JPH0790497A - 耐硝酸性オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐硝酸性オーステナイト系ステンレス鋼

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JPH0790497A
JPH0790497A JP23645993A JP23645993A JPH0790497A JP H0790497 A JPH0790497 A JP H0790497A JP 23645993 A JP23645993 A JP 23645993A JP 23645993 A JP23645993 A JP 23645993A JP H0790497 A JPH0790497 A JP H0790497A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】重量%で、Si: 0.5%以下、Mn: 0.5%以
下、Ni:10〜16%、Cr:16〜20%、Mo: 2.0〜3.0 %お
よびN:0.06〜0.15%を含有し、残部がFeと不純物(C
は0.02%以下、Pは0.03%以下、Sは 0.002%以下)か
らなるオーステナイト系ステンレス鋼。 上記のステンレス鋼(但し、Mnが 1.0%以下、Sが
0.006%以下)に、更に、Caおよび/またはCeが単独ま
たは合計で2×S(%)〜0.03%含まれた鋼。 上記の化学組成を有し、かつ、下記 (1)式を満足す
る鋼。 上記の化学組成を有し、かつ、下記 (1)式を満足す
る鋼。 Ni(%)+60N(%)−4Mo(%)≧7 ・・・ (1) 【効果】トンネル状腐食に対する耐食性に優れ、核燃料
再処理装置の構造材料等、硝酸含有環境下で使用される
材料として好適である。およびの鋼はHAZの耐粒
界腐食性にも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硝酸ないしは硝酸を含
有する環境下で使用される材料、特に核燃料再処理装置
の構造材料として優れた耐食性(トンネル状腐食に対す
る耐食性)を示す耐硝酸性オーステナイト系ステンレス
鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼は、一般
に硝酸のような酸化性の強い酸を含むむ環境下において
は表面に不働態皮膜が形成され、優れた耐食性を発揮す
るので、硝酸製造プラントや核燃料再処理装置の構造材
料として汎用されている。しかし、硝酸の濃度が高くな
ったり、セリウムイオン(Ce4+)、ルテニウムイオン
(Ru3+)やクロムイオン(Cr6+)などが使用済核燃料か
ら硝酸中に混入して酸化性が強くなると、粒界腐食を伴
う激しい腐食をうけるようになる。
【0003】また、一般にモリブデン(Mo)が耐孔食性
に有効であるため、耐孔食性が要求される部位ではMo添
加鋼が使用されるが、Mo添加鋼は、Moを添加していない
鋼に比べて粒界腐食が発生しやすいことが知られてい
る。これに対して、本出願人は、粒界腐食の原因となる
σ相を主体とする金属間化合物の析出を防止するため
に、通常添加される成分の含有量を所定の範囲に限定す
る他、特に炭素(C)と窒素(N)の含有量を規定し、
C(%)+N(%)≦0.15で、かつ、 120C(%)+36
N(%)≧1.36{Cr(%)+Mo(%)+ 1.5Si(%)}
−{Ni(%)+ 0.5Mn(%)+11.6}(「%」は「重量
%」を意味する。以下、同様に表す)の条件を満足する
オーステナイト系ステンレス鋼を提案した(特公昭57−
28740号公報)。また、特開平4−143214号公報には、
窒素(N)を積極的には添加していないオーステナイト
系ステンレス鋼(SUS 316L) においては、粒界腐食が粒
界へのσ相の析出の他にχ相の析出によって引き起こさ
れるとして、固溶化処理の際の冷却速度を1〜30℃/sec
に制限してχ相の析出を抑える方法が開示されている。
【0004】しかし、上記従来の技術において、CとN
の含有量を他の成分との関係において制御して溶製する
ことは実際の操業においては必ずしも容易ではなく、固
溶化処理後の冷却速度のコントロールも高度な技術が要
求されるため、製造上困難を伴うという問題があった。
しかも、これらの対策は、粒界腐食の抑制には効果的で
あるがトンネル状腐食に対しては必ずしも有効とはいえ
ない。なお、トンネル状腐食とは、単なる粒界腐食とは
異なり、硝酸が含まれる環境下において、後述する図2
に示すように、腐食が粒界腐食を伴いながら鋼板あるい
は鋼管の圧延方向(図2の紙面の縦方向)にトンネル状
に進行する形態を呈する腐食であって、この腐食が生じ
た場合は腐食量の予想が困難で、かつ腐食の進行速度が
速いため装置類の重大なトラブルにつながるおそれがあ
る。
【0005】上記のように、硝酸ないしは硝酸を含有す
る環境(以下、硝酸含有環境という)下で使用されるス
テンレス鋼としては、上記のようなトンネル状腐食に対
しても優れた耐食性を有していることが必要で、抜本的
対策の確立が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みてなされたもので、硝酸含有環境下におけるト
ンネル状腐食に対して優れた耐食性を有するオーステナ
イト系ステンレス鋼を提供することを課題としてなされ
たものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するためにステンレス鋼に含有させる成分を種
々変化させてトンネル状腐食の発生について検討を重ね
た結果、特に、硫黄(S)の含有量が0.01%以上である
場合にトンネル状腐食の発生が顕著になり、さらに、腐
食状況を詳細に検討したところ、トンネル状腐食は、圧
延時に圧延方向に伸展されたMnSが存在する部分に沿っ
て、しかもMnSの周辺部での結晶粒界の腐食を加速させ
ながら進行していることを見いだした。
【0008】このトンネル状腐食を防止するためには、
S含有量を 0.002%以下にすると同時にマンガン(Mn)
の含有量を減少させることが必要であり、さらに、カル
シウム(Ca)やセリウム(Ce)を添加することも有効で
ある。また、溶接熱影響部(以下、HAZという)にお
ける耐粒界腐食性を向上させるためには、ニッケル(N
i)、窒素(N)およびモリブデン(Mo)の含有量を適
切に制御すればよいことを知見した。
【0009】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、下記〜のオーステナイト系ス
テンレス鋼にある。
【0010】 シリコン(Si): 0.5%以下、マンガ
ン(Mn): 0.5%以下、ニッケル(Ni):10〜16%、ク
ロム(Cr):16〜20%、モリブデン(Mo): 2.0〜3.0
%および窒素(N):0.06〜0.15%を含有し、残部が鉄
(Fe)および不可避不純物からなり、不純物中の炭素
(C)は0.02%以下、りん(P)は0.03%以下、硫黄
(S)は 0.002%以下であることを特徴とする耐硝酸性
オーステナイト系ステンレス鋼。
【0011】 上記のステンレス鋼において、Mnが
1.0%以下、Sが 0.006%以下で、さらに、カルシウム
(Ca)およびセリウム(Ce)のいずれか一方または両方
を単独または合計で2×S(%)〜0.03%含有する耐硝
酸性オーステナイト系ステンレス鋼。
【0012】 上記の化学組成を有し、かつ、Ni、
NおよびMoの含有量は下記 (1)式を満足する耐硝酸性オ
ーステナイト系ステンレス鋼。
【0013】 Ni(%)+60N(%)−4Mo(%)≧7 ・・・ (1) 上記の化学組成を有し、かつ、Ni、NおよびMoの
含有量は前記の (1)式を満足する耐硝酸性オーステナイ
ト系ステンレス鋼。
【0014】なお、上記のステンレス鋼とは、実際には
管、板、その他種々の形状の部材であるが、これらをま
とめてここではステンレス鋼という。
【0015】
【作用】以下、本発明(上記〜の発明)について詳
細に説明する。
【0016】従来、海水中のステンレス鋼に生じる孔食
や隙間腐食において、腐食の起点は鋼中に含まれるMnS
であると言われており、このような腐食を防止するため
には、S含有量が0.01%程度以下に抑えられていれば十
分であった。しかも、Mnについては1%以上含まれる場
合が多かった。溶接性の観点からはS含有量が多いほど
溶け込みやすくなり、溶接条件の許容範囲が広くなるの
で、耐孔食性等に問題がない限り、S含有量は高めに設
定されることが多い。
【0017】しかし、前述のように、硝酸含有環境下に
おいては、単にSの含有量を0.01%程度以下にしただけ
では圧延方向に伸展されたMnSに沿ってトンネル状腐食
が発生する。このトンネル状腐食の発生を防止するため
に、S含有量を 0.002%以下にすると同時にMnの含有量
も減少させ、その他の成分を所定の含有量になるように
調整して得られたのが、前記の発明のステンレス鋼で
ある。
【0018】このの鋼を構成する各成分の作用効果と
それらの含有量の限定理由について以下に述べる。
【0019】Siは脱酸のために必要な元素であり、ある
程度添加することが必要であるが、Si含有量が増加する
と鋼の粒界腐食感受性が増大するので、上限を 0.5%と
する。含有量が少なすぎると脱酸効果が十分ではなくな
るので、0.05%以上含有させることが望ましい。
【0020】Mnも脱酸作用を有しており、ある程度添加
することが必要であるが、添加量が多すぎるとMnSの形
成が促進され、硝酸含有環境下でトンネル状の腐食が発
生する原因となる。従って、その含有量は 0.5%以下と
する。ただし、含有量が少なすぎると脱酸効果が十分で
はなくなるので、0.05%以上含有させることが望まし
い。なお、後述するように、CaやCeが添加されている場
合にはMn含有量の上限を1.0%まで高めることができ
る。
【0021】Niはオーステナイト組織を安定化させ、ま
た粒界腐食を抑制するために必要な元素である。しか
し、含有量が10%未満では十分に安定なオーステナイト
組織を確保することができず、一方、16%を超えるとコ
ストの上昇を招くので、その含有量は10〜16%とする。
【0022】Crは鋼の耐食性を維持するために必要不可
欠な元素である。しかし、含有量が16%未満では十分な
耐食性を確保することができず、一方、20%を超えると
オーステナイト組織にするためにNi含有量を増加しなけ
ればならないためコストの上昇を招くので、その含有量
は16〜20%とする。
【0023】Moは鋼の耐孔食性を向上させるために必要
な元素である。しかし含有量が 2.0%未満では十分な耐
食性を確保知することができず、一方、 3.0%を超える
と金属間化合物が析出して耐粒界腐食性が劣化するの
で、その含有量は 2.0〜3.0 %とする。
【0024】Nは粒界腐食を抑制するため0.06%以上含
有させる。しかし、含有量が0.15%を超えると鋼の清浄
度が低下するので、上限を0.15%とする。
【0025】のステンレス鋼は上記の成分の他、残部
がFeおよび不可避の不純物からなるものである。不純物
としては、C、PおよびSの上限を抑えることが重要で
ある。
【0026】Cは溶接を施した際にHAZの結晶粒界に
Cr23C6を析出させ、その近傍にCrの欠乏した領域を生じ
させて粒界の耐食性を劣化させるので、その含有量は0.
02%以下とする。
【0027】Pは粒界に偏析して耐粒界腐食性に悪影響
を及ぼすので低い方が望ましく、その含有量は0.03%以
下とする。
【0028】Sは本発明鋼において最も重視すべき不純
物元素で、MnSに起因するトンネル状腐食を抑制するた
めにその含有量を 0.002%以下に抑える必要がある。た
だし、後述するように、CaやCeが添加されている場合に
は、上限を 0.006%まで高めることができる。
【0029】前記のステンレス鋼は、さらに、Caおよ
びCeのいずれか一方または両方を含有するステンレス鋼
である。
【0030】CaおよびCeはSとの結合力が強い元素であ
り、これらの元素を添加することによりMnSの形成が抑
制され、圧延方向に伸展したMnSに起因するトンネル状
腐食の発生を防止することができる。しかも、Sの粒界
への偏析が抑えられるので、粒界腐食の抑制にも有効で
ある。このような効果を十分に発揮させるためには、Ca
およびCeのいずれか一方または両方を単独または合計で
S含有量の2倍以上、すなわち、2×S(%)以上加え
ることが必要である。しかし、その含有量が0.03%を超
えると効果が飽和するだけでなく、鋼の清浄度が低下す
るので、上限は0.03%とする。
【0031】CaやCeが添加されている場合には、SがCa
やCeで固定されMnSとしての析出が抑えられるので、Ca
やCeが添加されない場合に比べて、Mn含有量の上限を
0.5%から 1.0%まで、また、S含有量の上限を 0.002
%から 0.006%まで高めることができる。S含有量が増
加すると溶接の際に溶け込みやすくなるので、鋼の溶接
性の改善にも有利である。
【0032】前記およびのステンレス鋼は、HAZ
の耐粒界腐食性を向上させたステンレス鋼で、の鋼は
前記の鋼をベースにして、また、の鋼は前記の鋼
をベースにして、Ni、NおよびMoの含有量が所定の関係
を満たすように制御されたものである。
【0033】前記の特公昭57− 28740号公報において
も、粒界腐食の原因になるσ相の析出を防止するために
満たすべき、Ni、N、Moが含まれた式が示されている
が、これは、 700℃で10時間の熱処理を行った場合の耐
食性劣化の原因がσ相によるものであることから、σ相
の析出原因となるフェライト相の形成を抑制するために
フェライト形成元素とオーステナイト相形成元素の重み
のバランスを示したものである。
【0034】しかし、本発明者らの研究結果によれば、
HAZのように比較的短時間に溶接熱の影響をうける場
合、例えば、本発明鋼のようにMoを含有するオーステナ
イト系ステンレス鋼が 650℃で2時間程度の加熱処理を
受けた場合に発生する粒界腐食はσ相が原因ではなく、
稠密六方晶でC14形構造をもつ金属化合物( Fe,Cr,Ni2M
o) の析出によるものであり、鋼中に含まれる合金元素
のうちNi、NおよびMoの含有量を下記 (1)式を満たすよ
うに制御すれば、このような条件下での粒界腐食を防止
することができる。
【0035】 Ni(%)+60N(%)−4Mo(%)≧7 ・・・ (1) さらに、Ni、NおよびMoの含有量がそのようにコントロ
ールされていれば、固溶化処理時の冷却速度を1〜30℃
/secに制限せず、一般に行われている水冷処理を施して
も前記の特開平4−143214号公報に記載されるχ相の析
出を防止することができ、耐食性を確保することができ
る。
【0036】前記およびのステンレス鋼において、
(1)式を満足することが条件として加えられているのは
上記の理由によるものである。このおよびのステン
レス鋼はトンネル状腐食に対して優れた耐食性を示すと
ともに、HAZの耐粒界腐食性にも優れている。
【0037】
【実施例】表1に示す化学組成のオーステナイト系ステ
ンレス鋼 180kgを真空溶解により溶製し、鍛造および熱
間圧延により厚さ12mmの板材に仕上げた後、1050℃に加
熱後水冷する固溶化処理を施したもの、または、固溶化
処理後、さらに 650℃で2時間加熱した後空冷する鋭敏
化処理を施したものを供試材として、トンネル状腐食試
験および硝酸中腐食試験を行った。
【0038】トンネル状腐食試験においては、固溶化処
理を施した供試材から圧延方向の端面が試験片の表面と
なるように試験片を切り出した後、機械加工により幅10
mm、長さ40mm、厚さ4mm(幅10mm、長さ40mmの面が試験
片の表面)に仕上げた腐食試験片を、65%硝酸に0.02g
/リットルのCr6+を添加した沸騰溶液中に24時間浸漬
し、液を更新した後再度24時間浸漬する操作を5回繰り
返した。次いで、この腐食試験後の試験片をその表面か
ら厚さ方向に切断した後樹脂に埋め込み、光学顕微鏡で
トンネル状腐食深さを測定した。
【0039】硝酸中腐食試験においては、鋭敏化処理を
施した供試材を用いてトンネル状腐食試験の試験片の場
合と同じ方法で作製した同一形状の試験片を65%沸騰硝
酸中に48時間浸漬し、液を更新した後再度48時間浸漬す
る操作を5回繰り返した後の試験片の重量減少を測定し
て腐食速度を求めた。激しい粒界腐食が起こると、結晶
粒の脱落により腐食速度が大きくなる。
【0040】トンネル状腐食試験の結果を表1および図
1に示す。図中の各測定点に付した数字または記号は、
それぞれ表1の左端の欄の数字(本発明例の1〜16)ま
たは記号(比較例のA〜K)に対応する。図1に示され
るように、Ca、Ce無添加鋼では、S含有量が 0.002%以
下であればトンネル状腐食は発生しないが(本発明例1
〜6、12〜14)、 0.002%を超えるとS含有量の増大に
伴って腐食深さは深くなる(比較例A〜E)。また、S
含有量が 0.002%以下であってもMn含有量が 0.5%を超
えると、トンネル状腐食が大きくなり(比較例F)、S
含有量およびMn含有量がともに本発明で規定する含有量
より多いと腐食深さはさらに深くなる(比較例G)。
【0041】CaおよびCeの1種以上を適正量含有させた
Ca、Ce添加鋼では、S含有量が 0.006%までトンネル状
腐食は発生せず(本発明例7〜9、14、15)、Mn含有量
が 0.5%を超えてもトンネル状腐食に対する耐食性は維
持される(本発明例10、11)。Ca、Ceの添加量が少ない
場合(比較例I)、Mn含有量が1%を超える場合(比較
例H)は、トンネル状腐食の発生を防止することができ
ない。
【0042】図2はトンネル状腐食試験を行った後の試
験片の表層部近傍における断面の金属組織の一例を示す
図で、(a) は表1の本発明例2に、(b) は同じく比較例
Bに対応する。この図に示されるように、比較例Bの鋼
ではトンネル状腐食が発生している。トンネル状腐食深
さとは、試験片の表面から腐食が生じている部分までの
深さ、すなわち、図2のdの長さをいう。
【0043】硝酸中腐食試験の結果を表1および図3に
示す。図中の各測定点に付した数字または記号は、図1
の場合と同様に、それぞれ表1の左端の欄の数字(本発
明例の1〜16)または記号(比較例のA〜K)に対応す
る。図3に示されるように、Ni(%)+60N(%)−4
Mo(%)の値が7より小さい場合(本発明例12〜16およ
び比較例J、K)、この値が小さくなるほど腐食速度が
増大するの対して、7以上の場合(本発明例1〜6)は
腐食速度は極めて小さい。
【0044】なお、本発明例12〜16の鋼は、表1に示す
ように、Ni、NおよびMoの含有量が前記の (1)式を満足
しない鋼であって、前記またはの発明の鋼には該当
するが、またはの発明の鋼には含まれない鋼であ
る。
【0045】
【表1(1)】
【0046】
【表1(2)】
【0047】
【発明の効果】本発明のステンレス鋼はトンネル状腐食
に対する耐食性に優れ、硝酸含有環境下で使用される材
料、特に核燃料再処理装置の構造材料として好適であ
る。鋼中のNi、NおよびMoの含有量が所定の関係を満た
すように調整されたものは、トンネル状腐食に対する耐
食性に優れるとともにHAZの耐粒界腐食性にも優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネル状腐食の深さと鋼のS含有量との関係
を示す図である。
【図2】トンネル状腐食試験を行った後の試験片の表層
部近傍における断面の金属組織の模写図である。
【図3】Ni(%)+60N(%)−4Mo(%)の値と硝酸
中での腐食速度の関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Si: 0.5%以下、Mn: 0.5%以
    下、Ni:10〜16%、Cr:16〜20%、Mo: 2.0〜3.0 %お
    よびN:0.06〜0.15%を含有し、残部がFeおよび不可避
    不純物からなり、不純物中のCは0.02%以下、Pは0.03
    %以下、Sは 0.002%以下であることを特徴とする耐硝
    酸性オーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】重量%で、Si: 0.5%以下、Mn: 1.0%以
    下、Ni:10〜16%、Cr:16〜20%、Mo: 2.0〜3.0 %お
    よびN:0.06〜0.15%を含有し、さらに、CaおよびCeの
    いずれか一方または両方を単独または合計で2×S
    (%)〜0.03%含有し、残部がFeおよび不可避不純物か
    らなり、不純物中のCは0.02%以下、Pは0.03%以下、
    Sは 0.006%以下であることを特徴とする耐硝酸性オー
    ステナイト系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】重量%で、Si: 0.5%以下、Mn: 0.5%以
    下、Ni:10〜16%、Cr:16〜20%、Mo: 2.0〜3.0 %お
    よびN:0.06〜0.15%を含有し、残部がFeおよび不可避
    不純物からなり、不純物中のCは0.02%以下、Pは0.03
    %以下、Sは 0.002%以下であり、かつ、Ni、Nおよび
    Moの含有量は下記 (1)式を満足することを特徴とする耐
    硝酸性オーステナイト系ステンレス鋼。 Ni(%)+60N(%)−4Mo(%)≧7 ・・・ (1)
  4. 【請求項4】重量%で、Si: 0.5%以下、Mn: 1.0%以
    下、Ni:10〜16%、Cr:16〜20%、Mo: 2.0〜3.0 %お
    よびN:0.06〜0.15%を含有し、さらに、CaおよびCeの
    いずれか一方または両方を単独または合計で2×S
    (%)〜0.03%含有し、残部がFeおよび不可避不純物か
    らなり、不純物中のCは0.02%以下、Pは0.03%以下、
    Sは 0.006%以下であり、かつ、Ni、NおよびMoの含有
    量は下記 (1)式を満足することを特徴とする耐硝酸性オ
    ーステナイト系ステンレス鋼。 Ni(%)+60N(%)−4Mo(%)≧7 ・・・ (1)
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