JPH0793228B2 - 希土類入り銀導電ペーストおよびこれを用いた電子部品 - Google Patents

希土類入り銀導電ペーストおよびこれを用いた電子部品

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JPH0793228B2
JPH0793228B2 JP3122215A JP12221591A JPH0793228B2 JP H0793228 B2 JPH0793228 B2 JP H0793228B2 JP 3122215 A JP3122215 A JP 3122215A JP 12221591 A JP12221591 A JP 12221591A JP H0793228 B2 JPH0793228 B2 JP H0793228B2
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紀明 塚越
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層LCフィルタ等の
複合部品のコンデンサ部分素体に導電性被膜を形成する
ための導電性ペーストに係り、特に素体の焼成時に発生
しがちな導電ペーストの焼成体への拡散を防止して、コ
ンデンサ部の外観不良発生を防ぎ得る銀導電ペーストお
よびこのペーストを用いた電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】積層LCフィルタは、電極を形成した誘
電体層を積層してなる積層コンデンサ部を、磁性材用フ
ェライト中に内部電極用コイルを有する積層インダクタ
部の上部に形成し、外部電極端子を設けてコンデンサC
とインダクタLとのLC回路を1素子で形成したもので
ある。
【0003】一般に上記のコンデンサ部分は、スラリー
化したTiO2 、CuO、NiOおよびMnO3 などか
らなる誘電体粉を、ベースフィルム上にドクターブレー
ド法により塗工して得られたグリーンシート層を積層し
てつくられるが、容量を得るためにこれらの層間に配置
される内部電極は、Agを主体とするペーストを各グリ
ーンシート層上に印刷した形で挿入されている。
【0004】図3(a)〜(d)は、このようなLCフ
ィルタの上からの積層順序を示す平面図であって、同図
(a)は表面層に位置するブランクグリーンシート6
を、同図(b)および(c)はAgを主体とするパター
ンAの導体7、パターンBの導体8がそれぞれ印刷され
た層を示す。これらのパターンが繰り返し積層された
上、同図(d)に示されているように、インダクタ部分
の積層用シート9が必要枚数その下方に積層一体化され
る。図の矢印は積層順序を示す。
【0005】次いで、このように重ね合わされたグリー
ンシートを加熱しながら加圧成形を行い、さらに所定の
チップ形状に裁断後焼成した焼結体に外部電極端子を焼
付けて積層LCフィルタを作製するという手法が用いら
れている。なお、上記図3は説明上、グリーンシートの
積層加圧後、裁断された個々のチップ素体について示し
たものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】挿入された従来のAg
ペーストを用いた導電体よりなる内部電極(以下電極と
いう)中のAgが焼成時にチップ素体中に拡散し、素体
の焼結を促進しているのであるが、通常の積層コンデン
サでは、内部電極パターンが裁断したチップ形状とほぼ
類似したパターンで挿入されているため問題は生じなか
った。しかしながら、複雑なコンデンサパターンを有す
る積層LCフィルタの製造に前述のような従来技術を用
いると、電極に接触している部分の素体の焼結が電極に
接触していない部分、すなわち電極のサイドマージン部
分の素体の焼結よりも早く進行するという現象が生じ、
その結果、図4の斜視図に示すように、焼結体2の表面
に電極パターンの形をした窪み10が生じてしまい、外
観上好ましくないという課題があった。
【0007】したがって、本考案の目的は、チップ素体
焼成の際コンデンサ部の表面層に電極パターンの形をし
た変色部分や窪み部分のような外観不良を生じない改善
された導電ペーストおよび応用電子部品を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究の結果、Agを主体とする従来
の導電ペーストに希土類金属酸化物粉を添加することに
より、焼成時にこの導電ペーストによって形成した電極
付近の誘電体素地の粒成長が抑制されることを見い出
し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、Ag粉末を導電物質
とする導電ペーストであって、希土類金属酸化物群、よ
り好ましくはLa2 3 、Sm2 3 およびNd2 3
粉末からなる群より選ばれた少なくとも一つの希土類金
属酸化物を、上記導電ペーストにおけるAg粉末に対し
て 3〜10wt%混合した銀導電ペーストを提供するもので
あり、またその応用電子部品すなわち、そのペーストに
より形成された内部電極パターンを内蔵する応用電子部
品であって、この導電ペーストによって内部電極パター
ンを形成したグリーンシートを積層および焼成し、得ら
れた焼結体を素子としてなることを特徴とする希土類入
り銀導電ペースト使用の電子部品を提供するものであ
る。
【0010】
【作用】TiO2 、CuO、NiOおよびMn3 4
どからなるグリーンシート上に、Agペーストで電極を
印刷して 860℃前後で焼成すると、CuOは熱解離して
酸素を放出すると共に表面がボイド状を呈したAg・C
2 O固溶体を作り、電極のサイドマージン部に侵入す
る。侵入したAg・Cu2 O固溶体は、TiO2 、Ni
OおよびMn3 4 に対してバインダーとして働き、こ
れら酸化物の焼結反応を促進する。そのため、該グリー
ンシートを数枚積層して作製したチップ素体を焼成する
と、電極付近の素地の粒成長が他の部分より速く進行
し、得られた焼結体の表面に電極形状の変色や電極形状
の窪みが生じてしまうのであると推測された。
【0011】そこで本発明では、上記Agペースト中に
希土類金属酸化物粉末を混合することにより、焼結体の
外観不良を防止できると予測し、研究して、その予測が
正しいことを確認したのである。これは次の理由によ
る。すなわち、希土類金属酸化物の融点はAgの融点
(960 ℃)よりも高く、また、希土類金属はAgよりは
るかに卑な金属であるため、希土類金属酸化物は溶融し
たAg中において還元されることなく、そのまま粉末状
態でサスペンドされる筈である。さらに、希土類金属は
いずれもMnと同じく弱磁性体であるなど電磁気特性が
類似している。このため、上記組成のグリーンシート上
に、希土類金属酸化物粉末を混合したAgペーストで電
極を印刷し、これを焼成すると、TiO2 、CuO、N
iOおよびMn3 4 粉末粒子間にペースト中の希土類
金属酸化物粉末が、Ag・Cu2 O半溶融態物と共に固
体粒子のまま入り込むため、Ag・Cu2 O半溶融態物
の侵入量が低減し、Ag・Cu2 O半溶融態物のバイン
ダーとしての働きが抑制され、電極付近の素地の粒成長
のみ進行することが防止されるのであろう。また、希土
類金属酸化物の性質はNiO、Mn3 4 に類似してい
るため、焼結性および焼結体の収縮率、強度などの機械
特性、誘電特性に支障をきたすことはないと考えられ
る。
【0012】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
【0013】
【実施例1】市販のTiO2 、CuO、NiOおよびM
3 4 からなる各原料粉末を、必要とする割合にボー
ルミルにより湿式混合した後さらに有機バインダを加え
て同ボールミルにより十分に混合してスラリー化し、ド
クターブレード法によりセラミックグリーンシートを作
製した。一方、市販のAg粉末にLa2 3 粉末を表1
に示す割合でそれぞれ混合、撹拌した後、有機バインダ
ーとしてエチルセルロース、溶剤としてαターピネオー
ルおよびブチルカルビトールアセテートを同じく表1の
割合で配合し、ペースト状にしたものを用意した。
【0014】上記の通り作製したグリーンシート上に、
用意したAgペーストを使用して電極パターンをスクリ
ーン印刷した。次いで、これらのシートを6枚積層し、
その上下にブランクシートを各々1枚づつ重ね、 120℃
に保持しつつ300kg/cm2 に加圧して熱圧着し、チップサ
イズに裁断した。得られたチップ素体は大気中、昇温速
度10℃/minで 500℃まで昇温し、同温度にて10分保持し
た後冷却速度10℃/minで室温まで冷却して、有機バイン
ダーを燃焼除去した。続いて、さらに昇温速度5 ℃/min
で 860℃まで昇温し、1時間この温度に保持した後、冷
却速度 5℃/minで室温まで冷却して焼結体を得、得られ
た焼結体に外部電極1を形成してチップを作製した(図
1)。
【0015】上記のようにして作製した焼結体2につい
て、図2に示すように厚さ測定器5を使用して表面層の
電極部3とマージン部4との差、すなわち窪みを測定
し、その結果を表1に併記した。測定は3回行い、平均
値を記録した。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示した結果から次のような知見が得
られた。電極部の窪みは、試料番号1および2の電極に
関しては肉眼で容易に確認することができたが、試料番
号3ないし6の電極に関してはかなり注意しないと肉眼
で確認することができなかった。また、試料番号3ない
し5の電極はチップ表面が均一に焼けており、色の差は
生じていなかったが、試料番号6の電極は電極部の焼結
がサイドマージン部より遅れてしまい、電極部が白く焼
け残るという現象が生じていた。すなわち、Agに対す
るLa2 3 の添加量は、3wt%以下では電極部の窪み
減少効果が小さく、10wt%以上では焼結速度に差が生じ
外観上好ましくないことから、3〜10wt%が適量である
といえる。
【0018】
【実施例2】La2 3 と同族のSm2 3 またはNd
2 3 をLa2 3 の代わりに用い、TiO2 、Cu
O、NiOおよびMn3 4 にホウケイ酸ガラスを加え
た原料粉からグリーンシートを作製したこと以外は実施
例1と同様にして焼結体を作製した。作製した焼結体に
ついて実施例1と同様の試験を行い、その結果を表2に
示した。
【0019】
【表2】
【0020】表2からも分かるように、Agペーストに
La2 3 と同族のSm2 3 またはNd2 3 を添加
した場合も、実施例1と同様の効果が得られた。また、
本発明の導電ペーストは、グリーンシートとしてホウケ
イ酸ガラス等のガラス成分を加えてたものを使用した場
合も、電極部の窪みが抑制されることが確認された。
【0021】
【発明の効果】本発明の開発により、従来の銀ペースト
に希土類金属酸化物を添加したペーストを使用すること
のみで、電極付近の素地基板の焼結速度を抑制して基板
全面の焼結速度を均一とすることを可能となし、これに
起因する基板表面の電極形状型の色の変化、同部分の窪
みの発生をなくするなど、従来のAgペースト使用の際
発生した問題点を改良して、複雑なパターンを有する焼
結基板の製造を容易にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の希土類金属酸化物含有銀導電ペースト
によって形成した電極パターンを内蔵するチップを示す
斜視図である。
【図2】本発明の希土類金属酸化物含有銀導電ペースト
によって形成した電極パターンを内蔵する焼結体の表面
の凹凸を測定している態様を示す斜視図である。
【図3】インダクタ製造時におけるシートの積層手順を
段階的に示した平面図である。
【図4】従来の導電ペーストによって形成した電極パタ
ーンを内蔵する焼結体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1‥‥‥外部電極 2‥‥‥焼結体 3‥‥‥電極部 4‥‥‥マージン部 5‥‥‥窪み測定器 6‥‥‥ブランクグリーンシート 7‥‥‥パターンAの導体 8‥‥‥パターンBの導体 9‥‥‥インダクタ部分の積層用シート 10‥‥‥窪み

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ag粉末を主成分とする導電ペースト
    に、少なくとも1種の希土類金属の酸化物を、Ag粉末
    量に対し 3〜10wt%配合したことを特徴とする希土類入
    り銀導電ペースト。
  2. 【請求項2】 前記希土類金属酸化物がLa2 3 、S
    2 3 およびNd2 3 からなる群より選ばれた少な
    くとも1種である請求項1記載の希土類入り銀導電ペー
    スト。
  3. 【請求項3】 銀導電ペーストを塗布した後焼成して得
    られる薄膜導体を表面または内部に有する電子部品であ
    って、前記銀導電ペーストがAg粉末を主成分とする導
    電ペーストに、少なくとも1種の希土類金属の酸化物
    を、Ag粉末量に対し 3〜10wt%配合した希土類入り銀
    導電ペーストであることを特徴とする電子部品。
  4. 【請求項4】 前記希土類金属酸化物がLa2 3 、S
    2 3 およびNd2 3 からなる群より選ばれた少な
    くとも1種である請求項3記載の電子部品。
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