JPH0793502B2 - 多層積層板の製造方法 - Google Patents

多層積層板の製造方法

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JPH0793502B2
JPH0793502B2 JP1250113A JP25011389A JPH0793502B2 JP H0793502 B2 JPH0793502 B2 JP H0793502B2 JP 1250113 A JP1250113 A JP 1250113A JP 25011389 A JP25011389 A JP 25011389A JP H0793502 B2 JPH0793502 B2 JP H0793502B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、金属板を基板とする多層積層板の製造方法に
関するものである。
【従来の技術】
大量の情報をより高速に処理することが求められている
スーパーコンピューターなどにおいては、電子部品の実
装や配線の高密度化に伴ってプリント配線板上での発熱
量が非常に増大している。そこで装置の信頼性を高める
ために熱放散性の優れたプリント配線板が要求されてお
り、このためにプリント配線板として使用される多層積
層板において、金属板を基板としたものが特公昭56−37
720号公報や特公平1−29078号公報等において提供され
ている。これらの多層積層板では金属板の高い熱伝導性
によって優れた熱放散性を得ることができるのである。 そしてこの金属板を基板とする多層積層板は、通孔を設
けた金属板を用いて製造されている。 すなわち、第4図(a)に示すように金属板4にスルー
ホール5を形成すべき箇所においてスルーホール5の径
よりも大きな通孔3を設けておき、この複数枚の金属板
4をプリプレグ1を介して重ねると共に加熱加圧して積
層成形をおこなうことによって、第4図(b)に示すよ
うにプリプレグ1に含浸した樹脂を硬化させて各金属4
を積層接着させると共にプリプレグ1に含浸した樹脂を
金属板4の各通孔3に流入充填させて硬化させる。この
とき必要に応じて、各金属板4間に内層回路板は積層さ
れ、また最外層に銅箔などの金属箔が積層される。次ぎ
に通孔3に充填させた樹脂21の部分において第4図
(c)のようにスルーホール5を穿孔加工し、そしてこ
のスルーホール5の内周にスルーホールメッキを施すこ
とによって、第4図(d)のように樹脂21で金属板4と
の間の絶縁性が確保されたスルーホールメッキ層6を形
成することができるのある。
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのものにあって、スルーホール5の内周面のう
ちプリプレグ1の部分を穿孔した箇所ではプリプレグ1
の基材が露出して凹凸面となっているが、金属板4の通
孔3内はプリプレグ1から流入充填された樹脂21のみで
あるために、通孔3の部分を穿孔した箇所では樹脂21が
露出した平滑面となっており、スルーホールメッキ層6
の密着性が悪く、第4図(d)に示すように通孔3の箇
所においてスルーホール5の内周からスルーホールメッ
キ層6が剥がれてフクレ22が発生し、スルーホール信頼
性が低下するおそれがあるという問題があった。 また、通孔3内にプリプレグ1から流入充填される樹脂
21と金属板4とはその熱膨張率が大きく異なるために、
成形後の冷却時などにおいて樹脂21は金属板4より大き
く収縮して樹脂21に内部応力が生じて、第4図(d)に
示すように通孔3内の樹脂21にクラック23が発生し、こ
のクラック23の箇所からメッキ液が浸入し、絶縁不良に
なるおそれがある等の問題があった。 特に、情報を高速処理する場合には大容量電力が必要で
あり、電力が大容量化すると発熱が高くなるために放熱
特性が高く要求されることになり、また金属板4を導体
として電力供給するにあたって、このような大容量電力
を流す場合には金属板4の板厚が厚いほうが電力損失が
少ない。このために、金属板4として厚さ0.15mm以上の
ものを用いることが必要であり、実用的には0.2〜3mm程
度の厚いものが好ましい。しかしこのときには金属板4
の通孔3に充填される樹脂21の部分も厚みが大きくなる
ために、通孔3の箇所でのスルーホール5の内周からの
スルーホールメッキ層6の上記のような剥がれや、通孔
3内に充填される樹脂21の上記のようなクラック発生が
著しくなるおそれがあった。 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、スル
ーホールの内周に設けるスルーホールメッキの剥がれを
低減することができ、また通孔に充填した樹脂にクラッ
クが発生することを低減することができ、特に金属板の
厚みが厚い場合でもこれらを低減することができる多層
積層板の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【課題を解決するための手段】
本発明に係る多層積層板の製造方法は、積層成形の際の
加熱加圧によって溶けず且つ電気絶縁性を有する針状あ
るいは略球状の充填剤を配合した熱硬化性樹脂を不織布
に含浸して調製されるプリプレグ1と、積層成形の際の
加熱加圧によって溶けず且つ電気絶縁性を有する針状あ
るいは略球状の充填剤を配合した樹脂2が充填された通
孔3を有する複数枚の金属板4とを複数枚づつ交互に重
ね、これを積層成形して一体化した後に、所要の通孔3
内の樹脂2の部分においてスルーホール5を穿孔するこ
とによって多層積層板を製造するにあたって、上記金属
板4として表面が粗面化された銅板を用いると共に、上
記複数枚の金属板4のうち少なくとも一枚が電力供給用
の導体を形成するための厚み0.5〜3mmのものであること
を特徴とするものであり、以下本発明を詳細に説明す
る。 金属板4としては、熱伝導性や電気絶縁性が優れる銅板
を使用することができるが、金属板4には第1図(a)
に示すようにスルーホール5を形成する箇所において通
孔3がドリル加工やパンチング加工等で穿設してある。
この通孔3はスルーホール5の直径よりも大きな直径で
形成されるものである。 一般的に銅板の表面は平滑な鏡面の状態にあり、このよ
うに表面が平滑であるとプリプレグ1の樹脂との密着性
が不十分になって、スルーホールのドリル加工時や半田
による加熱時などに銅板とプリプレグ1の樹脂との間で
界面剥離が生じ易くなる。このために、銅板の表面に粗
面を形成して樹脂との密着性を高めるようにするのが好
ましく、銅板の表面に酸化処理あるいは電解メッキ処理
を施すことによって粗面化することができる。 銅板の酸化処理は、酸化剤を含むアルカリ性水溶液で銅
板を処理することによっておこなわれるものであり、酸
化剤としては例えば亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)など
の塩素酸塩や過硫酸カリウム(K2S2O8)などが主として
用いられる。そして、酸化剤を含むアルカリ性水溶液で
銅板を処理すると、まずアルカリの作用で Cu→Cu(OH)2 (I) の反応が生じ、さらに酸化剤の作用で Cu(OH)2→CuO+H2O (II) の反応が生じ、銅板の表面に銅酸化物の皮膜が生成され
る。具体的には次のような反応が生じていると考えられ
る。 2Cu+NaClO22H2O→2Cu(OH)2+NaCl Cu(OH)2→CuO+H2O (III) このように銅板の表面に銅酸化物の皮膜を生成させるこ
とによって、銅板の表面を粗面化することができるもの
であるが、酸化によって酸化第二銅(CuO)のみが生成
されているときには皮膜は黒色を呈し、このときの処理
を黒化処理(あるいはブラックオキサイド処理)と称さ
れており、また酸化第二銅(CuO)の外に酸化第一銅(C
u2O)も含む場合には皮膜は茶色を呈し、このときの処
理をブラウン処理(あるいはブラウンオキサイド処理)
と称されている。2万倍の電子顕微鏡写真によって観察
すると、黒化処理された銅板の表面は長い針状の酸化物
結晶構造になっており、またブラウン処理された銅板の
表面は微粒子状の結晶構造になっている。ここで、黒化
処理による針状結晶は高温の作用で崩壊し易いためい、
エポキシ多層板では特に問題はないがポリイミド多層板
のように積層工程において高温を作用させる必要がある
場合には、ブラウン処理で銅板の表面処理をおこなうよ
うにするのが好ましい。 黒化処理とブラウン処理とはアルカリ溶液中の酸化剤に
よって銅板の表面を酸化処理するという点において本質
的には同じものであり、処理濃度や処理温度、処理時間
等の処理条件が異なるだけである。一般的に処理条件
(特に温度)が緩やかであるとブラウン処理となる。酸
化処理用のアルカリ性水溶液としては、亜塩素酸ナトリ
ウム(NaClO2)と水酸化ナトリウム(NaOH)、リン酸ナ
トリウム(Na3PO4)の三成分溶液が用いるのが最も一般
的であるが、黒化処理する場合にはその濃度は次の範囲
が好ましく、また液温は60〜95℃に設定し、処理時間は
2〜5分間程度に設定するのが好ましい。 亜塩素酸ナトリウム 30〜90g/ 水酸化ナトリウム 10〜20g/ リン酸ナトリウム 5〜15g/ またブラウン処理する場合には、その濃度は次の範囲が
好ましく、また液温は40〜80℃に設定し、処理時間は2
〜10分間程度に設定するのが好ましい。 亜塩素酸ナトリウム 30〜150g/ 水酸化ナトリウム 5〜20g/ リン酸ナトリウム 2〜10g/ ブラウン処理用のアルカリ性水溶液としてはこの亜塩素
酸ナトリウムと水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウムの
三成分系のものの他に、例えば次のような組成のものを
用いることもできる。 亜塩素酸ナトリウム 175 g/ 水酸化ナトリウム 20 g/ 炭酸ナトリウム 16.5g/ リン酸ナトリウム 4.7g/ (液温65℃、処理時間4分間) 亜塩素酸ナトリウム 135 g/ 水酸化ナトリウム 15.6g/ 硝酸ナトリウム 11.8g/ (液温75℃、処理時間5分間) また一般に、黒化処理された酸化皮膜は耐ハローイング
性が劣るが、ブラウン処理された酸化皮膜は耐ハローイ
ング性に優れる。ここで、金属銅は化学的親和力が水素
より低く、直接的には水酸化物または金属塩類を造らな
いが、酸化第二銅の状態では塩酸や硫酸と反応して金属
塩を造って溶解する。従って例えばスルーホールメッキ
処理の際にメッキ液中の塩酸や硫酸などにスルーホール
の内周面に露出する酸化皮膜中の酸化第二銅が溶解し、
この溶解箇所においてスルーホールの内周から酸が浸入
する溶解侵食が発生する。この溶解侵食した部分がハロ
ーのように白く見えるのでこの現象をハローイングとい
う。このようなハローイングが生じるとスルーホールの
内周と銅板との間の電気絶縁性が確保できずスルーホー
ル信頼性が低下することになる。そしてこのようなハロ
ーイングを防ぐためには、上記のようにして銅板の表面
を酸化処理した後に、さらにこれを還元処理して酸に溶
解し易い酸化第二銅を酸に溶解しにくい酸化第一銅やさ
らに金属銅に還元させるようにすればよい。還元剤とし
ては、ホルマリン、次亜燐酸化合物、ヒドラジン化合
物、水素化ホウ酸ナトリウム、ボラザン化合物、ボラゼ
ン化合物、アミンボラン化合物、金属亜鉛を溶解すると
きに発生する発生期状態の水素などを用いることができ
る。 また銅板の電解メッキ処理は、例えば特公昭45−34245
号公報に開示される方法に準じておこなうことができる
ものであり、酸性銅電解浴を使用して銅板を陰極として
通電することによって、銅板の表面に粉状銅を析出させ
て銅板の表面に粗面を形成することができる。電解浴は
硫酸銅と硫酸を主成分とする組成で形成されるが、粉状
銅を銅板の表面に析出させるためには電解浴の限界電流
密度以上の電流密度で通電する必要があり、陰極には烈
しく水素が析出するために粉状銅は銅板に密着せず粉状
銅で銅板の表面を粗面化することができない。このため
に電解浴にはさらに硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝
酸アンモニウム、硝酸銅、硝酸などの水溶性硝酸塩を添
加して用いる。硝酸塩を添加すると硝酸イオンがアンモ
ニウムイオンに還元されるために陰極に析出する水素を
奪い取ってしまい、陰極の銅板上に水素気泡が形成され
ることを防止して、銅板の表面に強固な密着性を有する
粉状銅を析出させることができるものである。このよう
に電解メッキによってこぶ付けして粗面化する場合、粗
面の状態は高温の作用で何等影響を受けるようなおそれ
はないために、前記の酸化処理による粗面が崩壊するよ
うな高温を作用させる必要のあるときに有効である。
尚、銅板の表面に析出させるメッキ金属としては特に限
定されるものではないが、銅が最も実用的である。 また、金属板4の厚みは0.5〜3mmに設定される。金属板
4を導体として大容量電力を供給する場合や、放熱特性
を良好に得る場合には、金属板4として板厚が0.5mm以
上のものを用いる必要があるのである。 一方、上記のように形成される金属板4を多層に積層す
るために用いるプリプレグ1は、基材に熱硬化性樹脂の
ワニスを含浸させて乾燥することによって調製されるも
のであるが、本発明では基材として不織布を用いる。基
材としてはガラス織布など織布を用いることが一般的で
あるが、織布は繊維の束を縦糸と横糸として織ったもの
であるために組織がち密であり、含浸させる樹脂を十分
な量で保有させることが難しい。ここで、後述のように
積層成形する際にプリプレグ1に含浸した熱硬化性樹脂
の一部が金属板4の通孔3へと流れ、この樹脂の流でプ
リプレグ1の基材が通孔3側に引っ張られるが、基材と
してガラス織布を用いた場合には上記のように樹脂を十
分な量で保有させることができないために、通孔3側へ
引っ張られた基材は通孔3の周縁角部において金属板4
を接触し、この接触箇所では基材と金属板4との間に樹
脂が殆ど介在されていず、加熱や機械的な力が作用する
とこの部分にミーズリングと称される白化が発生するお
それがある。このために本発明では基材として不織布を
用いてプリプレグ1を調製するものであり、不織布のな
かでも電気特性や耐熱特性等を考慮すればガラス繊維の
不織布を用いるのが好ましい。不織布は繊維を抄くなど
することによって形成されるために組織が疎であり、含
浸される樹脂を十分な量で保有することができる。ガラ
ス不織布とガラス織布と比較した場合、同じ厚みのプリ
プレグ1ではガラス織布を基材とするものは含浸できる
樹脂量が少なく、樹脂含量は50〜60重量%程度である
が、ガラス不織布を基材とするものは含浸できる樹脂量
を多くすることができ、樹脂含量を90重量%以上にする
ことができるものである。基材として不織布を用いてこ
のようにプリプレグ1に含浸される樹脂の量を多くする
と、積層成形する際にプリプレグ1から金属板4の通孔
3に樹脂が流れて基材が引っ張られても、基材には十分
な量の樹脂が保有されているために基材と金属板4との
間ににはこの樹脂が介在されて基材が金属板4の通孔3
の周縁角部に直接接触するようなことを少なくすること
ができるものであり、この結果ミーズリングの発生を抑
えることができるようになったのである。 また、織布は繊維の束を織ったものであるために樹脂は
繊維の束内には浸透しにくく、この部分での樹脂と繊維
との密着性が不十分になっている場合が多く、このよう
な織布を基材として用いると、積層成形後のスルーホー
ルの孔明け加工の際の外部応力で繊維と樹脂との界面が
剥離し、スルーホールメッキを施す際にメッキ液がこの
界面から浸入してメッキ染み込みが発生するおそれがあ
る。これに対して、不織布では繊維が束になっていない
ために樹脂の浸透が良好で繊維と樹脂との密着が十分で
あり、外部応力に対して強く繊維と樹脂との界面剥離が
生じにくいため、このようなメッキ染み込みの発生を低
減することができる。しかし、不織布においても他の理
由によってメッキ染み込みが発明するおそれのあること
が指摘されるに至っている。 すなわち不織布、特にガラス不織布の製造は従来から次
のようにしておこなわれている。まずガラス繊維を水や
カップリング剤、界面活性剤等と混合し、これをタンク
から金網ベルト上に送って水分を脱水することによって
ガラス繊維を集積させてマットに形成し、次にこのガラ
ス繊維のマットの上にバインダーを溶剤に混合して調製
したバインダー溶液をスプレーし、この後に加熱乾燥す
ることによって、ガラス繊維をバインダーで集合させた
ガラス不織布を得ることができるのである。ガラス不織
布はこのようにガラス繊維をバインダーで集合させて作
成されるものであるために、ガラス繊維の表面にはバイ
ンダーが付着されており、このガラス不織布を基材とし
て樹脂を含浸させてプリプレグ1を調製すると、ガラス
繊維と含浸される樹脂との間にバインダーが介在される
ことになり、ガラス繊維の表面に樹脂が直接密着されな
い部分が生じ、カップリング剤によってガラス繊維の表
面に樹脂を化学的に結合させることができない部分が生
じるおそれがある。特に上記のようにガラス繊維のマッ
トの上にバインダーをスプレーする工法ではバインダー
はガラス不織布の表面に多く付着して膜を張ったような
状態になり、ガラス不織布の表層部でこのような問題は
発生し易くなる。そしてこのようにバインダーによって
ガラス繊維の表面と樹脂との密着性が悪くなると、この
部分に界面剥離が生じてメッキ染み込みが生じることに
なるのである。 このような問題を防ぐために、本発明においてはガラス
不織布10としては第3図のように、ガラス繊維7を集積
したマット8をバインダー溶液9中に浸漬してマット8
中にバインダー溶液9を含浸させた後に、これを乾燥す
ることによって製造したものを用いるのが好ましい。す
なわち、ガラス繊維7はロービング等をカットした短繊
維状のものを用いるものであり、例えば直径が10〜13
μ、長さが数mm〜数十mm程度(特に10〜20mmが好まし
い)のものを用いることができる。このガラス繊維7を
水やカップリング剤、界面活性剤等と混合した後に、こ
のガラス繊維7をタンク14から金網ベルト15の上に一定
の厚みになるように供給し、金網ガラス15の内方から減
圧等して水分16を抜く脱水をおこなうことによってガラ
ス繊維7が集積されたマット8を作成する。そしてこの
マット8を金網ベルト15と共に浸漬槽18に導入してバイ
ンダー溶液9中に浸漬させる。バインダー溶液9はアク
リル系樹脂やエポキシ系樹脂などのバインダーと必要に
応じて配合されるシラン系等のカップリング剤とを溶剤
に溶解することによって調製される。溶剤としてはメチ
ルエチルケトン、メチルセロソルブ、トルエン、アルコ
ールなどを用いることができるが、バインダー溶液9の
濃度はガラス不織布10に含有させるバインダーの量など
に応じて任意に設定される。上記のようにしてガラス繊
維7のマット8をバインダー溶液9中に浸漬させてマッ
ト8内にバインダー溶液9を浸透させた後に、金網ベル
ト15の駆動に従ってマット8を上下のヒーター17,17間
に通し、加熱乾燥してバインダー溶液9の溶剤を蒸発さ
せることによって、バインダーでガラス繊維7を集合結
合させたガラス不織布(ガラスペーパーとも称される)
10を得ることができるものである。このガラス不織布10
は40〜100g/m2程度の重量に作成するのが好ましい。 このようにバインダー溶液9にガラス繊維7のマット8
を浸漬させてバインダー溶液9を含浸させることによっ
て、ガラス不織布10の全体にバインダーを均一に付着さ
せることができるが、さらにこのように作成されるガラ
ス不織布10にあって、ガラス不織布10中に含有されるバ
インダーの固形分の含有量が、ガラス繊維とバインダー
との合計量の15重量%以下になるように、バインダー溶
液9の含浸量を調整するのが好ましい。ガラス不織布10
を基材として用いてプリプレグ1を作成する場合、理想
的な状態はガラス繊維7の表面にカップリング剤を介し
て含浸した樹脂が密着していることであるが、ガラス不
織布10にはバインダーが必然的に含まれており、このバ
インダーがガラス繊維7と含浸した樹脂との間に介在し
ているために、ガラス不織布10と含浸した樹脂との密着
性が悪くなるというのは既述した通りであるが、本発明
者等の試験の結果、バインダーの含有量が15重量%(特
に好ましくは12重量%)以下の量であれば、ガラス不織
布10と含浸した樹脂との間の密着性はメッキ染み込みが
発生するまでは悪くないということが判明した。そして
このようにバインダーの含有量を15重量%以下にして
も、従来のようにバインダー溶液9をマット8の上にス
プレーする場合にはガラス不織布10の表面にバインダー
が多く付着するために、このバインダーが多く付着する
部分で樹脂との密着性が悪くなってメッキ染み込みが発
生するおそれがある。このために第3図のようにバイン
ダー溶液9にガラス繊維7のマット8を浸漬させてバイ
ンダー溶液9を含浸させるバインダー含浸方式(バイン
ダーディップ方式)によって、ガラス不織布10の全体に
バインダーを均一に付着させるようにしなければならな
い。尚、ガラス不織布10のバインダーの含有率の上限は
上記のように15重量%に設定することが好ましく、この
含有率が低い程、ガラス不織布10と含浸する樹脂との密
着性を高くすることができるが、バインダーの含有率が
低くなるとガラス繊維7の集合強度が低下してガラス不
織布10に切れが発生し易くなるために、バインダーの含
有率の下限は5重量%程度に設定するのが好ましい。 上記のように作成される不織布を基材として、これに熱
硬化性樹脂を含浸させることによってプリプレグ1を調
製することができるが、含浸させる熱硬化性樹脂として
は、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂など特に限定されないが、電気的特性の面ではエ
ポキシ樹脂やポリイミド樹脂、あるいはこれらの変性樹
脂を用いるのが好ましい。また多層積層板は回路形成時
や半田時などに高温処理がなされるために、プリプレグ
1を調製するこの熱硬化性樹脂としては、ガラス転移温
度が170℃(より好ましくは180℃)以上の耐熱性に優れ
たものを用いるのが好ましい。プリプレグ1の調製に用
いられる熱硬化性樹脂としてはガラス転移温度が150℃
以下のものが一般的であるが、このものでは例えば260
℃の半田浴で30秒程度半田処理をおこなうと、熱ショッ
クでスルーホールに施したメッキ槽が剥離するなどの問
題が生じるおそれがあるために、本発明ではガラス転移
温度が170℃以上の耐熱性に優れたものを用いるのが好
ましいのである。またプリプレグ1を調製する際に、プ
リプレグ1の樹脂の半硬化状態が130℃での溶融粘度が7
0〜200ポイズ(より好ましくは100〜1000ポイズ)にな
るように調整するのが好ましい。溶融粘度が70ポイズ未
満の場合は、積層成形する際に樹脂が流れ過ぎて積層板
の板内において板厚のバラツキが大きくなって好ましく
なく、また2000ポイズを超える場合は樹脂の流れが悪く
なり過ぎて成形後の積層板内にボイドが残り易くなって
好ましくない。尚、上記半硬化状態とは、いわゆるBス
テージと称される状態を意味するものであり、加熱・加
圧すると樹脂が溶融してさらに硬化が進行するもので、
なお且つ手で触れてもべと付きのないものをいう。 しかして、第1図(a)のように通孔3を設けた金属板
4を基板として用いて多層積層板を製造するにあたって
は、まず金属板4の各通孔3内に樹脂2を充填する。こ
の樹脂2としては特に限定されるものではないが、上記
プリプレグ1の調製に用いた樹脂と同種のエポキシ樹脂
やポリイミド樹脂、これらの変性樹脂を半硬化状態で使
用するのが好ましい。通孔3に充填するこの樹脂2は充
填剤を配合して用いられるものである。この充填剤とし
ては、Al2O3、Al2O3・H2O、Al2O3・3H2O、シリカ、タル
ク、MgO、CaCO3、Sb2O3、Sb2O5、EガラスやDガラス、
Tガラス、Rガラス、Qガラスなどの球状粉末や、Eガ
ラスやDガラス、Tガラス、Rガラス、Qガラスなどの
ガラス繊維や、ケブラー(デュポン社製)、テクノーラ
(帝人社製)などのアラミド繊維等を細かく切断してす
りつぶした針状粉末を例示することができるものであ
り、これらのように積層成形の際の加熱加圧の作用で溶
けることがなく、また電気絶縁性を有するものが使用さ
れるものである。これらは単独で用いる他、二種以上を
組み合わせて用いることもできる。 球状粉末を充填剤として使用する場合には、中心直径が
15μm以上のものが好ましい。中心直径が15μm未満で
は後述する通孔3内の樹脂2のクラックの発生防止の効
果が小さく、また後述のスルーホールメッキ層6の密着
効果も十分に得られない。一方、針状粉末を充填剤とし
て使用する場合には、中心直径が10μm以上で長さが直
径の2倍以上のものが好ましい。中心直径が10μm未満
で長さが直径の2倍未満のものではクラックの防止の効
果が小さく、スルーホールメッキ層6の密着効果も十分
に得られない。尚、中心直径とは、充填剤の粒子の直径
の分布のピーク値、つまり粒子数が最も多い直径を意味
する。 充填剤は10〜1000PHR程度の範囲の配合量で樹脂2に配
合することによってクラックの防止やスルーホールメッ
キ層6の密着向上の効果を得ることができるが、充填剤
入り樹脂2の熱膨張率(樹脂が硬化した後の熱膨張率)
が、金属板4の熱膨張率との差が20ppm/℃以下になるよ
うに、すなわち充填剤入り樹脂2の熱膨張率をαR、金
属板4の熱膨張率をαMとすると、 αM−20ppm/℃≦αR≦αM+20ppm/℃ となるように、充填剤入り樹脂2に配合される充填剤の
種類や配合量を調製して設定するのが好ましい。 金属板4の通孔3への充填剤入り樹脂2の充填は、充填
剤入り樹脂2をワニス状など液状に調製して流し込むよ
うにしたり、粉末状に調製して流し込むようにしたりす
ることができるが、作業性の上では粉末状に調製して流
し込むようにするのが好ましい。粉末状に調製して流し
込む場合は、樹脂2を中心粒径が100〜350μmの粉末に
して用いるのが好ましい。樹脂2をこの粒径に粉砕した
のちに充填剤と混合するようにしてもよいが、予め樹脂
2と充填剤とをワニスの状態で混合しておき、加熱して
溶剤を取り除くと共に半硬化状態にした後にこの粒径に
粉砕することによって、充填剤が含有された樹脂2の粉
末として用いるようにするのが好ましい。樹脂2の中心
粒径が100μm未満では再凝集性が大きくなって塊状に
なり、通孔3への充填性が低下するおそれがあり、また
逆に樹脂2の中心粒径が350μmでは粒が大き過ぎて通
孔3へのち密な充填ができなくなって充填性が低下する
おそれがある。尚、本発明において中心粒径とは、樹脂
2の粒子の粒径の分布のピーク値、つまり粒子数が最も
多い粒径を意味する。粉末状態で充填剤入りの樹脂2を
金属板4の通孔3内に充填するにあたっては、第1図
(b)に示すように金属板4をプリプレグ1の上におい
て通孔3の下側の開口を塞いだ状態で、通孔3に多目に
充填剤入りの樹脂2を流し込んでスキージー19で金属板
4の上面をこすって余分なものを除去することによっ
て、各通孔3に均一に充填剤入りの樹脂2を充填するこ
とができる。 次に、上記のように通孔3に樹脂2を充填した金属板4
とプリプレグ1とを交互に積層して多層積層板Aを成形
するにあたっては、第2図(a)の層構成で金属板4と
プリプレグ1とを数枚づつ重ねると共に必要に応じて最
外層のプリプレグ1の外面に銅箔などの金属箔12を重
ね、さらに必要に応じて各金属板4間にはプリプレグ1
を介して片面プリント配線板や両面プリント配線板、多
層プリント配線板などの内層用回路を形成した内層回路
板11を重ねる。そして加熱加圧して積層成形をおこなう
ことによって、プリプレグ1に含浸した樹脂を硬化させ
て各金属板4と内層回路板11を積層接着させ、第2図
(b)に示す層構成で金属板4と内層回路板11とを交互
に積層すると共に最外層に金属箔12を積層接着した多層
積層板Aを得ることができる。このように積層成形する
際に金属板4の通孔3内に充填された樹脂2も硬化され
るものであり、またこのように金属板4内には予め樹脂
2が充填されているために、樹脂2が溶融硬化する際に
樹脂2の粉体間の空隙が埋められて通孔3内での体積が
目減りするのを補充するために若干量の樹脂がプリプレ
グ1から通孔3内に流れ込む程度であり、第4図の従来
例のように通孔3内の総てをプリプレグ1に含有される
熱硬化性樹脂で埋めるような必要がない。第4図の従来
例ではこのように通孔3内の総てをプリプレグ1に含有
される樹脂で埋めるために、通孔3に対応する部分にお
いて最外層のプリプレグ1に第4図(b)に鎖線で示す
ようなくぼみ20が生じるおそれがあるが、本発明におい
てはプリプレグ1から多量の樹脂が通孔3内に流れ込む
ことを原因としてこのようなくぼみが生じるおそれはな
い。しかも上記のように、金属板4の熱膨張率と通孔3
に充填される充填剤入り樹脂2の熱膨張率をその差が20
ppm/℃以下になるように小さく設定すれば、積層成形後
の冷却に際して金属板4と樹脂2との収縮の度合の差を
小さくすることができ、熱膨張率の差に起因して通孔3
の樹脂2の部分でくぼみが発生すること最小限に抑える
ことができる。金属板4の熱膨張率と充填剤入り樹脂2
の熱膨張率の差が20ppm/℃より大きいと、積層板の表面
のくぼみが大きくなって実用上好ましくない。このよう
に、本発明では表面のくぼみが小さく多層積層板Aを比
較的平坦な表面に形成することができるために、多層積
層板Aの表面の金属箔12をエッチングして回路形成する
にあたって、エッチングレジストの塗布などに支障が生
じないようにすることができるものである。 また、上記のように充填剤を配合することによって充填
剤入り樹脂2の冷却時の収縮を抑えることができるため
に、金属板4の通孔3に充填した充填剤入り樹脂2の成
形後の冷却の際の収縮と金属板4の収縮との差を小さく
することができるものであり、従って第4図の従来例の
ようにこの収縮の差に基づく樹脂2の内部応力で通孔3
内の充填した樹脂2にクラックが発生するようなことを
低減することができるものである。このクラックの発生
を低減するうえでも上記のように、金属板4の熱膨張率
と通孔3に充填される充填剤入り樹脂2の熱膨張率をそ
の差が20ppm/℃以下と小さく設定することが好ましい。
また、樹脂2に配合した充填剤は補強材として作用する
ことによってもこのクラックの発生を防いでいる。この
ように補強材として作用させるうえで、既述のように、
球状粉末を充填剤として使用する場合には中心直径が15
μm以上のものが好ましく、また針状粉末を充填剤とし
て使用する場合には中心直径が10μm以上で長さが直径
の2倍以上のものが好ましいのである。 ここで、上記のように金属板4の通孔3に充填した充填
材入り樹脂2が成形の際の目減りする分はプリプレグ1
中から通孔3に流れる樹脂で補充されることになるが、
このように樹脂がプリプレグ1から補充される結果、通
孔3内の充填剤の比率が小さくなると、上記のような充
填剤による通孔3内の樹脂2のクラック防止等の効果を
期待できなくなるおそれがあり、またプリプレグ1から
樹脂が補充された部分では充填剤の含有率が低くなって
通孔3内で充填剤の多い部分と少ない部分とができる
と、局部的に熱膨張率の差が生じてこの箇所においてク
ラックが発生するおそれがある。このために本発明で
は、プリプレグ1を調製する熱硬化性樹脂にも充填剤を
配合するようにしているのである。 この充填剤としては、上記樹脂2に配合する充填剤とし
て例示した球状粉末や針状粉末のものを用いることがで
きる。勿論、充填剤は一種単独で用いると共に複数種の
ものを組み合わせて用いることもできる。充填剤として
球状粉末を用いる場合には、中心直径が20μm以下のも
のが好ましい。また充填剤として針状粉末を用いる場合
には、中心直径が15μm以下で長さが直径の2倍以下の
ものが好ましい。中心直径が20μmを超える大きさの球
状の充填剤や、中心直径が15μmを超え、長さが直径の
2倍を超える大きさの針状の充填剤は、成形時にプリプ
レグ1の溶融樹脂が流れる際にその流れに乗って流動さ
せることが困難になり、通孔3にプリプレグ1から樹脂
を流入させて補充するにあたって、通孔3内への充填剤
の移動が不十分になり、充填剤を十分に補充できないお
それがある。プリプレグ1を調製する熱硬化性樹脂への
充填剤の配合量は、30〜150PHRの範囲に設定するのが好
ましい。充填剤の配合量が30PHR未満であると充填剤の
量が不十分で充填剤の配合による効果を十分に得ること
ができない。また充填剤の配合量が150PHRを超えると、
熱硬化性樹脂ワニスの粘度が大きくなって基材としての
不織布に熱硬化性樹脂ワニスを含浸させることが難しく
なって、プリプレグ1の作成が困難になるおそれがあ
る。 また、このように充填剤を配合した熱硬化性樹脂のワニ
スを基材に含浸させてプリプレグ1を調製するにあたっ
て、織布は組織が密であるために充填剤を内部に導入さ
せることが難しく、織布を基材として用いた場合には熱
硬化性樹脂ワニスに所定量の充填剤を配合しておいても
プリプレグ内には所定の充填剤を含ませることができな
いおそれがある。これに対して本発明のように基材とし
て不織布を用いた場合には、不織布は組織が疎であるた
めに充填剤を良好に内部に導入させることができ、多量
の充填剤を含ませたプリプレグ1を調製することが可能
になるものである。 そして、このように充填剤を配合した熱硬化性樹脂で調
製したプリプレグ1を用いることによって、成形の際に
金属板4の通孔3にプリプレグ1の熱硬化性樹脂を補充
させると同時に充填剤も補充することができるものであ
り、通孔3内の充填剤の比率が小さくなることを防ぐこ
とができると共に、通孔3内で充填剤の多い部分と少な
い部分とができることを防ぐことができ、通孔3内で局
部的に熱膨張率の差が生じることを防止してクラックの
発生を抑えることができるものである。また、プリプレ
グ1中の熱硬化性樹脂と通孔3に充填される樹脂2には
ともに充填剤が配合されているために、両者の熱膨張率
を近いものにすることができるものであり、プリプレグ
1の熱硬化性樹脂と通孔3内の樹脂2との間に層間クラ
ックが発生することを防止することができる。 以上のようにして第2図(b)のような多層積層板Aを
作成した後、ドリル加工などをおこなうことによってス
ルーホール5を穿孔する。スルーホール5は第2図
(c)に示すように、通孔3に充填した樹脂2の部分に
おいて通孔3の直径よりも小さい直径で形成されるもの
であり、従ってスルーホール5の内周と金属板4との間
には樹脂2の層が介在されて両者間の電気絶縁性は樹脂
2によって確保されることになる。尚、第2図(c)の
例では一部の金属板4にスルーホール5を貫通させるよ
うにしてあり、この金属板4から電源をとったり、アー
スをとったりすることができるようにしてある。そして
このようにスルーホール5を加工したのちに、スルーホ
ール5の内周に銅メッキなどのスルーホールメッキを施
してスルーホールメッキ層6を形成し、また金属箔12を
エッチング処理して回路を形成したりなどすることによ
って、金属板4を基板とし内層回路板11に形成された内
層回路と金属箔12の加工で形成される外層回路がそれぞ
れ設けられたプリント配線板に仕上げることができるも
のである。このものにあって、金属板4の通孔3に充填
される樹脂2中には充填剤が含有されているために、樹
脂2の部分においてスルーホール5を穿孔加工するとス
ルーホール5の内周に充填剤が露出し、スルーホール5
の内周面はこの充填剤によって凹凸面として形成される
ことになる。従って、スルーホール5の内周面が樹脂面
であっても充填剤による凹凸のアンカー効果などによっ
て、スルーホールメッキ層6の密着性を高めることがで
きるものであり、スルーホールメッキ層6がスルーホー
ル5の内周から剥がれたりすることを低減することがで
きるものである。充填剤の凹凸によってスルーホールメ
ッキ層6の密着性を高める上で、樹脂2に配合する充填
剤としては、球状充填剤の場合は中心直系が15μm以
上、針状充填剤の場合は中心直径が10μm以上で長さが
直径の2倍以上のものが好ましいのである。
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。 [1] 金属板 <金属板の表面処理No1−酸化処理(黒化処理)−> 500mm×400mm×0.5mmの銅板を用い、直径が1.5mmの通孔
を1.8mmピッチで縦100×横60の個数設けた。そしてこの
銅板をまず前処理した。前処理は、塩化第二銅(CuCl2
・2H2O)2.4kgと工業用塩酸(35%)18とを42の水
に配合して調製した25℃の塩化銅溶液に25秒浸漬したの
ちに水洗し、次いで工業用塩酸70を155の水に配合
して調製した塩酸溶液に60秒浸漬したのちに水洗するこ
とによっておこなった。次ぎに、亜塩素酸ナトリウム31
g/、水酸化ナトリウム15g/、リン酸ナトリウム12g/
の組成で調製した95℃の黒化処理液に銅板を2分間浸
漬し、銅板を黒化処理した。この後さらに銅板を水洗し
て120℃で60分間乾燥した。この黒化処理後の銅板の表
面は黒色を呈した。この銅板を第1表における「金属
板」の項目の水準No1とする。 <金属板の表面処理No2−酸化処理(ブラウン処理)−
> 上記No1で用いたものと同様に形成した銅板を前処理し
た。前処理は、まずエレクトロ・ブライト#402−Lア
ルカリクリーナー(株式会社荏原電産製)を用いて時間
4分、液温70℃の条件で銅板をアルカリ洗浄したのち水
洗し、次ぎにエレクトロ・ブライトアッシドクリーナー
#4A(株式会社荏原電産製)を用いて時間2.5分、液温6
7℃の条件で酸性洗浄したのち水洗し、さらにエレクト
ロ・ブライトコブラエッチ(株式会社荏原電産製)を用
いて時間1.5分、液温51℃の条件で銅板をソフトエッチ
ングしたのち水洗し、そしてエレクトロ・ブライト#49
9−B(株式会社荏原電産製)を用いて時間1分、液温
常温の条件で処理することによっておこなった。次い
で、亜塩素酸ナトリウム95g/、水酸化ナトリウム6.5g
/、リン酸ナトリウム2.0/の組成で調製した80℃の
ブラウン処理液に銅板を2分間浸漬し、銅板をブラウン
処理した。この後さらに銅板を水洗及び湯洗して乾燥し
た。このブラウン処理後の銅板の表面は茶色を呈した。
この銅板を第1表における「金属板」の項目の水準No2
とする。 <金属板の表面処理No3−酸化・還元処理−> 上記No1と同様にして銅板を黒化処理することによって
酸化させ、この黒化処理した銅板をpH5に調製した次亜
燐酸水溶液に20分間浸漬することによって還元処理し、
水洗して乾燥した。このように酸化・還元処理した銅板
を第1表における「金属板」の項目の水準No3とする。 <金属板の表面処理No4−電解メッキ処理−> CuSO450g/、H2SO4100g/、HNO315g/の組成の浴温2
5℃の酸性銅電解浴を調製し、上記No1で用いたものと同
じように形成した銅板を陰極として電解浴に浸漬し、電
流密度7A/dm2で5分間電解メッキ処理した。この銅板を
第1表における「金属板」の項目の水準No4とする。 [2] 基材 <ガラス不織布の作成No1> バインダーとして用いるノボラック型エポキシ樹脂とア
ミノシランカップリング剤とをメチルエチルケトンとト
ルエンとの混合溶剤に溶解してバインダー溶液を調製し
た。そして第3図のバインダー浸漬法の装置を用い、中
心直径13μ、中心長さ(長さの分布のピーク値)15mmの
ガラス繊維を集積したマットを作成し、マットをバイン
ダー溶液に浸漬した後に、これを乾燥することによっ
て、バインダー(固形分)の含有率が12重量%のガラス
不織布を得た。このガラス不織布の重量は60g/m2であっ
た。このバインダーディップ法で得たガラス不織布を、
第1表の「基材」の項目の水準No1とする。 <ガラス不織布の作成No2> バインダーの含有率を15重量%に調整するようにした他
は、上記と同様にしてバインダーディップ法で得た。こ
のガラス不織布を第1表の「基材」の項目の水準No2と
する。 <ガラス不織布の作成No3> バインダーの含有率を18重量%を調整するようにした他
は、上記と同様にしてバインダーディップ法で得た。こ
のガラス不織布を第1表の「基材」の項目の水準No3と
する。 <ガラス不織布の作成No4> 上記No1と同様にしてガラス繊維のマットを作成し、上
記No1と同様に調整したバインダー溶液をこのマットの
上にスプレー装置で均一に塗布した後に、これを乾燥す
ることによって、バインダー(固形分)の含有率が12重
量%のガラス不織布を得た。このガラス不織布の重量は
60g/m2であった。このバインダースプレー法で得たガラ
ス不織布を、第1表の「基材」の項目の水準No4とす
る。 [3] 樹脂 <樹脂の調製No1> 多官能エポキシ樹脂(ダウケミカル社製Quatrex501;樹
脂分75重量%、MEK25重量%)にその樹脂分100重量部に
対して、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.2重
量部配合して多官能エポキシ樹脂組成物を調製した。こ
の樹脂の硬化状態でのガラス転移温度をTMMで測定した
ところ170℃であった。この樹脂を第1表の「樹脂」の
項目の水準No1とする。 <樹脂の調製No2> ビスフェノールA型エポキシ樹脂85重量部、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂15重量部、ジシアンジアミド
を1重量部、ベンジルジメチルジアミンを1当量配合し
てエポキシ樹脂組成物を調製した。この樹脂の硬化状態
でのガラス転移温度は140℃であった。この樹脂を第1
表の「樹脂」の項目の水準No2とする。 [4] プリプレグ <プリプレグの作成No1> 第2表に示す組み合わせで、No1あるいはNo2のエポキシ
樹脂のワニスに、第1表の「プリプレグ用充填剤(球
状)」と「プリプレグ用充填剤(針状)」の各項目の水
準No1〜No5の充填剤を配合し、均一に混合した。この充
填剤としては、Eガラスの球状粉末と針状粉末を使用し
た。そしてこの樹脂ワニスにNo1〜No5の基材を浸漬して
樹脂ワニスを含浸させた後に、150℃で5分間加熱して
乾燥することによって、樹脂含量が91重量%のプリプレ
グを作成した。このプリプレグに含有されている樹脂の
130℃での溶融粘度を測定したところ、600ポイズであっ
た。この溶融粘度600ポイズのものを、第1表の「プリ
プレグ溶融粘度」の項目の水準No1とする。 <プリプレグの作成No2> 乾燥条件を150℃、2分間に設定する他は上記No1と同様
にしてプリプレグを作成した。このプリプレグに含有さ
れている樹脂の130℃での溶融粘度を測定したところ、4
0ポイズであった。この溶融粘度40ポイズのものを、第
1表の「プリプレグ溶融粘度」の項目の水準No2とす
る。 <プリプレグの作成No3> 乾燥条件を150℃、3分間に設定する他は上記No1と同様
にしてプリプレグを作成した。このプリプレグに含有さ
れている樹脂の130℃での溶融粘度を測定したところ、7
0ポイズであった。この溶融粘度70ポイズのものを、第
1表の「プリプレグ溶融粘度」の項目の水準No3とす
る。 <プリプレグの作成No4> 乾燥条件を150℃、7分間に設定する他は上記No1と同様
にしてプリプレグを作成した。このプリプレグに含有さ
れている樹脂の130℃での溶融粘度を測定したところ、2
000ポイズであった。この溶融粘度2000ポイズのもの
を、第1表の「プリプレグ溶融粘度」の項目の水準No4
とする。 <プリプレグの作成No5> 乾燥条件を150℃、8分間に設定する他は上記No1と同様
にしてプリプレグを作成した。このプリプレグに含有さ
れている樹脂の130℃での溶融粘度を測定したところ、3
000ポイズであった。この溶融粘度3000ポイズのもの
を、第1表の「プリプレグ溶融粘度」の項目の水準No5
とする。 [5] 充填樹脂 <充填用樹脂の調製No1> 第2表に示す組み合わせで、上記プリプレグの作成に用
いたものと同じ樹脂ワニスに、第1表の「充填樹脂用充
填剤」の項目のNo1〜No4の充填剤を400PHRの配合量で配
合し、均一に混合した。この充填剤としては、Eガラス
の球状粉末と針状粉末を使用した。そしてこれを150℃
で5分間加熱することによって溶剤を除去して固形化
し、これをさらに粉砕することによって充填剤入りの粉
末状充填用樹脂を調製した。この充填剤入り樹脂の硬化
時の熱膨張率を測定したところ、24ppm/℃であった。銅
板の熱膨張率は17ppm/℃であるために、銅板の熱膨張率
との差は7ppm/℃である。この銅板の熱膨張率との差が7
ppm/℃のものを、第1表の「金属板と充填用樹脂の熱膨
張率の差」の項目の水準No1とする。 また、粉砕の粒度を調整することによって、充填用樹脂
として中心粒径が300μmのものと、60μmのものと、1
00μmのものと、500μmのものを調製した。中心粒径
が300μmのもをを第1表の「充填樹用脂粒度」の項目
の水準No1とし、中心粒径が60μmのものを水準No2と
し、中心粒径が100μmのものを水準No3とし、中心粒径
が500μmのものを水準No4とする。 <充填用樹脂の調製No2> 樹脂ワニスへの充填剤の配合量を180PHRに設定するよう
にした他は、上記No1と同様にして充填剤入りの粉末状
充填用樹脂を調製した。この充填用樹脂の硬化時の熱膨
張率を測定したところ、37ppm/℃であった。従って銅板
の熱膨張率との差は20ppm/℃である。この銅板の熱膨張
率との差が20ppm/℃のものを、第1表の「金属板と充填
用樹脂の熱膨張率の差」の項目の水準No2とする。また
粉砕の粒度を調整することによって、充填用樹脂として
中心粒径が300μm、60μm、100μm、500μmのもの
を調製した。それぞれを第1表の「充填用樹脂粒度」の
項目の水準No1、水準No2、水準No3、水準No4とする。 <充填用樹脂の調製No3> 樹脂ワニスへの充填剤の配合量を120PHRに設定するよう
にした他は、上記No1と同様にして充填剤入りの粉末状
充填用樹脂を調製した。この充填用樹脂の硬化時の熱膨
張率を測定したところ、42ppm/℃であった。従って銅板
の熱膨張率との差は25ppm/℃である。この銅板の熱膨張
率との差が25ppm/℃のものを、第1表の「金属板と充填
用樹脂の熱膨張率の差」の項目の水準No2とする。また
粉砕の粒度を調整することによって、充填用樹脂として
中心粒径が300μm、60μm、100μm、500μmのもの
を調製した。それぞれを第1表の「充填用樹脂粒度」の
項目の水準No1、水準No2、水準No3、水準No4とする。 実施例1 金属板として第1表の「金属板」の項目の水準No1のも
のを使用し、プリプレグとして「基材」の項目の水準No
1のものと、「樹脂」の項目の水準No1のものと、「プリ
プレグ用充填剤(球状)」の項目の水準No1のものとを
用いて「プリプレグ溶融粘度」の項目の水準No1のよう
に作成したものを使用し、さらに充填剤入り樹脂として
「充填樹脂用充填剤」の項目の水準No1のものを用いて
「金属板と充填用樹脂の熱膨張率の差」の項目の水準No
1のように熱膨張率を調整すると共に「充填用樹脂粒
度」の項目の水準No1のように粒度調整したものを使用
し、まず第1図(b)のようにプリプレグ1の上に金属
板4を重ね、スキージー19を用いて金属板4の各通孔3
に充填剤入り樹脂2を充填した。そしてこの金属板4を
3枚、両面銅張エポキシ樹脂積層板の銅箔をエッチング
加工して回路を設けることによって形成した両面プリン
ト配線板を内層回路板11として2枚用い、これらを第2
図(a)のように上記プリプレグ1を介して交互に重ね
ると共に最上層と最下層にプリプレグ1を介して金属箔
12として35μ厚の銅箔を用いて重ねた。次ぎに、20kg/c
m2の加圧条件を維持しつつ140℃で20分間、次いで170℃
で90分間加熱すると共に20分間を要して冷却することに
よって積層成形をおこない、金属板4と内層回路板11と
を交互に積層し表面に金属箔12を張った第2図(b)の
ような多層積層板を得た。 このように成形した多層積層板について、第2図(c)
のように金属板4の通孔3の部分において多層積層板に
直径が0.9mmのスルーホールをドリル加工し、次いで銅
メッキおこなって第2図(d)のようにスルーホール5
の内周にスルーホールメッキ層6を施した。 実施例2〜31 金属板4、プリプレグ1、充填剤入り樹脂2としてそれ
ぞれ第2表に示す組み合わせで調製したものを用い、あ
とは上記実施例1と同様にして多層積層板を作成し、さ
らにこの多層積層板についてスルーホール5を加工する
と共にスルーホールメッキ層6を施した。 比較例 金属板4として上記と同様な通孔を設けた銅板を、表面
の粗面化処理をおこなわずに用いた。またプリプレグ1
は、上記<樹脂の調製No1>で調製した第1表の「樹
脂」の項目の水準No1の多官能エポキシ樹脂組成物の樹
脂ワニス(充填剤配合せず)を210g/m2のガラス織布に
含浸させ、150℃で5分間加熱して乾燥することによっ
て作成した。このプリプレグ1は樹脂含量が55重量%で
あった。そして金属板4を3枚、両面銅張エポキシ樹脂
積層板の銅箔をエッチング加工して回路を設けることに
よって形成した両面プリント配線板を内層回路板11とし
て2枚、プリプレグ1を介して交互に重ねると共に最上
層と最下層にプリプレグを介して金属箔12として35μ厚
の銅箔を用いて重ね、あとは上記実施例1と同様にして
多層積層板を作成し、さらにこの多層積層板についてス
ルーホール5を加工すると共にスルーホールメッキ層6
を施した。 上記の実施例1〜31及び比較例で作成した多層積層板に
ついて、スルーホールメッキ層の密着性、スルーホール
の通孔内でのクラックの発生の有無、ミーズリングの発
生の有無、表面の凹凸の状態、スルーホールでのメッキ
液の染み込みの発生の有無、金属板とプリプレグの樹脂
との間の密着性、多層積層板の板内での板厚のバラツ
キ、成形性、通孔内での充填剤の片寄り、通孔内への充
填用樹脂の充填性をそれぞれ測定した。 スルーホールメッキ層の密着性の試験は、多層積層板を
50mm×50mmの大きさに切断したものをサンプルとし、こ
のサンプルを260℃の半田浴に60秒間浮かべ、サンプル
中の50個のスルーホールのうちスルーホールメッキ層に
剥がれ(フクレ)が生じたものの個数を計測することに
よっておこなった。結果を第2表の「スルーホールメッ
キ密着性」の欄に示した。スルーホールの通孔内でのク
ラックの発生の有無の測定は、スルーホールメッキを施
す前の積層板について、50個選んだスルーホールのうち
金属板の通孔内の部分においてクラックが生じたものの
個数を計測することによっておこなった。結果を第2表
の「クラック」の欄に示した。ミーズリングの発生の有
無の測定は、ミーズリングの発生個数を計測することに
よっておこなった。結果を第2表の「ミーズリング」の
欄に示した。表面の凹凸の状態の測定は、スルーホール
を加工する前の多層積層板の銅箔の表面の凹の深さを針
接触式表面粗さ計(株式会社東京精密製サーフコム550
A)で計測し、その最大値を第2表の「表面凹凸」の欄
に示した。メッキ染み込みの発生の有無の試験は、50個
選んだスルーホールのうちプリプレグの部分においてス
ルーホールメッキ液の染み込みが生じたものの個数を、
スルーホールの孔を切断して顕微鏡で観察して計測する
ことによっておこなった。結果を第2表の「メッキ液染
み込み」の欄に示した。金属板とプリプレグ樹脂との密
着性の試験は、多層積層板を50mm×50mmに切断したもの
をサンプルとし、サンプルを260℃の半田浴に1分間浸
漬し、金属板とプリプレグ樹脂との間に剥離によるフク
レが発生するかどうかを検査することによっておこなっ
た。10枚のサンプルについて試験をおこない、フクレが
発生したものの枚数を第2表の「金属板と樹脂の密着
性」の欄に示した。多層積層板の板内での板厚のバラツ
キの試験は、500mm×300mmの寸法に成形される多層積層
板の第5図に示すa1〜a4、bの各点での板厚を測定する
ことによっておこない、bの板厚−(a1の板厚+a2の板
厚+a3の板厚+a4の板厚)/4の式で算出することによっ
てした数値を第2表の「板厚のバラツキ」の欄に示し
た。成形性の測定は、多層積層板の表面の銅箔をエッチ
ングして除去し、多層積層板の露出表面にボイドが発生
しているか否かを目視観察しておこなった。第2表の
「成形性」の欄に、ボイドが発生しているものを
「×」、ボイドが発生していないものを「○」で表示し
た。通孔内での充填剤の片寄りの測定は、サンプル中の
10個のスルーホールを断面観察し、充填剤が通孔内で片
寄っているか均一に分散しているかを目視で判断するこ
とによっておこなった。第2表の「充填剤片寄り」の欄
に、充填剤が片寄っているものを「×」、充填剤が均一
に分散しているものを「○」で表示した。通孔内への充
填用樹脂の充填性の測定は、金属板の通孔に第1図
(b)のようにスキージーを用いて粉状の充填剤入り樹
脂を充填する際に、この粉状の充填剤入り樹脂が再凝集
して塊が発生するか否か、及び通孔内に空隙があるか否
かを通孔の表面を目視観察することによっておこなっ
た。第2表の「樹脂充填性」の欄に、塊が発生して空隙
があるものを「×」、塊が発生せず空隙のないものを
「○」で表示した。 第2表の結果にみられるように、各実施例のものは、比
較例のものよりも、スルーホール密着性を高めることが
できると共にクラックの発生を抑えることができ、さら
にミーズリングの発生も抑えることができることが確認
される。
【発明の効果】
上述のように本発明は、積層成形の際の加熱加圧によっ
て溶けず且つ電気絶縁性を有する針状ありは略球状の充
填剤を配合した熱硬化性樹脂を不織布に含浸して調製さ
れるプリプレグと、積層成形の際の加熱加圧によって溶
けず且つ電気絶縁性を有する針状あるいは略球状の充填
剤を配合した樹脂が充填された通孔を有する金属板とを
複数枚づつ交互に重ね、これを積層成形して一体化した
後に、所要の通孔内の樹脂の部分においてスルーホール
を穿孔することによって多層積層板を製造するにあたっ
て、上記金属板として表面が粗面化された銅板を用いる
と共に、上記複数枚の金属板のうち少なくとも一枚を電
力供給用の導体を形成するための厚み0.5〜3mmのものを
用いるようにしたので、次に列挙する効果を有する。 金属板の通孔には充填剤入りの樹脂が充填されている
ために、この通孔の部分で穿孔されるスルーホールの内
周面には充填剤が露出して凹凸面となり、凹凸面のアン
カー効果等によってスルーホールに対するスルーホール
メッキ層の密着性を高め、金属板として電力供給用の導
体を形成するために0.5〜3mmと厚みが厚いものを用いる
場合でも、スルーホールメッキ層の剥がれを防ぐことが
できる。 金属板の通孔に充填される樹脂の成形後の収縮を充填
剤によって抑制することができるために、成形後の樹脂
の収縮と金属板の収縮の差を小さくすることができ、金
属板として電力供給用の導体を形成するために0.5〜3mm
と厚みが厚いものを用いる場合でも、通孔に充填される
樹脂に内部応力によってクラックが発生することを低減
することができる。 熱硬化性樹脂を不織布に含浸して調製されるプリプレ
グを用いるようにしているために、不織布は組織が疎で
あって多量の熱硬化性樹脂を含浸させることができ、積
層成形の際にプリプレグから樹脂が金属板の通孔に流れ
てもプリプレグの基材である不織布は多量に含浸された
樹脂が介在され直接金属板に当たることがなく、ミーズ
リングの発生を抑えることができる。 充填剤入りの樹脂が充填された通孔を有する金属板と
組み合わせて使用するプリプレグとして、充填剤を配合
した熱硬化性樹脂を不織布に含浸して調製されるプリプ
レグを用いるために、厚みが0.5〜3mmと厚い金属板の通
孔内の充填剤入りの樹脂が成形の際に目減りしても、プ
リプレグ中の充填剤を配合した樹脂で補充することがで
き、通孔内の充填剤の比率が小さくなることを防ぐこと
ができると共に、通孔内で充填剤の多い部分と少ない部
分が生じないようにして熱膨張率の差によるクラックが
発生することを防ぐことができ、しかも不織布は組織が
疎であって充填剤を配合した樹脂でも多量に含ませるこ
とができ、プリプレグから通孔内に充填剤を配合した樹
脂を良好に補充させることができる。 また本発明において、金属板として酸化処理や酸化・還
元処理、あるいは電解メッキ処理して表面を粗面化した
銅板を用いるようにしているために、粗面によって金属
板とプリプレグの樹脂との間の密着性を高めることがで
きる。 また、金属板として厚みが0.5〜3mmのものを用いるの
で、金属板による放熱性能を高く得ることができると共
に、大容量の電力をこの金属板を導体として流すことが
可能になる。 またプリプレグの基材である不織布としてガラス不織布
を用い、しかもこのガラス不織布を、ガラス繊維を集積
したマットをバインダー溶液中に浸漬してマット中にバ
インダー溶液を含浸させた後に、これを乾燥することに
よって作成するようにすれば(請求項5,6に記載)、バ
インダーをガラス不織布の全体に均一に付着させること
ができてバインダーが一部に片寄らないために、バイン
ダーによってガラス不織布の繊維と含浸した熱硬化性樹
脂との間の密着性が低下することを防止でき、繊維と樹
脂との間に界面剥離が生じてメッキ液の染み込みが発生
することを低減することができる。 また、プリプレグの熱硬化性樹脂として、ガラス転移温
度が170℃以上のものを用いるようにすれば(請求項7
に記載)、回路形成時や半田処理時などの高温の加工に
耐えることができる。 また、プリプレグの熱硬化性樹脂として、130℃での溶
融粘度が70〜2000ポイズのものを用いるようにすれば
(請求項9に記載)、ボイドが板内に発生することなく
板厚のバラツキを小さく抑えて積層成形をおこなうこと
ができる。 また、金属板の通孔に充填される充填剤入り樹脂を、金
属板との熱膨張率の差が20ppm/℃以下になるように形成
すれば(請求項12に記載)、成形後の樹脂の収縮と金属
板の収縮との差に起因して生じる上記クラックの発生を
確実に抑えることができ、また成形後に樹脂が金属板よ
りも大きく収縮することによって発生する多層積層板の
表面のくぼみを低減することができる。 また、プリプレグの熱硬化性樹脂に配合される充填剤と
して、中心直径が20μm以下の球状充填剤や、あるいは
中心直径が15μm以下で長さが直径の2倍以下の針状充
填剤を用い、配合量を30〜150PHRに設定するようにすれ
ば(請求項10,11に記載)、成形時に金属板の通孔にプ
リプレグから樹脂が補充される際に、同時にプリプレグ
から充填剤を良好に通孔内に流入させるようにすること
ができ、また通孔内で充填剤の多い部分と少ない部分と
ができることを防ぐことができると共に通孔内で局部的
に熱膨張率の差を生じることを防止してクラック発生を
抑えることができる。 また、金属板の通孔に充填される充填剤入り樹脂の充填
剤として、直径が15μm以上の球状充填剤や、あるいは
直径が10μm以上、長さが直径の2倍以上の針状充填剤
を用いるようにすれば(請求項13,14に記載)、補強効
果で充填剤によるクラックの防止の効果を確実に得るこ
とができる。 また、金属板の通孔に充填される充填剤入り樹脂の樹脂
を、粒径100〜350μmの粉末にして用いるようにすれば
(請求項15に記載)、金属板の通孔に作業性良く且つち
密にこの樹脂を充填することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)は本発明における積層板の製造の各
工程での一部の断面図、第2図(a)(b)(c)
(d)は本発明における積層板の製造の各工程での一部
の断面図、第3図は本発明で用いるガラス不織布の製造
に用いる装置の概略図、第4図(a)(b)(c)
(d)は従来における積層板の製造の各工程での一部の
断面図、第5図は多層積層板は板厚のバラツキの測定方
法を示す概略図である。 1はプリプレグ、2は樹脂、3は通孔、4は金属板、5
はスルーホール、6はスルーホールメッキ層である。
フロントページの続き (72)発明者 澤 佳秀 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−311795(JP,A) 特開 昭63−192297(JP,A) 特開 昭60−127782(JP,A) 特公 昭60−236294(JP,B2)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層成形の際の加熱加圧によって溶けず且
    つ電気絶縁性を有する針状あるいは略球状の充填剤を配
    合した熱硬化性樹脂を不織布に含浸して調製されるプリ
    プレグと、積層成形の際の加熱加圧によって溶けず且つ
    電気絶縁性を有する針状あるいは略球状の充填剤を配合
    した樹脂が充填された通孔を有する金属板とを複数枚ず
    つ交互に重ね、これを積層成形して一体化した後に、所
    要の通孔内の樹脂の部分においてスルーホールを穿孔す
    ることによって多層積層板を製造するにあたって、上記
    金属板として表面が粗面化された銅板を用いると共に、
    上記複数枚の金属板のうち少なくとも一枚が電力供給用
    の導体を形成するための厚み0.5〜3mmのものであること
    を特徴とする多層積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記粗面化が銅板の表面を酸化処理してな
    されたものであることを特徴とする請求項1に記載の多
    層積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記粗面化が銅板の表面を酸化処理した後
    に還元処理してなされたものであることを特徴とする請
    求項1に記載の多層積層板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記粗面化が銅板の表面を電界メッキして
    なされたものであることを特徴とする請求項1に記載の
    多層積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記不織布がガラス不織布であることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多層積層板
    を製造方法。
  6. 【請求項6】前記ガラス不織布が、ガラス繊維を集積し
    たマットをバインダー溶液中に浸漬してマット中にバイ
    ンダー溶液を含浸させた後に、これを乾燥することによ
    って、バインダーの含有量がガラス繊維とバインダーと
    の合計量の15重量%以下のものとして形成されたもので
    あることを特徴とする請求項5に記載の多層積層板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記プリプレグの熱硬化性樹脂は、ガラス
    転移温度が170℃以上のものであることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかに記載の多層積層板の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記プリプレグの熱硬化性樹脂は、エポキ
    シ樹脂、ポリイミド樹脂、またはこれらの変性樹脂、の
    いずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のいず
    れかに記載の多層積層板の製造方法。
  9. 【請求項9】前記プリプレグの熱硬化性樹脂は、130℃
    での溶融粘度が70〜2000ポイズのものであることを特徴
    とする請求項1乃至8のいずれかに記載の多層積層板の
    製造方法。
  10. 【請求項10】前記プリプレグの熱硬化性樹脂に配合さ
    れる充填剤は、中心直径が20μm以下の球状充填剤であ
    り、配合量が30〜150PHRであることを特徴とする請求項
    1乃至9のいずれかに記載の多層積層板の製造方法。
  11. 【請求項11】前記プリプレグの熱硬化性樹脂に配合さ
    れる充填剤は、中心直径が15μm以下、長さが直径2倍
    以下の針状充填剤であり、配合量が30〜150PHRであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の多層
    積層板の製造方法。
  12. 【請求項12】前記充填剤入り樹脂は、金属板との熱膨
    張率の差が20ppm/℃以下であることを特徴とする請求項
    1乃至11のいずれかに記載の多層積層板の製造方法。
  13. 【請求項13】前記充填剤入り樹脂の充填剤は、中心直
    径が15μm以下の球状充填剤であることを特徴とする請
    求項1乃至12のいずれかに記載の多層積層板の製造方
    法。
  14. 【請求項14】前記充填剤入り樹脂の充填剤は、中心直
    径が10μm以上、長さが直径の2倍以上の針状充填剤で
    あることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載
    の多層積層板の製造方法。
  15. 【請求項15】前記充填剤入り樹脂の樹脂は、中心粒径
    100〜350μmの粉末であることを特徴とする請求項1乃
    至14のいずれかに記載の多層積層板の製造方法。
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