JPH0784689B2 - ジャカード機の経糸選択制御装置 - Google Patents

ジャカード機の経糸選択制御装置

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JPH0784689B2
JPH0784689B2 JP34439293A JP34439293A JPH0784689B2 JP H0784689 B2 JPH0784689 B2 JP H0784689B2 JP 34439293 A JP34439293 A JP 34439293A JP 34439293 A JP34439293 A JP 34439293A JP H0784689 B2 JPH0784689 B2 JP H0784689B2
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佐伯隆士
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佐伯 隆士
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジャカード機における
経糸の3段開口等、モケット織や、ハイローカーペット
の織成に必要な特殊杼口を形成するための経糸選択制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】織機の経糸選択機構は今日まで種々の形
式のものが開発されてきた。そのうちの一形式として
は、例えば各1本の経糸に連結された縦針を昇降フック
機構により選択的に係合駆動して経糸の上半開口を形成
し、また、非係合の縦針をそれ自体の支持ガイド機構
(地板)によりそのまま駆動して下半開口を形成し、こ
れによって完全な杼打開口を選択的に形成する機構があ
る。縦針をフックに係合させ、又は開放させるためには
概して電磁石が用いられるが、その電気エネルギー消費
を考慮し、近年の電子ジャカードではフックを待機状態
から縦針係合位置に移動させるための移動時間だけ電磁
石を付勢するようになっている。さらに、ソレノイドコ
アに対向するフック素子上の位置に永久磁石を用い、常
時は永久磁石の磁界による非励磁コアへの吸着力でフッ
クの離脱状態を維持し、ソレノイドコアに永久磁石を反
発する方向の励磁電流をパルス供給し、その後はリター
ンスプリングの復元力を加えることにより他の状態にも
たらす方式も存在する(実開平4−118483号)。
この後者の方式は、ソレノイドを1パルスの通電のみで
付勢することにより、フックの選択動作を完全に行って
消費電力を少なくし、ソレノイドの発熱を最低に抑える
ことはできるが、永久磁石の磁力とスプリング強度の調
整が微妙であり、また、スプリングの劣化による誤動作
が生じるおそれがある。
【0003】本発明者は先に、永久磁石を装備したフッ
クをソレノイドにより反発駆動する方式において、一瞬
の反発後は、リターンスプリングの復帰弾力によってい
た従来の縦針選択方式の欠点を無くすため、リターンス
プリングの代わりに縦針選択装置組立体上、その位置に
現れる正面磁性体部分によりフック部材の永久磁石を引
き付け、これによって製造コストが低く、かつ駆動電力
も少ない、しかも、安定に動作可能な経糸選択制御装置
を発明した。
【0004】上記先発明の経糸選択制御装置は、 a)下端が複数の通糸にそれぞれ連結された複数の縦針
の下部を案内し、かつ縦針行程の下端を規制するための
地板と、 b)前記複数の縦針の上部をそれぞれ案内する複数の貫
通型縦針ガイド通路を正面側に配列し、かつ選択的に縦
針と係合してこれを前記地板に関し相対的に昇降駆動す
るためのセレクトハウジングであって、各縦針ガイド通
路に対応する背面側に、その縦針ガイド通路を通る縦
針裏面に接離する方向において実質上直立した状態の微
小角度範囲内で揺動するように装備されたフックレバー
と、前記フックレバーの自由端近傍に装着された永久
磁石、及び前記永久磁石に対向して前記縦針通路と反
対側の位置に装着された電磁石であって、前記永久磁石
に対向した磁極と、磁極付け根に連なるヨーク部及びこ
のヨーク部の他端から前記磁極と同方向に突出した補助
極を有するもの、をそれぞれ有してなる前記セレクトハ
ウジングとを備え、 c) 前記縦針には、前記セレクトハウジングの前記地板
に関する最下端位置より僅かに上方の位置において、前
記フックレバーの接近を許容してこれを受け入れる長孔
を設けるとともに、受け入れたフックレバーの上端を係
止することによりそのレバーの上昇に伴ってその縦針を
上昇させるための係止縁を前記長孔の上端に形成すると
ともに、前記セレクトハウジングが前記最下端位置まで
相対的に移動するとき、前記地板により先に下降行程の
下端位置を規制されるその縦針における前記長孔の下端
に、前記長孔内のフックレバーを長孔外に押し戻すため
のカム面を連設し、 d)前記セレクトハウジングが前記地板に関する相対的
な上昇行程において前記最下端位置より僅かに上方の位
置に達した時、前記複数の電磁石を選択的にパルス付勢
することにより、付勢された磁極を対応する前記フック
レバーの永久磁石と同極性対向関係としてこのレバーを
対応する縦針に向かって反発駆動するようにしたもので
ある。
【0005】上記先発明の基本構成によれば、電磁石に
より反発駆動されたフックレバーは対応する縦針のフッ
クレバー受入用長孔中に位置し、さらに、継続するセレ
クトハウジングの相対的上昇においてそのフックレバー
の上端が長孔の上端係止縁に当接することにより、縦針
を押し上げ、ハウジング上昇行程の上端まで対応する縦
針を上昇させてこの縦針と上昇駆動されなかった縦針に
それぞれ繋がった経糸間で開口を形成し、次に、開口を
閉じるためのハウジング下降行程の終端部において地板
により先に下降行程の下端を規制された縦針のカム面
で、そのフックレバーを長孔外に押し出して初期状態に
戻すものであり、このような開口形成動作が連続して選
択的に行われることになる。
【0006】上記の装置動作において、電磁石により反
発駆動されたフックレバーが慣性により対応する針の長
孔中に揺動していくとき、フックレバーの永久磁石の正
面側の極は、ハウジング配列構成上前方に位置する磁性
体を引き付け、その吸引力でフックレバーの長孔内への
移動を迅速、かつ確実に行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記先発明
の経糸選択制御装置における縦針選択用のセレクトハウ
ジングが貫通型の縦針ガイド通路を有することを利用し
て、1本の縦針を長くし、第1の縦針ガイド通路(した
がって、第1のセレクトハウジング)を貫通して、その
上方又は下方に突出した縦針本体部の別の部分に第2の
セレクトハウジングを係合させることにより、従来1本
の経糸について2本の縦針と滑車の組合せで行っていた
3段開口方式等、複式動作による経糸選択制御を1本の
縦針で行おうとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題に対し、本発
明によるジャカード機の経糸選択制御装置は、 a)下端が複数の通糸にそれぞれ連結された複数の縦針
の下部を案内し、かつこれら縦針の自身に対する相対的
な高さが一定レベル以下とならないように制止するとと
もに、それ自身は昇降動作する地板と、 b)前記地板の上方において、前記複数の縦針の本体部
をそれぞれ案内する複数の貫通型縦針ガイド通路を正面
側に並行して配列し、かつ選択的に縦針と係合して前記
地板と接近および離間するように逆位相で昇降動作する
セレクトハウジングであって、各縦針ガイド通路に対応
する背面側に、その縦針通路を通る縦針裏面に接離す
る方向において実質上直立した状態の微小角度範囲内で
揺動するように装備されたフックレバーと、前記フッ
クレバーの自由端近傍に装着された永久磁石、及び前
記永久磁石に対向して前記縦針通路と反対側の位置に装
着された電磁石であって、前記永久磁石に対向した磁極
と、磁極付け根に連なるヨーク部及びこのヨーク部の他
端から前記磁極と同方向に突出した補助極を有するも
の、をそれぞれ有してなる第1のセレクトハウジング
と、 c)前記第1のセレクトハウジングが前記地板に接近し
た最下端位置より僅かに上昇した位置で、前記フックレ
バーの接近を許容してこれを受け入れるために、前記縦
針の各々においてその長さ方向に沿って設けられた長孔
であって、上端には受け入れたフックレバーの上端を係
止することによりそのレバーの上昇に伴ってその縦針を
上昇させるための係止縁を形成するとともに、下端には
前記セレクトハウジングが前記最下端位置まで移動する
とき、前記地板により先に下端位置に制止されたその縦
針位置において前記長孔内のフックレバーを長孔外に押
し戻すためのカム面を連設してなる第1の長孔と、 d) 前記複数の縦針の各々において、前記第1の長孔の
下方に一定の間隔を置いて設けられた前記第1の長孔と
同様な第2の長孔、及び e)前記第1のセレクトハウジングと同様なセレクトハ
ウジングであって、前記第1のセレクトハウジングの前
記最下端位置より僅かに上昇した位置において、自身の
フックレバーが前記第2の長孔に受入れられるように一
定位置に設けられた第2のセレクトハウジングを備え、 f)前記複数の通糸の下端は、対応するジャカード機の
複数の経糸、及びこれらの経糸を常時杼打ち開口の最下
端位置にもたらそうとするリターンスプリングに連結さ
れ、 g)前記第1のセレクトハウジングがその上昇行程にお
いて前記最下端位置より僅かに上方の位置に達した時、
前記複数の縦針の第1又は第2の長孔に対応する前記第
1又は第2のセレクトハウジングにおけるいずれかの電
磁石を選択的にパルス付勢することにより、付勢された
磁極を対応する前記フックレバーの永久磁石と同極対向
関係としてこのレバーを対応する縦針に向かって反発駆
動するようにしたジャカード機の3段開口式経糸選択制
御装置を構成したものである。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、地板がその最上端位置、
したがって、第1のセレクトハウジングがその最下端位
置を占めるとき、第1及び第2のセレクトハウジングの
リセット状態(フックレバー強制退出状態)となり、こ
の状態から第1セレクトハウジングが僅かに上昇(地板
が僅かに下降)したとき、両セレクトハウジングの各フ
ックレバーは、1本の縦針において対応する第1及び第
2の長孔に対峙し、対応する電磁石が励磁されればその
長孔内に入って係止され、それが第1のセレクトハウジ
ングのフック係止であればその上昇に従って縦針を杼打
開口の上段位置まで駆動し、また、第2のセレクトハウ
ジングのフック係止であれば、縦針をその係止位置(杼
打開口の中段位置)に維持する。当然ながら、第1、第
2のセレクトハウジングともフック係止動作がなけれ
ば、縦針は地板に従って下降し、最下端位置(杼打開口
の下段位置)にもたらされる。
【0010】このようにして、各動作サイクルの開口時
点において複数の縦針各々に上段、中断又は下段位置を
占め、いわゆる3段開口が形成されることとなる。
【0011】
【実施例】図1及び図2は実施例の基本構造を示すもの
である。図において、1は金属又は合成樹脂プラスチッ
クからなる地板、2a及び2bは可動フレーム3a及び
3bにそれぞれ支持された合成樹脂プラスチックからな
る同一構造のセレクトハウジングであり、第1のもの
(2a)は仮想線により図示を簡略化したものである。
4はセレクトハウジング2a、2b及び地板1に嵌合し
た縦針であり、下端4aに形成された鉤部にジャカード
機の各経糸に連なる通糸の上端が結び付けられるもので
ある。
【0012】好ましくは図1において、地板1及びその
上方のセレクトハウジング2aは中間の固定セレクトハ
ウジング2bを挟んで互いに接近及び離間する態様で相
対的、かつ周期的に昇降動作し、その最大間隔に達した
折り返し時点で、いわゆる3段経糸開口を形成するよう
になっている。縦針4は細幅にされた下部4bが地板1
の対応する挿通孔5に嵌入され、下部4bより広幅の上
部4cがセレクトハウジング2a、2bの対応する縦針
ガイド通路6に嵌入されて選択的にこれらのハウジング
に駆動されることにより共に移動し、又はこれらのガイ
ド通路6内を上下方向に慴動するものである。縦針の上
部4cの正面は各ガイド通路6から露出しているが、ガ
イド通路6の側縁にはその上端及び下端と中間よりやや
低い位置において、あり溝を形成する縁7が設けられ、
これに対応して縦針4の両側部に形成された段縁17が
このあり溝に係合してガイド通路6との係合状態を維持
するものである。
【0013】セレクトハウジング2a、2bには、この
実施例において、各8個の並列した縦針ガイド通路6が
形成され(したがって、セレクトハウジング2a、2b
には共通する8本の縦針4が装備される。)、各縦針ガ
イド通路6内の対応する縦針4に対向する位置には、下
端を支点軸8に枢支されたフックレバー9が装備され
る。このフックレバー9の自由端、すなわち上端部はセ
レクトハウジング2a、2bが、地板1に関する相対的
最下端位置よりわずかに上方に位置するとき(静止した
ハウジング2bにおいては、地板1の下降開始により与
えられる。)、縦針4に形成された対応する長孔10内
に移動可能な位置となる。なお、この相対的最下端位置
を以下「リセット位置」と呼ぶ。さらに、セレクトハウ
ジング2a、2bにおいて、フックレバー9の背後には
その自由端近傍に対応した位置に電磁石11が設置され
る。電磁石11はE型鉄心12とそのE型鉄心12の中
央主磁石13に嵌着されたソレノイドコイル14とから
なっている。
【0014】図2は関連する縦針4とともにセレクトハ
ウジング2a、2bの対を複数個重畳的に整列配置した
状態を示す一部を断面とした配列図であり、上述した縦
針4の長孔10とフックレバー9及びフックレバー9後
方の電磁石11との関係がより詳細に示されている。図
2の状態は、前述したセレクトハウジング2a、2bの
リセット位置よりわずかに上方の位置であり、図示のフ
ックレバー9は電磁石11に反発駆動されれば、その上
端部15が縦針4の長孔10内に移動可能であることが
理解されるであろう。長孔10の上端はフックレバー上
端15の傾斜端面に対応して傾斜した係止縁10aを有
し、長孔10の下部にはフックレバー9の受床となる傾
斜したカム面10bが形成されている。フックレバー9
には後述する永久磁石16が両側磁極面をフックレバー
の前後方向に向けて装填されている。
【0015】次に、図3及び図4を参照して電磁石11
がフックレバー9の永久磁石16に作用してこれを反発
駆動する態様と、フックレバー9と縦針4とが係合する
態様をそれぞれ説明する。図3は前述したセレクトハウ
ジング2a、2bが、それらのリセット位置よりやや地
板1からの離間が大きくなったところで、フックレバー
9がその永久磁石16と電磁石11のE型鉄心12との
吸引作用により完全に直立した後退位置に維持された状
態を示すものであり、この状態からセレクトハウジング
2a又は2bにおける電磁石11のソレノイドコイル1
4が所定方向に流れる直流パルスにより付勢されると、
電磁石11の中央主磁極13は永久磁石16の対向磁石
面と同一の磁気極性となり、これによる反発作用により
フックレバー9は前方に押しやられ、その瞬間、電磁石
11を付勢したパルス電流が遮断されてその励磁作用は
なくなるが、フックレバー9の永久磁石16はすでに電
磁石11の支持極13から十分に離れているため、再び
それとの間で引力を生ずることなく慣性により揺動し、
やがて対応する縦針4の長孔10の前面に位置する磁性
体(この場合、前隣のセレクトハウジングにおいて対応
する位置にあるE型鉄心12の後部ヨーク12a)に対
する永久磁石16の前端磁極面の引力作用により仮想線
で示した傾き位置に維持される。なお、フックレバー9
の先端は、前隣のセレクトハウジング2a又は2b(図
示せず)の電磁石支持部にも当接し、それ以上は傾かな
い。この傾き角度は、数度以下の微小角度であるため、
フックレバー9はなお実質的な直立状態にあるというこ
とができる。この状態において、フックレバー9の先端
部15は長孔10の係止縁10aの直下に位置し、ま
た、フックレバー9の正面主要部は長孔10の下端部を
なす斜面10bに当接する。
【0016】このとき、上部セレクトハウジング2aの
上昇行程及び地板1の下降行程は開始したばかりであ
り、さらに、その行程が進むと、フックレバー9の先端
部15は長孔10の係止縁10aに完全に当接し、さら
に、上部セレクトハウジング2aの場合はこのハウジン
グとともに上昇してその係止縁を押動し、対応する縦針
4を上昇駆動し、セレクトハウジング2bの場合には下
降する地板1に伴われた縦針4の以後の下降を阻止する
ことになる。したがって、セレクトハウジング2bの上
昇行程、及び地板1の下降行程が終了すると、連動する
縦針4に連結された通糸により対応する経糸がセレクト
ハウジング2aによって上段まで持ち上げられるか、又
はセレクトハウジング2bによって中段(前記阻止位
置)に維持され、いずれのハウジングの係合動作をも受
けずに地板1とともに下段まで下降した経糸との間でい
わゆる3段開口が形成される。一定の開口形成時間内に
おいて杼打が行われた後、セレクトハウジング2aの下
降及び地板1の上昇が開始し、両ハウジングが再びリセ
ット位置に近づくと、縦針4は地板によって制止され、
セレクトハウジング2a、2bとも、それらのフックレ
バー9の上端部15は図3の仮想線で示す通り、縦針4
の係止縁10aから一定の間隙を有し、フックレバー9
の正面主要部は長孔10の斜面10bに当接する。セレ
クトハウジング2a、2bは地板1になおわずかに接近
すると、長孔10内におけるフックレバー9の正面はこ
の斜面10b上を慴動し、カム作用を受けて後方に押動
されることになり、瞬時にして永久磁石16が当該セレ
クトハウジング2a又は2bの電磁石11における主磁
極13を引き付けようとし、再び完全直立位置を維持す
るものである。この状態で、リセット位置まで駆動され
たセレクトハウジング2a、2bは再び地板1との離間
を拡大する時間帯に入り、前述したような電磁石11に
よる選択付勢可能な位置、すなわち通電可能位置(図
3)となり、以下、前記と同様な経糸選択及び開口形成
サイクルが繰り返されるわけである。
【0017】図5〜図7は、前述した本発明の装置によ
る3段開口形成において、開口下段位置を形成する場合
(図5)、開口中段位置を形成する場合(図6)、及び
開口上段位置を形成する場合(図7)をそれぞれ模式化
し、いずれもリセット位置(a)から、通電可能位置
(b)を経て各開口形成状態(c)に到る過程を示すも
のである。すなわち、図5の下段位置(c)を得るため
には通電可能位置(b)において、いずれのセレクトハ
ウジングの電磁石も励磁されず、フックレバー9は完全
直立状態のままであり、図6の中段位置(c)を得るた
めには通電可能位置(b)において、下部セレクトハウ
ジング2bの電磁石が励磁されてフックレバー9を対応
する長孔10に係合せしめ、図7の上段位置(c)を得
るためには通電可能位置(b)において、上部セレクト
ハウジング2aが励磁動作してそのフックレバー9を対
応する長孔10に係合させるものであることが理解され
よう。
【0018】先に説明した図2はセレクトハウジング2
a、2bの対を重畳的に整列させる状態を示している
が、これは例えば図8に示すように、8行10列で示し
たマトリクスの各列が8本の縦針4を扱う各1対のセレ
クトハウジングであり、それが10枚重ねられた状態で
実際のジャカード機の80本の経糸に適用される。この
マトリクスの下方に図示した複数の線条は、ジャカード
機における経糸配列を示すものであり、実施例におい
て、その左端の経糸#1から順次#80までは前記第1
の縦針マトリクス18により操作される。この場合、第
1〜8番目までの経糸は第1列目のセレクトハウジング
対2の第1〜8番目までの縦針4が処理し、第9〜16
番目の経糸は第2列目のセレクトハウジング対2におけ
る第1〜8番目までの縦針4がそれぞれ操作し、このよ
うにして第80番目の経糸は第10列目のセレクトハウ
ジング対2における第8番目の縦針4に操作されること
になる。同様にして、10個のセレクトハウジング対に
よる第2の縦針マトリクス19を形成し、これによって
第81番目の経糸から第160番目の経糸までを取り扱
うことになる。
【0019】本発明によれば、このように経糸をブロッ
ク分けし、そのブロック毎にその真上に位置させたセレ
クトハウジングの組を適用するため、縦針と経糸とを結
ぶ通糸の寸法又は角度がその最大値と最小値でそれほど
大きく相違しないことが明らかである。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の取り、電磁石をパルス駆
動し、駆動電力を小さくした縦針貫通型の同時複式動作
による係止選択制御装置を構成したため、ジャカード機
における3段開口形成を、きわめてコンパクトな設備構
成において、低コストで達成できるようにしたものであ
る。
【0021】また、本発明のセレクトハウジング対を複
数個重畳的に整列させる場合には、従来のスプリングに
代わる駆動力補助及び係合位置保持手段としての磁性体
を最前列のハウジングに対して以外は特別設ける必要な
く、通糸の短縮化と相まってきわめて効果的にジャカー
ド機に組み付けることができる。
【0022】なお、電磁石のE型鉄心はそれが励磁され
た場合でも、中央主磁極と両側補助極、及び後部ヨーク
との間で完結した磁気回路を形成するため、電磁石が励
磁された場合でも、ヨーク部背面は何等極性を持たない
磁性体としてそのまま後方の永久磁石と作用するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるセレクトハウジングの
一部破断正面図である。
【図2】図1のセレクトハウジング対を重畳的に配列し
た状態の一部を示す部分断面‐側面図である。
【図3】セレクトハウジング中のフックレバーと対応す
る縦針4の関係を縦針選択可能位置において示す部分側
断面図である。
【図4】セレクトハウジング内における縦針とフックレ
バーとの係合状態を示す図3と同様な部分側面図であ
る。
【図5】本発明の装置により3段開口の下段を形成する
工程の模式図である。
【図6】本発明の装置により3段開口の中段を形成する
工程の模式図である。
【図7】本発明の装置により3段開口の上段を形成する
工程の模式図である。
【図8】本発明のセレクトハウジング対の重畳配列と係
止配列との対応関係を示す略図である。
【符号の説明】
1 地板 2a、2b セレクトハウジング 3a、3b 可動フレーム 4 縦針 4a 縦針の下端 4b 縦針の下部 4c 縦針の上部 5 挿通孔 6 縦針ガイド通路 7 縁 8 支点軸 9 フックレバー 10 長孔 10a 係止縁 10b 長孔の斜面 11 電磁石 12 E型鉄心 12a 鉄心の後部ヨーク 13 主磁石 14 ソレノイドコイル 15 フックレバーの先端部 16 永久磁石 17 段縁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)下端が複数の通糸にそれぞれ連結さ
    れた複数の縦針の下部を案内し、かつこれら縦針の自身
    に対する相対的な高さが一定レベル以下とならないよう
    に制止するとともに、それ自身は昇降動作する地板と、 b)前記地板の上方において、前記複数の縦針の本体部
    をそれぞれ案内する複数の貫通型縦針ガイド通路を正面
    側に並行して配列し、かつ選択的に縦針と係合して前記
    地板と接近および離間するように逆位相で昇降動作する
    セレクトハウジングであって、各縦針ガイド通路に対応
    する背面側に、その縦針通路を通る縦針裏面に接離す
    る方向において実質上直立した状態の微小角度範囲内で
    揺動するように装備されたフックレバーと、前記フッ
    クレバーの自由端近傍に装着された永久磁石、及び前
    記永久磁石に対向して前記縦針通路と反対側の位置に装
    着された電磁石であって、前記永久磁石に対向した磁極
    と、磁極付け根に連なるヨーク部及びこのヨーク部の他
    端から前記磁極と同方向に突出した補助極を有するも
    の、をそれぞれ有してなる第1のセレクトハウジング
    と、 c)前記第1のセレクトハウジングが前記地板に接近し
    た最下端位置より僅かに上昇した位置で、前記フックレ
    バーの接近を許容してこれを受け入れるために、前記縦
    針の各々においてその長さ方向に沿って設けられた長孔
    であって、上端には受け入れたフックレバーの上端を係
    止することによりそのレバーの上昇に伴ってその縦針を
    上昇させるための係止縁を形成するとともに、下端には
    前記セレクトハウジングが前記最下端位置まで移動する
    とき、前記地板により先に下端位置に制止されたその縦
    針位置において前記長孔内のフックレバーを長孔外に押
    し戻すためのカム面を連設してなる第1の長孔と、 d) 前記複数の縦針の各々において、前記第1の長孔の
    下方に一定の間隔を置いて設けられた前記第1の長孔と
    同様な第2の長孔、及び e)前記第1のセレクトハウジングと同様なセレクトハ
    ウジングであって、前記第1のセレクトハウジングの前
    記最下端位置より僅かに上昇した位置において、自身の
    フックレバーが前記第2の長孔に受入れられるように一
    定位置に設けられた第2のセレクトハウジングを備え、 f)前記複数の通糸の下端は、対応するジャカード機の
    複数の経糸、及びこれらの経糸を常時杼打ち開口の最下
    端位置にもたらそうとするリターンスプリングに連結さ
    れ、 g)前記第1のセレクトハウジングがその上昇行程にお
    いて前記最下端位置より僅かに上方の位置に達した時、
    前記複数の縦針の第1又は第2の長孔に対応する前記第
    1又は第2のセレクトハウジングにおけるいずれかの電
    磁石を選択的にパルス付勢することにより、付勢された
    磁極を対応する前記フックレバーの永久磁石と同極対向
    関係としてこのレバーを対応する縦針に向かって反発駆
    動するようにしたことを特徴とするジャカード機の3段
    開口式経糸選択制御装置。
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