JPH0787936A - 加工用イカ原料及びアメリカオオアカイカの異味成分の減少方法 - Google Patents

加工用イカ原料及びアメリカオオアカイカの異味成分の減少方法

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JPH0787936A
JPH0787936A JP5273947A JP27394793A JPH0787936A JP H0787936 A JPH0787936 A JP H0787936A JP 5273947 A JP5273947 A JP 5273947A JP 27394793 A JP27394793 A JP 27394793A JP H0787936 A JPH0787936 A JP H0787936A
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律男 重岡
Shigeru Aoki
滋 青木
Masaaki Sugimoto
昌明 杉本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ムラサキイカ等の代替加工原料としてアメリ
カオオアカイカの利用。 【構成】 異味成分を感じないアメリカオオアカイカ
(Dosidicus gigas)よりなる加工用イ
カ原料。アメリカオオアカイカの肉部を食塩および有機
酸のナトリウム塩混合物の水溶液で処理して異味成分を
減少する。肉部は適当サイズにカットされたものを用い
る。有機酸のナトリウム塩としてアスコルビン酸ソー
ダ、クエン酸ソーダ、リンゴ酸ソーダ等を用いる。 【効果】 アメリカオオアカイカを食用化することがで
きる。アメリカオオアカイカのもつ異味成分を軽減ない
し除去することができる。その異味成分ゆえにこれまで
利用されていなかったアメリカオオアカイカを利用可能
にする方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異味成分を感じないア
メリカオオアカイカ(Dosidicusgigas)
よりなる加工用イカ原料及びアメリカオオアカイカの異
味成分の減少方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、その異味成分ゆえにこれまで利用されていなかった
アメリカオオアカイカを食塩と有機酸のナトリウム塩の
混合物の水溶液で処理することにより、加工用イカ原料
として利用することのできる異味成分を感じないアメリ
カオオアカイカに関する。
【0002】上記アメリカオオアカイカ(Dosidi
cus gigas)は、分類学上は、軟体動物 MO
LLUSCA門、頭足類 CEPHALOPODA綱、
ツツイカ類 Teuthoidea目、開眼類 Oeg
opsida亜目、アカイカ科 Ommastreph
idae科に属するスルメイカ類である。
【0003】
【従来の技術】水産物の調理冷凍食品はフライ類、てん
ぷらなどの揚げもの類が主流となっており、特にエビ、
イカ、カキ、アジ、サバ、サケ、カレイ、メルルーサな
どの水産物が原料とされている。加工用イカ原料として
は、これまでムラサキイカが多用されてきた。しかし、
ムラサキイカの流し網漁が禁止され、その冷凍品のスト
ックも間もなく底をつくことから、加工用イカ原料の激
減が予想される。今、アメリカオオアカイカなどの大規
模未開発資源を加工用イカ原料として利用できるように
することがイカ類加工産業の存続のための不可欠の課題
となっている。
【0004】アメリカオオアカイカは異味成分ゆえに、
食べると一種のエグ味が感じられ、加工用イカ原料とし
て利用できなかった。このイカの異味成分は、揮発性塩
基窒素(VBN)と塩素が他の種類のイカに比べ多量に
含有されることから、塩化アンモニウム(NHCl)
であるとされている。また、この成分はイカが浮力を持
つためにアンモニウムガスを生成することに起因すると
されている。この成分はイカの目回りが大きいほど多量
に含有される。これまではムラサキイカが多量に漁獲さ
れていたことから、アメリカオオアカイカの異味成分を
減少して加工・利用する技術はいまのところ確立されて
いない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアメリカオオ
アカイカの食用化を目的とする。詳しくは、本発明は、
アメリカオオアカイカのもつ異味成分を軽減ないし除去
することによって、食用化し、これまで利用されていな
かったアメリカオオアカイカを利用可能にする方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】加工用イカ原料を加工素
材に調整する基本工程は、漁獲後凍結保存されていた原
料を半解凍、前処理、流水解凍、撹拌・水洗、水切り、
漬込・調味、そして表面脱水する工程よりなる。上記前
処理工程は用途に応じ鹿子入れ、剥皮、2枚卸、細切り
等の処理をする工程である。アメリカオオアカイカを加
工用イカ原料として使用する場合、加工前の加工素材の
調整工程において異味成分を軽減ないし除去することが
必要である。
【0007】本発明者はこの問題点を解決する手段とし
て鋭意研究したところ、その異味成分(エグ味)は水溶
性であるので、上記工程で撹拌・水洗処理し、食塩及び
有機酸ナトリウム塩含有水溶液に浸漬することによっ
て、アメリカオオアカイカの異味成分を軽減し、除去で
きることを見いだしたものである。すなわち、水のみで
撹拌すると、その異味成分は水洗・撹拌で取り除ける
が、長時間を要するため肉が膨潤しイカ本来の肉質を損
なう。その解決のためには、処理速度を上げる必要があ
る。そのために剥皮後、用途に応じて細切し、表面積を
大きくし、かつ均一に処理するため水洗・撹拌する。撹
拌処理による肉質の軟化を防ぐため、撹拌の頻度・速度
を最小限に調整する必要がある。
【0008】さらに、吸水による膨潤を少なくするた
め、食塩水を用いて浸透圧による除去を試みた。3%溶
液では4時間後に完了し、5%溶液では2時間後で完了
した。このことから浸透圧による異味物質の除去が有効
であることが分かったが、5%では時間的には有効でも
やや塩辛かった。
【0009】食品加工における食塩による味付け・漬け
込みは肉類の膨潤を防ぎかつ塩味を付与するが、特有の
塩角を有する。この塩角をまろやかにするため、アスコ
ルビン酸ソーダ、クエン酸ソーダ、リンゴ酸ソーダ等の
有機酸のナトリウム塩を併用することは周知の技術であ
る。本発明者はこの点に着目して、食塩水に浸透圧を保
ちながら塩味を緩和できるリンゴ酸ソーダを併用したと
ころ、5%食塩水と同じ時間で除去でき、塩味もわずか
であることを見いだした。したがって、本発明は有機酸
のナトリウム塩としてアスコルビン酸ソーダ、クエン酸
ソーダ、リンゴ酸ソーダ等を単独であるいは組み合わせ
て使用する。本発明は有機酸のナトリウム塩として好ま
しくはリンゴ酸ソーダ(以下、リンゴ酸Naと記すこと
もある。)を使用する。
【0010】本発明はアメリカオオアカイカを食塩及び
有機酸ナトリウム塩含有水溶液に浸漬処理することによ
り、ムラサキイカ等の代替加工原料として利用可能にす
ることができる。異味物質除去処理後はイカの本来の味
が損なわれたので、二次処理として調味付けのための漬
け込みを行ったところ味は復元し所期の目的物を得た。
調味付け処理は、同時に処理しても所期の目的物は得ら
れる。
【0011】
【実施例】本発明の詳細を実施例で説明する。本発明は
実施例によってなんら限定されることはない。 試験例1 異味成分を水洗・撹拌で取り除く際、その条件を変えた
撹拌・水洗装置をそれぞれA,B,C,Dとして、各装
置による肉質や異味成分の変化を調べた。
【0012】基本工程 原料→半解凍→前処理(用途に応じ鹿子入れ・剥皮・2
枚卸・細切り等)→流水解凍→撹拌・水洗→水きり→漬
込・調味→表面脱水→加工素材→加工
【0013】撹拌・水洗装置 装置A 静止洗浄 (容器にイカと溶液を入れて静置する。) 装置B 電源→撹拌装置 (撹拌機に電源を直結し、イカと溶液を入れて連続撹拌
する。) 装置C 電源→タイマー→撹拌装置 (装置Bにタイマーをセットし、10分間に10秒間平
常速度で間欠撹拌する。) 装置D 電源→タイマー→インバーター→撹拌装置 (装置Cに更にインバーターをセットし、装置Cの運転
間隔で1秒間に3回転させる。)
【0014】原料性状は表1のとおりである。
【0015】
【表1】
【0016】その結果をまとめると次のとおりになる。 装置A 異味物質除去に長時間を要し、かつバラツキが
大きく肉が膨潤した。 装置B 連続撹拌のため撹拌度が強すぎ、撹拌機の衝撃
によって短時間で肉質が軟弱になりイカ本来の肉質を損
なった。 装置C 装置Bより肉に対する衝撃はやや緩和されたも
のの撹拌速度が早過ぎたため肉質が柔らかくなった。 装置D 長時間の撹拌でも機械的な衝撃は軽微であった
り肉質は良好であった。 以上の結果より、除去装置は装置Dの使用が好ましいこ
とが明らかとなった。
【0017】試験例2 試験例1の結果より、装置Dを用いて異味物質の除去方
法を検討するため、冷凍アメリカオオアカイカの開き胴
肉(サイズ:1〜10、肉厚:3cm程度)を−3〜−
4℃程度に半解凍後、外側に網目の鹿子筋を入れ6cm
幅にカット・2枚に卸して供試サンプルとし以下の試験
を行った。 1.水のみによる撹拌 水のみで撹拌すると、1夜を要し異味物質は除去できる
ものの吸水による膨潤で肉が軟化した。 2.食塩水による撹拌 食塩水を用いて浸透圧による除去を試みた結果、3%溶
液では4時間後に完了し5%溶液では2時間で完了し
た。このことから浸透圧による異味物質の除去が有効で
あることが分かったが、5%では時間的には有効でもや
や塩辛かった。 3.食塩とリンゴ酸Naの併用による撹拌 そこで浸透圧を保ちながら塩味を緩和できるリンゴ酸ソ
ーダを併用したところ5%食塩水と同時間で除去でき、
塩味もわずかであった。
【0018】4.処理後の調味付け 異味物質除去処理後はイカの本来の味が損なわれたの
で、二次処理として調味付けのための漬け込みを行った
ところ味は復元し所期の目的物を得ることができた。ま
た、調味付けを処理と同時にしたところ、所期の目的物
を得ることができた。
【0019】5.異味成分の含有量と官能検査 異味成分の本体とされる塩化アンモニウム(NH
l)を揮発性塩基窒素(VBN)で測定しながら官能検
査をしたところ、30mg/100g程度まで落とすと
異味(エグ味)を感じなくなった。上記実験結果を表2
(水洗・撹拌とVBN等の変化)に示す。なお、用途に
もよるが薄くて小片になるほど、除去条件は良くなる。
【0020】
【表2】
【0020】
【発明の効果】異味成分を感じないアメリカオオアカイ
カを提供できる。アメリカオオアカイカのもつ異味成分
を軽減ないし除去することにより、その異味成分ゆえに
これまで利用されていなかったアメリカオオアカイカを
利用可能にする方法を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異味成分を感じないアメリカオオアカイ
    カよりなる加工用イカ原料。
  2. 【請求項2】 アメリカオオアカイカの肉部を食塩およ
    び有機酸のナトリウム塩混合物の水溶液で処理すること
    を特徴とするアメリカオオアカイカの異味成分の減少方
    法。
  3. 【請求項3】 アメリカオオアカイカの肉部は適当サイ
    ズにカットされたものである請求項2記載のアメリカオ
    オアカイカの異味成分の減少方法。
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