JPH0784123A - 光学フィルター - Google Patents

光学フィルター

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JPH0784123A
JPH0784123A JP24974593A JP24974593A JPH0784123A JP H0784123 A JPH0784123 A JP H0784123A JP 24974593 A JP24974593 A JP 24974593A JP 24974593 A JP24974593 A JP 24974593A JP H0784123 A JPH0784123 A JP H0784123A
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JP
Japan
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monomer
optical filter
copolymer
filter substrate
phosphoric acid
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Pending
Application number
JP24974593A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruo Sakagami
輝夫 阪上
Hiroki Katono
浩樹 上遠野
Yasufumi Fujii
康文 藤井
Takeo Ogiwara
武男 荻原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 近赤外領域の光の吸収率が高く、比重が小さ
くて、成形・切削・研磨等の加工が容易で、耐湿性に富
む合成樹脂製の光学フィルターを提供すること。 【構成】 下記化1で表されるリン酸基含有単量体およ
びこれと共重合可能な単量体を共重合して得られる共重
合体と、この共重合体のリン酸基に結合された、銅イオ
ンを主体とするイオン性金属成分とを含有してなるフィ
ルター基体の表面に、多官能アクリル系樹脂よりなるコ
ート層が形成されてなることを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学フィルターに関し、
更に詳しくは、近赤外領域の光の吸収率が高く、視感度
補正に好適な光吸収特性を有し、しかも、耐湿性に富む
合成樹脂製の光学フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラの測光用フィルターや視感
度補正用フィルターとして、特殊なリン酸系ガラスに銅
イオンが含有されたガラス製の光学フィルターが用いら
れてきた。しかし、これらのガラス製の光学フィルター
は、比重が大きく、耐湿性が低くて経時的に失透を生じ
やすいものであり、また、当該光学フィルターを製造す
るにあたっては、成形・切削・研磨等の加工が難しい
等、多くの問題を有している。このため、比重が小さく
て、加工が容易で、しかも、耐湿性に富む光学フィルタ
ーの出現が強く望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に基づいてなされたものであって、その目的は、近
赤外領域の光の吸収率が高く、比重が小さくて、成形・
切削・研磨等の加工が容易で、耐湿性に富む合成樹脂製
の光学フィルターを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の光学フィルター
は、下記化1で表されるリン酸基含有単量体およびこれ
と共重合可能な単量体を共重合して得られる共重合体
と、この共重合体のリン酸基に結合された、銅イオンを
主体とするイオン性金属成分とを含有してなるフィルタ
ー基体の表面に、多官能アクリル系樹脂よりなるコート
層が形成されてなることを特徴とする。
【0005】
【化2】
【0006】また、本発明の光学フィルターにおいて
は、前記コート層の厚みが0.3〜20μmであること
が好ましい。
【0007】
【作用】本発明の光学フィルターは、これを構成するフ
ィルター基体を構成する共重合体が、その化学構造にお
いてリン酸基と銅イオンとを含有するものであるため、
これらの相互作用により近赤外領域の光を効率よく吸収
するものであり、しかも、このフィルター基体の表面に
は、多官能アクリル系樹脂よりなるコート層が形成され
ており、このコート層の非透湿性が高いので、フィルタ
ー基体が吸湿することがなく、その結果、経時的に失透
することがない。
【0008】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の光学フィルターは、上記化2で表される単量体(以
下、「特定のリン酸基含有単量体」ともいう。)および
これと共重合可能な単量体(以下、「共重合性単量体」
ともいう。)よりなる混合単量体による共重合体中に、
銅イオンを主体とするイオン性金属成分が含有されてフ
ィルター基体が構成され、このフィルター基体の表面
に、多官能アクリル系樹脂よりなるコート層が形成され
てなる合成樹脂製の光学フィルターである。
【0009】フィルター基体を構成する共重合体を得る
ための混合単量体には、必須成分として特定のリン酸基
含有単量体が用いられる。上記化2から明らかなよう
に、この特定のリン酸基含有単量体は、銅イオンなどの
イオン性金属成分と配位結合を形成するリン酸基を分子
構造中に有するものである。また、特定のリン酸基含有
単量体は、その分子構造中に、エチレンオキサイド基を
介して、ラジカル重合性の官能基であるアクリロイルオ
キシ基またはメタクリロイルオキシ基を有するため、当
該特定のリン酸基含有単量体は、極めて共重合性に富
み、種々の単量体により共重合体を生成するものであ
る。
【0010】特定のリン酸基含有単量体の分子構造を表
す上記化2において、Rは、エチレンオキサイド基が結
合したアクリロイルオキシ基(Xが水素原子の場合)ま
たはメタクリロイルオキシ基(Xがメチル基の場合)で
ある。ここで、エチレンオキサイド基の繰り返し数mは
0〜5の整数である。mの値が5を超える場合には、得
られる共重合体の硬度が大幅に低下し、光学フィルター
としての実用性に欠けたものとなる。
【0011】また、水酸基の数nは、フィルター基体の
成形法や光学フィルターの使用目的に応じて1または2
のいずれかの値を選択すればよい。nの値が2であると
き、すなわち、リン原子に結合したラジカル重合性の官
能基の数が1である特定のリン酸基含有単量体は、銅イ
オンなどのイオン性金属成分との結合性が大きいものと
なる。一方、nの値が1である特定のリン酸基含有単量
体、すなわち、前記官能基の数が2である特定のリン酸
基含有単量体は架橋重合性を有するものとなる。従っ
て、フィルター基体を、熱可塑性樹脂の一般的な成形加
工法である射出成形法或いは押出成形法により製造する
場合には、nの値が2である特定のリン酸基含有単量体
を用いることが好ましい。ただし、フィルター基体の成
形法はこれらに限定されるものではない。
【0012】このように、フィルター基体の成形法およ
び光学フィルターの性能や使用目的に応じてnの値を選
択することができるが、実際上は、nの値が1である特
定のリン酸基含有単量体と、nの値が2である特定のリ
ン酸基含有単量体とを併用することが好ましく、特に、
nの値が1である特定のリン酸基含有単量体とnの値が
2である特定のリン酸基含有単量体とを、モル比で1:
5〜5:1となる割合で用いる場合には、当該混合単量
体に対して後述する銅化合物を主体とする金属化合物の
溶解性が向上するので好ましい。
【0013】混合単量体には、前記特定のリン酸基含有
単量体とともに、共重合性単量体が含有されている。特
定のリン酸基含有単量体が共重合性単量体と共重合され
ることにより、得られる共重合体は、後述するイオン性
金属成分との相互作用による光吸収特性に加え、光学フ
ィルターに要求される硬度条件を満足するものとなり、
このような共重合体によれば、形状保持性に優れたフィ
ルター基体を得ることができる。
【0014】このような共重合性単量体は、(1)特定
のリン酸基含有単量体と均一に溶解混合すること、
(2)特定のリン酸基含有単量体とのラジカル共重合性
が良好であること、(3)光学的に透明な共重合体が得
られること、を満足するものであれば特に限定されるも
のではない。
【0015】これらの共重合性単量体の具体例として
は、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピル
アクリレート、n−プロピルメタクリレート等のアルキ
ル基の炭素数が1〜8である低級アルキルアクリレート
または低級アルキルメタクリレート、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシブ
チルメタクリレート等のアルキル基をグリシジル基やヒ
ドロキシル基で置換した変性アルキルアクリレートまた
は変性アルキルメタクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−
ブタンジオールジメタクリレート、2,2−ビス〔4−
アクリロキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパ
ン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリ
レート等の多官能アクリレートまたは多官能メタクリレ
ート、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸、スチ
レン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、メト
キシスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合
物を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、
或いは2種以上混合して共重合性単量体を構成してもよ
い。
【0016】フィルター基体を構成する共重合体を得る
ための混合単量体中において、特定のリン酸基含有単量
体と共重合性単量体との割合は、特定のリン酸基含有単
量体:共重合性単量体が重量比で3:97〜60:40
の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは20:8
0〜50:50である。特定のリン酸基含有単量体の割
合が3重量%未満である場合には、光学フィルターとし
て好適な光吸収特性が発現されにくい。一方、特定のリ
ン酸基含有単量体の割合が60重量%を超える場合に
は、得られる共重合体の柔軟性が過大となり、要求され
る硬度条件を満足できない柔軟なものとなりやすい。
【0017】フィルター基体を構成する共重合体は、特
定のリン酸基含有単量体と、共重合性単量体とよりなる
混合単量体をラジカル重合させて得られる。ラジカル重
合方法としては特に限定されるものではなく、通常のラ
ジカル重合開始剤を用いる、塊状(キャスト)重合法、
懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等の公知の方法を
使用することができる。
【0018】本発明の光学フィルターを構成するフィル
ター基体は、上記の共重合体に、銅イオンを主体とする
イオン性金属成分が含有されてなるものである。この銅
イオンを主体とするイオン性金属成分は、前記共重合体
に含有されたリン酸基をリガンドとして配位結合的に結
合されることによって、共重合体に保持され、当該リン
酸基との相互作用により近赤外領域の光を効率よく吸収
する作用を有するものである。従って、銅イオンを主体
とするイオン性金属成分が含有された共重合体は、近赤
外領域に特徴ある光吸収特性を示すものとなる。
【0019】このような銅イオンを主体とするイオン性
金属成分は、銅化合物を主成分とする金属化合物を上記
の共重合体または混合単量体に添加することによって、
共重合体中に含有させることができる。ここに、「銅化
合物を主成分とする」とは、金属化合物に含まれる全て
のイオン性金属成分における銅イオンの占める割合が8
0重量%以上であることを意味する。具体的には、2価
の銅イオンからなる化合物と、他の金属イオンによる化
合物とが、前記割合を満足する条件で含有されてなる化
合物である。銅イオンの割合が80重量%未満である場
合には、得られるフィルター基体は近赤外領域の光の吸
収が低いものとなる。
【0020】上記の金属化合物を構成する銅化合物とし
ては、種々のものが用いられるが、その具体例として、
酢酸銅、塩化銅、ギ酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸
銅、エチルアセト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸
銅、クエン酸銅等の無水物や水和物を挙げることができ
る。なお、銅化合物は、これらのみに限定されるもので
はない。
【0021】また、上記の金属化合物を構成する、他の
金属イオンによる化合物としては、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、マグネシウ
ム、ニッケル等を金属イオン成分とする化合物が用いら
れる。
【0022】本発明において、銅化合物を主成分とする
金属化合物の使用割合は、共重合体または混合単量体1
00重量部に対して0.1〜50重量部であることが好
ましく、更に好ましくは0.1〜30重量部である。前
記金属化合物の使用割合が0.1重量部未満である場合
には、得られるフィルター基体は近赤外領域の光の吸収
が低いものとなる。一方、前記金属化合物の使用割合が
50重量部を超える場合には、イオン性金属成分が共重
合体中に均一に含有されにくくなる。
【0023】また、フィルター基体中の銅イオンの含有
割合は、共重合体100重量部に対して0.1〜20重
量部であることが好ましい。
【0024】イオン性金属成分が含有された共重合体を
得るための方法としては、特に限定されるものではない
が、好ましい方法として、以下の2通りの方法を挙げる
ことができる。
【0025】(1)混合単量体のラジカル重合を行う前
に、当該混合単量体中に、前記金属化合物を添加して溶
解含有させることにより、金属化合物、特定のリン酸基
含有単量体および共重合性単量体よりなる単量体混合物
を調製し、この単量体混合物をラジカル重合させる方
法。
【0026】(2)混合単量体のラジカル重合を行って
得られた共重合体中に、前記金属化合物を添加して混合
する方法。この方法としては、溶融させた共重合体に
金属化合物を添加混合する方法、共重合体を有機溶剤
に溶解させ、この溶液に金属化合物を添加混合する方法
等を用いることができる。
【0027】上記(1)および(2)のような方法によ
り、銅イオンを主体とするイオン性金属成分が含有され
た共重合体である光学フィルター材料を得ることができ
る。この光学フィルター材料を、目的、用途に応じて、
板状、円柱状、レンズ状等の形状に成形、研磨すること
によりフィルター基体を製造することができる。
【0028】以上において、添加された銅化合物の銅イ
オンは、混合単量体中または共重合体中のリガンドとし
てのリン酸基と結合し、銅イオンのカウンターイオンは
排出される。このカウンターイオンを除去する方法とし
て、得られる光学フィルター材料を水や各種の有機溶剤
に浸漬することにより、抽出除去する方法を用いること
ができる。また、上記(1)の方法により、イオン性金
属成分が含有された共重合体を得る場合には、重合前の
単量体混合物について、ろ過、加熱、真空吸引処理等を
行うことにより除去する方法を用いることができる。ま
た、カウンターイオンが少量である場合には、上記の除
去操作を行わずに、そのまま光学フィルター材料として
使用することもできる。
【0029】上記のフィルター基体においては、銅イオ
ンやリン酸基が含まれているため、高温、高湿度の過酷
な条件下において吸湿して透明性が低下する可能性があ
る。然るに、本発明の光学フィルターにおいては、この
フィルター基体の表面に多官能アクリル系樹脂よりなる
コート層が形成されているので、これにより、耐湿性に
優れたものとなる。
【0030】この多官能アクリル系樹脂よりなるコート
層は、ラジカル重合性のアクリル基またはメタクリル基
を1分子中に2つ以上有する多官能アクリル系単量体が
少なくとも30重量%含有されてなるアクリル系単量体
成分と、光重合開始剤と、有機溶剤とよりなるコート層
形成液を、フィルター基体の表面に塗布し、この塗布膜
を紫外線照射等により硬化することによって形成され
る。
【0031】このような光重合法においては、コート層
形成液のポットライフが長く、しかも加熱することなく
硬化させることができるので、フィルター基体への熱の
影響がほとんど無い状態でコート層を形成することがで
きる。また、形成されるコート層は、架橋密度の高いも
のであるので、表面硬度が高く、防湿効果、耐薬品性、
耐熱性などの諸性能に優れたものとなる。
【0032】多官能アクリル系単量体としては、フィル
ター基体における共重合体を得るための共重合性単量体
として例示した多官能アクリレートまたは多官能メタク
リレートと同様ものを挙げることができる。これらのう
ち、特に好ましいものとしては、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラメタクリレートなどの3官能以上の多官能アクリ
ル系単量体が挙げられる。
【0033】多官能アクリル系単量体以外の単量体とし
ては、フィルター基体における共重合体を得るための共
重合性単量体として例示したものと同様のものが挙げら
れ、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−
プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、
n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート等
の低級アルキルアクリレートおよび低級アルキルメタク
リレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート等の変性アルキルアクリ
レートおよび変性アルキルメタクリレート、スチレン、
α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニ
ル化合物、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸な
どが挙げられる。
【0034】また、コート層形成液に用いられる有機溶
剤としては、各種のアルコール、エーテル、ケトン、エ
ステル等が挙げられる。
【0035】以上において、コート層形成液中のアクリ
ル系単量体成分における多官能アクリル系単量体の含有
割合が30%未満である場合には、形成されるコート層
の硬度が低く、また、得られる光学フィルターは耐湿性
が不十分なものとなる。
【0036】また、コート層形成液中のアクリル系単量
体成分と有機溶剤との使用割合は、アクリル系単量体成
分:有機溶剤が重量比で10:90〜60:40の範囲
にあることが好ましい。アクリル系単量体成分の割合が
10重量%未満である場合には、形成されるコート層は
厚みの小さいものとなり、得られる光学フィルターは耐
湿性が不十分なものとなる。一方、アクリル系単量体成
分の割合が60重量%を超える場合には、形成されるコ
ート層は厚みが大きくて剥がれやすいものとなる。
【0037】このようなコート層形成液を、例えば、浸
漬法、スプレー法、スピナー法などの方法によりフィル
ター基体の表面に塗布し、このコート層形成液が塗布さ
れたフィルター基体に、低圧水銀灯、高圧水銀灯、X線
ランプ、その他各種のハロゲンランプ等を用いて紫外線
を照射することにより、コート層が形成される。
【0038】本発明においては、この多官能アクリル系
樹脂よりなるコート層の厚みは、0.2〜30μmであ
ることが好ましく、更に好ましくは0.3〜20μmで
ある。コート層の厚みが0.2μm未満である場合に
は、当該光学フィルターは耐湿性が不十分なものとな
る。一方、コート層の厚みが30μmを超える場合に
は、当該コート層が剥がれやすく、また、加温時や変形
時において当該コート層にクラックが生じやすいため、
当該光学フィルターは耐湿性が不十分なものとなる。
【0039】以上のようにして得られる本発明の光学フ
ィルターは、従来のガラス製のフィルターに比べ、近赤
外領域の光の吸収率が高いものでありながら、比重が小
さくて、加工が容易で、しかも耐湿性に優れたものであ
るので、フォトダイオードの特性を調整する測光用フィ
ルターや、特に赤色の視感度補正用フィルター等として
好適に用いることができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこれらによって限定されるものではない。なお、以下
において、「部」は「重量部」を意味する。
【0041】〔実施例1〕下記化3で表される特定のリ
ン酸基含有単量体10部と、下記化4で表される特定の
リン酸基含有単量体10部と、メチルメタクリレート5
8.5部と、ジエチレングリコールジメタクリレート2
0部と、α−メチルスチレン1.5部とを十分に混合し
て混合単量体を調製した。この混合単量体に、無水安息
香酸銅14部(混合単量体100部に対する銅イオンの
含有量が2.9部)を添加し、60℃で攪拌混合するこ
とによって十分に溶解させ、無水安息香酸銅が混合単量
体中に溶解されてなる単量体混合物を得た。
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】
【0044】以上のようにして調製された単量体混合物
に、t−ブチルパーオキシピバレート2.0部を添加
し、45℃で16時間、次いで60℃で8時間、更に9
0℃で3時間と順次異なる温度で加熱して注型重合を行
うことにより、銅イオンが含有された架橋重合体よりな
る光学フィルター材料を得た。この光学フィルター材料
を切削して厚み1mmの板状体を作製し、これをメタノ
ールに浸漬することにより、使用した無水安息香酸銅の
酸基成分量に対して約95重量%の量の安息香酸を抽出
除去した後、表面研磨を行ってフィルター基体を作製し
た。このフィルター基体の比重は1.24と小さく、屈
折率は1.505であった。
【0045】次に、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート60部およびジエチレングリコールジアクリレー
ト40部を混合し、これに光重合開始剤として、チバガ
イギー社製「イルガキュアー184」を2部添加し、有
機溶剤としてメチルエチルケトンを用いて単量体成分の
割合が40重量%となるように希釈してコート層形成液
を調製し、このコート層形成液をスピナー法で上記のフ
ィルター基体の表面に塗布した後、風乾し、次いで、高
圧水銀灯で1時間照射することにより、フィルター基体
の表面にコート層を形成した。コート層の厚みは3μm
であった。
【0046】得られた光学フィルターについて、分光光
度計を用いて分光透過率曲線を測定した。結果を図1に
示す。
【0047】また、得られた光学フィルターを温度60
℃、相対湿度90%の条件下で耐湿性試験を行った。耐
湿性試験1000時間経過後に、光学フィルターを観察
したところ、外見上全く変化は認められなかった。ま
た、この光学フィルターについて分光透過率曲線を測定
したところ、耐湿性試験前における分光透過率曲線と比
較して何等変化は認められなかった。
【0048】〔比較例1〕実施例1と同様にして作製し
たフィルター基体について、実施例1と同じ条件下で耐
湿性試験を行った。耐湿性試験800時間経過後に、フ
ィルター基体を観察したところ、フィルター基体表面に
極薄い白い斑点が若干認められたが、分光透過率曲線を
測定したところ、実施例1の光学フィルターにおける分
光透過率曲線と比較して差は認められなかった。しか
し、耐湿性試験1000時間経過後に、フィルター基体
を観察したところ、フィルター基体表面に多くの白い斑
点が生じており、分光透過率曲線を測定したところ、可
視領域(約350〜700nm)において、透過率が約
10%低下していた。
【0049】〔実施例2〕上記化3で表される特定のリ
ン酸基含有単量体15部と、上記化4で表される特定の
リン酸基含有単量体15部と、メチルメタクリレート4
5部と、1,4−ブタンジオールジアクリレート20部
と、メタクリル酸5部とを良く混合して混合単量体を調
製した。この混合単量体に、無水酢酸銅15部(混合単
量体100部に対する銅イオンの含有量が5.3部)
と、シュウ酸鉄(II)2水和物(FeC2 4 ・2H2
O)1部(全金属に対する鉄イオンの含有割合が5.4
重量%)とを添加し、60℃で攪拌混合することによっ
て十分に溶解させ、無水酢酸銅およびシュウ酸鉄が混合
単量体中に溶解されてなる単量体混合物を得た。
【0050】以上のようにして調製された単量体混合物
を用い、実施例1と同様にして注型重合を行うことによ
り、銅イオンおよび鉄イオンが含有された架橋重合体よ
りなる光学フィルター材料を得た。この光学フィルター
材料を切削して厚み1mmの板状体を作製し、これをメ
タノールに浸漬することにより、使用した無水酢酸銅お
よびシュウ酸鉄(II)2水和物の酸基成分の合計量に対
して約92重量%の量の酢酸およびシュウ酸を抽出除去
した後、表面研磨を行ってフィルター基体を作製した。
このフィルター基体の比重は1.29で、屈折率は1.
511であった。
【0051】次に、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート40部と、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート35部と、n−ブチルアクリレート25部とを混
合し、ここに光重合開始剤として「イルガキュアー18
4」を2.2部添加混合し、次いで、メチルエチルケト
ンとジオキサンとの混合溶剤を用いて単量体成分の割合
が35重量%になるよう希釈してコート層形成液を調製
し、このコート層形成液を用いて実施例1と同様にし
て、フィルター基体の表面にコート層を形成した。コー
ト層の厚みは約2.6μmであった。
【0052】得られた光学フィルターについて、分光光
度計を用いて分光透過率曲線を測定した。結果を図1に
示す。
【0053】また、得られた光学フィルターについて、
実施例1と同様にして耐湿性試験を行い、耐湿性試験1
000時間経過後に、光学フィルターを観察したとこ
ろ、外見上全く変化は認められなかった。また、この光
学フィルターについて分光透過率曲線を測定したとこ
ろ、耐湿性試験前における分光透過率曲線と比較して何
等変化は認められなかった。
【0054】〔比較例2〕実施例2と同様にして作製し
たフィルター基体について、実施例1と同じ条件下で耐
湿性試験を行った。耐湿性試験800時間経過後に、フ
ィルター基体を観察したところ、フィルター基体表面に
極薄い白い斑点が認められた。また、耐湿性試験100
0時間経過後に、フィルター基体について、分光透過率
曲線を測定したところ、実施例2の光学フィルターにお
ける分光透過率曲線と比較して、可視領域(約350〜
700nm)において、透過率が約8%低下していた。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学フィルター
は、これを構成するフィルター基体が、特定のリン酸基
含有単量体と、共重合性単量体とよりなる混合単量体を
共重合して得られる共重合体に、銅イオンを主体とする
イオン性金属成分が含有されてなるものであるので、近
赤外領域の光を吸収率が高く、比重が小さくて、しか
も、加工が容易なものである。また、フィルター基体の
表面には、多官能アクリル系樹脂よりなるコート層が形
成されているので、吸湿して経時的に失透することがな
く、耐湿性に優れたものである。従って、カメラの測光
用フィルターや視感度補正用フィルターとして好適に用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および実施例2に係る光学フィルター
についての分光透過率曲線図である。
【符号の説明】
1 実施例1の光学フィルターの分光透過率曲線 2 実施例2の光学フィルターの分光透過率曲線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表されるリン酸基含有単量体
    およびこれと共重合可能な単量体を共重合して得られる
    共重合体と、この共重合体のリン酸基に結合された、銅
    イオンを主体とするイオン性金属成分とを含有してなる
    フィルター基体の表面に、多官能アクリル系樹脂よりな
    るコート層が形成されてなることを特徴とする光学フィ
    ルター。 【化1】
  2. 【請求項2】 コート層の厚みが0.3〜20μmであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルター。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10153964A (ja) * 1996-05-09 1998-06-09 Sumitomo Chem Co Ltd ディスプレイ前面板
JPH1152125A (ja) * 1997-07-31 1999-02-26 Kureha Chem Ind Co Ltd 光学材料およびその製造法
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