JPH0782415A - 電子部品用樹脂組成物 - Google Patents

電子部品用樹脂組成物

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JPH0782415A
JPH0782415A JP19184494A JP19184494A JPH0782415A JP H0782415 A JPH0782415 A JP H0782415A JP 19184494 A JP19184494 A JP 19184494A JP 19184494 A JP19184494 A JP 19184494A JP H0782415 A JPH0782415 A JP H0782415A
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JP
Japan
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resin
composition
wollastonite
electronic parts
fibrous material
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Application number
JP19184494A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kadode
宏之 門出
Takio Tasaka
多希雄 田坂
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電気・電子機器の回路基板材料と
して要求度の高い低比誘電率、低誘電正接、高耐熱性、
高機械的強度及び良好な熱伝導性を兼備した電子部品用
樹脂組成物を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の電子部品用樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂又は熱硬化性樹脂に、珪酸カルシウム系繊維状物を
主成分とする強化繊維を、該樹脂及び繊維状物の合計重
量を基準にして5〜60%の割合で配合してなるもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品用樹脂組成物
に関する。詳しくは、低比誘電率、低誘電正接、高耐熱
性、高機械的強度及び良好な熱伝導性を兼備し、電気・
電子機器の回路基板材料、特に高周波用の回路基板材料
として極めて好適な樹脂組成物に関する。
【0002】本明細書において、比誘電率及び誘電正接
は、特に断らない限り、1MHz、25℃の条件下に測
定した比誘電率及び誘電正接とする。
【0003】
【従来の技術とその課題】電子・電気機器の回路基板材
料には、比誘電率や誘電正接等の誘電特性が低く、耐熱
性や機械的強度等の物理的特性に優れることが要求され
る。
【0004】比誘電率(ε)とは誘電体内の分極の程度
を示すパラメーターであり、比誘電率が高い程電気信号
の伝播遅延が大きくなる(Td=3.33√ε、Td:
電気信号の伝播遅延時間)。従って、電気信号の伝播速
度を高め、高速演算を可能にするためには、比誘電率は
低い方が好ましい。誘電正接(tanδ)とは、誘電体
内を伝播する電気信号が熱に変換されて失われる量を表
すパラメーターであり、誘電正接が低い程電気信号の損
失が少なくなり、信号伝達率が向上する。
【0005】従来回路基板材料としては、ガラスクロス
にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸、硬化させて作
成された通称ガラエポ基板が一般的に用いられてきた
が、その比誘電率は4.5〜5.5と高く、誘電正接も
0.020〜0.035と大きいので、特にMHz帯域
以上の高周波域における信号の伝達速度及び伝達率は満
足できるものではない。
【0006】最近、合成樹脂の易成形性に着目し、これ
を電子部品の材料とすることが検討されている。合成樹
脂の中には、高周波用の回路基板材料に適した比誘電率
や誘電正接を有しているものもあるが、総じて耐熱性や
機械的強度が不十分であり、実使用には耐え得ない。
【0007】耐熱性や機械的強度等の改良を目的とし
て、電子部品用の合成樹脂に各種ウィスカーや繊維状物
等の強化繊維を添加することは、一般に行なわれてい
る。例えば、特開平3−35585号公報によれば、ガ
ラス繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の強化繊維が
提案されている。
【0008】しかしながら、ガラス繊維を合成樹脂に添
加すると、比誘電率の上昇は比較的小さく抑えられるも
のの、誘電正接が著しく増大する。また、ガラス繊維は
繊維径5〜15μmと太く、繊維長100μm以上と長
いため、成形品の表面平滑性が損なわれ、該成形品の表
面に微細回路をメッキするのが困難になり、更にワイヤ
ーボンダーで金線を接続する時に、ワイヤーボンダーの
先端部を痛める等の不都合が生じる。
【0009】一方、チタン酸カリウムウィスカーは、繊
維径0.05〜2μm、繊維長2〜50μmとミクロな
繊維であり、耐熱性や機械的強度の向上、線膨脹係数の
低下等には有効であるが、比誘電率及び誘電正接を著し
く上昇させ、特に高周波域での信号伝達速度の遅延、伝
達率の低下をもたらす。しかも、該ウィスカーに含まれ
るカリウム等のアルカリ成分は、電子部品の電極や配線
を腐食させたり、断線や電流の漏れ等を引き起したりす
る。
【0010】更に特開平3−100062号公報は、熱
可塑性樹脂にガラス繊維と珪酸カルシウム系繊維状物の
1種であるワラストナイトを配合した組成物を開示する
が、ワラストナイトは機械的強度を向上させることのみ
を目的として用いられている。また特開平4−8805
1号公報には、ポリエステル、臭素化イミド系難燃剤、
酸化アンチモン及びワラストナイトを含む電気部品用の
樹脂組成物が記載されている。しかしながら、この組成
物においても、ワラストナイトは機械的強度の補強材と
しての役割のみを担っている。また、ここで言う電気部
品とは、ブラウン管の偏向ヨーク、コイルのボビン、端
子台、スイッチ部品等の活電部品であり、該活電部品に
要求されるのは耐アーク性及び耐トラッキング性であっ
て、比誘電率や誘電正接等の誘電特性ではない。また特
開平1−210452号公報にも、ポリエステル、ガラ
ス繊維、ワラストナイト及びイオン性炭化水素共重合体
を含む、電気・電子材料用の樹脂組成物が提案されてい
るが、ワラストナイトは、該組成物を成形した場合のソ
リ、変形を小さくし、ウェルド強度を向上させるために
添加されている。更に特公平4−20942号公報は、
サーモトロピック液晶性ポリマーとワラストナイトを含
む成形材料を教示するが、ここでもワラストナイトは耐
磨耗性の向上のためだけに用いられている。
【0011】上述の様に、珪酸カルシウム系繊維状物は
強化繊維として公知であるが、種々の強化繊維の中から
特に該繊維状物を合成樹脂に混合した場合に、樹脂の誘
電特性や熱伝導率の点で良好な結果が得られるとの報告
はなされていない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の課題を解決すべく鋭意検討した結果、合成樹脂に珪酸
カルシウム系繊維状物を特定量配合する場合には、高周
波域での使用に支障をきたす程の比誘電率及び誘電正接
の上昇を伴うことなく、熱伝導性、耐熱性及び機械的強
度をも向上させることができ、加えて、配合する樹脂の
種類によっては、比誘電率を同程度に維持したまま、誘
電正接を著しく低下させ得るので、従来合成樹脂が適用
されてきた電気・電子部品とは異なった電気的用途であ
る回路基板材料、特に高周波用の回路基板材料として極
めて好適に使用できることを見い出し、ここに本発明を
完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、熱可塑性樹脂又は熱硬化
性樹脂に、珪酸カルシウム系繊維状物を主成分とする強
化繊維を、該樹脂及び繊維状物の合計重量を基準にして
5〜60%の割合で配合してなることを特徴とする電子
部品用樹脂組成物に係る。
【0014】本発明で使用される熱可塑性樹脂として
は、
【0015】
【化1】 を構造単位とするポリフェニレンエーテル及び若干のポ
リスチレンもしくはスチレン・ブタジエン系エラストマ
ーを添加して耐衝撃性や成形性を改善したポリフェニレ
ンエーテル系樹脂、メタロセン触媒を使用して構造制御
することにより得られるシンジオタクチックポリスチレ
ン、
【0016】
【化2】 を構造単位とする5−メチルペンテン樹脂、
【0017】
【化3】 を構造単位とするポリノルボルネン樹脂等の環状オレフ
ィンを成分に含む環状ポリオレフィン、マレイミドを共
重合することにより熱変形温度を高めた耐熱性ABS樹
脂、1,4−ジアミノブタン/アジピン酸を縮合重合し
て得られるポリアミド−4,6、ヘキサメチレンジアミ
ン及びテレフタル酸から得られるポリアミド−6T、テ
レフタル酸の一部をイソフタル酸もしくはアジピン酸で
置き変えた変性ポリアミド−6T、ε−カプロラクタ
ム、ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸を共重合
してなるポリアミド−6/6T、ヘキサメチレンジアミ
ン、アジピン酸及びテレフタル酸を共重合してなるポリ
アミド−6、6/6T等の耐熱性ポリアミド樹脂、
【0018】
【化4】 を構造単位とするポリフェニレンサルファイド樹脂、
【0019】
【化5】 を構造単位とする芳香族ポリサルホン系樹脂、
【0020】
【化6】 を構造単位とするポリエーテルイミド樹脂、
【0021】
【化7】 を構造単位とするポリエーテルケトン系樹脂、
【0022】
【化8】 を構造単位とするポリエーテルニトリル樹脂、
【0023】
【化9】 を構造単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル樹
脂、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テ
トラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポ
リマー、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコ
キシビニルエーテルコポリマー等の熱溶融性フッ素樹
脂、熱可塑性ポリイミド樹脂等を例示できる。これらの
中でも、ポリフェニレンエーテル系樹脂、シンジオタク
チックポリスチレン、5−メチルペンテン樹脂、環状ポ
リオレフィン、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ
エーテルイミド樹脂、サーモトロピック液晶ポリエステ
ル樹脂、熱溶融性フッ素樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂
等を好ましく例示できる。
【0024】本発明では、これらの中から1種を単独で
使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0025】また熱硬化性樹脂としては、例えば熱硬化
変性を施した熱硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂等を挙げることができるが、本発明の組成物には特に
グリシジルエーテル型耐熱性多官能エポキシ樹脂に硬化
剤としてフェノール樹脂の変性や触媒の選択により熱時
低弾性化の図られた樹脂組成物を使用するのが望まし
い。
【0026】本発明で用いられる強化繊維は、珪酸カル
シウム系の繊維状物を主成分とするものである。
【0027】珪酸カルシウム系繊維状物は、マトリック
ス樹脂の比誘電率及び誘電正接を高周波域での使用に支
障をきたす程上昇させることなく、熱伝導性、耐熱性、
機械的強度等を向上させることができる。更に、例えば
ポリエーテルイミド系樹脂やエポキシ樹脂等、マトリッ
クス樹脂の種類によっては、比誘電率の上昇を低く抑え
たまま誘電正接を著しく(例えば1桁以上)低下させる
ことができる。この様な特殊な効果は、全ての強化繊維
が有しているものではなく、珪酸カルシウム系繊維状物
特有のものと考えられる。
【0028】珪酸カルシウム系繊維状物としては、Ca
O及びSiO2 を主成分とする公知のものが使用できる
が、その中でも、例えば、ワラストナイト、ゾノトライ
ト等が好ましい。
【0029】ワラストナイトは、CaO・SiO2 で示
される組成を有する。ワラストナイトには、天然品及び
合成品がある。通常天然品は、繊維の集合体として存在
し、粉砕及び分級して用いられる。
【0030】ワラストナイトのアスペクト比(繊維長/
繊維径)は、天然品の場合は粉砕方法及び産地によって
異なる。合成品は、ほぼ均一なものが得られる。通常ア
スペクト比が6以上、好ましくは6〜100程度のもの
がよい。β−ワラストナイトはアスペクト比が6より大
きく、本発明において好適に使用できる。また、繊維径
は通常6μm以下、好ましくは0.1〜5μmのものが
よい。
【0031】特に、機械的強度、耐熱性、熱伝導性等の
物理的特性の向上効果と誘電特性の維持又は低下効果の
バランス等を考慮すると、アスペクト比が6以上の繊維
を60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有し且
つ繊維径5μm以下の繊維を80重量%、好ましくは9
5重量%以上含有しているワラストナイトを好ましく使
用できる。この様なワラストナイトの具体例としては、
平均繊維径2.0μm、平均繊維長25μmであり、繊
維径5μm以下の繊維を95重量%以上含み且つアスペ
クト比6以上の繊維を90重量%含む市販品が挙げられ
る。
【0032】尚、アスペクト比が6以上の繊維を60重
量%以上含有していても、繊維径6μmを越える繊維を
80重量%以上含有しているようなワラストナイトは、
樹脂と混練中に折れ易いため、機械的強度及び耐熱性の
向上効果という点から、上記のものよりはやや劣ってい
る。
【0033】一方、ゾノトライトは、6CaO・6Si
2 ・H2 Oで示される組成を有する。本発明者によれ
ば、ゾノトライトは、ワラストナイトとは異なりその分
子中に結晶水を含有しているが、ワラストナイトと同様
に、誘電特性の維持又は低下効果及び物理的特性の向上
効果を示すことが明らかとなっている。
【0034】ゾノトライトには、天然品及び合成品があ
る。合成品としては、平均繊維径0.5〜1μm、平均
繊維長2〜5μm、アスペクト比2〜15のものが得ら
れている。
【0035】ゾノトライトのアスペクト比及び繊維径
は、物理的特性の向上効果と誘電特性の維持又は低下効
果のバランス等を考慮すると、上記ワラストナイトと同
様の範囲とするのが好ましい。
【0036】珪酸カルシウム系繊維状物は、1種を単独
で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0037】本発明で用いられる強化繊維中の、珪酸カ
ルシウム系繊維状物の割合は、通常50重量%以上、好
ましくは80重量%以上とするのがよい。50重量%未
満では、補強効果はあっても、所望の誘電特性が充分発
揮されない。
【0038】珪酸カルシウム系繊維状物以外の強化繊維
としては、公知の無機系繊維状物及びウィスカーが使用
でき、例えば、ガラス繊維、ミルドガラスファイバー、
炭素繊維、チタン酸アルカリ金属ウィスカー、ホウ酸ア
ルミニウムウィスカー、ホウ酸マグネシウムウィスカ
ー、珪酸亜鉛ウィスカー等を挙げることができる。
【0039】本発明で使用される強化繊維には、マトリ
ックス樹脂との濡れ性、結合性等、ひいては本発明組成
物の機械的強度を更に向上させることを目的として、カ
ップリング剤処理を施してもよい。ここで使用されるカ
ップリング剤としては特に制限されず公知のものが使用
でき、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、アクリ
ルシラン等のシランカップリング剤、チタネート系カッ
プリング剤等を挙げることができる。この中でも、エポ
キシシラン、アミノシラン等のシランカップリング剤を
好ましく使用できる。カップリング剤の使用量は特に制
限されず、得ようとする組成物の用途等に応じて適宜選
択すればよいが、通常強化繊維の量の0.3〜5重量%
とすればよい。
【0040】上記熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に対す
る強化繊維の配合割合は、樹脂と強化繊維の合計重量に
対し、強化繊維を通常5〜60%、好ましくは10〜4
0%とするのがよい。強化繊維が5%未満の場合には、
誘電正接の低下効果、機械物性の改良効果、耐熱変形性
の改良効果等が充分でなく、一方60%を越えると、熱
可塑性樹脂への溶融混練や熱硬化性樹脂溶液への分散が
困難になったり、この混練・分散操作の際に粘度上昇を
招き、成形が著しく困難になるという欠点を生ずる。
【0041】本発明においては、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、メッキ性改良のためのタルク、ピロリン酸
カルシウム等の微粒子状充填剤、酸化防止剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、染料、顔料等の着色剤、フッ素樹脂
等の潤滑性付与剤、離型改良剤、帯電防止剤、難燃剤、
難燃助剤等の通常の樹脂添加剤を適宜配合することがで
きる。
【0042】難燃剤としては特に制限されず公知のもの
が使用でき、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤
等を挙げることができる。ハロゲン系難燃剤の具体的と
しては、例えばデカブロモビフェニルエーテル、ヘキサ
ブロモビフェニル、臭素化ポリスチレン、テトラブロモ
ビスフェノールAとそのオリゴマー、臭素化ポリカーボ
ネートオリゴマー等のハロゲン化ポリカーボネート、ハ
ロゲン化エポキシ樹脂等を挙げることができる。またリ
ン系難燃剤としては、例えばリン酸アンモニウム、トリ
クレジルホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサ
イド等を挙げることができる。なお難燃剤は、使用する
樹脂マトリックスが熱可塑性樹脂であるか又は熱硬化性
樹脂であるかにより適宜選択すればよい。また難燃助剤
としても公知のものが使用でき、例えば三酸化アンチモ
ンに代表されるアンチモン系化合物、ホウ酸亜鉛、メタ
ホウ酸バリウム、酸化ジルコニウム等が好ましい。
【0043】本発明の樹脂組成物を製造するに当って
は、従来公知の方法を広く採用できる。例えば熱可塑性
樹脂の場合は、該樹脂に、必要に応じて上記添加剤をタ
ンブラー又はリボンミキサー等を用いて混合した後、二
軸押出機を用いて溶融混練しながら、途中で上記珪酸カ
ルシウム系繊維状物を所定量供給混練し、ペレット化す
るのがよい。また、熱硬化性樹脂の場合には、スーパー
ミキサー又はニーダーに、未硬化の樹脂を入れ、上記繊
維状物及び必要に応じて上記添加剤を混合した後ね最後
に硬化剤、触媒を入れてペースト状で取り出す方法が一
般的である。
【0044】本発明組成物は、例えば、射出成形、押出
成形、圧縮成形、注型成形等の公知の方法に従って、所
望の形状の成形品とすることができる。
【0045】本発明組成物を用いて回路基板を製造する
には、公知の方法が採用できる。例えば、本発明組成物
の成形品に、必要に応じてエッチングを施したり及び/
又は銅等の金属の被膜を貼着もしくはメッキした後、そ
の表面に回路を形成すればよい。回路の形成は、例え
ば、メッキ、スパッタリング、イオンプレーティング、
真空蒸着、印刷等の公知の方法に従って行なうことがで
きる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、低誘電率、低誘電正
接、高耐熱性及び高機械的強度を兼備し、電気・電子機
器の回路基板材料、特に高周波用の回路基板材料として
好適に使用できる樹脂組成物が提供される。また、本発
明の樹脂組成物は良好な熱伝導性を有し、言い換えれば
放熱性にも優れるので、その点においても電気・電子機
器の材料として有用である。
【0047】本発明の樹脂組成物は、具体的には、例え
ば、衛星放送関連機器等に代表される高周波機器や情報
処理機器のプリント回路基板材料として極めて好適に使
用できる。更に本発明の樹脂組成物は、例えば、チップ
キャリアやピングリッドアレイ等の半導体パッケージの
分野、抵抗器、スイッチ、コンデンサ、フォトセンサ等
のベース部品からICソケットやコネクタ等の機構部品
に至るまで、幅広い範囲で応用可能である。また、身近
なところでは電子レンジ用の容器類にも使用が可能であ
る。
【0048】
【実施例】以下実施例及び比較例に基づき本発明を詳し
く説明する。
【0049】尚、ここに示す1MHzにおける比誘電率
及び誘電正接はJIS K−6911により、10GH
zにおける比誘電率及び誘電正接はネットワークアナラ
イザー8510C(Hewlet Packard社
製)を用い、空洞共振法によりそれぞれ測定した。引張
強度はJIS K−7113、曲げ強度及び曲げ弾性率
はJIS K−7203、アイゾット衝撃強さ(ノッチ
付き)はJIS K−7110により測定した。
【0050】更に、荷重撓み温度(18.5kgf/c
2 荷重)はJIS K−7207により測定した。荷
重撓み温度は、以下の文中において、熱変形温度(℃)
と言うこともある。
【0051】実施例1〜4及び比較例1〜2 下記のマトリックス樹脂及び強化繊維を表1に示す量で
配合し、樹脂組成物を製造した。
【0052】マトリックス樹脂:環状ポリオレフィン系
樹脂(商品名:ゼオネックス480、日本ゼオン(株)
製、熱変形温度:123℃) ワラストナイトA:米国一般市販品、平均繊維径2.0
μm、平均繊維長25μm。アスペクト比6以上の繊維
を90重量%以上、繊維径5μm以下の繊維を95重量
%以上含有 ワラストナイトB:ダイケンファイバーナイトHG(商
品名、中国産、山陽興業(株)販売)平均繊維径6.0
μm、平均繊維長132μmアスペクト比10以上の繊
維を60重量%以上、繊維径6μm以上の繊維を80重
量%以上含有 ワラストナイトC:WICROLL−10(商品名、P
artek Minerals社製)平均繊維径4.5
μm、平均繊維長13μm チタン酸カリウムウィスカー(比較品):ティスモD
(商品名)、大塚化学(株)製。K2 O・8TiO2
平均繊維径0.4μm、平均繊維長15μm。
【0053】押出機のシリンダー温度を300℃とし、
ゼオネックス480を溶融した後、強化繊維を添加して
ストランドカットを行ない、本発明組成物及び比較組成
物のペレットを製造した。このペレットを、射出成形機
(商品名:FS−150、日精樹脂工業(株)製)を用
い、シリンダー温度290℃、金型温度130℃、射出
圧力800kg/cm2 Gにて射出成形し、得られた成
形物について物性測定を行なった。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】 表1より、ワラストナイト(実施例1〜4)は、1MH
zにおける比誘電率が2.5〜2.7、誘電正接が0.
0006〜0.0008と、いずれも低比誘電率及び低
誘電正接を保持しながら、耐熱性(熱変形温度)や機械
的強度(曲げ弾性率)を向上させ得ることが判る。尚、
10GHzでの誘電特性を測定したところ、ワラストナ
イト(実施例1〜4)は、比誘電率が2.3〜2.7、
誘電正接が0.0002〜0.0004と良好な値を示
し、高周波材料の強化繊維として有用性の高いことが確
認された。一方、チタン酸カリウムウィスカーを用いる
と(比較例2)、1MHzにおける比誘電率が4.7、
誘電正接が0.0538といずれもマトリックス樹脂そ
のものの値よりも大きく増大し、高周波材料の強化繊維
には適していないことが明らかになった。
【0055】また、ワラストナイトA(実施例1、2)
は、繊維径の太いワラストナイトB(実施例3)や繊維
径が若干太く、アスペクト比の小さなワラストナイトC
(実施例4)に比べ、物理的特性の向上効果と誘電特性
の維持効果のバランスが良いことが判る。
【0056】実施例5〜7及び比較例3〜5 マトリックス樹脂としてポリエーテルイミド樹脂(商品
名:ウルテム#1010−1000、日本ジーイープラ
スチックス(株)販売)を、強化繊維としてワラストナ
イトA、ワラストナイトC、中性チタン酸カリウムウィ
スカー(商品名:ティスモN、大塚化学(株)製)をそ
れぞれ用い、押出機のシリンダー温度を340℃とする
以外は、実施例1〜4と同様に操作して、本発明組成物
及び比較組成物のペレットを製造した。このペレット
を、シリンダー温度370℃、金型温度120℃、射出
圧力700kgf/cm2 Gにて射出成形し、得られた
成形物について物性測定を行なった。結果を表2に示
す。
【0057】
【表2】 表2より、ワラストナイトA及びワラストナイトCが、
ポリエーテルイミド樹脂の比誘電率を殆ど上昇させるこ
となく、誘電正接を著しく低下させることができ、併せ
て機械的強度の向上効果を有していることが判る。
【0058】一方、チタン酸カリウムウィスカーは、機
械的強度の向上効果は有しているものの、誘電特性の保
持又は低下効果は全くなく、反って比誘電率及び誘電正
接を著しく増大させており、回路基板材料には適用でき
ないことが判る。
【0059】実施例8〜10及び比較例6〜8 マトリックス樹脂としてサーモトロピック液晶ポリエス
テル(商品名:ベクトラC950、ポリプラスチックス
(株)販売)を、強化繊維としてワラストナイトA、チ
タン酸カリウムウィスカーを、エッチング助剤としてピ
ロリン酸カルシウム粉末(平均粒子径約10μm、太平
化学産業(株)製)をそれぞれ用い、押出機のシリンダ
ー温度を310℃とする以外は、実施例1〜4と同様に
操作し、本発明組成物及び比較組成物のペレットを製造
した。このペレットを、シリンダー温度330℃、金型
温度120℃、射出圧力800kgf/cm2 Gにて射
出成形し、得られた成形物の物性測定を行なった。結果
を表3に示す。
【0060】
【表3】 表3より、ワラストナイトAは、比誘電率及び誘電正接
を高周波域での使用に支障をきたす程上昇させることな
く、機械的強度を向上させる効果を有していることが判
る。これに対し、チタン酸カリウムウィスカーは、機械
的強度を向上させる効果は有しているものの、比誘電率
及び誘電正接を著しく増大させており、回路基板材料に
は適用できないことが判る。
【0061】実施例11〜12及び比較例9〜11 下記のマトリックス樹脂及び強化繊維を表4に示す量で
配合し、樹脂組成物を製造した。
【0062】マトリックス樹脂:フェノール型エポキシ
樹脂(EPCLON850、大日本インキ化学工業
(株)製) ワラストナイトA:上記に同じ ゾノトライト:平均繊維径0.7μm、平均繊維長5.
2μm Eガラス短繊維(比較品):繊維径13μm、繊維長
1.5mm、日本電気硝子繊維(株)製 チタン酸カリウムウィスカー:ティスモD。
【0063】エポキシ樹脂50重量部と強化繊維50重
量部を混合し、充分攪拌して均一に分散させ、次いで硬
化剤としてメタキシリンジアミンを7.5重量部添加
し、更に攪拌し、真空脱泡し、本発明組成物及び比較組
成物を製造した。
【0064】この組成物を、テフロンシートの上に厚さ
3mmのスペーサーを周囲に置いて流延し、室温で3時
間放置後、130℃で3時間熱硬化させ、得られた成形
物の物性測定を行なった。尚、表面粗さは、中心平均粗
さ(Ra)を意味する。中心平均粗さは、サーフコム3
00B(商品名、(株)東京精密製)により測定した。
結果を表4に示す。
【0065】
【表4】 表4から、熱硬化性樹脂についても、ワラストナイトA
及びゾノトライトが、他の強化繊維に比べ、誘電特性の
維持効果と物理的特性の向上効果のバランスの点ではる
かに優れており、回路基板材料に好適に使用できること
が判る。
【0066】尚、ワラストナイト及びゾノトライトを含
む成形品の表面は、ミクロン単位以下の凹凸しかない、
極めて平滑な状態となるので、銅箔等の金属箔の密着
性、回路印刷性等が非常に良好になることも判る。
【0067】実施例13〜15及び比較例12〜13 マトリックス樹脂として熱可塑性ポリイミド樹脂(商品
名:オーラムPD400、三井東圧化学(株)販売)
を、強化繊維としてワラストナイトA、ワラストナイト
C、チタン酸カリウムウィスカー(ティスモD)をそれ
ぞれ用い、押出機のシリンダー温度を400℃とする以
外は、実施例1〜4と同様に操作し、本発明組成物及び
比較組成物のペレットを製造した。このペレットを、シ
リンダー温度410℃、金型温度180℃、射出圧力1
000kgf/cm2 Gにて射出成形し、得られた成形
物について物性測定を行った。結果を表5に示す。
【0068】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたワラストナイトAの繊維の形状
を示す顕微鏡写真である。
【図2】実施例で用いたワラストナイトBの繊維の形状
を示す顕微鏡写真である。
【図3】実施例で用いたワラストナイトCの繊維の形状
を示す顕微鏡写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に、珪酸
    カルシウム系繊維状物を主成分とする強化繊維を、該樹
    脂及び繊維状物の合計重量を基準にして5〜60%の割
    合で配合してなることを特徴とする電子部品用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 珪酸カルシウム系繊維状物が、ワラスト
    ナイト及び/又はゾノトライトである請求項1に記載の
    電子部品用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 強化繊維中の珪酸カルシウム系繊維状物
    の配合割合が、50重量%以上である請求項1に記載の
    電子部品用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル
    系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン、5−メチル
    ペンテン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、耐熱性ABS
    樹脂、耐熱性ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファ
    イド樹脂、芳香族ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルイ
    ミド樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルニ
    トリル樹脂、サーモトロピック液晶ポリエステル樹脂、
    熱溶融性フッ素樹脂及び熱可塑性ポリイミド樹脂から選
    ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の電子部品
    用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂が熱硬化性ポリフェニレン
    エーテル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び不飽和ポ
    リエステル樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求
    項1に記載の電子部品用樹脂組成物。
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