JPH0783275A - 液体封入式エンジンマウント - Google Patents

液体封入式エンジンマウント

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JPH0783275A
JPH0783275A JP23267893A JP23267893A JPH0783275A JP H0783275 A JPH0783275 A JP H0783275A JP 23267893 A JP23267893 A JP 23267893A JP 23267893 A JP23267893 A JP 23267893A JP H0783275 A JPH0783275 A JP H0783275A
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JP
Japan
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pair
electrode plates
communication passage
chamber
electrorheological fluid
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Withdrawn
Application number
JP23267893A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Kawamoto
洋一 河本
Kazuhiro Ogawara
一浩 小河原
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Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kurashiki Kako Co Ltd filed Critical Kurashiki Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印加電圧の変更により連通路における電気粘
性流体の流動可能断面積を変化し得るようにして防振特
性を発揮する周波数域の幅広い変更を可能とし、かつ、
組付けの容易化、部品点数の低減化を図る。 【構成】 第1,第2の支持体1,2を弾性支承体3で
互いに連結し、ダイヤフラム4との間の液室5に電気粘
性流体Eを封入する。液室を仕切体6で受圧室5aと平
衡室5bとに仕切る。仕切体を互いに重ね合わせた一対
の電極プレート10,11で形成し、相対向面間を絶縁
部材12で遮断して受圧室と平衡室とを連通する連通路
13を画成する。連通路の断面形状を複数段の凹溝状と
して一対の電極プレートの相対向面間隔を3段階に変化
させ、印加電圧の段階的制御により連通路内の電気粘性
流体の流動可能断面積が段階的に変化して、共振周波数
が段階的に変化するようにする。相対向面間隔の変化を
無段階としてもよく、さらに、電圧増分と流動可能断面
積の減分とが比例するよう変化させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車のエンジ
ンマウントなどに用いられるものであって、電気粘性流
体が封入されて印加電圧の大小により防振特性を変更制
御し得る液体封入式エンジンマウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の液体封入式マウント
として、電気粘性流体を封入した液室を2枚のプレート
部材を重ね合わせた仕切体によって受圧室と平衡室とに
仕切るとともに、この仕切体の両プレート部材間の間隙
により上記受圧室と平衡室とを互いに連通する連通路を
構成し、この連通路の内面に一対の電極を相対向させて
配設して連通路を通る上記電気粘性流体の粘度を変更制
御するものが知られている(例えば、特開昭60−10
4828号公報参照)。
【0003】一方、上記のものにおいて印加電圧の変更
だけでは、上記連通路内の電極間距離が一定であるため
変更し得る防振特性の範囲が狭く、自動車のエンジンマ
ウントに用いた場合、エンジンのシェイク振動(10〜
20Hzの振動)の防振と、アイドル振動(20〜30
Hz の振動)の防振との両立が困難であることから、上
記連通路を構成する仕切体の内壁面に、一対の電極を相
対向させて配置した第1オリフィスと、このような電極
を配置しない第2オリフィスとを形成したものが知られ
ている(例えば、特開平1−112044号公報参
照)。このものにおいては、上記仕切体を電気絶縁性樹
脂からなる2枚のプレート部材を互いに間隔を隔てて重
ね合わせることによりその相対向面間に連通路を形成
し、この2枚の樹脂プレート部材の相対向面間の一部に
電極を配設して第1オリフィスを、他部に電極を配設し
ないようにして第2オリフィスをそれぞれ形成してい
る。そして、上記電極への通電の有無により電気粘性流
体が流動する断面積を第2オリフィスのみのときと、第
1および第2オリフィスの双方のときとに切換制御し得
るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の液体封入式マウントにおいては、仕切体に上記の第1
および第2オリフィスを形成するために、電気絶縁性樹
脂からなる2枚のプレート部材の各所定範囲にのみ電極
を固定した後、両プレート部材を重ね合わすという面倒
な組付け作業を必要とする上、構成が複雑で部品点数の
増大を招くという問題がある。
【0005】一方、上記2枚のプレート部材を電気絶縁
性樹脂ではなく電極形成素材により形成して上記の電極
を省略することも考えられるが、このようにすると、部
品点数の低減化は図られるが、電圧印加により電気粘性
流体の流動可能範囲を変更制御するという本来の目的が
得られなくなる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、印加電圧の大
小によって連通路における電気粘性流体の流動可能断面
積を変化し得るようにすることにより防振特性を発揮す
る周波数域の幅広い変更を図り、加えて、これを単純な
構成で実現して組付けの容易化、部品点数の低減化を図
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、振動入力方向に所定距離を
隔てて配置された第1および第2の支持体と、これら第
1および第2の支持体を互いに連結する弾性支承体と、
この弾性支承体により上記振動入力方向の一側が画成さ
れ他側が弾性隔膜部材により画成されて内部に電気粘性
流体が封入された液室と、この液室を上記弾性支承体の
側の受圧室と上記弾性隔膜部材の側の平衡室とに仕切る
仕切体と、この仕切体に形成されて上記受圧室と平衡室
とを互いに連通する連通路とを備えたものを前提とす
る。このものにおいて、上記仕切体を、互いに所定間隔
を隔てて重ね合わされて相対向面間に上記連通路を形成
する一対の電極プレートと、この一対の電極プレートの
相対向面間を遮断して上記連通路を画成する絶縁部材と
から形成する。そして、上記連通路を、この連通路にお
ける上記一対の電極プレートの相対向面間隔が、上記連
通路を通る電気粘性流体の流動方向に直交する方向に、
電圧印加に伴い形成される電界強度により上記電気粘性
流体が固体化される距離から上記電気粘性流体の粘度が
実質的に変化しない距離まで変化する断面形状にする構
成とするものである。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、連通路における一対の電極プレートの相対
向面間隔を、複数段階に段階的に変化するよう設定する
構成とするものである。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の発明において、連通路における一対の電極プレート
の相対向面間隔を、無段階に変化するよう設定する構成
とするものである。
【0010】さらに、請求項4記載の発明は、請求項1
記載の発明において、相対向面間隔の変化状態を、一対
の電極プレートへの印加電圧の増分と、連通路内の電気
粘性流体の流動可能断面積の減分とが比例関係となるよ
う設定する構成とするものである。
【0011】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
一対の電極プレートへの電圧印加により相対向面間に形
成される電界の強度がその相対向面間隔に反比例するた
め、連通路の断面方向における上記両電極プレート間の
電界強度が相対向面間隔が小さい程大きく、相対向面間
隔が大きい程小さくなる。このため、連通路の断面の
内、上記相対向面間隔が小さい側の領域では電気粘性流
体が増粘化されて流動しないものとなる一方、上記相対
向面間隔が大きい側の領域では電気粘性流体の粘度が実
質的に変化せずに流動するものとなる。従って、印加電
圧の大小を制御することにより連通路内の電気粘性流体
の流動可能断面積が変更され、これにより、減衰を生じ
る共振周波数が変更される。また、上記の如き連通路が
一対の電極プレートを絶縁部材を介して重ね合わせるだ
けで形成されるため、従来の液体封入式マウントに比
べ、組付け作業の容易化、および、部品点数の低減化が
図られる。
【0012】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、連通路における一対の電
極プレートの相対向面間隔が複数段階に段階的に変化さ
れているため、印加電圧の段階的制御により電気粘性流
体の流動可能断面積が上記複数段階に段階的に変化可能
となり、減衰の生じる共振周波数も上記複数の段階に変
化する。これにより、電圧制御の単純化が図られる上、
複数の周波数域での防振性能が確実に得られる。
【0013】また、請求項3記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、連通路における一
対の電極プレートの相対向面間隔が無段階に変化されて
いるため、印加電圧を徐々に変更することによりそれに
対応して電気粘性流体の流動可能断面積が徐々に変化
し、これにより、減衰の生じる共振周波数も徐々に変化
していくことになる。このため、入力する振動の周波数
に応じてきめ細かい防振特性の変更が可能となる。
【0014】さらに、請求項4記載の発明によれば、上
記請求項1記載の発明による作用に加えて、相対向面間
隔の変化状態が、一対の電極プレートへの印加電圧の増
分と、連通路内の電気粘性流体の流動可能断面積の減分
とが比例関係となるように設定されているため、流動可
能断面積を変化させて所望の共振周波数を変化させるた
めに印加する電圧値の制御が容易となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0016】図1は、本発明の第1実施例に係る液体封
入式マウントを示し、1は振動入力方向一側(同図の上
側)に配置された第1支持体、2はこの第1支持体1か
ら所定距離隔てられ筒軸Xを振動入力方向に向けて振動
入力方向他側(同図の下側)に配置された筒状の第2支
持体、3はこの第2支持体2と上記第1支持体1とを互
いに連結する環状の弾性支承体、4はこの弾性支承体3
との間に液室5を形成する弾性隔膜部材としてのゴム薄
膜製のダイヤフラム、6は上記液室5を上下2つの室5
a,5bに仕切る仕切体である。
【0017】上記第1支持体1は、板部材1aと、この
板部材1aから上記筒軸Xに沿って上向きに突出する連
結ボルト1bと、上記板部材1aから下方に突出する有
底筒部材1cとから構成されている。そして、上記連結
ボルト1bを介して、上記第1支持体1は、振動発生源
側である、例えばエンジン側に連結されるようになって
いる。また、上記筒部材1cの外周面と上記第2支持体
2を構成する支持筒部材7の上端開口縁7aの内周面と
の間にゴムの一体加硫成形によって上記弾性支承体3が
円錐台状に形成されており、この弾性支承体3によって
上記第1支持体1が上記第2支持体2に対して弾性的に
支承されている。
【0018】上記第2支持体2は、上記支持筒部材7
と、この支持筒部材7の下側に配置された有底筒状のカ
ップ状部材8と、上記支持筒部材7の下端フランジ部7
bと上記カップ状部材8の上端フランジ部8aとを互い
に連結して一体化する固定ボルト9,9,…とを備えて
おり、上記カップ状部材8に下向きに突出して固定され
た連結ボルト8bにより、振動受部である、例えば車体
側に連結されるようになっている。そして、上記一対の
フランジ部7b,8aの間に上記仕切体6の外周縁部6
aおよび上記ダイヤフラム4の外周縁部が挟まれた状態
で上記固定ボルト9,9,…により位置固定されてお
り、上記ダイヤフラム4、弾性支承体3および支持筒部
材7により仕切られた密閉空間内に、電界によって粘性
が変化する電気粘性流体(Electric Rheological Flui
d)Eが封入されて上記液室5が形成されている。この
液室5が上記仕切体6により2つに仕切られ、弾性支承
体3の変形により圧力を受ける受圧室5aがこの仕切体
6の上側に、平衡室5bが下側にそれぞれ形成されてい
る。なお、上記下端フランジ部7bの内周面には上記弾
性支承体3から延びるゴム薄膜3aが加硫接着されてお
り、このゴム薄膜3aおよび上記ダイヤフラム4によっ
て上記仕切体6と一対のフランジ部7b,8aとの間の
シールが行われるようになっている。また、図中8cは
空気抜きであり、カップ状部材8の周壁部に開けられて
ダイヤフラム4の自由な変形を保証するものである。
【0019】上記仕切体6は、互いに所定間隔を隔てて
重ね合わされた上下一対の電極プレート10,11と、
この一対の電極プレート10,11の外周縁部6aの相
対向面間に介装されて両者10,11間および固定ボル
ト9,9,…との間を絶縁するシリコンラバーなどから
なるドーナッツ板状の絶縁部材12と、この絶縁部材1
2により上記一対の電極プレート10,11の中央部6
bの相対向面間に画成された連通路13とを備えてい
る。そして、上記一対の電極プレート10,11は、互
いに異なる側に突出した各突片10a,11aにより電
源と接続されて、所定の電圧が印加されるようになって
いる。
【0020】上記連通路13は、図2および図3にも示
すように、上記中央部6bに対応する上側電極プレート
10の一側位置の三日月状開口10bで受圧室5aに開
口し、下側電極プレート11の他側位置の三日月状開口
11bで平衡室5bに開口するように形成されている。
また、連通路13を構成する一対の電極プレート10,
11の相対向面の内、上記下側の電極プレート11の内
面には階段状の凹溝部11cが上記開口10bから開口
11bに連続して形成されており、この凹溝部11cに
よって上記相対向面間の上下間隔がH1 、H2 、H3
(H1 <H2 <H3 )の3種類の領域13a,13b,
13cが形成されるようになっている。そして、各領域
13a,13b,13c内の電気粘性流体Eは一対の電
極プレート10,11への印加電圧V1 ,V2 (V1 <
V2 )の切換制御により流動状態から非流動状態へ変化
するようになっている。すなわち、上記電気粘性流体E
は、図4に示すように、電界強度(印加電圧/上下間
隔)が大きくなる程、増粘されてせん断応力が増大する
性質を有する。そして、上記せん断応力が境界値δを超
えると固体化して非流動状態となる。このため、上記境
界値δのせん断応力を引き起こす境界電界強度Sを基に
上記印加電圧値V1 ,V2 、上下間隔値H1 、H2 、H
3 が以下のように定められている。
【0021】電圧値V1 の電圧印加の時、第1領域13
a,13aに形成される電界強度V1 /H1 が上記境界
電界強度Sより大きくなり、従って、上記各第1領域1
3aをのみ非流動状態とする一方、第2領域13b,1
3bおよび第3領域13cに形成される電界強度V1 /
H2 ,V1 /H3 が上記境界電界強度Sよりも小さくな
り、従って、上記各第2および第3領域13b,13c
を流動状態とするように各値V1 ,H1 、H2 、H3 が
定められている。また、電圧値V2 の電圧印加の時、各
第1領域13aおよび各第2領域13bに形成される電
界強度V2 /H1 ,V2 /H2 が上記境界電界強度Sよ
り大きくなり、従って、上記各第1および各第2領域1
3a,13bを非流動状態とする一方、第3領域13c
に形成される電界強度V2 /H3 が上記境界電界強度S
よりも小さくなり、従って、上記第3領域13b,13
cをのみ流動状態とするように各値V2 ,H1 、H2 、
H3 が定められている。
【0022】加えて、上記電圧値V1 の電圧印加時に電
気粘性流体Eが流動する各第2および第3領域13b,
13cの断面積および長さが、アイドル振動の周波数域
で液柱共振を生じるように設定されており、上記電圧値
V2 の電圧印加時に電気粘性流体Eが流動する第3領域
13cの断面積および長さが、シェイク振動の周波数域
で液柱共振を生じるように設定されている。
【0023】そして、上記一対の電極プレート10,1
1には、比較的低周波域(例えばシェイク振動の周波数
域)の入力振動に対して電圧値V2 の電圧が印加される
ようになっており、これにより、受圧室5aと平衡室5
bとの間での電気粘性流体Eの流動が連通路13の内の
第3領域13cをのみ通して行われてこの第3領域13
cを介しての液柱共振により上記低周波域の入力振動の
減衰を行うようになっている。また、比較的高周波域
(例えばアイドル振動の周波数域)の入力振動に対して
電圧値V1 の電圧が印加されるようになっており、これ
により、受圧室5aと平衡室5bとの間での電気粘性流
体Eの流動が連通路13の内の両第2領域13b,13
bおよび第3領域13cを通して行われてこの第2,第
3領域13b,13cを介しての液柱共振により上記高
周波域の入力振動の減衰を行うようになっている。さら
に、より高周波側の入力振動に対しては、上記の電圧印
加が停止されるようになっており、これにより、受圧室
5aと平衡室5bとの間での電気粘性流体Eの流動が上
記の第1〜第3の全ての領域13a,13b,13cの
大断面部分を通して行われて受圧室5aの内圧の急上昇
を吸収して動ばね定数の低減化を図るようになってい
る。
【0024】なお、このような電極プレート10,11
は金属素材の切削加工、鋳造、もしくは、導電性樹脂を
用いた成形などにより形成することができる。
【0025】つぎに、上記構成の第1実施例の作用・効
果を説明する。
【0026】上記液体封入式マウントは、上下一側の連
結ボルト1bが例えばエンジン側に、他側の各連結ボル
ト8bが例えば車体側にそれぞれ連結される。
【0027】そして、一対の電極プレート10,11へ
の電圧値V2 の電圧印加により、連通路13において電
界が形成されて、各第1および第2領域13a,13b
を通る電気粘性流体Eの粘度が高められ、ついにはその
電気粘性流体Eの流動が実質的に行われない非流動状態
となる。これに対して、上記連通路13の第3領域13
cでは上記V2 の電圧が印加されてもこの第3領域13
cを通る電気粘性流体Eの粘性は実質的に変化せず、受
圧室5aと平衡室5bとの間での電気粘性流体Eの流動
がこの第3領域13cを通してのみ行われることにな
る。このため、上記受圧室5aと平衡室5bとの間の流
動可能断範囲が縮小され、これに伴い、液柱共振の生じ
る周波数域が図5に示すように低周波側のシェイク振動
域に変化する。これにより、シェイク振動域である10
〜20Hzの周波数域での入力振動に対して高減衰を得
ることができる。
【0028】一方、上記の印加電圧を電圧値V1 に変更
すると、連通路13で発生する電界強度が上記電圧値V
2 の場合より所定量小さくなり、各第1領域13aのみ
が非流動状態となり、各第2領域13bおよび第3領域
13cが流動状態となって、上記電気粘性流体Eの流動
可能断面が拡大する。このため、液柱共振の生じる周波
数域が高周波側に変化し、図6に示すように、減衰の生
じるピーク周波数および動ばね定数の低値域が共に電圧
値V2 の場合(図5参照)よりも高周波側に変化する。
これにより、アイドル振動域である20〜30Hzの周
波数域での入力振動に対して高減衰を得ることができ、
動ばね定数の低動ばね化を図ることができる。
【0029】従って、振動発生源の側に取付けられた第
1支持体1からの入力振動に応じて一対の電極プレート
10,11への印加電圧値を段階的に切換制御すること
により、連通路13の共振周波数を変化させることがで
き、2種類以上の周波数域の入力振動に対する防振性能
を確実に得ることができる。その上、印加電圧の制御を
段階的のものとすることができ、電圧制御の単純化を図
ることができる。
【0030】そして、2種類以上の周波数域の入力振動
に対して防振特性を得ることができる連通路13が一対
の電極プレート10,11を絶縁部材12を介して互い
に重ね合わせるだけで、詳しくは、一対の電極プレート
10,11の一方に絶縁部材12を加硫接着し、これに
他方を重ね合わせることにより仕切体6の形成と同時に
形成することができるため、従来の電気粘性流体を用い
た液体封入式マウントのごとく電気絶縁性樹脂からなる
一対のプレート部材の所定位置に電極を相対向して設け
て電極有りの部分と無しの部分とを区画して形成する場
合と比べ、構成を簡略化することができ、組付け作業の
容易化、および、部品点数の低減化を図ることができ
る。そして、一対の電極プレート10,11の相対向面
間隔間を3段階に変化させて第1〜第3の3つの領域1
3a,13b,13cごとに電気粘性流体Eの流動可能
断面積の変更を段階的に行うことができ、これにより、
減衰の生じる共振周波数を上記複数の段階に対応して変
化させることができる。このため、複数の特定周波数域
の振動が入力するような場合、予め、上記各特定周波数
域に対応するように各領域13a,13b,13cの設
定を容易に行うことができ、上記各特定周波数域の入力
振動に対する防振特性の切換、および、各入力振動に対
する防振性能を確実に得ることができる。
【0031】図7および図8は本発明の第2実施例に係
る液体封入式マウントを示し、14は液室5を受圧室5
aと平衡室5bとに仕切る仕切体、16はこの仕切体1
4に形成されて上記受圧室5aと平衡室5bとを互いに
連通する連通路である。この第2実施例は第1実施例の
仕切体6の構成のみ異なり、その他の構成は第1実施例
のものと同様である。このため、以下にこの第2実施例
の仕切体14の構成をのみ説明し、他の構成について
は、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略す
る。
【0032】上記仕切体14は、上記第1実施例の仕切
体6と同様に、互いに所定間隔を隔てて重ね合わされた
上下一対の電極プレート10,15と、この一対の電極
プレート10,15の相対向面間に介装されて両者1
0,15間および固定ボルト9,9,…との間を絶縁す
るシリコンラバーなどからなるドーナッツ板状の絶縁部
材12と、この絶縁部材12により上記相対向面間が遮
断されて画成された上記連通路16とを備えている。そ
して、上記一対の電極プレート10,15は、互いに異
なる側に突出した各突片により電源と接続されて、所定
の電圧が印加されるようになっている。
【0033】上記連通路16は、上側電極プレート10
の一側位置の三日月状開口10bで受圧室5aに開口
し、下側電極プレート15の他側位置の三日月状開口1
5aで平衡室5bに開口するように形成されている。そ
して、下側の電極プレート15の内面には上記開口10
bから開口15aの間に両開口10b,15aを結ぶ方
向に直交する方向に深さが所定の割合で徐々に変化する
凹溝部15bが形成されており、この凹溝部15bによ
って一対の電極プレート10,15間の相対向面間の上
下間隔が絶縁部材12の厚みに対応する最小値H4 から
最大値H5 まで所定のカーブで無段階に変化する断面形
状が構成されている。
【0034】そして、この凹溝部15bと、これに相対
向する平板状の上側電極プレート10の内面とにより構
成される上記連通路16の断面形状は、一対の電極プレ
ート10,15への印加電圧の漸増に従い電気粘性流体
Eが非流動状態となる領域が漸増して上記連通路16内
の流動可能断面積が漸減するようになっている。すなわ
ち、図4に示す電界強度と電気粘性流体Eのせん断応力
との関係に基き、印加電圧の増分と、この増分に基く電
界強度の増大により減少する流動可能断面積の減分とが
比例するように、上記上下間隔の変化度合い(凹溝部1
5bの底面の屈曲形状)が定められている。つまり、印
加電圧値の増分と、上記連通路16の流動可能範囲に基
く共振周波数の低減分とが比例関係となるようになって
いる。
【0035】上記構成の第2実施例の場合、連通路16
における一対の電極プレート10,15の相対向面間隔
が無段階に変化しているため、印加電圧を徐々に変更す
ることによりそれに対応して電気粘性流体の流動可能断
面積が徐々に変化し、これにより、減衰の生じる共振周
波数も徐々に変化していくことになる。このため、上記
相対向面間隔を段階的に変化させている第1実施例と比
べ、入力振動の周波数域の変化に対する連通路16の共
振周波数の変更をきめ細かく行うことができ、各種の周
波数の入力振動に対する防振性能を確実に得ることがで
きる。また、高周波側に移行する入力振動に対して印加
電圧を連続的に変化させることにより、図9に示すよう
に、動ばね定数の低値域を拡大することができる。
【0036】しかも、相対向面間隔の変化状態が、一対
の電極プレート10,15への印加電圧の増分と、連通
路16内の電気粘性流体Eの流動可能断面積の減分とが
比例関係となるように設定されているため、入力振動の
周波数に応じて印加電圧の制御を行うにあたり、面倒な
演算が不要となり、その制御の容易化を図ることができ
る。
【0037】図10は上記第2実施例における他の態様
の仕切体17を示しており、18は下側電極プレート、
19はこの電極プレート18と上側電極プレート10と
の相対向面間に形成された連通路である。
【0038】上記下側電極プレート18の内面には中央
部が両側部より深くされたV字状の凹溝部18aが形成
されており、この凹溝部18aによって一対の電極プレ
ート10,18間の相対向面間の上下間隔が絶縁部材1
2の厚みに対応する最小値H4 から最大値H6 まで所定
のカーブで無段階に変化するようになっている。
【0039】そして、この凹溝部18aと、これに相対
向する平板状の上側電極プレート10の内面とにより構
成される上記連通路19の断面形状は、一対の電極プレ
ート10,18への印加電圧の漸増に従い電気粘性流体
Eが非流動状態となる領域が漸増して上記連通路19内
の流動可能断面積が漸減するようになっている。すなわ
ち、図4に示す電界強度と電気粘性流体Eのせん断応力
との関係に基き、印加電圧の増大量と、この増大に基く
電界強度の増大により非流動状態の領域が増大すること
になる増大量とが比例するように、上記上下間隔の変化
度合い(凹溝部18aの底面の屈曲形状)が定められて
いる。つまり、図8の仕切体14による連通路16と同
様に、印加電圧値の増分と、上記連通路19の流動可能
範囲に基く共振周波数の低減分とが比例関係となるよう
になっており、上記連通路19の断面形状はこのような
関係を実現する他の断面形状を示すものである。
【0040】このような断面形状の連通路19の場合、
下側電極プレート18の凹溝部18aの屈曲形状の特定
を容易に行うことができる上、その加工の容易化を図る
ことができる。
【0041】図11および図12は本発明の第3実施例
に係る液体封入式マウントに用いる仕切体20を示して
おり、21はこの仕切体20に形成されて受圧室5aと
平衡室5b(図1参照)とを互いに連通するC字状の連
通路である。この第3実施例は第1実施例の仕切体6の
構成のみ異なり、その他の構成は第1実施例のものと同
様である。このため、以下にこの第3実施例の仕切体2
0の構成をのみ説明し、他の構成については、同一部材
には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0042】上記仕切体20は、上記第1実施例の仕切
体6と同様に、互いに所定間隔を隔てて重ね合わされた
上下一対の電極プレート22,23と、この一対の電極
プレート22,23の相対向面間に介装されて両者2
2,23間および固定ボルト9,9,…との間を絶縁す
るシリコンラバーなどからなるドーナッツ板状の絶縁部
材24と、この絶縁部材24により上記相対向面間が遮
断されて画成された上記連通路21とを備えている。そ
して、上記一対の電極プレート22,23は、互いに異
なる側に突出した各突片22a,23aにより電源と接
続されて、所定の電圧が印加されるようになっている。
【0043】上記絶縁部材24は比較的薄肉厚の外周環
部24aと、この外周環部24aの一部から中心側に突
出して中心位置に位置付けられた比較的厚肉の中心円部
24bとからなり、この中心円部24bと上記外周環部
24aとによって上記連通路21がC字状に画成されて
いる。
【0044】上記連通路21は、上記C字の一端側が上
側電極プレート22の開口22bで上記受圧室5aに開
口し、他端側が下側電極プレート23の開口23bで平
衡室5bに開口するように形成されている。そして、下
側の電極プレート23の内面の中心部には上記絶縁部材
24の中心円部24bの厚みに対応する凹部23cが形
成されている。この凹部23cと外周との間の半径方向
に所定の形状に屈曲されており、これによって、上記両
開口22b,23b間を結ぶ円弧状の連通路21とし
て、一対の電極プレート22,23間の相対向面間の上
下間隔が絶縁部材24の厚みに対応する外周側の最小値
H7 から内周側の最大値H8 まで所定のカーブで無段階
に変化する断面形状を有するものが形成されている。
【0045】上記第3実施例の場合、第2実施例におけ
る16,19と同様に、印加電圧を徐々に変更すること
によりそれに対応して電気粘性流体の流動可能断面積が
徐々に変化し、これにより、減衰の生じる共振周波数も
徐々に変化していくことになる。このため、入力振動の
周波数域の変化に対する連通路16の共振周波数の変更
をきめ細かく行うことができ、各種の周波数の入力振動
に対する防振性能を確実に得ることができる。その上、
連通路21を円弧状に延びるよう形成しているため、第
1もしくは第2実施例における連通路13,16,19
と比べ通路長の長い連通路21を形成することができ、
連通路21のチューニングの自由度を増大させることが
できる。
【0046】なお、本発明は上記第1〜第3実施例に限
定されるものではなく、その他種々の変形例を包含する
ものである。すなわち、上記第1〜第3実施例では、受
圧室5aと平衡室5bとを連通する連通路として仕切体
に1つのもののみ備えた液体封入式マウントを示した
が、これに限らず、絶縁体12,24aをC字状もしく
は円環状に切り抜いて連通路13,16,19,21の
周囲を囲む第2の連通路を形成するようにしてもよい。
【0047】また、上記第1および第2実施例では直線
状の連通路13,16,19、第3実施例ではC字状の
連通路21を示したが、これらの連通路の配置は絶縁部
材12,24の形状を変更することにより自由に変更し
得る。
【0048】さらに、上記第1および第2実施例では所
定の断面形状を有する連通路の形成を下側の電極プレー
ト11,15,18に凹溝部を形成することにより行っ
ているが、これに限らず、例えば、上側の電極プレート
に、もしくは、上下両側の電極プレートに凹溝部を形成
してもよく、さらに、上記凹溝部の形成をプレス加工に
より行ってもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における液体封入式エンジンマウントによれば、互い
に重ね合わせた一対の電極プレートにより仕切体を形成
し、その一対の電極プレートの相対向面間を絶縁部材に
より画成して受圧室と平衡室とを連通する連通路を形成
し、この連通路の断面形状における上記一対の電極プレ
ートの相対向面間隔を、電圧印加に伴い形成される電界
強度により連通路を通る電気粘性流体が固体化される距
離から電気粘性流体の粘度が実質的に変化しない距離ま
で変化させているため、印加電圧を変更することによ
り、連通路内の電気粘性流体の流動可能断面積を変更す
ることができる。この結果、減衰を生じる共振周波数が
変更されるため、防振性能を発揮する周波数域を幅広く
変更することができる。
【0050】また、上記の如き連通路を一対の電極プレ
ートを絶縁部材を介して重ね合わせるだけで形成するこ
とができ、従来の液体封入式マウントに比べ、組付け作
業の容易化、および、部品点数の低減化を図ることがで
きる。
【0051】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、連通路における一対
の電極プレートの相対向面間隔を複数段階に段階的に変
化させているため、印加電圧の段階的制御により電気粘
性流体の流動可能断面積を上記複数段階に段階的に変化
可能とすることができ、これにより、電圧制御の単純化
を図ることができる上、複数の周波数域のそれぞれでの
防振性能を確実に得ることができる。
【0052】また、請求項3記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明による効果に加えて、連通路におけ
る一対の電極プレートの相対向面間隔を無段階に変化さ
せているため、印加電圧を徐々に変更することによりそ
れに対応して電気粘性流体の流動可能断面積を徐々に変
化させることができ、これにより、減衰の生じる共振周
波数を徐々に変化させることができる。このため、上記
相対向面間隔を段階的に変化させている請求項2記載の
発明と比べ、入力振動の周波数域の変化に対する連通路
の共振周波数の変更をきめ細かく行うことができ、各種
の周波数の入力振動に対する防振性能を確実に得ること
ができる。
【0053】さらに、請求項4記載の発明によれば、上
記請求項1記載の発明による効果に加えて、相対向面間
隔の変化状態を、一対の電極プレートへの印加電圧と連
通路内の電気粘性流体の流動可能断面積とが比例関係と
なるように設定しているため、入力振動の周波数に応じ
て流動可能断面積を変化させて所望の共振周波数を変化
させるにあたり、面倒な演算を省略することができ、印
加する電圧値の制御の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の仕切体の平面図である。
【図3】図2のA−A線における拡大断面図である。
【図4】電界強度と電気粘性流体のせん断応力との関係
図である。
【図5】周波数と減衰特性との関係図である。
【図6】周波数と減衰特性および動ばね定数との関係図
である。
【図7】第2実施例を示す部分断面図であって、図1に
対応する図である。
【図8】図7のB−B線における拡大断面図であって、
図3に対応する図である。
【図9】周波数と動ばね定数との関係図である。
【図10】第2実施例の他の態様を示す図8相当図であ
る。
【図11】第3実施例を示す図2相当図である。
【図12】図11のC−C線における断面図である。
【符号の説明】
1 第1支持体 2 第2支持体 3 弾性支承体 4 ダイヤフラム(弾性隔膜部材) 5 液室 5a 受圧室 5b 平衡室 6,14,17,20 仕切体 10,11 一対の電極プレート 10,15 一対の電極プレート 10,18 一対の電極プレート 12,24 絶縁部材 13,16,19,21 連通路 22,23 一対の電極プレート E 電気粘性流体 H1 〜H8 相対向面間隔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動入力方向に所定距離を隔てて配置され
    た第1および第2の支持体と、これら第1および第2の
    支持体を互いに連結する弾性支承体と、この弾性支承体
    により上記振動入力方向の一側が画成され他側が弾性隔
    膜部材により画成されて内部に電気粘性流体が封入され
    た液室と、この液室を上記弾性支承体の側の受圧室と上
    記弾性隔膜部材の側の平衡室とに仕切る仕切体と、この
    仕切体に形成されて上記受圧室と平衡室とを互いに連通
    する連通路とを備えた液体封入式マウントにおいて、 上記仕切体は、互いに所定間隔を隔てて重ね合わされて
    相対向面間に上記連通路を形成する一対の電極プレート
    と、この一対の電極プレートの相対向面間を遮断して上
    記連通路を画成する絶縁部材とからなり、 上記連通路は、この連通路における上記一対の電極プレ
    ートの相対向面間隔が、上記連通路を通る電気粘性流体
    の流動方向に直交する方向に、電圧印加に伴い形成され
    る電界強度により上記電気粘性流体が固体化される距離
    から上記電気粘性流体の粘度が実質的に変化しない距離
    まで変化する断面形状を有していることを特徴とする液
    体封入式マウント。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 連通路における一対の電極プレートの相対向面間隔が、
    複数段階に段階的に変化するよう設定されている液体封
    入式マウント。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 連通路における一対の電極プレートの相対向面間隔が、
    無段階に変化するよう設定されている液体封入式マウン
    ト。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 相対向面間隔の変化状態が、一対の電極プレートへの印
    加電圧の増分と、連通路内の電気粘性流体の流動可能断
    面積の減分とが比例関係となるよう設定されている液体
    封入式マウント。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10824507B2 (en) 2018-10-24 2020-11-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor memory device, controller, and memory system
US11200117B2 (en) 2018-10-24 2021-12-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor memory device, controller, memory system, and operation method thereof

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US10824507B2 (en) 2018-10-24 2020-11-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor memory device, controller, and memory system
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