JPH09294590A - 組換えヒト内皮細胞成長因子 - Google Patents

組換えヒト内皮細胞成長因子

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JPH09294590A
JPH09294590A JP8177653A JP17765396A JPH09294590A JP H09294590 A JPH09294590 A JP H09294590A JP 8177653 A JP8177653 A JP 8177653A JP 17765396 A JP17765396 A JP 17765396A JP H09294590 A JPH09294590 A JP H09294590A
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ecgf
growth factor
cell growth
endothelial cell
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JP8177653A
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Michael Jaye
ジエイ マイケル
Wilson Burgess
バーガス ウイルソン
Thomas Maciag
マーシア トーマス
William Drohan
ドロハン ウイリアム
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Rorer Biotechnology Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト起原の内皮細胞成長因子(ECGF)に
組換えDNA技術を適用してヒト起原の他の蛋白を含ま
ないECGF蛋白を産生する方法の提供。 【解決手段】 ヒト内皮細胞成長因子をコードするDN
A配列を発現し得る複製可能な発現ベクターを適当な主
宿に提供し、該主宿を形質転換させて組換え宿主を得、
そして該内皮細胞成長因子をコードするcDNA配列の
発現を可能にする条件下に該組換え宿主を維持して内皮
細胞成長因子を産生させることによりヒト内皮細胞成長
因子を産生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はある蛋白の組換えD
NAにより導かれる合成に関する。さらに詳しくは、本
発明は内皮細胞成長因子(ECGF)、その組換えDN
Aにより導かれる合成及び内皮細胞損傷及び/又は再生
の治療におけるECGFの用途に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】本明細書では「ECGF」と
呼ばれる内皮細胞成長因子は、生体外の内皮細胞に関す
るミトゲンである。内皮細胞の成長は、アンジオゲネシ
スの方法中の必要な工程である〔マシアグ(Macia
g)「プログ・ヘモスタシス・アンド・トロンボ(Pr
og.Hemostasis and Throm
b。)」:167〜182(1984);マシアグ,
T.,フーバー(Hoover),G.A。及びワイン
シュタイン(Weinstein),R。,「J.バイ
オロ.ケム.(Biol。Chem。)」257:53
33〜5336(1982)〕。ウシECGFはマシア
グらにより単離された〔「サイエンス(Scienc
e)」225:932〜935(1984)〕。それは
ストレプトマイシン硫酸塩沈澱、ゲル排除クロマトグラ
フィ、硫酸アンモニウム沈澱及びヘパリン・セファロー
ス・アフィニティクロマトグラフィを用いた。このやり
方で精製されたウシECGFは、アニオン性等電点及び
20,000の見掛け上の分子量を有する1本鎖ポリペ
プチドを生ずる〔マシアグ同上;シュライバー(Sch
reiber)ら「J.セル・バイオロ.(Cell
Biol.)〕101:1623〜1626(198
5);及びシュライバーら「プロシ.ナチル.アカデ.
サイ(Proc.Natl.Acad.Sci.)」8
2:6138〜6142(1985)〕。さらに最近で
は、ヘパリン−セファロースカラムからのウシECGF
の塩化ナトリウム勾配溶離により、又は逆相高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)により、複数の形のウシ
ECGFがバージス(Burgess)ら〔「J.バイ
オロ.ケム」260:11389〜11392(198
5)〕により単離された。
【0003】アルファ−ECGF及びベータ−ECGF
と呼ばれる2種の単離されたポリペプチドは、それぞれ
17,000及び20,000の見掛け上の分子量を有
する。このやり方を用いて、8,500mlのウシ脳抽
出物(6.25×107 全単位)に含まれるウシECG
Fは、合計6mlのアルファ−ECGF(3.0×10
6 単位)及び3mlのベータ−ECGF(5.2×10
5 単位)に濃縮される。これは、アルファ−ECGFの
9,300倍の精製及びベーターECGFの16,30
0倍の精製である(バージス、同上)。最近、ウシEC
GFに対するネズミモノクローナル抗体が生成され(マ
シアグら、同上)、それは米国特許第4,361,50
9号明細書にチンマーマン(Zimmerman)及び
フルヒアー(Fulcher)により記載されたファク
ターVIIICのモノクローナル抗体精製に似た方法で、ウ
シECGFを精製するのに有用であろう。
【0004】一般に、組換えDNA技術は周知である。
「メソッズ・イン・エンチモロジー(Methods
In Enzymology)」(アカデミック・プレ
ス、ニュー・ヨーク)、15及び68巻(1979);
100及び101巻(1983)及びそれらに引用され
た参考文献参照(これらのすべては本明細書において参
考文献として引用される)。最も普通に用いられる組換
えDNAの方法論を具体化する広範囲の技術的な論説
は、マニアチス(Maniatis)ら「モレキュラー
・クローニング(Molecular Clonin
g)」コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(1982)に見い出されうる。種々のポリペプチドに
ついてコーディングする遺伝子は、組換えDNA媒体例
えば細菌性又はウイルス性のベクターにポリペプチドに
ついてコーディングするDNAフラグメントを組み入
れ、そして適当な宿主を形質転換することによりクロー
ンされうる。この宿主は代表的にはエッシェリキア・コ
リ(Escherichiacoli)(E.col
i)菌であるが所望の生成物に応じて真核宿主が用いら
れうる。組換えベクターを組み込むクローンは単離され
そして成長されさらに多量に所望のポリペプチドを生成
するのに用いられうる。
【0005】三、四のグループの科学者は、真核細胞か
らメッセンジャーRNA(mRNA)の混合物を単離し
そして一連の酵素的反応を用いてこのmRNAに対して
相補的な二本鎖DNAコピーを合成した。第一の反応に
おいて、mRNAはRNAに向かうDNAポリメラーゼ
(又逆転写酵素と呼ばれる)により一本鎖相補DNA
(cDNA)へ転写される。逆転写酵素は5’−3’方
向にDNAを合成し、プレカーサーとしてデオキシリボ
ヌクレオチド5’−トリホスフェートを用い、そして鋳
型及びプライマー鎖を必要とし、その後者は遊離の3’
−ヒドロキシル末端を有しなければならない。mRNA
の鋳型の部分的なコピー又は完全なコピーの何れにせ
よ、逆転写酵素生成物は、しばしばそれらの3’末端に
おいて短い部分的に二本鎖のヘアピン(「ループ」)を
有する。第二の反応において、これらの「ヘアピン・ル
ープ」は、DNAポリメラーゼに対するプライマーとし
て働く。予め形成されたDNAは、DNAポリメラーゼ
の作用において鋳型としてさらにプライマーとして要求
される。DNAポリメラーゼは、遊離の3’ヒドロキシ
ル基(それに新しいヌクレオチドが加えられて5’−
3’方向に鎖を延ばす)を有するDNA鎖の存在を必要
とする。このような連続逆転写酵素及びDNAポリメラ
ーゼ反応の生成物は、なお一端でループを有する。その
ようにして生成された二本鎖DNAのループ又は「折り
重ね点」の頂点は、実質的に一本鎖セグメントである。
第三の反応において、この一本鎖セグメントは、一本鎖
特異的ヌクレアーゼS1により開裂されて「ブランドエ
ンド」二本鎖DNAセグメントを発生させる。この一般
的な方法は、すべてのmRNA混合物に適用可能であ
り、そしてブエル(Buell)ら「J.バイオロ.ケ
ム.」253:2483(1978)に記載されてい
る。
【0006】得られた二本鎖cDNA混合物(ds−c
DNA)は、少なくとも一部は用いられる特別な媒体に
応じて、多くの周知の技術の任意の一つによりクローン
する媒体に挿入される。種々の挿入法は、「メソッズ・
イン・エンチモロジー」68:16〜18(1980)
及びその引用文献にかなり詳しく述べられている。
【0007】一度DNAセグメントが挿入されると、ク
ローンする媒体が用いられて適当な宿主を形質転換す
る。これらのクローンする媒体は、通常、宿主に抗生物
質抵抗性の特徴を与える。このような宿主は、一般に原
核細胞である。この点において、形質転換又はトランス
フェクションされた宿主の二、三のみが所望のcDNA
を含むに過ぎない。すべての形質転換又はトランスフェ
クションされた宿主のすべてが、遺伝子「ライブラリ
ー」を形成する。この方法により生成された全部のds
−cDANライブラリーが、原料として用いられるmR
NA混合物に存在するコーディング情報の代表的なサン
プルを提供する。
【0008】もし適当なオリゴヌクレオチド配列が利用
しうるならば、それは用いられて下記のやり方で問題の
クローンを同定する。個々の形質転換又はトランスフェ
クションされた細胞は、ニトロセルロース濾紙上でコロ
ニーとして成長する。これらのコロニーを溶解し;放出
されたDNAを加熱により濾紙に固く結合する。濾紙
を、次に問題の構造遺伝子に相補的なラベルされたオリ
ゴヌクレオチドのプローブとともにインキュベートす
る。プローブは、それが相補的なcDNAと交雑し、そ
してオートラジオグラフィにより同定される。所望の蛋
白に関する構造上の情報のすべてを含むクローンの一つ
又は組合せを同定するために、相当するクローンの特徴
を求める。問題の蛋白についてコーディングする核酸配
列を単離し、そして発現ベクターに再挿入する。発現ベ
クターは、ds−cDNAの有効な発現(転写及び翻
訳)を行わせる特定の原核又は真核のコントロール要素
の統制コントロールの下に、クローンされた遺伝子をお
く。従って、この一般的な技術は、少なくとも一部のそ
れらのアミノ酸又はDNA配列がオリゴヌクレオチドの
プローブが利用可能であることについて知られているこ
れらの蛋白に対してのみ利用可能である。一般にマニア
チスら、同上参照。
【0009】さらに最近では、問題のエンコードされた
蛋白に対して特異的な抗体により細菌性コロニー又はフ
ァージ・プラークをプロービングすることにより、特定
のクローンを同定する方法が開発された。蛋白生成物の
合成が必要なので、この方法は「発現ベクター」クロー
ニング媒体についてのみ用いられる。構造遺伝子は、蛋
白の発現をコントロールする調節遺伝子配列に隣接した
ベクターに挿入される。細胞は、化学的方法又は宿主細
胞或いはベクターにより供給される機能の何れかによ
り、溶解され、そして蛋白は特定の抗体及び検出システ
ム例えば酵素イムノアッセイにより検出される。この一
つの例は、ヤング(Young)及びデービス(Dav
is)「プロシ・ナツル・アカデ.サイ.USA」
:1194〜1198(1983)並びにヤング及び
デービス「サイエンス」222:778(1983)に
より記載されたラムダgt11システムである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、容易に利用し
うる大量のECGF又はECGFフラグメントを提供す
ることを可能にした。これは、そのデザインがウシEC
GFのアミノ酸配列の知識に基づきそしてECGF c
DNAと特異的に反応するオリゴヌクレオチドにより達
成される。ECGFの生成は、ECGF蛋白をエンコー
ディングするクローニング媒体の生成に対する組換えD
NA技術の適用並にヒト起源の他の蛋白が実質的にない
ECGF蛋白を回収する方法により達成される。
【0011】従って、本発明はヒト起源の他の蛋白を実
質的に欠くECGF又はそのフラグメントを提供する。
ECGFは、宿主細胞において組換えDNA技術により
生成され、そして本質的に純粋な形で提供される。本発
明は、さらにECGFをエンコーディングするDNA配
列を組み込む複製可能な発現ベクター並にそれにより形
質転換又はトランスフェクションされる自己複製宿主細
胞システムを提供する。宿主システムは、通常、原核例
えばE.コリ又はB.ズブチリス又は真核細胞のもので
ある。
【0012】ECGFは、(a) 適当な宿主細胞システム
中にECGFをエンコーディングするDNA配列を実現
しうる複製可能な発現ベクターを生成させ;(b) 該宿主
システムを形質転換して組換え宿主システムが得られ;
(c) 該ECGFエンコーディングDNA配列の発現を生
じさせる条件下で該組換え宿主システムを維持してEC
GF蛋白を生成させ;そして(d) 該ECGF蛋白を回収
することよりなる方法により生成される。好ましくは、
ECGFエンコーディング複製可能発現ベクターは、E
CGF mRNAを代表するds−cDNA生成物を調
製しそしてds−cDNAを複製可能な発現ベクターに
組み込むことにより製造される。ECGFを回収する好
ましい態様は、組換え宿主システムにより発現された蛋
白と、ECGFに関して特異的な少なくとも一つの結合
工程を含む試薬組成物とを反応させることを含む。EC
GFは、損傷の治療又は血管及び他の内皮細胞系構造の
再生において治療剤として用いられうる。
【0013】図1は、cDNAクローンを生成する酵素
反応の一般的な方法を示す。
【0014】図2は、ラムダgt11に挿入されるDNA
フラグメントを含むライブラリーの生成を示す。
【0015】図3は、ウシのアルファ及びベータECG
Fの部分的アミノ酸配列を示す。 ラインa:ウシのアルファECGFのアミノ末端アミノ
酸配列。 ラインb:ウシのベータECGFのアミノ末端アミノ酸
配列。かっこ内の部分は、その配列が決定されなかった
NH2 末端セグメントに相当し;その代わりアミノ酸組
成が示される。Phe Asn Leu・・・・・で始
まる配列は、トリプシン開裂ウシベータECGFから決
定された。 ラインc:臭化シアノゲン開裂ウシアルファECGFの
アミノ酸配列。 ラインd:臭化シアノゲン開裂ウシベータECGFのア
ミノ酸配列。
【0016】図4は、水素結合された塩基対を示す。
【0017】図5は、ヒト内皮細胞成長因子のためのオ
リゴヌクレオチドのプローブのデザインを示す。
【0018】図6は、ヒトECGF cDNAクローン
1及び29の概略図を示す。開いたリーディング・ボッ
クスは、ヒトベータECGFをエンコーディングする開
いたリーディング・フレームを示す。EcoRI部位
は、cDNAライブラリーの構成に用いられる合成オリ
ゴヌクレオチドリンカーに相当する。クローン1の3’
末端のポリ(A)テールは、A17により示される。
【0019】図7は、ヒトECGF cDNA配列とオ
リゴヌクレオチドプローブとの間の同一性を示す。 ラインa:ウシのトリプシン−又は臭化シアノゲン開裂
ベータECGFアミノ酸配列。 ラインb:ユニークなオリゴヌクレオチドプローブ。 ラインc:ヒトECGF cDNA配列(ラムダECG
Fクローン1及び29から決定)。 ラインd:cDNA配列分析から導かれたヒトECGF
アミノ酸配列。
【0020】図8は、ヒトECGFの完全なcDNA配
列を示す。ECGFクローン1及び29からのcDNA
インサートはM13mp18にサブクローンされ、そし
てECGFエンコーディング開放リーディング・フレー
ム及びその側面領域は、鎖成長停止法により配列され
た。ECGFエンコーディング開放リーディングフレー
ムの5’及び3’末端の停止コドンは、フレームにおい
て、アンダーラインされた配列及びtrmによりそれぞ
れ示されている。アミノ酸に関する一つの文字の表示が
用いられる:A,ala;C,Cys;D,Asp;
E,Gln;F,Phe;G,Gly;H,His;
I,Ile;K,Lys;L,Leu;M,Met;
N,Asn;P,Pro;Q,Gln;R,Arg;
S,Ser;T,Thr;V,Val;W,Trp;
Y,Tyr。
【0021】図9は、ECGF mRNAのノーザン・
ブロット分析を示す。RNAは2.2Mホルムアルデヒ
ド及び50%ホルムアミド中で変性させられそして2.
2Mホルムアルデヒドを含む1.25%アガロースゲル
中の電気泳動により分画された。これを10X SSP
Eによってブロットすることによりジーンスクリーン・
プラス(Gene Screen Plus)(ニュー
・イングランド・ニュークリア)に移した。ブロット
を、2X SSPE、20Xデンハルト(Denhar
dt)の溶液、イースト・トランスファRNA(200
μg/ml)、0.2%SDSを含む混合物中で16時
間65℃でECGFクローン1の32pをラベルしたニッ
ク翻訳プローブへ交雑された。膜を65℃で2X SS
PE及び0.2%SDSにより2回、0.2X SSP
E及び0.2%SDSにより2回次々に洗い、風乾しそ
して増感スクリーンとともにコダックXARフィルムに
1晩露出した。28S及び18S RNAの転位が示さ
れる。
【0022】 レーン1:10μgヒト脳ポリ(A)含有RNA。 レーン2:10μgヒト成人肝ポリ(A)含有RNA。
【0023】本明細書で用いられるとき、「ECGF」
は、ヒトのアンジオゲニックなプロセスに固有なECG
Fが有するように、生体外で細胞の成長、分化及び転位
に影響する能力を有する生活性的な形で、細胞又は無細
胞培養システムにより生成される内皮細胞成長因子又は
そのフラグメントを示す。
【0024】ECGFの異なるアレルは、自然に存在し
うる。これらの変異は、同一の生物学的機能の蛋白に対
してコーディングする構造遺伝子のヌクレオチド配列に
おける相違により特徴付けられよう。単一又は複数のア
ミノ酸の置換、欠損、付加又は転換を有するアナローグ
を生成することは可能である。自然のECGFの生物学
上活性な性質を保つECGFの誘導体をもたらすアナロ
ーグ並にすべてのこのようなアルレの変異、修飾は、本
発明の範囲内に含まれる。
【0025】「発現ベクター」は、そのような配列がそ
れらの発現に影響しうる他の調節配列に結合するとき、
そこに含まれたDNA配列を転写及び翻訳しうるベクタ
ーを指す。これらの発現ベクターは、エピソーム、バク
テリオファージとして又は染色体DNAの拡大部分とし
ての何れかで、宿主生物又はシステム中で複製可能でな
ければならない。本発明で特に用いられるのに適した発
現ベクターの一つの形は、細菌中で通常生存し複製する
バクテリオファージ、ウイルスである。この目的に特に
望ましいファージは、ヤング及びデービス、同上により
記述されたラムダgt10及びgt11ファージである。ラ
ムダgt11は、挿入されたDNAにより特定されるポリ
ペブチドを生成しうる一般的な組換えDNA発現ベクタ
ーである。
【0026】劣化を最低にするために、ラクトースの合
成アナローグ(IPTG)による誘導のときに、異物蛋
白又はその部分は原核蛋白B−ガラクトシダーゼに合成
融合される。蛋白劣化径路に欠けた宿主細胞の使用は、
又誘導されたラムダgt11クローンから生成された新規
な蛋白の寿命を増大させる。ラムダgt11クローンにお
ける異物DNAの適当な発現は、B−ガラクトシダーゼ
プロモーター及び翻訳開始コドンに関する挿入されたD
NAの適切な配向及びリーディング・フレームに依存す
るだろう。
【0027】組換えDNA技術に有用な発現ベクターの
他の形は、プラスミド即ち円形の組込まれていない(染
色体外)の二本鎖DNAループである。同等な機能を果
たす発現ベクターの任意の他の形は、本発明の方法に用
いられるのに適している。
【0028】本明細書において開示された組換えベクタ
ー及び方法は、広範囲の原核及び真核の生物を含む宿主
細胞に用いられるのに適している。原核細胞が、DNA
配列のクローン化及びベクターの構成に好ましい。例え
ば、E.コリK12株HB101(ATCC 3369
4)が特に有用である。勿論、他の微生物の株も用いら
れうる。宿主細胞又はシステムと両立しうる種から誘導
された複製及びコントロール配列を含むベクターは、こ
れらの宿主とともに用いられる。ベクターは、形質転換
された細胞に表現型選択をもたらしうる特徴とともに、
元来複製の元を有している。例えば、E.コリは、ベク
ターpBR322を用いて形質転換され、それはアンピ
シリン及びテトラサイクリン抵抗性の遺伝子を含む〔ボ
リバー(Bolivar)ら「ジーン(Gene)」
:95(1977)〕。
【0029】これらの抗生物質抵抗性遺伝子は、形質転
換された細胞を同定する手段を提供する。発現ベクター
は、又目的の遺伝子の発現のために用いられうるコント
ロール要素を含む。E.コリ中の異物DNA配列の発現
のために用いられる普通の原核コントロール要素は、バ
クテリオファージラムダのpR及びpLプロモーターと
ともに、E.コリのB−ガラクトシダーゼ及びトリプト
ファン(trp)オペロンから誘導されたプロモーター
及び調節配列を含む。これらの要素の組合せは、又用い
られる(例えば、trpプロモーターとラクトースオペ
レーターとの融合物であるTAC)。他のプロモーター
も又発見されそして利用され、そしてそれらのヌクレオ
チド配列に関する詳細は、発表されて当業者がそれらを
機能的に組み合わせそして利用することができる。
【0030】原核生物に加えて、真核微生物例えばイー
スト培養も又用いられうる。サッカロミセス・セルビシ
エ(Saccharomyces cervisia
e)又は普通のベーカーズ・イーストは、真核微生物の
中で最も普通に用いられるが、多数の他の菌株も普通に
利用される。イースト中の異物DNA配列の発現に適し
たイーストプロモーターは、3−ホスホグリセラートキ
ナーゼ又は他のグルコース分解酵素のためのプロモータ
ーを含む。好適な発現ベクターは、クローンされた遺伝
子のmRNA転写のポリアデニル化及び停止をもたらす
停止シグナルを含む。イーストと両立しうるプロモータ
ー、複製の起源、適切な停止配列を含む任意のベクター
は、ECGFの発現のために適している。
【0031】多細胞生物から誘導された細胞系も又宿主
として用いられうる。原則として、脊椎動物又は無脊椎
動物の源からの何れでも、任意のこれら細胞培養は利用
可能である。しかし、関心は脊椎動物の細胞において最
大であり、そして培養(組織培養)中の脊椎動物の細胞
の増殖は、最近普通に行われている。このような有用な
宿主の例は、VERO、HeLa、マウスC 127、
チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)、WI38、
BHK、COS−7及びMDCK細胞系である。このよ
うな細胞の発現ベクターは、元来、複製の起源、発現さ
れるべき遺伝子の前にあるプロモーター、RNA切り継
ぎ部位(もし必要ならば)そして転写停止配列を含む。
【0032】哺乳動物の細胞に用いられるため、発現ベ
クターのコントロール機能(プロモーター及びエンハン
サー)は、しばしばウイルス性物質により提供される。
例えば、普通に用いられるプロモーターは、ポリオー
マ、アデノウイルス2そして最もしばしばシミアン(S
imian)ウイルス40(SV40)から誘導され
る。真核プロモーター例えばネズミメタロチオネイン遺
伝子のプロモーター〔パウラキス(Paulakis)
及びハマー(Hamer)「プロシ・ナツル・アカデ・
サイ.」80:397〜401(1983)〕も又用い
られうる。その上、このようなコントロール配列が宿主
システムと両立しうるならば、所望の遺伝子配列と元々
結合しているプロモーター又はコントロール配列を利用
することが可能でありそしてしばしば望ましい。転写の
速度を高めるために、真核エンハンサー配列も構築に加
えられうる。これらの配列は、種々の動物細胞又は発が
ん性のレトロウイルス例えばマウス肉腫ウイルスから得
られうる。
【0033】複製の起源は、外因性の起源例えばSV4
0又は他のウイルス性の起源により提供されるものを含
むベクターの構築によりもたらされるか、又は宿主細胞
の染色体複製メカニズムによりもたらされるかの何れか
である。もしベクターが宿主細胞の染色体に組み入れら
れるならば、後者がしばしば十分である。
【0034】宿主細胞は、種々の化学的組成を有するE
CGFを生成しうる。蛋白はその第一のアミノ酸として
メチオニンを有するものが生成される。このメチオニン
は、構造遺伝子の起源で元々存在するATG開始コドン
により、又は構造遺伝子のセグメントの前に操作される
ことにより存在する。蛋白は、又細胞内又は細胞外で開
裂されて、蛋白のアミノ末端で元々見い出されるアミノ
酸を生ずる。蛋白は、それ自体又は異種シグナルペプチ
ドの何れかとともに生成され、シグナルポリペプチドは
細胞内又は細胞外の環境で特異的に開裂可能である。最
後に、ECGFは、任意の外来のポリペプチドを開裂し
去る必要なしに成熟した形で直接発現により生成されう
る。
【0035】組換え宿主細胞は、組換えDNA技術を用
いて構築されたベクターにより形質転換された細胞に関
する。本明細書で規定された如く、ECGFはこの形質
転換の結果として生成される。このような細胞により生
成されたECGF又はそのフラグメントは、「組換えE
CGF」とされる。
【0036】下記の方法は、本発明の方法で有用な特定
の試剤を生成する多数の充分に確立された方法の或るも
のに過ぎない。mRNA混合物を得るための一般的な方
法は、組織サンプルを得るか又は所望の蛋白を生成する
細胞を培養するかそしてチャーグウイン(Chirgw
in)ら「バイオケミストリー(Biochemist
ry)」18:5294(1979)により開示された
方法の如き方法によりRNAを抽出することである。m
RNAは、オリゴ(dT)セルロース又はポリ(V)セ
ファロースのクロマトグラフィ次いでポリ(A)含有m
RNA画分の溶離により、ポリ(A)mRNA含有物質
により増加される。
【0037】上述のポリ(A)含有mRNA増加画分を
用いて逆転写酵素を用いて一本鎖相補cDNA(ss−
cDNA)を合成する。DNA合成の結果として、ヘア
ピン・ループは第二の鎖DNA合成を開始するDNAの
3′末端で形成される。適切な条件下、このヘアピン・
ループを用いてDNAポリメラーゼ及びデオキシリボヌ
クレオチドトリホスフェートの存在下ds−cDNAの
合成を行なう。
【0038】得られたds−cDNAは、多くの周知の
技術の任意の一つにより発現ベクターにそう入される。
一般に、方法はマニアチスら、同上並に「メソッゾ・イ
ン・エンチモロジイ」65及び68巻(1980)及び
100及び101巻(1983)に見い出される。一般
に、ベクターは少なくとも1種の制限エンドヌクレアー
ゼにより線状化され、それは少なくとも2個のブラント
又は結合端を生成するだろう。ds−cDNAは、ベク
ターそう入部位とリゲート又は結合される。
【0039】もし実質的な細胞壁物質を含む原核細胞又
は他の細胞が用いられるならば、発現ベクターによる形
質転換の最も普通の方法は、コーヘン(Cohen)、
R.N.ら「プロシ.ナツル.アカデ.サイ.USA」
69:2110(1972)により記載された塩化カル
シウム予備処理である。もし細胞壁バリヤーなしの細胞
が宿主細胞として用いられるならば、トランスフェクシ
ョンはグラハム(Graham)及びファン・デル・エ
ブ(Van der Eb)「ウイロロジー(Viro
logy)」52:456(1973)により記載され
たりん酸カルシウム沈でん法により行われる。細胞にD
NAを導入する他の方法例えば核注入、ウイルス感染又
はプロトプラスト融合が成功して用いられうる。細胞は
次に選択的媒体上に培養され、そして発現ベクターがエ
ンコードする蛋白が生成される。
【0040】ECGFに関する一部又は全部のcDNA
を含むクローンは、ECGFの部分的アミノ酸配列決定
から導かれた特定のオリゴヌクレオチドプローブにより
同定される。この同定法は、非同義性オリゴヌクレオチ
ドプローブがデザインされてそれが特異的にECGF
ds−cDNAに交雑することを必要とする。ECGF
cDNA配列を含むクローンは、32p−ATPにより
オリゴヌクレオチドプローブを放射性ラベルし、ECG
F−cDNAを含むcDNAライブラリーの個々のクロ
ーンのDNAへ放射性オリゴヌクレオチドプローブを交
雑し、そしてオートラジオグラフィーにより交雑するク
ローンの検出及び単離により単離される。このようなク
ローニングシステムは、ヤング及びデービス、同上によ
り記載されたラムダgt11システムに適用可能である。
【0041】ECGFの全配列を含むクローンは,EC
GF特異的オリゴヌクレオチドによる組換えラムダgt
11 cDNAライブラリーの最初のスクリーニング中単
離されたECGF組換え体のcDNAインサートをプロ
ーブとして用いて同定される。ヌクレオチド配列技術を
用いてcDNAフラグメントによりエンコードされたア
ミノ酸の配列を決定する。この情報を用いてウシECG
F及びECGFの臭化シアノゲン開裂により誘導される
ペプチドのアミノ末端の周知のアミノ酸配列に対する比
較により、推定のECGF cDNAクローンの同定性
を決定する。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0043】A.全RNAの生成 全RNA(メッセンジャー、リボゾーム及びトランスフ
ァー)を、本質的にチャーグウイン、同上(1979)
に記載されたように新鮮な2日経過したヒトの脳幹から
抽出した。細胞ペレットを5倍容の溶液〔4Mグアニジ
ンチオシアナート及び25mMアンチ フォーム(An
tiform)A(シグマ・ケミカル・カンパニー、セ
ント・ルイス、ミズリー)を含む〕中でホモゲナイズし
た。ホモジネートを10℃で15分間ソルバル(Sor
vall)GSAローター中で6,000rpmで遠心
分離した。上澄み液を酢酸の添加によりpH5.0に調
節し、そしてRNAが2時間−20℃で0.75倍容の
エタノールにより沈でんした。RNAを遠心分離により
集め、そして2mMくえん酸ナトリウム及び5mMジチ
オスレイトールを含む7.5Mグアニジン塩酸塩中に溶
解した。0.5倍容のエタノールを用いて2回の追加の
沈でん後、残存するグアニジン塩酸塩を無水エタノール
により沈でんから抽出した。RNAを滅菌水に溶解し、
不溶物質を遠心分離により除きそしてペレットを水によ
り再抽出した。RNAを0.2M酢酸カリウムに調節し
そして1晩−20℃で2.5倍容のエタノールの添加に
より沈でんさせた。
【0044】B.ポリ(A)含有RNAの生成 前述の如く生成された全RNA沈でんを10mM ED
TA及び1%SDSを含む20mMヘペスパッファー
(pH7.2)に溶解し、10分間65℃で加熱し次に
25℃に急速に冷却した。RNA溶液を次に等容量の水
により希釈し、NaClを加えて最終の濃度を300m
M NaClとした。240A260 単位以内のRNAを
含むサンプルを標準の方法を用いてポリ(U)セファロ
ースのクロマトグラフィにかけた。ポリ(A)含有RN
Aを1mMヘペスバッファー(pH7.2)及び2mM
EDTAを含む70%ホルムアミドにより溶離した。
溶離液を0.24M NaClに調節しそしてRNAを
−20℃で2.5倍容のエタノールにより沈でんさせ
た。
【0045】C.ラムダgt11中のcDNAクローンの
構築 酵素反応について行われた方法は、図1に示される。m
RNA(20μg)をブエル(Buell)ら、同上及
びウイルケンセン(Wilkensen)ら「J.バイ
オロ.ケム.」253:2483(1978)に記載さ
れた通りに、逆転写酵素及びDNAポリメラーゼIによ
りds−cDNAへコピーされた。ds−cDNAをセ
ファデックスG−50で脱塩し、そして放出された容量
の画分をさらにメーカーの処方に従ってエルチップ(E
lutip)Dカラム〔シュライヒアー・アンド・シュ
エル(Schleicher & Schuell)、
キーン、NH〕で精製した。ds−cDNAをS1ヌク
レアーゼとのインキュベーションによりブラント末端に
した〔リカ(Ricca)ら、「J.オバロ.ケム.」
256:10362(1981)〕。反応混合物は、
0.2M酢酸ナトリウム(pH4.5)、0.4M塩化
ナトリウム、2.5mM酢酸亜鉛及び0.1単位のS1
ヌクレアーゼ(ds−cDNA/ng当り)よりなり、
100μlの最終反応容量とした。ds−cDNAを1
時間37℃でインキュベートし、フェノール:クロロホ
ルムにより抽出し次に前述の如くセファデックスG−5
0で脱塩した。
【0046】ds−cDNAを次にマニアチスら「モレ
キュラー・クローニング」同上に記載された反応条件を
用いてDNAポリメラーゼIのクレナウ(Kleno
w)フラグメント及びEcoRIメチラーゼにより処理
した。cDNAを再び前述の如くセファデックスG−5
0で脱塩し次にT4 DNAリガーゼ(マニアチスら、同
上)を用いて0.5μgのホスフォリル化EcoRIリ
ンカーにリゲートした。混合物をEcoRIにより開裂
しそしてトリス・ボレートバッファ中の8%アクリルア
ミドゲルで分画した(マニアチスら、同上)。1キロベ
ースより大きい大きさのDNAをゲルから溶離しそして
エルチップDカラムに結合することにより回収し、1M
NaClにより溶離しそしてエタノール沈でんにより
集めた。
【0047】図2に示されるように、DNAフラグメン
トは次にT4 DNAリガーゼを用いて開裂されたEco
RI及びホスファターゼにより処理されたラムダgt11
にそう入された。5.7×106 ファージのライブラリ
ーが生成し、その中の約65%が組換えファージであっ
た。ライブラリーは、E.コリY1088〔supEs
upF metB trpR hsdR- hsdM+
tonA21 strA lacU169(pro
C:;Tn5)(pMC9)〕に42℃でプレートスト
ックを生成することにより増巾された。増巾方法はマニ
アチスら、同上に記載されている。ヤングおよびデービ
ス、同上により記載されたこの菌株の重要な特徴は、
(1)supF(S遺伝子におけるファージアンバー突
然変異の要求された抑圧)、(2)hasR- hsd
- (宿主修飾前異物DNAの制限を防止するのに必
要)そして(3)lacU169(proC:;Tn
5)さらに(4)(pMC9)(ファージ及び/又は細
胞の成長を阻害しうる異物遺伝子の発現をインデューサ
ーの不存在下抑制するlacI含有pBR322誘導
体)を含む。
【0048】D.ECGF配列を含むクローンの同定 ECGF cDNAを含む組換えファージに関するライ
ブラリーをスクリーンするために、1.5×106 ファ
ージをE.コリY1090〔△lacU169prA△
lon araD139 strA supF(trp
C22:;Tn10)(pMC9)〕の菌叢にプレート
し、そして6時間42℃でインキュベートした。プレー
トを1晩冷凍した後、ニトロセルロースフィルターをプ
レートの上に置いた。フィルターの位置を針によりマー
クした。フィルターを1分後除きそして室温で放置して
乾燥した。各プレートから、重複したフィルターを前述
した通りに作成したが、ただしフィルターを5分間プレ
ートと接触させたままにした。すべてのフィルターを次
にマニアチスら、同上に記載された如くの交雑のために
生成した。これは0.5M NaOH、1.5M Na
Cl中のDNAの変性、1Mトリス−HCl、pH7.
5、1.5M NaCl中の中和及び真空下80℃2時
間にわたるフィルターの加熱を含んだ。
【0049】ヒト脳幹cDNAライブラリーをECGF
インサートを含むクローンについてスクリーンするため
に、特定のオリゴヌクレオチドをデザインした。このオ
リゴヌクレオチドは、ECGFのアミノ末端の部分的ア
ミノ酸配列分析に基いた。図3のラインa及びbで示さ
れるように、ウシECGFはアルファ及びベータECG
Fと呼ばれる2種として単離され、それはそれぞれのア
ミノ末端で見い出されるアミノ酸だけが異なる。図3の
ラインbに示されるように、ベータECGFはアルファ
ECGFより僅かに大きなものである。ベータECGF
のアミノ末端における正確なアミノ酸配列は未決定であ
るが、配列は高速原子衝撃質量分析により誘導されそし
てウシベータECGFのアミノ末端トリプティックペプ
チドのアミノ酸組成が示される。アミノ末端ブロッキン
グ基はアセチルと思われる。もし未処理のベータECG
Fがトリプシンにより開裂されるならば、Phe As
nLeu・・・により始まるアルファではないベータE
CGFに見い出される第二のアミノ酸配列が決定され
る。この配列は、又酸性線維芽細胞成長因子のアミノ末
端で見い出される〔トーマス(Thomas)、K.
A.ら「プロシ,ナツル.アカデ.サイ.」82;64
09〜6413(1985)〕。アルファECGFのア
ミノ末端はAns Tyr Lys・・・・であり(図
3、ラインa)、そしてアミノ末端を欠いたベータEC
GFと同じである。図3において、ラインc及びdは、
それぞれ臭化シアノゲン開裂ウシアルファ及びベータE
CGFのアミノ酸配列の比較のために示す。
【0050】オリゴヌクレオチドのデザインのため、ア
ルファECGFアミノ酸19〜29に相当するアミノ酸
配列Ile Leu Pro Asp Gly Thr
Val Asp Gly Thr Lysが選ばれ
た。可能なコーディング配列のすべてを含むオリゴヌク
レオチドの混合物をデザインするのよりも(遺伝コード
の同義性のために)、長いユニークなオリゴヌクレオチ
ドがデザインされた。このようなオリゴヌクレオチドプ
ローブは、複合cDNA〔ジェイエ(Jaye)ら「ヌ
クレイック.アシズ.リサーチ(Nucleic Ac
ids Research)」11:2325〜233
5(1983)〕及びゲノム〔ギチャー(Gitsch
ier)ら「ネイチュア」312:326〜330(1
984)〕ライブラリーをスクリーニングするのに成功
したプローブであることが既に示されている。3種の基
準がECGFプローブをデザインするのに用いられた。
(1)ジヌクレオチドCGを避けた。
【0051】この戦略は真核DNAにおけるCGジヌク
レオチドの観察された表示不足に基く〔ジョセ(Jos
se)ら「J.バイオロ.ケム.」236:864〜8
75(1961)〕。(2)好ましいコドン利用データ
を可能な限り用いた。ヒトコドン利用の最近且包括的な
分析はラテ(Lathe)「J.モル.バイオロ.(M
ol.Biol.)」183:1〜12(1985)〕
に見い出された。(3)CGジヌクレオチドの戦略及び
好ましいコドン利用が情報価値がないときは、異常な塩
基対を認めた。この戦略はtRNAアンチコドンとmR
NAコドンとの間の相互作用中に生ずるG:T、I:
T、I:A及びI:C塩基対の天然の発生に基く〔クリ
ック(Grick)、「J.モル.バイオロ.」19
548〜555(1966)〕。普通のそして異常な塩
基対の図を図4に示す。交雑プローブにおけるI(イノ
シン)の使用は、オーツカ(Ohtsuka)ら「J.
バイオロ.ケム.」260;2605〜2608(19
85)によりモデル実験において先ず立証された。EC
GFに関するヒト脳幹cDNAライブラリーをスクリー
ンするのに用いられるオリゴヌクレオチドのデザインで
行われた全体の戦略及び選択を図5に示す。さらに、同
じ戦略によりデザインされた2種の他のオリゴヌクレオ
チドも構築された。
【0052】図5に示された約30pモルのオリゴヌク
レオチドをマニアチスら、同上により本質的に記載され
32pガンマATP及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ
とのインキュベーションにより放射性ラベルをした。前
述の如く作成したニトロセルロースフィルターを42℃
で6X SSPE(1X SSPE=0.18M Na
Cl、0.01M NaHPO4 pH7.2、0.0
01M EDTA)、2Xデンハートの溶液(1Xデン
ハート−0.02%各フィコル(Ficoll)、ポリ
ビニルピロリドン、ウシ血清アルブミン)、5%硫酸デ
キストラン、100μg/ml変性サケ精子DNA中で
予備交雑した。32Pをラベルしたオリゴヌクレオチドを
4時間の予備交雑後に加え、そして交雑を42℃で1晩
続けた。未交雑のプローブを37℃で2X SSPE、
0.1%SDSの逐次の洗滌により除いた。
【0053】スクリーンされた1.5×106 プラーク
から、2個のプラークが、1晩の露出後正のオートラジ
オグラフィーシグナルを示した。これらのクローンを、
交雑プローブとして上記のオリゴヌクレオチドを用いる
精製サイクルの繰返しにより精製して均一なものとし
た。
【0054】単離された2個のクローン(ECGFクロ
ーン1及び29)をさらに詳しく分析した。EcoRI
による分解により、クローン1及び29は、それぞれ
2.2及び0.3kbのcDNAインサートを示した。
クローンされたcDNAのニック翻訳及びサザーンブロ
ット分析(マニアチスら、同上)における放射性ラベル
されたプローブとしてのその次の使用は、クローン1及
び29は関連のある重複したクローンであることを示し
た。これらの2個のクローンの重複性は、図6に示され
る。
【0055】クローン1及び29は、さらに詳しく以下
の如く分析された。追加の2個のオリゴヌクレオチド
が、ウシECGFのアミノ酸配列に基いてデザインされ
た。これらのオリゴヌクレオチドは、クローン1及び2
9を単離するのに用いられるオリゴヌクレオチドのデザ
インに用いられたのと同じ考え方に基いてデザインされ
た。これらのオリゴヌクレオチド(ECGFオリゴヌク
レオチドII及びIII)は、図7に示される。これら
の2個のオリゴヌクレオチド及びオリゴ(dT) 18は、
前述の如きキネーション反応において放射性ラベルをさ
れ、そしてサザーンブロッティング実験において交雑プ
ローブとして用いた。これらの実験の結果は、クローン
29の0.3kb cDNAインサートはECGFオリ
ゴヌクレオチドI及びIIには交雑するがECGFオリ
ゴヌクレオチドIII又はオリゴ(dT)18には交雑せ
ず;クローン1の2.2kb cDNAインサートはオ
リゴヌクレオチドI、II、IIIそしてオリゴ(d
T)18に交雑することを示した。これらのデータ並にク
ローン1及び29の次のヌクレオチド配列決定は、クロ
ーン1の3′末端がポリ(A)テールで終ることを示し
た。ウシECGFの臭化シアノゲン開裂生成物に基くE
CGFオリゴヌクレオチドIIIに対するそしてオリゴ
(dt)18に対するクローン1の交雑は、このクローン
が、大きな(1kbより大)3′側面配列と同じくアル
ファ及びベータの両方のECGFに関するコーディング
配列の残りを含むことを強く示唆していた。
【0056】クローン1及び29からのcDNAインサ
ートは単離され、M13mp 18にサブクローンされ
そしてECGFをエンコードする開放リーディングフレ
ーム及び側面領域は、鎖成長停止法〔サンガー(San
ger)ら「プロシ.ナツル.アカデ.サイ.USA」
74:5463〜5467(1977)〕により配列が
示された。これらのクローンのヌクレオチド配列及び核
酸配列から導かれたアミノ酸配列を図8に示す。ヌクレ
オチド配列を調べるとヒトECGFをエンコードする4
65個のヌクレオチドの開放リーディングフレームを明
らかにする。ヒトECGFの155個のアミノ酸が、翻
訳停止コドンの側面に位置することが分った。cDNA
から導かれたヒトベータECGFのNH2 末端アミノ酸
はメチオニンであり、それは翻訳開始残基として働くも
のと思われる。初めの15〜20個のアミノ末端基の比
較的非疎水性とともに、これらのデータは、ヒトベータ
ECGFがNH2 末端シグナルペプチドなしに合成され
ることを強く示唆している。
【0057】図3及び図8の比較は、トリプシン開裂ウ
シベータECGFのアミノ末端アミノ酸配列並にウシア
ルファECGFのそれは、ラムダECGFクローン1及
び29のヌクレオチド配列から予想されるアミノ酸配列
と殆んど同じであることを示す。95%以上の2種の間
の全体の同一性が観察される。
【0058】ノーザンブロット分析(マニアチスら、同
上)は、ECGF mRNAが28S γRNAととも
に泳動する単一の分子であることを明らかにしている
(図9)。28S γRNAの評価された大きさの変化
を考えて、ECGF mRNAの大体の大きさは4.8
±1.4kbである。アルファ及びベータの両方のEC
GFの成熟した形をエンコードする配列のすべては、E
CGFクローン1及び29(それはともに約2.3kb
を含む)内にエンコードされる。従って、これらのデー
タは、領域5′及び側面に位置するECGFエンコーデ
ィング配列が極めて大きい(約2.5±1.4kb)を
立証する。
【0059】クローン1及びクローン29からのcDN
Aインサートは、EcoRIによる分解により切除さ
れ、そしてEcoRI部位でpUC8でサブクローンさ
れた。クローン1から形成されたプラスミドは、pHD
15と呼ばれ、そしてクローン29から形成されたプラ
スミドはpHD14と呼ばれた。プラスミドは、アメリ
カン・タイプ・カルチュア・コレクション、12301
パークローン・ドライブ、ロックビル、MD20852
に寄託された。クローン1からのプラスミドのpHD1
5はATCC53336とされ、クローン29からのプ
ラスミドのpDH14はATCC53335とされた。
【0060】従って、本実施例は、ヒト起源の他の蛋白
を本質的に含まないヒト内皮細胞成長因子を提供する実
験的な方法を記載している。
【0061】ECGFは、培養中の内皮細胞の成長及び
増殖に有用性がある。最近、細胞培養の用途のECGF
は、マシアグら〔「プロシ.ナツル.アカデ.サイ.」
76:11、5674〜5678(1978)〕のプロ
トコールによりウシの脳から抽出されている。この粗製
ウシECGFは、ヒトの臍静脈内皮細胞に対してミトゲ
ニックであり〔マシアグら「J.バイオロ.ケム.」
57;5333〜5336(1982)〕そして他のも
のからの内皮細胞についてもそうである。ECGF及び
フィブロネクチンマトリックスによるヘパリンの利用
は、安定な内皮細胞クローンの成立を行わせる。生体外
のミトゲンとしての使用に関するこの粗製ウシECGF
の推せんされる濃度は、成長培地1ml当り150ミク
ロgである。
【0062】組換えDNA誘導ヒトECGFは、それ
故、研究の目的でヒト内皮細胞及び他の間葉細胞の生体
外の培養において、粗製のウシECGFの改良された置
換物としての用途を有する。ヒトECGFは、両方の蛋
白のアミノ酸配列における高度の同一性のために、内皮
細胞の成長の相乗作用にウシECGFと同じか又はそれ
よりも良いことが予想される。生体外の細胞の分化及び
成長を増強する予想される有効な投与量の範囲は、培養
培地1ml当り5〜10ngの精製されたECGFであ
る。本明細書に示された如き組換えDNA技術を経るE
CGFの生成及びバージスら〔「J.バイオロ.ケ
ム.」260:11389〜11392(1985)〕
により記載された如き次の精製は、ヒトのホメスタチス
及びアンジオゲネシスのモデルを発展させるヒト起源の
多量の精製生成物(従来任意の量又は純度で入手不可
能)を提供するだろう。
【0063】組換えDNAから導かれたヒトECGF
は、又組織培養フラスコ又は瓶よりも人工器管上の細胞
の成長の増大に有用性がある。この器管は、装置への内
皮細胞の付着を助ける他の分子によりコーティングされ
ていてもいなくてもよい。これらの促進分子は、細胞外
マトリックス蛋白(例えばフィブロネクチン、ラミニン
又はコラーゲンの一種)、ヒト血清アルブミン、ヘパリ
ン又は他のグリコサミノグリカン又は不活性有機分子を
含みうる。内皮細胞は、培地中で有効量のECGFを用
いてこれらの表面に培養され、最終的に内皮細胞の単層
により器管をカバーする。この器管は、次に人工器管上
に非トロンボゲン表面をもたらし、従って人工器管の植
え込みにともなう潜在的に生命をおびやかすトロンボゲ
ンの発生の危険を低下させる。
【0064】ECGFは、診断の応用に有用性を有す
る。シュライバー(Schreiber)ら〔「プロ
シ.ナツル.アカデ.サイ.」82:6138(198
5)〕は、ウシECGFについて二重抗体イムノアッセ
イを開発した。このアッセイにおいて、96穴のポリ塩
化ビニルプレートをウサギ抗ECGFによりコートし、
残りの結合部位を次に10%正常ウサギ血清によりブロ
ックした。ECGFサンプルを次に穴に加えそしてイン
キュベートした。洗滌後ネズミモノクローナル抗ECG
Fを加えた。インキュベーション及び三、四回の洗滌
後、パーオキシダーゼとカップルされたウサギ抗マウス
Ig Gを加えた。反応生成物を、過酸化水素の存在下
O−フェニレンジアミンの転換後分光測光的に定量し
た。同様に考えられたイミノアッセイは、内皮細胞の成
長に影響する疾患状態のヒトECGFレベルをモニター
するのに有用であろう。精製された組換えDNA誘導E
CGFは、未知のECGFサンプルを定量する標準の試
薬として有用であろう。
【0065】ECGFは、又血管及び他の内皮細胞系構
造の再生又は損傷の治療に可能性がある。
【0066】本発明は例示的な態様により限定されるも
のと考えられないことは理解されるべきである。本明細
書に開示された発明の概念から離れることなく、他の態
様を作成することは可能である。このような態様は、当
業者の能力の中にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】cDNAクローンを生成する酵素反応の一般的
な方法を示す。
【図2】ラムダgt11にそう入されるDNAフラグメン
トを含むライブラリーの生成を示す。
【図3】ウシのアルファ及びベータECGFの部分的ア
ミノ酸配列を示す。
【図4】水素結合された塩基対を示す。
【図5】ヒト内皮細胞成長因子のためのオリゴヌクレオ
チドのプローブのデザインを示す。
【図6】ヒトECGF cDNAクローン1及び29の
概略図を示す。
【図7】ヒトECGF cDNA配列とオリゴヌクレオ
チドプローブとの間の同一性を示す。
【図8】ヒトECGFの完全なcDNA配列を示す。
【図9】ECGF mRNAのノーザン・プロット分析
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C12N 5/00 B //(C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:125) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ウイルソン バーガス アメリカ合衆国メリーランド州 20879 ゲイザース バーグ シダー アベニュー 13 (72)発明者 トーマス マーシア アメリカ合衆国メリーランド州 20852 ロックビル バレリアン レーン 6050 (72)発明者 ウイリアム ドロハン アメリカ合衆国バージニア州 22151 ス プリング フィールド パース コート 5232

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト内皮細胞成長因子をコードするDN
    A配列を発現し得る複製可能な発現ベクターを適当な主
    宿に提供し、該主宿を形質転換させて組換え宿主を得、
    そして該内皮細胞成長因子をコードするcDNA配列の
    発現を可能にする条件下に該組換え宿主を維持して内皮
    細胞成長因子を産生させることからなるヒト内皮細胞成
    長因子を産生する方法。
  2. 【請求項2】 該内皮細胞成長因子を採取する工程をさ
    らに含む特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】 該発現ベクターがバクテリオファージで
    ある特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】 該バクテリオファージがラムダgt10
    びラムダgt11よりなる群から選ばれる1つである特許
    請求の範囲第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】 該発現ベクターがプラスミドである特許
    請求の範囲第2項記載の方法。
  6. 【請求項6】 該プラスミドがpBR322から誘導さ
    れる特許請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】 該発現ベクターのコントロール機能がウ
    イルス性物質により提供される特許請求の範囲第2項記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 該ウイルス性物質がウシ乳頭腫ウイル
    ス、エプスタイン・バー(Epstein Barr)
    ウイルス、アデノウイルス、シミアン(Simian)
    ウイルス40及びバッキロウイルス(bacculov
    irus)よりなる群から選ばれる1つである特許請求
    の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】 ヒト内皮細胞成長因子をコードするDN
    A配列を発現し得る複製可能な発現ベクターを適当な主
    宿に提供し、該主宿を形質転換させて組換え宿主を得、
    そして該内皮細胞成長因子をコードするcDNA配列の
    発現を可能にする条件下に該組換え宿主を維持して内皮
    細胞成長因子を産生させ、該内皮細胞成長因子を採取す
    ることからなる方法により産生されたヒト内皮細胞成長
    因子であり、該ヒト内皮細胞成長因子は下記のアミノ酸
    配列(i) 、(ii)及び(iii) からなる群から選ばれるアミ
    ノ酸配列からなる、ヒト内皮細胞成長因子: (i)AEGEITTFTALTEKFNLPPGNYK
    KPKLLYCSNGGHFLRILPDGTVDGT
    RDRSDQHIQLQLSAESVGEVYIKST
    ETGQYLAMDTDGLLYGSQTPNEECL
    FLERLEENHYNTYISKKHAEKNWFV
    GLKKNGSCKRGPRTHYGQKAILFLP
    LPVSSD(β−ECGF); (ii)NYKKPKLLYCSNGGHFLRILPDG
    TVDGTRDRSDQHIQLQLSAESVGEV
    YIKSTETGQYLAMDTDGLLYGSQTP
    NEECLFLERLEENHYNTYISKKHAE
    KNWFVGLKKNGSCKRGPRTHYGQKA
    ILFLPLPVSSD(α−ECGF);及び (iii) MH2 −末端メチオニン残基を付加的に含む(i)
    又は(ii)の配列。
  10. 【請求項10】 該内皮細胞成長因子の採取が、組換え
    宿主システムにより発現された蛋白と、内皮細胞成長因
    子に特異的な少なくとも1種の結合蛋白を含む試薬組成
    物との反応を含む特許請求の範囲第2項記載の方法。
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