JPH0785142B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0785142B2
JPH0785142B2 JP15266386A JP15266386A JPH0785142B2 JP H0785142 B2 JPH0785142 B2 JP H0785142B2 JP 15266386 A JP15266386 A JP 15266386A JP 15266386 A JP15266386 A JP 15266386A JP H0785142 B2 JPH0785142 B2 JP H0785142B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液晶表示装置に関し、特にマルチプレックス
駆動方式(時分割駆動方式)に好適なツイストネマティ
ックタイプ(以下、「TNタイプ」ともいう。)の液晶表
示装置に関するものである。
〔技術の背景〕
液晶表示装置は、消費電力が小さいこと、製造コストが
低いこと、軽量および薄型化が可能であること、カラー
化が容易であること等の利点を有することから、現在TN
タイプを中心に用途が拡大している。
TNタイプの液晶表示装置は、配向処理した2枚の電極基
板の間に正の誘電率異方性を有するネマティック液晶を
封入して構成され、通常、液晶分子が連続的に90゜ねじ
れた状態とされている。
このねじれ角が90゜のタイプ(以下、「90゜ねじれタイ
プ」ともいう。)の液晶表示装置は、生産が簡単で大量
生産に好適であり、また応答が速い利点がある。
しかしながら、この90゜ねじれタイプの液晶表示装置
は、印加電圧の変化に対する透過光(あるいは反射光)
の強度変化が緩やかなため、マルチプレックス駆動時に
おいて時分割次数を大きくする場合には、コントラスト
が低く鮮明な映像を得ることが困難であり、また視野角
も狭いという問題点を有し、結局ハイマルチプレックス
駆動方式を適用するには限界がある。例えば、表示画面
の大きさがAサイズ程度である液晶表示装置において
は、マルチプレックス駆動におけるデューティ比が1/20
0以上であることが実用上好ましいとされているが、実
用化されている液晶表示装置においては、当該デューテ
ィ比が1/100程度であり、そのコントラスト比(選択時
と非選択時の輝度比)が3程度と低いものである。
このような90゜ねじれタイプの液晶表示装置の問題点を
解決する技術として、特開昭60−107020号公報におい
て、液晶分子のねじれ角が180〜360゜であり、かつ少な
くとも一方の電極基板に配向する液晶分子のダイレクタ
方向と電極基板面とのなす角度(以下、「プレティルト
角度」ともいう。)が5゜より大きい特徴を有する液晶
表示装置が開示されている。この液晶表示装置によれ
ば、印加電圧に対する透過光の強度変化が急峻なため、
例えば1/100のデューティ比でマルチプレックス駆動す
る場合には、19.6という高コントラスト比を実現させる
ことが可能であるとされている。
しかしながら、この液晶表示装置においては、双安定効
果に対して充分な配慮がなされておらず、そのため液晶
表示装置を高デューティ比でマルチプレックス駆動する
場合には応答が遅いという問題点がある。すなわち、こ
の液晶表示装置の液晶セルにおいては、通常、印加電圧
の上昇時と下降時の透過光の強度変化が異なる、いわゆ
るヒステリシス現象が生じ、これによる双安定効果によ
って時分割駆動時の動作電圧範囲が狭められたり、ある
いはオン・オフの応答時間が長くなる等の問題点があ
る。また、これらの結果として、わずかな液晶セル厚の
不均一性、温度変化等により、表示不良が生じやすくな
る。このため、できるだけ双安定効果を抑制することが
必要となる。
〔発明が解決しようとする問題点〕 このようなことから、本発明者等は、各々配向層を有す
る一対の基板間に配される液晶組成物における液晶分子
のねじれ角の大きさが、180゜以上360゜以下であり、か
つ液晶分子の自発ねじれピッチPSと、配向層により液晶
分子の配列が強制的に規制されたときの液晶分子の規制
ねじれピッチPCとの間に、0<(PC−PS)/PC≦0.3の関
係式が成立する特徴を有する液晶表示装置を提案した
(特願昭60−267081号明細書参照)。
斯かる液晶表示装置によれば、液晶セルの双安定効果を
ある程度抑制することができ、その結果駆動電圧の余裕
度を大きくすることができ、コントラスト比および応答
速度の改善を相当に図ることができる。
しかしながら、最近においては、さらに一層短い時間で
応答し得る液晶表示装置の開発が望まれるようになり、
上記技術をさらに一層改善することが必要とされるに至
った。
〔発明の目的〕
本発明は、以上の如き事情に基いてなされたものであっ
て、その目的は、高デューティ比でマルチプレックス駆
動する場合においても、コントラスト比が充分高く、し
かもオン・オフに要する時間が極めて短くて優れた応答
特性を有する液晶表示装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の液晶表示装置は、各々配向層を有する一対の基
板間に液晶組成物を配してなる液晶表示装置において、
下記条件(a)乃至(d)を満たすことを特徴とする。
(a)前記一対の基板間に配された液晶組成物における
液晶分子のねじれ角の大きさが、200〜300゜であるこ
と。
(b)前記配向層の少なくとも一方の配向層表面に接す
る液晶分子のダイレクタ方向と、当該配向層を有する基
板面とのな角度(プレティルト角度)が5゜以上である
こと。
(c)液晶分子の自発ねじれピッチPSと、配向層により
液晶分子の配列が強制的に規制されたときの液晶分子の
規制ねじれピッチPCとの間に、以下の関係式が成立す
ること。
0<(PC−PS)/PC≦0.3 …… (d)前記液晶組成分のツイスト弾性定数k22と、ベン
ド弾性定数k33との間に、以下の関係式が成立するこ
と。
1.8<k33/k22<2.5 …… またさらには、(e)液晶組成物の誘電率異方性Δε
と、液晶分子長軸方向に直角方向の誘電率εの比Δε
/εが1.8以上であることを特徴とする。
〔発明の作用効果〕
本発明の液晶表示装置は、上記条件(a)乃至(d)を
満たすものであるので、後述の実施例の説明からも理解
されるように、液晶セルにおける双安定効果が必要最小
限に抑制され、その結果高デューティ比でマルチプレッ
クス駆動する場合においても、充分高いコントラスト比
が得られると共に、オン・オフに要する時間が極めて短
くて優れた応答特性を有する。
本発明によれば、実際に、コントラスト比が13以上で、
しかも応答時間が150msec以下の特性を有する液晶表示
装置を得ることができ、従来の装置に比して格段に性能
の優れたものである。
さらには、好ましい条件(e)を採用することにより、
液晶表示装置においては低い駆動電圧により充分にハイ
マルチプレックス駆動を行うことができ、安価で消費電
力の小さな液晶表示装置を得ることが可能となる。
〔発明の具体的構成〕
以下、本発明を具体的に説明する。
第1図は、本発明に係る液晶表示装置の要部を分解して
示す説明図である。第1図において、1および2は配向
層(図示せず)を有する基板、9および10は偏光素子、
Cは液晶層である。
本発明においては、(a)液晶分子のねじれ角αの大き
さが、200〜300゜、好ましくは240〜290゜であることが
必要である。
このねじれ角αが200゜未満の場合には、印加電圧に対
する透過光の強度変化が緩やかとなるため、高次の時分
割駆動時に充分高いコントラスト比が得られなくなり、
また視野角が狭くなる。一方ねじれ角αが300゜を超え
る場合には、コントラスト比は高くなるが、反面オン・
オフに要する時間が長くなって応答特性が低下し、また
オン・オフの切換え時に液晶分子の配向のみだれが生じ
やくなり、その結果表示品質が低下する。
このねじれ角αは、基板1および2における液晶分子の
配向方向を規定するための配向処理の方向、液晶層Cを
構成するネマティック液晶あるいはこれに添加される旋
光性物質の種類、量等によって規定することができる。
なお、第1図において、ねじれ角αは、入射光の進行方
向に左回りのねじれを示しているが、これは本発明を規
定するものではなく、当該ねじれ方向は右回りであって
もよい。
本発明においては、(b)一対の配向層の少なくとも一
方の配向層表面に接する液晶分子のダイレクタ方向と、
当該配向層を有する基板面とのなす角度(プレティルト
角度)が5゜以上、好ましくは15゜以上であることが必
要である。なお、ダイレクタ方向とは、液晶分子の分子
長軸が優先的に配向している方向をいう。
このプレティルト角度が、一対の配向層のいずれの側に
おいても5゜未満である場合には、印加電圧に対する透
過光の強度変化が急峻にならず、オン・オフの切換え時
において液晶分子の配向のみだれが生じやすくなり、そ
の結果表示品質が低下する。
本発明においては、(c)液晶分子の自発ねじれピッチ
PSと、配向層により液晶分子の配列が強制的に規制され
たときの液晶分子の規制ねじれピッチPCとの間に、以下
の関係式が成立することが必要である。
0<(PC−PS)/PC≦0.3 …… この(PC−PS)/PCの値が0以下である場合には、液晶
セルにおいて双安定効果が大きくなり、その結果コント
ラスト比は高くはなるが、反面オン・オフに要する時間
が長くなって応答特性が低下する。一方、この(PC
PS)/PCの値が0.3を超える場合には、印加電圧に対する
透過光の強度変化が緩やかとなり、充分高いコントラス
ト比を得ることができず、またオン・オフの切換え時に
液晶分子の配向のみだれが生じやすくなり、表示品質が
低下する。
ここで、自発ねじれピッチPSとは、通常のネマティック
液晶に旋光性物質等を添加することにより、液晶中に生
ずる液晶分子の自然のねじれにおけるピッチをいう。具
体的には、第2図に示すように、支持板11および21の相
対する表面に配向層6および7をそれぞれ形成してなる
基板1および2をくさび状に配置して液晶セルを構成
し、この液晶セル内に液晶組成物を封入し、このとき液
晶セル面に生ずるしま模様(1/2ピッチごとのディスク
リネーションライン)の間隔rと液晶セル厚(液晶双C
の厚さ)dと液晶セル長lとを測定することにより、下
記式によって求めることができる。
自発ねじれピッチPS=2dr/l 第2図において、8はスペーサ、9および10は偏光素子
であり、また、配向層6および7には互いにそれぞれ平
行方向の配向処理がなされている。
また、規制ねじれピッチPCは、第1図において、液晶層
Cの厚さdと、基板1および2の配向層の配向処理方向
によって規定される液晶分子のねじれ角αとにより、下
記式によって規定される。
規制ねじれピッチPC=(360゜/α)×d 本発明においては、(d)液晶組成物のツイスト弾性定
数k22と、ベンド弾性定数k33との間に、以下の関係式
が成立することが必要である。
1.8<k33/k22<2.5 …… このk33/k22の値が1.8未満である場合には、双安定効果
がほとんど得られず、その結果印加電圧に対する透過光
の強度変化が緩やかとなり、充分高いコントラスト比を
得ることができない。一方、このk33/k22の値が2.5を超
える場合には、双安定効果が過大となり、その結果オン
・オフに要する時間が長くなって応答特性が低下し、ま
たストライプ状の液晶配向のみだれが生じやすくなる。
本発明の液晶表示装置は、以上のように、条件(a)乃
至(d)を満たすものであるので、高デューティ比でマ
ルチプレックス駆動する場合においても、印加電圧に対
する透過光の強度変化を一層急峻なものとすることがで
きて、充分高いコントラスト比を得ることができるう
え、オン・オンフに要する時間も極めて短くて優れた応
答特性を有するものである。
さらに本発明においては、(e)液晶組成物の誘電率異
方性Δεと、液晶分子長軸方向に直角方向の誘電率ε
の比Δε/εが1.8以上であることが好ましい。この
ような好ましい範囲を選定することにより、液晶表示装
置においては低い駆動電圧により充分にハイマルチプレ
ックス駆動を行うことができ、安価で消費電力の小さな
液晶表示装置を得ることが可能となる。
このΔε/εの値が過小の場合には、駆動電圧が高く
なり、また印加電圧に対する透過光の強度変化が緩やか
となり、充分高いコントラスト比を得ることが困難とな
る場合がある。
次に、本発明に係る液晶表示装置を実際に作製するに際
しての、その他の好ましい条件について説明する。
(イ)液晶組成物がネマティック液晶よりなり、当該液
晶組成物のネマティック液晶から等方性液体への転移温
度TNIが90℃以上であることが好ましい。
すなわち、このような好ましい条件を選択することによ
り、液晶表示装置の通常の使用温度範囲内において、表
示色、駆動電圧、応答速度等の温度変化に起因する変動
を小さく抑制することが可能となり、その結果信頼性の
高い液晶表示装置を得ることができる。
(ロ)液晶組成物の屈折率異方性Δnは、0.12以上であ
ることが好ましい。
すなわち、このような好ましい条件を選択することによ
り、液晶セルを薄くすることが可能となり、その結果オ
ン・オフに要する時間が極めて短くて一層優れた応答特
性を有するものとなる。
(ハ)液晶組成物の温度20℃における粘度ηは、30cp以
下であることが好ましい。
すなわち、このような好ましい条件を選択することによ
り、液晶表示装置における立ち下がり時間を極めて短く
することができ、一層優れた応答特性を有するものとな
る。
さらに、本発明においては、液晶双Cの屈折率異方性Δ
nと、液晶層Cの厚さd(μm)との積Δn・dが、0.
4〜1.5であることが好ましく、特に0.8〜1.2であること
が好ましい。このような好ましい条件を選択することに
より、さらに高いコントラスト比が得られ、また表示画
面を明るくすることが可能となる。
なお、第1図において、βは、偏光素子9の偏光軸方向
と、基板1の表面に接する液晶分子のダイレクタ方向す
なわち液晶分子の分子長軸が優先的に配向している方向
(ただし、液晶分子が基板表面とゼロでないプレティル
ト角度を有しているときは、そのダイレクタ方向の基板
表面への射影方向)とのなす角度(以下、「ずれ角度」
ともいう。)であり、γは、偏光素子10の偏光軸方向
と、基板2の表面に接する液晶分子のダイレクタ方向と
なすずれ角度である。
これらのずれ角度βおよびγは、これらの和β+γの値
が、±90゜あるいは0゜を中心にして、±20゜以内の範
囲にある値となるように設定されることが好ましい。ま
たさらには、ずれ角度βの値が、(360゜−α)/2を中
心にして、±15゜以内の範囲にある値となるように設定
されることが好ましい。このようにずれ角度βおよびγ
の値を好ましい値に設定することにより、光透過状態に
より明るいものとすることができ、また光非透過状態を
より暗いものとすることができ、その結果コントラスト
をさらに向上させることができる。
さらにまた、本発明においては、液晶分子のねじれ状態
を安定にし、異なるねじれ角を有する液晶分子の配列部
分が生じないようにするために、液晶層Cの厚さdと自
発ねじれピッチPSとの間に、以下の関係式が成立するこ
とが好ましい。
(α/360)−0.25<d/PS<(α/360)+0.30 本発明に用いることができる、配向層を有する基板を得
るための手段としては、特に限定されず従来公知の種々
の手段を採用することができる。具体的には、例えばSi
O,MgO,MgF2等の蒸着物質を基板表面に斜めの角度から蒸
着して当該基板表面を配向処理する手段、例えばイミド
系、アミド系、ポリビニルアルコール系、フェノキシ系
等の高分子物質の被膜を基板表面に形成し、この被膜の
表面を綿布、ビニロン布、テトロン布、脱脂綿等によっ
て擦り、基板の表面に一定方向の溝を形成するラビング
法により配向処理する手段、あるいは基板の表面にカル
ボン酸クロム錯体、有機シラン化合物などを塗布あるい
はプアズマ重合法等により被着し、化学的吸着により液
晶分子を基板に配向させる手段、その他の手段を用いる
ことができる。
本発明において用いることができる、液晶層Cを構成す
る液晶組成物としては、例えば下記に示すようなネマテ
ィック液晶、あるいはこれらの混合物等を挙げることが
できる。しかし、これらに限定されるものではない。
(1)下記構造式で示されるシクロヘキシカルボン酸エ
ステル系化合物 (ただし、Xは、R(炭素数が1〜18のアルキル基、以
下においても同様)、OR、CN、 を表す。) (2)下記構造式で示されるビフェニル系化合物 (ただし、Xは、R、OR、 を表す。) (3)下記構造式で示されるフェニルシクロヘキサン系
化合物 (ただし、Xは、R、OR、CN、 を表す。) (4)下記構造式で示されるピリミジン系化合物 (ただし、Xは、R、CN、 を表し、 Yは、R、OR、CNを表す。) (5)下記構造式で示されるアゾ系−アゾキシ系化合物 (ただし、Xは、−N=N−、 を表す。) (6)下記構造式で示される安息香酸エステル系化合物 (ただし、Xは、R、RO、 を表し、 Yは、R、OR、CN、 を表す。) (7)下記構造式で示されるトラン系化合物 (ただし、XおよびYはそれぞれ、F、R、OR、 を表す。) (8)下記構造式で示されるエタン系化合物 (ただし、XおよびYはそれぞれ、R、OR、 本発明に用いる液晶組成物には、必要に応じてスメクテ
ィック液晶成分、コレステリック液晶成分等が含有され
ていてもよい。
本発明に用いる液晶組成物中に含有される旋光性物質と
しては、一般にはカイラルネマティック液晶と呼ばれ
る、たとえば下記一般式で示される光学活性基を末端基
として有するエステル系、ビフェニル系、フェニルシク
ロヘキサン系またはアゾ系等のネマティック液晶を用い
ることができる。
(ただし、R1,R2,R3は、各々アルキル基または水素原子
であり、R1,R2,R3は互いに異なる。) 具体的には、例えば以下に示す構造式で示される化合物
を用いることができる。
本発明に用いる液晶組成物中に含有される旋光性物質と
しては、ネマティック液晶への単位添加量当たりの自発
ねじれピッチを十分に短くすることができるものである
ことが好ましく、そのようなものを選択することによ
り、ネマティック液晶への旋光性物質の必要添加量を小
さく抑制、好ましくは1.5重量%以下に抑制することが
でき、その結果旋光性物質の添加に起因して生ずるネマ
ティック液晶から等方性液体への転移温度TNIの低下を
最小限にとどめることができ、また自発ねじれピッチの
温度依存性を小さくすることができる。また、本発明に
おいては、自発ねじれピッチの温度依存性をより小さく
するために、自発ねじれピッチの温度変化係数が互いに
逆符号である複数種の旋光性物質を組合わせて用いても
よい。
〔具体的実施例〕
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
第3図は、本発明に係る液晶表示装置の一実施例を示す
説明用断面図である。この例の液晶表示装置において
は、2枚の基板1および2が離間した状態で対向して配
置され、基板1は、支持板11の内側の表面に電極層4お
よび配向層6を設けて構成され、また基板2は、支持板
21の内側の表面に電極層5および配向層7を設けて構成
されている。さらに基板1と基板2との間の空間はシー
ル部3によってシールされ、液晶セルが構成されてい
る。液晶セルの内部には、複数のスペーサ8がそれぞれ
離間した状態で配置されると共に、液晶組成物が充填さ
れ、液晶層Cが形成されている。また、基板1および基
板2の外側の表面には、それぞれ前方偏光素子9および
後方偏光素子10が設けられている。同図において、13は
後方偏光素子10の外素の表面に設けられた反射板であ
る。なお、透過タイプの液晶表示装置においては、反射
板13用いなくてもよい。
前記支持板11および21を構成する材料としては、ソーダ
ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等のガラス;1軸
延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリビニルアルコール等よりなるプラスチックシ
ート;アルミニウム、ステンレススチール等よりなる金
属シート;等を用いることができる。
前記電極層4および5は、例えば厚さ1.1mmの支持板11
および21の表面に平行に離間して配置された例えば厚さ
1000ÅのITO(スズとインジウムの酸化物)よりなる透
明電極EおよびE′により構成され、一方の電極層4を
構成する透明電極Eと他方の電極層5を構成する透明電
極E′はそれぞれが交互に直角をなすよう配置され、こ
れによって、例えば0.3mm×0.3mmの画素からなるマトリ
ックス形表示の電極構造が構成されている。
前記配向層6および7は、例えばSiOを蒸着材料として
用いて斜め蒸着法(蒸着角度:支持板11および21に対し
てそれぞれ7゜)により形成してなる例えば厚さ500Å
の蒸着膜により構成されている。
なお、基板1および基板2には、必要に応じてさらに誘
電体層、アルカリイオン移動防止層、反射防止層、偏光
層、反射層等を設けてもよい。
前記前方偏光素子9は、「F−1205DU」(日東電工
(株)製)によって構成され、その偏光軸方向が、配向
層6の表面に接する液晶分子のダイレクタ方向に対して
35゜のずれ角βを有するように配置されている。同様
に、後方偏光素子10および反射板13は、「F−3205M」
(日東電工(株)製)によって構成され、後方偏光素子
10の偏光軸方向が、配向層7の表面に接する液晶分子の
ダイレクタ方向に対して55゜のずれ角γを有するように
配置されている。
前記スペーサ8は、グラスファイバー「PF−60S」(日
本電気硝子(株)製)を用いて構成され、前記シール部
3は、ストラクトボンド「XN−5A−C」(三井東圧化学
(株)製)を用いて構成されている。
<実施例1> 液晶層Cを構成する液晶組成物として、ネマティック液
晶Aに、旋光性物質(カイラルネマティック液晶)「S
−811」(メルク社製)を1.376重量%添加したもの(こ
れを「液晶組成物1」とする。)を用いて、第3図に示
した構成と同様の液晶表示装置を作製した。
上記液晶組成物1の特性は次の通りである。
ツイスト弾性定数k22とベンド弾性定数k33との比k33/
k22=2.3 誘電率異方性Δεと液晶分子長軸方向に直角方向の誘
電率εの比Δε/ε=2.4 ネマティック液晶から等方性液体への転移温度TNI=9
7.4℃ 屈折率異方性Δn=0.15 温度20℃における粘度η=20cp 以上の構成の液晶表示装置において、液晶セル厚(液晶
層Cの厚さd)は6.0μm、液晶分子のねじれ角αは前
方から左回り(反時計回り)に270゜、自発ねじれピッ
チPSは7.6μm、規制ねじれピッチPCは8.0μm、これら
のピッチ比(PC−PS)/PCは0.05である。また配向層6
および7の表面に接する液晶分子のダイレクタ方向と、
基板1および2の面とのなす角度(プレティルト角度)
は、それぞれ35゜である。
この液晶表示装置をマルチプレックス駆動方式により駆
動する試験を行ったところ、双安定効果が小さくて高い
コントラスト比が得られ、しかもオン・オフに要する時
間も極めて短くて優れた応答特性を有するものであり、
実際にデューティ比1/300以上の高い次数の時分割駆動
が可能であった。
さらにこの液晶表示装置を、デューティ比1/100でマル
チプレックス駆動方式により駆動し、コントラスト比お
よびオン・オフ表示応答時間を求めたところ、波長400
〜700nmの可視光領域におけるコントラスト比、すなわ
ち選択状態(暗)における反射光の輝度と非選択状態
(明)における反射光の輝度との比は、1:15以上と良好
なものであり、コントラストの優れた鮮明な映像が得ら
れ、また、オン・オフ応答時間は150msec以下と短く、
表示応答特性が優れていることが確認された。
<実施例2> 実施例1において、液晶層Cを構成する液晶組成物とし
て、ネマティック液晶Bに、旋光性物質(カイラルネマ
ティック液晶)「S−811」(メルク社製)を1.402重量
%添加したもの(これを「液晶組成物2」とする。)に
代え、スペーサ8の構成材料としてグラスファイバー
「PF−70S」に代えたほかは、実施例1と同様にして液
晶表示装置を作製した。
上記液晶組成物2の特性は次の通りである。
ツイスト弾性定数k22とベンド弾性定数k33との比k33/
k22=2.0 誘電率異方性Δεと液晶分子長軸方向に直角方向の誘
電率εの比Δε/ε=2.1 ネマティック液晶から等方性液体への転移温度TNI=9
1.0℃ 屈折率異方性Δn=0.13 温度20℃における粘度η=20cp 以上の構成の液晶表示装置において、液晶セル厚(液晶
層Cの厚さd)は7.0μm、液晶分子のねじれ角αは前
方から左回り(反時計回り)に270゜、自発ねじれピッ
チPSは8.9μm、規制ねじれピッチPCは9.3μm、これら
のピッチ比(PC−PS)/PCは0.05である。また配向層6
および7の表面に接する液晶分子のダイレクタ方向と、
基板1および2の面とのなす角度(プレティルト角度)
は、それぞれ38゜である。
この液晶表示装置をマルチプレックス駆動方式により駆
動する試験を行ったところ、双安定効果が小さくて高い
コントラスト比が得られ、しかもオン・オフに要する時
間も極めて短くて優れた応答特性を有するものであり、
実際にデューティ比1/300以上の高い次数の時分割駆動
が可能であった。
さらにこの液晶表示装置を、デューティ比1/100でマル
チプレックス駆動方式により駆動し、実施例1と同様に
してコントラスト比およびオン・オフ表示応答時間を求
めたところ、コントラスト比は、1:13以上と良好なもの
であり、コントラストの優れた鮮明な映像が得られ、ま
た、オン・オフ応答時間は140msec以下と短く、表示応
答特性が優れていることが確認された。
<比較例1> 実施例2において、液晶組成物として、ネマティック液
晶「ZLI−2116−100」(メルク社製)に、旋光性物質
(カイラルネマティック液晶)「S−811」(メルク社
製)を1.20重量%添加したもの(これを「比較用液晶組
成物1」とする。)に代えたほかは、実施例2と同様に
して比較用液晶表示装置を作製した。
上記比較用液晶組成物1の特性は次の通りである。
ツイスト弾性定数k22とベンド弾性定数k33との比k33/
k22=2.7 誘電率異方性Δεと液晶分子長軸方向に直角方向の誘
電率εの比Δε/ε=1.12 ネマティック液晶から等方性液体への転移温度TNI=9
5℃ 屈折率異方性Δn=0.12 温度20℃における粘度η=19cp 以上の構成の比較用液晶表示装置において、液晶セル厚
(液晶層Cの厚さd)は7.0μm、液晶分子のねじれ角
αは前方から左回り(反時計回り)に270゜、自発ねじ
れピッチPSは8.6μm、規制ねじれピッチPCは9.3μm、
これらのピッチ比(PC−PS)/PCは0.08である。また配
向層6および7の表面に接する液晶分子のダイレクタ方
向と、基板1および2の面とのなす角度(プレティルト
角度)は、それぞれ36゜である。
この比較用液晶表示装置をマルチプレックス駆動装置に
より駆動する試験を行ったところ、双安定効果が小さく
て高いコントラスト比が得られるものの、液晶組成物に
おいて、弾性定数の比k33/k22の値が過大であり、また
誘電率異方性Δεと誘電率εの比Δε/εの値も小
さいため、オン・オフに要する時間が長くて応答特性の
低いものであり、デューティ比1/200以上の高い次数の
時分割駆動が困難であった。
さらにこの液晶表示装置を、デューティ比1/100でマル
チプレックス駆動方式により駆動し、実施例1と同様に
してコントラスト比およびオン・オフ表示応答時間を求
めたところ、コントラスト比は、1:11と大きいが、オン
・オフ応答時間は200msecと長く、実施例1および2の
液晶表示装置に比して劣っていた。
比較例2 液晶組成物としてネマティック液晶「ZLI−3243」(メ
ルク社製)に、旋光性物質(カイラルネマティック液
晶)「S−811」(メルク社製)を1.395重量%添加した
もの(これを「比較用液晶組成物2」とする。)を用い
たほかは、比較例1と同様にして比較用液晶表示装置を
作製した。
上記比較用液晶組成物2の特性は次の通りである。
ツイスト弾性定数k22とベンド弾性定数k33との比k33/
k22=1.6 誘電率異方性Δεと液晶分子長軸方向に直角方向の誘
電率εの比Δε/ε=2.0 ネマティック液晶から等方性液体への転移温度TNI=6
5℃ 屈折率異方性Δn=0.14 温度20℃における粘度η=36cp 以上の構成の比較用液晶表示装置において、液晶セル厚
(液晶層Cの厚さd)は7.0μm、液晶分子のねじれ角
αは前方から左回り(反時計回り)に270゜、自発ねじ
れピッチPSは8.9μm、規制ねじれピッチPCは9.3μm、
これらのピッチ比(PC−PS)/PCは0.05であった。また
配向層6および7の表面に接する液晶分子のダイレクタ
方向と、基板1および2の面とのなす角度(プレティル
ト角度)は、それぞれ35゜である。
この比較用液晶表示装置をマルチプレックス駆動装置に
より駆動する試験を行ったところ、液晶組成物におい
て、弾性定数の比k33/k22の値が過小であるため、双安
定効果が生ぜず、そのため印加電圧に対する透過光の強
度変化が緩やかとなり、充分高いコントラスト比を得る
ことができなかった。実際、この比較用液晶表示装置
を、デューティ比1/100でマルチプレックス駆動方式に
より、駆動し、コントラスト比を求めたところ、1:6と
小さく、充分な視認性が得られなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の概要を示す説明図、第2図は、自発
ねじれピッチPSを特定するための説明図、第3図は、本
発明の実施例を示す説明用断面図である。 1,2……基板、11,21……支持板 3……シール部、4,5……電極層 6,7……配向層、C……液晶層 9……前方偏光素子、10……後方偏光素子 13……反射板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々配向層を有する一対の基板間に液晶組
    成物を配してなる液晶表示装置において、下記条件
    (a)乃至(d)を満たすことを特徴とする液晶表示装
    置。 (a)前記一対の基板間に配された液晶組成物における
    液晶分子のねじれ角の大きさが、200〜300゜であるこ
    と。 (b)前記配向層の少なくとも一方の配向層表面に接す
    る液晶分子のダイレクタ方向と、当該配向層を有する基
    板面とのな角度が5゜以上であること。 (c)液晶分子の自発ねじれピッチPSと、配向層により
    液晶分子の配列が強制的に規制されたときの液晶分子の
    規制ねじれピッチPCとの間に、以下の関係式が成立す
    ること。 0<(PC−PS)/PC≦0.3 …… (d)前記液晶組成物のツイスト弾性定数k22と、ベン
    ド弾性定数k33との間に、以下の関係式が成立するこ
    と。 1.8<k33/k22<2.5 ……
  2. 【請求項2】液晶組成物の誘電率異方性Δεと、液晶分
    子長軸方向に直角方向の誘電率εの比Δε/εが1.
    8以上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の液晶表示装置。
JP15266386A 1985-11-29 1986-07-01 液晶表示装置 Expired - Lifetime JPH0785142B2 (ja)

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JP15266386A JPH0785142B2 (ja) 1986-07-01 1986-07-01 液晶表示装置
US07/529,745 US5044735A (en) 1985-11-29 1990-05-25 Liquid crystal display device for providing sufficiently high contrast ratio and excellent response time

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JP15266386A JPH0785142B2 (ja) 1986-07-01 1986-07-01 液晶表示装置

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第11回液晶討論会講演予稿集(昭60−10−4)P.50−P.51

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