JPH0790301A - 粉末冶金用鉄系造粒粉末及びその製造方法 - Google Patents

粉末冶金用鉄系造粒粉末及びその製造方法

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JPH0790301A
JPH0790301A JP5250133A JP25013393A JPH0790301A JP H0790301 A JPH0790301 A JP H0790301A JP 5250133 A JP5250133 A JP 5250133A JP 25013393 A JP25013393 A JP 25013393A JP H0790301 A JPH0790301 A JP H0790301A
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powder
iron
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granulated powder
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JP5250133A
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Inventor
Ryuji Shiga
竜治 志賀
Tetsuya Hayashi
林  哲也
Yoshinobu Takeda
義信 武田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な流動性と優れた圧縮性とを具え、充填
密度のバラツキや成分偏析が低減されると共に高強度の
圧粉体が得られ、圧粉体の焼結により優れた寸法精度の
焼結製品を得ることのできる粉末冶金用鉄系造粒粉末を
提供する。 【構成】 鉄系主成分粉末と従成分粉末との混合粉末を
圧延した後粉砕し、主成分の鉄系粉末粒子1中に従成分
粒子2を複合一体化した造粒粉末であって、平均粒径が
80μm以上500μm未満で且つ粒径44μm以下の
ものが30重量%以下からなり、粉末の流動度が25秒
以下、及びラトラー試験での圧粉体の重量減少率が1.
0%以下である粉末冶金用鉄系造粒粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末冶金法による焼結
機械部品の製造に用いられる鉄系粉末、特に流動性に優
れ且つ充分な圧粉体強度が得られる粉末冶金用鉄系造粒
粉末、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄系の焼結機械部品は、鉄や炭素
鋼又は合金鋼等の鉄系の母粉末に、所望の鋼組成とする
ために必要なCu、Ni、Mn、Mo、Cr等の金属粉
末や黒鉛粉末を混合し、更に必要に応じてMnS等の金
属間化合物や金属の炭化物、酸化物、窒化物のような無
機化合物の粉末、若しくはステアリン酸化合物や硫化モ
リブデン等の潤滑剤の粉末を混合し、これらの混合粉末
を圧縮成形した後、焼結して製造されている。
【0003】上記混合粉末から圧粉体を作製する工程に
ついては、ホッパー内に貯溜した混合粉末を、ホースを
経てシューボックス内に満たし、金型キャビティ上でシ
ューボックスを前後動させることにより、金型キャビテ
ィ内に混合粉末を供給して充填した後、金型で加圧する
ことにより混合粉末を圧縮成形して圧粉体とする方法が
一般的である。
【0004】ところで、製造される焼結機械部品には寸
法精度の良いこと、即ち焼結時の寸法変化率が各部分で
均一であることが要求される。しかしながら、前記混合
粉末は流動性が充分でないため、金型キャビティ内を均
一に流動せず、充填密度のバラツキが生じる。又、ホッ
パーからシューボックスに給粉する際にも、混合粉末は
流動性が充分でないためにホース内で詰まりやすく、こ
のための給粉ムラによっても充填密度にバラツキが生じ
る。これらが原因となって圧粉体の密度にバラツキが生
じる結果、焼結時の寸法変化率が圧粉体各部によって異
なり、製品寸法のバラツキや製品形状の歪みが発生して
いた。
【0005】そこで、混合粉末の流動性を改善するた
め、鉄系の母粉末及びその他の添加従成分粉末をそれぞ
れ球状に造粒することが行われているが、球状に造粒さ
れた粉末は表面の凹凸が極度に少なくなるため、成形時
に各粉末同士が噛み合わず、そのため粉末の付着力が弱
くなって充分な圧粉体強度が得られず、取り扱い中に破
損するなど量産工程に適さないという問題があった。
【0006】更に、前記の混合粉末では、鉄系の母粉末
とその他の従成分粉末との粉末特性が異なるため、これ
らがホッパーからホースへと移動する際やシューボック
ス内で移動する際に成分ごとの偏析が生じる。この成分
偏析によっても、焼結時の寸法変化率にバラツキが発生
するため、得られる製品に寸法のバラツキや形状の歪み
が発生していた。尚、上記の充填密度のバラツキや成分
偏析に起因する製品寸法及び形状のバラツキは、個々の
製品内においても又は各製品相互間においても発生す
る。
【0007】これらの欠点を解決する手段として、特開
平4−214801号公報には、高級アルコールや高級
脂肪酸等の有機バインダーを用いて添加従成分粉末を鉄
系母粉末に接着することにより、成分の偏析を防止する
方法が提案されている。しかし、この方法では粉末同士
の充分な接着が得られず、ホースやシューボックス内で
の流動時に接着している粉末が剥離してしまうため、成
分の偏析を無くすことができず、更には粉末の流動性も
改善されない。しかも、圧縮成形時に有機バインダーの
体積分だけ密度の上昇が妨げられ、且つ有機バインダー
の影響で粉末の流動性が低下し、しかも有機バインダー
が粉末相互の絡み合いを妨げるので圧粉体強度が低下す
るという問題があった。
【0008】又、特開平2−145702号公報には、
鉄系母粉末と添加従成分粉末とを部分的に拡散付着(デ
ィフュージョンボンディング)させることにより、成分
偏析を防止する方法が開示されている。しかし、この方
法では拡散付着可能な添加成分粉末は金属粉末に限ら
れ、金属以外の従成分を添加する場合には成分偏析は全
く軽減されない。又、拡散付着のための固溶により粉末
硬化が生じ、圧縮成形時に塑性変形しにくくなるので、
圧力を上げても圧粉体密度が充分上昇しない。更に、粉
末硬化により粉末同士の絡み合いも弱くなるので、圧粉
体強度が低下する等の問題があった。
【0009】これらの方法以外に、従成分粉末を鉄系母
粉末に一体化させる方法として、メカニカルアロイング
がある。しかし、従来の振動ミルやボールミル等を用い
たメカニカルアロイングによる造粒処理では強制加工に
よる粉末硬化が生じ、塑性変形能の低下により圧縮性が
悪くなるので充分な圧粉体密度が得られず、更には粉末
硬化により粉末同士の絡み合いも弱くなるため圧粉体強
度が低下する等の問題があった。しかも、振動ミルやボ
ールミルでの処理はバッチ処理であるから、生産性が悪
くコストアップの要因となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情に鑑み、添加すべき従成分が主成分の鉄系母材中
に均一割合で分散し、良好な流動性と圧縮成形時の優れ
た圧縮性とを具えた造粒粉末であって、充填密度のバラ
ツキや成分偏析が低減されると共に、圧縮成形により高
強度の圧粉体が得られ、よって優れた寸法精度及び形状
の焼結製品を得ることのできる粉末冶金用鉄系造粒粉
末、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する粉末冶金用鉄系造粒粉末は、鉄、
炭素鋼又は合金鋼からなる主成分粒子中に、従成分粒子
が機械的に複合一体化して2次粒子を形成した鉄系造粒
粉末であって、平均粒径が80μm以上500μm未満
であり且つ粒径44μm以下のものが30重量%以下か
らなり、JISZ2502に規定する流動度試験による
流動度が50g当たり25秒以下、及びJSPM 4−
69に規定するラトラー試験において7ton/cm2
で圧縮成形した圧粉体の重量減少率が1.0%以下であ
ることを特徴とする。
【0012】上記本発明の鉄系造粒粉末は、鉄、炭素鋼
又は合金鋼からなる主成分粉末に従成分粉末を混合し、
混合粉末を粉末圧延して板状成形体を得、これを粉砕し
て主成分粒子中に従成分粒子が機械的に複合一体化した
2次粒子の造粒粉末とし、その後この造粒粉末を分級し
て平均粒径が80μm以上500μm未満であり、且つ
粒径44μm以下のものが30重量%以下とする方法に
より製造することができる。
【0013】ここで従成分とは、所望の鋼組成の焼結製
品を得るために鉄や炭素鋼又は合金鋼等の鉄系の母粉末
に添加される成分を意味し、例えば、Cu、Ni、M
n、Mo、Cr等の金属、及び黒鉛が主なものであり、
その他にMnS等の金属間化合物や金属の炭化物、酸化
物、窒化物、ホウ化物のような無機化合物、あるいはス
テアリン酸化合物や硫化モリブデン等の潤滑剤等を挙げ
ることができる。尚、主成分としての鉄、炭素鋼、合金
鋼は通常の意味で使用し、いずれも不可避的不純物を含
んで良い。
【0014】
【作用】本発明の造粒粉末においては、図1に示すよう
に、主成分である鉄系粉末粒子1内に従成分粒子2が配
合割合に応じた割合で均一に取り込まれ、機械的に複合
一体化されているうえ、その粒度分布を最適化してある
ので、従来の主成分粉末と従成分粉末との混合粉末に比
べて流動性に優れ且つ成分偏析が軽減されると同時に、
従来のメカニカルアロイングにより複合一体化した造粒
粉末に比べても粉末の圧縮性に優れ、しかも圧粉体の強
度を高めることができる。
【0015】従って、本発明の造粒粉末を用いることに
よって、従来にも増して密度及び成分の両方において均
質な圧粉体を容易に得ることができ、その圧粉体を焼結
することにより形状並びに寸法精度の優れた焼結製品を
低コストで製造し、提供することができる。
【0016】本発明において、造粒粉末の平均粒径を8
0μm以上500μm未満とする理由は、平均粒径が8
0μm未満になると従来の混合粉末や造粒粉末に比べて
流動性の改善が得られず、500μm以上になると金型
への供給時に充填密度が上がらず、圧縮性が低下して高
い圧力をかけないと圧粉体の密度が上昇しないからであ
る。又、造粒粉末のうち粒径44μm以下のものが30
重量%を越えると、金型の隙間に細かい粒子が入り込み
易くなり、短時間で金型同士の焼き付きが生じて金型寿
命を短くすると同時に、生産性に支障を来す。
【0017】上記本発明の造粒粉末は流動性が優れてお
り、JIS Z2502に規定する流動度試験による流
動度が50g当たり25秒以下である。この流動度が2
5秒を越えると、金型キャビティ内の各部分に造粒粉末
が均等に充填され難くなり、圧粉体内の密度の部分的な
偏りが大きくなる。流動性を向上させるためには粉末形
状を球状に加工することも考えられるが、その場合には
粉末表面の凹凸が少なくなるため圧縮成形時に粉末同士
が絡み合わず、充分な圧粉体強度が得られないことは前
述した通りである。
【0018】本発明の造粒粉末は粒子表面にある程度の
凹凸が存在し、圧縮成形時に圧力が加わると粉末の機械
的結合が分解されて1次粒子となり、この表面に凹凸を
有した1次粒子同士の絡み合いが容易に生じる。従っ
て、本発明の造粒粉末の圧粉体は、従来の造粒粉末の圧
粉体に比べて高い強度を得ることができ、JSPM 4
−69に規定するラトラー試験において7ton/cm
2で圧縮成形した圧粉体の重量減少率(ラトラー値)が
1.0%以下となる。ラトラー値が1.0%を越えると、
圧粉体が欠け易くなり、取り扱い中の形状維持が困難と
なる。
【0019】又、本発明の造粒粉末の製造方法において
は、主成分粉末の鉄系母粉末と従成分粉末との混合粉末
を、例えばローラータイプの粉末圧延装置を用いて連続
的な板状に成形した後、これを粉砕装置により粉砕し、
篩分けにより粒度分布を調整する。従って、機械的な造
粒であってもメカニカルアロイングのような粉末硬化が
起こらず、粉末の圧縮性が改善されると同時に圧粉体の
強度も向上する。しかも、粒度分布調整により残った粉
末は回収して再生利用できるので、原料ロスが少なく、
造粒粉末を連続的に低コストで製造することができる。
【0020】鉄系の主成分粉末に添加する従成分粉末
は、平均粒径が50μm以下であることが好ましい。そ
の平均粒径が50μmを越えると、焼結時に従成分が固
溶するとき粗大な流出孔が形成され、寸法精度や焼結性
に悪影響を与えるほか、粒径の大きな従成分粒子の部分
は剥がれ易いからである。又、従属粉末の合計量が混合
粉末全体の30重量%を越えると従成分の凝集が生じ易
くなり、成分偏析の原因となるので、30重量%以下と
することが好ましい。
【0021】更に、上記製造方法に従って造粒し分級し
た造粒粉末を焼鈍処理することにより、機械的造粒処理
によって生じた粉末中の加工歪みを取り除き、造粒粉末
を一層軟化させて、焼鈍前よりも圧縮性及び圧粉体強度
を改善することができる。
【0022】かかる本発明の鉄系造粒粉末を用いること
により、成分及び密度が均一で且つ強度の高い圧粉体を
得ることができ、この圧粉体を焼結することによって、
形状の歪みや寸法のバラツキの少ない焼結製品が得られ
る。その結果、従来に比べて加工工程の簡略化と原料ロ
スの減少を図り得るのみならず、偏肉や変形が起き易く
且つ圧粉体の強度不足による欠損等が生じ易い薄肉製品
であっても、高品質な製品の製造が容易である。
【0023】尚、本発明の鉄系造粒粉末は、それのみを
成形して焼結することも可能であるが、鉄系の母粉末と
混合して用いることにより、高精度の焼結体をより経済
的に製造することができる。その場合、鉄系母粉末の割
合が80重量%を越えると流動性や成分偏析の問題が生
じるので、本発明の鉄系造粒粉末の割合を20重量%以
上とすることが好ましい。
【0024】
【実施例】実施例1 主成分粉末の鉄系母粉末として、平均粒径90μmのF
e粉末と、同一平均粒径で組成がFe−4wt%Ni−
0.5wt%Mo−1.5wt%Cuの合金鋼粉末を用意
した。これら鉄系母粉末に従成分粉末を下記表1に示す
割合で添加し混合し、混合粉末をローラータイプの粉末
圧延装置により板状に成形し、成形体を粉砕機により粉
砕した。
【0025】
【表1】 金属粉末 黒鉛粉末 無機化合物 潤滑剤試料 母粉末 (wt%) (wt%) (wt%) (wt%) 1 Fe 2%Cu(35μm) 0.6%C − 0.8%ステアリン酸亜鉛 2 Fe 2%Cu(60μm) 0.6%C − 0.8%ステアリン酸亜鉛 3 合金鋼 − 0.6%C 0.5%MnS 0.8%ステアリン酸亜鉛 4 Fe 4%Ni 0.6%C 15%FeMo 0.8%ステアリン酸亜鉛 5 Fe 4%Ni 0.5%Mo 0.6%C 15%Al2O3 0.8%ステアリン酸亜鉛 1.5%Cu(35μm) (注)従成分粉末の平均粒径は;C粉末:15μm、M
nS粉末:20μm、FeMo粉末:20μm、Al2
3粉末:15μm、Ni粉末:30μm、Mo粉末:
30μm(Cu粉末については表中に付記した)
【0026】得られた各Fe系造粒粉末について、磁選
により摘出した主成分であるFe粉末粒子の元素分析を
行い、Fe粉末粒子に複合一体化した従成分元素量を調
べ、(従成分元素分析値/従成分元素添加量)×100
(%)により定義される従成分元素の付着度を求めた。
各試料の造粒粉末について得られた従成分元素の付着度
を表2に示した。
【0027】
【表2】従成分元素付着度(%) 試料 Cu Mn Ni Al Mo 1 73 70 − − − − 2 50 75 − − − − 3 97 75 68 98 − 95 4 − 73 − 74 − 69 5 67 72 − 65 75 66
【0028】通常の鉄系混合粉末の場合には添加した従
成分元素の付着度は非常に少なく、例えばCu付着度は
僅か6%程度であるから、本発明方法に従って製造した
造粒粉末では従成分元素の付着度が遥かに大きくなって
いる。ただし、試料2では添加したCu粉末の平均粒径
が大きいため、Cuの付着度が試料1よりも減少した。
以上の結果から、本発明方法による造粒粉末において
は、粉末内での成分偏析が大幅に改善されることが判
り、この造粒粉末を用いることによって、金型充填時及
び圧粉体ないの成分偏析を通常の混合粉末を用いた場合
よりも大幅に改善することが可能であることが判る。
【0029】尚、得られた試料1の造粒粉末の走査型電
子顕微鏡写真を図2に示す。又、走査型電子顕微鏡での
電子線の照射により造粒粉末の構成元素に固有の特性X
線が発生するので、このX線から各構成元素の分布状態
を知ることができる。この走査型電子顕微鏡により構成
元素の分布状態を求める分析を元素面分析と称し、試料
1の造粒粉末について元素面分析により得られたX線写
真をCuについて図3に、及びFeについて図4にそれ
ぞれ示す。これらの図2〜図4から、従成分であるCu
が主成分であるFeの粉末粒子に複合一体化して、均一
に分散していることが認められる。
【0030】実施例2 前記実施例1で得た試料1、試料3及び試料4の各造粒
粉末を、下記表3の粒度分布を持つように篩分けした。
【0031】
【表3】 平均粒径 造 粒 粉 末 の 粒 度 分 布(重量%) 試 料 (μm) ≦44 44<〜≦106 106<〜≦150 150<〜≦500 500< 1−a 90 20 60 20 − − 1−b* 90 40 40 20 − − 1−c* 500 − 5 15 30 50 1−d* 70 30 70 − − − 3−a 90 20 60 20 − − 4−a 90 20 60 20 − − 5−a 90 20 60 20 − − (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0032】表3の各試料の造粒粉末について、JIS
Z2502に規定する流動度試験による粉末50g当
たりの流動度、JIS Z2504に規定する見掛け密
度、及びJSPM 1−64に規定する圧縮性試験にお
いて粉末を7ton/cm2で圧縮したときの圧粉体密
度を測定し、得られた結果を表4に示した。参考のため
に、実施例1の造粒前における試料1の混合粉末につい
ても、上記各試験結果を表4に併せて示した。
【0033】
【表4】 (注)表中の*を付した試料は比較例又は参考例であ
る。
【0034】本発明の各造粒粉末は流動度に優れ、例え
ば造粒前の試料1の混合粉末に比べて試料1−aの本発
明の造粒粉末は流動度が大幅に改善されていることが判
る。粉末流動時の挙動を比較すると、造粒前の試料1の
混合粉末は最初にロートの中央部の粉末のみがオリフィ
スから流下して壁部近くの粉末が後に残るファンネルフ
ローであるのに対し、本発明の造粒粉末はロート全体か
らオリフィスに向かって流下するマスフローとなり、よ
り好ましい流動挙動となった。
【0035】又、本発明の各造粒粉末では1000個連
続成形しても金型の焼き付きが起こらなかったのに対し
て、粒径44μm以下の微粉末を多く含む試料1−bの
造粒粉末は金型とパンチの間に微粉末が入り易いため、
350個の連続成形で金型同士の焼き付きが起こった。
更に、平均粒径が500μmの試料1−cの造粒粉末で
は圧粉体密度が上がらず、平均粒径が70μmの試料1
−dの造粒粉末は流動度が極端に悪いことが判る。
【0036】実施例3 前記実施例1の造粒前における試料1の混合粉末、同じ
試料1の混合粉末を振動ミルによりメカニカルアロイン
グした振動ミル粉末、実施例2で粒度調整した試料1−
aの本発明の造粒粉末、及びこの試料1−aの造粒粉末
に更に600℃で1時間の焼鈍処理を施した本発明の焼
鈍造粒粉末について、JSPM 4−69に規定するラ
トラー試験において粉末を7ton/cm2で圧縮した
圧粉体の重量減少率(ラトラー値)を測定し、得られた
結果を各圧粉体の密度と共に表5に示した。
【0037】
【表5】粉末(試料1基準) 混合粉末 振動ミル粉末 造粒粉末 焼鈍造粒粉末 圧粉体密度(g/cm3) 7.10 6.45 7.10 7.18 ラトラー値(%) 0.70 3.05 0.70 0.69
【0038】振動ミル粉末は、通常の混合粉末に比べて
圧縮性の劣化による圧粉体密度の低下が生じ、ラトラー
値も3.05%と通常の混合粉末より極端に大きくな
り、十分な圧粉体強度が得られなかった。これに対し、
本発明の造粒粉末はラトラー値が通常の混合粉末とほぼ
同じであり、これを焼鈍処理した造粒粉末は圧縮性及び
ラトラー値に更に若干の改善が認められ、共に十分な圧
粉体強度が得られることが判った。
【0039】実施例4 前記実施例1の試料1における造粒前の通常の混合粉末
及び実施例2で得た試料1−aの本発明の造粒粉末を、
それぞれ外径40mmで内径27mmの金型に充填し、
7ton/cm2の圧力で圧縮成形してリング状の圧粉
体を各30個形成した。各圧粉体を4等分してそれぞれ
の密度を測定し、その全ての値の標準偏差σを比較し
た。通常の混合粉末では分割圧粉体の密度の標準偏差σ
が0.025g/cm3であったのに対し、本発明の造粒
粉末では標準偏差σが0.015g/cm3となり、圧粉
体の密度のバラツキが軽減されていることが判った。
【0040】更に、実施例1における試料1の通常の混
合粉末、実施例2で得た試料1−aの本発明の造粒粉
末、及び有機バインダーを用いて添加従成分粉末を鉄系
母粉末に接着した試料1と同一組成の従来のバインダー
接着粉末を用いて、それぞれ上記と同様に形成したリン
グ状の圧粉体を75%H2−25%N2混合ガス雰囲気中
において1130℃で20分間焼結した。得られたリン
グ状の焼結体各20個について、外径寸法を45°おき
に4ケ所づつ測定し、その全ての値の標準偏差σから外
径寸法のバラツキ4σを求めた。
【0041】前記3種類の粉末を用いて製造した焼結体
の外径寸法のバラツキ4σを比較して図5に示した。焼
結体の外径寸法のバラツキ4σは、通常の混合粉末の場
合が0.019mm、及び有機バインダーを用いて添加
従成分粉末を鉄系母粉末に接着した従来のバラツキ接着
粉末の場合が0.016mmであるのに対して、試料1
−aの本発明の造粒粉末においては0.010mmと遥
かに小さく、造粒粉末内並びに圧粉体の成分偏析及び密
度分布が改善された結果、焼結体の寸法のバラツキが小
さくなったことが判る。
【0042】実施例5 前記実施例1の試料1において従成分のCu粉末とC粉
末の添加量を共に4倍にし、実施例1と同様に造粒処理
を行った後、実施例2の試料1−aと同じ粒度分布に調
整することにより本発明の造粒粉末を製造した。得られ
た造粒粉末25重量%と、実施例1で用いたFe粉末7
5重量%とを混合することにより、実施例2の試料1−
aと同一組成且つ同一粒度分布を持つ粉末冶金用のFe
系原料粉末とした。
【0043】この原料粉末の流動性をJIS Z250
2に規定する流動度試験により実施例2と同様に測定
し、この原料粉末で形成した圧粉体の強度をJSPM
4−69に規定するラトラー試験によりラトラー値とし
て実施例3と同様に測定し、更に実施例4と同様にして
この原料粉末から製造した外径40mmで内径27mm
のリング状焼結体の外径寸法のバラツキ4σを求めた。
【0044】この本発明の原料粉末について得られた各
測定結果を、試料1−aと同一組成である実施例1の試
料1における造粒前の混合粉末について同様に測定した
結果と比較すると、流動度は混合粉末が30秒に対して
原料粉末が25秒、ラトラー値は混合粉末で0.70%
に対して原料粉末では0.75%、外径寸法のバラツキ
4σは混合粉末で0.019mmに対して原料粉末では
0.012mmであった。この結果から、本発明の原料
粉末を用いることにより、圧粉体強度を殆ど低下させる
こと無く、寸法精度が改善向上した鉄系焼結製品を経済
的に製造し得ることが判る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、添加すべき金属、黒
鉛、無機化合物、潤滑剤等の従成分が主成分の鉄系母材
中に均一割合で分散しており、良好な流動性と圧縮成形
時の圧縮性に優れ、且つ圧縮成形により高強度の圧粉体
とすることが可能な粉末冶金用鉄系造粒粉末を提供する
ことができる。
【0046】従って、本発明の鉄系造粒粉末を用いるこ
とによって、充填密度のバラツキや成分偏析が低減さ
れ、且つ密度的並びに強度的に優れた圧粉体が得られ、
この圧粉体を焼結することにより優れた寸法精度及び形
状の鉄系焼結製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造粒粉末粒子を説明するための概念的
な模式図である。
【図2】本発明の造粒粉末を走査型電子顕微鏡を用いて
観察した粒子構造の写真(250倍)である。
【図3】図2の造粒粉末中のCuの分布状況を走査型電
子顕微鏡を用いて分析した元素面分析X線写真(250
倍)である。
【図4】図2の造粒粉末中のFeの分布状況を走査型電
子顕微鏡を用いて分析した元素面分析X線写真(250
倍)である。
【図5】本発明の造粒粉末及び従来の混合粉末並びに有
機バインダー接着粉末から製造した各焼結体の外径寸法
精度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 鉄系粉末粒子 2 従成分粒子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄、炭素鋼又は合金鋼からなる主成分粒
    子中に、従成分粒子が機械的に複合一体化して2次粒子
    を形成した鉄系造粒粉末であって、平均粒径が80μm
    以上500μm未満であり且つ粒径44μm以下のもの
    が30重量%以下からなり、JIS Z2502に規定
    する流動度試験による流動度が50g当たり25秒以
    下、及びJSPM 4−69に規定するラトラー試験に
    おいて7ton/cm2で圧縮成形した圧粉体の重量減
    少率が1.0%以下であることを特徴とする粉末冶金用
    鉄系造粒粉末。
  2. 【請求項2】 従成分粒子が鉄以外の金属、黒鉛、無機
    化合物、又は潤滑剤から選ばれた少なくとも1種であ
    り、その合計量が30重量%以下であることを特徴とす
    る、請求項1に記載の粉末冶金用鉄系造粒粉末。
  3. 【請求項3】 鉄、炭素鋼又は合金鋼からなる主成分粉
    末に従成分粉末を混合し、混合粉末を粉末圧延して板状
    成形体を得、これを粉砕して主成分粒子中に従成分粒子
    が機械的に複合一体化した2次粒子の造粒粉末とし、そ
    の後この造粒粉末を分級して平均粒径が80μm以上5
    00μm未満であり、且つ粒径44μm以下のものが3
    0重量%以下とすることを特徴とする粉末冶金用鉄系造
    粒粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 従成分粉末が鉄以外の金属、黒鉛、無機
    化合物、又は潤滑剤から選ばれた少なくとも1種であ
    り、添加する従成分粉末の合計量が混合粉末全体の30
    重量%以下であることを特徴とする、請求項3に記載の
    粉末冶金用鉄系造粒粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 従成分粉末の平均粒径が50μm以下で
    あることを特徴とする、請求項3又は4に記載の粉末冶
    金用鉄系造粒粉末。
  6. 【請求項6】 分級した造粒粉末を更に焼鈍処理するこ
    とを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の粉末
    冶金用鉄系造粒粉末の製造方法。
JP5250133A 1993-09-10 1993-09-10 粉末冶金用鉄系造粒粉末及びその製造方法 Pending JPH0790301A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6348081B1 (en) 1999-09-29 2002-02-19 Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha Granulated powder for high-density sintered body, method for producing high-density sintered body using the same, and high-density sintered body
JP2020528497A (ja) * 2017-07-21 2020-09-24 ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ コールドスプレープロセスのための粉末を調製する方法及びそのための粉末

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