JPH0790441A - 溶融金属浴用耐食合金および耐食部材 - Google Patents
溶融金属浴用耐食合金および耐食部材Info
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- JPH0790441A JPH0790441A JP23277493A JP23277493A JPH0790441A JP H0790441 A JPH0790441 A JP H0790441A JP 23277493 A JP23277493 A JP 23277493A JP 23277493 A JP23277493 A JP 23277493A JP H0790441 A JPH0790441 A JP H0790441A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶融めっき金属浴用部材(シンクロール,サ
ポートロール,軸受部材等)の耐溶損性を高め、耐久性
およびめっき品質を向上安定化するための改良さえた耐
食性を有する合金および浴用部材を提供する。 【構成】 この合金は、Mo:20〜50%,Cr:2
0%を超え,50%以下,Si:1〜5%,残部は実質
的にCoおよび/またはFeからなる。浴用部材は、少
なくともその表面層が上記合金からなる鋳造品、焼結品
等として製造される。
ポートロール,軸受部材等)の耐溶損性を高め、耐久性
およびめっき品質を向上安定化するための改良さえた耐
食性を有する合金および浴用部材を提供する。 【構成】 この合金は、Mo:20〜50%,Cr:2
0%を超え,50%以下,Si:1〜5%,残部は実質
的にCoおよび/またはFeからなる。浴用部材は、少
なくともその表面層が上記合金からなる鋳造品、焼結品
等として製造される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属、特に亜鉛ま
たは亜鉛合金めっき浴に対する腐食抵抗性に優れた合
金、およびその浴中に浸漬配置されるシンクロール,サ
ポートロール、ロール軸受部材等の浴用部材に関する。
たは亜鉛合金めっき浴に対する腐食抵抗性に優れた合
金、およびその浴中に浸漬配置されるシンクロール,サ
ポートロール、ロール軸受部材等の浴用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】連続溶融めっきラインのめっき金属浴槽
は、図2に示すように、シンクロール3,サポートロー
ル4,およびその軸受部材等が浸漬配置され、スナウト
2を通ってめっき浴1に導入される被めっき鋼帯Sは、
これらのロールに沿って浴中を通過して浴上に引き上げ
られ、浴の直上で鋼帯表面のめっき金属の付着量を制御
されて次工程に送給される。浴中に配置されたロールの
胴部表面は、溶融金属による腐食作用、および被めっき
鋼帯Sの接触による摩耗作用を受ける。その腐食,摩耗
によるロール表面の損傷(肌あれ・凹凸化)は、鋼帯表
面のめっき膜を疵付け、めっき品質を損なう原因とな
る。このため、浴中ロールは、表面損傷の進行の度合い
に応じ、適時または一定の周期で浴中から取り出し、そ
の表面を平滑面に修復するための砥石による研削加工な
いしバイトによる切削加工を加えられて反復使用され
る。
は、図2に示すように、シンクロール3,サポートロー
ル4,およびその軸受部材等が浸漬配置され、スナウト
2を通ってめっき浴1に導入される被めっき鋼帯Sは、
これらのロールに沿って浴中を通過して浴上に引き上げ
られ、浴の直上で鋼帯表面のめっき金属の付着量を制御
されて次工程に送給される。浴中に配置されたロールの
胴部表面は、溶融金属による腐食作用、および被めっき
鋼帯Sの接触による摩耗作用を受ける。その腐食,摩耗
によるロール表面の損傷(肌あれ・凹凸化)は、鋼帯表
面のめっき膜を疵付け、めっき品質を損なう原因とな
る。このため、浴中ロールは、表面損傷の進行の度合い
に応じ、適時または一定の周期で浴中から取り出し、そ
の表面を平滑面に修復するための砥石による研削加工な
いしバイトによる切削加工を加えられて反復使用され
る。
【0003】上記浴中浸漬部材の修復加工を行うには、
そのつどライン運転を中断しなければならず、生産性の
低下を余儀なくされる。このため、部材の腐食抵抗性・
摩耗抵抗性を高め、連続耐用寿命を改善する手段とし
て、部材表面に、コバルト系自溶合金、セラミックス、
またはサーメット等からなるコーティング被膜を、溶射
もしくは溶接肉盛等により形成して腐食・摩耗から保護
することが行われ、その被膜材料について数多くの提案
がなされている(例えば、特公昭58−37386号,
特公平2−43819号,特開平2−125833号,
特開平2−236266号,特開平3−94048号,
特開平3−94984号,特開平4−346640号,
特開平5−33113号,特開平5−163559号
等)。
そのつどライン運転を中断しなければならず、生産性の
低下を余儀なくされる。このため、部材の腐食抵抗性・
摩耗抵抗性を高め、連続耐用寿命を改善する手段とし
て、部材表面に、コバルト系自溶合金、セラミックス、
またはサーメット等からなるコーティング被膜を、溶射
もしくは溶接肉盛等により形成して腐食・摩耗から保護
することが行われ、その被膜材料について数多くの提案
がなされている(例えば、特公昭58−37386号,
特公平2−43819号,特開平2−125833号,
特開平2−236266号,特開平3−94048号,
特開平3−94984号,特開平4−346640号,
特開平5−33113号,特開平5−163559号
等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、めっき品質の高
度化に対する要請はますます高まり、この要請に対処す
るためのロールとして、めっき金属浴との溶融反応性
(溶融金属との「濡れ性」)が小さく、部材表面に合金
層の生成が少ないこと、また合金層を生成しても、薄膜
状に剥離し、平滑な表面性状を安定に維持し得る性質を
有するものが望まれている。WC−12%Coからなる
サーメット溶射被膜を形成したロールは、このような望
ましい性質を備えたロールとして最近多く使用されてい
る。しかし、その溶射被膜は、被膜の健全性を保つ観点
から、膜厚は厚くても約200μm程度に留まり、その
ため実操業では、被膜を再生するための溶射施工を頻繁
に(表面の合金層を除去するための軽度の研削加工を3
〜5回程度反復するたびに)実施しなければならず、従
ってロール廃却に到るまでのトータルコストは著しく高
額となる。そのコストを、例えば13Cr系ステンレス
鋼からなる非溶射ロール(修復加工を反復しながら使用
する)と比較すると、十数倍を超え、経済性の点で大き
な問題がある。本発明は、溶融金属浴用部材に関する上
記問題を解決するための合金およびその合金からなる浴
用部材を提供するものである。
度化に対する要請はますます高まり、この要請に対処す
るためのロールとして、めっき金属浴との溶融反応性
(溶融金属との「濡れ性」)が小さく、部材表面に合金
層の生成が少ないこと、また合金層を生成しても、薄膜
状に剥離し、平滑な表面性状を安定に維持し得る性質を
有するものが望まれている。WC−12%Coからなる
サーメット溶射被膜を形成したロールは、このような望
ましい性質を備えたロールとして最近多く使用されてい
る。しかし、その溶射被膜は、被膜の健全性を保つ観点
から、膜厚は厚くても約200μm程度に留まり、その
ため実操業では、被膜を再生するための溶射施工を頻繁
に(表面の合金層を除去するための軽度の研削加工を3
〜5回程度反復するたびに)実施しなければならず、従
ってロール廃却に到るまでのトータルコストは著しく高
額となる。そのコストを、例えば13Cr系ステンレス
鋼からなる非溶射ロール(修復加工を反復しながら使用
する)と比較すると、十数倍を超え、経済性の点で大き
な問題がある。本発明は、溶融金属浴用部材に関する上
記問題を解決するための合金およびその合金からなる浴
用部材を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の溶融
金属浴用耐食合金は、Mo:20〜50%,Cr:20
%を越え,50%以下,Si:1〜5%,残部実質的に
Coおよび/またはFeからなる。本発明の浴用部材
は、その全肉厚が上記合金からなる鋳造品、または熱間
静水圧加圧焼結等による焼結品として製造され、また部
材の形状・サイズ等により、他材種との組合せとして表
層部にのみ上記合金を適用した積層体(クラッド)とし
て製造される。
金属浴用耐食合金は、Mo:20〜50%,Cr:20
%を越え,50%以下,Si:1〜5%,残部実質的に
Coおよび/またはFeからなる。本発明の浴用部材
は、その全肉厚が上記合金からなる鋳造品、または熱間
静水圧加圧焼結等による焼結品として製造され、また部
材の形状・サイズ等により、他材種との組合せとして表
層部にのみ上記合金を適用した積層体(クラッド)とし
て製造される。
【0006】
【作用】上記化学組成を有する本発明の合金は、溶融金
属浴との溶融反応性が低く、溶融金属との接触界面の合
金層の生成が少ない。また生成する合金層は薄膜状を呈
し、かつ容易に剥離する。このため、浴中ロール等とし
ての実使用過程における部材表面の合金層の成長増厚は
極めて緩慢である。また、硬質で耐摩耗性も良好であ
る。従って、部材表面は健全な平滑面が安定に維持さ
れ、連続耐用寿命が向上し、被めっき鋼帯のめっき表面
品質も安定化する。長期の連続使用過程において部材表
面に合金層が成長増厚し、鋼帯のめっき品質に悪影響を
及ぼす程度に部材の表面性状が低下した場合において
も、部材表面に砥石による軽度の研削加工を施すことに
より、合金層は膜状に剥離して健全な平滑面に修復さ
れ、そのまま再使用に供することができる。
属浴との溶融反応性が低く、溶融金属との接触界面の合
金層の生成が少ない。また生成する合金層は薄膜状を呈
し、かつ容易に剥離する。このため、浴中ロール等とし
ての実使用過程における部材表面の合金層の成長増厚は
極めて緩慢である。また、硬質で耐摩耗性も良好であ
る。従って、部材表面は健全な平滑面が安定に維持さ
れ、連続耐用寿命が向上し、被めっき鋼帯のめっき表面
品質も安定化する。長期の連続使用過程において部材表
面に合金層が成長増厚し、鋼帯のめっき品質に悪影響を
及ぼす程度に部材の表面性状が低下した場合において
も、部材表面に砥石による軽度の研削加工を施すことに
より、合金層は膜状に剥離して健全な平滑面に修復さ
れ、そのまま再使用に供することができる。
【0007】以下,本発明について詳しく説明する。本
発明合金の成分限定理由は次のとおりである。 Mo:20〜50% Moは、溶融金属、殊に亜鉛(およびZn−Al等の亜
鉛合金)めっき浴に対する高度の腐食抵抗性を有する数
少ない元素の一つであり、本発明合金の必須構成成分で
ある。また、Moの一部は、金属間化合物、レーベス相
化合物(MoSi2,Ni3 Mo,Fe2 Mo等)を形成
し、合金の硬度・耐摩耗性を高める。この効果を十分に
発現させるために、Mo含有量の下限を20%とする。
Moの増量により、上記効果を増すが、その反面におい
て合金が硬脆化するため、鋳造,焼結,あるいは溶接肉
盛,溶射等のプロセスを適用して行う部材の製造工程に
おけるクラックの発生傾向の増大を招き、健全な部材の
製造を困難となる。このため、Mo含有量は50%を上
限とする。好ましくは45%以下である。
発明合金の成分限定理由は次のとおりである。 Mo:20〜50% Moは、溶融金属、殊に亜鉛(およびZn−Al等の亜
鉛合金)めっき浴に対する高度の腐食抵抗性を有する数
少ない元素の一つであり、本発明合金の必須構成成分で
ある。また、Moの一部は、金属間化合物、レーベス相
化合物(MoSi2,Ni3 Mo,Fe2 Mo等)を形成
し、合金の硬度・耐摩耗性を高める。この効果を十分に
発現させるために、Mo含有量の下限を20%とする。
Moの増量により、上記効果を増すが、その反面におい
て合金が硬脆化するため、鋳造,焼結,あるいは溶接肉
盛,溶射等のプロセスを適用して行う部材の製造工程に
おけるクラックの発生傾向の増大を招き、健全な部材の
製造を困難となる。このため、Mo含有量は50%を上
限とする。好ましくは45%以下である。
【0008】Cr:20%を超え,50%以下 Crは、合金の耐酸化性,耐蝕性,および強度を高める
効果を有する。この効果を確保するために、20%を超
える添加量を必要とする。しかし、50%を超えると、
合金の靱性の低下が著しく、部材の製造工程におけるク
ラック発生傾向の増大をきたすので、50%を超えては
ならない。好ましくは22〜45%である。
効果を有する。この効果を確保するために、20%を超
える添加量を必要とする。しかし、50%を超えると、
合金の靱性の低下が著しく、部材の製造工程におけるク
ラック発生傾向の増大をきたすので、50%を超えては
ならない。好ましくは22〜45%である。
【0009】Si:1〜5% Siは、合金溶製工程においては、合金溶湯の流動性を
高め、その溶解精錬操業を容易化すると共に、鋳造性の
向上に奏効し、また浴用部材としての実使用過程では、
溶融金属と接触する部材表面にバリアーとしての酸化被
膜を形成し、部材を保護する。更に、Siの一部は金属
間化合物の形成に関与し、合金の耐摩耗性を高める。こ
れらの効果は、1%以上の添加により得られる。添加増
量によりその効果を増すが、多量の添加は合金の脆化を
きたすので、5%を上限とする。好ましくは、1.5〜
4.5%である。
高め、その溶解精錬操業を容易化すると共に、鋳造性の
向上に奏効し、また浴用部材としての実使用過程では、
溶融金属と接触する部材表面にバリアーとしての酸化被
膜を形成し、部材を保護する。更に、Siの一部は金属
間化合物の形成に関与し、合金の耐摩耗性を高める。こ
れらの効果は、1%以上の添加により得られる。添加増
量によりその効果を増すが、多量の添加は合金の脆化を
きたすので、5%を上限とする。好ましくは、1.5〜
4.5%である。
【0010】Co,Fe:バランス成分 CoおよびFeは、そのいずれも高Mo・高Cr組成で
あることに因る合金の脆弱性を補償し、部材の製造工程
の困難(特にクラックの発生)を解消すると共に、浴中
ロール等の部材として要求される強靱性を確保すること
を可能にする成分である。CoおよびFeの二元素の選
択は任意であるが、耐蝕性の点からはCo、他方経済性
の点からはFeが、それぞれ優位にあり、従ってその選
択は、目的とする部材の具体的用途・使用態様等に応じ
て適宜決定される。また、CoとFeを複合してよく、
その場合の両元素の量比は、部材に要求される耐蝕性と
経済性との両面を考慮して任意に設定することができ
る。
あることに因る合金の脆弱性を補償し、部材の製造工程
の困難(特にクラックの発生)を解消すると共に、浴中
ロール等の部材として要求される強靱性を確保すること
を可能にする成分である。CoおよびFeの二元素の選
択は任意であるが、耐蝕性の点からはCo、他方経済性
の点からはFeが、それぞれ優位にあり、従ってその選
択は、目的とする部材の具体的用途・使用態様等に応じ
て適宜決定される。また、CoとFeを複合してよく、
その場合の両元素の量比は、部材に要求される耐蝕性と
経済性との両面を考慮して任意に設定することができ
る。
【0011】本発明の合金は、その溶製工程に由来する
不純分、例えば、約0.05%以下のC、約0.05%
以下のP、約0.04%以下のS等の混在が許容され、
また約5%以下のNiの混在によって本発明の趣旨が損
なわれることはない。
不純分、例えば、約0.05%以下のC、約0.05%
以下のP、約0.04%以下のS等の混在が許容され、
また約5%以下のNiの混在によって本発明の趣旨が損
なわれることはない。
【0012】本発明の浴用部材は、形状・サイズ等に応
じて、その肉厚全体を上記合金とする単層体として製造
され、または単層構造に代え、溶融金属と接触する表面
層にのみ上記合金を適用した積層体として製造される。
部材の製造は種々のプロセスが適用され、例えば,図1
に示すシンクロールのロール胴部10,軸部10,軸受
30のブッシュ31等の各部材について、その肉厚全体
に本発明の合金を適用する場合は、遠心力鋳造や静置鋳
造等による鋳造品として製造され、または上記合金の粉
末を原料とし、熱間静水圧加圧焼結法等による焼結品と
して製造される。
じて、その肉厚全体を上記合金とする単層体として製造
され、または単層構造に代え、溶融金属と接触する表面
層にのみ上記合金を適用した積層体として製造される。
部材の製造は種々のプロセスが適用され、例えば,図1
に示すシンクロールのロール胴部10,軸部10,軸受
30のブッシュ31等の各部材について、その肉厚全体
に本発明の合金を適用する場合は、遠心力鋳造や静置鋳
造等による鋳造品として製造され、または上記合金の粉
末を原料とし、熱間静水圧加圧焼結法等による焼結品と
して製造される。
【0013】ロール胴部10や軸部20を積層体として
製造する場合は、適宜の他材種(例えば、13Cr系ス
テンレス鋼、ダクタイル鋳鉄等)からなる母材11,2
1に鋳包み鋳造を適用して母材を被包する上記合金から
なる表面層を形成し、あるいは母材11,21をカプセ
ルに装入してカプセルと母材との隙間に上記合金の粉末
を充填・密封し、熱間静水圧加圧焼結等の焼結処理を加
えて母材を被包する焼結合金層を形成する方法等により
積層部材を得ることができる。積層体の製造プロセス
は、むろんこれに限定されず、部材の形状等に応じた種
々の方法が適用され、例えば中空円筒体であるロール胴
部10では、遠心力鋳造において、表面層12を鋳造し
た後、内側の母材11を鋳造する二段鋳造により二層の
積層体を形成することができ、また軸部20では、表面
層22となる中空円筒体(スリーブ)を遠心力鋳造等に
より製作し、これをその母材21に嵌着固定した積層体
とすることもできる。
製造する場合は、適宜の他材種(例えば、13Cr系ス
テンレス鋼、ダクタイル鋳鉄等)からなる母材11,2
1に鋳包み鋳造を適用して母材を被包する上記合金から
なる表面層を形成し、あるいは母材11,21をカプセ
ルに装入してカプセルと母材との隙間に上記合金の粉末
を充填・密封し、熱間静水圧加圧焼結等の焼結処理を加
えて母材を被包する焼結合金層を形成する方法等により
積層部材を得ることができる。積層体の製造プロセス
は、むろんこれに限定されず、部材の形状等に応じた種
々の方法が適用され、例えば中空円筒体であるロール胴
部10では、遠心力鋳造において、表面層12を鋳造し
た後、内側の母材11を鋳造する二段鋳造により二層の
積層体を形成することができ、また軸部20では、表面
層22となる中空円筒体(スリーブ)を遠心力鋳造等に
より製作し、これをその母材21に嵌着固定した積層体
とすることもできる。
【0014】上記のように部材の表面に本発明合金を適
用して積層体とする場合の表面層の層厚は、部材の種類
やその使用態様に応じて決めればよいが、約5〜20m
mと、溶射被膜(その被膜の健全性を確保し得る膜厚は
約200μm程度である)に比べて厚肉に形成するの
が、メンテナンスの軽減、トータルコストの低減に有利
である。すなわち、本発明の合金を溶射材料として部材
表面に溶射被膜を形成した場合にも、部材の表面性状の
安定化と耐用寿命の改善効果を得ることはむろん可能で
あるが、本発明合金は、前記のように溶融金属浴との反
応性が小さく、実使用過程で生成する合金層は薄膜状を
呈して剥離することにより良好な平滑面を安定に維持
し、かつ合金層がある程度まで成長した段階で行う表面
修復も、軽度の研削加工で済ませることができる。従っ
て溶射被膜のような薄いコーティング層(合金層の生成
と剥離の繰返しにより被膜が消耗するたびに、被膜を再
生するための高価な溶射施工を反復しなければならな
い)よりも、上記のように鋳造または焼結により厚肉の
表面層を形成する方が、メンタナンスやトータルコスト
の低減、およびめっきライン効率の向上等の点で格段に
有利となる。
用して積層体とする場合の表面層の層厚は、部材の種類
やその使用態様に応じて決めればよいが、約5〜20m
mと、溶射被膜(その被膜の健全性を確保し得る膜厚は
約200μm程度である)に比べて厚肉に形成するの
が、メンテナンスの軽減、トータルコストの低減に有利
である。すなわち、本発明の合金を溶射材料として部材
表面に溶射被膜を形成した場合にも、部材の表面性状の
安定化と耐用寿命の改善効果を得ることはむろん可能で
あるが、本発明合金は、前記のように溶融金属浴との反
応性が小さく、実使用過程で生成する合金層は薄膜状を
呈して剥離することにより良好な平滑面を安定に維持
し、かつ合金層がある程度まで成長した段階で行う表面
修復も、軽度の研削加工で済ませることができる。従っ
て溶射被膜のような薄いコーティング層(合金層の生成
と剥離の繰返しにより被膜が消耗するたびに、被膜を再
生するための高価な溶射施工を反復しなければならな
い)よりも、上記のように鋳造または焼結により厚肉の
表面層を形成する方が、メンタナンスやトータルコスト
の低減、およびめっきライン効率の向上等の点で格段に
有利となる。
【0015】
〔1〕供試材の製造 (1) 鋳造品 高周波誘導炉(Ar雰囲気)で、所定の化学組成を有す
る合金を溶製し、遠心力鋳造により円筒体を製造した。
サイズ:外径135,肉厚20,長さ200(mm)。 (2) 焼結品 合金溶湯をアトマイズ噴霧処理に付し、分級して得た粉
末(200メッシュアンダ)を、カプセル(SS400
軟鋼製)に充填し、真空脱気した後、熱間静水圧加圧焼
結処理(温度1200℃,加圧力1000Kg/c
m2 ,処理時間60分)に付す。処理後,カプセルを機
械加工により除去し、中実丸棒を得た。サイズ:直径4
0,長さ100(mm)。 (3) 溶射被覆品 13Cr系ステンレス鋼母材(直径15,長さ100,
mm)の表面に、爆発溶射法により被膜を形成した。膜
厚:200μm。
る合金を溶製し、遠心力鋳造により円筒体を製造した。
サイズ:外径135,肉厚20,長さ200(mm)。 (2) 焼結品 合金溶湯をアトマイズ噴霧処理に付し、分級して得た粉
末(200メッシュアンダ)を、カプセル(SS400
軟鋼製)に充填し、真空脱気した後、熱間静水圧加圧焼
結処理(温度1200℃,加圧力1000Kg/c
m2 ,処理時間60分)に付す。処理後,カプセルを機
械加工により除去し、中実丸棒を得た。サイズ:直径4
0,長さ100(mm)。 (3) 溶射被覆品 13Cr系ステンレス鋼母材(直径15,長さ100,
mm)の表面に、爆発溶射法により被膜を形成した。膜
厚:200μm。
【0016】〔2〕腐食試験 (1) 試験片の調製 鋳造品および焼結品は、φ15×100L の円柱体を切
り出して試験片とし、溶射被覆品(φ15×100L )
はそのまま試験に供する。 (2) 試験条件 図1に示すように、るつぼ(マグネシア製)51内の溶
融めっき金属浴52に、試験片TPを吊り下げて浸漬
し、浴表面に配管54を介して不活性ガス(N2ガス)
を供給してめっき浴を保護しながら、るつぼ中心に設置
した攪拌羽根53による攪拌作用(回転速度60rp
m)を加え、所定時間経過した後、試験片の腐食減量
(g/m2 h)を測定する。 溶融金属浴:Zn−0.2%Al 浴 温 :470〜480℃ 浸漬時間 :24Hr
り出して試験片とし、溶射被覆品(φ15×100L )
はそのまま試験に供する。 (2) 試験条件 図1に示すように、るつぼ(マグネシア製)51内の溶
融めっき金属浴52に、試験片TPを吊り下げて浸漬
し、浴表面に配管54を介して不活性ガス(N2ガス)
を供給してめっき浴を保護しながら、るつぼ中心に設置
した攪拌羽根53による攪拌作用(回転速度60rp
m)を加え、所定時間経過した後、試験片の腐食減量
(g/m2 h)を測定する。 溶融金属浴:Zn−0.2%Al 浴 温 :470〜480℃ 浸漬時間 :24Hr
【0017】各供試材の成分組成とその試験結果を表1
および表2に示す。表中、No.1〜11は発明例であり、N
o.101〜106 およびNo.201〜204 は比較例である。「製
法」欄のCA は鋳造材、SI は焼結材、ME は溶射材、
であることを表している。比較例No.101〜106 は、発明
例に類似する成分組成を有しているが、構成元素のいず
れかの含有量(下線付)が本発明の規定から外れている
例であり、No.201〜204 は、従来材相当品( No.201:13
Crステンレス鋼、No.202:26Cr-12Ni ステンレス鋼, N
o.203:ステライト合金, No.204:WC-12%Coサーメット)
の例である。
および表2に示す。表中、No.1〜11は発明例であり、N
o.101〜106 およびNo.201〜204 は比較例である。「製
法」欄のCA は鋳造材、SI は焼結材、ME は溶射材、
であることを表している。比較例No.101〜106 は、発明
例に類似する成分組成を有しているが、構成元素のいず
れかの含有量(下線付)が本発明の規定から外れている
例であり、No.201〜204 は、従来材相当品( No.201:13
Crステンレス鋼、No.202:26Cr-12Ni ステンレス鋼, N
o.203:ステライト合金, No.204:WC-12%Coサーメット)
の例である。
【0018】発明例No.1〜11は、従来材であるNo.201〜
204 に比し、腐食減量が極めて少なく、高度の腐食抵抗
性を有している。殊に、代表的な従来材であるWC-12
%Coサーメット溶射品( No.204) が、溶射層を消失し
母材まで浸食が進行しているのに対し、発明例の溶射品
( No.11)は、被膜の耐食効果により、母材の溶損はな
く、溶融金属に対する腐食抵抗性の改善効果は歴然であ
る。また、発明例はいずれも、試験片表面の付着合金層
が薄膜状を呈し、かつ軽度の研削加工により容易に平滑
表面に修復することができた。なお、比較例No.101〜10
6 については、No.102(Mo量過剰), No.104(Cr量
過剰), No.105(Si量過剰)は、供試材の製造工程で
割れが発生し、他方No.101(Mo量不足),No.103(Cr
量不足), No.106(Si量不足) は、従来材であるNo.201
〜204 に比べて、腐食減量は少ないものの、その耐食性
改善効果は発明例に及ばない。
204 に比し、腐食減量が極めて少なく、高度の腐食抵抗
性を有している。殊に、代表的な従来材であるWC-12
%Coサーメット溶射品( No.204) が、溶射層を消失し
母材まで浸食が進行しているのに対し、発明例の溶射品
( No.11)は、被膜の耐食効果により、母材の溶損はな
く、溶融金属に対する腐食抵抗性の改善効果は歴然であ
る。また、発明例はいずれも、試験片表面の付着合金層
が薄膜状を呈し、かつ軽度の研削加工により容易に平滑
表面に修復することができた。なお、比較例No.101〜10
6 については、No.102(Mo量過剰), No.104(Cr量
過剰), No.105(Si量過剰)は、供試材の製造工程で
割れが発生し、他方No.101(Mo量不足),No.103(Cr
量不足), No.106(Si量不足) は、従来材であるNo.201
〜204 に比べて、腐食減量は少ないものの、その耐食性
改善効果は発明例に及ばない。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明の合金は、溶融金属に対する腐食
抵抗性に優れ、かつ硬質で摩耗抵抗性も良好である。本
発明合金からなる表面層を有する溶融金属浴中部材は、
実使用過程における腐食,摩耗による損傷の進行が緩慢
であり、また部材表面に溶融反応による合金層を生じて
も、その合金層は薄膜状をなし、容易に剥離するので、
部材表面は長期間健全な平滑面を安定に維持する。従っ
て、浴用部材の連続耐用寿命が改善され、メンテナンス
の大幅な軽減・溶融めっきラインの生産性の向上、およ
びめっき品質の向上安定化等の諸効果が得られる。
抵抗性に優れ、かつ硬質で摩耗抵抗性も良好である。本
発明合金からなる表面層を有する溶融金属浴中部材は、
実使用過程における腐食,摩耗による損傷の進行が緩慢
であり、また部材表面に溶融反応による合金層を生じて
も、その合金層は薄膜状をなし、容易に剥離するので、
部材表面は長期間健全な平滑面を安定に維持する。従っ
て、浴用部材の連続耐用寿命が改善され、メンテナンス
の大幅な軽減・溶融めっきラインの生産性の向上、およ
びめっき品質の向上安定化等の諸効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融金属浴中浸漬部材の例を示す断面図であ
る。
る。
【図2】連続溶融めっきラインのめっき浴槽を示す図で
ある。
ある。
【図3】実施例関係の腐食試験要領の説明図である。
1:溶融めっき金属浴、3:シンクロール、4:サポー
トロール、10:ロール胴部、11:胴部基材、12:
胴部表面層、20:ロール軸部、21:軸部基材、2
2:軸部表面層、30:軸受、31:ブッシュ、51:
るつぼ、52:溶融金属浴、53:攪拌羽根、54:不
活性ガス供給配管、S:被めっき鋼帯、TP:試験片。
トロール、10:ロール胴部、11:胴部基材、12:
胴部表面層、20:ロール軸部、21:軸部基材、2
2:軸部表面層、30:軸受、31:ブッシュ、51:
るつぼ、52:溶融金属浴、53:攪拌羽根、54:不
活性ガス供給配管、S:被めっき鋼帯、TP:試験片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 宏昭 兵庫県尼崎市西向島64番地 株式会社クボ タ尼崎工場内
Claims (3)
- 【請求項1】 Mo:20〜50%,Cr:20%を越
え,50%以下,Si:1〜5%,残部実質的にCoお
よび/またはFeからなる溶融金属浴用耐食合金。 - 【請求項2】 少なくとも表面層が請求項1に記載の耐
食合金からなる溶融金属浴用部材。 - 【請求項3】 請求項1に記載の合金からなる鋳造また
は焼結により形成された表面層を有することを特徴とす
る溶融金属浴用部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23277493A JPH0790441A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 溶融金属浴用耐食合金および耐食部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23277493A JPH0790441A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 溶融金属浴用耐食合金および耐食部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0790441A true JPH0790441A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=16944533
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23277493A Pending JPH0790441A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 溶融金属浴用耐食合金および耐食部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0790441A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0882806A1 (en) * | 1997-05-21 | 1998-12-09 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Hard molybdenum alloy, wear resistant alloy and method for manufacturing the same |
| US20100008812A1 (en) * | 2008-07-03 | 2010-01-14 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Hard phase forming alloy powder, wear resistant sintered alloy, and production method for wear resistant sintered alloy |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP23277493A patent/JPH0790441A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0882806A1 (en) * | 1997-05-21 | 1998-12-09 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Hard molybdenum alloy, wear resistant alloy and method for manufacturing the same |
| US20100008812A1 (en) * | 2008-07-03 | 2010-01-14 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Hard phase forming alloy powder, wear resistant sintered alloy, and production method for wear resistant sintered alloy |
| US9260772B2 (en) | 2008-07-03 | 2016-02-16 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Hard phase forming alloy powder, wear resistant sintered alloy, and production method for wear resistant sintered alloy |
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