JPH0788304B2 - 高アンモニア血症治療剤 - Google Patents

高アンモニア血症治療剤

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JPH0788304B2
JPH0788304B2 JP5061688A JP5061688A JPH0788304B2 JP H0788304 B2 JPH0788304 B2 JP H0788304B2 JP 5061688 A JP5061688 A JP 5061688A JP 5061688 A JP5061688 A JP 5061688A JP H0788304 B2 JPH0788304 B2 JP H0788304B2
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竹明 長嶺
節雄 小林
稔 中野
修一 齊藤
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三生製薬株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高アンモニア血症の治療剤に関する。更に詳し
くは、本発明はビオチンを有効成分として含有すること
からなる高アンモニア血症の治療剤に関する。
〔従来技術〕
現在、ビオチンを有効成分として含有する治療剤は、急
・慢性湿疹、小児湿疹、接触皮膚炎等の皮膚疾患を対象
として使用されている。
高アンモニア血症の治療には、従来は非吸収性の抗生物
質、例えばフラジオマイシン(furadiomaicin)、ネオ
マイシン(neomysin)などの経口投与や、合成二糖類製
剤の経口、浣腸投与などが行なわれ、効果を挙げてい
る。
〔発明が解決しようとしている課題〕
血中のアンモニアは、腸管から吸収されたもの、体内の
蛋白代謝においてアミノ酸転移酵素とグルタミン酸脱水
素酵素の共役反応によって産生されたもの、および体細
胞でアミノ酸から直接離脱したものである。これら血液
中でのアンモニアは、遊離アンモニアと解離平衡により
生成するアンモニウムイオンの状態で存在している。ア
ンモニアは、生体において有毒であることから、健常者
においては、尿素回路などで処理され、血中、組織中と
も遊離アンモニアはきわめて低い一定のレベルに保たれ
ている。
一方、重症肝障害(劇症肝炎、肝硬変など)の場合、ア
ンモニア産生の増加に加え、肝臓でのアンモニア処理能
力が低下するため、高アンモニア血症をきたし、それが
肝性脳症の主因の一つであるとされている。このような
場合、上記従来の治療方法では、患者にしばしば下痢、
菌交代症、腸内細菌叢の変化、胃腸障害等の副作用を惹
起するという欠点を有している。
本発明は上記従来の治療方法の欠点を克服した、人を含
む温血動物の高アンモニア血症に対するすぐれた治療剤
を提供することを目的とする。
本発明のその他の目的は以後の詳細な説明及び実施例か
ら明らかであろう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、高アンモニア血症ラットにおいてビオチ
ンを投与することにより、血中アンモニアの有意な低下
を認めた。また、高アンモニア血症を伴う慢性肝不全患
者の血中アンモニア値を低下させ、同時に患者の臨床症
状を著しく改善することを知り、本発明を完成した。
本発明において活性成分として使用するビオチンは次式
によって示される。: この化合物は白色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及
び味はない。融点は約231℃(分解)であり、氷酢酸に
溶けにくく、水、エタノール、又はn−ブタノールに極
めて溶けにくく、エーテル又はクロロホルムにほとんど
溶けない。水酸化ナトリウム試液にとける。
本発明のビオチンを含有する通常の医薬剤型としてはた
とえば経口剤として錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロ
ップ剤等、非経口剤としては注射剤等がある。投薬単位
形においてはビオチン約0.1ないし50mgを含有しうる。
固体製剤は通常の医薬担体たとえば乳糖、ショ糖、ソル
ビトール、マンニトール、デンプン類、セルロース誘導
体、ステアリン酸カルシウムおよびマグネシウム、カー
ボワックス、PVP等を包含しうる。経口用水性製剤は必
要により溶解補助剤たとえばニコチン酸アミド、矯味料
例えばショ糖、あるいは安定化剤、香料、着色料等を包
含しうる。注射用水性製剤はビオチンと注射用蒸留水か
らなり、必要により溶解補助剤、安定化剤、無痛化剤の
ような他の成分を含有することができる。これらの医薬
製剤はこの技術分野においてよく知られている技術に従
って容易に製造することができる。
本発明のビオチンの治療における使用量は患者の症状に
よって可変であるが、成人の場合1日あたりビオチン0.
5ないし100mg、好ましくは1ないし30mgである。注射剤
の場合1日1ないし2回、内服剤の場合1日数回、好ま
しくは3ないし4回に分けて投与するのが推奨される。
〔作 用〕
ビオチンが血中アンモニア値を低下させる機序は未だ確
立されていないが、尿素回路の初期段階であるカルバモ
イルリン酸合成酵素の炭酸固定に関与している可能性が
考えられる。
〔効 果〕
本発明のビオチンのすぐれた血中アンモニア値の上昇抑
制効果は以下に示すラットを使用した試験の結果から実
証される。: ビオチンの腹腔内投与実験 この実験には、ウィスター系ラット(雄性、平均体重20
0g)をビオチン投与群に9匹、対照群に9匹の合計18匹
使用した。ビオチン投与実験は血中アンモニア値を上げ
るために、生理食塩水に溶かしたウレアーゼ(濃度25単
位/ml、シグマ社)を25単位/kg投与した。ウレアーゼを
投与する12時間前に、下記実施例4に従って製造した注
射剤を使用してビオチン1mg/匹(濃度1mg/2ml)を腹腔
内投与し、ウレアーゼ投与直前に採血を行った。ウレア
ーゼを腹腔内に投与した後、2時間、4時間、6時間、
9時間目に採血し、これらの血液試料のアンモニア値
を、奥田、藤井の方法〔最新医学21,622−627(196
6)〕、即ち、除蛋白上清に直接インドフェノール試薬
を加えて発色させ、アンモニアを定量する方法に従い測
定した(本実験)。対照群実験は、ビオチンの代りに生
理食塩水2mlを腹腔内投与し、上記実験と全く同じ方法
で行なった。結果をそれぞれ次の表1及び表2に示す。
上記表1、表2からビオチン投与群の、ウレアーゼ投与
4時間後及び6時間後の血中アンモニア値の上昇の平均
がそれぞれ126.4μg/dl、104.8μg/dlであるのに対し、
対照群のウレアーゼ投与4時間後及び6時間後の血中ア
ンモニア値の上昇の平均はそれぞれ257.0μg/dl、278.1
μg/dlであり、ビオチンを投与することによりウレアー
ゼ負荷によって生ずる血中アンモニア値の上昇をウレア
ーゼ投与後4ないし6時間にわたって著しく抑制する事
が認められる。また上記表1および表2の数値につき、
それぞれに対応する平均値の差のt検定を行なったとこ
ろ、ウレアーゼ投与後4時間および9時間でp<0.02、
6時間でp<0.01と明らかな差をもって本発明のビオチ
ンは血中アンモニア値を低下せしめることを示した。
急性肝不全モデルラットにおけるビオチンの腹腔内投与
実験 この実験にはウィスター系ラット(雄性、平均体重240
g)を20匹使用した。急性肝不全モデルを作るためにオ
リーブ油と1対1に混合した四塩化炭素を2ml/kgを腹腔
内投与した。ビオチン投与群は四塩化炭素投与48時間
前、24時間前、6時間前に下記実施例4に従って製造し
た注射溶液を使用してビオチン各1mg(1mg/2ml)を腹腔
内投与し、四塩化炭素投与直前に採血を行なった。四塩
化炭素を腹腔内投与した後、24時間、48時間目にそれぞ
れ5匹ずつ頚静脈より採血した。これらの血液試料のア
ンモニア値を奥田、藤井の前記の方法に従い測定した
(本実験)。
対照実験はビオチンの代りに生理食塩水を2ml腹腔内投
与し、上記実験と全く同じ方法で行なった。結果を次の
表3及び表4に示す。
上記表3、表4からビオチンは四塩化炭素負荷による急
性肝不全モデルでの血中アンモニア値の上昇を抑制する
傾向であることが認められる。また対照群において四塩
化炭素投与24時間後及び48時間後にラットがそれぞれ2
匹ずつ死亡しているのに対し、ビオチン投与群は死亡例
が無い。これらの死亡率についてカップランマイヤー法
で検定をおこなったところビオチン投与群のほうが明ら
かに延命効果を示した。
本発明のビオチンを各種投与経路でマウス及びラットに
投与した場合の急性毒性(LD50)を次の表5〔フレグラ
ンス ジャーナル、61−64(1980)、フレグランスジャ
ーナル社〕に示す。
〔実施例〕 本発明の化合物を投薬するための有用な医薬製剤の例を
次の実施例に示す。
実施例 1 錠 剤 1錠中 ビオチン 2mg 乳糖 55 コーンスターチ 16 微結晶セルロース 30 ポリビニルピロリドンk−30 5 ステアリン酸カルシウム 全量110mg 乳糖の一部でビオチン倍散を予製し、コーンスターチ、
微結晶セルロース、残りの乳糖を混合した中にビオチン
倍散を添加混合する。次にポリビニルピロリドンk−30
の水溶液を結合剤として加え、以下常法に従って顆粒を
製造し、ステアリン酸カルシウムを加えて混合した後1
錠110mgの錠剤に打錠する。
実施例 2 エンテリックコーティング錠 実施例1に従い得られた錠剤の表面に下記組成のコーテ
ィング液を常法に従い噴霧し、乾燥物として1錠あたり
10mgの被膜を形成させる。
エンテリックコーティング液100mgの処方 オイドラギットL30D−55 45.0mg マクロゴール6000 1.5 タルク 3.0 精製水 50.5 全量100.0mg 実施例 3 注射用溶液 1管中 ビオチン 2.0mg 注射用蒸留水 適量 全量10.0ml ビオチンを注射用蒸留水に溶解し、常法に従い濾過した
後アンプルに10.0ml充填する。続いてアンプルを熔閉後
滅菌する。
実施例 4 注射用溶液 1管中 ビオチン 5.0 mg ニコチン酸アミド 0.15 ベンジルアルコール 0.2 注射用蒸留水 適量 全量10.0ml ビオチン及びニコチン酸アミド(溶解補助剤)をビオチ
ンが溶解しうる適量容量の加温した注射用蒸留水に加
え、ついで撹拌溶解後常温まで冷却した後ベンジルアル
コール(無痛化剤)を加え、さらに注射用蒸留水を規定
量まで加える。
以後、常法に従い濾過した後アンプルに10.0ml充填し、
熔閉後滅菌する。
実施例 5 経口用シロップ剤 100ml中 ビオチン 10mg ニコチン酸アミド 300 D−ソルビット 2000 蒸留水 適量 全量100ml 約3/4容量の温蒸留水中にビオチンとニコチン酸アミド
を加え、撹拌溶解後D−ソルビットを徐々に加える。溶
解後、常温まで冷却し残りの蒸留水を規定量まで加え
る。
実施例 6 カプセル 1カプセル中 ビオチン 2mg 乳 糖 298 全量300mg 乳糖の約1/10量にビオチンを加えて混合した後、残りの
乳糖を加えて均一に混合する。これをゼラチン硬カプセ
ルに充填する。
〔使用例〕
本発明のビオチン含有製剤を主に肝硬変に基づく高アン
モニア血症の患者に投与した臨床成績、即ち血中アンモ
ニア値及び高アンモニア血症に付随して発症する肝性昏
睡の改善効果を以下に示す。尚、此等の患者は、他の高
アンモニア血症治療薬を投与しても、改善が見られなか
った例である。
患者 1 男 67歳 肝硬変+胃癌 患者 2 女 65歳 肝硬変 患者 3 男 51歳 肝硬変 ビオチンは実施例4に従って製造した注射液(0.5mg/m
l)を1日5mgないし10mg静脈内投与を行なった。投与期
間は各患者の状態によって異なっている。
各患者の血液試料を1日1回又は数回ほぼ同時刻に採血
し、微量拡散法(患者1、患者2)及び奥田・藤井の前
記方法(患者3)により血中アンモニア値を測定し、ま
た、肝性昏睡の度合をしらべた。
肝性昏睡の度合は、表6昏睡度分類表〕に基づいて定め
た。これについての診断基準となる分類表は、日本医師
会雑誌第92巻第7号(昭和59年10月1日発行)第78頁及
び第12回犬山シンポジウム110,1982、中外医学社に所載
されている。
各患者のビオチン投与の間隔、投与前後の血中アンモニ
ア値及び肝性昏睡の度合を表7〜9にそれぞれ示す。
上記表7〜9の結果は、全ての例において本発明のビオ
チンを投与することにより血中アンモニア値の低下及び
肝性昏睡度を改善せしめることを示している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビオチンを有効成分として含有することか
    らなる、高アンモニア血症治療剤。
JP5061688A 1988-03-05 1988-03-05 高アンモニア血症治療剤 Expired - Lifetime JPH0788304B2 (ja)

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