JPH0786887B2 - 動的システムの運用方法 - Google Patents

動的システムの運用方法

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JPH0786887B2
JPH0786887B2 JP564083A JP564083A JPH0786887B2 JP H0786887 B2 JPH0786887 B2 JP H0786887B2 JP 564083 A JP564083 A JP 564083A JP 564083 A JP564083 A JP 564083A JP H0786887 B2 JPH0786887 B2 JP H0786887B2
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卓史 西谷
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    • G06Q10/00Administration; Management
    • G06Q10/04Forecasting or optimisation specially adapted for administrative or management purposes, e.g. linear programming or "cutting stock problem"

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、動的システムの運用方法に関し、特に発電プ
ラントのような大規模な動的システムの運用計画を行う
場合に、計算効率を上げ、かつ少ない記憶容量で実行可
能な解を用いて求めることにより、大規模システムの運
用計画をオンラインで立案することを可能とし、ひいて
は動的システムに内在する蓄積設備の効率的な運用によ
る省エネルギーやプラントの安定運転を可能とする動的
システムの運用方法に関する。
〔従来技術〕
多段決定問題を解く方法としては、動的計画法(R、
E、Larson:State Increment Dynamic Programming,Joh
n Wiley&Sons,Inc.NewYork1966参照)、あるいはDantw
ig−Wolfeの分解原理にもとづくもの(C.R.Glassey;Nes
ted Decomposition and Multi−stage Linear Program
s,Management Sci,Vol.20、No3.P.282,1973参照)、あ
るいは双対分割の考え方にもとづくもの(H・Tamura;D
ecentralized Optimigation for Distributed−Lag Mod
els of Discrete Systems,Automatica,Vol.11,No6,P.59
3,1975参照)等が知られている。しかし、動的計画法に
よる方法では、計算機の記憶容量や計算時間の制約か
ら、扱える規模が限定されており、大きな問題は解けな
い。また、Dantwig−Wolfeの分解原理にもとづくもの
は、一般に収束が悪いため、まだ広く用いられるに至つ
ていない。また、双対分割の考え方にもとづくもので
は、計算時間が遅く、しかも最適解を得るまで実行可能
解が得られない等の欠点がある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、これら従来の欠点を改善するため、本
来に比べ高速に最適運用計画を求めることができ、かつ
少ない記憶容量で大規模システムに対する運用計画が可
能な動的システムの運用方法を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明による動的システムの運用方法は、エネルギー蓄
積素子を有する動的システムにおいて、前記エネルギー
蓄積素子の初期状態と、該動的システムの出力に対する
需要量とを用いて、該動的システムを構成する機器の最
適な操作量と前記エネルギー蓄積素子への蓄積量を決定
し、決定された最適な操作量にもとづいて動的システム
の制御を行うに際して、最適な操作量を決定する処理
が、 (a)前記動的システムに対する各時刻毎の需要量とエ
ネルギー蓄積素子の初期状態量を既知とし、前記動的シ
ステムの変化を、エネルギー蓄積素子の蓄積量を表す状
態変数を介して、前記各時刻の状態変数を結合した一連
の制約条件式と、前記動的システムの望ましい状態を評
価する目的関数とからなる多段決定問題として定式化す
る処理と、 (b)前記多段決定問題を、各時刻毎に問題に分割する
処理と、 (c)分割された各時刻における動的システムの状態を
表す複数の状態変数を、他の状態変数とは独立に状態量
を決定できる独立変数と、該独立変数の状態変化に応じ
て状態量が変化する従属変数とに分割する処理と、 (d)各独立変数が微小変化した時の従属変数の変化量
を求め、該変化量から前記動的システムの目的関数の値
の変化度合を計算する処理と、 (e)前記変化度合が前記動的システムの好ましい状態
の方向になるように独立変数の変化方向を計算する処理
と、 (f)前記変化方向に独立変数を変化させ、独立変数お
よび従属変数をともに許容範囲内である上下限値内に保
ち、前記目的関数を最小にする変化量を求める処理と、 (g)前記目的関数が最小になる状態変数の値に該状態
変数を更新し、前記動的システムの状態のより望ましい
状態を求める処理と、 (h)前記許容範囲の上下限値に達した従属変数と適当
な独立変数とを交換する処理と、 (i)前記独立変数の変化量の変化の大きさが一定の値
以下となるまで前記(d)〜(h)の処理を繰り返す処
理と を有することを特徴としている。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の原理および実施例を、図面により説明す
る。
先ず、動的システムの動作状態を、次に示す線形連立差
分方程式で表す。
Cy(t)+Du(t)=Ey(t−1)+v1 t …(1) ここで、初期条件 y(o)=yo …(2) 制約条件 Fy(t)+Gu(t)=v2 t …(3) Cy t≦y(t)≦dy t,Cu t≦u(t)≦du t (t=1,2,…,T) …(4) 目的関数 が与えられているものとする。ただし、tは時刻を表す
変数、y(t)はny次元の状態変数ベクトル、u(t)
はnu次元の操作変数ベクトル、C,D,E,F,Gはそれぞれ(m
1×ny),(m1×nu),(m1×ny),(m2×ny),(m2
×nu)次元のマトリクスである。v1 t,v2 tは、時刻tに
おける既知の外部入力を示すm1,m2次元のベクトルであ
り、fは定義域が上記(4)式の平行多面体で与えられ
る連続微分可能関数である。
動的システムの最適運用な、上記(1)式のシステム方
程式、上記(2)式の初期条件、上記(3)(4)式の
制約条件のもとで、上記(5)式の目的関数を最小とす
る操作変数ベクトルu(1),u(2),…u(T)を求
めよという問題で定式化される。
以下、最小(min.)の場合について説明するが、最大
(max.)の場合においても、実質上は同一である。
ここで、問題を簡単化するため、状態変数ベクトルy
(t)と、操作変数ベクトルu(t)とを、まとめて1
つの変数ベクトルx(t)で表現する。すなわち、x
(t)′=(y(t)′,u(t)′)と表現する。ここ
で、「′」は、ベクトルまたは行列の転置記号を表して
いる。以下の説明でも同じである。
また、記号を次のように置き換えることにより、 上記(1)式のシステム方程式と上記(3)式の制約条
件式を次の1つの式にまとめることができる。
A0x(t)=A1x(t−1)+vt(t=1,2,…,T) …
(7) 以下では、 とおくことにすると、A0,A1は(m×n)次元のマトリ
クスとなる。また、vtはm次元のベクトルとなる。
同じようにして、次のようにおくと、 上記(4)式の制約条件は、次の式で表すことができ
る。
at≦x(t)≦bt …(9) 以上のことをまとめると、動的システムの最適運用方法
は、「上記(7)式のシステム方程式、上記(2)式の
初期条件、上記(9)式の制約条件のもとで、上記
(5)式を最小とすると変数x(1),x(2),…x
(T)を求める。」という多段決定問題となる。
第1図は、本発明による動的システムの運用方法の原理
を示す図である。
第1図に示すように、与えられた外部入力vtと、動的シ
ステムの初期値y0をもとに、多段決定問題を解くことに
よつて、最適操作量u(t)を決定することができる。
例えば、電力需要量のような外部入力vtに対し、決定さ
れた最適操作量u(t)により、例えば発電プラントの
ような動的システムを運用したときのシステム現況y
(t)が運転指令室におけるコンソール上のディスプレ
イ面に表示される。
次に、上記多段決定問題を解くために用いられる縮小勾
配の考え方について説明する。
いま、上記(2)式の初期条件、上記(7)式のシステ
ム方程式、上記(9)式の制約条件を満足する解x
(t)、t=1,2…Tが得られたとする。非退化の仮定
をおくならば、x(t)はそれぞれ従属変数xB(t)と
独立変数xN(t)に分割できる。すなわち、x(t)=
(xB(t),xN(t))。ここで、xB(t)はm次元ベ
クトル、xN(t)は(n−m)次元ベクトルである。そ
れに対応して、at,btもat=(aB t,aN t),bt=(bB t,
bN t)に分割される。B0 tが従属変数xB(t)に対応した
マトリクスA0の列から構成され、同じようにC0 t独立変
数xN(t)に対応したマトリクスA0の列から構成されて
いるものとする。また、A1 tも従属変数xB(t−1)に
対応した列と独立変数xN(t−1)に対応した列からな
るB1 tとC1 tに分割することができる。その結果、 (1)aB t<xB(t)<bB t (2)B0 tは(m×m)の正則マトリクス となる。これより、多段決定問題は次のように書き直す
ことができる。
「B0 txB(t)+C0 txN(t)=B1 txB(t−1) +C1 txN(t−1)+vt …(10) aB t≦xB(t)≦bB t,aN t≦xN(t)≦bN t (t=1,2,…,T) …(11) (xB(0),xN(0))=(xB 0,xN 0) …(12) のもとで とする変数x(t),t=1,2…,Tを求めよ。」 この問題に対するKuhn−Tuckerの最適性条件は、次のよ
うな(n−m)次元ベクトルλ(t),t=1,2,…,Tが
存在することである。
以下では、λ(t)を縮小勾配と呼ぶことにする。あ
る時刻τに対する縮小勾配は、次のようにして求められ
る。
t=τ、τ+1,τ+2,…,Tのとき、上記(10)式を微分
し、dxN(τ)以外の独立変数の変化をゼロとおくと、
次の関係式が成立する。
いま、独立変数XN(τ)の変化による従属変数XS(t)
(t=τ,τ+1,…T)の変化を考えているのであるか
ら、時刻(τ−1)で以前の従属変数の変化dXS(τ−
1)およびdXN(t)(t=τ,τ+1,…T)を0とす
ると、(16)式が得られる。
ここで、次のようにおくと、 Qtは下記のようになる。
この式よりQtをt=τから順次t=Tまで求めることが
できる。これから縮小勾配λ(τ)は、 で求められる。
次に、上記縮小勾配を用いた多段決定問題の解決につい
て、具体的に述べる。上記(10)式〜(13)式の問題に
おいて、最終時刻がkである問題をP(k)と表すこと
にすると、本発明によるP(T)の解法を示す概略の流
れは、第2図に示すようになる。
第2図では、先ずk=1とし(ステップ21)、P(k)
を解いて(ステツプ22),k=Tであれば最適解を得てい
るので計算を終了する(ステツプ23,25)。また、k<
Tであれば、k=k+1としてステツプ22に戻る(ステ
ツプ24)。
第3図は、第2図の一部を詳細に説明するもので、ステ
ツプ22のP(k)を解く手順について示している。
ここで、時刻kよりlだけ前の時刻をτとする。つま
り、τ=k−lである。
先ず、l=0として(ステツプ31)、縮小勾配ベクトル
λ(τ)を上記(19)式より求め(ステツプ32)、さ
らに次のような(n−m)次元ベクトルSN(τ)を求め
る。
SNj(τ)=−λNj(τ),その他の場合、 このSN(τ)より、次のような半直線を定める。
xN(τ)=xN(τ)+αSN(τ) xB(t) =xB(t)+αSB(t),t=τ,τ+1…,k …(21) ただし、SB(t)は上記(17)式を用いて、 SB(t)=QtSN(τ),t=τ,τ+1,…,k …(22) で求められる。ここで、SN(τ)はXN(τ)の変化方向
ベクトルであり、(20)式で定められる。これによりx
(t)もまた上記(10)式を満足し、実行可能解を保
つことができる(ステツプ33)。次に、‖SN(τ)‖<
εが成立するか否かを判断し(ステツプ34)、成立すれ
ばステツプ39に、成立しなければステツプ35の手順にし
たがつて解の改善を行う。なお、ε>0であり、εはあ
らかじめ設定された定数である。
τ≧2の場合には、l=l+1として再びステツプ32に
戻る(ステツプ39,40)。τ=1であり、t=1〜kの
間でさらに解の改善が可能な場合(‖SN(t)‖>εと
なるような時刻がある場合)はステツプ31に戻る(ステ
ツプ41)。いずれでもない場合は、t=1〜kの間で最
適解が求められており、計算は終了する(ステツプ41,4
2)。
一方、下降方向S(τ)へのステツプ幅α(≧0)は、
次式を満足しなくてはならない。
aN τ≦xN(τ)+αSN(τ)≦bN τ aB τ≦xB(t)+αSB(t)≦bB ,t=τ,…,k …(2
3) これからαの区間が0≦α≦で与えられる。ここで、
は(23)式の満足するαの最大値を表す。次に、ステ
ツプの量αを次の問題の解として得る。
このαを用いて、上記(21)式にしたがい、新しい解
x(t)を得る(ステツプ35,36)。
ステツプ37では、(a)α≦であり、aB t<x
B(t)<bB t,t=τ,τ+1,…,kの場合、そのままス
テツプ32へ戻る。また(b)α=であり、ある時刻
pにおいて、xBr(p)=aBr p、またはbBr pとなる場
合、ピボツト操作を実行し、xBr(p)−を他の独立
変数xNS(p)と交換する。その後、ステツプ32に戻
る(ステツプ38)。
以上がp(k)を解く手順である。ここでは、t=1〜
kまでの最適解を得る手順について説明したが、lを適
当な値lmaxに制限することにより、t=(k−lmax)〜
kの間でのみ最適解を求めることも可能である。P
(k)を解く手順をこのように変更すれば、第2図に示
す流れ図から得られる解は最適解とはならないが、計算
時間の短縮をすることが可能である。
以上述べた多段決定問題の解として、x(t)、t=1,
2,…Tが求められ、これから操作変数u(t)、t=1,
2,…,Tを決定し、動的システムの最適運用を行うことが
できる。
次に、縮小勾配を求める手順を一部変更することによ
り、本発明は状態変数が遅れをもつ場合にも実施するこ
とができる。状態変数が遅れをもつ動的システムに対し
て上記(10)式〜(13)式と同じ表現をすると、 aB t≦xB(t)≦bB t,aN t≦xN(t)≦bN t (t=1,2,…,T) …(26) (xB(0),xN(0))=xB 0,xN 0 …(27) のもとで、 とする変数x(t),t=1,2,…,Tを求めよ。」と定式化
できる。ここで、θは遅れの次数を示す。また、Bi t,Ci
tは遅れを持つ変数に対する係数行列を従属変数と独立
変数に対応する部分に分割したものである。
この問題に対する最適性条件は、上記(14)式、(15)
式と同一である。ただし、λ(τ)を求める手順は、
次のようになる。上記(16)式を導いた手順と同じよう
に、上記(25)式より次の関係式を得る。
ここで、上記(17)式の関係を定義すると、Qtは、次の
ようにして求めることができる。
これから、上記(19)式にしたがつてλ(τ)を計算
できる。
以下、x(t),t=1,2,…,Tを求める手順は、第2図、
第3図と同じである。
このように、本発明によれば、時間遅れを含む動的シス
テムの最適運用も行うことができる。
以上述べた多段決定問題に対する解法の計算機記憶容量
と計算所要時間について、従来との比較を示す。
第4図は、多段決定問題を1つの非線形計画問題とて解
く場合と、本発明による解法の場合での扱う係数行列の
大きさを示す図である。第4図(a)は、非線形経過問
題として扱う場合であり、必要た記憶容量は次の式で与
えられる。
(n×T)×(m×T)=nmT2(個) …(31) これに対して、第4図(b)に示すように、本発明の解
法で必要となる記憶容量は、次式で表される。
(n+m)×T=nmT(個) …(32) 計算機に必要な記憶容量は、概略的に、係数行列の大き
さで比較することができる。したがつて、上記(31)式
と(32)式から、本発明による解法は、一般の非線形計
画問題に比べて、約1/Tの記憶容量ですむことが判る。
第5図は、本発明の解法を適用した場合の計算時間と目
的関数の変化の一例を示す図である。
横軸には、前記の結合時間数lmaxをとつている。本発明
の解法では、結合時間数lmaxを変えることにより、短い
計算所要時間で準最適解を得ることができる。また、最
適解を得る場合(lmax=11)の計算所要時間は約2.4秒
であることが判る(HiTACM−180を用いた場合)。同じ
例題に対し、従来の方法で収束の最も速い手法である双
対分割法による方法を適用した結果、約17.0秒で同じ解
を得ることができる。したがつて、本発明による解法
は、従来に比べて約1/8以下の計算所要時間でよいこと
が判る。
このように、本発明においては、使用する記憶容量が少
なくてよく、また計算所要時間が短いので、大規模なシ
ステムに対してもオンラインで最適運用計画を得ること
ができる。
なお、上記(5)式が線計である場合、上記(20)式に
より求めたSN(τ)に対して、次のようにする。
すなわち、目的関数を最も改善できる独立変数の勾配方
向にしたがつて解を変更することもできる。また、この
場合、上記(24)式による探索は不要であり、上記(2
3)式で求められるをαとして以下のステツプに進
めばよい。また、第3図では、各時刻までの最適解を求
めて時刻を1つだけ増加し、最適解を求めるという手順
を繰り返す。
この場合、増加させる時刻数は、任意に設定することが
できる。つまり、ある時刻(k)までの最適解を求め、
それ以後の2時刻分(k+1,k+2)の実行可能解を求
めてP(k+2)を解くこともできる。さらに全時刻T
の間での実行可能解を先ず求め、P(T)を解いて終了
してもよい。このように、本発明による多段決定問題の
解法は、第2図、第3図に限定されるものでないことは
勿論である。
第6図〜第12図は、本発明を産業用自家発電設備に適用
した場合の説明図である。
第6図に、本発明を適用した自家発電設備の構成図であ
る。
1〜4はボイラ(1B〜4B)であつて、1と3が重油焚き
ボイラ、2と4が副生ガス燃焼ボイラである。また、7
〜11は蒸気タービン(1T〜5T)であつて、7と9が抽気
背圧タービン、他の3台(8,10,11)が抽気腹水タービ
ンである。
ボイラ1,2とタービン7,8とで第1発電所G1を構成し、ボ
イラ3,4とタービン9〜11で第2発電所G2を構成する。
各発電所(G1,G2)の発電量は、それぞれ発電機12,13、
および14〜16からプロセス(1)、プロセス(2)に供
給され、蒸気はヘツダから双方のプロセスに供給され
る。また、プロセス(1),(2)で発生した副生ガス
は、それぞれに設けられたガス・ホルダー5,6に貯蔵さ
れる。ガス・ホルダー5,6の間には連絡用配管g3があ
り、相互に副生ガスを融通できる構成となつている。
このような産業用自家発電設備では、副生ガス(点線)
および重油(1点鎖線)により蒸気を発生し、蒸気はタ
ービンを回して発電を行つた後に、プロセス(1)
(2)で消費される。この場合、電力の重要量・蒸気の
需要量・副生ガスの発生量ともに、時間的に変動する。
そこで、重力および蒸気の需要を満足させつつ重油コス
トおよび買電コストが最小となるようなボイラー・ター
ビンの最適な運転を行うことにより、省エネルギーを図
ることができる。
第6図において、各種の記号を次のように定義する。こ
こで、(t)は、t時刻の量であることを示す。
Wj(t):発電出力(MW)(j=1,…,5) xj(t):中圧系抽気量(T/H)(j=1,…,4) yj(t):低圧系抽気量(T/H)(j=2,4,5) xj(t):背気量(T/H)(j=1,3) rj(t):復水量(T/H)(j=2,4,5) sj(t):主蒸気量(T/H)(j=1,…,5) (sj)max:最大主蒸気量(T/H)(j=1,…,5) (xj)max:中圧系最大抽気量(T/H)(j=1,…,4) (yj)max:低圧系最大抽気量(T/H)(j=2,4,5) (rj)max:最大復数量(T/H)(j=2,4,5) (rj)min:最小復水量(T/H)(j=2,4,5) (zj)max:最大背気量(T/H)(j=1,3) (zj)min:最小排気量(T/H)(j=1,3) (wj)max:最大発電出力(MW)(j=1,…,5) tj(t):中圧系バイパス流量(T/H)(j=1,2,3) uj(t):低圧系バイパス流量(T/H)(j=1,2,3) v(t):減圧系統流量(T/H) PH(t):製造プロセスの中圧蒸気消費量(T/H) PL(t):製造プロセスの低圧蒸気消費量(T/H) Qk:ボイラ蒸発能力(T/H)(k=1,…,4) ek(t):ボイラ蒸発量(T/H)(k=1,…,4) αk:重油消費率=蒸発量1T当りに要する重油量(Kl/
T)。ただし重油ボイラ(k=1,3)のみ。
βk:副生ガス消費率=蒸発量1T当りに要する副生ガス量
(m3/T)。ただし副生ガス燃焼ボイラ(k=2,4)の
み。
CE:買電単価(k¥/MWH) C0:重油単価(k¥/k) E1(t):製造プロセス1の電力消費量(MW) E2(t):製造プロセス2の電力消費量(MW) M:買電の契約電力量(MW) gP1(t):製造プロセス1の副生ガス発生量(×103m3
/H) gP2(t):製造プロセス2の副生ガス発生量(×103m3
/H) g1(t):ボイラ2の副生ガス消費量(m3/T) g2(t):ボイラ4の副生ガス消費量(m3/T) h1(t):ガスホルダー1の副生ガス貯蔵量(×10
3m3) h2(t):ガスホルダー2の副生ガス貯蔵量(×10
3m3) (h1)max:ガスホルダー1の最大貯蔵量(×103m3) (h2)max:ガスホルダー2の最大貯蔵量(×103m3) g3(t):ガスホルダー間の副生ガス融通量(×103m3/
H) (g3)max:g3(t)の最大値(×103m3/H) (g3)min:g3(t)の最小値(×103m3/H) 以上の記号を用いて、第6図の産業用自家発電設備の最
適運用計画を決定するための多段決定問題を定式化す
る。
(i)副生ガスの貯蔵量hi(t)の変化は、次のように
表すことができる。
h1(t) =h1(t−1)+gP1(t)−g1(t)+g3(t)…(3
4) h2(t) =h2(t−1)+gP2(t)−g2(t)−g3(t)…(3
5) (ii)買電は契約量以下であり、発電量はプロセスの需
要量を超えてはならない。
W1(t)+W2(t)≦E1(t) …(37) W3(t)+W4(t)+W5(t)≦E2(t) …(38) (iii)製造プロセスでの中圧蒸気需要量PH(t)およ
び低圧蒸気の需要量PL(t)を満足すること。
(iv)ボイラに関する蒸気バランスを満足すること。
e1(t)+e2(t)=t1(t)+t2(t)+u1(t) +u2(t)+S1(t)+S2(t)+v(t) …(41) e3(t)+e4(t)+v(t)=t3(t)+u3(t) +S3(t)+S4(t)+S5(t) …(42) (v)タービンに関する蒸気バランスを満足すること。
S1(t)=x1(t)+z1(t) …(43) S2(t)=x2(t)+y2(t)+r2(t) …(44) S3(t)=x3(t)+z3(t) …(45) S4(t)=x4(t)+y4(t)+r4(t) …(46) S5(t)=y5(t)+r5(t) …(47) (vi)タービンの蒸気消費特性を満足すること。
S1(t)=AX1・x1(t)+AW1・w1(t)+AC1 …(4
8) S2(t)=AX2・x2(t)+AY2・y2(t) +AW2・w2(t)+AC2 …(49) S3(t)=AX3・x3(t)+AZ3・z3(t)+AC3 …(5
0) S4(t)=AX4・x4(t)+AY4・y4(t) +AW4・w4(t)+AC4 …(51) S5(t)=AY5・y5(t)+AW5・w5(t)+AC5 …(5
2) ここで、AXj,AYj,AWj,ACjは、タービンの蒸気消費特性
を表す比例定数である。
(vii)副生ガス燃焼ボイラの副生ガス消費特性を満足
すること。
e2(t)=β・g1(t) …(53) e4(t)=β・g2(t) …(54) 以上述べた式のうち、上記(34)式〜(35)式が上記
(1)式に示したシステム方程式であり、上記(36)式
〜(54)式が上記(3)式に示した制約条件である。
次に、上記(4)式に示した制約条件は、下記のように
なる。
(vii)ガスホルダーの貯蔵量は、最大貯蔵量以下であ
ること。
h1(t)≦(h1)max,h2(t)≦(h2)max …(55) (ix)ガスホルダー間の融通量に対する上下限値を満足
すること。
(g3)min≦g3(t)≦(g3)max …(56) (x)ボイラーの蒸発量は、蒸発能力以下でなければな
らない。
ek(t)≦Qk(k=1,2,…4) …(57) (xi)最大主蒸気量の制約 Sj(t)≦(Sj)max(j=1,2,…5) …(58) (xii)最大抽気量の制約 xj(t)≦(xj)max(j=1,2,…,4) …(59) yj(t)≦(yj)max(j=2,4,5) …(60) (xiii)最大・最小復水量の制約 (rj)min≦rj(t)≦(rj)max(j=2,4,5) …(6
1) (xiv)最大・最小背気量の制約 (zj)min≦zj(t)≦(zj)max(j=1,3) …(62) (xv)最大発電出力の制約 wj(t)≦(wj)max(t=1,…,5) …(63) 以上が上式(4)式に示した制約条件に対応する。次
に、上式(5)式に対応する目的関数を、次のように定
める。
上記(64)式の最終項は、ボイラの運転を安定に行うた
めに、付加したものであり、Kは定数である。
以上のように、第6図の動的システムを多段決定問題と
して表現することができた。これを具体的な数値により
解くことにする。先ず、1時間単位で24時間の問題を解
くことにし、T=24とする。また、副生ガスのホルダー
1,2に対する初期貯蔵量はゼロとする。蒸気タービンに
関する特性は、第7図に示すとおりであり、その他の定
数は次のように設定する。
(Q1,Q2,Q3,Q4)=(220,120,270,180)、(α1
=(0.075,0.082),(β1)=(20,18),C0=23.
0,CE=8.45,M=50,K=0.01, (h1)max=(h2)max=20.0, (g3)max=2.0,(g3)min=−2.0 また、プロセスの蒸気需要および電力需要の変化を、第
8図に示し、さらに副生ガスの発生量を第9図に示す。
以上の各定数を用いて、多段決定問題を解いた結果、第
10図、第11図、第12図に示す曲線を得ることができた。
この例では、タービン発電機による発電に必要な蒸気コ
ストが買電単価より若干高いため、ボイラの蒸発量はプ
レセス(1),(2)での蒸気需要に近い変化を示して
いる。また、上記(64)式の最終項の効果によりボイラ
の蒸発量は急激な変化をすることなく、安定に運転を行
うことができる。また、副生ガス燃焼ボイラは、ボイラ
4の方が2より蒸発能力が小さく、また6時頃までプロ
セス(2)における副生ガス発生量が多いため、第12図
に示すように、副生ガスはホルダー(h2)6からホルダ
ー(h1)5の方に送られる。24時頃より以降は、プロセ
ス(1)での副生ガスが増加し、プロセス(2)での副
生ガスが減少する。したがつて、副生ガスはホルダー
(h1)5からホルダー(h2)6の方に送られて有効に消
費される。
このようにして、第10図〜第12図に示すように、本発明
の方法によれば、動的システムを安定かつ最適に運用す
ることができる。
〔発明の効果〕
以上発明したように、本発明によれば、従来の方法に比
べて高速に(時間は約1/8)最適の運用計画を求めるこ
とができ、かつ運用計画を求める計算過程で常に実行可
能解を用いるため、任意の時点で計算を打ち切つても支
障なく運用を行うことができる。また、多数段(各時
刻)に分割して小さな問題を扱うため、計算機に用いる
記憶容量が従来より少なくてよい(従来1/T)ため、大
規模なシステムに対するオンライン運用が可能である。
そして、本発明によれば、大規模なシステムに内在する
蓄積設備を有効利用することによる省エネルギーが可能
である。例えば、 (a)ガスや石油などの蓄積設備の有効利用により、プ
ラントが外部から購入する電力量の平準化(ピークカッ
ト)が行え、その結果、電力設備の有効利用が行える。
(b)蓄積設備の有効利用により、プラント内部で発生
するエネルギーの効率的な再利用が行え、プラントで消
費する化石エネルギーの低減による大気汚染の防止や地
球環境の保全に資することができる。
さらには、システムで消費する資源の効率的な蓄積によ
り、プラントの安定運転に資することができる。例え
ば、 (a)蓄積設備の効率的な作用によりプラントのエネル
ギー需要に対する安定な供給が可能となり、エネルギー
不足によるプラント運転効率の低下を未然に防止するこ
とができる。
(b)上水道のような公共の施設において、配水池など
の蓄積(貯水)設備の効率的な運用により、圧力低下や
断水などのサービス低下を未然に防ぎ、都市住民のライ
フライン確保に資することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による動的システムの運用方法の原理を
示す図、第2図は最適運用計画を求める概略の流れ図、
第3図は第2図の一部を詳細に示す流れ図、第4図は本
発明と従来方法における記憶容量の大きさを比較する
図、第5図は本発明の実施例を示す計算所要時間と目的
関数値を示す図、第6図は本発明の実施例を示す産業用
自家発電設備の構成図、第7図、第8図、第9図はそれ
ぞれ本発明の運用方法におけるタービン特性、電力と蒸
気需要、および副生ガス発生量を示す図、第10図、第11
図、第12図はそれぞれ本発明による運用方法の結果とし
てボイラ蒸発量、発電機出力、およびガス貯蔵量および
融通量を示す図である。 1,3:重油ボイラ、2,4:副生ガス燃焼ボイラ、5,6:副生ガ
ス・ホルダー、7〜11:蒸気タービン、12〜16:発電機、
17〜19:復水器、vt:外部入力、y(t):状態変数、
y0:初期値、u(t):操作変数。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エネルギー蓄積素子を有する動的システム
    において、前記エネルギー蓄積素子の初期状態と、該動
    的システムの出力に対する需要量とを用いて、該動的シ
    ステムを構成する機器の最適な操作量と前記エネルギー
    蓄積素子への蓄積量を決定し、決定された最適な操作量
    にもとづいて動的システムの制御を行うに際して、最適
    な操作量を決定する処理が、 (a)前記動的システムに対する各時刻毎の需要量とエ
    ネルギー蓄積素子の初期状態量を既知とし、前記動的シ
    ステムの変化を、エネルギー蓄積素子の蓄積量を表す状
    態変数を介して、前記各時刻の状態変数を結合した一連
    の制約条件式と、前記動的システムの望ましい状態を評
    価する目的関数とからなる多段決定問題として定式化す
    る処理と、 (b)前記多段決定問題を、各時刻毎の問題に分割する
    処理と、 (c)分割された各時刻における動的システムの状態を
    表す複数の状態変数を、他の状態変数とは独立に状態量
    を決定できる独立変数と、該独立変数の状態変化に応じ
    て状態量が変化する従属変数とに分割する処理と、 (d)各独立変数が微小変化した時の従属変数の変化量
    を求め、該変化量から前記動的システムの目的関数の値
    の変化度合を計算する処理と、 (e)前記変化度合が前記動的システムの好ましい状態
    の方向になるように独立変数の変化方向を計算する処理
    と、 (f)前記変化方向に独立変数を変化させ、独立変数お
    よび従属変数をともに許容範囲内である上下限値内に保
    ち、前記目的関数を最小にする変化量を求める処理と、 (g)前記目的関数が最小になる状態変数の値に該状態
    変数を更新し、前記動的システムの状態のより望ましい
    状態を求める処理と、 (h)前記許容範囲の上下限値に達した従属変数と適当
    な独立変数とを交換する処理と、 (i)前記独立変数の変化量の変化の大きさが一定の値
    以下となるまで前記(d)〜(h)の処理を繰り返す処
    理と を有することを特徴とする動的システムの運用方法。
  2. 【請求項2】前記(i)の処理は、前記(d)の処理に
    おいて変化する独立変数の選択を所定の状態変数に限定
    し、変化する独立変数の選択時刻を順次変化させながら
    行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の動的
    システムの運用方法。
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