JPH0791767B2 - 耐溶剤性に優れる不織布用結合剤 - Google Patents

耐溶剤性に優れる不織布用結合剤

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JPH0791767B2
JPH0791767B2 JP62001511A JP151187A JPH0791767B2 JP H0791767 B2 JPH0791767 B2 JP H0791767B2 JP 62001511 A JP62001511 A JP 62001511A JP 151187 A JP151187 A JP 151187A JP H0791767 B2 JPH0791767 B2 JP H0791767B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は改良された不織布用結合剤に関し、特に耐溶剤
性に優れた不織布を得ることのできる不織布用結合剤に
関する。
〔従来の技術およびその問題点〕
乾式不織布の繊維の結合方式にはバインダ(結合剤)に
よるもの、繊維を熱融着させるものおよび機械的に繊維
を絡み合わせるものがあり、このうちバインダによる結
合方式が、多様な機能を不織布に与えることができるた
め、最も広く採用されている。使用されるバインダは殆
どがラテツクスあるいはエマルジヨンと呼ばれているポ
リマー粒子の水中分散体を主成分としており、ポリマー
の種類としてはアクリル系、酢ビ系共重合体、SBR系、N
BR系などが使用されている。
不織布に要求される最も重要な性能の1つに耐溶剤性が
あり、これにはラテツクスの性能が極めて大きな影響を
与える。
例えば衣料芯地用不織布において、ラテツクスの耐溶剤
性が十分でなければドライクリーニングに耐えることが
できない。また、一般の工業資材用や雑貨用として使用
される不織布に於ても、夫々の用途に於て要求される耐
溶剤性は、ラテツクスの性能によつて大きく左右され
る。
この耐溶剤性を向上させるための一つの方法としてバイ
ンダとして使用されるラテツクスには架橋反応性を有す
るN−メチロール(メタ)アクリルアミド等の官能性単
量体を共重合したり、水溶性トリメチロールメラミン樹
脂等の多官能性熱硬化型樹脂を加工時に併用して、不織
布の熱処理工程において、ラテツクスのポリマー中に架
橋構造を形成させる等の方法がある。
しかし、これらの方法は、ラテツクスの化学的安定性を
低下させる要因となるため、多量の架橋成分の導入は不
可能である上、十分な効果を得るためには高温で長時間
の熱処理を要することから生産性を考慮しなければなら
ない実際の不織布製造工程では、満足し得る効果が得ら
れていない。
このため、実用上、高度の耐溶剤性を必要とする場合に
はNBR(アクリロニトリル−ブタジエンラバー)ラテツ
クスが使用される。この理由は、NBRには他のラテツク
スに比べてモノマーとしてアクリロニトリルが比較的多
量に使用されているため共重合体中のニトリル基(−C
≡N)含有率が多く、この高いニトリル基含有率が、皮
膜に油、有機溶剤に対して高い抵抗性、即ち耐溶剤性を
与えるからである。
ところが、より高い耐溶剤性を求めてNBRラテツクス中
のアクリロニトリルの比率を高めた場合、製造時の乳化
重合反応が進行せず不安定となり、得られたNBRラテツ
クスも機械的な安定性に劣るため不織布の含浸工程に耐
えることが出来なくなる欠点があつた。
このため、近年、不織布の用途、多様化及び要求性能の
高度化により従来のNBRよりさらに耐溶剤性に優れたバ
インダが求められているにもかかわらず、上記の理由に
より市場の要求は満足されていなかつた。
本発明は以上のような従来の事情を考慮してなされたも
ので、従来の不織布用結合剤としてのNBRラテツクスの
耐溶剤性及び機械的安定性が不充分であることを改良し
ようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、従来のNBRラテツクスより耐溶剤性及び
機械的安定性に優れた不織布用結合剤としてのラテツク
スを開発するため、いかに多くのニトル基をポリマー分
子中に導入するかを検討していたところ、高度な耐溶剤
性を得るためにはトルエンに対するラテツクス皮膜の重
量膨潤率が200%以下でなければならないこと及びこの
条件を満たすためには、ポリマー分子中に17重量%以上
のニトリル基を含有する単量体組成のラテツクスでなけ
ればならないことを見い出した。そして、更に鋭意研究
した結果、驚くべきことにニトリル基を導入するため単
量体としてその一部或いは全部をメタクリロニトリルと
することによつて重合安定性が著しく向上し、又、得ら
れたラテツクスも機械的安定性に極めて優れており、加
工した不織布は従来のNBRラテツクスでは到底得られな
かつた極めて高度な耐溶剤性を有することを見い出し、
本発明を完成するに到つたものである。
即ち、本発明はブタジエン35〜60重量%、メタクリロニ
トリル5〜60重量%、エチレン性不飽和カルボン酸1〜
8重量%及びこれらの単量体と共重合可能なその他のエ
チレン性単量体0〜59重量%なる単量体混合物を乳化重
合し、且つポリマー中に占めるニトリル基(−C≡N)
の割合を17重量%以上としたラテツクスを用いる耐溶剤
性に優れる不織布用結合剤を提供するものである。
本発明で使用するブタジエンは、ラテツクスの皮膜に可
撓性を与えると共に不織布加工の乾燥工程において、通
常の乾燥温度での結合剤の成膜を容易にするために必要
な単量体で、全単量体に対して35〜60重量%使用され
る。ブタジエンの使用量が35重量%未満では、得られた
ラテツクスの皮膜はもろくなり、また常温では皮膜の形
成が不十分となるため、不織布の含浸工程において、粉
末状の乾燥物が生成し、含浸作業に支障をきたす。ま
た、ブタジエンの使用量が60重量%を越えると、得られ
たラテツクスの皮膜は耐溶剤性に劣り、本発明の目的を
達成することが出来ない。本発明で使用するメタクリロ
ニトリルはラテツクスの皮膜に耐溶剤性を与えると共
に、皮膜の凝集力を高めるために必要な単量体で、本発
明の目的とする高度の耐溶剤性を得るための必須の単量
体であり、その使用量は全単量体に対して5〜60重量%
である。
メタクリロニトリルの使用量が5重量%未満では、たと
えアクリロニトリルを併用してポリマー中のニトリル含
有量を17重量%以上としても乳化重合時の反応が進行し
難く、重合安定性に劣り、又不織布の含浸作業時におい
ての機械的安定性に劣り、耐溶剤性も悪い。又、その使
用量が60重量%を越えると、常温におけるラテツクスの
皮膜形成性が低下する結果、前述の如く、不織布の含浸
工程での作業性が低下する。
本発明で使用するエチレン性不飽和カルボン酸として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸およびの無水物、フマル酸、イタコン酸、並びに不飽
和ジカルボン酸モノアルキルエステル、例えばマレイン
酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノn
−ブチル等のエチレン性不飽和カルボン酸等が挙げら
れ、全単量体に対して1〜8重量%使用することが出来
る。
エチレン性不飽和カルボン酸は、ラテツクス皮膜の繊維
に対する接着性の向上、及びラテツクスの機械的安定性
を向上させる為に必要な単量体成分であり、その使用量
が全単量体に対して1重量%未満では、これらの効果が
得られない。また、その使用量が8重量%を越えると、
ラテツクスが高粘度となり、不織布への均一な含浸が不
可能となる。
本発明で使用するブタジエン、メタクリロニトリル、エ
チレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なその他のエチ
レン性不飽和単量体としては、アクリロニトリルのほか
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタ
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブ
チル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、ア
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸
ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸オクタデシル、
メタクリル酸オクタデシル等で例示されるアクリル酸ア
クリルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステル;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロ
ルスチレン、2,4−ジブロムスチレン等で例示されるエ
チレン性不飽和芳香族単量体;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等の如きビニルエステル;塩化ビニリデン、臭
化ビニリデン等の如きビニリデンハライド;アクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、アクル酸−2−ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル等の如き
エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエス
テル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル
等の如きエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエス
テルおよびアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド等のラジカル重合可能な単量体が挙げら
れる。
本発明のラテツクスは、前記したブタジエン35〜60重量
%、メタクリロニトリル5〜60重量%、エチレン性不飽
和カルボン酸1〜8重量%及びこれら単量体と共重合可
能なその他のエチレン性不飽和単量体0〜59重量%より
なる単量体組成から得られるが、メタクリロニトリルの
使用比率が少ない場合はその他のエチレン性不飽和単量
体としてアクリロニトリルの如きニトリル基含有単量体
を使用してラテツクスのポリマー中に占めるニトリル基
の含有率を17重量%以上とする必要がある。
本発明のラテツクスは水性媒体中にて、上記単量体混合
物を通常の乳化重合法により重合して調製される。例え
ばアニオン性又はノニオン性乳化剤の存在下で単量体混
合物を水中に乳化分散させ、フリーラジカル発生触媒、
例えばKPS(K2S2O3)、APS((NH4))2S2O8)、過酸化
水素水等の水性触媒、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等の油性触媒により
好ましくは40℃〜90℃で乳化重合を行えばよい。
また、本発明において乳化重合に通常用いられる添加
剤、例えば連鎖移動剤、重合安定化や緩衝効果を目的と
したエチレンジアミン四酢酸等を必要に応じて使用する
ことは何ら差しつかえない。
本発明のラテツクスは、例えばストリツピング等の方法
によつて、必要とされる固形分含量に濃縮される。
得られたラテツクスは、pH3〜7、粘度30〜1000cps程度
のもので、より好ましくは安定性を向上させるためアル
カリ溶液でpH8〜10に調整される。
〔発明の効果〕
こうして得られた本発明のラテツクスをバインダとして
用いて不織布加工した場合には、その不織布は極めて耐
溶剤性に優れ、また非常に柔軟なものから硬いものまで
用途に応じた広い範囲の風合を有する不織布が得られる
ので衣料用、資材用不織布として最適である。また含浸
性、スプレー性等安定性も良好である。
次に実施例によつて本発明を具体的に説明する。なお、
文中に表示した部数及び%はそれぞれ重量部、重量%を
示す。
また、実施例中におけるラテツクスの凝集物生成率、機
械的安定性は下記方法で測定した。
〔測定方法〕
(1) 凝集物生成率(%) 重合反応終了後のラテツクス100gを200メツシユの布
で過し、120℃、1時間乾燥後の残の重量をラテツ
クスの固型分重量で除した値を百分率で表わした。
(2) 機械的安定性 マーロン式機械的安定性試験機を用いて50gのラテツク
スを荷重10kg、回転数3000rpmで10分間回転摩擦し、生
成した凝集物を120℃、1時間乾燥させた後の重量をラ
テツクスの固型分重量で除した値を百分率で表わした。
実施例1〜4 窒素置換した撹拌機付オートクレーブに、表−1に示す
組成の原料を仕込み、50℃で撹拌しながら重合率95%以
上になる迄乳化重合を行なつた。次いで水蒸気蒸留によ
り脱モノマーを行なつた後、25%アンモニア水を添加し
てpH8〜9に調整し、さらに必要に応じてイオン交換水
を添加して固型分39.0〜41.0%のラテツクスA、B、
C、Dを得た。乳化重合はいずれも目標とする95%以上
の重合率になる迄安定に進行し、表−1に示す結果の如
く重合中に発生する凝集物の量も非常に少ないものであ
つた。得られたラテツクスの粘度も低く、又、機械的安
定性も極めて良好であつた。
比較例1,2 実施例1〜4と同様の方法で表−1に示す組成の原料を
仕込み、50℃で撹拌しながら重合率95%以上を目標に乳
化重合を行なつた。次いで実施例1〜4と同様の方法で
脱モノマー、pH調整、固型分調整を行なつてpH8〜9、
固型分39.0〜41.0%のラテツクスを得た。
結果は表−1に示す如く、メタクリロニトリルを使用し
ていない比較例1においては重合が全く不安定で、重合
開始8時間後に重合中のポリマー粒子が凝集し、ラテツ
クスを得ることが出来なかつた。
また、メタクリロニトリルの使用量が少ない比較例2に
おいては重合反応が進行しにくく、20時間もの長時間反
応を継続しても重合率は93.8%と非常に低い。また重合
中に発生した凝集物の量も、本発明である実施例1〜5
に比較してはるかに多く、重合が不安定であることを示
している。さらに得られたラテツクスEは機械的安定性
が極めて悪かつた。
以上の結果から、メタクリロニトリル5%未満でしかも
ニトリル基含有量の多い単量体組成の場合は安定な乳化
重合が困難であり、得られたラテツクスも不安定である
ことがわかる。
比較例3〜6 実施例1〜4と同様の方法で表−1に示す組成の原料を
仕込み、50℃で撹拌しながら重合率95%以上になる迄乳
化重合を行なつた。次いで実施例1〜4と同様の方法で
脱モノマー、pH調整、固型分調整を行なつてpH8〜9、
固型分39.0〜41.0%のラテツクスを得た。
結果は表−1に示す如く、エチレン性不飽和カルボン酸
の少ない比較例3においては、ラテツクスの機械的性が
極めて悪かつた。
また、エチレン性不飽和カルボン酸の多い比較例4にお
いては、ラテツクスの粘度が3,620cpsと著しく高いもの
であつた。
試験例 実施例1〜4で得たラテツクスA〜Dをガラス板上に流
延し、25℃で2日間乾燥して、膜厚0.3〜0.5mmの乾燥皮
膜を得た。次いで、この皮膜を熱風循環乾燥機にて140
℃、10分間熱処理した後、トルエン中に浸漬して25℃で
4日間静置して、次式に従つて重量膨潤率を算出した。
結果は表−2に示す如く、いずれもトルエンで膨潤はし
ているものの膨潤率200%以下の値を保持しており、ニ
トリル基含有率の高い程優れた耐溶剤性を示していた。
次に実施例1〜4で得たラテツクスA、B、C、Dをそ
れぞれ水で希釈して固型分12.5%に調整した後、目付30
g/m2のポリエステルウエブを金網にはさんでラテツクス
中に浸漬しウエブ中にラテツクスを浸透させて浸透のし
易さを観察した。含浸後の不織布をゴムロール/ステン
レスロールのマングルにてラテツクス(wet)/繊維=3
2.5/100(重量比)になるように一定条件で絞り、金
網、マングル上へのラテツクスの凝集物の生成の有無を
観察した。次に、100℃、5分乾燥後、150℃、1分ベー
キングすることによりラテツクス固型分/繊維=13/100
(重量比)の不織布を得た。次いで、不織布芯地試験方
法(JIS L−1085)に従つて3cycle迄の不織布のドライ
クリーニング強さ試験における不織布の形態変化を次の
判定基準に従つて評価した。なお 形態変化の判定基準 A級 変化なし B級 変化の目立つもの C級 変化の著しいもの 結果は表−2に示す如く、いずれもマングル絞りにおけ
るラテツクスの安定も良好で、また不織布のドライクリ
ーニング強さ試験による形態変化もなかつた。
比較試験例 比較例2〜6で得たラテツクスE〜Iを用いて試験例と
同様の方法で熱処理皮膜のトルエンに対する重量膨潤率
を測定した。次いで、試験例と同様の方法で不織布加工
を行ないマングル絞りにおけるラテツクスの安定性及び
ドライクリーニング強さ試験における形態変化を調べ
た。
結果は表−2に示す如く、ニトリル基含有率が16.6%の
ラテツクスIの熱処理皮膜は、トルエンによる重量膨潤
率が高く、また加工した不織布のドライクリーニング強
さも劣つていた。
メタクリロニトリル含有量が4%のラテツクスE及びエ
チレン性不飽和カルボン酸の使用量が0.5%のラテツク
スFはマングル絞りにより、凝集物が発生し、著しく、
安定性が劣つていた。
また、エチレン性不飽和カルボン酸の使用量が10%のラ
テツクスGは、粘度が高すぎるために不織布への浸透が
不均一となり、その結果、ドライクリーニング強さにも
劣るものであつた。
ブタジエンの使用量が33%であるラテツクスHは常温
(25℃)における皮膜形成能力がなく、このためマング
ル絞りにおいてロールの端部に粉末状の乾燥物が発生
し、含浸液に落下混入して作業性が著しく劣つていた。
以上の結果から、本発明の特許請求範囲からはずれた単
量体組成及びニトリル基含有率のラテツクスは、耐溶剤
性不織布のバインダーとして適さないことがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブタジエン35〜60重量%、メタクリロニト
    リル5〜60重量%、エチレン性不飽和カルボン酸1〜8
    重量%及びこれらの単量体と共重合可能なその他のエチ
    レン性不飽和単量体0〜59重量%からなる単量体混合物
    を乳化重合し、且つポリマー中に占めるニトリル基(−
    C≡N)の割合を17重量%以上としたラテツクスを用い
    る耐溶剤性に優れる不織布用結合剤。
JP62001511A 1987-01-07 1987-01-07 耐溶剤性に優れる不織布用結合剤 Expired - Lifetime JPH0791767B2 (ja)

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