JPH0780781B2 - グラニユロサイト−マクロフア−ジ コロニ−刺激 因子によるマクロフア−ジ殺腫瘍作用の活性化 - Google Patents

グラニユロサイト−マクロフア−ジ コロニ−刺激 因子によるマクロフア−ジ殺腫瘍作用の活性化

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JPH0780781B2
JPH0780781B2 JP61191561A JP19156186A JPH0780781B2 JP H0780781 B2 JPH0780781 B2 JP H0780781B2 JP 61191561 A JP61191561 A JP 61191561A JP 19156186 A JP19156186 A JP 19156186A JP H0780781 B2 JPH0780781 B2 JP H0780781B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はマクロフアージの活性化に関し、より詳細に
は、マクロフアージおよび前駆体モノサイトを単にグラ
ニユロサイト−マクロフアージ コロニー刺激因子(以
下、GM−CSFと呼ぶ)で刺激することにより、殺腫瘍活
性をあたえることに関する。
(従来技術) マクロフアージは骨髄に由来する血液中のモノサイトか
ら発達する、活発に動く、比較的大きい(10〜20μm)
食細胞である。マクロフアージは、活性化により、膜の
しわ発生、過酸化物の同化、Ia抗原の発現増大およびプ
ラスミノーゲンの分泌増大などをふくむ数種の機能的,
生化学的および形態的変化をうけることが観察されてい
る。またマクロフアージは免疫系の重要要素と考えられ
ている。活性化されるとマクロフアージは外来の粒子や
老化細胞の破壊に関連すると考えられており、最近では
新生物による病気に耐性をあたえ、および/または除去
することがつきとめられている。これらの活性を発揮す
る活性化マクロフアージおよび前駆体モノサイトの発生
には、有効な活性化信号および受容単核食細胞の共存が
必要である。
マクロフアージの活性化はマクロフアージ活性化因子ま
たはMAFと呼ばれるある種のリンフオカインにより誘発
されることは一般に認められている。カメロン(Camero
n)等、J.Clin.Invest.,63:977(1979);マンタバニ
(Mantayani)等、Int.S.Cancer,25:691(1980);およ
びクライネルマン(Kleinerman)等、J.Clin.Invest.,7
2:304(1983)を参照。
MAFが他のものとは別のリンフオカインであるか又は全
体的にもしくは部分的に他のリンフオカインでできてい
るかは解明されていない。或る研究者はネズミの系では
MAFがガンマ−インターフエロン(IFN−γ)から構成さ
れていると示唆している。ロバートおよびバシル(Robe
rts and Vasil),J.Interferon Res.,2:519(1982)お
よびスベデルスキー(Svedersky)等、J.Exp.Med.,159:
812(1984)を参照。
然しながらIFN−γ以外のリンフオカインもマクロフア
ージを腫瘍細胞を殺しうる程度まで活性化する可能性が
あると考えられている。マクロフアージは表皮細胞を刺
激し、傷の治癒を助け、炎症や発熱の原因となることが
知られているリンフオカイン−インターロイキン1(IL
−イ)を生産する。オノザキ(Onozaki)等、J.Immuno
l.,135:314(1958)は、最近IL−1も新鮮なモノサイト
の殺腫瘍細胞活性を増大させることを示唆している。
マクロフアージおよび前駆体モノサイトもまた種々の物
質での処理により活性化されて殺腫瘍細胞作用を示しう
ると報告されている。例えばバクテリア産物リポポリサ
ツカライド(LPS)〔ゾーン(Sone)等,Cancer Res.,4
2:2227(1982)〕、ムラミルジペプチド(MDP)のよう
なペプチドグリカン〔ナガオ(Nagao)等,Infec.Immu
n.,24:304(1979),クライナー(Kleiner)等,Cancer
Res.,43:2010(1983)〕。
他のマクロフアージ活性化物質には、腫瘍プロモーター
・フオルボール・ミリステート・アセテート(PMA),
ピツク(Pick)等,Ann.N.Y.Acad.Sci.,332:378(1979)
およびイオノフオア類,ピツク等(同上)およびフンド
(Hund)等,Nature(ロンドン),265:543(1979)があ
る。
最近の報告によれば、マクロフアージが非特異的殺腫瘍
活性を発揮するための効果的活性化は単一の信号の結果
ではなく、一連の反応が必要であることが示唆された。
メルツアー(Meltzer)は『リンフオカイン』,ピツク
およびランデイー(Pick and Lasndy)編,アカデミツ
ク プレス,ニユーヨーク,第319〜343頁のなかで、マ
クロフアージが活性化されて殺腫瘍活性を示すには、反
応場所、例えば感染部位に血液のモノサイトが補給また
は集積され、モノサイトがその場所で能力ある単核食細
胞に分化すると仮定してる。この最初のモノサイトの分
化段階の後、モノサイトはリンフオカインからの最初の
信号によつて受容状態にとプライミングされる。このプ
ライムされたマクロフアージが最終的に成熟して細胞毒
性を有するには、例えばLPSから由来する第二の信号を
通した引金が必要である。一定レベルのマクロフアージ
活性化に必要なプライミング信号(リンフオカイン)と
引金信号の濃度は、これらを直列に使用すると、これら
の信号を単独で使用した場合に比べて遥かに低く、これ
らの信号の間には相乗作用的強力が存在することが示唆
される。
LPSとJFN−γについてもリンフオカイン−LPSと似た関
係が報告されている。シユルツ(Schultz),J.Interfer
on Res.,2:459(1982)。組み換えDNA技術は、インビト
ロ細胞バイオアツセイの発達とともに、IFN−γ,IL−1
および他のリンフオカインのcDNAのクローニングをもた
らした。高度に純粋な組み換え由来のIFN−γはそのMAF
活性に関する従来の報告を確証し、さらに非特異的殺腫
瘍活性を発揮するために効果的にIFN−γを誘発するた
めにはLPSのような第二の引金信号が必要であるという
報告も確証された。
本発明は、GM−CSFを使用してマクロフアージおよび前
駆体モノサイトを刺激し、非特異的殺腫瘍活性を仲介さ
せることに関し、この活性化は共同刺激因子、例えばLP
SまたはIFN−γの存在には依存しない。GM−CSFは特定
の種類のコロニー刺激因子(CSF)である。CSFはリンフ
オカインの仲間であり骨髄中に見出される親細胞を特定
の種類の成熟血液細胞への分化を誘発する。この親細胞
から生じる成熟血液細胞の特定種類は、存在するCSFの
種類に依存する。例えば、エリスロポエチンは親細胞を
赤血球に成熟させ、一方トロンボポエチンは親細胞を血
小板への過程へ誘導すると信じられている。同様にグラ
ニユロサイト−マクロフアージコロニーの形成は、GM−
CSFの存在に依存する。GM−CSFも含めたCSFが骨髄親細
胞から白血球への成熟および増殖へと誘発する能力は充
分知られているが、GM−CSFが単独でマクロフアージま
たは前駆体モノサイトを活性化して、非特異的殺腫瘍活
性に介在することは従来知られていない。
(発明の目的) 本発明によれば、マクロフアージまたはモノサイト前駆
体がGM−CSF信号のみにより、活性化され非特異的殺腫
瘍活性を介在する。活性化マクロフアージまたはモノサ
イト前駆体は、インビボまたはインビトロで腫瘍細胞を
不活性化するために使用出来る。腫瘍で苦しんでいる患
者の体内からマクロフアージ,モノサイトまたはその前
駆体を取り出し、該細胞を治療有効量のGM−CSFととも
に培養することにより、刺激して殺腫瘍活性化を発現さ
せることにより、該患者を治療することができる。その
後刺激された細胞をその患者に投与し、活性化細胞によ
り該患者を苦しめている腫瘍細胞を探しだして破壊する
ことができる。別の方法として、GM−CSFを直接静注,
皮下注射,腹腔内注射または筋肉内注射によりまたは鼻
腔からの吸入により患者に投与してもよい。本発明によ
れば活性化マクロフアージを使用して、癌患者はエンド
トキシン,放射活性物質または他の有害な物質に接する
ことなく治療できることが重要である。
本発明に使用する充分な量の均一なGM−CSFは組換えDNA
技術により製造できる。GM−CSFをコードする遺伝子を
単離し、組み換え蛋白質を高いレベルで発現できる系で
使用するために遺伝子工学的に処理する。発現宿主から
回収したGM−CSFを逆相高性能液体クロマトグラフイー
で均質に精製する。
活性化されたマクロフアージまたは前駆体モノサイトが
特定の腫瘍を破壊する効果を証明する方法は、マクロフ
アージまたはモノサイト前駆体を種々の濃度のGM−CSF
とともに培養する工程をふくむ。適当な培養期間の後、
GM−CSFを除き、次に標的腫瘍細胞を放射活性で標識し
てから、前記活性化マクロフアージエフエクター(攻
撃)細胞を作用させる。さらに培養したのち、破壊され
た標的細胞を取り除き、残存する標的細胞を溶解して、
活性化マクロフアージへの暴露に対して生き残つた細胞
の数を定量的指標として計数した。
前駆体モノサイトの調製 末梢血液モノサイトの形のマクロフアージをフイコール
およびパーコール分離を含む標準的技術で精製し、引き
続くGM−CSFでの活性化に使用した。この操作における
最上のモノサイト層を培地にプレーテイングし、次いで
非付着性細胞を除去し、のこりのモノレヤー細胞をGM−
CSFおよび他のLPSやIFN−γをふくむ活性化剤の添加に
よつて活性化できるようにした。エンドトキシンなどの
混在を防止するため、細胞分離工程に使用した各試薬は
リムラス・アメボサイト・リゼート(Limulus Ameobocy
te Lysate)で試験した。更に、細胞集団はエンドトキ
シンを含まない緩衝液および培地で調製した。
末梢血液から単離するかわりに、モノサイトまたは成熟
マクロフアージは他の供給源、例えば脾臓細胞,リンパ
節細胞または肺洗浄物に由来しても良い。
組換えGM−CSFの調製およびGM−CSF遺伝子のクローニン
グ GM−CSFは生体内では非常に少量しか生産されない。本
発明によれば、組換え技術により、モノサイトおよびマ
クロフアージの活性化に使用するための比較的多量の高
度純化GM−CSFが生産できる。そのような蛋白質生産の
ための組換えDNA技術に関する議論は、Science,196,(1
977年4月)の論説および追加論文に記載されている。
この参考文献で論じられている組換えDNA技術を利用す
るためGM−CSFをコードする遺伝子をcDNAライブラリー
から、例えばニツクトランスレーシヨンされたcDNAプロ
ーブを使つてまず単離する必要がある。そのような標識
プローブは、ネズミGM−CSFのヌクレオチド配列部分に
相当する合成オリゴヌクレオチドプローブを使用し、ネ
ズミGM−CSFのcDNAライブラリーから誘導された。
ヒトGM−CSF遺伝子の分子クローンを単離するために、
リンフオーマ細胞、例えばHUT−102,JurkatまたはHL60
または他の種類の供給源例えばヒト末梢血液単核球細胞
から全RNAを抽出した。鳥のミエロブラスト−シスウイ
ルス(AMV)の逆転写酵素を使用してポリアデニル化mRN
Aの逆転写によりcDNAライブラリーを作成した。このDNA
をDNAポリメラーゼIを用いて二重鎖にし、適当なクロ
ーニングベクター、例えばプラスミド,バクテリオフア
ージまたはコスミツド中に挿入した。次いで得られた組
換えクローニングベクターを適当な宿主、例えば大腸菌
(Escherichia coli(E.coli))、イーストまたは他の
単細胞生物の形質転換に使用した。
形質転換宿主を同定し、グループに分けてプールした。
これらのプールから調製したプラスミドDNAを32Pで放
射標識したニツクトランスレート化cDNAネズミGM−CSF
プローブとハイブリツド形成させた。プローブに陽性の
信号を与えたクロンーンのプールを同定し、次いで候補
のプールをさらに分割し、ハイブリツド形成スクリーニ
ングを繰り返した。最後にヒトGM−CSF遺伝子に相当す
る単一の形質転換体が同定された。この形質転換体から
プラスミドDNAを調製し、例えばサンガー等、Proc.Nat
l.Acad.Sci.(U.S.A.),70:5463により、提唱された標
準的チエインターミネーシヨン法を用いるDNA配列決定
により同定した。
第1図はヒトGM−CSF遺伝子のヌクレオチド配列を示
す。ヒトGM−CSF遺伝子のコード領域はヌクレオチドNO.
14からヌクレオチドNo.394におよぶ。ヌクレオチド配列
から決定した相当するアミノ酸配列は、関連コドンの下
に示す。同定された陽性コロニーから調製されE.coli中
に形質転換され、pHG23と命名されたプラスミドDNAはア
メリカン・タイプカルチユア・コレクシヨン(ATCC),
〔12301パークローンドライブ,ロツクビル,メリーラ
ンド 20852 米国〕に受託番号No.39900として寄託され
ている。
機能性GM−CSFの発現 宿主中のpHG23中に含まれるGM−CSF遺伝子の発現によ
り、機能性GM−CSFを製造し、発現生産物が寒天中で骨
髄細胞コロニーの増殖を刺激す能力を試験した。第1図
に示すGM−CSF遺伝子の実質的に完全コード領域であるc
DNAフラグメント(Sfa NIからNcoIまでのフラグメン
ト)を酵母細胞からGM−CSFの合成および分泌を指令す
るようにデザインした発現ベクター(例えば第2図に示
すようなpYαfGM−2と命名されたベクター)中に挿入
した。例えばpYαfGM−2のような発現ベクターは、好
ましくは複製起点およびアンピシリン−耐性遺伝子(Ap
γ)を含むプラスミドpBR322由来の配列(第2図の太線
部分)を含む。理想的には、発現ベクターは酵母からの
配列例えば選択マーカーとしてのトリプトフアン−1遺
伝子(TRP−1)および複製の2μ酵母オリジンをも含
む。発現ベクターはまた好ましくは更に、酵母pre−pro
−α接合因子(α−フアクター)(点線枠部分)を効果
的プロモーターとして、酵母宿主中でGM−CSFの合成お
よび分泌を指令するリーダー配列(その後に第1図のGM
−CSFのコード領域が続く(ハツチング枠部分))とと
もに含む。α−フアクター遺伝子の構造は、クルジヤン
およびヘルスコビツツ(Kurjan and Herskowitz),Cel
l,30:933−9438(1982)に記載されている。
pYαfGM−2発現プラスミドを適当な株の酵母(S.cerev
isiae)中に形質転換した。好ましい酵母株はNo.79,X21
81−1B,DBY746,YNN280および20B−12が含まれる。これ
らの株は、α−フアクタ−プロモーターとの適合性およ
びTrp+形質転換体の選択に関して、全てα,Trp1,Leu2で
ある。これらの株は全て一般に入手可能であり、例えば
ストレインNo.79はYeast Genetic Stock Center,Depart
ment of Biophysics and Medical Physics,University
of California,Berkeley,California 94702から入手出
来る。
bIL−2遺伝子を含む組換え発現プラスミドによる酵母
宿主の形質転換は、スフエロプラストを形成させ、次い
でプラスミド取り込みの前に洗浄する公知の方法で行つ
た。この方法のための処方は確立されている。例えば、
ベツグス(Beggs),Nature(London),275:104(1978)
およびヒンネン等,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A),75:1
929(1978)を参照。
酵母醗酵上澄の生物学的活性をヒト骨髄細胞からのグラ
ニユロサイトおよびマクロフアージタイプコロニーの混
合形成の能力に関して検定した。対照として、プラスミ
ドpYαfGM−2と同じ構造であるが、GM−CSF配列を欠失
したプラスミドpYαfもまた酵母宿主に形質転換して醗
酵上澄の生物学的活性を検定した。pYαfGM−2の上澄
は骨髄アツセイにおいて高レベルのGM−CSF活性の合成
を指令することが見出され(培養1ml当たり1.2×106コ
ロニー形成単位(CFU−c/ml))、これに対して、pYα
f対照プラスミドから誘導された上澄には活性は全く検
出されなかつた。
組換えGM−CSFの精製 発現宿主細胞の上澄の中に含まれる組換えGM−CSFは、
逆相高性能の液体クロマトグラフイー(HPLC)で実質的
に均一に精製した。本発明で使用するHPLCの方法におい
ては、好ましくは逆相、テトラメチル,オクタデシル,
オクチルメチルまたはジフエニル−結合シリカカラムで
あつて、GM−CSF蛋白質への使用が最適であるほど充分
に大きい孔径、即ち少なくとも300Åのものである。
本発明で使用しうる逆相HPLCカラムは市販されている。
この目的のために好ましいカラムは、セパレーシヨンズ
グループ(Separations Group),Hesperia,CAから市
販されているビダツク(Vydac)系列のカラムである。
例えば、本発明は、平均粒子サイズ30ないし44ミクロン
に選別された孔径300Åのシリカゲルの表面に結合され
たシロキサン(シリカン−酸素−シリカン)によつて共
有結合したテトラメチルシラン基よりなるビダツクC4ま
たはC18吸着逆相カラムを使用できる。
カラムに適用する前に、発現されたGM−CSFを適当な
酸、例えばトリフルオロ酢酸(TFA)を使つて酸性にす
る。HPLCカラムからの蛋白質の溶出は、公知の方法で行
う。カラムからの結合蛋白質を除去するための溶出の適
当な方法はアセトニトリルの直線勾配の使用を含む。こ
の目的のための好ましい勾配は、TFA(pH2.0−2.1)中
の0−100%(vol/vol)アセトニトリル勾配である。
溶出された蛋白質は当業者に公知の検出手段で都合よく
モニターできる。例えばHPLCカラムから溶出されたフラ
クシヨン中の蛋白質の相対濃度は、溶出された材料を光
波長214ナノメーターの自動紫外線スペクトロフオトメ
ーターで吸光度を測定することによつて決定することが
できる。適当な自動紫外線光吸収検出手段は、Milford,
MEのウオーターズ アソシエート社(Waters Associate
s)から入手できる。
HPLCから回収したフラクツシヨンにつき、後記の実施例
4に示すとおり、フレオレスカミンアツセイおよびSDS
(ドデシル硫酸ナトリウム)ポリアクリルアミドゲル電
気泳動およびそれに続く銀染色で蛋白質の検出を行う。
回収されたGM−CSFはFxn57と命名され、前記および実施
例3のようにして骨髄コロニー形成アツセイにより、生
物学的活性を調べる。
もし、最初のHPLCで充分な蛋白質の精製が果たされなか
つたときは、同じカラムまたは異なるタイプのカラムを
使用して操作を繰り返すことが出来る。さらに同一また
は異なる溶出剤を使用してよい。HPLCを二段階で実施す
ることによつて、GM−SCFは生物学的活性が単一対称ピ
ークを示すまでの均一度に精製された。第5図に示すと
おり、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、分子量
約21,000および17,000ダルトンのGM−CSF活性を持つ二
つのバンドが同定された。これらのバンドは、酵母が製
造したグリコシル化(21,000)および非グリコシル化
(17,000)GM−CSFに相当する。骨髄コロニー形成アツ
セイにおいて、Fxn57の活性程度は1.5×107CFU−c/mlで
あつた。この均質GM−CSFの比活性は約1.5×106CFU−c/
μg蛋白質または3.0×1016CFU−c/モルであつた。
標的細胞の調製 モノサイト/マクロフアージの殺腫瘍状態への活性化は
種々のタイプの腫瘍細胞を使用してアツセイした;例え
ばA375ヒトメラノーマ細胞ライン(ATCC No.CRL161
9),ヒト膀胱鱗癌(bladder squamous carcinoma)SCa
BER(ATCC No.THB3),ヒト星細胞腫膠芽腫U−87MGお
よびU−373 GM(ATCC No.HTB 14および17)、ヒトエビ
ング(Ewingu)ザルコーマEsa−1およびSK−ES−2(A
TCC No.HTB83およびHTB87)、ヒト悪性メラノーマSK−M
EL−28およびSL−MEL−31(ATCC No.HTB72およびHTB7
3)、ヒト肝臓癌SK−Hep−1(ATCC No.HTB−52)、ヒ
ト膵臓癌MIA PACA−2(ATCC No.CRL−1420)およびヒ
ト膀胱癌5637(ATCC No.HTB−9)を使用した。アツセ
イに先立つて標的細胞を種々の添加物、例えば胎児牛血
清(FCS)で強化した培地中でモノレヤーに増殖させ
た。次に標的細胞を例えば〔125I〕ヨードウリジン〔(
125I)IUdR〕で放射標識した。標識方法の標準手順は、
クライナーマン(Kleinerman)等、前述、およびオノザ
キ、前述、に記載されている。
殺腫瘍活性のアツセイ 候補アクチベーター物質、即ち、GM−CSF,IFN−γ,LPS
の種々の濃度を、上記で用意したプレーテイングされた
モノサイトに加えた。適当な培養期間、即ち24時間後
に、試験物質を除去し、培養ウエルに放射標識標的細胞
を加えた。初期インキユベーシヨン期間を更に置いた
後、培養上澄を除去して新鮮な培地に交換した。次いで
最終培養期間の後、活性化モノサイトで殺された標的細
胞を除去し、各ウエル中の残存生存細胞を適当な試薬、
例えばNaOHで溶解する。次いで溶解物の放射活性をガン
マカウンターで測定する。放射標識標的細胞を含むが活
性化モノサイトを含まないウエルを標的細胞の活性の対
照として用いる。
活性化モノサイトに介在される殺細胞活性は次のように
計算される: 第3図および第4図は、種々の濃度の組換えヒトGM−CS
F,LPS,IFN−γまたはLPSとIFN−γとともに活性化した
ヒト末梢血液モノサイトの殺腫瘍活性を説明するもので
ある。特に第3図は、LPSおよびIFN−γの単独およびマ
クロフアージ介在腫瘍標的破壊を誘発するために組合せ
たLPSおよびIFN−γの用量依存性効果を示す。第3図は
また、組換えGM−CSFを含む種々の濃度の酵母上澄の活
性も示す。第3図に描かれているとおり、この酵母上澄
は1:500(200CFU−c/ml)の希釈でマクロフアージを活
性化して約65%の特異的殺細胞性を発揮した。これもま
た第3図に記載されているとおり、対照酵母発酵上澄
は、マクロフアージ細胞毒性を誘発することはできなか
つた。粗酵母上澄は、約1−2×105CFU−c/mlのタイタ
ーを有していた。
第4図は、精製組換えヒトGM−CSFの用量依存力価の全
範囲を示している。第4図に説明したとおり、マクロフ
アージ介在腫瘍細胞殺細胞性の最大誘発の1/2は、均一G
M−CSFを含むカラムフラクシヨンの約1:1,000,000希釈
(15CFU−c/ml)で生じた。IFN−γ,LPSおよびIFN−γ
と組合せたLPSの殺細胞性を説明する対照データもまた
第4図に示す。
上記から明らかなとおり、GM−CSFはモノサイトの殺腫
瘍細胞活性を誘発する単一信号として効果的に作用し
た。このようなGM−CSFの生物学的活性は、従来知られ
ていなかつた。
腫瘍患者の治療 上記のような調製した精製組換えGM−CSFは、腫瘍患者
または哺乳動物を種々の治療法で治療するために使用で
きる。治療を要する患者に治療有効量のGM−CSFを一般
的な種々の経路、例えば非経口または経皮膚投与法で投
与できる。一般に、組換えGM−CSFは1日当り患者体重1
kgにつき、約1.0ないし106μgの量で投与できる。好ま
しくは、治療はこの範囲の低用量で開始して、望まれる
治療効果が達成される用量まで増加される。さらに、用
量の変更は種々の因子、例えば治療される患者の状態に
よつても必要になろ。いずれにしても、投与責任者が各
患者について適当な用量を決定するであろう。
非経口投与のためには、組換えGM−CSFは、例えば皮
下,筋注,腹腔,または静注により、単一もしくは複数
用量で患者に投与される。別法として、GM−CSFはエー
ロゾル吸入,経皮,経口腔または直腸坐剤として投与し
てもよい。注射用投与のためには、組換えGM−CSFのゴ
マ油,ピーナツ油または水性プロピングリコール中の溶
液ならびに蒸留水,血清アルブミン,リンゲル液,ハン
クス液,その他の無菌,非毒性,非アレルギー性溶液を
使用できる。そのような溶液は必要に応じて適当に緩衝
化でき、また液体希釈剤は十分量の食塩またはグルコー
スで等張にしておくこともできる。
別の治療方法として、マクロフアージまたはその前駆体
細胞を提供者から単離し、該細胞を治療有効量のGM−CS
Fとともに培養することによつて、殺腫瘍活性をもつよ
うに刺激することができる。この活性化マクロフアージ
もしくは前駆体細胞を、次に上記技術の一つを用いて受
容者に投与することができる。全ての場合ではないが、
典型的には提供者と受容者は同一個人である。
本発明の治療方法は、実質的に全ての型の腫瘍、特に固
型癌に対して採用可能である。そのような腫瘍には、膀
胱,腎臓,鱗状細胞,肺,肝臓,胸部,および大腸の各
所の癌を全て含む。腫瘍には、全てのメラノーマやザル
コーマも含まれる。
以下の実施例により、本発明の方法および発明物を詳述
する。実施例は単に例示の目的で記載するものである;
本発明を説明し、当業者が本発明を追試および利用する
助けとするために記載する。実施例によつて本発明の範
囲を限定しようとするものではなく、特許権成立後の発
明の範囲は、特許請求の範囲によつて定められる。
実施例1 末梢血液モノサイトの調製 リムラス・アメボサイト・リゼート〔ホイツトテーカー
・エム・エイ・バイオプロダクツ(Whittaker M.A.Biop
roducts),ウオーカースビル,MA〕を使用してパイロジ
エンを含まないことを調べた試薬を使用して、末梢血液
モノサイトのバフイーコート(白血球)部分〔ポートラ
ンド,オレゴンの赤十字から入手〕を精製した。各バフ
イーコートを、ロスウエル・パーク・メモリアル・イン
スチチユート(RPMI)−1640培地とヘパリン(50U/ml,
シグマ社,セントルイス,MO)で希釈して細胞200mlと
し、アイソリンフ(Isolymph)〔ギヤラード−シユレジ
ンガー(Gallard−Schlesinger),カールプレース,ニ
ユーヨーク)上に重ね、1400×gで25分間遠心した。層
間の細胞(単核白血球)を洗浄して、4〜5×107細胞/
2mlの濃度で連続パーコール(フアルマシア・フアイン
・ケミカルズ)上に重ねて、200×gで20分間4℃で遠
心し、モノサイトを残りの単核白血球から分離した。得
られた頂部のモノサイト層を回収し、5%FSCを含むRPM
I−1640で洗浄し、RPMI−1640および5%FCSとともに96
穴平底マイクロタイタープレート〔コスター(Costa
r)、ケムブリツジ、MA〕中に1〜2×105細胞/ウエル
の濃度でプレーテイングした。37℃で1時間インキユベ
ートした後、18ゲージ針を使つて非付着細胞を吸引除去
し、次いでモノサイト層を血清不含のRPMI−1640培地で
2回洗浄し、これにより、モノサイトに種々濃度の候補
アクチベーター、例えばGM−CSF,IFN−γ,LPSまたはIFN
−γと組合せたLPSよりなる試験サンプルを、以下に詳
述する如く添加する準備を終了した。
実施例2 組換えGM−CSFの調製 GM−CSF遺伝子の実質的完全コード領域および3′−隣
接領域を第1図のcDNAクローンから取り出し、これを使
用して酵母宿主細胞中でGM−CSFの発現を指令させるた
めの、pYαfGM−2と命名された組換え発現プラスミド
を形成した。pYαfGM−2発現プラスミドは、受託番号N
o.53157でATCCに寄託された。第2図に示される如く、p
YαfGM−2は、プラスミドpBR322からの複製起点および
Apγ抵抗遺伝子を包含する(太線部)。この発現プラス
ミドは酵母2μ環の複製起点および形質転換酵母宿主の
選択のためのTrpI遺伝子(TRP−〔Trp−栄養要求株〕、
第2図における細線部)も有する。この発現プラスミド
はさらに、GM−CSFの転写および分泌を指令するために
使用する酵母α−因子プロモーターおよびリーダー配列
(点枠部)も含む。GM−CSF配列(ハツチング枠部)
は、後に詳述する如く、合成オリゴヌクレオチド(空枠
部)によつて、α−因子配列と融合されている。
上に述べたとおり、GM−CSF遺伝子のSfaNIからNcoI部位
までのコード領域は、pHG23クローンから、SfaNIおよび
NcoI制限酵素を使用して標準手法、例えばアニアチル
等、モレキユラークローニング,アラボラトリーマニユ
アル,コールドスプリングハーバーラボラトリー,コー
ルドスプリングハーバー,N.Y.に記載された手法で除去
された。SfaNI酵素は、pHG23クローンからGM−CSF遺伝
子を開裂するが、その部位は成熟蛋白質(ヌクレオチド
No.14)のコード領域の5′末端から2ヌクレオチド下
流である;何故なら、ヌクレオチドNo.14には、厳密に
相当する制限部位が存在しないからである。成熟GM−CS
F遺伝子のコード領域の5′末端部に再付加するため、
および第二α−因子プロセシング部位を付加して成熟型
GM−CSFの分泌のためのシグナル配列の完全なプロセシ
ングを得るため、一つのオリゴヌクレオチドを化学合成
した。このオリゴヌクレオチドの組成は、下記表1およ
び第2図(空枠部)に示すとおり、HindIII接着5′末
端を有し、これに続くTCT TTG GAT AAA AGAの配列より
なるカテプシンB様成熟サイト、それに続く成熟GM−CS
F蛋白質の最初の二つのアミノ酸残基をコードするSfaNI
3′接着末端を有する。表1に示すオリグヌクレオチド
は、ヌード(Sood)等,Nucl.Acad.Res.,4:2557(1977)
およびヒロセ(Hirose)等,Tet.Lett.,28:2449(1978)
により記載されているトリエステル法で化学合成され
た;このオリゴヌクレオチドは他の方法、例えばホスホ
ジエステル法で調製もできる。
表1 5′−A GCT TCT TTG GAT AAA AGA GC −3′ AGA AAC CTA TTT TCT CGT GGG Ser Leu Asp Lys Arg Ala Pro 同じ発現ベクターの製造のため他の標準的組換えDNA技
術が使用できること、および上記詳述の製法は説明のた
めのもので、pYαfGM−2発現ベクターへの挿入のため
または他のバクテリアもしくは哺乳動物ベクター中での
発現のための種々の方法の非限定的例示にすぎないこと
を理解すべきである。
pYαfGM−2ベクターは、標準技術でTrp+形質転換体の
選択のため、S.セレビシエの酵母株79(α,Trp1−1,Leu
2−1)中に形質転換した。形質転換の前に、79株を選
択培地(YNB−trp,0.67%イーストナイトロジエンベー
ス(デイフコラブズ,デトロイト,MI),0.5%カザミノ
酸,2%グルコース,10μg/mlアデニンおよび20μg/mlウ
ラシル)または富化培地(YPD,1%イーストエキス,2%
ペプトンおよび2%グルコース,80μg/mlアデニンおよ
び80μg/mlウラシル補強)のいずれかで増殖させた。細
胞を22℃で1000×g,5分間遠心して収穫し、次いで得ら
れたペレツトを滅菌蒸留水で洗浄した。
次いで酵母細胞を1/10容量のSED(1Mソルビトール,25mM
エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)〔pH8.
0〕,および50mMジチオスレイトール)に濃度を高めて
懸濁し、30℃で10分間インキユベートした。細胞−バツ
フアー混合物を次に5分間300×gで遠心した。ペレツ
トを1度1/10容量の1Mソルビトールで洗浄し、細胞をSC
E(1Mソルビトール,0.1Mクエン酸ナトリウム〔pH5.8〕,
0.01MEDTA)20ml中に再懸濁した。細胞壁を破壊するた
め、グルスラーゼを10-3容量で溶液に加え、次いで時々
おだやかに振りながら30℃で30分間インキユベートし
た。スフエロプラストの存在は、10μlの酵母細胞を5
%SDS(w/v)1滴中に希釈し、顕微鏡スライド上で400
倍位相コントラストでゴーストの存在を観察して確認し
た。細胞混合物を次いで300×gで3分間遠心した。得
られたペレツトを1/10容量の1Mソルビトールで2回、そ
してCaS(1Mソルビトール,10mMCaCl2)で1回洗浄し
た。
次に、ベツグス(Beggs)(前術)の方法を応用して、
先に製造したプラスミドベクターで形質転換した。ペレ
ツト化したスフエロプラストを1/200容量のCaS中に懸濁
し、100μlのアリコートに分けて1.5mlエツペンドルフ
管に入れた。各アリコートに1〜10μlのプラスミドDN
A(0.5ないし5ng)を添加した。混合物を室温で10分間
インキユベートし、次いで各アリコートへDNAの取り込
みを促進するため1mlのPEG(20%PEG4000,10mMCaCl2,10
mMトリス−HCl〔pH7.4〕)を加えた。室温で10分間置い
た後、混合物を5分間350×gで遠心した。得られたペ
レツトを150μlのSOS(10mlの2Mソルビトール,6.7mlYE
PD〔1%(w/v)イーストエキス,2%(w/v)ペプトン,2
%(w/v)グリコース〕,0.13mlの1MCaCl2,27μlの1%
トリプトフアンおよび3.7mlの水)中に再懸濁させた。
この混合物を30℃で20分間インキユベートした。次いで
細胞のプレーテイングを行つた。
プレーテイング前に、プロトプラスト/DNA混合物の選択
プレートを37℃で予備インキユベートした。18.2mlのソ
ルビトール,2mgの寒天,0.6gのデイフコイーストナイト
ロジエンベース(アミノ酸不含),2gのグルコース,0.1m
lの1%アデニン,0.4mlの1%ウラシルおよび必要なア
ミノ酸よりなる3mlの溶融重層用寒天(45℃)を、各ア
リコートの形質転換細胞に加え、試験管内容物を上記選
択プレート上に注加した。プレートを30℃で2ないし4
日間インキユベートした。このTrpマイナス培地中で増
殖するコロニーが、Trp遺伝子を有するプラスミド即
ち、形質転換されたプラスミドを含んでいた。
生物学的および殺腫瘍アツセイの前に、形質転換体を、
20〜50mlの富化培地中で30℃で定常段階まで増殖させ
た。収穫の時点でプロテアーゼインヒビターのフエニル
メチルスルホニル・フルオリド(PMSF)およびペプスタ
チンAを、終濃度が夫々1mMおよび10μMとなるよう添
加した。次いで細胞を400×gの遠心分離で除去し、培
地を0.45μセルロースアセテートフイルター(コーニン
グ・グラス・ワークス,コーニング,NY)で過した。
除菌した上澄を4℃で保存した。
実施例3 コロニーアツセイ 実施例3における酵母の培養物から収穫したヒトGM−CS
Fの存在を、培養物上澄が寒天中でヒト骨髄細胞コロニ
ーの増殖を刺激する能力の検定により確認した。この検
定で使用するため、健康提供者の腸骨稜からのヒト骨髄
をヘパリン化シリンジで採取した。この骨髄を室温でリ
ン酸緩衝塩溶液(PBS)で1:3に希釈し、54%パーコール
(フアルマシア・フアイン・ケミカルス)の溶液上へ重
ねた。500×gで20分間室温で遠心分離した後、層間部
分を回収し、20倍量のPBSで洗浄した。次に懸濁液を室
温で250×g,10分間遠心した。次に細胞をヌクレオチド
を含むα−ミニマル・エツセンシヤル・メデイウム(α
−Mem,ギブコ)10mlに再懸濁し、細胞数と生存数を測定
した。次にFCSを加え、細胞懸濁液をアツセイのときま
で氷上に保存した。
アツセイにおいては、上記のように調製した骨髄細胞
を、次の組成のインキユベーシヨン培地に最終濃度1×
105/mlとなうように添加した: (a)28.1%FCS,0.7×10-4Mの2−メルカプトエタノ
ール,0.12mg/mlアスパラギン,0.7mg/mlグルタミン,150
単位のペニシリンG,150単位のストレプトマイシン,ヌ
クレオチド含有の1.1×α−MEM,および2.2×ビタミン
(ギブコ)を含む溶液7部;および(b)1.4%バクト
−アガー溶液(デイフコ)3部。培養物を5%CO2の存
在する湿潤空気下で37℃でインキユベートした。7ない
し14日間の培養の後、コロニーの数およびタイプ(グラ
ニユロサイト,マクロフアージまたは混合グラニユロサ
イト−マクロフアージ)を決定した。本発明者らは、pY
αfGM−2クローンからのGM−CSF遺伝子が1.25×106コ
ロニー形成単位/105(CFU−c/ml)の高レベルでGM−CS
F活性の生産を指令することを見出した。この活性レベ
ルは、最大コロニー数の50%を与える希釈の逆数を50倍
して求めた値である。本発明者らは、1×105骨髄細胞
からの平均コロニー数は96±29であることを見出した。
組換えGM−CSFにより14日目に形成されたコロニーは、
区別可能であり、次の三種のタイプよりなつていた:約
1/3の混合グラニユロサイト−マクロフアージコロニ
ー;約1/3のかたまつたグラニユロサイトコロニー;お
よび約1/3の分散したマクロフアージコロニー。
本発明の発現系の対照として、GM−CSF配列を欠くこと
以外はpYαfGM−2と同一のプラスミドも酵母79株中に
形質転換した。この酵母からの培養上澄は、骨髄コロニ
ー形成試験でGM−CSF活性を示さなかつた。
実施例4 組換えGM−CSFの精製 分泌された組換えGM−CSFを含有する実施例2からの培
地をTFA中で1%にして、0.45μのフイルター(コーニ
ング・グラス・ワークス)で過した。次いでこの培地
を直接にビダツクC4逆相カラム(10μパツキング付きの
1.0×30cmステンレススチールカラムまたはウオーター
ズ・ラジアル・コンプレツシヨン・カートリツジ(Wate
rs radial compression cartridge)(ウオーターズ・
アソシエート,ミルフオード,ME)に50μビダツクC4パ
ツキングを付けたカラム)へ、ミルトン・ロイ・ポンプ
(Milton Roy pump)〔ラブ・データ・コントロール(L
ab.Data Control),リベリア・ビーチ,FL〕を使つて、
5ml/分の流速で送つた。1度に1までの培地を適用
し、カラムへの全蛋白負荷量は、一般に約20mgであつ
た。このカラムを0.1%TFAで洗浄して214nmの吸光度が
ベースライン(蛋白負荷前)にもどるまで洗浄を続け、
非結合サンプル成分を除去した。結合蛋白質の溶出は、
0.1%TFA中の0−95%(v−v)アセトニトリルの直線
勾配(1%アセトニトリル/分)で行つた。この勾配
は、モデル680グラジエントフオーマー,2M−45ポンプお
よび214nmでモニターするモデル414デイテクターにより
構成されたウオーターズ・リクイド・クロマトグラフに
よつて作成した。ピークの蛋白フラクシヨンは50ないし
60%アセトニトリルで見られた。
第1回のHPLCから得れたGM−CSFを含むピークフラクシ
ヨンを集めて0.1%TFA水溶液(v/v)で1:3に希釈し、こ
の活性部分を、同様のTFAとアセトニトリルの勾配で、
ビダツクC18カラム(3.9mm×15cmカラム,5μパツキン
グ)での再クロマトグラフイーおよび再溶出した。
各フラクシヨンの蛋白質をフルオレスカミンのアツセイ
により分析した。また、ピークフラクツシヨンは再度SD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動およびひき続く銀染
色によつて分析した。この電気泳動を行うにあたり、溶
出の間に各フラクシヨンから20μl分を取り出して、そ
の各々に10%SDS2mlを添加した後真空乾燥した。乾燥残
渣を、0.0625Mトリス(pH6.8);2%SDS(w/v);10%グ
リセロール(v/v);5%2−メルカプトエタノール(v/
v)よりなる非還元性サンプル緩衝液40μlに溶解し
た。この溶液を3分間煮沸し、レムリ(Laemmli),Natu
re(London),227:680(1970)に記載された方法による
12%ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動を行つた。各
フラクシヨン番号についてゲルサンプルをオークリー
(Oakley)等,Anal.Biochem.,105:361−364(1980)に
記載された方法で銀染色した。GM−CSFの実質的均一性
は、電気泳動および銀染色によつて確認され、それによ
ればグリコシル化(21,000ダルトン)および非グリコシ
ル化(17,000ダルトン)のGM−CSFに相当する二つの蛋
白バンドを生じた(第5図参照)。この均一物質の活性
を前記実施例3のコロニー形成試験で分析したところ、
約1.5×107CFU-c/mlであり、比活性は1.5×106CFU-c/
μg蛋白質であつた。pI値は約5.0ないし5.4であつた。
実施例5 標識標的細胞の調製 標的細胞は、5%血清強化RPMI1640培地中、5%CO2を
含む湿潤空気中で37℃に保持した。培養標的細胞が対数
増殖期にあるとき、細胞毒性試験を行つた。標的細胞
は、ヒトメラノーマ細胞ラインA375(ATCC No.CRL161
9)、ヒト肝臓癌細胞ラインSK−Hep−1(ATCC No.HTB
−52)、ヒト膵臓癌MIA−PACA−2(ATCC No.CRL−142
0)およびヒト膀胱癌5637(ATCC No.HTB−9)を含む。
対数増殖期の標的細胞を125I−IUdRで放射標識した。
放射標識操作において、125I−IUdR(0.3μCi/ml;比活
性200mCi/ml;ニユーイングランド・ニユークリアー,ボ
ストン,MA)を含む5%FCS強化RPMI培地中で37℃,24時
間インキユベートした。次に細胞を2回洗つて未結合放
射標識を除き0.25%トリプシン(デイフコ・ラブス,デ
トロイト,MI)および0.02%EDTAによるトリプシン処理
を1分間行つて収穫した。標識細胞を5%FCSで強化し
たRPMI−1640培地に再懸濁した。
実施例6 殺腫瘍活性のアツセイ 殺腫瘍活性のアツセイ操作において、実施例4からの組
換えGM−CSFの試験サンプルの種々の濃度/希釈のもの2
00μl、精製天然IFN−γ〔メロイ・ラボラトリーズ(M
eloy Laboratories),スプリングフイールド,VA),LPS
(デイフコ・ラブズ.,デトロイト,MI,E.coli LPS−N)
およびIFN−γと組合せたLPSを、プレートにまかれたモ
ノサイトを含む培養ウエルに添加した。実施例1で記載
したとおり、モノサイトに試験サンプルを加える前に、
非付着モノサイト細胞は18ゲージ針で吸引して培養ウエ
ルから除去し、次いでモノレヤーを血清不含のRPMI−16
40で2回ゆすいだ。GM−CSFに関して、アツセイは種々
の希釈度の、実施例2で製造したGM−CSFプラスミドを
含む酵母の生産する上澄(第3図)および実施例5で製
造した精製組換えGM−CSF(第4図)の両方について行
つた。第3図および第4図には、LPS,IFN−γおよびIFN
−γと一緒にしたLPSの希釈物も示されている。対照と
して、GM−CSFプラスミドを含まない酵母が生産した上
澄のアツセイも行つた。試験サンプルを静止中のモノサ
イトと24時間インキユベートした後、試験サンプルを吸
引除去した。
約104個の125I−UdR−標識標的細胞(実施例5からの
もの)を各モノサイトのウエルに添加し、初期の標的−
エフエクター(活性化モノサイト)の比率を1:10ないし
1:20にした。また、放射標識標的細胞単独についても、
別の対照群としてプレーテイングした。このアツセイは
付着標的細胞の溶解を測定するものであり、そのために
はエフエクター細胞と標的細胞との細胞−細胞接触が必
要であるため、24時間後に培養上澄を吸引除去して新た
なRPMI−1640培地に置き代えることにより、付着せずに
この試験で殺され得ない細胞により生じる可能性のある
誤差を防止した。さらに48時間後にモノレヤーを激しく
ゆすいで、モノサイトにより殺された標的細胞を除去し
た。各ウエル中に残存する付着生存細胞を50μlの0.5M
NaOHで溶解した。綿棒で残存放射活性細胞を集め、放射
活性をγカウンターで測定した。次の式を用いてモノサ
イト介在細胞毒性を次の式によつて測定した: 第3図および第4図にアツセイの結果を示す。第3図に
示すとおり、また予測されるとおり、LPSおよびIFN−γ
は殺腫瘍活性を介在する程度にはマクロフアージを活性
化しなかつた。さらに既に報告されているとおり、マク
ロフアージ活性化剤としてのIFN−γは、少量のLPSと共
に加えたときのみ効果を示した。第3図に更に示すとお
り、GM−CSFプラスミドを含む酵母が生産した上澄は、
マスロフアージの腫瘍細胞を殺す作用を誘発したが、対
照上澄(GM−CSFプラスミドを含まない酵母が生産した
もの)は、マスロフアージの細胞毒性を誘発しなかつ
た。
第4図は精製組換えGM−CSFのドーズタイトレーシヨン
の全コースを示す。第4図に示すとおり、1:500,000の
希釈においてもなお、精製組換えGM−CSFはマクロフア
ージを活性化して殺腫瘍活性(30CFU−c/ml)を発揮さ
せる能力を有し、生じた特異的殺細胞活性の最大値の半
分の誘発は、約1:1,000,000(15CFU−c/ml)にカラムか
らのフラクシヨンを希釈したとき得られた。第3図にお
けると同様に第4図においてもLPS,IFN−γおよびIFN−
γプラスLPSの適当な対照が示されている。IFN−γと異
なり、GM−CSFは外からのLPSの不存在下でマクロフアー
ジを殺腫瘍性に活性化する効果的単一シグナルとして作
用した。
実施例7 殺腫瘍活性のアツセイ−ヒト癌細胞ライン 実施例6に記載されている殺腫瘍活性のアツセイを、ヒ
ト膀胱鱗状カルシノーマSCaBER(ATCC No.HTB3)に関し
ても実施した。これらの標的細胞は実施例5に記載され
ているようにして放射標識した。アツセイを実施例6の
方法で、但しA375標的細胞の代りに放射標識したSCaBER
標的細胞を使用して実施した。
実施例8 殺腫瘍活性のアツセイ−ヒトメラノーマ 実施例6および7の殺腫瘍活性のアツセイ法を、ヒト悪
性ミエローマSK−MEL−28(ATCC No.HTB72)とともに使
用した。標的細胞を実施例5に記載したようにして放射
標識した。アツセイは実施例6および7に記載した方法
で行つたが、標的細胞としてはSK−MEL−28細胞を使用
した。
実施例9 殺腫瘍活性のアツセイ−ヒトヘパトーマ ヒト肝臓癌SK−Hep−1(ATCC No.HTB−52)に関して
も、実施例6の殺腫瘍活性のサツセイ法を実施した。標
的細胞は実施例5の方法で放射標識した。このアツセイ
においては、GM−CSFは10ng/mlアツセイ容量の濃度で用
いた。各アツセイにおいて約104個の125IUdr−標識標的
細胞を各アツセイで使用して、初期の標的−エフエクタ
ー(活性化モノサイト)細胞の比率を1:20ないし1:30に
した。また、放射標識標的細胞のみも、対照としてプレ
ーテイングした。このアツセイにおいて、GM−CSF活性
化モノサイトは、平均して約14%のレベルの腫瘍細胞の
特異的殺細胞性を介在した。
実施例10 殺腫瘍活性のアツセイ−ヒト膵臓癌 実施例9の殺腫瘍アツセイ法を、ヒト膵臓癌細胞ライン
MIAPACA−2(ATCC No.CRL1420)について行つた。標的
細胞は実施例5に詳述したとおり放射標識した。アツセ
イは実施例9の方法で行つたが、但し標的細胞にはMIAP
ACA−2細胞を用いた。この特定のアツセイにおいて、
生じた細胞毒性の平均パーセントは約38%であつた。
実施例11 殺腫瘍活性のアツセイ−ヒト膀胱癌 実施例9の殺腫瘍活性アツセイを、ヒト膀胱癌細胞ライ
ン5637(ATCC No.HTB−9)についても使用した。標的
細胞は実施例5のようにして標識した。アツセイは実施
例9のようにして行つたが、但し標的細胞には5637細胞
を用いた。このアツセイにおいて、生じた細胞毒性のパ
ーセントは約30%であつた。このアツセイ並びに上述の
アツセイは、GM−CSFがマクロフアージを殺腫瘍性へ活
性化する有効な単独シグナルとして作用することを示し
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、3′非コード領域を含む、ヒトGM−CSF遺伝
子のヌクレオチド配列および相当するアミノ酸配列を示
す図であり、 第2図は、機能的ヒトGM−CSFを発現させるために宿主
細胞を形質転換するために挿入されたGM−CSF遺伝子の
コード領域を有するpYαfGM−2発現プラスミドの模式
図であり、 第3図は、組換えヒトGM−CSFで活性化されたヒト末梢
血液マクロフアージにより介在される腫瘍細胞の特異的
溶解のパーセントを示すグラフであり、 第4図は、精製された組換えヒトGM−CSFの種々の濃度
で活性化されたヒト末梢血液マクロフアージに介在され
る腫瘍細胞の特異的溶解およびLPS,IFN−γおよびLPSと
組合せたIFN−γで活性化されたマクロフアージに介在
される同様な溶解を示すグラフであり、 第5図は、精製された均一組換えGM−CSFの銀染色され
たポリアクリルアミドゲルバンドを示す電気泳動図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダグラス・ピー・セレッティ アメリカ合衆国ワシントン州98199,シア トル,ウェスト・バートナ 2415 (72)発明者 ポール・ジェイ・コンロン・ザ・サード アメリカ合衆国ワシントン州98105,シア トル,スタンフォード・アベニュー・ノー スイースト 4805 (72)発明者 デービッド・ジェイ・コスマン アメリカ合衆国ワシントン州98102,シア トル,トゥエルヴス・アベニュー・イース ト 310 (72)発明者 ケネス・エッチ・グラブステイン アメリカ合衆国ワシントン州98115,シア トル,ノースイースト・セブンティフィフ ス・ストリート 5829,ナンバー 443 (72)発明者 アルフ・ディー・ラーセン アメリカ合衆国ワシントン州98102,シア トル,サミット・アベニュー・イースト 320,ナンバー 15 (72)発明者 ヴァージニア・エル・プライス アメリカ合衆国ワシントン州98102,シア トル,ボイアー・アベニュー・イースト 2617 (56)参考文献 特表 昭61−501490(JP,A) 特表 昭62−501259(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子
    (以下、「GM−CSF」という)を含有する、マクロファ
    ージ系の細胞の殺腫瘍活性の増強剤。
  2. 【請求項2】GM−CSFが組換えDNA技術で製造されたもの
    である、請求項1に記載の殺腫瘍活性増強剤。
  3. 【請求項3】GM−CSFが、骨髄細胞コロニー形成試験で
    測定したとき少なくとも1.5×106コロニー形成単位/μ
    gタンパク質の比活性を示すまで精製されたものであ
    る、請求項1または2に記載の殺腫瘍活性増強剤。
  4. 【請求項4】GM−CSFが末梢血液の単球由来である、請
    求項1ないし3のいずれか1項記載の殺腫瘍活性増強
    剤。
  5. 【請求項5】マクロファージ系細胞の2×105細胞あた
    り、0.01ないし100ナノグラムのGM−CSFが含有される、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の殺腫瘍活性増
    強剤。
  6. 【請求項6】生体外でマクロファージ系の細胞の殺腫瘍
    活性を増強するために使用される、請求項1ないし5の
    いずれか1項に記載の殺腫瘍活性増強剤。
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