JPH0794370A - 電解コンデンサ用電極箔 - Google Patents
電解コンデンサ用電極箔Info
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- JPH0794370A JPH0794370A JP23391193A JP23391193A JPH0794370A JP H0794370 A JPH0794370 A JP H0794370A JP 23391193 A JP23391193 A JP 23391193A JP 23391193 A JP23391193 A JP 23391193A JP H0794370 A JPH0794370 A JP H0794370A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 静電容量を向上するとともに静電容量の減少
を防ぐ。 【構成】 表面に微視的な凹凸2,3が形成されたアル
ミニウム箔1と、このアルミニウム箔1の表面に設けら
れた厚さ0.005〜0.5μmのMoまたはWからな
る多孔質被覆層4とを具備する。アルミニウム箔1は粗
面化されており、その表面粗さは0.5〜20μmRm
axである。
を防ぐ。 【構成】 表面に微視的な凹凸2,3が形成されたアル
ミニウム箔1と、このアルミニウム箔1の表面に設けら
れた厚さ0.005〜0.5μmのMoまたはWからな
る多孔質被覆層4とを具備する。アルミニウム箔1は粗
面化されており、その表面粗さは0.5〜20μmRm
axである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサの材料
として使用される電極箔に係り、特に、単位面積当たり
の静電容量を増大させるとともに、静電容量の安定性を
高めるための改良に関する。
として使用される電極箔に係り、特に、単位面積当たり
の静電容量を増大させるとともに、静電容量の安定性を
高めるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、リードを接合した一
対のアルミニウム等からなる電極箔と電極紙を交互に挟
んで円筒状に巻回し、電解液を含浸させたうえ、ケース
内に密封することにより製造されるものであるが、近年
は電子機器の小型軽量化に伴い、電子部品である電解コ
ンデンサを小型化する要求も強まっている。
対のアルミニウム等からなる電極箔と電極紙を交互に挟
んで円筒状に巻回し、電解液を含浸させたうえ、ケース
内に密封することにより製造されるものであるが、近年
は電子機器の小型軽量化に伴い、電子部品である電解コ
ンデンサを小型化する要求も強まっている。
【0003】電解コンデンサの小型化を図るには、前記
電極箔の単位面積当たりの静電容量を高めることが重要
である。次式から明かなように、電極箔の静電容量Cを
増大するには、電極箔の表面積Sまたは誘電体の誘電率
εを大きくするか、誘電体の厚さtを減少させることが
有効である。 C=kεS/t (k:定数 ε:誘電率 S:表面積 t:誘電体膜
厚)
電極箔の単位面積当たりの静電容量を高めることが重要
である。次式から明かなように、電極箔の静電容量Cを
増大するには、電極箔の表面積Sまたは誘電体の誘電率
εを大きくするか、誘電体の厚さtを減少させることが
有効である。 C=kεS/t (k:定数 ε:誘電率 S:表面積 t:誘電体膜
厚)
【0004】そこで従来より、アルミニウム箔の表面を
エッチング処理等により粗面化し、微細な凹凸を全面に
形成して表面積Sを大きくする方法が一般に採られてい
る。しかし、著しい粗面化を行うと電極箔が多孔質状態
となって強度が低下し、コンデンサの製造工程中に破断
しやすくなるため、電極箔の粗面化のみに頼った構成で
は、静電容量の増大に限界があった。
エッチング処理等により粗面化し、微細な凹凸を全面に
形成して表面積Sを大きくする方法が一般に採られてい
る。しかし、著しい粗面化を行うと電極箔が多孔質状態
となって強度が低下し、コンデンサの製造工程中に破断
しやすくなるため、電極箔の粗面化のみに頼った構成で
は、静電容量の増大に限界があった。
【0005】上記限界を打破する手段として、特開昭5
6−83923号公報では、金属箔を粗面化したうえ、
その粗面上に、誘電率が高い酸化アルミニウム、酸化タ
ンタルまたは酸化チタンを蒸着する構成が提案されてい
る。この構成によれば、粗面化により面積Sを増大する
と共に、誘電率εを高めることができるので、粗面化の
みの場合よりも電極箔の静電容量を増大することが可能
である。
6−83923号公報では、金属箔を粗面化したうえ、
その粗面上に、誘電率が高い酸化アルミニウム、酸化タ
ンタルまたは酸化チタンを蒸着する構成が提案されてい
る。この構成によれば、粗面化により面積Sを増大する
と共に、誘電率εを高めることができるので、粗面化の
みの場合よりも電極箔の静電容量を増大することが可能
である。
【0006】また、特開昭61−180420号公報に
は、アルミニウム箔に粗面化処理を施したうえ、Ti,
Cr,Ag,Sn,Co,Zr,Ta,Si,Cu,F
eまたはその合金からなる0.02〜1.0μmの金属
微粒子を被覆して、厚さ0.02〜5.0μmの導電性
金属被覆を形成した電解コンデンサ用電極箔が記載され
ている。この構成によれば、導電性金属被覆の表面積S
を、アルミニウム箔にエッチング処理した場合より拡大
でき、静電容量が増大できる。
は、アルミニウム箔に粗面化処理を施したうえ、Ti,
Cr,Ag,Sn,Co,Zr,Ta,Si,Cu,F
eまたはその合金からなる0.02〜1.0μmの金属
微粒子を被覆して、厚さ0.02〜5.0μmの導電性
金属被覆を形成した電解コンデンサ用電極箔が記載され
ている。この構成によれば、導電性金属被覆の表面積S
を、アルミニウム箔にエッチング処理した場合より拡大
でき、静電容量が増大できる。
【0007】さらに、特開昭62−58609号公報に
は、粗面化処理したアルミニウム箔に多孔質状のチタン
蒸着膜を形成する構成が記載されている。この構成によ
れば、導電性金属被覆の表面積Sを拡大して静電容量を
増大するとともに、耐食性を高めることができる。
は、粗面化処理したアルミニウム箔に多孔質状のチタン
蒸着膜を形成する構成が記載されている。この構成によ
れば、導電性金属被覆の表面積Sを拡大して静電容量を
増大するとともに、耐食性を高めることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記3種の構
成によっても、電解コンデンサ用電極箔の静電容量の増
大には限界があった。また、金属箔上にTi等の金属を
蒸着した従来の電解コンデンサ用電極箔では、保管中に
電解コンデンサ用電極箔の表面が徐々に酸化するため、
誘電体である金属酸化物の厚さtが経時的に増していく
ことが避けられず、保管中の静電容量の経時減少が無視
できない問題があった。
成によっても、電解コンデンサ用電極箔の静電容量の増
大には限界があった。また、金属箔上にTi等の金属を
蒸着した従来の電解コンデンサ用電極箔では、保管中に
電解コンデンサ用電極箔の表面が徐々に酸化するため、
誘電体である金属酸化物の厚さtが経時的に増していく
ことが避けられず、保管中の静電容量の経時減少が無視
できない問題があった。
【0009】そこで、本発明者らは上記問題を改善する
ため、各種の金属箔と蒸着材料の組み合わせを詳細に検
討し、その結果、多孔質化した金属箔の表面にMoまた
はWの皮膜を形成すると、従来使用されているTiまた
は金属酸化物等で被覆した電解コンデンサ用電極箔に比
して静電容量を著しく増大でき、しかも静電容量の安定
化も図れることを見いだした。
ため、各種の金属箔と蒸着材料の組み合わせを詳細に検
討し、その結果、多孔質化した金属箔の表面にMoまた
はWの皮膜を形成すると、従来使用されているTiまた
は金属酸化物等で被覆した電解コンデンサ用電極箔に比
して静電容量を著しく増大でき、しかも静電容量の安定
化も図れることを見いだした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、導電体材料からなりその表
面には微視的な凹凸が形成された金属箔と、この金属箔
の表面に設けられた厚さ0.005〜0.5μmのMo
またはWからなる多孔質被覆層とを具備することを特徴
とする。
するためになされたもので、導電体材料からなりその表
面には微視的な凹凸が形成された金属箔と、この金属箔
の表面に設けられた厚さ0.005〜0.5μmのMo
またはWからなる多孔質被覆層とを具備することを特徴
とする。
【0011】なお、前記金属箔と前記被覆層との間に
は、Ti中間層が形成されていてもよい。また、前記多
孔質被覆層の表面の少なくとも一部は酸化されて、Mo
またはWの酸化物となっていてもよい。
は、Ti中間層が形成されていてもよい。また、前記多
孔質被覆層の表面の少なくとも一部は酸化されて、Mo
またはWの酸化物となっていてもよい。
【0012】さらに、前記金属箔は粗面化されたアルミ
ニウム箔とされ、その表面粗さは0.5〜20μmRm
axとされていてもよい。
ニウム箔とされ、その表面粗さは0.5〜20μmRm
axとされていてもよい。
【0013】
【作用】本発明に係る電解コンデンサ用電極箔によれ
ば、従来の電解コンデンサ用電極箔に比して静電容量を
著しく向上することができる。また、表面に酸化膜が生
じにくいので、静電容量の経時劣化が少なく、電解コン
デンサの品質を向上することができる。
ば、従来の電解コンデンサ用電極箔に比して静電容量を
著しく向上することができる。また、表面に酸化膜が生
じにくいので、静電容量の経時劣化が少なく、電解コン
デンサの品質を向上することができる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明に係る電解コンデンサ用電極
箔の第1実施例を示す模式的な断面拡大図である。この
電解コンデンサ用電極箔は、導電体材料からなりその両
面に微視的な凹凸(凹部2)が形成されたアルミニウム
箔(金属箔)1と、このアルミニウム箔1の両面に設け
られた厚さ0.005〜0.5μmのMoまたはWから
なる多孔質被覆層4とを具備している。
箔の第1実施例を示す模式的な断面拡大図である。この
電解コンデンサ用電極箔は、導電体材料からなりその両
面に微視的な凹凸(凹部2)が形成されたアルミニウム
箔(金属箔)1と、このアルミニウム箔1の両面に設け
られた厚さ0.005〜0.5μmのMoまたはWから
なる多孔質被覆層4とを具備している。
【0015】上記のような粗面化アルミニウム箔を作成
するには、化学エッチングまたは電解エッチング処理等
が好適であり、粗面化の程度としては、0.5〜20μ
mRmax程度が好適である。0.5μmRmax未満
では多孔質被覆層4の表面の凹凸度が低下し、容量増大
効果が低減する。逆に20μmRmaxより大である
と、アルミニウム箔1の強度が低下するため好ましくな
い。
するには、化学エッチングまたは電解エッチング処理等
が好適であり、粗面化の程度としては、0.5〜20μ
mRmax程度が好適である。0.5μmRmax未満
では多孔質被覆層4の表面の凹凸度が低下し、容量増大
効果が低減する。逆に20μmRmaxより大である
と、アルミニウム箔1の強度が低下するため好ましくな
い。
【0016】MoまたはWからなる多孔質被覆層4の厚
さが0.005μm未満では、静電容量増加効果に乏し
く、0.5オングストロームより厚いと、製造コストが
かかるばかりで、静電容量の増加はほぼ飽和する。多孔
質被覆層4の表面の一部が酸化され、MoまたはWの酸
化物が生じていてもよい。
さが0.005μm未満では、静電容量増加効果に乏し
く、0.5オングストロームより厚いと、製造コストが
かかるばかりで、静電容量の増加はほぼ飽和する。多孔
質被覆層4の表面の一部が酸化され、MoまたはWの酸
化物が生じていてもよい。
【0017】多孔質被覆層4の形成方法としては、真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等
の周知の方法が可能である。成膜時に不活性ガス等のガ
スを導入して微粒子化したり、酸素等の酸化性ガスを導
入してMoまたはWの一部の酸化を促進してもよい。
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等
の周知の方法が可能である。成膜時に不活性ガス等のガ
スを導入して微粒子化したり、酸素等の酸化性ガスを導
入してMoまたはWの一部の酸化を促進してもよい。
【0018】次に、図2は本発明の第2実施例を示し、
この例では、アルミニウム箔1と各多孔質被覆層4との
間に、Tiからなる中間層5がそれぞれ形成されている
ことを特徴としている。中間層5の表面には薄い酸化物
層(TiO2)が生じていてもよいが、中間層5と多孔
質被覆層4は導通していることが望ましい。
この例では、アルミニウム箔1と各多孔質被覆層4との
間に、Tiからなる中間層5がそれぞれ形成されている
ことを特徴としている。中間層5の表面には薄い酸化物
層(TiO2)が生じていてもよいが、中間層5と多孔
質被覆層4は導通していることが望ましい。
【0019】なお、本発明に係る電解コンデンサ用電極
箔は、コンデンサの陰極材料としての使用に適する。そ
の場合、組み合わせる陽極材料としては、Al2O3等の
酸化物系絶縁膜を形成した金属箔が耐電圧の点で適して
いる。コンデンサの陽極においては、陰極よりも耐電圧
が要求されるためである。
箔は、コンデンサの陰極材料としての使用に適する。そ
の場合、組み合わせる陽極材料としては、Al2O3等の
酸化物系絶縁膜を形成した金属箔が耐電圧の点で適して
いる。コンデンサの陽極においては、陰極よりも耐電圧
が要求されるためである。
【0020】
【実験例】次に、実験例を挙げて本発明の効果を実証す
る。厚さ50μmの純度99.8%のアルミニウム箔
に、以下の条件で電解エッチング処理を施し、その両面
を粗面化した。 エッチング処理液:2.5wt%塩酸水溶液 処理条件/温度:60℃ 時間:200秒 電解電流:20A/50cm2
る。厚さ50μmの純度99.8%のアルミニウム箔
に、以下の条件で電解エッチング処理を施し、その両面
を粗面化した。 エッチング処理液:2.5wt%塩酸水溶液 処理条件/温度:60℃ 時間:200秒 電解電流:20A/50cm2
【0021】得られたアルミニウム箔の表面を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、0.5μmRmax程度の
微視的な凹凸が全面に亙って形成されていた。また、こ
の粗面化したアルミニウム箔の静電容量を計測したとこ
ろ、0.290mF/cm2であった。静電容量の計測
は以下の条件で行った。 計測器:HP株式会社製LCRメーター4326A(商
品名) 印可条件:120Hz、50mV 電解液:ホウ酸アンモニウム10wt%溶液(浸漬して
3分後の測定値を記録した) 試験片寸法:10mm×50mm
子顕微鏡で観察したところ、0.5μmRmax程度の
微視的な凹凸が全面に亙って形成されていた。また、こ
の粗面化したアルミニウム箔の静電容量を計測したとこ
ろ、0.290mF/cm2であった。静電容量の計測
は以下の条件で行った。 計測器:HP株式会社製LCRメーター4326A(商
品名) 印可条件:120Hz、50mV 電解液:ホウ酸アンモニウム10wt%溶液(浸漬して
3分後の測定値を記録した) 試験片寸法:10mm×50mm
【0022】粗面化したアルミニウム箔の両面に、真空
度5×10-3Paの真空中で電子ビーム加熱式蒸着によ
り種々の厚さのMoまたはWからなる被覆層をそれぞれ
形成した。得られた電解コンデンサ用電極箔の静電容量
を計測した結果を図3に示す。静電容量の計測は前記と
同条件で行った。
度5×10-3Paの真空中で電子ビーム加熱式蒸着によ
り種々の厚さのMoまたはWからなる被覆層をそれぞれ
形成した。得られた電解コンデンサ用電極箔の静電容量
を計測した結果を図3に示す。静電容量の計測は前記と
同条件で行った。
【0023】一方、粗面化したアルミニウム箔の両面
に、真空度5×10-3Paの真空中で電子ビーム加熱式
蒸着により0.75μm(7500オングストローム)
のTiを蒸着した後、同じ真空度で種々の厚さのMoま
たはWからなる被覆層を形成した。得られた電解コンデ
ンサ用電極箔の静電容量を計測した結果を図3に併せて
示す(MoまたはWの厚さでプロットした)。静電容量
の計測は前記と同条件で行った。
に、真空度5×10-3Paの真空中で電子ビーム加熱式
蒸着により0.75μm(7500オングストローム)
のTiを蒸着した後、同じ真空度で種々の厚さのMoま
たはWからなる被覆層を形成した。得られた電解コンデ
ンサ用電極箔の静電容量を計測した結果を図3に併せて
示す(MoまたはWの厚さでプロットした)。静電容量
の計測は前記と同条件で行った。
【0024】さらに、比較例として、粗面化したアルミ
ニウム箔の両面に、真空度5×10-3Paの真空中で電
子ビーム加熱式蒸着により種々の厚さのTi層をそれぞ
れ形成した。得られた電解コンデンサ用電極箔の静電容
量を計測した結果を図3に併せて示す。静電容量の計測
は前記と同条件で行った。
ニウム箔の両面に、真空度5×10-3Paの真空中で電
子ビーム加熱式蒸着により種々の厚さのTi層をそれぞ
れ形成した。得られた電解コンデンサ用電極箔の静電容
量を計測した結果を図3に併せて示す。静電容量の計測
は前記と同条件で行った。
【0025】図3から明らかなように、Tiを蒸着した
場合に比して、MoまたはWを蒸着した場合には、その
厚さの割に静電容量が大きく、例えば膜厚2500オン
グストロームの場合で比較すると、MoではTiの約4
倍、Wでは約2倍の値が得られた。すなわち、通常の電
解コンデンサ用電極箔の静電容量の製品規格が例えば1
mF/cm2 である場合、この静電容量を得るためには
Ti膜で5100オングストローム必要であるのに対
し、Moでは1500オングストローム、Wで2000
オングストロームで済む。したがって成膜ラインの速度
を増して生産性を向上することができる。また、中間層
としてTi層が存在する場合にも、Mo,Wを被覆する
ことにより、Mo,Wの特徴である静電容量の増大効果
が得られた。
場合に比して、MoまたはWを蒸着した場合には、その
厚さの割に静電容量が大きく、例えば膜厚2500オン
グストロームの場合で比較すると、MoではTiの約4
倍、Wでは約2倍の値が得られた。すなわち、通常の電
解コンデンサ用電極箔の静電容量の製品規格が例えば1
mF/cm2 である場合、この静電容量を得るためには
Ti膜で5100オングストローム必要であるのに対
し、Moでは1500オングストローム、Wで2000
オングストロームで済む。したがって成膜ラインの速度
を増して生産性を向上することができる。また、中間層
としてTi層が存在する場合にも、Mo,Wを被覆する
ことにより、Mo,Wの特徴である静電容量の増大効果
が得られた。
【0026】次に、上記の各電解コンデンサ用電極箔
を、同一条件で室温の大気中に放置し、静電容量の経時
変化を調べた。TiとMoとの比較結果を図4に、Ti
とTi+Moとの比較結果を図5に、TiとTi+Wと
の比較結果を図6にそれぞれ示す。Tiのみを蒸着した
場合には、最初の数日間で静電容量が大きく低下してい
るのに対し、Moを2000オングストローム以下に蒸
着した場合には、図4に示すように容量減少がほとんど
見られなかった。2500オングストロームのMoを蒸
着した場合には、経時につれ静電容量が逆に増える減少
が確認された。これは、Moの酸化につれMo被覆の表
面がいっそう多孔質化することを示していると考えられ
る。
を、同一条件で室温の大気中に放置し、静電容量の経時
変化を調べた。TiとMoとの比較結果を図4に、Ti
とTi+Moとの比較結果を図5に、TiとTi+Wと
の比較結果を図6にそれぞれ示す。Tiのみを蒸着した
場合には、最初の数日間で静電容量が大きく低下してい
るのに対し、Moを2000オングストローム以下に蒸
着した場合には、図4に示すように容量減少がほとんど
見られなかった。2500オングストロームのMoを蒸
着した場合には、経時につれ静電容量が逆に増える減少
が確認された。これは、Moの酸化につれMo被覆の表
面がいっそう多孔質化することを示していると考えられ
る。
【0027】また、図5および図6の結果より、Tiを
7500オングストローム蒸着してからMoまたはWを
蒸着した場合は、Tiのみを蒸着した場合に比して、静
電容量の経時変化を緩和し、静電容量を経時的に安定化
できることが確認できた。
7500オングストローム蒸着してからMoまたはWを
蒸着した場合は、Tiのみを蒸着した場合に比して、静
電容量の経時変化を緩和し、静電容量を経時的に安定化
できることが確認できた。
【0028】次に、Moを1000オングストローム蒸
着した電解コンデンサ用電極箔について、ESCA装置
によりMo蒸着側から厚さ方向の元素分布を測定した結
果を図7に示す。測定は、箔表面にArイオンを照射し
一定速度でスパッタリングしながらX線照射して元素分
析を行った。X線強度は8.0kV×30mA、Ar+
イオン加速条件は2.0kV×20mAとした。図7か
ら明らかなように、箔表面に形成されたMo蒸着膜に
は、20原子%程度の酸素原子がほぼ均一に含まれてい
る。
着した電解コンデンサ用電極箔について、ESCA装置
によりMo蒸着側から厚さ方向の元素分布を測定した結
果を図7に示す。測定は、箔表面にArイオンを照射し
一定速度でスパッタリングしながらX線照射して元素分
析を行った。X線強度は8.0kV×30mA、Ar+
イオン加速条件は2.0kV×20mAとした。図7か
ら明らかなように、箔表面に形成されたMo蒸着膜に
は、20原子%程度の酸素原子がほぼ均一に含まれてい
る。
【0029】次に、Ti中間層を形成した電極箔につい
て、MoまたはWの蒸着膜を形成したものと、他の金属
の蒸着膜を形成したものとの静電容量の比較を行った。
粗面化したアルミニウム箔上にTiを0.75μm蒸着
した後、表1に示す物質をTi膜上にそれぞれ300オ
ングストローム蒸着し、得られた電極箔の静電容量を前
述の方法で測定した。成膜条件等は前記実験と同様であ
る。その結果を表1に示す。
て、MoまたはWの蒸着膜を形成したものと、他の金属
の蒸着膜を形成したものとの静電容量の比較を行った。
粗面化したアルミニウム箔上にTiを0.75μm蒸着
した後、表1に示す物質をTi膜上にそれぞれ300オ
ングストローム蒸着し、得られた電極箔の静電容量を前
述の方法で測定した。成膜条件等は前記実験と同様であ
る。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から明らかなように、静電容量
の増大効果が得られるのはMoおよびWを蒸着した場合
のみであり、他の金属をTi上に蒸着した場合には、T
i蒸着膜のみの場合と容量が同じか、減少した。
の増大効果が得られるのはMoおよびWを蒸着した場合
のみであり、他の金属をTi上に蒸着した場合には、T
i蒸着膜のみの場合と容量が同じか、減少した。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電解
コンデンサ用電極箔によれば、粗面化金属箔上にTi等
を蒸着した従来の電解コンデンサ用電極箔に比して、静
電容量を大幅に向上することができ、同じ静電容量を得
るのであれば、蒸着厚さを減らして生産性を向上でき
る。また、表面に酸化膜が生じにくいので、静電容量の
経時劣化が少なく、電解コンデンサの品質を向上するこ
とができる。
コンデンサ用電極箔によれば、粗面化金属箔上にTi等
を蒸着した従来の電解コンデンサ用電極箔に比して、静
電容量を大幅に向上することができ、同じ静電容量を得
るのであれば、蒸着厚さを減らして生産性を向上でき
る。また、表面に酸化膜が生じにくいので、静電容量の
経時劣化が少なく、電解コンデンサの品質を向上するこ
とができる。
【図1】本発明に係る電解コンデンサ用電極箔の第1実
施例を示す断面拡大図である。
施例を示す断面拡大図である。
【図2】本発明に係る電解コンデンサ用電極箔の第2実
施例を示す断面拡大図である。
施例を示す断面拡大図である。
【図3】本発明の電解コンデンサ用電極箔の被覆層厚さ
と静電容量の関係を示すグラフである。
と静電容量の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の電解コンデンサ用電極箔の静電容量の
経時変化を示すグラフである。
経時変化を示すグラフである。
【図5】本発明の電解コンデンサ用電極箔の静電容量の
経時変化を示すグラフである。
経時変化を示すグラフである。
【図6】本発明の電解コンデンサ用電極箔の静電容量の
経時変化を示すグラフである。
経時変化を示すグラフである。
【図7】本発明の電極箔の表面の元素分布を示すグラフ
である。
である。
1 金属箔 2 凹部 3 凸部 4 多孔質被覆層 5 Ti中間層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
Claims (4)
- 【請求項1】導電体材料からなりその表面には微視的な
凹凸が形成された金属箔と、この金属箔の表面に設けら
れた厚さ0.005〜0.5μmのMoまたはWからな
る多孔質被覆層とを具備することを特徴とする電解コン
デンサ用電極箔。 - 【請求項2】前記金属箔と前記被覆層との間には、Ti
中間層が形成されていることを特徴とする請求項1記載
の電解コンデンサ用電極箔。 - 【請求項3】前記多孔質被覆層の表面の少なくとも一部
は酸化されて、MoまたはWの酸化物となっていること
を特徴とする請求項1または2記載の電解コンデンサ用
電極箔。 - 【請求項4】前記金属箔は粗面化されたアルミニウム箔
であり、その表面粗さは0.5〜20μmRmaxとさ
れていることを特徴とする請求項1,2または3記載の
電解コンデンサ用電極箔。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23391193A JPH0794370A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 電解コンデンサ用電極箔 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23391193A JPH0794370A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 電解コンデンサ用電極箔 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0794370A true JPH0794370A (ja) | 1995-04-07 |
Family
ID=16962525
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23391193A Withdrawn JPH0794370A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 電解コンデンサ用電極箔 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0794370A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1418599A4 (en) * | 2001-07-18 | 2007-05-02 | Nihon Parkerizing | ALUMINUM FOIL FOR AN ELECTROLYTIC CONDENSER |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP23391193A patent/JPH0794370A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1418599A4 (en) * | 2001-07-18 | 2007-05-02 | Nihon Parkerizing | ALUMINUM FOIL FOR AN ELECTROLYTIC CONDENSER |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001128 |