JPH0784640B2 - 結晶性窒化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

結晶性窒化アルミニウムの製造方法

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JPH0784640B2
JPH0784640B2 JP31340987A JP31340987A JPH0784640B2 JP H0784640 B2 JPH0784640 B2 JP H0784640B2 JP 31340987 A JP31340987 A JP 31340987A JP 31340987 A JP31340987 A JP 31340987A JP H0784640 B2 JPH0784640 B2 JP H0784640B2
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隆宣 藤花
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は窒化アルミニウムの製造方法に係り、その光学
的特性、電気的特性、機械的特性、或は熱伝導率などの
諸特性を利用した用途、特に電子材料、音響材料などに
好適な薄膜の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、窒化アルミニウムの電気絶縁性、高熱伝導性並び
に耐摩耗性などの諸特性を種々の用途へ利用するため、
薄膜として固体基板表面に形成することが試みられてい
る。
現在、窒化アルミニウム薄膜を固体基板表面に形成する
手段としてCVD(Chemical Vapor Deposition)法、反応
性スパッタリング法、反応性イオンプレーティング法な
どが実施されている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記した方法により所望の特性、具体的には、良好な光
透過特性、良好な熱伝導性、良好な熱的安定性、良好な
化学的安定性、良好な電気絶縁性等を得るためには、CV
D法においては成膜中の基板温度を500〜1000℃以上にも
する必要があり基板材料が大幅に制限される。イオンプ
レーティング法あるいはイオンプレーティング法におい
ても、上記所望の特性を有する結晶性窒化アルミニウム
層とするためには、膜形成中或は膜形成後に熱処理によ
る結晶化工程を行なう必要があるため、加熱による基板
の損傷や膜の剥離などが発生すると供に製造コストも上
昇するという欠点もある。さらにこれらの方法では窒化
アルミニウム層が単に基板表面に堆積している状態であ
るため熱サイクルや機械的衝撃による剥離の問題もあ
る。また、成膜の欠点である条件設定の困難さや、一定
条件を維持することの困難さから、再現性が悪いなどの
問題もある。特に透明度などの光学的特性は、若干の成
膜条件のずれにより大きく変化するため窒化アルミニウ
ムの光学部品への応用を困難にしている。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、基板表面に窒化アルミニウムをコーティング
した後、表面から窒素をイオン注入することにより窒化
アルミニュウムの特性を改善するというものである。
本発明においては、コーティングする窒化アルミニウム
は結晶性を持つものでも非品質でも良くコーティング中
の基板を加熱する必要がない。つまり、室温コーティン
グ、室温注入により室温で再現性の良い結晶性窒化アル
ミニウムを作製することを可能にした。
なお、コーティング中、注入中、或は後処理として軽度
の熱処理を施し更に高密度化させることも可能である。
また、注入エネルギー比較的高くして、窒化アルミニウ
ム薄膜と固体基板の界面近傍或は固体基板内部に窒素イ
オンを注入することにより、薄膜と基板の界面を混合す
ることができ密着力の高い窒化アルミニウム薄膜が得ら
れる。
さらに、イオン注入の工程が高真空中の工程であるため
反応性スパッタリングや反応性イオンプレーティングな
どの真空中での処理により窒化アルミニュウム薄膜の形
成を行うようにしイオン注入機能と膜形成機能とが併設
されている同一装置を使用すれば、試料を大気にさらす
ことなく処理できる。
(作 用) 固体基板あるいは下地膜表面を通常行なわれている洗浄
脱脂処理、例えばエタノール、アセトンやトリクロロエ
チレンなどの有機溶剤で洗浄脱脂処理した後、上述した
本発明による窒化アルミニウム成膜技術を用いて成膜す
る。次に成膜した薄膜表面から、窒素イオンを好ましく
は10〜400keVに加速(添加したい位置に設定)し、好ま
しくは1×1016〜2×1018イオン/cm2の注入量で注入す
る。ここで加速エネルギーを10〜400keVとしたのは、10
keV以下ではスパッタリング効果が著しく増加し適切な
イオン注入の効果が実現しにくく、また、400keVを越え
るエネルギーを使用する場合は照射損傷、ディスロケー
ションなどを大量に発生し、薄膜及び基板に悪影響を及
ぼし回復のための熱処理が必要となると供に装置の価格
も高くなりコスト上昇を招くため好ましくないという理
由からである。また、1×1016イオン/cm2までの注入量
では形成した薄膜の結晶性が非晶質化する方法へ進み、
この注入量以上で結晶化あるいは結晶化軸を変える方向
へ進む。2×1018イオン/cm2を越えて注入しても特性の
向上は見れない。
(発明の効果) 本発明によると、非結晶体を結晶化させたりあるいは既
に結晶化されている窒化アルミニュウの結晶軸の配向方
向を変更して特性の改善された結晶性の窒化アルミニウ
ムを得ることができる。
また、窒化アルミニュウムの高い密着力で任意の固体基
板表面上に形成できる。
さらに、成膜の欠点である条件設定の困難さや、再現性
の問題も解消でき生産性を著しく向上できる。などの効
果が得られ、工業上極めて有効なものである。
(実施例) 以下、本発明の実施例を記載するが、これに限定するも
のではなく、上述のように適宜の態様を採り得るもので
ある。
実施例1 まず、アセトンで超音波脱脂洗浄したシリコンウエハー
をイオンプレーティング装置に配置し、室内を2×10-6
Torrまで真空排気し窒素ガスを1×10-4Torrまで導入し
た後、99.99%純度のアルミニウムを電子ビームで加熱
溶融して蒸発させた。この蒸発アルミニウムと雰囲気の
窒素をイオン化用電子放出フィラメントより発生させた
電子ビームシャワー中を通過させてイオン化或は活性化
し、シリコンウエハー上で反応させ、成膜速度35Å/min
で膜厚750Åの窒化アルミニウム薄膜を形成した。
次いで、真空度1×10-6Torrのイオン注入室で窒素イオ
ンを加速エネルギー80keVで、注入量5×1017イオン/cm
2までの注入を段階的に行なった。
なお、これらの処理は、全て基板ホルダーを水冷し処理
中の基板温度を室温に保って行なった。
第1図の曲線(a)から(d)にこの様にして得られた
各試料に対するX線回折強度を示す。
曲線(a)は、イオン注入前の窒化アルミニウム薄膜の
結晶構造を示している。この曲線から上記成膜条件で形
成した窒化アルミニウム層は、(101)に配向した結晶
性窒化アルミニウムであることが解る。この窒化アルミ
ニウムにイオン注入を施すと、5×1016イオン/cm2(曲
線(b))〜1×1017イオン/cm2(曲線(c))の注入
量で、(002)及び(101)に配向した窒化アルミニウム
が混在した状態に変化し、更に注入量を増し5×1017
オン/cm2(曲線(d))では(002)C軸配向の単結晶
体となることが解る。
実施例2 まず、アセトンで超音波脱脂洗浄したシリコンウエハー
をイオンプレーティング装置に配置し、室内を2×10-6
Torrまで真空排気し窒素ガスを1×10-4Torrまで導入し
た後、99.99%純度のアルミニウムを電子ビームで加熱
溶融して蒸発させた。この蒸発アルミニウムと雰囲気の
窒素をイオン化用電子放出フィラメントより発生させた
電子ビームシャワー中を通過させてイオン化或は活性化
し、シリコンウエハー上で反応させ、成膜速度6.25Å/m
inで膜厚1000Åの窒化アルミニウム薄膜を形成した。
次いで、真空度1×10-6Torrのイオン注入室で窒素イオ
ンを加速エネルギー80keVで、注入量1×1017イオン/cm
2までの注入を行なった。
なお、これらの処理は、全て基板ホルダーを水冷し処理
中の基板温度を室温に保って行なった。
第2図の曲線(a)から(c)はこの様にして得られた
X線回折強度を示す。
曲線(a)は、イオン注入前の窒化アルミニウム薄膜の
結晶構造を表している。この曲線より上記成膜条件で形
成した窒化アルミニウム層は、非晶質状態であることが
解る。この窒化アルミニウムにイオン注入を施すと、5
×1016イオン/cm2(曲線(b))の注入量で、(101)
の配向性を持つ結晶性窒化アルミニウムに変化し、更に
注入量を増し1×1017イオン/cm2(曲線(c))では
(100)、(101)及び(102)の配向性をもつ結晶性窒
化アルミニウム層となることが解る。
このことから、本発明による窒化アルミニウム層の製造
方法を用いると、成膜により作製された窒化アルミニウ
ム薄膜が非晶質であってもイオン注入を施すことにより
結晶化させることができ、容易に結晶性窒化アルミニウ
ムを作製することが可能となった。
実施例3 まず、アセトンで超音波脱脂洗浄したスライドガラスを
イオンプレーティング装置に配置し、室内を2×10-6To
rrまで真空排気し窒素ガスを1×10-4Torrまで導入した
後、99.99%純度のアルミニウムを電子ビームで加熱溶
融して蒸発させた。この蒸発アルミニウムと雰囲気の窒
素をイオン化用電子放出フィラメントより発生させた電
子ビームシャワー中を通過させてイオン化或は活性化
し、スライドガラス上で反応させ、成膜速度6.25Å/min
で薄膜1250Åの窒化アルミニウム薄膜を形成した。
次いで、真空度1×10-6Torrのイオン注入室で窒素イオ
ンを加速エネルギー80keVで、注入量1×1017イオン/cm
2までの注入を行なった。
なお、これらの処理は、全て基板ホルダーを水冷し処理
中の基板温度を室温に保って行なった。
第3図は、この様にして得られた試料の窒素イオン注入
量と、光(波長6000Å)透過率の関係を示すグラフであ
る。未注入の窒化アルミニウムの透過率が66%であるの
に対し注入を施した窒化アルミニウムは注入量に関わら
ず約94%と高い値を示すとともに、容易に制御できるこ
とを示している。このとき、注入前後で窒化アルミニウ
ムの薄膜の変化はなかった。
このことから、本発明による窒化アルミニウム層の製造
方法を用いると、高透明度の要求される光学部品に対し
ての利用など、窒化アルミニウムの応用範囲を大幅に広
げることができることか分かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1実施例において得られた各試料に対する
X線回折強度を示すグラフ、 第2図は、第2実施例において得られた各試料に対する
X線回折強度を示すグラフ、 第3図は、第3実施例において得られた各窒化アルミニ
ウム試料の可視光透過率(透明度)と窒素イオン注入量
の関係を示すグラフ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム薄膜を形成し、然る後に
    窒素イオンの注入を行なうことを特徴とする結晶性窒化
    アルミニウムの製造方法。
  2. 【請求項2】前記窒化アルミニウム薄膜を形成する方法
    が、反応性イオンプレーティング法であることを特徴と
    する特許請求の範囲第(1)項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記窒化アルミニウム薄膜を形成する方法
    が、反応性スパッタリング法であることを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記窒化アルミニウム薄膜を形成する温度
    が、室温であることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項乃至第(3)項いずれか1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記注入した窒素イオンの最大濃度位置
    が、窒化アルミニウム薄膜と膜形成基板の界面近傍であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項乃至第
    (4)項いずれか1項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】窒素イオン注入温度が、室温である特許請
    求の範囲第(1)項乃至第(5)項いずれか1項記載の
    製造方法。
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