JPH0784626A - 数値制御方法と数値制御装置 - Google Patents

数値制御方法と数値制御装置

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JPH0784626A
JPH0784626A JP5230252A JP23025293A JPH0784626A JP H0784626 A JPH0784626 A JP H0784626A JP 5230252 A JP5230252 A JP 5230252A JP 23025293 A JP23025293 A JP 23025293A JP H0784626 A JPH0784626 A JP H0784626A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】移動量や移動時間にかかわらず加減速パターン
を自由に設定する。 【構成】制御対象の動作を目標関数によって制御する数
値制御方法において、前記制御対象の変化量ΔYt と規
格化目標関数y(t) と補正値のパラメータβ,δによっ
て目標関数Y(t) を演算する。 Tpa:加速時間,Tpd:減速時間,ya (t) :加速時の
規格化目標関数,yd (t) :減速時の規格化目標関数

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボット制御、温度制
御、カメラのフォーカス制御、CDプレーヤやビデオデ
ィスク等のスライド制御、電気回路のDC点制御など各
種PTP(Point To Point) 動作の制御に用いられる数
値制御方法および数値制御装置に関し、特に移動量や移
動時間にかかわらず加減速時のパターンを自由に設定で
きる数値制御方法および数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にサーボ制御回路においては、制御
対象の位相や速度に関する情報をパターン化してメモリ
に記憶しておき、目標点に応じてこれらの情報を読み出
して時々刻々の制御を行う方法が知られている。この場
合、制御対象が円滑かつ要求される時間内で動作するた
めに加速曲線・減速曲線に関して様々な工夫がなされて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、最も一般的な
加減速パターンは図14(A)に示す三角形パターンで
あるが、移動開始点、ピーク点および目標点の3ヵ所で
加速度がジャンプするため、メカ系に対して衝撃を与え
やすいという欠点がある。また、サーボ制御回路に対す
る入力としても最適であるとはいえない。
【0004】そのため、図14(B)に示すように、目
標点の手前に停止対策としての定速部分Fを設けるよう
にした加減速パターンも提案されているが、この加減速
パターンによっても移動開始点および加速から減速に移
行するピーク点の加速度のジャンプは解消されないこと
から、メカ系に対する衝撃の問題を全て解決することは
できない。また、サーボ制御回路に対して最適な入力で
はないという問題点も同様に残されている。
【0005】一方、加速および減速時の円滑な動作を実
現するために、図15(A)に示すような滑らかな加減
速パターンをROMに記憶させておく方法も提案されて
おり、この手法によればオーバーシュートや停止精度の
問題は著しく解消される。しかしながら、加減速時間を
一定としているので、移動量が増加すると図15(B)
に示すように加減速曲線も成長し、停止時における停止
精度やメカ系に対する衝撃の問題が再燃することにな
る。また、加減速の形を自由に変更できないという問題
も有している。
【0006】かかる問題を解消するために、図16に示
すように、移動量を例えば大・中・小に分類しておき、
それぞれに適切な加速時間と減速時間とをもつ加減速パ
ターンをROMに記憶させておく方法も提案されたが、
メモリ容量が膨大となり、しかも移動量と移動時間の特
性が不自然な形となって制御の点で好ましくないという
問題が残っていた。また、この手法によっても加減速の
形を自由に変更することはできなかった。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、迅速かつ円滑なPTP動作
を実現することを前提として、しかも移動量や移動時間
にかかわらず加減速時のパターンを自由に設定すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の数値制御方法は、制御対象の動作を目標関
数によって制御する数値制御方法において、前記制御対
象の変化量(ΔYt )と規格化目標関数(y(t) )と補
正値(β,δ)によって目標関数(Y(t) )を演算する
ことを特徴としている。
【0009】さらに具体的には、前記目標関数は、前記
変化量(ΔYt )と前記規格化目標関数(y(t) )と前
記補正値(β,δ)とを乗じて得られることを特徴とし
ている。
【0010】また、前記補正値には、加速時の規格化目
標関数をya (t) ,減速時の規格化目標関数をyd (t)
,加速時間をTPa, 減速時間をTpdとしたときに、
【数13】 で定義される時間次元を有するパラメータ(δ
a , δd )が、加速時の目標関数(Ya (t) )中に
【数14】 として、また減速時の目標関数(Yd (t) )中に
【数15】 としてそれぞれ含まれている。
【0011】さらに具体的には、前記補正値は、加速時
の規格化目標関数をya (t) ,減速時の規格化目標関数
をyd (t) ,加速時間をTPa, 減速時間をTpdとしたと
きに、加速時の目標関数(Ya (t) )では
【数16】 として、また減速時の目標関数(Yd (t) )では
【数17】 としてそれぞれ表され、かつ前記パラメータ(β
a,βd )は、
【数18】 として定義される。
【0012】なお、前記規格化目標関数が三角形加減速
曲線であるとき、前記パラメータ(βa,βd )は、1で
ある。
【0013】一方、上記目的を達成するために、本発明
の数値制御装置は、制御対象の動作を目標関数によって
制御する数値制御装置において、前記制御対象の変化量
(ΔYt )と規格化目標関数(y(t) )を入力する入力
部と、前記制御対象の変化量(ΔYt )と規格化目標関
数(y(t) )に基づいて補正値(β,δ)を算出する補
正値算出部と、前記入力部および前記補正値算出部から
の情報に基づいて目標関数(Y(t) )を演算する目標関
数演算部とを備えたことを特徴としている。
【0014】さらに具体的には、前記目標関数演算部に
て求められる目標関数は、前記変化量(ΔYt )と前記
規格化目標関数(y(t) )と前記補正値(β,δ)とを
乗じて得られることを特徴としている。
【0015】また、前記補正値算出部により算出される
補正値には、加速時の規格化目標関数をya (t) ,減速
時の規格化目標関数をyd (t) ,加速時間をTPa, 減速
時間をTpdとしたときに、
【数19】 で定義される時間次元を有するパラメータ(δ
a , δd )が、加速時の目標関数(Ya (t) )中に
【数20】 として、また減速時の目標関数(Yd (t) )中に
【数21】 としてそれぞれ含まれている。
【0016】さらに具体的には、前記補正値算出部によ
り算出される補正値は、加速時の規格化目標関数をya
(t) ,減速時の規格化目標関数をyd (t) ,加速時間を
Pa , 減速時間をTpdとしたときに、加速時の目標関数
(Ya (t) )では
【数22】 として、また減速時の目標関数(Yd (t) )では
【数23】 としてそれぞれ表され、かつ前記パラメータ(β
a,βd )は、
【数24】 として定義される。
【0017】なお、前記規格化目標関数が三角形加減速
曲線であるとき、前記パラメータ(βa,βd )は、1で
ある。
【0018】
【作用】ある任意の物理量Yを制御するためのサーボル
ープには、この物理量の規準値Yref が入力されてお
り、このようなサーボ系では規準値Yref1から規準値Y
re f2へ迅速かつ円滑に移動させたいという要請が強い。
例えば、規準値Yref1から規準値Yref2に至る途中の軌
跡を問わないPTP(Point To Point) 動作は、ロボッ
ト制御、温度制御、カメラのフォーカス制御、CDプレ
ーヤやビデオディスク等のスライド制御、電気回路のD
C点制御など広い分野に応用されている。
【0019】そこで本発明では、目標関数を特徴付ける
加速時および減速時のそれぞれのパターン、変化
量、加速時間および減速時間(時間軸の伸縮を含む)
の変動にともなう新しい目標関数を極力少ないパラメー
タを導入して、自由かつ容易に発生させるアルゴリズム
を構築したものである。すなわち、目的とする目標関数
a (t),Yd (t) に対して
【数25】 と規格化すると、パラメータβは
【数26】 として任意の規格化目標関数により求められる。
【0020】一方、時間のディメンションを有する別の
パラメータδを
【数27】 として導入すると、このパラメータδも
【数28】 として任意の規格化目標関数により求められる。
【0021】したがって、目的とする目標関数は、
【数29】 として与えられ、しかも時間軸の伸縮に対しても上式
は、
【数30】 として与えられることから、いかなる変化量ΔYt 、規
格化目標関数y(t) および時間に対しても容易に演算す
ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の原理と応用例を図面を参照し
ながら下記の項目にしたがって説明する。 〔本発明の原理〕目標関数と目標速度関数 問題の所在 目標関数の発生原理 (1)規格化目標関数ya (t) ,yd (t) (2)パラメータβ (3)パラメータδ (4)加速曲線と減速曲線とのマッチング (5)最高速度 (6)時間軸の伸縮 (i)規格化目標関数y(t) (ii)パラメータβ (iii)パラメータδ(Tp) 〔応用例〕三角形型 sin型 exp型 組み合わせ
【0023】〔本発明の原理〕まず最初に、目標関数を
特徴付ける 加速時および減速時のそれぞれのパターン、 移動量(変化量)、 加速時間および減速時間(時間軸の伸縮を含む) の変動にともなう新しい目標関数を極力少ないパラメー
タを導入して、自由かつ容易に発生させるアルゴリズム
を構築する場合に問題となる点を明らかにした上で目標
関数を発生させる原理について説明する。
【0024】目標関数と目標速度関数 以下の説明で用いられる記号やパラメータは、図1に示
す通りであり、加速時間をTpa,減速時間をTpd,総移
動時間をTt ,加速移動量をΔYa ,減速移動量をΔY
d ,総移動量をΔYt ,ピーク速度をYp ドットとして
いる。ここで、 総移動時間Tt =加速時間Tpa+減速時間Tpd 総移動量ΔYt =加速移動量ΔYa +減速移動量ΔYd が成立する。
【0025】また、時刻をt、目標値(位置、温度、電
圧等)をYとするとき、Y(t) が目標関数を表し、この
目標関数の時間微分dY(t) /dtが目標速度関数を表
す。時刻に対する目標値Yの関係は図1の上図に示し、
時刻に対する目標速度の関係は図1の下図に示してい
る。
【0026】問題の所在 目標関数を特徴付ける主な要因は、加速時および減速
時のそれぞれのパターン、移動量ΔYt 、加速時間
paおよび減速時間Tpdなど時間軸の伸縮であると言え
る。したがって、これらの諸要因の変更に対して、極力
少ないパラメータを導入し、新しい目標関数を自由かつ
容易に発生させるアルゴリズムを構築することが本発明
に与えられた命題である。
【0027】例えば、図1に示す三角形型の加減速曲線
を採用した場合、ロボットアームの停止点(t=Tt
でアームに衝撃を与えないようにするためには、減速時
間T pdを大きくしたり、減速目標関数Yd (t) ドットを
より滑らかな関数に変更したりする必要がある。また、
移動量ΔYt の変動に伴っても目標関数の形や加減速時
間を変更する必要が生じる。従来ではこのような変更に
関する明確な指針が無かったので経験を積んだ設計者の
能力に委ねられていたり、場合によっては試行錯誤を繰
り返したのちに制御データを決定しなければならなかっ
た。したがって、決定された制御データが設計者の能力
に左右されたり、設計の非能率化を招いたりするという
問題があった。
【0028】目標関数の発生原理 次に、上述した命題を解決するための原理について説明
する。 (1)規格化目標関数ya (t) ,yd (t) 上述した命題によればどのような移動量ΔYt に対して
も対応する必要があるため、まず目標関数を規格化す
る。つまり、加速時の目標関数をYa (t) ,減速時の目
標関数をYd (t) として、
【数31】 とおく。
【0029】ここで、(3−1)式および(3−2)式
におけるya (t) およびyd (t) はディメンションをも
たない滑らかな連続関数であり、これらを規格化目標関
数と称する。なお、規格化目標関数につき、
【数32】 が成立し、ya (t) が加速時のパターン(曲線)、yd
(t) が減速時のパターン(曲線)の形を与えることにな
る。つまり、規格化関数ya (t) ,yd (t) を必要に応
じて変更すれば目標関数の形を変更できる訳である。ち
なみに、(3−2)式においてはyd (t) を0≦t≦T
pdで定義しているが、時間軸の折り返し操作を施せば減
速に変更することができる。具体的には、(3−2)式
におけるtに代えて、Tpd+Tpa−tを代入すればよ
い。
【0030】(2)パラメータβ また、(3−1)式および(3−2)式におけるβa
βd はディメンションをもたないパラメータであり、以
下の2つの目的をもって導入している。まず、第1の目
的は規格化目標関数y(t) の選択に自由度を与えるため
である。すなわち、図1に示すような三角形パターンを
用いる場合、規格化目標関数y a (t) はt2 /Tp 2
あっても10t2 /Tp 2 であっても、その他どのよう
な係数が乗ぜられても、パラメータβで吸収できるよう
に導入されている。尤も、三角形パターンのようなシン
プルな関数ではさほどパラメータβの効果は発揮されな
いが、例えば後述するexp型パターンなどのような複
雑な関数を採用すると著しい効果が得られる。
【0031】またβを導入した第2の目的は、規格化目
標関数y(t) とサーボループ特性とを関係付けるためで
ある。すなわち、あるサーボループにとって規格化目標
関数y(t) は極めて重要な要因であり、この関係をβで
規定することにより目標関数を生成する際に利用する。
【0032】さて、(3−1)式および(3−2)式よ
り、
【数33】 であるからβa ,βd は、
【数34】 と表すことができる。この(3−4)式より規格化目標
関数を決定すれば、βa,βd を計算により一意的に求
めることができる。
【0033】(3)パラメータδ 既述した本発明の命題にあるように、目標関数の生成ア
ルゴリズムは時間軸方向の伸縮に対しても自由に行うこ
とができる必要があるため、別のパラメータδ(se
c)を導入する。このパラメータδは、以下のように定
義される。
【数35】 つまり、このパラメータδは、図4に示すように、加
(減)速曲線が囲む面積ΔYa に等しい面積となるよう
な高さYa (Tpa) ドットの長方形(図4に点線で示す)
の横軸(時間軸)の長さを意味している。なお、δ(Tp)
のようにTP の関数として表現しているのはδの値はT
pa, pdに依存するからである。
【0034】このようなパラメータδは以下のようにし
て求めることができる。すなわち、(3−1)式および
(3−2)式の両辺を時間tで微分して、t=TP を代
入すると、
【数36】
【数37】 となり、この(3−9)式および(3−10)式より規
格化目標関数が決まればパラメータδを計算により一意
的に求めることができる。
【0035】(4)加速曲線と減速曲線とのマッチング ここまでは、加速時と減速時をそれぞれ独立に取り扱っ
てきたが、最終的に生成される目標速度関数はt=Tpa
の前後で連続的に繋がっていなければならない。したが
って、以下では加速時と減速時を繋ぐ関係を求める。
【0036】総移動量をΔYt , 総移動時間をTt とす
ると、既述したように
【数38】 の関係が成立する。この場合、総移動量ΔYt および総
移動時間Tt は、サーボ系を含む大きなシステムによっ
て決定される性質のものであり、本発明に係るアルゴリ
ズムはシステムの決定に関与しない。特に、移動時間T
t 、すなわちTpa,Tpdは、システムにとって重要な要
因であり、サーボ系の負荷の大小など物理的事情やアク
チュエータ、パワー系の能力等によって決定される。例
えば図5に示すように、ΔY t の関数として決められる
場合もある。
【0037】さて、加速時のピーク速度Ya (Tpa) ドッ
トと減速時のピーク速度Yd (Tpd)ドットが等しくない
と、図6に示すようにt=Tpaの前後で速度がジャンプ
してしまい目標関数として好ましくない。そこで、両ピ
ーク速度を等しくおくと、
【数39】 となり、(3−5)式、(3−6)式および(3−1
1)式より、
【数40】 が得られる。
【0038】加速時間Tpaと減速時間Tpdは既に決定さ
れているので、(3−9)式および(3−10)式よ
り、δa (Tpa) およびδd (Tpd) も既知となり、結局ピ
ーク速度Yp ドットが下記(3−15)式で決定され
る。
【数41】 よって、(3−5)式および(3−6)式より、加速移
動量ΔYa および減速移動量ΔYd は、下記(3−1
6)式および(3−17)式で求めることができる。
【数42】
【0039】そこで、この(3−16)式および(3−
17)式を(3−1)式および(3−2)式に代入する
と、
【数43】 であり、この(3−18)式および(3−19)式の右
辺は全て決定しているので、この両式によって、加速時
の目標関数Ya (t) と減速時の目標関数Yd (t)の生成
が可能となる。
【0040】(5)最高速度 時間t=Tpaにおいて左右対称の目標関数、すなわちY
a (t) =Yd (t) である目標関数を採用している場合、
移動量ΔYt が増加するとピーク点の速度YPドットも
増加する。ところが、アクチュエータには最高速度Y
MAX ドットが存在するため、目標速度関数は例えば図7
に示すように成長する。
【0041】この場合、速度曲線と時間軸で囲まれる面
積が移動量ΔYt であり、
【数44】 が成立している。特に、図7に示す(3)の移動量ΔY
t3のときが最高速度YMA X ドットに一致していることか
ら、この意味でΔYt3をΔYtMAXと書くと、(35)式
および(3−6)式より、
【数45】 が成り立つ。
【0042】このことを利用して移動量ΔYt およびピ
ーク時間TP が与えられたとき、
【数46】 からピーク点の速度YP ドットを求め、これがアクチュ
エータの最高速度YMAXドットより大きいか小さいかを
判断することにより、最高速度動作(図7における台形
動作 (4)〜(6) )か否かを判断することができる。パラ
メータδ(Tp)はこのようにも利用することができる。な
お、加速と減速のパターンが異なっていても同様にして
応用することができる。
【0043】そこで、図7において、移動量がΔYt5
加減速時間がTP として与えられた場合、
【数47】 が判断できる。よって、
【数48】 となり、最高速度部分の移動量ΔY0 が容易に計算でき
る。同様にして、YMAX ドットの速度でΔY0 を移動す
る時間T0 も下記(3−25)式で求めることができ
る。
【数49】
【0044】その結果、この場合の総移動時間Tt は下
記(3−26)式のようになり、この状況を図8に示
す。
【数50】 なお、ここの説明ではピーク時間TP を一定として取り
扱っていたが、実際の応用においては図5に示すように
ピーク時間TP を移動量ΔYt に応じて変化させると共
に、サーボループのf特の制限やモータ最高速度の存在
によって、図5に示すmin point やmax point が現れる
ことになる。また、加減速の形が変化してもその応用は
容易である。
【0045】(6)時間軸の伸縮 総移動時間Tt や加減速時間Tpa, pdなどは、アクチ
ュエータ・負荷・パワー系など制御システムの事情や法
則などによって決定される。そこで、これら決定された
各種時間にしたがって目標関数を生成する、つまり時間
軸の伸縮に対して目標関数を生成する方法について考察
する。
【0046】今、規格化目標関数y(t) が与えられてい
るとき、時間軸をα倍する状況を図9に示す。この場合
の目的は、結局、目標関数の(3−18)式および(3
−19)式が時間軸の伸縮を受けた場合の式を導出する
ことにある。そこで、(3−18)式および(3−1
9)式それぞれの右辺に含まれる各量の時間軸の伸縮に
よる影響を考察すると、以下のようになる。
【0047】(i)規格化目標関数y(t) 図9に示すグラフより
【数51】 であるから、
【数52】 が成り立ち、t=Tp における値と、τ=αTp におけ
る値が等しくなる。
【0048】(ii)パラメータβ (3−4)式、(3−5)式および(3−28)式よ
り、
【数53】 であるから、時間軸の伸縮によってパラメータβの値は
変化しない。
【0049】(iii)パラメータδ(Tp) (3−9)式および(3−10)式より、
【数54】 ここで、時間軸をα倍すると、
【数55】 となり、δの値は時間軸をα倍すると等しくα倍される
ことになる。これは、δが時間(sec)のディメンシ
ョンをもつこと、および図4で説明したパラメータδの
物理的意味からも理解される。
【0050】このように、時間軸の伸縮(α倍)によっ
て規格化目標関数y(t) 、パラメータβおよびパラメー
タδは、それぞれ下記のように変換されることになる。
【数56】
【0051】したがって、(3−18)式および(3−
19)式で求められる目標関数に時間軸の伸縮(τ=α
t)を考慮すると、
【数57】 となり、これら(3−18’)式および(3−19’)
式が、加減速の形・移動量・移動時間(α)を自由に変
えることができる目標関数Ya (t) ,Yd (t) の導出式
である。
【0052】〔応用例〕次に以上説明した本発明の原理
に基づいて設定される具体的な規格化目標関数を例示し
て本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はどの
ような規格化目標関数に対しても応用することができ、
下記に示す具体例はそれらの一例に過ぎないことは言う
までもない。
【0053】三角形型 図10に示す三角形型加減速パターンにつき、規格化目
標関数y(t) はディメンションをもたないように決定さ
れるので、例えば
【数58】 とすると、目標速度関数は、(3−31)式の両辺を時
間tで微分して、
【数59】 となる。
【0054】一方、(3−4)式および(3−5)式に
よれば、パラメータβは、
【数60】 であるから、(3−9)式および(3−10)式より、
パラメータδは、
【数61】 となる。このような三角形型加減速パターンでは、目標
関数を求める際の計算が容易であるという長所を有して
いるが、加速度が不連続であるためサーボ系に衝撃を与
えたり、移動時間を短くできないという欠点がある。
【0055】sin型 図11に示すsin型加減速パターンでは、
【数62】 となるので、上述した三角形型と同様に、加減速に同じ
規格化目標関数を用い(ya (t) =yd (t) )、かつ加
減速時間を等しいとすると(Tpa=Tpd)、目標関数
は、移動量をΔYt とすると、
【数63】 となる。なお、減速時は上記Y(t/α)をt=αTP
にて折り返せばよい。このようなsin型加減速パター
ンでは、目標関数を求める際の計算が容易で、しかも規
則的な正弦波形であるため入出力の位相管理が可能とな
る。ただし、停止までの時間が長いという欠点はある。
【0056】exp型 このexp型加減速パターンは、位置サーボループの特
徴(いわゆるf特)を加味した最適速度目標関数の一つ
である。また、この目標関数はあらゆる点において無限
回微分が可能な関数であるため、メカ系に不要な振動を
発生させないという長所がある。さらに、サーボループ
をソフトウェーアにてシミュレーションすることにより
計算が容易となる。
【0057】図12(A)はサーボループのシグナルフ
ロー線図であり、目標関数として移動量βΔYt /2の
ステップ入力
【数64】 を入力したとすると、Yi としてステップ以上に速い入
力は存在しないことから、この入力によって出力は最も
速く変化することになる。図12(A)において、Yi
→Y0 までの伝達関数を計算すると下記(3−42)式
のようになる。
【数65】
【0058】一方、(3−41)式を逆ラプラス変換す
ると、
【数66】 となり、両辺を時間tで微分して速度を求めると、
【数67】 となる。この移動距離Y0(t)と速度Y0(t)ドットを時間
に対して図示すると図12(B)および図12(C)の
ように表すことができる。このとき、時刻TP までの移
動距離に関して、
【数68】 となっていることが理解される。そこで、0≦t≦TP
間の速度Y0(t)ドットを時刻t=TP で時間軸に関して
折り返せば、図12(B)(C)に一点鎖線で示す目標
関数が得られる。
【0059】この目標関数は、図12(A)に示すサー
ボループのステップ入力に対する出力であることから、
このサーボループにとって最高速度であり、しかもフィ
ルタリングされているので入力として最も適していると
考えられる。また、(3−41)式で定義したβは、
(3−44)式および(3−45)式と(3−18’)
式および(3−19’)式の形を比較すると判るよう
に、規格化目標関数で定義された(3−4)式のパラメ
ータβと同じものである。
【0060】ちなみに、exp型加減速パターンの規格
化目標関数、およびパラメータβ、δを求めると以下の
ようになる。まず、(3−44)式の形より、規格化目
標関数y(t) は、
【数69】 であり、両辺を時間tで微分して、
【数70】 となる。したがって、(3−4)式よりパラメータβ
は、
【数71】 によって与えられる。このとき、TP は規格化目標関数
y(t) にとって固有量であり移動量が変わっても同じ値
である。また、時間軸をα倍すると(3−49)式にお
けるexp(−t/T1 )がexp(−t/αT1 )に
変換されるが、同時にTP →αTP となるから、結局、
【数72】 となって同じ値となる。
【0061】次に、パラメータδについては、
【数73】 であるが、時間軸をα倍すると、
【数74】 となる。なお、図12(A)に示すシグナルフロー線図
をディジタル化してソフトウェアで実現し、入力として
ステップを入力すれば、既述した(3−44)式および
(3−45)式のような複雑な計算をしなくとも目標関
数は容易に求めることができる。
【0062】組み合わせ 以上説明した具体例は、加速と減速の規格化目標関数に
同じ型の関数を採用した例であるが、本発明では加速と
減速との規格化目標関数を異なるパターンで構成するこ
とも可能である。例えば、図13(A)に示す加減速パ
ターンは、加速パターンとして三角形型、減速パターン
としてexp型を採用した例である。また、図13
(B)に示す加減速パターンは加速パターンとしてex
p型、減速パターンとしてsin型を採用した例であ
る。要するに、どのような加減速パターンを採用するか
は、例えばサーボループの特性やアクチュエータの負荷
の特性等によって決定すればよい。
【0063】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。例えば、既述した規格化目標関数が複雑であった
り、その種類が複雑である場合において、リアルタイム
の処理を必要とすると、CPUの計算時間上負担をかけ
てしまうことも考えられる。このような場合には、シス
テムを立ち上げてイニシャライズするときに1回だけ規
格化目標関数を計算しておき、その結果をメモリに格納
しておく。そして、リアルタイムに処理を行う場合には
メモリを参照しながら必要に応じて線形補間することで
対応してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、移動
量や移動時間にかかわらず加減速時のパターンを自由に
設定でき、その結果、停止時の停止精度を向上させるこ
とができると共に移動時間の短縮化を図ることができ
る。また、移動時間や移動距離の変更に対しても柔軟に
対応することができるので、移動時間と移動距離との特
性を自由に設計することが可能となる。このような応用
は、ロボット制御、温度制御、カメラのフォーカス制
御、CDプレーヤやビデオディスク等のスライド制御、
電気回路のDC点制御など各種PTP(Point To Poin
t) 動作の制御に広く期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための目標位置と時間
との関係を示すグラフおよび目標速度と時間との関係を
示すグラフである。
【図2】同じく本発明の原理を説明するための目標速度
と時間との関係を示すグラフである。
【図3】同じく本発明の原理を説明するための目標位置
と時間との関係を示すグラフおよび目標速度と時間との
関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係るパラメータδを説明するための目
標速度と時間との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の移動距離と移動時間との関係を示すグ
ラフである。
【図6】本発明の加減速曲線のマッチングを説明するた
めの目標速度と時間との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の最高速度を説明するための目標速度と
時間との関係を示すグラフである。
【図8】同じく本発明の最高速度を説明するための概念
図である。
【図9】本発明の時間軸の伸縮を説明するための目標位
置と時間との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の応用例である三角形型加減速パター
ンを示すグラフである。
【図11】本発明の他の応用例であるsin型加減速パ
ターンを示すグラフである。
【図12】(A)は本発明のさらに他の応用例であるe
xp型加減速パターンを示すシグナルフロー線図、
(B)は目標位置と時間との関係を示すグラフ、(C)
は目標速度と時間との関係を示すグラフである。
【図13】(A)(B)は本発明のさらに他の応用例を
示すグラフである。
【図14】(A)(B)は従来の加減速パターンを示す
グラフである。
【図15】同じく(A)(B)は従来の加減速パターン
を示すグラフである。
【図16】同じく従来の移動量に対する移動時間の関係
を示すグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象の動作を目標関数によって制御す
    る数値制御方法において、前記制御対象の変化量(ΔY
    t )と規格化目標関数(y(t) )と補正値(β,δ)に
    よって目標関数(Y(t) )を演算することを特徴とする
    数値制御方法。
  2. 【請求項2】前記目標関数は、前記変化量(ΔYt )と
    前記規格化目標関数(y(t) )と前記補正値(β,δ)
    とを乗じて得られることを特徴とする請求項1に記載の
    数値制御方法。
  3. 【請求項3】前記補正値には、加速時の規格化目標関数
    をya (t) ,減速時の規格化目標関数をyd (t) ,加速
    時間をTPa, 減速時間をTpdとしたときに、 【数1】 で定義される時間次元を有するパラメータ(δ
    a , δd )が、加速時の目標関数(Ya (t) )中に 【数2】 として、また減速時の目標関数(Yd (t) )中に 【数3】 としてそれぞれ含まれていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の数値制御方法。
  4. 【請求項4】前記補正値は、加速時の規格化目標関数を
    a (t) ,減速時の規格化目標関数をyd (t) ,加速時
    間をTPa, 減速時間をTpdとしたときに、加速時の目標
    関数(Ya (t) )では 【数4】 として、また減速時の目標関数(Yd (t) )では 【数5】 としてそれぞれ表され、かつ前記パラメータ(β
    a,βd )は、 【数6】 として定義されることを特徴とする請求項1から3の何
    れかに記載の数値制御方法。
  5. 【請求項5】前記規格化目標関数が三角形加減速曲線で
    あるとき、前記パラメータ(βa,β d )は、1であるこ
    とを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の数値制
    御方法。
  6. 【請求項6】制御対象の動作を目標関数によって制御す
    る数値制御装置において、前記制御対象の変化量(ΔY
    t )と規格化目標関数(y(t) )を入力する入力部と、
    前記制御対象の変化量(ΔYt )と規格化目標関数(y
    (t) )に基づいて補正値(β,δ)を算出する補正値算
    出部と、前記入力部および前記補正値算出部からの情報
    に基づいて目標関数(Y(t) )を演算する目標関数演算
    部とを備えたことを特徴とする数値制御装置。
  7. 【請求項7】前記目標関数演算部にて求められる目標関
    数は、前記変化量(ΔYt )と前記規格化目標関数(y
    (t) )と前記補正値(β,δ)とを乗じて得られること
    を特徴とする請求項6に記載の数値制御装置。
  8. 【請求項8】前記補正値算出部により算出される補正値
    には、加速時の規格化目標関数をy a (t) ,減速時の規
    格化目標関数をyd (t) ,加速時間をTPa, 減速時間を
    pdとしたときに、 【数7】 で定義される時間次元を有するパラメータ(δ
    a , δd )が、加速時の目標関数(Ya (t) )中に 【数8】 として、また減速時の目標関数(Yd (t) )中に 【数9】 としてそれぞれ含まれていることを特徴とする請求項6
    または7に記載の数値制御装置。
  9. 【請求項9】前記補正値算出部により算出される補正値
    は、加速時の規格化目標関数をya(t) ,減速時の規格
    化目標関数をyd (t) ,加速時間をTPa, 減速時間をT
    pdとしたときに、加速時の目標関数(Ya (t) )では 【数10】 として、また減速時の目標関数(Yd (t) )では 【数11】 としてそれぞれ表され、かつ前記パラメータ(β
    a,βd )は、 【数12】 として定義されることを特徴とする請求項6から8の何
    れかに記載の数値制御装置。
  10. 【請求項10】前記規格化目標関数が三角形加減速曲線
    であるとき、前記パラメータ(βa,β d )は、1である
    ことを特徴とする請求項6から9の何れかに記載の数値
    制御装置。
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