JPH07829B2 - チタン摺動材料 - Google Patents
チタン摺動材料Info
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- JPH07829B2 JPH07829B2 JP21363885A JP21363885A JPH07829B2 JP H07829 B2 JPH07829 B2 JP H07829B2 JP 21363885 A JP21363885 A JP 21363885A JP 21363885 A JP21363885 A JP 21363885A JP H07829 B2 JPH07829 B2 JP H07829B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は摺動材料に関するものであり、さらに詳しく述
べるならばチタン(Ti)を摺動材料として使用する際に
充たすべき材質的要件を提案するものである。
べるならばチタン(Ti)を摺動材料として使用する際に
充たすべき材質的要件を提案するものである。
チタンはその比強度が高い特性を利用して各種構造用材
料、特に航空機の構造材料として用いられている。チタ
ン材料の用途、性質を概観した文献としては日本金属学
会報第19巻、第7号、第220頁−第228頁、同第16巻、第
12号、第829頁−第834頁がある。
料、特に航空機の構造材料として用いられている。チタ
ン材料の用途、性質を概観した文献としては日本金属学
会報第19巻、第7号、第220頁−第228頁、同第16巻、第
12号、第829頁−第834頁がある。
構造用材料以外としてチタンが工業的に使用されている
分野として、TiC、TiN等を超硬材料もしくは高速度鋼へ
のコーティング材料として用いる技術がある。この技術
では超硬材料の靱性を損なうことなくTiC等をCVD法でコ
ーティングし、形成されたTiC皮膜の耐摩耗性により工
具寿命を延長することが主として狙われている。この分
野における技術の改良はめざましく、TiN、Ti(CN)を
用いる方法、蒸着、PVD、イオンプレーティング法など
が次々と工業化されている。
分野として、TiC、TiN等を超硬材料もしくは高速度鋼へ
のコーティング材料として用いる技術がある。この技術
では超硬材料の靱性を損なうことなくTiC等をCVD法でコ
ーティングし、形成されたTiC皮膜の耐摩耗性により工
具寿命を延長することが主として狙われている。この分
野における技術の改良はめざましく、TiN、Ti(CN)を
用いる方法、蒸着、PVD、イオンプレーティング法など
が次々と工業化されている。
上述の従来技術の進展とは相反して、チタンを摺動材料
として使用することは殆んど実現化されていない。この
点は、アルミニウム、銅、鋼などの工業材料が組成の調
節により相手材に適合した耐摩耗性および焼付性等を具
備し、広く摺動材料として使用されているのと対照的で
ある。
として使用することは殆んど実現化されていない。この
点は、アルミニウム、銅、鋼などの工業材料が組成の調
節により相手材に適合した耐摩耗性および焼付性等を具
備し、広く摺動材料として使用されているのと対照的で
ある。
特公昭50-1686号公報には、約50at%Ti、残部NiなるTi-
Ni合金のNiの一部をFe、Mo、Co、Cr、Ta、Nb、Wの1種
以上で置換した合金をクランクシャフト、コンロッド、
シリンダ、ライナ、クラッチ板、バルブ、シールリン
グ、ポンプのスリーブ等に使用すると、耐焼付性、耐摩
耗性、なじみ性および相手材への非攻撃性にすぐれた性
能が得られることが述べられている。この公報にはチタ
ンは酸化摩耗から溶融摩耗に移行し易いが上述のごとく
Fe等を添加することによりすぐれた摺動特性が得られる
との知見が認められる。上記公報より公知となる合金は
Tiに多量の合金元素を添加することにより摺動特性を向
上する技術に基づいて成立したものである。
Ni合金のNiの一部をFe、Mo、Co、Cr、Ta、Nb、Wの1種
以上で置換した合金をクランクシャフト、コンロッド、
シリンダ、ライナ、クラッチ板、バルブ、シールリン
グ、ポンプのスリーブ等に使用すると、耐焼付性、耐摩
耗性、なじみ性および相手材への非攻撃性にすぐれた性
能が得られることが述べられている。この公報にはチタ
ンは酸化摩耗から溶融摩耗に移行し易いが上述のごとく
Fe等を添加することによりすぐれた摺動特性が得られる
との知見が認められる。上記公報より公知となる合金は
Tiに多量の合金元素を添加することにより摺動特性を向
上する技術に基づいて成立したものである。
摺動材料に要求される基本的特性に、耐摩耗性、耐焼付
性および低摩擦性がある。これらの性質は相手材および
使用部材により大いに影響されるために、相手材および
使用部材を特定して以下具体的に説明する。
性および低摩擦性がある。これらの性質は相手材および
使用部材により大いに影響されるために、相手材および
使用部材を特定して以下具体的に説明する。
内燃機関のピストンリング摺動材料の相手材は鋳鉄もし
くはアルミニウム合金製シリンダである。周知の如くピ
ストンリングにはクロムメッキした鋳鉄が主に使用され
ている。この技術分野においてもエンジンの高速回転お
よび高負荷の趨勢にともなってピストンリングの摺動性
能の向上が強く要求され、それにも増してエンジンの軽
量化のためにシリンダのAl化が検討され、アルミニウム
を相手材とした摺動材料の開発が重大な課題となってい
る。
くはアルミニウム合金製シリンダである。周知の如くピ
ストンリングにはクロムメッキした鋳鉄が主に使用され
ている。この技術分野においてもエンジンの高速回転お
よび高負荷の趨勢にともなってピストンリングの摺動性
能の向上が強く要求され、それにも増してエンジンの軽
量化のためにシリンダのAl化が検討され、アルミニウム
を相手材とした摺動材料の開発が重大な課題となってい
る。
ロータリーコンプレッサのベーン用摺動材料の相手材は
シリンダ側の鋼またアルミニウム合金である。鋼製シリ
ンダを相手材として摺動するベーンには高Si−アルミニ
ウム合金が現在のところ最良の摺動特性を発現する。一
方、アルミニウム合金製シリンダを相手材として摺動す
るベーンについては焼入炭素鋼もしくは合金鋼が現在の
ところ最良の摺動特性を発現する。なお、近年ロータリ
ーコンプレッサのシリンダにAl2O3繊維入りアルミニウ
ム複合材料が使用されているが、摺動材料の耐摩耗性不
足の問題が起こりつつある。
シリンダ側の鋼またアルミニウム合金である。鋼製シリ
ンダを相手材として摺動するベーンには高Si−アルミニ
ウム合金が現在のところ最良の摺動特性を発現する。一
方、アルミニウム合金製シリンダを相手材として摺動す
るベーンについては焼入炭素鋼もしくは合金鋼が現在の
ところ最良の摺動特性を発現する。なお、近年ロータリ
ーコンプレッサのシリンダにAl2O3繊維入りアルミニウ
ム複合材料が使用されているが、摺動材料の耐摩耗性不
足の問題が起こりつつある。
上記した摺動材料と相手材の組み合わせは永年の技術経
験により得られた最良のものであるが、相手材をアルミ
ニウム合金としさらに摺動材料をチタンとすることがで
きれば、チタンの高比強度特性を活かした軽量機器が実
現されることとなる。また、摺動材料軽量化に伴なって
摺動中に振動、打音、異音発生の抑制効果も期待でき
る。さらに相手材を鋼もしくは鋳鉄とする従来のアルミ
ニウム摺動材料をチタンに代替できると、アルミニウム
よりチタン高比強度であるために同様に軽量化が可能に
なる。
験により得られた最良のものであるが、相手材をアルミ
ニウム合金としさらに摺動材料をチタンとすることがで
きれば、チタンの高比強度特性を活かした軽量機器が実
現されることとなる。また、摺動材料軽量化に伴なって
摺動中に振動、打音、異音発生の抑制効果も期待でき
る。さらに相手材を鋼もしくは鋳鉄とする従来のアルミ
ニウム摺動材料をチタンに代替できると、アルミニウム
よりチタン高比強度であるために同様に軽量化が可能に
なる。
ところが、純チタンおよびチタン合金は摩耗量が多くか
つ相手材に対して短時間でかつ低荷重下で焼付いてしま
うので従来の摺動材料を代替することができない。
つ相手材に対して短時間でかつ低荷重下で焼付いてしま
うので従来の摺動材料を代替することができない。
而して、本発明は次の構成要件の組み合わせより成立す
るものである。
るものである。
材料構成 窒化表面処理されたチタン材料。窒化表面処理とはチタ
ン材料の表面を窒素含有媒体中で加熱処理することを指
す。かかる処理によってチタン材料の表面に窒素が侵入
し、該表面が硬さの高い含窒素物質に転換される。チタ
ン材料とは主成分もしくは不純物を除く全成分がチタン
である圧延材、鍛造材、鋳造材、押出材、焼結材、クラ
ッド材、その他のソリッド材を指す。
ン材料の表面を窒素含有媒体中で加熱処理することを指
す。かかる処理によってチタン材料の表面に窒素が侵入
し、該表面が硬さの高い含窒素物質に転換される。チタ
ン材料とは主成分もしくは不純物を除く全成分がチタン
である圧延材、鍛造材、鋳造材、押出材、焼結材、クラ
ッド材、その他のソリッド材を指す。
上記のように材料構成を限定したのは、チタン材料の主
成分もしくは全成分をTiとすることによって軽量、比強
度大とのTiの利点を活かし、かつソリッド材の表面を含
窒素領域に転換して強固な硬質層とし、すぐれた摺動表
面とするためである。
成分もしくは全成分をTiとすることによって軽量、比強
度大とのTiの利点を活かし、かつソリッド材の表面を含
窒素領域に転換して強固な硬質層とし、すぐれた摺動表
面とするためである。
窒化表面処理法としては900〜1000℃の温度で大気圧のN
2ガス中でチタン材料を30分以上、好ましくは10時間以
下、加熱する方法を採用することができる。かかる温
度、圧力および雰囲気ガスは適宜変化させてもよく、特
に雰囲気ガスは所望の硬質表面層形成を妨げない範囲で
N2以外のガスを含有してもよい。硬質層の厚さは10〜10
0μm、特に40〜70μmであることが好ましい。なお、
上記温度でのTi加熱により強度の低下は認められなかっ
た。
2ガス中でチタン材料を30分以上、好ましくは10時間以
下、加熱する方法を採用することができる。かかる温
度、圧力および雰囲気ガスは適宜変化させてもよく、特
に雰囲気ガスは所望の硬質表面層形成を妨げない範囲で
N2以外のガスを含有してもよい。硬質層の厚さは10〜10
0μm、特に40〜70μmであることが好ましい。なお、
上記温度でのTi加熱により強度の低下は認められなかっ
た。
相手材構成 Al-Si合金、繊維強化Al合金および鋳鉄。Al-Si合金は多
量にSiを含有する耐摩耗性Al合金であって、一般的Si含
有量は13%以上、典型的Si含有量は15〜20%である。こ
のAl合金は第二、第三の添加元素を含んでもよい。繊維
強化Al合金はAl2O3、SiO2、SiC等の繊維(ヤーン形態、
チョップ形態、ウイスカ形態)により強化されたAl合金
である。マトリックスとなるAl合金はJIS-H4000、H520
2、H5302等に記載される公知のものである。繊維の一般
的含有量は3〜30vol%、典型的含有量は5〜15vol%で
ある。相手材の構造形状等は従来技術で説明したとうり
であるが、必ずしもこれに限定されない。摺動構造をど
のように構成するかは本発明の対象ではないためより詳
細な説明はしない。鋳鉄はねずみ鋳鉄、白鋳鉄、球状黒
鉛鋳鉄、合金鋳鉄、可鍛鋳鉄等を指す。
量にSiを含有する耐摩耗性Al合金であって、一般的Si含
有量は13%以上、典型的Si含有量は15〜20%である。こ
のAl合金は第二、第三の添加元素を含んでもよい。繊維
強化Al合金はAl2O3、SiO2、SiC等の繊維(ヤーン形態、
チョップ形態、ウイスカ形態)により強化されたAl合金
である。マトリックスとなるAl合金はJIS-H4000、H520
2、H5302等に記載される公知のものである。繊維の一般
的含有量は3〜30vol%、典型的含有量は5〜15vol%で
ある。相手材の構造形状等は従来技術で説明したとうり
であるが、必ずしもこれに限定されない。摺動構造をど
のように構成するかは本発明の対象ではないためより詳
細な説明はしない。鋳鉄はねずみ鋳鉄、白鋳鉄、球状黒
鉛鋳鉄、合金鋳鉄、可鍛鋳鉄等を指す。
上述のように相手材構成を限定したのは、およそ摺動特
性は相手材を特定しなければ無意味であり、本発明者等
の実験によりすぐれた摺動特性が得られた相手材以外は
発明外とすべきと考えたからである。
性は相手材を特定しなければ無意味であり、本発明者等
の実験によりすぐれた摺動特性が得られた相手材以外は
発明外とすべきと考えたからである。
性質構成 高耐摩耗性および低摩擦性(以下、総称して「摺動性」
という)。チタン材料はかなりの合金元素を添加しても
摺動性がすぐれないとの宿命があった。尤もTiがチタン
材料の主成分とは言えないほど多量の合金元素を添加す
ればある程度良好な摺動性が得られるであろうが、Tiの
もっている利点が活用できなくなる。本発明はTiの利点
を活かしつつ摺動性を改良することを意図するものであ
るから、摺動性を発明の構成として限定した。摺動性を
定量的かつ一般的に表現することはできないので、この
表現の代りに各種摺動材と対比して一般的に表現する方
法により摺動性を述べるならば本発明の摺動性は焼入軸
受鋼と同等以上のものである。特記すべき点は本発明の
摺動性はオイルが少なく境界潤滑となる摺動条件下で一
段とすぐれた性能を発揮するという点である。これはカ
ークーラー用コンプレッサ、ピストンリング等のオイル
消費が厳しく制限されつつある摺動部材において特に有
利な結果をもたらす。
という)。チタン材料はかなりの合金元素を添加しても
摺動性がすぐれないとの宿命があった。尤もTiがチタン
材料の主成分とは言えないほど多量の合金元素を添加す
ればある程度良好な摺動性が得られるであろうが、Tiの
もっている利点が活用できなくなる。本発明はTiの利点
を活かしつつ摺動性を改良することを意図するものであ
るから、摺動性を発明の構成として限定した。摺動性を
定量的かつ一般的に表現することはできないので、この
表現の代りに各種摺動材と対比して一般的に表現する方
法により摺動性を述べるならば本発明の摺動性は焼入軸
受鋼と同等以上のものである。特記すべき点は本発明の
摺動性はオイルが少なく境界潤滑となる摺動条件下で一
段とすぐれた性能を発揮するという点である。これはカ
ークーラー用コンプレッサ、ピストンリング等のオイル
消費が厳しく制限されつつある摺動部材において特に有
利な結果をもたらす。
上記構成を組み合わせることによる作用は次のとうりで
ある。
ある。
チタン材料をAl-Si合金またはFRM-Al合金と組み合わせ
ることによりロータリーコンプレッサ等を装置の軽量化
が図られ、さらに窒化表面処理されたチタン材料を用い
ることによって焼入軸受鋼製摺動材料よりすぐれた摺動
性も実現される。鋳鉄の相手材として従来一般に用いら
れていた合金鋳鉄摺動材料をチタン材料に代替すること
によっても同様に軽量化が達成され、またすぐれた摺動
性も実現される。
ることによりロータリーコンプレッサ等を装置の軽量化
が図られ、さらに窒化表面処理されたチタン材料を用い
ることによって焼入軸受鋼製摺動材料よりすぐれた摺動
性も実現される。鋳鉄の相手材として従来一般に用いら
れていた合金鋳鉄摺動材料をチタン材料に代替すること
によっても同様に軽量化が達成され、またすぐれた摺動
性も実現される。
本発明が本発明完成に至るまでに行なった実験の概要を
説明する。各種摺動材料の特性測定は以下の条件で行な
った。
説明する。各種摺動材料の特性測定は以下の条件で行な
った。
(1) 試験機−ピンディスクタイプ試験機 (2) 荷重−15kgf(一定) (3) 潤滑法−冷凍機油(1容量部)対軽油(9容量
部)の混合油:パッド給油 (4) 相手材−Al-17%Si-5%Cu-0.5%Mg(T6処理
材);ねずみ鋳鉄(Hv230);Al系FRM(Al2O3‐SiO2系繊
維15容量%および残部Al−3%Cu-0.5%MgのAl合金) (5) 試験時間−60分 供試材および測定特性は以下の第1表−第3表のとうり
であった。
部)の混合油:パッド給油 (4) 相手材−Al-17%Si-5%Cu-0.5%Mg(T6処理
材);ねずみ鋳鉄(Hv230);Al系FRM(Al2O3‐SiO2系繊
維15容量%および残部Al−3%Cu-0.5%MgのAl合金) (5) 試験時間−60分 供試材および測定特性は以下の第1表−第3表のとうり
であった。
第1表に示された結果について本発明者は次のように考
案した。
案した。
チタン(表面処理なし)はSi含有Al合金に対する摩耗係
数が高くかつ耐摩耗性が低い。この原因はSi含有Al合金
中の初晶Si粒子が硬くかつチタンを削りとるためである
と考えられる。
数が高くかつ耐摩耗性が低い。この原因はSi含有Al合金
中の初晶Si粒子が硬くかつチタンを削りとるためである
と考えられる。
窒化鋼および焼入れ軸受鋼の特性はチタン(表面処理な
し)よりすぐれている。換言するとチタンは窒化鋼また
は焼入軸受鋼を代替するほどすぐれた性能を備えておら
ない。これら鋼材のすぐれた特性は初晶Si粒子が鋼材を
削り取る傾向がその硬さにより抑制されていることによ
ると考えられる。
し)よりすぐれている。換言するとチタンは窒化鋼また
は焼入軸受鋼を代替するほどすぐれた性能を備えておら
ない。これら鋼材のすぐれた特性は初晶Si粒子が鋼材を
削り取る傾向がその硬さにより抑制されていることによ
ると考えられる。
窒化鋼と焼入軸受鋼を比較すると、後者の特性が明らか
にすぐれており、この原因は摺動材料の硬さの値のみで
なく硬い部分がどのように摺動部材に存在しているかに
あると考えられる。
にすぐれており、この原因は摺動材料の硬さの値のみで
なく硬い部分がどのように摺動部材に存在しているかに
あると考えられる。
TiC(CVD)被覆鋼は表中で最高の硬さを有する材料であ
り、またTiC(CVD)被覆鋼の耐摩耗性は表中最高のもの
の一つとなっている。TiC(CVD)被覆鋼の摩擦係数は窒
化鋼と焼入軸受鋼の中間となっている。かかるTiC(CV
D)被覆鋼の特性については、上述のように摺動材料表
面が初晶Si粒子により削られる傾向の大小により耐摩耗
性に限っては推論することができる。ところが摩擦係数
については摺動表面硬度が窒化鋼および焼入軸受鋼より
はるかに高いにもかかわらず、これらより劣る結果がTi
C(CVD)被覆鋼で得られている。よって、摩擦特性の良
否は摺動材料表面組成により影響されていると考えられ
る。上記特性を総合的に評価するとCVD-TiCは焼入軸受
鋼に代えて工業的に採用しうる魅力に乏しいと言うべき
である。
り、またTiC(CVD)被覆鋼の耐摩耗性は表中最高のもの
の一つとなっている。TiC(CVD)被覆鋼の摩擦係数は窒
化鋼と焼入軸受鋼の中間となっている。かかるTiC(CV
D)被覆鋼の特性については、上述のように摺動材料表
面が初晶Si粒子により削られる傾向の大小により耐摩耗
性に限っては推論することができる。ところが摩擦係数
については摺動表面硬度が窒化鋼および焼入軸受鋼より
はるかに高いにもかかわらず、これらより劣る結果がTi
C(CVD)被覆鋼で得られている。よって、摩擦特性の良
否は摺動材料表面組成により影響されていると考えられ
る。上記特性を総合的に評価するとCVD-TiCは焼入軸受
鋼に代えて工業的に採用しうる魅力に乏しいと言うべき
である。
次に、TiN(PVD)被覆鋼は、摩擦係数が最低のものの一
つになっているが、耐摩耗性は窒化鋼と焼入軸受鋼の中
間となっている。この原因は上記考案により自ずから明
らかとなり、摺動材料表面がTiNであることが低摩擦係
数を実現している原因であり、また硬度が2300(Hv)と
TiC(CVD)より低いために相応の耐摩耗性となっている
原因であると考えられる。
つになっているが、耐摩耗性は窒化鋼と焼入軸受鋼の中
間となっている。この原因は上記考案により自ずから明
らかとなり、摺動材料表面がTiNであることが低摩擦係
数を実現している原因であり、また硬度が2300(Hv)と
TiC(CVD)より低いために相応の耐摩耗性となっている
原因であると考えられる。
最後に窒化表面処理チタンは低摩擦性と低摩耗量がバラ
ンスしており、これらがバランスした現用材料である焼
入軸受鋼をしのぐ性能を有している。この原因も上記考
案より自ずから明らかとなる。唯、TiN(PVD)およびTi
C(CVD)被覆鋼と窒化表面処理チタンを比較して特性の
異同を考える場合、表面層(皮膜)の特性に特に着目す
る必要がある。すなわち窒化処理は、CVD-TiCより硬さ
がかなり低いにもかかわらず耐摩耗性が同等であるの
は、基材の上に硬質層(皮膜)が形成されている場合よ
りも基材自体の表面が硬質に変化している場合の方が耐
摩耗性が良好となるとの理由により説明される。また、
TiNが表面に存在する場合であっても基材の上にTiNが存
在しているPVD-TiNよりも基材自体の表面がTiNに変化し
ている窒化の方が耐摩耗性が良好になるとの説明ができ
る。さらに、窒化処理はPVD-TiNとCVD-TiCの利点のみを
選択できる方法であるとも言える。
ンスしており、これらがバランスした現用材料である焼
入軸受鋼をしのぐ性能を有している。この原因も上記考
案より自ずから明らかとなる。唯、TiN(PVD)およびTi
C(CVD)被覆鋼と窒化表面処理チタンを比較して特性の
異同を考える場合、表面層(皮膜)の特性に特に着目す
る必要がある。すなわち窒化処理は、CVD-TiCより硬さ
がかなり低いにもかかわらず耐摩耗性が同等であるの
は、基材の上に硬質層(皮膜)が形成されている場合よ
りも基材自体の表面が硬質に変化している場合の方が耐
摩耗性が良好となるとの理由により説明される。また、
TiNが表面に存在する場合であっても基材の上にTiNが存
在しているPVD-TiNよりも基材自体の表面がTiNに変化し
ている窒化の方が耐摩耗性が良好になるとの説明ができ
る。さらに、窒化処理はPVD-TiNとCVD-TiCの利点のみを
選択できる方法であるとも言える。
第2表は第1表と同じ供試材を用い相手材をねずみ鋳鉄
とした場合の測定特性を示す。
とした場合の測定特性を示す。
第2表の測定特性は第1表のものと絶対値の差があるも
のの供試材の種類によって第1表とほぼ同様の傾向の特
性変化を示している。但し,相手材がねずみ鋳鉄である
ことによる特有の傾向としては、窒化表面処理チタンの
耐摩耗性が供試材中最大となっている点が注目される。
のの供試材の種類によって第1表とほぼ同様の傾向の特
性変化を示している。但し,相手材がねずみ鋳鉄である
ことによる特有の傾向としては、窒化表面処理チタンの
耐摩耗性が供試材中最大となっている点が注目される。
相手材であるねずみ鋳鉄の組織は片状グラファイトがパ
ーライトおよびフェライトマトリックス中に分散してお
り、少量の遊離セメンタイトがマトリックス中に分散し
た組織であった。かかる組織は、多量の初晶Siがマトリ
ックス中に分散しており、硬質粒子(初晶Si)の占める
割合が多いAl-Si合金と比較すると、硬質粒子の存在割
合が比較的少ないという特色を有している。
ーライトおよびフェライトマトリックス中に分散してお
り、少量の遊離セメンタイトがマトリックス中に分散し
た組織であった。かかる組織は、多量の初晶Siがマトリ
ックス中に分散しており、硬質粒子(初晶Si)の占める
割合が多いAl-Si合金と比較すると、硬質粒子の存在割
合が比較的少ないという特色を有している。
また相手材の硬さ(Hv230)はチタン(表面処理なし)
の硬さ(Hv200)と大差はない。
の硬さ(Hv200)と大差はない。
このような相手材の組織および硬さ上の特色に基づいて
第2表に示される傾向を考察すると次のようになる。
第2表に示される傾向を考察すると次のようになる。
チタンは比較的軟質であるねずみ鋳鉄に対して摺動特性
的に相性が悪い金属である。すなわち、ねずみ鋳鉄の硬
さはマクロ的には軟いためにチタンを削りとりうる硬質
相の量は少ないにもかかわらず硬質相によりチタンが摩
耗させられている。
的に相性が悪い金属である。すなわち、ねずみ鋳鉄の硬
さはマクロ的には軟いためにチタンを削りとりうる硬質
相の量は少ないにもかかわらず硬質相によりチタンが摩
耗させられている。
第3表は第1表と同じ供試材を用い相手材をAl系FRMと
した場合の測定特性を示す。
した場合の測定特性を示す。
第3表の測定特性は第1表のものと絶対値の差があるも
のの供試材の種類によって第1表とほぼ同様の傾向の特
性変化を示している。但し、相手材がAl系FRMであるこ
とによる特有の影響としては摩擦係数および摩耗量が供
試材中最低になっていることに注目される。
のの供試材の種類によって第1表とほぼ同様の傾向の特
性変化を示している。但し、相手材がAl系FRMであるこ
とによる特有の影響としては摩擦係数および摩耗量が供
試材中最低になっていることに注目される。
相手材であるAl系FRMは硬質の繊維を多量に含有してい
るから、硬質相が多い相手材に対して窒化表面処理チタ
ンがすぐれた摺動特性を示し、また硬質相が多いほど他
の材料との摺動特性の差異が大きくなることが明らかで
ある。
るから、硬質相が多い相手材に対して窒化表面処理チタ
ンがすぐれた摺動特性を示し、また硬質相が多いほど他
の材料との摺動特性の差異が大きくなることが明らかで
ある。
本発明者はPVD法またはCVD法によってはチタンは摺動材
料として実用化できないことを上記以外にも多くの実験
により確認し、チタンの窒化法をその他の可能性ある手
段の中から選択したものである。検討した手段の中には
TiN、TiN-TiC等の焼結材料がある。これらの材料はおそ
らく強度が低いという原因によるものと思われるが摺動
材料として使用した時に、耐摩耗性が不良となる結果が
得られた。その他の手段としては合金元素の添加があ
る。チタンはAl,V等の添加により100kg/mm2以上の抗張
力となることは良く知られている。しかしこのような抗
張力増大に伴なう高強度化によっては特性は全く改良さ
れなかった。
料として実用化できないことを上記以外にも多くの実験
により確認し、チタンの窒化法をその他の可能性ある手
段の中から選択したものである。検討した手段の中には
TiN、TiN-TiC等の焼結材料がある。これらの材料はおそ
らく強度が低いという原因によるものと思われるが摺動
材料として使用した時に、耐摩耗性が不良となる結果が
得られた。その他の手段としては合金元素の添加があ
る。チタンはAl,V等の添加により100kg/mm2以上の抗張
力となることは良く知られている。しかしこのような抗
張力増大に伴なう高強度化によっては特性は全く改良さ
れなかった。
さらにピンディスクタイプ試験機を使用し、下記試験条
件で焼付荷重の測定を行なった。
件で焼付荷重の測定を行なった。
試験条件 周速−15m/SEC 荷重−40kgfから20分毎に40kgf漸増 潤滑−軽油1容量部対冷凍機油9容量部 相手材−Al-Si合金(18%Si-4.5%Cu-0.5%Mg) 結果を次表に示す。
〔発明の効果〕 本発明はチタンを摺動材料として使用できるようにする
材質的要件を見出したものであるので、チタンの用途を
拡大するとともに、従来の摺動材料以上の摺動性を実現
するために、産業の発展に貢献するところが大である。
材質的要件を見出したものであるので、チタンの用途を
拡大するとともに、従来の摺動材料以上の摺動性を実現
するために、産業の発展に貢献するところが大である。
Claims (3)
- 【請求項1】相手材をAl-Si合金、繊維強化Al合金また
は鋳鉄とし、該相手材に対して摺動するチタン材料の表
面が窒化処理されていることを特徴とする高耐摩耗性、
低摩擦性チタン摺動材料。 - 【請求項2】窒化表面処理された深さが10〜100μmで
あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のチタ
ン摺動材料。 - 【請求項3】窒化表面処理層の硬さがHv1300〜2500であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項
記載のチタン摺動材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21363885A JPH07829B2 (ja) | 1985-09-28 | 1985-09-28 | チタン摺動材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21363885A JPH07829B2 (ja) | 1985-09-28 | 1985-09-28 | チタン摺動材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6274065A JPS6274065A (ja) | 1987-04-04 |
| JPH07829B2 true JPH07829B2 (ja) | 1995-01-11 |
Family
ID=16642466
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21363885A Expired - Fee Related JPH07829B2 (ja) | 1985-09-28 | 1985-09-28 | チタン摺動材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07829B2 (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5514882B2 (ja) | 2006-06-06 | 2014-06-04 | グレイン プロセシング コーポレーション | 動物用リター、動物用リターの調製方法、および動物排泄物の除去方法 |
-
1985
- 1985-09-28 JP JP21363885A patent/JPH07829B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5514882B2 (ja) | 2006-06-06 | 2014-06-04 | グレイン プロセシング コーポレーション | 動物用リター、動物用リターの調製方法、および動物排泄物の除去方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6274065A (ja) | 1987-04-04 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |