに
エアロジル等の無水シリカ系の補強性充填剤、タルク、
マイカ等の増量充填剤、分散促進剤等が配合されたゴム
コンパウンドとして供給されている。RTVシリコーン
ゴムは一般的にはポリジメチルシロキサンが多く、ミラ
ブル型シリコーンゴムは架橋性や物性のバランスをとる
ためにメチルビニル基を0.1〜0.5モル%程度導入
したものが用いられている。また、トリフロロプロピル
基を導入したFVMQやフェニル基を導入したPVMQ
等も使用可能であり、またこれらの混合物も同様に使用
可能である。
【0013】上記ポリマーに混入されるフッ素化合物
は、ポリマーに対して0.5〜30phrの割合であ
る。かかるフッ素化合物が混入されたポリマーは、その
混入量に応じて、表面張力が低下する。従って、印刷条
件等に応じたインキの転移性を細かく制御することが可
能になる。ここで、フッ素化合物の混入量が上記範囲を
越えると、ポリマーの他の物性(常態物性や膨潤等)が
低下し、混入量が上記範囲を下回ると、表面張力の低下
が殆ど認められない。
【0014】本発明のオフセットブランケットは、通
常、支持体層と、この支持体層上に積層された表面印刷
層とからなる。そして、表面印刷層として上記のように
表面改質されたポリマーを用いることにより、他の物性
を変化させることなく、表面張力をインキ転移の最適範
囲に低下させることができ、版からオフセットブランケ
ットへのインキ転移性およびオフセットブランケットか
ら被印刷体へのインキ転移性という2つの相反する要求
をほぼ完全に満足しうるオフセットブランケットを提供
することができる。
【0015】表面印刷層は、ポリマーに、上記表面改質
剤と共に、加硫剤、充填剤等を混合し、成形した後に、
常法により加硫することにより形成される。上記加硫剤
としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ビス2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、p−モノク
ロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−
ブチルクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物系の架
橋剤があげられる。
【0016】充填剤としては、無水珪酸、含水珪酸、炭
酸カルシウム、ハードクレー、硫酸バリウム、タルク、
アスベスト、グラファイト等の無機充填剤や再生ゴム、
粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、にかわ等の
有機充填剤等があげられる。上記構成からなる表面印刷
層を積層する支持体層としては、例えばゴム材(ゴム
糊)を含浸させた複数層の基布と、必要に応じて設けら
れる少なくとも1層の圧縮性層とを積層して作成された
ものがあげられる。
【0017】前記基布は綿、ポリエステル、レーヨン等
の織布である。含浸されるゴム材としては、例えばアク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴムやクロロプレンゴ
ム等があげられる。これらのゴム材料は所定量の加硫
剤、加硫促進剤および要すれば増粘剤等を含有する。そ
して、ブレードコーティング法等の適宜な塗布手段にて
上記ゴム剤を織布にコーティングする。ついで、支持体
層の表面にプライマー層を介して、上述した特定のゴム
材料からなる表面印刷層形成用ゴム糊を塗布し乾燥する
か、あるいはカレンダー等で成形したシート状物を積層
する。得られた積層体は所定の圧力と温度で加熱加圧し
て加硫させ、支持体層内に圧縮性層を有するオフセット
ブランケットを得る。上記圧縮性層は、中間の少なくと
も1の基布に、食塩等の水溶性粉体を溶解させたゴム糊
を塗布し、乾燥、加硫させた後、60〜100℃の温水
に6〜10時間浸漬し、上記水溶性粉体を溶出して乾燥
させることによって形成される。
【0018】また、かかる積層タイプの支持体層に代え
て、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、アルミニ
ウム箔、ステンレスシートなどのフィルムもしくはシー
トなどを支持体層として用いてもよい。得られたオフセ
ットブランケットは直接または下貼材を介して転写胴の
シリンダの周面上に接着して使用される。
【0019】
【0020】
【実施例】実施例1〜6 ポリマーとして市販のシリコーンゴム(信越シリコーン
社製の商品名「KE−575u」)を用い、これに加硫
剤と共に、表面改質剤としてパーフロロアルキルアクリ
レート(ダイキン工業(株)製の商品名「ダイフリーF
B−975」)を表1に示す割合で加え、混練ロールに
て混練した。これを金型にて165℃で15分間プレス
加硫を行い、ついで電気オーブンにて200℃で4時間
二次加硫を行った。
【0021】得られた各サンプルの表面張力、常態試験
および膨潤試験の結果を表1に併せて示す。なお、ポリ
マーの表面張力は、溶媒としてn−アルカンを用いて、
ポリマー表面上で溶媒が形成する液滴の接触角を測定
し、Zisman Plot から求めた。接触角は、協和界面科学
( 株) 製の接触角計CA-A型で測定した。
【0022】常態試験は、JIS−6301に準拠して
求めた。表1 における各試験項目は以下のとおりであ
る。 M100 :標線距離が初期状態より100%伸びた時の単
位面積あたりの引っ張り強度である。 M200 :標線距離が初期状態より200%伸びた時の単
位面積あたりの引っ張り強度である。
【0023】M300 :標線距離が初期状態より300%
伸びた時の単位面積あたりの引っ張り強度である。 EB :サンプルの破断時の伸びの割合である。 TB :サンプルの破断時の引っ張り強さである。 HS :A形硬さ試験機による硬度 膨潤試験は、各サンプル(寸法:0.5mm×2cm×2c
m)を、40℃に保温されたトルエンおよびエタノール
中にそれぞれ24時間浸漬し、ついでサンプルを取り出
し、浸漬前の重量W1 と浸漬後の体積W2 とから、下記
式に示す重量変化率ΔWを測定した。
【0024】 ΔW(%)=〔(W2 −W1 )/W1 〕×100 また、浸漬前の体積V1 と浸漬後の体積V2 とから、下
記式に示す体積変化率ΔVを算出した。 ΔV(%)=〔(V2 −V1 )/V1 〕×100
【0025】
【表1】
【0026】比較例1〜6 実施例1〜6におけるパーフロロアルキルアクリレート
に代えて、四フッ化エチレン樹脂(PTFE、ダイキン
工業(株)製の商品名「ルブロン」)を使用したほか
は、実施例1〜6と同様にして各サンプルを得、それぞ
れの物性を測定した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表1、表2から、比較例1〜6では四フッ
化エチレン樹脂をシリコーンゴムに混入していくと、表
面張力があまり変化しないうえに、常態や膨潤の物性が
低下するのに対して、実施例では、表面改質剤としてパ
ーフロロアルキルアクリレートをシリコーンゴムに混入
させると、常態や膨潤の物性を殆ど変化させることな
く、表面張力だけがその混入量に応じて低下していくこ
とがわかる。比較例において、物性が低下するのは、四
フッ化エチレン樹脂がシリコーンゴムと相溶しにくいた
めと考えられる。 実施例7〜12 実施例1〜6におけるシリコーンゴムに代えて、NBR
(日本合成ゴム(株)製の「N230S」)を使用して
表3に記載の組成物を調製して、140℃で60分間プ
レス加硫を行い、二次加硫を行わなかったほかは、実施
例1〜6と同様にして各サンプルを得、それぞれの物性
を測定した。その結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】比較例7〜12 実施例7〜12におけるパーフロロアルキルアクリレー
トに代えて、四フッ化エチレン樹脂(PTFE、ダイキ
ン工業(株)製の商品名「ルブロン」)を使用したほか
は、実施例7〜12と同様にして各サンプルを得、それ
ぞれの物性を測定した。その結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】表3、表4の試験結果から、前記と同様
に、実施例7〜12では常態や膨潤の物性を殆ど変化す
ることなく、表面張力だけがその混入量に応じて低下し
ているのに対して、比較例7〜12では表面張力があま
り変化しないうえに、常態や膨潤の物性が低下している
ことがわかる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、表面印
刷層を構成するポリマーの諸物性を殆ど変化させること
なく、表面改質剤の混入量に応じてポリマーの表面張力
のみを変化させることができるので、版からオフセット
ブランケットへのインキの転移性およびオフセットブラ
ンケットから被印刷体へのインキ転移性という2つの相
反する要求を満足させるオフセットブランケットを提供
することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 LSY

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体層と、この支持体層上に積層された
    表面印刷層とを備えた印刷用オフセットブランケットに
    おいて、 前記表面印刷層が、 ポリマーに対してその表面張力を低
    下させるパーフロロアルキル基と、ポリマーとの反応性
    を有するアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオ
    キシ基とを分子中に有するフッ素化合物からなる表面改
    質剤を混入したポリマーから形成されることを特徴とす
    印刷用オフセットブランケット。 【請求項前記表面改質剤がポリマーに0.5〜30
    phrの割合で混入された請求項1記載の印刷用オフセ
    ットブランケット。 【請求項】前記ポリマーがシリコーンゴムまたはアク
    リロニトリル−ブタジエン共重合ゴムである請求項1記
    載の印刷用オフセットブランケット
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