JPH0789934B2 - 構造遺伝子の製造および発現 - Google Patents

構造遺伝子の製造および発現

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JPH0789934B2 JP58501807A JP50180783A JPH0789934B2 JP H0789934 B2 JPH0789934 B2 JP H0789934B2 JP 58501807 A JP58501807 A JP 58501807A JP 50180783 A JP50180783 A JP 50180783A JP H0789934 B2 JPH0789934 B2 JP H0789934B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般に、遺伝物質の操作、具体的には、所望
のタンパク質の生産のための組換え手段に有用なDNA配
列の製造に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
遺伝物質とは、一般的には、細胞およびウィルスの構成
成分の製造をプログラムおよび誘導し、そして、細胞お
よびウィルスの反応を制御する化学物質として定義でき
る。デオキシリボ核酸(DNA)として知られる長鎖重合
体物質は、リボ核酸(RNA)によってプログラムされる
ある種のウィルスを除いて、あらゆる生細胞およびウィ
ルスの遺伝物質を構成する。
DNAポリマーの反復単位は、4つの異なるヌクレオチド
であり、それらは各々燐酸塩基が付加したデオキシリボ
ース糖類に結合したプリン(アデニンあるいはグアニ
ン)あるいはピリミジン(チミンあるいはシトシン)を
含む。直線状ポリマー内のヌクレオチドの接合は、1つ
のヌクレオチドの5′−燐酸の、他のヌクレオチドの
3′ヒドロキシル基への融合によるものである。機能性
DNAはヌクレオチドの一本鎖(デオキシオリゴヌクレオ
チドとして知られる)の安定した二本鎖会合の形で生
じ、この会合はプリン塩基およびピリミジン塩基の間の
水素結合によって生じる〔すなわち、アデニン(A)と
チミン(T)との間、またはグアニン(G)とシトシン
(C)との間に存在する『相補的』会合〕。従来より、
ヌクレオチドは、それらを形成するプリン塩基あるいは
プリミジン塩基の名前で呼ばれ、二本鎖DNAの相補的結
合(すなわち、A−TおよびG−C)は『塩基対』と呼
ばれている。リボ核酸は、ポリヌクレオチドであり、ア
デニン、グアニン、シトシン、およびチミンの代わりに
ウラシル(U)を含み、これらはリボースおよび燐酸基
に結合している。
DNAのプログラム機能は、一般に、特定のDNAヌクレオチ
ド配列(遺伝子)が、比較的に不安定なメッセンジャー
RNA(mRNA)ポリマーに『転写』されるプロセスによっ
て実現される。一方、mRNAは、アミノ酸から構造、調節
および触媒タンパク質を生成するための鋳型として役立
つ。この翻訳過程には、小さなRNA鎖(tRNA)の作用が
関連しており、tRNAは個々のアミノ酸を送り込んでmRNA
に沿って整列させて、適切なアミノ酸配列のポリペプチ
ドの生成を可能にする。ポリペプチド『発現』のため
に、DNAから誘導され、tRNAの供給と20種類のアミノ酸
のいずれかの方向性を定めるmRNAの『メッセージ』は、
三塩基『コドン』の形態、すなわち、3つのヌクレオチ
ド塩基の配列的なグループ化の形態をとる。ある意味で
は、タンパク質の形成は、遺伝子のヌクレオチド配列に
よってプログラムされた遺伝メッセージの『発現』の究
極的な姿である。
DNAポリマー内にて、普通遺伝子に『先行』するDNA配列
は、mRNAへの転写の開始部位をもたらす。これら配列
は、『プロモーター』配列と呼ばれる。DNAポリマー内
で、通常遺伝子の『上流』にある(すなわち、先行す
る)その他のDNA配列は、転写開始の頻度(あるいは速
度)を決定するタンパク質を結合する。このような配列
は、『レギュレーター』配列と呼ばれる。このように、
機能性DNAポリマーの中で選択された一つの遺伝子(あ
るいは、複数の遺伝子の配列)に先行し、かつ遺伝子の
転写(および、その後の発現)の有無を決定する配列
は、『プロモーター/レギュレーター』あるいは『制
御』DNA配列と総称されている。DNAポリマー内で遺伝子
に『続き』、かつmRNAへの転写の終了の信号をもたらす
DNA配列は『ターミネーター』配列と呼ばれる。
過去10年間近くの間、微生物学的プロセスの焦点は、所
望の生成物に関する遺伝情報を含まないDNAを保有する
生物を用いて、工業的に、そして製薬的に有用な物質を
製造することに向けられてきた。すなわち、生成物の構
造を定める遺伝子は、『供与』生物から分離されるか、
あるいは、化学的に合成され、そして、安定的に他の生
物、好ましくは、自己複製単細胞微生物に導入される。
これが成功すれば、『形質転換された』宿主細胞内で
の、遺伝子発現の既存の機序が作用して所望の生成物を
構築することになる。
この技術分野では、選択された宿主生物の形質転換に使
用する遺伝物質の分離、合成、精製、および増幅のため
の『組換えDNA』方法に関する数多くの特許および文献
が出されている。例えば、Cohen等の米国特許No.4,237,
224は、選択された外来性DNA配列を含む『ハイブリッ
ド』ウィルスDNAあるいは環状プラスミドDNAを用いた原
核単細胞宿主生物の形質転換に関する。Cohen等の特許
の方法は、まず、酵素的にウィルスDNAまたは環状プラ
スミドDNAを切断して、線状DNAを形成することによる形
質転換用ベクターの製造に関する。選択された外来性DN
A鎖は、同様な酵素を使用することによって線状に調製
される。線状ウィルスDNAあるいはプラスミドDNAは、外
来性DNAと共に、修復プロセスを進行せしめる能力があ
る結合酵素の存在下で培養され、そしてウィルスDNAま
たは環状DNAプラスミドに『切り出された』外来性DNA断
片を含んだ、『ハイブリッド』ベクターが形成される。
親和性のある単細胞宿主生物のハイブリッド・ベクター
による形質転換は、宿主細胞内に外来性DNAの多数の複
製を生じる。場合によっては、目的は、単に外来性DNA
の増幅であり、収穫される『生成物』はDNAである。大
抵の場合、形質転換の目的は、外来性DNAの宿主細胞で
の発現であり、外来性DNAによってコードされた商業的
に有用なタンパク質あるいはポリペプチド断片を、分離
可能なほどの量だけ大規模に合成する。例えば、Shine
の米国特許No.4,269,731、Manisの米国特許No.4,273,87
5およびCohenの米国特許No.4,293,652を参照のこと。
Cohen等の特許のような方法の成功は、主に、ハイブリ
ッド化されないDNAベクター、および重要な外来性配列
を含む真核生物のDNA鎖等の特定部位の切断を促進する
『制限エンドヌクレアーゼ』酵素が、容易に入手できる
ことによる。二本鎖線状DNA鎖に、一本鎖相補性『末
端』を形成する切断方法は、『結合』酵素の処理を受け
た時の外来性DNAのベクターへの機能的組み込みの蓋然
性を顕著に高める。このような多数の制限エンドヌクレ
アーゼ酵素が、現在商業的に入手可能である〔例えば、
ベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ社、ゲテスバー
グ、メリーランド州の『1981/1982カタログ』にある『B
RL制限エンドヌクレアーゼ参照表』を参照のこと〕。ハ
イブリッド形成の確認は、クロマトグラフ法によって容
易なものとなり、この方法は、例えば、分子量に基づい
て非ハイブリッド・プラスミドとハイブリッド・プラス
ミドとを区別することができる。その他の有用な方法
は、放射性DNAハイブリッド形成に関するものである。
原核細胞の形質転換の成功に大いに寄与した他の操作
『手段』は、選択可能な『標識付けした』遺伝子配列の
使用である。つまり、所望の外来性DNAに加えて、形質
転換された宿主細胞を、形質転換されていない宿主細胞
から区別することのできる形質特性を発現するコードを
有する、一つ以上のDNA配列を含むハイブリッド・ベク
ターが使用される。典型的な標識遺伝子配列は、形質転
換された原核細胞が形質転換されていない宿主細胞を殺
すか、あるいは当該原核細胞の増幅を甚だしく阻止する
金属、抗生物質、およびこれらを含む培地中にて、当該
原核細胞が生存し、増殖することを可能とするものであ
る。
形質転換された宿主微生物内において、外来性遺伝子が
首尾よく発現するか否かは、主に、前述の遺伝子のmRNA
への転写およびmRNAのメッセージのタンパク質への翻訳
を確実にする、その他の信号への転写を確実にする適切
なプロモーター/レギュレーター領域(例えば、リボゾ
ーム結合部位)を持つ形質転換ベクターに前述の遺伝子
を組み込めるか否かによって決まる。遺伝子の『元の』
プロモーター/レギュレーター領域が新しい宿主におい
て高レベルの発現を許すことは珍しい。従って、挿入し
ようとする遺伝子には、挿入に先立って新しい宿主に適
合する転写および翻訳調節DNA配列を付加するか、ある
いは、前述の遺伝子を、ベクターDNA中にて現存の転写
信号および翻訳信号に制御される部位に挿入する必要が
ある。
外来性遺伝子の、例えば、環状DNAプラスミド・ベクタ
ーへの挿入は、しばしば、現存する転写および翻訳信号
の直後の部位、あるいは宿主内で発現の程度が高い、比
較的大きなタンパク質のコードを有する現存プラスミド
遺伝子内で行われる。後者の場合、このようにして形成
された『融合遺伝子』の宿主における発現は、所望のタ
ンパク質配列(例えば、大きなタンパク質の化学的な切
断によって分離できる中間断片として)を含む『融合タ
ンパク質』の高レベルでの生成となる。前述した方法は
単に、所望の調節と外来性遺伝子生成物の高レベルの発
現を確実にするのみならず、所望のタンパク質生成物を
宿主に内在するプロテアーゼの攻撃からある程度防御す
る。さらに、宿主生物によって異なるが、前述した方法
は、所望のタンパク質の宿主細胞から細胞培地への一種
の『ピギーバック』輸送を可能とし、所望の生成物を分
離するために宿主細胞を破壊する必要性を解消する。
公表された組換えDNA方法に関して述べたことから、こ
れらプロセスは、単純で、容易に実施でき、かつ簡単に
検証できるように見えるが、実際には、必要なDNA配列
の操作の実施は非常に煩雑かつ困難なもので、所望の生
成物の収率は、ほとんど例外なく、非常に低い。
一例を挙げると、宿主微生物の形質転換に使用されるベ
クターに挿入するための遺伝子の、最初の『調製』は非
常に難しいプロセスである場合があり、発現させようと
する遺伝子がヒトのような高等生物に内在するものであ
る場合は、特にそうである。この技術にて行われる煩雑
な工程の一つに、『供与』細胞の全DNAゲノムの組換え
プラスミドへの体系的なクローニングがあり、これは、
ランダムなDNA配列断片を持つ形質転換された細胞の膨
大な『ライブラリー』が生成され、このDNA配列断片
を、個々に試験して所望の生成物の発現を調べる必要が
ある。他の方法によると、全mRNAは高発現供与細胞(所
望の生成物のためのコードを持つmRNAの多数の複製を含
むもの)から分離され、最初に逆転写酵素によって一本
鎖cDNAに『複写』され、それからポリメラーゼによって
二本鎖に転写され、そしてクローニングされる。この方
法も、形質転換された細胞のライブラリーを生成する
が、このライブラリーは全ゲノム・ライブラリーよりも
幾分か小さく、所望の遺伝子の複製を含み、かつ宿主微
生物での発現に大きく干渉する形質転換されない『イン
トロン』を持たない可能性がある。上記した煩雑な遺伝
子分離方法は、実際にいくつかのタンパク質を微生物に
発現させるのために公表された組換えDNA方法で使用さ
れたものであり、前記したタンパク質は、ラット・プロ
インシュリン〔Ullrich等、Science,196,pp.1313−1318
(1977)〕、ヒト繊維芽細胞インターフェロン〔Goedel
l等、Nucleic Acids Research,8,pp,4087−4094(198
0)〕、マウスβ−エンドルフィン〔Shine等、Nature、
285、pp.456−461(1980)〕、およびヒト白血球インタ
ーフェロン〔Goedell等、Nature、287、pp.411−416(1
980);およびGoedell等、Nature,290,pp.20−26(198
1)〕を含む。
可能であれば、ヌクレオチド塩基を用いた所望の遺伝子
の部分的あるいは全部の製造は、組換えDNA方法で使用
する遺伝子の調製のためのさらに望ましい方法を構成す
る。そのような製造のために必要なものは、当然のこと
ながら、所望のポリペプチドの正確なアミノ酸配列の知
識である。この情報があれば、タンパク質を生成するDN
A配列(すなわち、適切に配列された三塩基コドン)を
デザインすることが可能となり、対応する合成二本鎖DN
A配列を調製することができる。製造方法とcDNA合成方
法との組合せが、ヒト成長ホルモン用の遺伝子の生成の
ために使用されたことが報告されている。特に、製造さ
れた72個のヌクレオチド塩基対の線状二本鎖DNA配列
(所望の191個のアミノ酸ポリペプチドの最初の21個の
アミノ酸を決めるコドンを持つもの)が、25〜191位の
アミノ酸用のコードを持つcDNA誘導二本鎖に結合され
て、変性pBR322プラスミドのラック・プロモーター/レ
ギュレーター配列が制御する遺伝子座に挿入されている
〔Goedell等、Nature,281,pp.544−548(1981)〕。
比較的に『短い』生物学的に機能するポリペプチド、例
えば、ヒト・ソマトスタチン(14個のアミノ酸)および
ヒト・インシュリン(21個のアミノ酸および30個のアミ
ノ酸の二つのポリペプチド鎖)用のコードを持つ遺伝子
の製造には、完全な合成手順が使用されている。
ソマトスタチン遺伝子調製手順〔Itakura等、Science,1
98,pp.1056−1063(1977)〕では、52個の塩基対遺伝子
が調製され、この遺伝子において、42個の塩基対が、必
要な14個のアミノ酸を定めるコドンであり、そして、10
個の塩基対が追加されて、構造遺伝子を微生物形質転換
ベクターに結合するために用いられる『付着末端』一本
鎖末端領域の形成を可能としている。特に、この遺伝子
はβ−ガラクトシダーゼ酵素遺伝子の末端近くに挿入さ
れ、その結果生じる融合遺伝子は融合タンパク質として
発現され、このタンパク質から臭化シアン切断によって
ソマトスタチンが分離される。ヒト・インシュリン遺伝
子の製造は、先に述べたように、21個のアミノ酸鎖と30
個のアミノ酸鎖のコードを持つ遺伝子の調製を伴ってい
る。18個のデオキシオリゴヌクレオチド断片を結合し
て、長い方の鎖のための遺伝子が調製され、そして、11
個の断片を結合して短い方の鎖の遺伝子が調製された。
各遺伝子は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子と共に融合遺
伝子を形成するために使用され、個々に発現したポリペ
プチド鎖は、酵素的に分離され、結合されて完全なイン
シュリン分子を形成した〔Goedell等,Proc.Nat.Acad.Sc
i.U.S.A.,76,pp,106−110(1979)〕。
上記した各方法において、デオキシオリゴヌクレオチド
断片が調製され、そして、下記の一般的な方法に従って
順次結合された。〔例えば,Agarwal等、Nature,227,pp.
1−7(1970)およびKhorana,Science,203,pp.614−675
(1979)を参照のこと。〕最初の『頭』(すなわち、
5′→3′極性)デオキシオリゴヌクレオチド断片は、
酵素的に第2の『頭』断片に結合された。これら2つの
『頭』鎖の整列は、第1頭鎖の半分と第2頭鎖の半分と
に相補性を持つ塩基配列を持つ『尾』(すなわち、3′
→5′極性)鎖を使用することで可能になった。結合し
た後に、頭鎖の補体が結合していない塩基は、形成され
た二重部分から『突き出す』。第2の底鎖が加えられる
が、この鎖は、突き出した頭鎖の5乃至6個の塩基補体
を含み、さらに追加の5乃至6個の塩基が加わるが、こ
れは尾一本鎖部分として突き出て、そして、2つの尾鎖
は結合される。このような逐次的な付加は、完全な遺伝
子配列が形成されるまで続けられ、いずれの方法も、非
常に時間を要し、かつ非常に不能率である。
全遺伝子合成に関する前記方法が、時間を要するという
特徴は、先に言及した2つの『短い』インシュリン遺伝
子の構築を行うのに、少なくとも4人の研究者による、
3カ月に及ぶ作業が必要であったという報告に良く例示
されている。さらに、ベクターの挿入に成功するために
は、比較的に少量の製造された遺伝子が必要なだけであ
るが、上記した合成方法は総収量が非常に低く(1結合
当たり20%のオーダー)、処方に細心の注意を払って作
業を行っても、選択された短い遺伝子のごく少量の分離
さえも保証されるものではない。合成可能な最大長の遺
伝子において、個々の短い断片を接合する効率には明ら
かに限度がある。そのような結合反応が、nほど必要で
あり、前記した各反応の収率がyであるとすると、正し
く合成された遺伝物質の量はynに比例して得られる。こ
の関係は、指数関数的であるので、1結合反応当たりの
収率の僅かな増加でも、合成できる最大遺伝子の長さは
大幅に増加することになる。この方法の不能率さは、主
に、望ましくない中間生成物の形成によるものである。
一例を挙げると、尾の『鋳型』鎖を伴う、アニールされ
た頭鎖を形成する最初の反応における望ましい反応は; であるが、実際に得られる生成物は、 などである。
さらに、個々のデオキシオリゴヌクレオチドが長くなれ
ばなるほど、それらが熱力学的に安定した自己会合、例
えば、『ヘアピン』あるいは集団を形成する可能性が高
まる。
合成効率を高めるための提案は、これまでほとんど出さ
れておらず、最近、『現在得られる方法では、約30ユニ
ットを超える長さのアミノ酸よりも長いペプチドを合成
することは経済的に不可能であり、多くの臨床的に重要
なタンパク質はもっと長いものである』と報告されてい
る〔Aharonowitz等、Scientific American,245,No.3,p
p.140−152,p.151(1981)〕。
大きな遺伝子の合成に関する『経済的実行可能性』の例
が、ヒト白血球インターフェロンの全合成の努力の『成
功』の最近の発表にみることができる〔Edge等,Nature,
292,pp.756−782(1981)〕。すなわち、約15個の塩基
を含む67個の異なるデオキシオリゴヌクレオチドが、
『50%重複』方法によって合成、接合されて11個の短い
二本鎖を形成した。次に、これらは、4つのさらに長い
二本鎖に構築され、前記した二本鎖は最後に接合され
て、166個のアミノ酸タンパク質のコードを持つ514個の
塩基対遺伝子をもたらした。この方法は、著者等が『迅
速』と特徴付けたものであるが、5人の研究者の約1カ
年に及ぶ努力を要したものと確実に推定され、構築計画
の効率は明らかに非常に低い。一例として、出発点とな
った67個のデオキシオリゴヌクレオチドは、それぞれ40
pmoleが用意され、11個の中間サイズの二本鎖を形成す
るために使用されたが、4つの大きな二本鎖の構築が終
わった頃には、全遺伝子を最終的に構築するために使用
可能な、長い二本鎖の収量は僅かに約0.01pmoleだけで
あったことを指摘することができよう。
従って、当該技術分野においては、約30個のアミノ酸を
超えるサイズのポリペプチドの合成を司る能力を有する
構造遺伝子の製造のための、迅速で、効率的で、かつ経
済的な方法が必須とされているのである。
産業上および製薬用途に重要なタンパク質の微生物によ
る発現のための組換えDNA技術の実施のための他の態様
は、『コドンの優先性』の現象である。遺伝的に形質転
換された宿主細胞内の遺伝子の発現のための、現存する
機構が『作用して』所望の生成物を調製することは既に
述べたが、微生物内で行われる発現のレベルは、大きな
変動を示す可能性があり、部分的には、挿入された外来
性遺伝子内に存在するアミノ酸を特定する遺伝コードが
特定のコードに変化する。4つの可能なヌクレオチド塩
基の『三塩基』コドンは、64個の異なる態様を採る。こ
れらの態様が、わずか20個の異なるアミノ酸(さらに、
転写の開始および終了)のメッセージをもたらすという
ことは、アミノ酸によっては、2つ以上のコドンによっ
てコードを決めることができることを意味する。
実際のところ、アミノ酸によっては6つもの『冗長な』
代替コドンを持つものもあり、唯一のコドンしか持たな
いものもある。いまだ完全には理解されていない理由に
よって、代替コドンは異なる種類の細胞の内在性DNA内
に均一に存在しておらず、ある種の細胞内のあるコドン
には、異なる自然の序列、すなわち、『優先性』が存在
すると思われる。
一例として、アミノ酸ロイシンは、CTA、CTC、CTG、CT
T、TTAおよびTTG(それぞれ、mRNAコドン、CUA、CUC、C
UG、CUU、UUAおよびUUGに対応する)の6つのDNAコドン
の何れによっても特定される。微生物のゲノム・コドン
頻度の徹底的な解析によって、大腸菌の内在性DNAは、C
TGのロイシンを特定するコドンを最も普通に含むことが
判明し、酵母および変形菌類のDNAは、TTAのロイシンを
特定するコドンを最も普通に含むことが判明した。この
序列に鑑みて、大腸菌宿主によって、ロイシンに富んだ
ポリペプチドの高レベルでの発現を得る可能性は、ある
程度までコドンの使用の頻度によって決まると一般に考
えられている。例えば、TTAコドンの豊富な遺伝子は、
まず間違いなく大腸菌においては発現が少ないが、CTG
の豊富な遺伝子は、ポリペプチドをおそらく多く発現す
るであろう。同様に、酵母細胞が、ロイシンの豊富なポ
リペプチドの発現のための形質転換宿主細胞である場合
は、挿入されたDNAで使用するのが望ましいコドンは、T
TAであろう。例えば、Grantham等、Nucleic Acids Rese
arch,8,pp.r49−r62(1980);Grantham等,Nucleic Acid
s Research,8,pp.1893−1912(1980);及びGrantham
等,Nucleic Acids Research,9,pp.r43−r74(1981)を
参照。
組換えDNA方法におけるコドンの優先性現象が意味する
ものは明白であり、そして、この現象は首尾よく形質転
換された宿主生物において、外来性遺伝子での高い発現
の実現に失敗した過去の多くの例を説明するのに役立つ
可能性がある。すなわち、『優先性』の低いコドンが、
挿入された遺伝子に繰り返し存在して、発現のための宿
主細胞の機構が効率的に機能しないではないかと考えら
れる。この現象は、優先するコドンを宿主細胞に含むよ
うに設計され、その設計通りに製造された遺伝子が、組
換えDNA方法を実施するための、外来性遺伝物質の好ま
しい形態をもたらす。このような関係において、コドン
の選択を可能とする迅速、かつ能率的な全遺伝子製造方
法が存在しないことは、この技術における進歩における
深刻な障害を残していると考えられる。
本発明の背景に大きく関連するものは、β−エンドルフ
ィンとして知られる、生物学的活性を有する鎮痛物質に
分類される物質の調製および使用に関する技術である。
これら化合物は、本来、種々の哺乳類および鳥類の下垂
体組織から分離された、31個のアミノ酸のポリペプチド
であり、互いに同様な基本構造を持ち、若干のアミノ酸
残基が異なるだけである。例えば、ヒトβ−エンドルフ
ィン(βh−EP)のアミノ酸配列は; であると報告されており、マウスβ−エンドルフィン
は、〔Thr27〕残基ではなく、〔His27〕を有する点で、
ヒトのものと異なる。β−エンドルフィンは、当然なが
ら、周知のメリフィールドの方法〔Merrifield,J.Am.Ch
em.Soc.,85,pp.2149−2154(1963)〕によって少量を合
成することができ、最近、この方法が、そのβh−〔Tr
p27〕−EPおよび2−ニトロフェニルスルフィニル誘導
体を調製するために使用された。
組換えDNA技術は、マウスβ−エンドルフィンの遺伝子
を分離、発現するために使用されている〔Shine等,Natu
re,227,pp.1−7(1980)〕。遺伝子は、大腸菌の中で
クローニングされ、融合β−ガラクトシダーゼ−β−エ
ンドフィンタンパク質として発現されている。この遺伝
子の調製のための実験記録は以下の通りである。遺伝子
は、マウスACTH/β−LPH前駆体タンパク質のコードを持
つmRNAの逆転写から得られた、クローニングされたDNA
(cDNA)断片から分離された。クローニングされたDNA
断片から適切なHpa IIおよびHind III制限エンドヌクレ
アーゼ断片が分離された。この断片は、マウスβ−エン
ドルフィンの遺伝子と、マウスβ−MSHの遺伝子の一部
分とを含んでいた。さらに一連の反応および分離の後
に、所望の遺伝子のみを含む断片が得られた。
そして、この遺伝子は、β−ガラクトシダーゼの遺伝子
を含む適切なプラスミドに挿入され、ハイブリッド・プ
ラスミドを、大腸菌の形質転換のために使用された。こ
の結果、β−ガラクトシダーゼおよびマウスβ−エンド
ルフィンを共に含む融合タンパク質が製造された。β−
エンドルフィンは、β−ガラクトシダーゼを含まないよ
うに、融合タンパク質をシトラコン酸無水物を処理して
から、トリプシンで処理することによって分離した。こ
の方法によって分離されたマウスβ−エンドルフィン
は、生物学的な活性を示した。〔His27〕残基に加え
て、マウスβ−エンドルフィン生成物は、アミノ酸を1
つ多く、すなわち、アミノ末端アルギニンを含んでいる
点が、ヒトβ−エンドルフィンと異なっている。
ヒトβ−エンドルフィンの鎮痛剤としての優れた薬学的
効能にもかかわらず、この物質あるいはその構造類似体
の大規模生産のために、組換えDNA法を使用したという
報告は無い。具体的には、何等かの組換えDNA法によっ
て、合成βh−EP遺伝子(あるいは、βh−EPと1つ以
上のアミノ酸残基の種類、あるいは相対位置が異なるポ
リペプチドの発現を司る合成遺伝子)の製造、あるいは
βh−EPタンパク質の生産がなされたという報告は無
い。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、長さが最大約200のヌクレオチド塩基対まで
の直線状二本鎖DNA配列の完全な製造のための、新規
で、迅速で、かつ効率の良い方法を提供するものであ
り、この配列は、所望の、広範な異種ポリペプチドの合
成を司る構造遺伝子ですべて構成されている場合があ
る。
本発明の要旨とするところは、ヌクレオチド塩基からDN
A配列を製造する方法であって、下記工程、すなわち; (1)12個以上の選択された相補性塩基対を含み、かつ
鎖の一端に3〜7個の選択された塩基からなる頭一本鎖
端末配列および/または鎖の他端に3〜7個の選択され
た塩基からなる尾一本鎖末端配列を含み、そして、前記
各一本鎖末端配列が、調製されたその他の二本鎖DNA鎖
の少なくとも一つの一本鎖末端配列の全塩基相補体を含
む、2つ以上の異なる直線状の二本鎖DNA鎖を調製し;
および (2)工程(1)で調製された各二本鎖DNA鎖を、工程
(1)で調製され相補性一本末端配列を持つ1つあるい
は2つの異なる二本鎖にアニールし、これにより、少な
くとも27個の選択された塩基対の二本鎖領域を有し、こ
の領域は工程(1)で調製され、かつ3〜7個の塩基か
らなる0〜2個の一本鎖頭領域あるいは尾末端領域を有
する二本鎖DNA鎖の一本鎖末端領域の相補性会合によっ
て形成された、少なくとも3つの塩基対を含む単一の連
続二本鎖DNA配列を形成する。この一般的プロセスの望
ましい実施例では、少なくとも3つの異なる二本鎖DNA
が工程(1)によって調製され、そして、調製された鎖
はすべて単一のアニーリング反応混合物中で同時にアニ
ーリングされて、単一の連続した二本鎖DNA配列を形成
し、この二本鎖DNA配列は少なくとも42の選択された塩
基対の二本鎖領域を持ち、この領域は、工程(1)で調
製された二本鎖の一本鎖末端配列の相補性会合によって
形成された、3つ以上の塩基対からなる互いに隣接しな
い、少なくとも2つの塩基対セットを含む。
二本鎖DNAの調製工程(1)は、望ましくは、下記の工
程を含む。
(a)15個以上の塩基を選択された直線状の配列に有す
る第1および第2の直線状のデオキシオリゴヌクレオチ
ド断片を調製する。なお、第2断片が、追加の塩基配列
を有さず、あるいはその両端に塩基配列を持たないとす
れば、第2断片での直線状の塩基の配列は、第1断片の
塩基配列の完全な相補体からなるが、第2断片の少なく
とも一端は、第1断片を完全に相補するものに加えて3
〜7個の選択された塩基の付加直線状配列を1つ含む
か、あるいは、第1断片の末端配列に相補する3〜7個
の塩基の直線状配列が欠落している。
(b)第1断片と第2断片を、断片間の二本鎖会合を促
進する条件下で組み合わせて直線状二本鎖DNAを形成す
る。
本発明の最も好ましい実施例にて形成された二本鎖DNA
配列内の塩基配列は、宿主微生物、例えば、酵母細胞あ
るいは細菌、特に、大腸菌におけるコドンの優先的発現
の特性に基づく、代替コドンから選択された1つ以上の
三塩基コドンを含む。
本発明によれば、例えば、ヒトβ−エンドルフィン、お
よび1つ以上のアミノ酸の種類あるいは相対位置が、真
正のタンパク質と異なるβ−エンドルフィンの多くの類
似体の合成を司る能力を有する遺伝子および融合遺伝子
を含んだ新規の製造された遺伝子も提供する。新規の遺
伝子の発現によって生成された、種々のタンパク質生成
物も本発明によって得られる。
本発明のその他の特徴および利点は、下記の詳細な説明
を考察すれば、明らかになるであろう。
本明細書において、DNA配列あるいは遺伝子に対して使
用される『製造された』の用語は、ヌクレオチド塩基の
組み合わせにより完全に化学的に合成される生成物、あ
るいは、かように化学的に合成された生成物の生物学的
反復複製から得られる生成物を意味する。よって、この
用語には、生物学的起原の出発材料を用いる、cDNA方法
あるいはゲノムのクローニング方法によって『合成』さ
れた生成物は含まれない。
本明細書では、アミノ酸を以下の略称で表現する。
Ala…アラニン; Arg…アルギニン; Asn…アスパラギン; Asp…アスパラギン酸; Cys…システイン; Gln…グルタミン; Glu…グルタミン酸; Gly…グリシン; His…ヒスチジン; Ile…イソロイシン; Leu…ロイシン; Lys…リジン; Met…メチオニン; Phe…フェニルアラニン; Pro…プロリン; Ser…セリン; Thr…トレオニン; Trp…トリプトファン; Tyr…チロシン; Val…バリン。
一方、下記の略称でヌクレオチド塩基を表現する。
A…アデニン; G…グアニン; T…チミン; U…ウラシル;および C…シトシン。
本発明の理解を容易ならしめるために、下記の第1表
に、DNAの64個の三塩基コドンと、20個のアミノ酸との
相関関係表、およびそこに指定される転写終了(『Sto
p』)機能を示す。
これから生成しようとする所望のポリペプチドの構造が
決定すれば、本発明の実施には、次のような操作が必要
とされる。タンパク質のコードを有する、長さが最大約
200塩基対までの、特定の連続した二本鎖DNAを製造す
る。製造された配列を、適切な微生物形質転換用ベクタ
ーに挿入する。そして、ベクターを用いて選択された微
生物宿主の形質転換を行う。合成されたDNA配列は、発
現の自律的な制御のためのプロモーター/レギュレータ
ー領域を備えること、あるいはベクター内に存在するプ
ロモーター/レギュレーター配列による発現の制御が可
能となるような方法で、ベクターに取り込まれることが
できる。製造されたDNA配列は、ベクター内に存在する
遺伝子(融合遺伝子を形成している)の中間位置に取り
込まれて、融合タンパク質として発現されることも可能
である。
本発明の望ましい実施態様では、製造されたポリペプチ
ドの大きさは、約15あるいは20個のアミノ酸から、最大
約70個のアミノ酸の範囲である。選択された形質転換さ
れた宿主生物による所望のポリペプチドの高レベルの発
現は、宿主によって優先的に発現される1つあるいはそ
れ以上の代替コドンを含むDNA配列の製造によって促進
される。
選択されたポリペプチドを特定する二本鎖DNA配列の迅
速かつ高効率の製造が、独特の方法によって実施される
が、この方法は、デオキシオリゴヌクレオチドから2つ
以上の異なる直線状二本鎖DNAの構築を含み、このDNA鎖
は、それぞれ比較的に長い(12個以上の塩基対)二本鎖
領域を、二本鎖の一端あるいは両端の比較的に短い(3
〜7個の塩基)一本鎖領域と共に含む。本発明の好まし
い実施態様では、約14〜50個の塩基対の二本鎖領域を有
する二本鎖が形成され、最も好ましい二本鎖は、二本鎖
領域に18〜30個の塩基対を含む。使用する二本鎖が、長
さが約12個の塩基対だけの二本鎖領域を持つ場合でも、
一本鎖の長さは通常、二本鎖領域の長さの1/3を超えな
い。
二本鎖領域は、所望のポリペプチドの全アミノ酸配列の
開始部分、末端部分、あるいは中間部分の構築に必要な
コドンを含むように作られる。可能であれば、宿主(例
えば、大腸菌)にて優先的に発現される代替コドンが使
用される。
コドンの選択に幅があることが、本発明の方法の重要な
長所である。
最終的に組み立てられたDNA配列で占める相対的位置に
よって異なるが、用いられる二本鎖の一本鎖領域は、塩
基配列を有しており、この配列も、他の二本鎖の塩基に
よって相補されれば、所望のポリペプチド配列内で使用
するアミノ酸のためのコドンをもたらす。
本発明に従って形成された二本鎖は、相補性の、短い一
本鎖領域を持つ、1つあるいは2つの異なる二本鎖に酵
素的に結合されて、所望のポリペプチド断片のコードを
有する所望の連続する二本鎖DNA配列を形成する。この
ように形成される配列は、構造遺伝子の全部あるいは一
部分をもたらす。この配列は、1つ以上の『平滑』ある
いは『付着』末端を持つ可能性があり、また、プロモー
ター/レギュレーター領域を持つ可能性もある。
全配列の組み立ての効率の良さおよび迅速さは、3つ以
上の二本鎖の内の1つのアニーリング反応を実施するこ
とによって向上するが、この二本鎖の短い一本鎖領域
は、その他の二本鎖の、少なくとも一方の他の一本鎖領
域にある塩基の相補体となる。その他の二本鎖の一本鎖
領域の一つだけを特定的に相補する、短い一本鎖領域が
形成された全ての二本鎖を用意することは、遺伝コード
の冗長性の範囲内で、そして好ましくは、宿主生物のコ
ドンの優先性を考慮して代替コドンを選択することで実
現される。
〔実施例〕
真正のヒトβ−エンドルフィンおよびその生物学的機能
を有するポリペプチド類似体の合成を司る能力を備えた
製造された遺伝子の形成における本発明の実施例を、以
下に示した。
以下の実施例から、本発明の遺伝子製造方法は、発現さ
れた生成物の構造を制御しながら変化させることを可能
とする、非常に柔軟な枠組みの中で、迅速かつ効率良く
遺伝子の合成および発現のための総合的計画を初めても
たらすものであり、組換えDNA技術に携わる研究者が、
これまで入手できなかった技術であることは明らかであ
ろう。
所望の遺伝子、例えば、真正のβh−EPの合成を司る遺
伝子の製造に役立つ、デオキシオリゴヌクレオチドの合
成のための方法を以下に示す。
実施例1 ヒトβ−エンドルフィンの遺伝子を含むDNA配列を製造
するために使用する、デオキシオリゴヌクレオチドの調
製は、Mutteucci等,J.Am.Chem.Soc.,103,pp.3185−3192
(1981)およひBeaucage等,Tetrahedron Letters,22,p
p.1859−1862(1981)、およびこれら文献において参照
された文献にある一般的方法に従って実施した。合成
は、高速液体クロマトグラフィのシリカ・ゲルを誘導し
て、適切に保護されたヌクレオチドを含むようにするこ
とから始めた。デオキシオリゴヌクレオチドは、3′−
ヒドロキシル基を介して、シリカ・ゲルに共有結合して
いるカルボキシル酸官能基に結合される。この支持体
に、1つのヌクレオチドを付加するために使用される化
学的方法は下記の通りである。
(1)ニトロメタン/メタノール内でZnBr2を用いた脱
トリチレーション(4分)。
(2)支持体に結合されたヌクレオチドを有する5′−
ジ−p−アニシル−フェニルメチル・デオキシヌクレオ
シド・3′−メトキシ−N,N−ジメチル−アミノフォス
フィンの凝縮(5分)。
(3)未反応の支持体結合ヌクレオシド・ヒドロキシル
基を、無水酢酸でブロックする(5分)。
(4)リン酸塩をI2を用いてリン酸塩に酸化する(2
分)。
合成は、半融ガラス漏斗を用いて、一人の技術者によっ
て実施される。1つの合成サイクルに要する時間は、20
〜30分であり、15時間足らずで最大30モノヌクレオチド
を含むデオキシオリゴヌクレオチドを高収率で得ること
ができる。
遺伝コードの冗長性を利用して、何れのデオキシオリゴ
ヌクレオチドにおいても、相補性の塩基配列が大きく離
間して形成されないようにし、塩基の相補性によって鎖
が『畳み込む』機会を無くすことで、所望の直線状鎖の
収率を高める。デオキシオリゴヌクレオチドの精製およ
び分離は、以下の方法で実施した。酸による末端のジ−
p−アニシル−フェニルメチル基の除去を含む、最終凝
縮工程の後に、デオキシオリゴヌクレオチドを含んだシ
リカ・ゲルを、メタノールで充分に洗浄し、そして自然
乾燥した。フォスフォトリエステルからメチル基を除去
するために、各ポリマー(100mg、オリゴヌクレオチド
2〜5μmoleを含む)は、チオフェノール:Et3N:ジオキ
サン(1:2:2)の溶液2mlにより、室温で75分間処理され
る。この工程に続いて、濃縮水酸化アンモニウムを用い
て、20℃で、2時間処理して、デオキシオリゴヌクレオ
チドを支持体に結合するエステルを加水分解する。遠心
分離によってデオキシオリゴヌクレオチドを含む上清液
を回収した後に、塩基保護基は密封した試験管中で、50
℃で、24時間保温して除去した。そして、水酸化アンモ
ニウム溶液を蒸発乾燥した。残滓を2mlの水に再溶解
し、濾過し、そして溶液を3回、n−ブタノール(3×
2ml)で洗浄した。生成物の最終的な精製は、7M尿素を
含むトリス−ホウ酸緩衝液(pH8)を用いて、20%ポリ
アクリルアミド・ゲル上で電気泳動によって行った。80
%ホルムアミド30μlに含まれる粗試料の約10吸光度単
位(260nm)が、2.5cm幅のウェルに充填され、16V/cmで
電気泳動を行った。DNAバンドを検出するために、ゲル
を螢光TLC板(シグマ・ケミカル社)上に置き、長波紫
外線を照射し、デオキシオリゴヌクレオチドが、各レー
ンの強い吸収バンドとして目視できるようにした。所望
のバンドを、ゲルから切り取り、DNAを0.5M酢酸アンモ
ニウム、10mM MgCl2、0.1%SDS、および0.1mMEDTAを用
いて溶出した。n−ブタノールを用いて2度洗浄した
後、デオキシオリゴヌクレオチドは、10mM TEAB(pH7.
0)を用いて、セファデックスG50/40カラム(45×2.5c
m)上で脱塩した。粗DNA試料の10吸光度単位から回収で
きのは、一般に、1.0〜2.0吸光度単位(260mm)の範囲
である。次の実施例は、2つの遺伝子、すなわち、βh
−EP、およびβh−EPポリペプチド類似体であるβh−
〔Leu5〕−EPの遺伝子の製造のために使用する、デオキ
シオリゴヌクレオチドの調製例である。
実施例2 真正のβh−EPのアミノ酸配列に関する(前出の)情報
を基にして、真正のタンパク質およびその〔Leu5〕類似
体のコードを有する2つの遺伝子の製造のために用いる
ために、全部で13個の異なるデオキシオリゴヌクレオチ
ドが調製された。実施例1の方法に従って、18〜24個の
モノヌクレオチドを含む12個の断片、および1つのデオ
キシデカヌクレオチドが合成され、そして分離された。
βh−EP遺伝子の製造のために用いるために調製された
11個の断片は以下の配列を有するものであった。
断片1En 5′d(AATTCCTGCTATGGTGGCTTTATG) 断片2En 5′d(AGGTCATAAAGCCACCATAGCAGG) 断片3En 5′d(ACCTCCGAAAATCTCAGACT) 断片4En 5′d(AGTGGAGTCTGAGACTTTTCGG) 断片5En 5′d(CCACTGGTACTCTGTTT) 断片6En 5′d(TTCTTAAACAGAGTAACC) 断片7En 5′d(AAGAACGCTATCATTAAGAATGC) 断片8En 5′d(TGTAAGCATTCTTAATGATAGCG) 断片9En 5′d(TTACAAGAAGGGCGAATGATAG) 断片10En 5′d(AATTCTATCATTCGCCCTTCT) 断片11En 5′d(AATTGAATTC) βh−〔Leu5〕−EP遺伝子の合成のための断片は、上記
の断片3Enから11Enまでを含み、そして、断片1Enおよび
2Enの代わりに、下記の断片を含んでいた。
断片1′En 5′d(AATTCCATGTATGGAGGCTTTCTG) 断片2′En 5′d(AGGTCAGAAAGCCTCCATACATGG) 奇数番の断片(断片11Enは除く)は、32個のアミノ酸タ
ンパク質の合成に必要な、全(頭鎖)コドン配列の含
み、偶数番の配列は相補性の尾鎖の形成に関与すること
が認められる。
上記したデオキシオリゴヌクレオチドの調製は、以下の
第2表に示したβh−EPおよびβh−〔Leu5〕−EPの合
成の基本計画における最初の工程であった。
この計画が、31個のアミノ酸のポリペプチドをコードす
る遺伝子を構築するために、10個の大きなデオキシオリ
ゴヌクレオチドを使用する必要がある点に注意すべきで
ある。つい最近発表された、10個のアミノ酸のα−ネオ
−エンドルフィン・ポリペプチドをコードする遺伝子の
製造方法は、10個のオリゴヌクレオチドの使用を必要と
した。Tanaka等, Nucleic Acids Research,10,pp.1741−1754(1982)を
参照のこと。
一般に、コドンは大腸菌のコドン優先性を示す、内在性
の頻度解析に従って選択した。例えば、前出のGrantham
等の論文を参照されたい。
β−エンドルフィン・アミノ酸配列に、翻訳可能なコド
ン配列を導入することに加え、最終生成物を大腸菌形質
転換用ベクターへ取込みやすくするように末端配列が設
計された。この点に関して、pBR322プラスミドのβ−ガ
ラクトシダーゼ内の、2つのEcoRI制限部位の1つにDNA
配列を挿入することを可能とする末端配列が用いられ
た。プラスミド制限部位の位置は、β−ガラクトシダー
ゼ/βh−EPの容易な形成を可能とするβ−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子の開始メチオニンを特定するコドンの下流
の第24番目の塩基対、ならびに対応する融合タンパク質
の合成のためのコードを有するβ−ガラクトシダーゼ/
βh−〔Leu5〕−EP融合遺伝子の下流の第3018番目の塩
基対である。
次の実施例は、実施例2で合成されたオリゴヌクレオチ
ドの酵素的結合を例示する。
実施例3 βh−EP(『二本鎖D』)およびβh−〔Leu5〕−EP
(『二本鎖E』)をコードする直線状の二本鎖DNA配列
の合成のための方法を、下記の第3表に示す。
第3表には、二本鎖Dを二本鎖Fに、そして二本鎖Eを
二本鎖Gに変換する方法も示されている。二本鎖Eおよ
びGは、β−ガラクトシダーゼ遺伝子が、アミノ末端メ
チオニンから数えて第3018番目の塩基対のEcoRI部位に
融合すると、それぞれ、ヒトβ−エンドルフィンおよび
その〔Leu5〕類似体のコードを有することになる。一
方、二本鎖DおよびEは、β−ガラクトシダーゼのアミ
ノ末端メチオニンの下流の第24番目の塩基対EcoRI部位
に融合されると、それぞれ、ヒトβ−エンドルフィンお
よびその〔Leu5〕類似体のコードを有することになる。
従って、この計画では、酵素的に断片5En、6En、7Enお
よび8Enを結合して、二本鎖Aを形成することから始ま
る。そして、この二本鎖に断片3Enおよび4Enを付加し
て、二本鎖Bに変換した。二本鎖Bに、断片9Enおよび1
0Enが付加されて二本鎖Cに変換された。二本鎖Cは、
ヒトβ−エンドルフィンおよびその〔Leu5〕類似体双方
に共通するDNA断片を含む。酵素によって、断片1Enおよ
び2Enを二本鎖Dに付加することで、ヒトβ−エンドル
フィンのコードを有する最終的な118個の塩基対を含む
二本鎖である、二本鎖Dが形成された。同様に、断片
1′Enおよび2′Enを二本鎖Cに付加することで、二本
鎖Eが形成され、これはヒトβ−エンドルフィンの〔Le
u5〕類似体のコードを有することになる。二本鎖Dおよ
びEは、(5′リン酸化後に)pPC02のようなプラスミ
ドを用いるクローニングに、直接に使用できる。このプ
ラスミドは、ラック・オペロン・プロモーター、オペレ
ーター、およびβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(β−ガラ
クトシダーゼ遺伝子断片の開始メチオニンコドンの下流
の第24番目の塩基対)にDNAを挿入するための単一のEco
RI部位を含む。しかしながら、plac5(UV5)からの4.4k
b EcoRI断片を含み、かつ、ラック・プロモーター、オ
ペレーター、およびβ−ガラクトシダーゼ遺伝子内(β
−ガラクトシダーゼ遺伝子の、開始メチオニン・コドン
から第3018番目の塩基対)にDNAを挿入するための単一
のEcoRI部位を有するその他のプラスミド、例えば、pBG
F120、pEW19、およびpBR322は、β−ガラクトシダーゼ
−β−エンドルフィン融合タンパク質の分離において有
効である。すなわち、β−ガラクトシダーゼ遺伝子の相
当部分のコードを有するので、生じる融合タンパク質が
より大きくなり、大腸菌プロテアーゼによって消化され
にくくなる。しかしながら、この長所を活かすために
は、2つの融合遺伝子の読取枠は、融合した遺伝子の翻
訳が、所望の融合タンパク質を生成するものでなくては
ならず、この場合、それに該当していない。
従って、この問題を解決するために、デオキシオリゴヌ
クレオチド、d(A−A−T−T−G−A−A−T−T
−C)が合成され、二本鎖DおよびEに結合された。こ
の後に、結合生成物はEcoRIによって消化され、β−エ
ンドルフィン用の正しい読取枠を備えた118塩基対の二
本鎖を生成した。
これら二本鎖は、ヒトβ−エンドルフィン、ならびにそ
の〔Leu5〕類似体に適用するものとして、それぞれ二本
鎖FおよびGと命名した。二本鎖D、E、FおよびGを
合成するための実験に関して、以下に説明する。
A.デオキシオリゴヌクレオチドに標識付けする方法 デオキシオリゴヌクレオチド(1nmole)を、50mMのHEPE
S(pH7.6)、10mMのMgCl2、10mMのDDT、および〔γ32−
P〕ATP(2nmole、比放射能=2〜5×103 cpm/pmole)
に溶解され(34μ)、1単位のT4−ポリヌクレオチド
・キナーゼと共に、37℃で、40分間インキュベートし
た。反応混合物を、5分間、70℃で暖めて、酵素を付加
した。結合反応には、リン酸化デオキシオリゴヌクレオ
チドを、さらに精製せずに直接使用された。下記の説明
において、〔5′−32P〕は、デオキシオリゴヌクレオ
チドの5′末端に、放射性標識を付けたリン酸塩を意味
する。〔5′−32〕の接頭辞が無い断片が示された場合
(すなわち、1En)、この断片は5′リン酸塩ではな
く、5′ヒドロキシル基を含むことを意味する。
B.二本鎖Aを形成するための断片5En、6En、7Enおよび8
Enの酵素的接合 〔5′−32P〕5Enおよび〔5′−32P〕6En(それぞれ、
500pmole)は、1.5mlのエッペンドルフ管にて凍結乾燥
された。デオキシオリゴヌクレオチドは、50mM HEPES
(pH7.6)、10mM MgCl2、および10mM DTTの30μlに溶
解された。2番目の管の中で、〔5′−32P〕7Enおよび
〔5′−32P〕8En(それぞれ、500pmole)は、同じ緩衝
液30μlに溶解された。二つの管は、それぞれ沸騰水中
で、1分間暖められ、室温までゆっくりと冷却された。
2つの混合物を一緒にし、容量を、上記の緩衝液を用い
て100μlに調整した。溶液を、45℃で、2分間暖め、
そして、4℃に冷却した。ATPの濃度は、150mMに調整し
た。1.0mM DTTを2μlおよびT4−DNAリガーゼを5単位
を加えた後に、混合物を、4℃で18時間、インキュベー
トした。反応を、7M尿素を含むトリス−ホウ酸緩衝液
(pH8.0)を用いて、12%ポリアクリルアミド・ゲル上
で電気泳動を行ってモニターした。18時間後に、反応は
完了したものとされ、反応溶液を、二本鎖Bを調製する
ために直接使用された。
C.二本鎖Aへの断片3Enおよび4Enの酵素的接合 〔5′−32P〕3Enおよび〔5′−32P〕4En(それぞれ、
500pmole)を、50mM HEPES(pH7.6)、10mM MgCl2、お
よび10mM DTTの50μlに溶解した。混合物は、沸騰水浴
中で1分間暖められ、室温までゆっくりと冷却した。次
に、この溶液を、二本鎖Dを含む結合混合液に移され
た。合わせた溶液を、40℃で、2分間緩め、そして、4
℃に冷やした。ATP濃度を150uMに調整し、1M DTTの2μ
lが加えられた。T4−DNAリガーゼを5単位を追加した
後に、反応混合物を、4℃で、15時間インキュベートし
た。アリコート(0.5μl)が、12%ポリアクリルアミ
ド・ゲル上の電気泳動によって分析された。この分析結
果は、二本鎖Bが形成されたことを示した。二本鎖B
は、緩衝液として10mM重炭酸トリエチルアンモニウム
(pH7.5)を用いた、セファデックスG150/40(28×0.5c
m)上のカラム・クロマトグラフィーによって出発物質
および種々の中間生成物から分離された。二本鎖Bを含
む部分はプールされ、二本鎖Cの調製において使用され
た。
D.二本鎖Cの形成のための、二本鎖Bへの断片9Enおよ
び10Enの酵素的接合 二本鎖B(180pmole)を、50mM HEPES(pH7.6)、10mMM
gCl2、および10mM DTTの22μlに溶解した。2番目の管
の中で、〔5′−32P〕9Enおよび10En(それぞれ、360p
mole)が、55mM HEPES、11mM MgCl2および11mM DTT(22
μl)に溶解され、溶液は沸騰水浴の中で1分間暖めら
れた。室温まで冷却した後に、溶液は二本鎖Bを含む管
に移した。合わせた溶液を、45℃で、5分間暖め、そし
てゆっくりと4℃に冷やした。次に、最終濃縮物250μ
MにATPが加えられた。1M DTTの1μlおよびT4−リガ
ーゼの5単位を加えた後に、反応混合物を、4℃で15時
間インキュベートした。アリコート(0.5μl)を、ポ
リアクリルアミド・ゲル上の電気泳動によって分析し
た。この分析結果は、二本鎖Cが形成されたことを示す
ものである。
E.二本鎖Dを形成するための、二本鎖Cへの断片1Enお
よび2Enの酵素的接合、および二本鎖Eを形成するため
の、二本鎖Cへの断片1′Enおよび2′Enの酵素的接合 二本鎖Cを含む結合混合液(50μl)を、それぞれ25μ
lずつの同量に分けた。〔5′−32P〕2Enおよび1En
(それぞれ、180pmole、すでにアニーリングされたも
の)を、いずれか一方に加えた。〔5′−32P〕2′En
および1′En(それぞれ、180pmole、すでにアニーリン
グされたもの)が、他方に加えられた。これに反応混合
液を、37℃で、2分間暖め、そしてゆっくりと4℃まで
冷やされた。各管にT4−DNAリガーゼ(5単位)が加え
られ、結合混合液を、4℃で、15時間インキュベートし
た。アリコート(0.5μl)が採られ、ポリアクリルア
ミド・ゲル上の電気泳動によって分析された。正しい二
本鎖が形成されたように思われた。結合混合液を、緩衝
液として10mM重炭酸トリエラルアンモニウムを用いるセ
ファデックスG150/40(28×0.5cm)カラム上で脱塩し
た。この工程は、結合混合物から当初のモノマーも除去
するが、未反応の二本鎖C等の中間二本鎖は除去しな
い。二本鎖DおよびEの計算収量は、それぞれ45pmole
および42pmoleであった。
F.二本鎖Fを形成するための、二本鎖Dへの断片11Enの
酵素的接合 二本鎖D(8pmole)および断片11Enの500pmoleを、〔γ
−32P〕ATP(2pmole)およびT4−ポリヌクレオチド・キ
ナーゼ(1単位)を用いてリン酸化した。反応混合液
は、50mM HEPES、10mM MgCl2、および10mM DTTを含ん
だ。37℃で、50分間保った後に、反応混合液を、65℃
で、15分間暖め、そして、ゆっくりと4℃まで冷やし
た。T4−DNAリガーゼ(5単位)および1M DTT(0.5μ
l)が加えられ、混合物を、4℃で、15時間インキュベ
ートした。そして、DNAに酢酸ナトリウム(3μ)お
よびエタノール(500μ)を加えて、沈澱を生じせし
めて、−20℃で一晩置いた。上清液を廃棄し、残滓を、
20mMトリス−塩酸(pH7.5)、7nM MgCl2、2mM2−メルカ
プトエタノール、および50mM NaClを含む200μlに再溶
解された。次に、EcoRI(50単位)が加えられ、37℃
で、4時間反応を行った。1時間毎にアリコートが採ら
れ、ポリアクリルアミド・ゲル上での電気泳動によっ
て、反応の進捗度がモニターされた。4時間後に、反応
は完了した。EcoRI反応混合物を、65℃で、15分間暖
め、そして、セファデックス150/40カラム上で脱塩し
た。二本鎖Gは、二本鎖Eおよび断片11Enを用いて、同
様の方法によって調製できる。
二本鎖FおよびGは、それぞれプラスミドM13mp8および
M13mp7を用いて大腸菌内でクローニングした。これらの
プラスミドは、ベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ社
から入手した。提案された二本鎖構造は、クローニング
されたDNAの配列を調べることによって確認された。配
列を調べた結果、二本鎖Fの頭鎖は、下記の配列を持つ
ことが確認された。すなわち; さらに、二本鎖Gの頭鎖は、下記の配列を持つことが確
認された。すなわち; これまで述べた方法は、比較的に長い二本鎖領域と比較
的に短い一本鎖領域とを含む、二本鎖DNA配列のやや順
次的な構築に関するものであるが、一本鎖領域の塩基配
列の変種を概略的に調べると、全接合方法が、単一の
『ショトガン』反応で行うことができることが分かる。
以下の実施例は、二本鎖Eを、微生物形位置転換用ベク
ターに挿入する方法、前記ベクターの大腸菌宿主細胞の
形質転換における使用、形質転換された大腸菌細胞の適
切な栄養条件下での増殖、培養された細胞からの融合タ
ンパク質生成物の分離、および、発現されたβh−〔Le
u5〕−EPの分離と、生物学的活性の検定を示す。
実施例4 発現のために選択されたベクターは、pBR322の全部か
ら、小さなHind III−EcoRIの断片を除いた断片を利用
するpBR322/λplac誘導体であった。このプラスミド
は、β−ラクタマーゼのためのプロモーター領域も含
む。このベクターは、pBR−lacと命名した。このベクタ
ーは、EcoRIで切り出され、二本鎖Eは、この切り出し
た断片にT4リガーゼを用いて結合され、BELIと呼ばれる
ハイブリッドを形成した。発現を、pBR−lacおよびBELI
によって形質転換した大腸菌細胞を、AMP(20μg/ml)
プレート上で一晩増殖させ、単一のコロニーを、L培養
基10mlに採って、37℃で、250〜300rpmの震盪器にて、
8時間、増殖させることによって実証した。8時間培養
物を段階的に薄めたものを、LプレートおよびAMPプレ
ート(20μg/ml)に置き、プラスミドの損失が計量され
た。5mlの両タイプの細胞が遠心分離され、ペレット
を、70%蟻酸/臭化シアン(5mg/ml)に再懸濁し、4℃
で、30〜40時間放置した。試料を洗浄ならびに凍結乾燥
し、そして1mlの酢酸に再懸濁した。適切に調製された
試料には、ヒトβ−エンドルフィン(キット番号1600、
イミュノ・ニュークリアー社、ミネソタ州)の放射性免
疫分析を行った。負の対照(タンパク質無添加、および
非ハイブリッド・ベクターによって形質転換した大腸菌
のタンパク質)は、I125の標識付けした標準への抗体の
結合を、ほとんどあるいは全く阻止しなかった。一方、
BELIで形質転換された細胞のタンパク質は、標準曲線の
範囲から遥かに離れていた。
〔発明の効果〕
これまでの実施例は、βh−EPμの唯一のポリペプチド
類似体の調製を例示するものであるが、本発明が、1つ
以上のアミノ酸の種類あるいは相対的位置が、真正のタ
ンパク質と異なる、数多くのその他の類似体の調製の基
礎を提供するものであることは明らかである。このよう
な類似体の例は、βh−〔Trp27〕−EPであり、これ
は、前出のLi等の論文において、真正のタンパク質と比
較して、より優れた鎮痛薬効を呈し、かつレセプター結
合活性が、より低いと指摘されている。この類似体の調
製は、真正のβh−EPの合成のための上記した方法によ
り実現できる。唯一の例外は、断片9Enを調製する時に
は、コドンTGGがコドンTACに代わることである(例え
ば、断片9Enの最初の5ヌクレオチドが、TTACAではなく
てTTGGAとなることである)。断片8Enの塩基配列に対応
する変更が、生じることになる。
本発明の生成物および/またはそれらの抗体に、適切に
『札を付ける』ことが可能であり、例えば、酵素と結合
して放射性標識を(例えば、I125を用いて)付けるか、
あるいは螢光性標識を付けるかして、体液試料中に存在
する前述した生成物および/または抗体の、定性および
/または定量のための、分析および/または診断試験キ
ットに有用な試薬を提供することになる。前記した抗体
は、1つ以上の動物種(例えば、マウス、ウサギ、ヤ
ギ、ヒト等)への接種あるいはモノクローナル抗体源か
ら入手できる。前記した試薬材料はいずれも単独、ある
いは適切な培養基と、例えば、ガラスあるいはプラスチ
ックの粒あるいはビーズ上に塗布されたものと共に使用
できる。
これまで述べた実施例を考慮すれば、当業者であれば、
本発明の修正あるいは変更を想到するものと思われる。
従って、本発明には、特許請求の範囲の欄に明記された
限定のみが付加されるべきである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヌクレオチド塩基から直鎖状二本鎖DNA配
    列を合成する方法であって、下記の工程;すなわち、 (a)二つ以上の異なる直鎖状二本鎖DNA鎖を調製する
    工程であって、各二本鎖が、二つの一本鎖オリゴヌクレ
    オチドから形成されており、および各二本鎖が、選択さ
    れた12個以上の相補的塩基対の二本鎖領域を含み、該二
    本鎖の一端に選択された3〜7個の塩基を含む先端一本
    鎖の末端配列および/または該二本鎖の他端に選択され
    た3〜7個の塩基を含む一本鎖末端配列、および該二本
    鎖DNA鎖の該一本鎖の末端配列の各々が、調製された他
    の二本鎖DNA鎖の多くとも一つの一本鎖末端配列の全塩
    基との相補体を含むものであり、および、 (b)工程(a)で調製された各二本鎖DNA鎖が、相補
    的一本鎖末端配列を有し、そして、工程(a)で調製さ
    れた一つあるいは二つの異なる二本鎖にアニーリング
    し、それによって、工程(a)で調製された二本鎖DNA
    鎖の一本鎖末端配列の相補的会合により形成された少な
    くとも三塩基対を含んだ選択された少なくとも27個の塩
    基対の二本鎖領域を有し、および3〜7個の塩基の先端
    あるいは末端一本鎖領域を0〜2個有する、単一の連続
    的な二本鎖DNA配列を形成する、 工程を含むことを特徴とする、直鎖状二本鎖DNA配列の
    合成方法。
  2. 【請求項2】前記工程(a)で、少なくとも3つの異な
    る二本鎖DNA鎖が調製され、および、前記工程(a)で
    調製された二本鎖の一本鎖末端配列の相補性会合によっ
    て形成された、3つ以上の塩基対の少なくとも2つの隣
    接しない組み合わせを含んだ、少なくとも42個の選択さ
    れた塩基対を含む二本鎖領域を有する単一の連続的二本
    鎖DNA配列を形成するために調製されたすべての鎖が、
    単一のアニーリング反応混合物中で同時にアニーリング
    される、特許請求の範囲第1項に記載の直鎖状二本鎖DN
    A配列の合成方法。
  3. 【請求項3】前記工程(a)が、下記工程;すなわち、 (c)選択された直鎖状配列中に15個以上の塩基を有す
    る第1および第2直鎖状デオキシオリゴヌクレオチド断
    片を構築する工程であって、前記第2断片の直鎖状塩基
    配列が、前記第1断片の塩基配列の全相補体を含み、前
    記第2断片が塩基の追加配列を持たず、あるいはその両
    末端に塩基の配列を欠いていないのであれば、少なくと
    も一端が前記第1断片との完全な相補体に加えて3〜7
    個の選択された塩基の追加直鎖状配列を含む前記第2断
    片、あるいは前記第1断片の末端配列に相補的な3〜7
    個の塩基の直鎖状配列を欠いた前記第2断片を除くもの
    である、ことを特徴とする前記第1および第2断片を構
    築する工程、および (d)直鎖状二本鎖DNA鎖を形成するために、前記断片
    間の相補性会合を促す条件下で、前記第1および第2断
    片を結合する工程、 を含む特許請求の範囲第1項に記載の直鎖状二本鎖DNA
    配列の合成方法。
  4. 【請求項4】前記工程(b)にて形成される連続的な二
    本鎖DNA配列が、生物学的に機能的なタンパク質を、選
    択された宿主微生物内にて発現が可能な全構造遺伝子を
    含む、特許請求の範囲第1項に記載の直鎖状二本鎖DNA
    配列の合成方法。
  5. 【請求項5】前記工程(b)にて形成される連続的な二
    本鎖DNA配列が、宿主微生物内でのコドンの優先的発現
    特性に基づいて、同じアミノ酸をコードする代替コドン
    から選択された1つ以上のコドンを含む、特許請求の範
    囲第4項に記載の直鎖状二本鎖DNA配列の合成方法。
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