JPH0785172B2 - 超薄膜積層構造を有する光受容部材 - Google Patents

超薄膜積層構造を有する光受容部材

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JPH0785172B2 JP61146360A JP14636086A JPH0785172B2 JP H0785172 B2 JPH0785172 B2 JP H0785172B2 JP 61146360 A JP61146360 A JP 61146360A JP 14636086 A JP14636086 A JP 14636086A JP H0785172 B2 JPH0785172 B2 JP H0785172B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、電子写真用感光体等に用いられる光受容部
材、特に改善された感光層を有する光受容部材に関す
る。
〔従来技術の説明〕
従来、電子写真用感光体等に用いられる光受容部材とし
ては、その光感度領域の整合性が他の種類の光受容部材
と比較して優れているのに加えて、ピッカース硬度が高
く、公害の問題が少ない等の点から、例えば特開昭54-8
6341号公報や特開昭56-83746号公報にみられるようなシ
リコン原子(Si)と母体とする非晶質材料、いわゆるア
モルファスシリコン(以後、「a−Si」と表記する。)
から成る光受容部材が注目されている。
ところでこうした光受容部材は、支持体上に、a−Si、
特に好ましくは水素原子(H)又はハロゲン原子(X)
の少なくともいずれか一方を含有するa−Si〔以後、
「a−Si(H,X)」と表記する。〕で構成され、光導電
性を有する感光層を少なくとも有するものであり、該a
−Si(H,X)で構成される感光層の伝導性を制御するた
め、a−Si(H,X)に不純物をドーピングさせることが
知られており、該不純物として、半導体分野においてい
うところのp型不純物である周期律表の第III族に属す
る原子(以後単に、「第III族原子」と表記する。)又
はn型不純物である周期律表の第V族に属する原子(以
後単に、「第V族原子」と表記する。)が用いられてい
る。
また、a−Si(H,X)が有するバンドギャップを調整し
て光感度の最大吸収を短波長側又は長波長側に移行させ
るため、いわゆるバンドギャップ調整剤を含有せしめる
ことも知られている。
例えば、a−Si(H,X)に酸素原子(O)、炭素原子
(C)及び窒素原子(N)の中から選ばれる少なくとも
一種を含有せしめた場合には、バンドギャップが拡大
し、光感度の最大吸収が短波長側に移行することが知ら
れている。また、a−Si(H,X)にゲルマニウム原子(G
e)又はスズ原子(Sn)の少なくともいずれか一方を含
有せしめた場合には、バンドギャップが減少し、光感度
の最大吸収は長波長側に移行する。
しかし一方、こうしたバンドギャップ調整剤を含有せし
めた場合には、禁制帯中に欠陥準位を作ってしまうとい
う問題があり、この欠陥準位の生起が、前述のa−Si
(H,X)への第III族原子又は第V族原子のドーピング効
果を阻害し、これらの原子の満足のゆくドーピングが困
難になるという問題がある。
この問題を解決するについて、a−Si(H,X)へのドー
ピング処理のために供給する第III族または第V族の量
を多くすることが行なわれているものの、この方法にお
いても、供給されるそれらの原子は、全量がドーパント
として作用しないことから、それらの原子の反応系への
供給量を絶えず監視して調整しない限り、かえって欠陥
準位の生起をもたらすところとなってしまうという問題
が存在する。
以上のごとく、a−Si(H,X)で構成される感光層のバ
ンドギャップを制御するためには、欠陥準位の生起をも
たらさぬようにバンドギャップ調整剤を添加する必要の
あるところ、現在では、こうした満足のゆくバンドギャ
ップの制御を効率的に達成する為に、a−Si(H,X)中
に含有せしめる種々の原子の供給量を所望どおりに各々
調整することは非常に困難であり、バンドギャップを自
由に制御することは重大な課題とされている。
〔発明の目的〕
本発明は、a−Si(H,X)等の非単結晶材料で構成され
る感光層に係る上述の問題を解決して所望機能を奏する
ものにした、電子写真用感光体等に用いられる光受容部
材と、その効率的量産に適した装置を提供することを目
的とするものである。
即ち、本発明の主たる目的は、欠陥準位を有さずしてp
型不純物又はn型不純物が所望状態にドーピングされて
いるとともに、所望のバンドギャップを有する光受容部
材を提供することにある。
本発明の他の目的は、残留電位の問題が殆んどなく、画
像欠陥の問題がなくして、改善された電気的耐圧性を有
する電子写真用光受容部材を提供することにある。
本発明の他の主たる目的は、超薄膜積層構造を有する光
受容部材において超薄膜間の構成原子の相互拡散による
光受容部材の経時的な特性変化のない光受容部材を提供
することにある。
また、本発明の目的は、超薄膜積層構造を構成する超薄
膜界面の界面準位を減少させた光受容部材を提供するこ
とにある。
〔発明の構成〕
本発明者らは、非単結晶材料で構成される感光層を少な
くとも有する電子写真用感光体等に用いられる光受容部
材について、前述の諸問題を克服して上述の目的を達成
すべく鋭意研究を重ねた結果、前記光受容部材につい
て、その感光層として、構成原子の比の異なる2種類の
超薄膜を複数回交互に積層させた層領域を有し、前記2
種類の超薄膜の界面において、前記構成原子の濃度の分
布が連続しているようにさせたものを使用した場合、感
光層についての前述の諸問題を解決し、そのバンドギャ
ップを容易に制御しうるという知見を得た。
本発明は当該知見に基づいて完成に至ったものである。
本発明により提供される光受容部材は、支持体と、該支
持体上に、層厚10Å〜150Åの少なくともシリコン原子
を含有する非単結晶質材料で構成された第1の層と、層
厚10Å〜150Åの少なくともシリコン原子と、酸素原
子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも
一種とを含有する非単結晶質材料で構成された第2の層
が複数回交互に積層され、前記第1の層と第2の層との
界面近傍の5Å〜70Åの範囲の領域が前記第1及び第2
の層の構成原子の少なくとも一つの原子の濃度分布が連
続的に変化している感光層を少なくとも有することを特
徴とする超薄膜積層構造を有する光受容部材である。
第1図,第2図は本発明の超薄膜積層構造である。第1
図は、バンドギャップの異なる超薄膜積層構造の場合、
第2図は、ドーピングした場合の、超薄膜積層構造の模
式的説明図である。第1(a)図,第2(a)図は、超
薄膜積層構造のバンド構造の模式的説明図であり、第1
(b)図,第2(b)図は、超薄膜積層構造の構成要素
の分布の模式的説明図である。
本発明の超薄膜積層構造のバンド構造は、第1(a)
図,第2(a)図に示すように各超薄膜の間でなめらか
に接続し、各超薄膜の間で少なくとも1つの構成原子
が、第1(b)図,第2(b)図に示すようになめらか
に変化する特徴を有している。(図中Ecは伝導帯端エネ
ルギー、Evは価電子帯端エネルギーを示す) 本発明の超薄膜積層構造の様に、各超薄膜の間で少なく
とも1つの構成原子が連続的になめらかに変化すること
で、超薄膜形成時の支持体温度による各超薄膜構成原子
の超薄膜間の経時的な相互拡散、または超薄膜積層構造
を有する電子写真用光受容部材を長期間コロナ帯電下で
使用することによる各超薄膜構成原子の超薄膜間の経時
的な相互拡散などによる、光受容部材の電子写真特性
(たとえば、光感度,残留電位,暗減衰など)の経時劣
化を防止することができる。そしてなお一層電子写真用
光受容部材としての特性を安定化させることができる。
また、本発明の超薄膜積層構造にすることで、各超薄膜
を明確に分離して積層した場合に比較して、各超薄膜間
の界面準位が減少し、電荷の移動が改善される。
また更に、本発明の超薄膜積層構造の光導電層(また
は、電荷発生層)では、超薄膜間の界面準位が減少する
ため、光吸収時の電荷発生効率が向上する。
本発明の超薄膜積層構造において前記目的を達成するた
めには超薄膜界面近傍における構成原子の分布の幅は好
ましくは、5Å〜70Åより好ましくは10Å〜60Å、最適
には15Å〜50Åである。
第11(A)、(B)図はエネルギーバンドの説明図であ
り、図中、EFはフェルミエネルギー、Ecは伝導帯端エネ
ルギー、Evは値電子帯端エネルギー、Egはバンドギャッ
プを表わしている。
第11(A)図は、バンドギャップの異なる二種の超薄膜
を積層した場合を説明する図である。
前述のごとく、a−Si(H,X)膜に、酸素原子、炭素原
子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも一種を含有
せしめた場合には、a−Si(H,X)膜の有するバンドギ
ャップが拡大されることが知られているが、例えば、a
−Si(H,X)で構成される超薄膜層と、酸素原子、炭素
原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも一種を含
有するa−Si(H,X)〔以後、「a−Si(O,C,N)(H,
X)」と称呼する。〕で構成される超薄膜層のように、
バンドギャップの異なる超薄膜層を積層すると、狭いバ
ンドギャップを有する超薄膜層において、量子効果によ
り、図中破線で示すが如きサブバンドが形成される。該
サブバンドは、伝導帯及び価電子帯の端部よりもエネル
ギー的に高い位置に形成され、その結果、超薄膜層を複
数回積層した感光層のバンドギャップは、狭いバンドギ
ャップを有する層のバンドギャップよりも広がることと
なる。(なお図において、価電子帯側では、下側に向か
ってエネルギーが高くなり、伝導帯側では、上側に向か
ってエネルギーが高くなるものとしている。) 第11(B)図は、p型不純物を含有するa−Si(H,X)
で構成される超薄膜層(以後「p型超薄膜層」と称す
る。)と、n型不純物を含有するa−Si(H,X)で構成
される超薄膜層(以後「n型超薄膜層」と称する。)と
を交互に積層した場合を説明する図である。この場合に
は、伝導帯側では、p型超薄膜層ではさまれたn型超薄
膜層で、量子効果により伝導帯端エネルギーEcよりも高
いエネルギー側にサブバンドが形成される。また同様
に、価電子帯側では、p型超薄膜層において価電子帯端
エネルギーEvよりも高いエネルギー側に量子効果による
サブバンドが形成される。それぞれのサブバンドは、伝
導帯側ではp型超薄膜層へ、また価電子帯側ではn型超
薄膜層へしみだしが生じる。その結果、光吸収は、伝導
帯のサブバンドと、価電子帯のしみだしたサブバンドの
間で生じるため、p型超薄膜層とn型超薄膜層とを積層
した感光層のバンドギャップは、p型不純物を含有する
a−Si(H,X)層及びn型不純物を含有するa−Si(H,
X)層の夫々個有のバンドギャップよりも狭くなるもの
である。
第3図は、本発明の超薄膜積層構造を有する電子写真用
光受容部材の例を示したものである。第3(a)図は基
体300上に本発明の超薄膜積層構造301のみで構成した電
子写真用光受容部材である。第3(b),(c),
(d)図は、本発明の超薄膜積層構造301を電荷発生層
とし、電荷輸送層302を有する電子写真用光受容部材で
ある。
第3(e)図は、基体300と、電荷注入阻止層303、本発
明の超薄膜積層構造301、表面層304から構成された電子
写真用光受容部材である。第3(f)図は、基体300
と、電荷注入防止層303、本発明の超薄膜積層構造301を
電荷発生層とする層、電荷輸送層302から構成された電
子写真用光受容部材である。
第3(g),(h)図は基体300と電荷注入防止層303、
本発明の超薄膜積層構造301を電荷発生層とする層、電
荷輸送層302、表面層304から構成された電子写真用光受
容部材である。
本発明に用いる支持体300は、導電性のものであって
も、また電気絶縁性のものであってもよい。導電性支持
体としては、例えば、NiCr、ステンレス、Al、Cr、Mo、
Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb等の金属又はこれ等の合金
が挙げられる。
電気絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、セルロース、アセテート、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフイルム又はシ
ート、ガラス、セラミック、紙等が挙げられる。これ等
の電気絶縁性支持体は、好適には少なくともその一方の
表面を導電処理し、該導電処理された表面側に光受容層
を設けるのが望ましい。
例えば、ガラスであれば、その表面に、NiCr、Al、Cr、
Mo、Au、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、In2O3、SnO2、I
TO(In2O3、SnO2)等から成る薄膜を設けることによっ
て導電性を付与し、或いはポリエステルフイルム等の合
成樹脂フイルムであれば、NiCr、Al、Ag、Pb、Zn、Ni、
Au、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、Tl、Pt等の金属の薄膜を
真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等でその表
面に設け、又は前記金属でその表面をラミネート処理し
て、その表面に導電性を付与する。支持体の形状は無端
ベルト状又は円筒状とし、その厚さは、所望通りの光受
容部材を形成しうる様に適宜決定するが、光受容部材と
して可撓性が要求される場合には、支持体としての機能
が充分発揮される範囲内で可能な限り薄くすることがで
きる。しかしながら、支持体の製造上及び取扱い上、機
械的強度等の点から、通常は、10μ以上とされる。
本発明の光受容部材の超薄膜積層構造層301は、非単結
晶材料で構成されており、即ち、具体的には、超薄膜積
層構造層301として、例えばa−Si(H,X)で構成される
超薄膜とa−Si(O,C,N)(H,X)で構成される超薄膜と
が交互に複数回積層された超薄膜積層構造層、a−Si
(H,X)で構成される超薄膜とa−SiM(H,X)で構成さ
れる超薄膜とが交互に複数回積層された超薄膜積層構造
層、a−Si(O,C,N)(H,X)で構成される超薄膜とa−
SiM(H,X)で構成される超薄膜とが交互に複数回積層さ
れた超薄膜積層構造層、a−Si(H,X)で構成される超
薄膜とa−Si(Ge、Sn)(H,X)で構成される超薄膜と
が交互に複数回積層された超薄膜積層構造層、a−Si
(O,C,N)(H,X)で構成された超薄膜とa−Si(Ge、S
n)(H,X)で構成された超薄膜とが交互に積層された超
薄膜積層構造層等を挙げることができる。(但し、本発
明の感光層はこれらの例により何ら限定されるものでは
ない。)〔なお、「a−Si(O,C,N)(H,X)」は酸素原
子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも
一種を含有するa−Si(H,X)を、「a−SiM(H,X)」
は第III族原子又は第V族原子を含有するa−Si(H,X)
を、「a−Si(Ge、Sn)(H,X)」はゲルマニウム原子
又はスズ原子の少なくともいずれか一方を含有するa−
Si(H,X)を夫々表記するものとする。〕そして、こう
した超薄膜積層構造層を構成する各超薄膜の膜厚は、10
〜150Å、好ましくは10〜100Å、最適には15〜80Åとす
ることが望ましい。
超薄膜積層構造層301中に含有せしめるハロゲン原子
(X)としては、具体的にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素が挙げられ、特にフッ素、塩素を好適なものとして挙
げることができる。そして超薄膜積層構造層301中に含
有せしめる水素原子(H)の量又はハロゲン原子(X)
の量、あるいは水素原子とハロゲン原子の量の和(H+
X)は、好ましくは1〜40atomic%、より好ましくは5
〜30atomic%とするのが望ましい。
また、超薄膜積層構造層301中に含有せしめる第III族原
子としては、具体的には、B(硼素)、Al(アルミニウ
ム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Tl(タリウ
ム)等を用いることができるが、特に好ましいものは
B、Gaである。また第V族原子としては、具体的には、
P(燐)、As(砒素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマ
ス)等を用いることができるが、特に好ましいものは、
P、Asである。そして超薄膜積層構造層301中に含有せ
しめる第III族原子又は第V族原子の量は、1×10-3
1×103atomic ppm、好ましくは5×10-2〜5×102atom
ic ppm、最適には1×10-1〜2×102atomic ppmとする
ことが望ましい。
更に超薄膜積層構造層301中に含有せしめる酸素原子、
炭素原子及び窒素原子の量は、0.001〜50atomic%、好
ましくは0.002〜40atomic%、最適には0.003〜30atomic
%とするのが望ましい。
更にまた、超薄膜積層構造層301中に含有せしめるゲル
マニウム原子又はスズ原子の量は、1〜6×105atomic
ppm、好ましくは10〜3×105atomic ppm、最適には1×
102〜2×105atomic ppmとするのが望ましい。
また、本発明の光受容部材において、超薄膜積層構造層
301の層厚は、本発明の目的を効率的に達成するには重
要な要因の1つであって、光受容部材に所望の特性が与
えられるように、光受容部材の設計の際には充分な注意
を払う必要があり、電荷発生輸送層として使用する場合
通常は、3〜100μとするが、好ましくは5〜80μ、最
適には7〜50μとする。
また、電荷発生層として使用する場合、通常0.1〜50μ
とするが、好ましくは0.2〜30μ、最適には0.2〜10μと
する。
電荷輸送層302は、前記超薄膜積層構造層301と同一の構
成元素で構成すれば良く、好ましくは、電荷輸送層302
は、前記超薄膜積層構造層301より禁制帯幅が広い方が
良い。
電荷輸送層の厚さは、好ましくは3〜100μとするが、
好ましくは5〜80μ、最適には7〜50μとする。
(以下、電荷発生層と電荷輸送層とを合せて感光層と呼
ぶ。) 電荷注入阻止層303は、感光層が帯電処理を受けた際に
支持体側から感光層中に電子が注入されることを阻止す
るために設けられる層であり、該電荷注入層303は、a
−Si、又は多結晶シリコン(以後、「poly-Si」と称呼
する。)、あるいは両者を含むいわゆる非単結晶シリコ
ン(以後、「Non-Si」と称呼する。)〔なお、微結晶質
シリコンと通称されるものはa−Siに分類される。〕
に、p型不純物またはn型不純物及び/又は酸素原子、
炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも一種
を含有せしめたもので構成されている。
p型不純物である第III族原子又はn型不純物である第
V族原子としては、前述の感光層において用いられたも
のと同じものがそのまま用いられるが、電荷注入阻止層
303中に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の量
は、比較的高濃度とする。即ち、30〜5×104atomic pp
m、好ましくは50〜1×104atomic ppm、最適には1×10
2〜5×103atomic ppmとすることが望ましい。
また、酸素原子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれ
る少なくとも一種を含有せしめることにより、支持体と
の密着性を向上せしめる効果が奏される。そしてこれら
の原子を電荷注入阻止層303中に含有せしめる量は、0.0
01〜50atomic%、好ましくは0.002〜40atomic%、最適
には0.003〜30atomic%とするのが望ましい。
更に、本発明の光受容部材の電荷注入阻止層303の層厚
は、300Å〜10μ、好ましくは400Å〜8μ、最適には50
0Å〜5μとするのが望ましい。
ところで、本発明における電荷注入阻止層303は、前述
のごとく第III族原子又は第V族原子及び/または酸素
原子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくと
も一種を含有するNon-Si(H,X)〔以後、「Non-SiM(O,
C,N)(H,X)と表記する。〕、即ち、a−SiM(O,C,N)
(H,X)又はpoly-SiM(O,C,N)(H,X)あるいは両者の
混合物で構成されるものであるが、poly-Si(O,C,N)
(H,X)で構成される層を形成するについては種々の方
法があり、例えば次のような方法があげられる。
その1つの方法は、基体温度を高温、具体的には400〜4
50℃に設定し、該基体上にプラズマCVD法により膜を堆
積せしめる方法である。
他の方法は、基体表面に先ずアモルファス状の膜を形
成、即ち、基体温度を約250℃にした基体上にプラズマC
VD法により膜を形成し、該アモルファス状の膜をアニー
リング処理することによりpoly化する方法である。該ア
ニーリング処理は、基体を400〜450℃に約20分間加熱す
るか、あるいは、レーザー光を約20分間照射することに
より行なわれる。
本発明の光受容部材の感光層上には、表面層304が設け
られる。該表面層は、酸素原子、炭素原子及び窒素原子
の中から選ばれる少なくとも一種を含有するa−Si(H,
X)〔以後、「a−Si(O,C,N)(H,X)と表記する。〕
又は窒素原子及び硼素原子を母体とする非晶質材料〔以
後、「a−BN(H,X)」と表記する。〕あるいは、炭素
原子を母体とする非晶質材料〔以後、「a−C(H,
X)」と表記する。〕で構成される。
本発明の光受容部材に表面層304を設ける目的は、耐湿
性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特
性、および耐久性等を向上せしめることにある。
特に、表面層としてa−Si(O,C,N)(H,X)で構成され
る層を用いた場合には、表面層と感光層を構成するアモ
ルファス材料の各々が、シリコン原子という共通した構
成原子を有しているので、表面層304と感光層との界面
において化学的安定性が確保できる。
こうしたa−Si(O,C,N)(H,X)で構成される表面層と
する場合、表面層中に含有せしめる酸素原子、炭素原子
及び窒素原子の量の増加に伴って、前述の諸特性は向上
するが、多すぎると層品質が低下し、電気的および機械
的特性も低下する。こうしたことから、これらの原子の
量は、0.001〜90atomic%、好ましくは1〜90atomic
%、最適には10〜80atomic%とするのが望ましい。
また、本発明の光受容部材において、表面層304の層厚
も本発明の目的を効率的に達成するために重要な要因の
1つであり、所望の目的に応じて適宜決定されるもので
あるが、表面層に含有せしめる構成原子の量、あるいは
表面層に要求される特性に応じて相互的かつ有機的関連
性の下に決定する必要がある。更に生産性や量産性も加
味した経済性の点においても考慮する必要もある。こう
したことから、本発明の光受容部材の表面層の層厚は、
3×10-3〜30μ、より好ましくは4×10-3〜20μ、特に
好ましくは5×10-3〜10μとする。
本発明の光受容部材における長波長吸収層(不図示)
は、支持体上、あるいは電荷注入阻止層303上に設けら
れるものであって、ゲルマニウム原子(Ge)又はスズ原
子(Sn)の少なくとも一方を含有するNon-Si(H,X)
〔以後、Non-Si(Ge,Sn)(H,X)と表記する。〕で構成
されている。該長波長吸収層は、ゲルマニウム原子又は
スズ原子の少なくとも一方を含有せしめることにより、
半導体レーザー等の長波長光源を用いた場合において、
感光層では殆んど吸収しきれない長波長側の光を、該層
で実質的に完全に吸収することができるようになり、こ
のことにより、支持体300表面からの反射によって生ず
る干渉を防止することができるものである。長波長側の
表面を吸収するために該層に含有せしめるゲルマニウム
原子又はスズ原子の量は、1〜9.5×105atomic ppm、好
ましくは1×102〜9×105atomic ppm、最適には5×10
2〜8×105atomic ppmとするのが望ましい。
また、該長波長吸収層を電荷注入阻止層としての機能を
兼ねそなえた層とする場合にあっては、ゲルマニウム原
子又はスズ原子と、第III族原子又は第V族原子と、酸
素原子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なく
とも一種とを含有するNon-Si(H,X)で構成される層と
すればよい。
第4図は、本発明の超薄膜積層構造をRF放電または、マ
イクロ波放電で作製するための、堆積膜形成装置の模式
的説明図である。
堆積膜形成装置は、高真空にし得る堆積室1、パワー導
入用の電極を兼ねた周囲壁2、上壁3、底壁4、碍子
5、加熱用ヒーター7、ガス導入管8、ガス放出孔9、
バルブ10、排気管11、排気バルブ12、電圧印加手段13、
内圧センサー15、ガス供給系20、ガスボンベ201〜205、
バルブ211〜215、マスフロコントローラー221〜225、流
入バルブ231〜235、流出バルブ241〜245、圧力調整器25
1〜255、そして、マスフロコントローラー221〜225、流
出バルブ241〜245および排気バルブ12を制御するための
マイクロコンピューター(不図示)から構成され、反応
容器1内に円筒状基体6が設置される。
たとえば本発明の超薄膜積層構造は前記装置で以下の様
にして形成した。超薄膜形成用の第1の原料ガスを201
に入れ、第2の原料ガスを202に入れ、第1の原料ガス
及び第2の原料ガス希釈用のガスを203に入れた。
まず、超薄膜積層構造形成前に堆積室1内を十分に排気
して、マスフロコントローラー221、222、223及び流入
バルブ241、242、243をマイクロコンピューターにより
第7図に示すように各原料ガスを制御し、堆積室1に導
入した。第7図の流量の変化領域は、流入バルブ241、2
42の開孔度をマイクロコンピューターにより制御して行
った。そして、各原料ガスの導入と同時にRF電源または
マイクロ波電源である電圧印加手段13より所定の電力を
電極を兼ねた周囲壁2へ導入した。前記超薄膜積層構造
の全体の層厚は第7図に示す流量の変化様式で所定の時
間保つことで制御した。
第5図は、本発明の超薄膜積層構造を、少なくとも2種
類のガスを、異なった空間でそれぞれ活性化し、それぞ
れ別々の経路で堆積室に導入し堆積室内で反応させて、
形成するための堆積形成装置の模式的説明図である。
前記堆積膜積膜形成装置は、高真空にし得る堆積室50
1、基体支持台502、加熱用ヒーター504、導線505、ガス
供給ボンベ506、507、508、509、ガス導入管510、内圧
センサー511、熱活性化室512、電気炉513、固体Si粒51
4、活性種(A)用化合物導入管515、活性種(A)用導
管516、活性種(B)用導管517、524、525、バルブ51
8、排気バルブ520、排気管521、マイクロ波プラズマ発
生装置522、527、マイクロ波活性化室523、526から構成
されている。
前記堆積膜形成装置で本発明の超薄膜積層構造を形成す
る方法の1例を以下に示す。
ガス供給ボンベ509を水素ガスボンベとし、ガス供給ボ
ンベ506を第1の原料ガスボンベとし、更にガス供給ボ
ンベ507を第2の原料ガスボンベとした。
まず、超薄膜積層構造形成前に堆積室501内を十分に排
気してマスフロコントローラー506b、507b、509b、及び
供給バルブ506d、507d、509dをマイクロコンピューター
により第8図に示すような所定の流量に各原料ガスを制
御し、各マイクロ波活性化室523、526に導入した。
各マイクロ波活性化室523、526によって、水素ガス及
び、第1の原料ガス、第2の原料ガスを活性化し、各活
性種を堆積室501に導入した。前記超薄膜積層構造の全
体の層厚は、第8図に示す流量の変化様式で所定の時間
保つことで制御した。
第6図は、本発明の超薄膜積層構造を、気体状原料ガス
と、該気体状原料ガスを酸化する気体状ハロゲン系酸化
剤との酸化反応によって形成する堆積膜形成装置の模式
的説明図である。
前記堆積膜形成装置は、ガス供給ボンベ601〜604、ガス
の導入管601a〜604a、マスフロメーター601b〜604b、ガ
ス圧力計601c〜604c、流入バルブ601d〜604d、601e〜60
4e、圧力計601f〜604f、ガス導入管609、610、基体ホル
ダー612、基体加熱用ヒーター613、基体温度モニター用
熱電対616、基体618、真空排気バルブ619、堆積室620か
ら構成されている。
たとえば本発明の超薄膜積層構造は、前記装置で以下の
様にして形成した。超薄膜形成用の第1の原料ガスを60
4に入れ、第2の原料ガスを603に入れ、前記各原料ガス
と酸化作用をするハロゲン系酸化剤を601に入れた。
まず超薄膜積層構造形成前に、堆積室620内を十分に排
気して、マスフロコントローラー604b、603b、601b及び
流入バルブ604d、603d、601dをマイクロコンピューター
により第9図に示すように各原料ガス及びハロゲン系酸
化剤を制御し、堆積室620に導入した。
前記原料ガスとハロゲン系酸化剤はガス導入管610と609
の先端で化学反応し、活性種が生成され基体618上に堆
積膜が形成される。
前記超薄膜積層構造の全体の層厚は、第9図に示す流量
の変化様式で所定の時間保つことで制御した。
以下実施例に従って本発明を説明する。
実施例1〜3 第4図に示した堆積膜形成装置を用いて、また該堆積膜
形成装置を用いた超薄膜積層構造作製方法に従って、シ
リンダー状Al基体表面に、第1表に示す層形成条件で層
形成を行ない、第3(a)図に示す層構成の電子写真用
光受容部材を得た。
得られた光受容部材を、帯電露光実験装置に設置して、
5.0KVで0.3秒間コロナ帯電を行ない、直ちに光像を照
射した。光像の照射はタングステンランンプ光源を用
い、0.7lux・secの光量を透過型のテストチャートを通
して行なった。
その後直ちに荷電性の現像剤で該光受容部材表面をカ
スケード現像することにより、該光受容部材表面上に良
好なトナー画像を得た。次いで該トナー画像を5.0KV
のコロナ帯電で転写紙上に転写したところ、いずれも、
解像力に優れ、階調再現性の良好な、鮮明な高濃度の画
像が得られた。
第10図に各実施例により得られた光受容部材の分光感度
特性を示す。なお比較例として、実施例1の条件で、各
超薄膜間で構成元素を分布させなかった場合と、第2表
に示す層形成条件により層形成を行った場合の電子写真
用光受容部材の分光感度特性を示す。
図中 は実施例2、△……△は実施例3、●−−−−●実施例
1で構成元素を分布させなかった場合の比較例、 は第2表の条件による比較例を夫々示している。
第10図から明らかなごとく、a−Si(O,C,N)(H,X)で
構成される超薄膜と、a−Si(H,X)で構成される超薄
膜を積層することにより、分光感度特性を短波長側へ変
調することができた。
また、超薄膜の界面で構成要素を連続的に変化させるこ
とで、感度を向上させることができた。
実施例4 第1表に示す層形成条件で層形成した光受容部材を用
い、帯電を帯電、現像を荷電性現像剤による現像、
転写を帯電とした以外は、すべて実施例1と同様にし
て画像形成を行なったところ、解像力に優れ、階調再現
性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
実施例5〜10 層形成条件を第3表に示す条件とした以外はすべて実施
例1と同様にして、電子写真用光受容部材を得た。
得られた夫々の光受容部材を用いて、実施例1と同様に
して画像形成を行なったところ、解像力に優れ、階調再
現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
実施例11 層形成条件を第4表に示す条件とした以外はすべて実施
例1と同様にして、第3図(g)に示す電子写真用光受
容部材を得た。
得られた夫々の光受容部材を用いて、NP 9030(キャノ
ン(株)製)画像形成を行なったところ、解像力に優
れ、階調再現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られ
た。
また、従来の電子写真用光受容部材と比較して、半導体
レーザー(波長788nm)感度が約10%向上した。
実施例12 層形成条件を第5表に示す条件とした以外はすべて実施
例1と同様にして、第3(e)図に示す電子写真用光受
容部材を得た。
得られた光受容部材を用いて、NP 9030(キャノン
(株)製)画像形成を行なったところ、解像力に優れ、
階調再現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
また、従来の電子写真用光受容部材と比較して、半導体
レーザー(波長788nm)感度が約7%向上した。
実施例13 層形成条件を第6表に示す条件(基体温度約280℃、堆
積時内圧約3×10-3Torr)とし、第4図に示す堆積膜形
成装置を用いて、第3層は、本発明の超薄膜積層構造と
し、マイクロ波プラズマ放電によって第3図(h)に示
す電子写真用光受容部材を得た。
得られた光受容部材を用いて、NP9030(キャノン(株)
製)画像形成を行なったところ、解像力に優れ、階調再
現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
実施例14 層形成条件を第7表に示す条件(基体温度約280℃、堆
積室内圧約0.5Torr)とし、第5図に示す堆積膜形成装
置を使用して、電子写真用光受容部材を得た。得られた
光受容部材を外径80mmφ長さ358mmのシリンダーに取り
つけた。
得られた光受容部材を用いて、NP9030(キャノン(株)
製)画像形成を行なったところ、解像力に優れ、階調再
現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
実施例15 層形成条件を第8表に示す条件(基体温度約280℃、堆
積室内圧約0.5Torrとし、第6図の堆積膜形成装置を使
用して、第3(g)図に示す電子写真用光受容部材を得
た。得られた光受容部材を外径80mmφ長さ358mmのAlシ
リンダーに取りつけた。
得られた光受容部材を用いて、NP9030(キャノン(株)
製)画像形成を行なったところ、解像力に優れ、階調再
現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
〔発明の効果〕
本発明の超薄膜積層構造の様に各超薄膜の間で少なくと
も1つの構成元素が連続的になめらかに変化すること
で、光受容部材の特性の経時的な劣化が改善され、ま
た、感度のより一層の向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の超薄膜積層構造の説明図であ
る。第3図は本発明の超薄膜積層構造層を有する光受容
部材の説明図である。 第4図、第5図、第6図は本発明の超薄膜積層構造を作
製するための堆積膜形成装置の説明図である。 第7図、第8図、第9図は本発明の超薄膜積層構造を作
製する場合の流量の説明図である。 第10図は本発明の実施例で用いた分光感度の説明図であ
る。第11図は、本発明の超薄膜積層構造の説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−193489(JP,A) 特開 昭62−43653(JP,A) 特開 昭62−161155(JP,A) 特開 昭62−214619(JP,A) 特開 昭60−140354(JP,A) 特開 昭60−11849(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、該支持体上に、層厚10Å〜150
    Åの少なくともシリコン原子を含有する非単結晶質材料
    で構成された第1の層と、層厚10Å〜150Åの少なくと
    もシリコン原子と、酸素原子、炭素原子及び窒素原子の
    中から選ばれる少なくとも一種とを含有する非単結晶質
    材料で構成された第2の層が複数回交互に積層され、前
    記第1の層と第2の層との界面近傍の5Å〜70Åの範囲
    の領域が前記第1及び第2の層の構成原子の少なくとも
    一つの原子の濃度分布が連続的に変化している感光層を
    少なくとも有することを特徴とする超薄膜積層構造を有
    する光受容部材。
  2. 【請求項2】前記第1の層は更にゲルマニウム原子また
    はスズ原子を含有する特許請求の範囲第1項に記載の光
    受容部材。
  3. 【請求項3】前記支持体と前記感光層の間にシリコン原
    子と、ゲルマニウム原子またはスズ原子を含有する非単
    結晶材料で構成された長波長吸収層を有する特許請求の
    範囲第1項に記載の光受容部材。
  4. 【請求項4】前記感光層上に更に表面層を有する特許請
    求の範囲第1項に記載の光受容部材。
  5. 【請求項5】前記表面層はシリコン原子を母体とし、酸
    素原子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なく
    とも一種を含有する非晶質材料、または窒素原子及び硼
    素原子を母体とする非晶質材料、あるいは炭素原子を母
    体とする非晶質材料で構成される特許請求の範囲第4項
    に記載の光受容部材。
  6. 【請求項6】前記支持体と前記感光層との間に電荷注入
    阻止層を有する特許請求の範囲第1項に記載の光受容部
    材。
  7. 【請求項7】前記電荷注入阻止層はシリコン原子と、周
    期律表第III族または第V族、酸素原子、炭素原子及び
    窒素原子から選択された少なくとも一種の原子を含有す
    る非単結晶質材料で構成されている特許請求の範囲第6
    項に記載の光受容部材。
  8. 【請求項8】前記感光層は更に周期律表第III族または
    第V族に属する原子を含有する特許請求の範囲第1項に
    記載の光受容部材。
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